JUJUがバイオレンスな“儀式”を告白 「男性にド突いてもらうんです」

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ユーモアセンスが溢れるトークにも定評があるJUJU。

【リアルサウンドより】  JUJUが12月17日放送の『笑っていいとも!』(フジテレビ)に出演、極度のあがり性であることを告白し、コンサート前には風変りな儀式を行っていることを明かした。  「ノイローゼの熊くらい緊張します」というJUJUは、コンサートやテレビ出演の際は緊張を“痛み”でごまかすために、ステージに出る寸前、男性スタッフに背中の「緊張スポット」と呼んでいる部位を、思いっきり“ド突いて”もらうのだとか。場合によっては2発、3発と激しく殴打してもらうこともあり、初めてその様子を見たひとは驚きを隠せないという。ニューヨークのMTV出演の際は、トラブルと勘違いした屈強なガードマンたちが、スタッフを取り押さえたこともあったそうだ。JUJUらしいエキセントリックなエピソードに、スタジオは爆笑。タモリも始終笑いながらコーナーを終えた。
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陣中見舞いで天海祐希に花束を手渡すJUJU。

 そんなJUJUは、新曲の「Door」が天海祐希主演ドラマ『緊急取調室』(テレビ朝日系、1月9日スタート)の主題歌に起用されることが決定している。陣中見舞いで『緊急取調室』の撮影現場を訪問した際には、初対面となる天海祐希に自らオーダーした白いバラの花束をプレゼント。天海祐希はJUJUに「自分で行動を起こし、自分が思い描く人生を手に入れている――そんなJUJUさんの生き様と経験が、強い説得力をもって女の子たちの背中を押す曲につながっていくんだろうな、と感じています。(中略)“多面体を持った女性”で、すごく素敵ですよね」とコメントを贈っている。  おどけた一面を持ちながら、女性らしい気遣いや、人並み外れた行動力も持ち合わせたJUJU。彼女の歌が女性から支持されるのは、その多面的なキャラクターに魅せられているから、という面もありそうだ。 (文=編集部) ■リリース情報
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JUJU『GIFT』(SMAR)

Premium Classic Album『GIFT』 発売:2013年12月11日 価格:¥2,520(税込) 01. Overture 02. 明日がくるなら 03. やさしさで溢れるように 04. 光の中へ 05. My Life 06. この夜を止めてよ 07. YOU 08. Distance 09. 願い 10. また明日… 11. ANTIQUE 12. ありがとう 13. 守ってあげたい 14. 奇跡を望むなら…

AV女優つぼみが星野源の求愛に応えた!? 名曲 「くだらないの中に」をアカペラ歌唱

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つぼみオフィシャルサイト

【リアルサウンドより】  人気セクシー女優であり、歌手としても活動するつぼみが12月12日「つぼみオフィシャルサイト」を開設し、その中で星野源の「くだらないの中に」をアカペラで歌唱していることがわかった。  星野源はかねてより音楽誌『MUSICA』などで、つぼみの熱烈なファンであることをたびたび公言していた。今回のMVはそんな彼に対するつぼみのアンサーソングとのことだ。

つぼみ sings 「くだらないの中に」

 オリジナルのMVを踏襲し、撮影はビルの屋上で行われている。息遣いやビル風の音が聞こえることからわかるように、アカペラの歌唱は一発撮りだ。撮影を担当した映像作家によると、つぼみはあえてメッセージなどを添えず、生歌のみで星野源へのアンサーをしたとのことだ。2010年より歌手TSUBOMIとしても活躍する彼女だけに、今回の歌を聴いた星野源からどのような返答があるのか、注目したいところである。  なお、同サイトでは本邦初の試みとして、つぼみの3Dデータを無料配信中。3Dプリンターがあれば、つぼみのリアルなフィギュアを手に入れられる。

つぼみ、3Dプリント化のお知らせ。

 元・恵比寿マスカッツのRIOがシングル『アイム・セクシー~Da Ya Think I’m Sexy?~』でソロデビューを果たすなど、人気セクシー女優が音楽業界でも活躍する昨今。つぼみの音楽活動は今後、どのように評価されるのだろうか。 (文=編集部) 

アイドルの自己紹介はなぜ長い? テレビドラマとSNSで「キャラクター化」する人々

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『キャラクタードラマの誕生』のカバー写真に起用された「ミスiD2014グランプリ」の蒼波純。

【リアルサウンドより】  AKB48ももいろクローバーZといったアイドルグループのライブでは、キャッチフレーズとともに長い自己紹介をして、それに対しファンが合いの手をいれるという文化が根付いている。そもそもなぜ彼女たちはそういったパフォーマンスを必要としたのだろうか。  12月25日に『キャラクタードラマの誕生』(河出書房新社)を上梓するドラマ評論家の成馬零一氏は、アイドルたちのパフォーマンスを「キャラクタードラマ」という概念を軸に読み解いている。  成馬氏によると「キャラクタードラマ」とは、90年代後半あたりから増加した、漫画やテレビアニメのエッセンスを取り入れたテレビドラマのこと。岡田惠和が脚本を手がけた作品では、『南くんの恋人』や『ちゅらさん』、近年では『泣くな、はらちゃん』などが挙げられ、それらの作品では、マンガやアニメのキャラクターのような振る舞いをする人間と、自分の身には大きな物語など訪れなるはずがないと思っているごく普通の人間の衝突を描くことによって物語が展開されていた。  いっぽう、演出家の堤幸彦は、『金田一少年の事件簿』や『ケイゾク』、『TRICK』といった作品で、演出の面から漫画やアニメのエッセンスを取り込んでいった。低予算でスケジュールに余裕がないため、動画に枚数を割くことができなかった日本のアニメーションは、その制約を逆手にとって、演出と編集を駆使することで表現のレベルをあげていったのだが、堤幸彦は、時に役者を漫画やアニメのキャラクターのように記号的に扱い、極端にカット数を増やし、独自の編集を加えることで“堤色”というべき独特の世界を作り上げた。「キャラクタードラマ」は、漫画やアニメの文体をテレビドラマにどう持ち込むかを試行錯誤しながら発展し、その流れは宮藤官九郎が脚本を手がけ、2013年にブームとなった『あまちゃん』にも引き継がれている。  テレビドラマが漫画やアニメの世界に近づいた時代と重なり、携帯電話やインターネットが発展、若者文化の在り方も変わった。成馬氏は「人間をキャラクターとして捉える風潮が急速に拡がった」として、その要因を特にSNSと結びつけている。TwitterやFacebookでは、たとえばお洒落な人間に思われたいのであれば、好きなファッション雑誌の名前を挙げたり、社交的な人間に思われたいのであれば、参加したパーティーの写真を挙げたりすることによって、ある意味では記号的に、自身のキャラクターをカスタマイズすることができる。それによって、多くの人が「自分がどんなキャラクターであるか」ということに対して自覚的になったというのだ。  人々が自覚的にキャラクターを作り始めるようになると、テレビドラマや小説における人間の描き方も変わってくる。白岩玄作の小説を原作とした『野ブタ。をプロデュース』では、主人公は学校のクラスの人間関係を一種の“仮面劇”として捉えている。みんなが「こういう風に見られたい」というキャラクターを演じていることに自覚的な主人公が、いじめられっ子の女子をクラスの人気者にするため、「キャラクターのカスタマイズ」をする物語だ。『電車男』や『桐島、部活やめるってよ』、2013年に直木賞を受賞した『何者』でも、他者に対し自分をどんなキャラクターに見せ、どう承認を得るのかという悩みは、大きなテーマとして扱われている。  このようにキャラクターを軸とした文化が発展してくると、コミュニケーションの方法にも変化が生まれる。テレビドラマでアニメや漫画のような演技をするキャラクターのように、人々は記号的な振る舞いによって認知や承認を求めるようになる。それをわかりやすく表しているのが、アイドルとファンの間のコミュニティだ。「自己紹介に次ぐ自己紹介」と『あまちゃん』ではギャグにされていたが、アイドルは印象的なキャッチフレーズと、アニメキャラのような振る舞いで、長い自己紹介をする。ファンはそれに対し、合いの手で承認をする。そのコミュニケーションは、端から見ると風変りに映る場合もあるが、当人たちにとっては心地良く親密だ。AKB48やももいろクローバーZといったグループは、ファンと親密な関係性を築くため、そういった“キャラクター作り”を自覚的に行ってきたのだ。  成馬氏は、テレビドラマを軸にこの「人々のキャラクター化」について考察しているが、このような現象はもっと普遍的に、あらゆる文化に根付いていくのでは、と予測している。たとえばAKB48は自分たちのキャラクターについて歌ったりしているが、その傾向はほかの音楽でも起こり得るというのだ。神聖かまってちゃんやゴールデンボンバー、あるいはきゃりーぱみゅぱみゅといった、漫画やアニメのキャラクターのようなアーティストが人気を博し、ゆるキャラのふなっしーが新曲を発表するのも、あるいは無関係ではない話かもしれない。  テレビドラマを軸に、現代文化を鋭く評した『キャラクタードラマの誕生』は、音楽ファンにとっても興味深い読み物といえそうだ。 (文=編集部)
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成馬零一『キャラクタードラマの誕生』(河出書房新社)

■関連情報 『キャラクタードラマの誕生』 著者:成馬零一 四六判並製232頁 本体1600円(税別) 河出書房新社 <概要>  『銭ゲバ』岡田惠和、『最高の離婚』坂元裕二、『家政婦のミタ』遊川和彦、『あまちゃん』宮藤官九郎、『すいか』木皿泉、『リーガルハイ』古沢良太……最も刺激的なテレビドラマを作る6人の脚本家の作品を読み解きつつ、テレビドラマの文学的評価を高めた『岸辺のアルバム』や『北の国から』といった《文芸ドラマ》、八〇年代後半に若者の風俗を描き一世を風靡した《トレンディドラマ》に続く、新しいドラマの潮流を《キャラクタードラマ》という新概念で説き起こす。岡田惠和氏、遊川和彦氏のスペシャル・インタビューも収録。さらにカバー写真には、業界大注目「ミスiD2014グランプリ」蒼波純さんが登場。なぜ『家政婦のミタ』は、『あまちゃん』は、『半沢直樹』は、ムーブメントになったのか……この一冊ですべてが判明する。新時代の本格的テレビドラマ評論。

チャートが示す「ロックバンドの復権」 ホルモン筆頭に実力派が健闘した2013年

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bloodthirsty butchers『youth(青春)』(キングレコード)

【リアルサウンドより】  この1、2年、ジャンルの壁をぶち壊すような新しい表現方法を次々と提示するなど、最早「音楽の実験室」と化しているアイドルシーンに比べ、日本のロックが面白くないなぁと感じることが多かった。次から次へと現れる数々のギターロックバンドが、過去の焼き直しに過ぎない音を鳴らすことに辟易している人も多いことだろう。実際、アイドルのライヴ現場へと足を運ぶロックリスナーが続々と現れ、アイドルが出演するロックフェスの数も今年になってグッと増えた。  しかし、本当に日本のロックはつまらなくなったのだろうか。シーンにおける存在感を失ってしまったのだろうか。そこで、今年のオリコン週間アルバムランキングを振り返ってみたところ、興味深い事実が分かった。  2013年のジャパニーズロックシーンを象徴する作品は何と言ってもマキシマム ザ ホルモン『予襲復讐』である。今作が3週連続1位を獲得したことは記憶に新しいが、結局、今年はこの記録を上回るどころか並ぶ作品すら現れず、同作品は年間チャートでも20位以内をほぼ確実にした。2週目以降は競合に恵まれたという幸運はあったものの、他のJ-POP勢のように派手にメディアへ露出することなく記録した数字としては驚異的だ。
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HEY-SMITH『Now Album』(CAFFEINE BOMB ORGANICS)

 チャート的に特別目立った動きを見せたのはホルモンだけだが、今年はこれまでの自己記録を大きく更新した実力派バンドが地味に多かった。まず、若手パンクバンドの成長株HEY-SMITHの新作『NOW ALBUM』は、前作の最高位36位を大きく更新し、トップ10に食い込んだ。Hi-STANDARDのギタリストでもあり、Ken Yokoyamaとしても活躍する横山健率いるハードコアパンクバンドBBQ CHICKENSによる5作目『Broken Bubbles』は、初登場10位を記録。活動休止中にも関わらずHi-STANDARDの人気が絶頂を迎えていた01年にリリースした1stアルバムの最高位19位を上回ったことは驚きだ。そして、今年5月、ギターボーカル吉村秀樹が逝去した、日本が誇るべきロックバンドbloodthirsty butchersによる13枚目のアルバム『youth(青春)』は初登場29位。吉村への追悼の意味もあったとはいえ、これまでの最高位が04年リリース『birdy』が記録した81位だったことを考えると、かなりの躍進である。これらの作品は、今年良好なチャートアクションを見せたロックアルバムのほんの一部。YOUR SONG IS GOODやdownyのように、久々となる作品をリリースしたバンドも目覚ましい結果を残している。
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BBQ CHICKENS『Broken Bubbles』

 これらの結果から考えられるのは、日本の音楽業界は相変わらず低調だが、相対的に見ると、ロックシーンの状況はバンド関係者やリスナーが思っているほど酷くはないということ。地道にライヴを重ね、良い作品を作ってさえいればそう簡単にリスナーは離れない。前述した多くのギターロックバンドに関しては、全体的に伸び悩んでいる様子がうかがえるが、これはある意味、健全な結果と言えるのかもしれない。彼らにだってまだチャンスはいくらでもある、ということだからだ。  基本的にロックバンドは、チャートで一喜一憂するのがカッコ悪いと思っているのか(まあ、思っているんだろう)、自身の公式サイトやSNSであまり声高にオリコンチャートの結果を口にしない傾向があるのでなかなか世間に伝わりづらいが、実は2013年にこんな動きがあったということを報告しておきたい。 ■阿刀 "DA" 大志 75年生まれ。某パンクレーベルにて宣伝制作を10年以上務めた後、昨年フリーランスに。現在は執筆業を中心に、Space Shower TVの番組スタッフやら何やら音楽に関わるあらゆる分野で雑食的に活動中。

嵐ツアーのチケット争奪戦に心配の声……解決の鍵は“価格の弾力化”にあり?

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最近では、プラチナチケットをネットオークションを使って転売する業者もある。

 のツアー『ARASHI Live Tour2013 “LOVE“』の東京公演が12月10日から東京ドームにて開催され、その公演のチケットを直前まで求めるファンの姿が、ネット上で話題になっている。「なんでもするのでチケット譲ってください」などと書かれたプラカードを持ち、東京ドームのある水道橋駅の前にたむろする若い女性ファンたちの写真がTwitter上で拡散され、よからぬことに巻き込まれはしないかと心配する声も多く上がっている。「嵐のチケットはそんなに取れないのか」という驚きの声も多い。  チケットの優先販売が売りのファンクラブに入会しても、ほとんど取れないという嵐のチケット。ジャニーズのタレントは総じてその傾向が強く(ファンの絶対数が多いので当たり前の話だが)、チケット申し込みのために携帯を何個も契約し優先予約に備えているジャニオタなんてざら。それでも取れずヤフオクを覗いてみれば、一枚8500円のチケットが10倍近い値段になっていることもある。タレントたちが連続公演出来る日程にもコンサート会場のキャパにも限界があるので仕方のないことだが、その結果、水道橋駅前にスケッチブックを持った女の子たちが並ぶことになる。  この傾向はなにもジャニーズタレントたちに限った話ではない。ほぼチケットが取れないと噂なのは、大人気のももいろクローバーZ。ファンクラブに入会していても年に1度程度しか当選しないこともあるほど、その人気は白熱している。その不満を少しでも解消するために生まれたシステムが”ライブビューイング“(全国の劇場でライブの生中継が見れる)だが、やはり生で見たいのがファン心理というもの。「クレジット決済にすれば取れやすい」など、ウソかホントかわからない噂も飛び交い、チケット争奪戦は激化の一途を辿る。  そしてロック系では、BUMP OF CHICKEN、ONE OK ROCKなど人気バンドはやはりチケット入手が困難なようだ。だが、ワンマンでなくても良ければフェスなどで見れる機会は多少あるため、そういった機会を狙うという方法もある。だが、今年の年越しに開催される最大規模の年越しフェス『COUNTDOWN JAPAN 2013/2014』(エレファントカシマシ、RADWIMPS、サカナクションなどロックバンドからから前田敦子、きゃりーぱみゅぱみゅでんぱ組.incといったアイドルまで幅広く出演するフェス)は、今年がブッキングの当たり年だと言われており、会場が幕張メッセにも関わらずチケットは即完、入手困難な状態が続いている。  果たして、このような状況を打開する策はあるのか? コンサート事業に詳しい音楽雑誌の編集者は次のように語る。 「人気のある公演のチケットが取れないのは昔から変わらないことなので、明快にこうすれば良い、という手だてがあるわけではありません。しかし、海外のコンサートのように、運営側がチケットの価格に差を付けるというのはひとつの手でしょう。プラチナチケットに関しては、初めからオークション形式にするなどして価格に弾力性を持たせれば、市場原理が働き、チケットが発売後に急に売り切れになったりする傾向が緩和される可能性があります。また、ダフ屋行為も確実に減っていくと思われます。もちろん、お手頃な価格で多くのファンに平等に観て貰いたいというアーティストも多いでしょうから、一概に良いとは言えないことですが……」  CDが売れなくなり、人々が「音楽そのもの」よりもライブという「体験」にお金を払うようになったといわれる昨今。従来とは異なるチケットの販売方法も必要なのかもしれない。 (文=椎名ゆい)

AKB48『鈴懸-』が初日ミリオンならず 作風の変化が意味するものとは?

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AKB48『鈴懸(すずかけ)の木の道で「君の微笑みを夢に見る」と言ってしまったら僕たちの関係はどう変わってしまうのか、僕なりに何日か考えた上でのやや気恥ずかしい結論のようなもの(Type S)』(キングレコード)

【リアルサウンドより】  AKB48の34枚目のシングル『鈴懸(すずかけ)の木の道で『君の微笑みを夢に見る』と言ってしまったら僕たちの関係はどう変わってしまうのか、僕なりに何日か考えた上でのやや気恥ずかしい結論のようなもの』が12月11日に発売され、初日売り上げが91.7万枚を記録したものの、連続4作目の「発売初日ミリオン」達成はならなかった。  同曲は、9月に行われた「第4回じゃんけん大会」の上位16人が歌唱。優勝したSKE48の松井珠理奈がソロでは初のセンターを務めた。曲名が長いことでも話題を集め、公式の略称として「鈴懸なんちゃら」と呼ばれている。  初日ではミリオンを達成できなかったが、今後100万枚に到達するのはほぼ確実。前作の『ハートエレキ』では、B’zと並ぶ歴代1位タイ記録の「通算ミリオン獲得数15作」を達成しており、「鈴懸‐」により通算16作の新記録を達成する可能性は高い。しかし、AKB48が今回売り上げを落としたことは、同グループにとって決して楽観視できることではないだろう。『AKB商法とは何だったのか』の著者であり物語評論家のさやわか氏は、今回の結果を次のように分析する。 「『鈴懸‐』は、タイトルには目新しさがありますが、歌詞の内容は2008年ごろのAKB48が得意としていたパターンに近いです。主語が“僕”になっていて、『今の距離がちょうどいい』や『君を見守りたい』といった、アイドルに対する男性ファンの心情に重ねることのできるフレーズが目立ちます。最近は『恋するフォーチュンクッキー』など、メンバー自体のストーリーを歌うパターンが多かったですが、ここに来て前のパターンに戻した、という印象です」  『恋するフォーチュンクッキー』は、AKB48の熱心なファン以外にも訴求した。指原莉乃がセンターになることによって「普通の女の子でも一番になれる」というストーリーを描いた同曲は、誰もが踊れるダンスとともに、日本中で流行した。しかしAKB48の人気が拡大する一方で、握手会や劇場公演といった、コアなファンにとって重要なイベントがうまく機能しなくなってきた部分もある。そこで運営は、今回の楽曲を「一般層の目線ではなく、オタク層の目線にシフトしたのでは」とさやわか氏。さらに、その方向性についても「間違ってはいない」と評価する。 「そもそも『じゃんけん大会』の楽曲は、これまで目立っていないメンバーにスポットを当てるという実験的なもの。松井珠理奈はそれなりに有名なメンバーでしたが、それでも人気は10位前後で、大島優子がセンターになるのとは違います。最近の流れの通りやるならば松井珠理奈のストーリーを歌った歌詞が用意されたはずでしょうが、今回の“実験”は大きな方向転換を試したということになるのかもしれません。セールス的には大成功とは言えないかもしれませんが、今後の方向性を決めるうえでも、今回のような新しい切り口の曲は必要なのではないでしょうか。ただ、来年の選抜総選挙を盛り上げることを考えると、それまでファンを繋ぎとめるためにも、次にリリースされるはずの来春の曲では良い結果を出さなければいけないでしょうね」  今年、世代交代やドラフト制度の導入など、そのシステムに大きな変化が起こったAKB48。新曲では“王道パターンへの回帰”ともいえる変化が示されたが、その舵取りはうまくいくのだろうか。 (文=編集部)

BiSメンバーが全裸写真公開へ 彼女たちはなぜ過激なパフォーマンスを続けるのか

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BiS『STUPiG(CD+DVD)(アニメ盤)』(avex trax)

【リアルサウンドより】  BiSのメンバー全員が全裸姿で撮影された写真が、カルチャー誌『Quick Japan 111号』(12月12日発売)の裏表紙と特集記事に掲載されている。BiSは2011年8月に公開された「My Ixxx」のMVでも、現メンバーのプー・ルイとヒラノノゾミが野外で全裸撮影に挑戦。今回は来年に予定されている“解散”に向けて、全力で駆け抜けるという意志を込めて、メンバー全員で撮影に臨んだという。  これまでもBiSは衝撃的なパフォーマンスを繰り返し、話題を集めていた。2012年のライブでは「今揉めるアイドル」をキャッチフレーズに、スクール水着姿で客席に飛び込むパフォーマンスを披露し、その動画がネットで炎上。先述の「My Ixxx」発表の後は、AV風のMVに仕上がった「DiE」が注目を集めた。2013年8月には世界的ノイズバンドの非常階段とコラボし、BiS階段として活躍。同年10月には、ファッションデザイナーのコシノジュンコが正式メンバーとして加入、翌月には終身名誉メンバーに就任するなど、先の読めない活動は常に衆目を集めている。  アイドルグループとしては極めて特異な道を歩んできたBiSだが、なぜ彼女たちは過激なパフォーマンスを続けるのだろうか。そして、その姿勢はシーンにどんな影響を与えるのか。BiSの映像コンテンツに携わる、スペースシャワーTVの映像プロデューサー・高根順次氏は、その活動方針について次のように語る。 「BiSのマネージャーの渡辺淳之介さんはよく『僕らはパンクバンドなんです』と言っていますが、彼女たちの姿勢はまさしくパンクなのではないかと思います。プロモーションの手法として、ほかのアイドルはもちろん、ロックバンドでもできないようなやり方を常に模索しています。しかも、同じことはせず、さらにそれを越えるインパクトを追い続けている。人によってはそれを、表層的な表現だとか、やり過ぎだとか感じる場合もあると思いますが、彼女たちはそれさえも自覚しながら、あえて過激なことに挑戦します。常にかぶき続けているのが、BiSというグループなんです」  また、BiSとその運営側には、特殊な関係性が見られるという。 「BiSのパフォーマンスは、彼女たちが発案しているわけじゃないところも特徴的ですね。運営側が『こういうことできる?』って過激な提案をして、彼女たちがそれでも『やります!』って食らいつく姿勢を見せるという関係性があります。メンバーのプー・ルイは最初ソロ活動からスタートしたのですが、『やりたい歌をやっても、客がほとんどいないっていう状況が一番つらかった』といった趣旨の発言をしています。彼女たちにとっては、たとえイロモノ扱いされたとしても、ちゃんとファンがいて、シーンの一旦を担っているほうがずっと幸せなのでしょう。確かに飼い殺し状態のアイドルよりはずっと健全だと思います。BiSは普通のアイドルがやらないようなことだけに挑戦していますが、そのパフォーマンスはほかのアイドルが二番煎じで真似をしたからといって面白いわけじゃない。彼女たちはそれを知っているからこそ、覚悟をもって過激なパフォーマンスをやり遂げようとしているんだと思います。その姿勢には、倫理観を揺さぶられるものがありますね」  アイドルが多様化し、さまざまなコンセプトを持ったグループが溢れる昨今。BiSが進む方向性は、アイドルシーンのみならず、音楽シーン全体に「表現とはなにか」を問いかけているのではないだろうか。来年の“解散”に向けて、BiSはどんな活動を展開するのか、心の準備をして見届けたい。 (文=編集部)

EDMブーム、ダンス規制、変化する客層…クラブシーンは今どうなっているのか?

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ダンス・ミュージックの発信源であるクラブは今、どのような状況を迎えているのか。(写真/josemanuelerre)

【リアルサウンドより】  ダンス・ミュージックが本格的にJPOPに採用されるようになってから随分経つ。そんな中、新しいカルチャーを絶えず発信し続けている場所が、ダンス・ミュージックの“現場”と呼ばれるクラブだ。そんなクラブの現状はどのようなものか。レコード・ショップ『CISCO』のヒップホップ・チーフバイヤーとして渋谷宇田川町の一時代を築き、DJはもちろん、ラジオ・ディレクターやライターとしても活躍するYANATAKEが、クラブ・カルチャーの“今”を切り取る。

今のクラブは最高に楽しい場所

 「最近のクラブってどうなのよ?」よく聞かれる質問ですね。ハッキリ言っておきますけど、今は最高に楽しいですよ! 「クラブ全盛期は20年前」という意見もあるようですが、ラウンジ・スタイルのような営業形態の店がオープンしたり、大なり小なりクラブの数は増え続けているし、ジャンルが細分化されても、SNSなどを通して好みの音楽がかかっているクラブを探すのは難しいことではなくなりましたからね。これって最高じゃないですか。  都内であれば平日でも、自分好みのパーティは必ず見つかる時代。「最近のクラブは面白くない」という人の話は信じなくていいですよ。それは現代音楽のスピード感についてこれなくなった世代のひがみに過ぎません。人気DJ/プロデュース・ユニット:HABANERO POSSEのGUNHEADくんの名言で「最近良い曲がないとか思ってる人は自分のDIG能力を疑え! 」とまったく同意見で、クラブを楽しむにも「自らが嗅ぎ分ける情報収集能力が必要」になってきた、ということでもあるのです。もしくは内容面でネガティブなイメージを抱く人がいるのは、主に“EDM”(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)というジャンルに対するアンチな物言いでしょう。これも間違っています。  ヒップホップ系のDJが流行を取り入れた先に生まれたのがEDMブームのひとつの側面。結果的に一般リスナーにも浅く広がり、それが飽和した途端に、EDM自体が悪く言われている。それが現状でしょう。  でも、EDMはレディー・ガガやリアーナのようなアーティストのヒット曲からもわかるように音楽業界を席巻しているジャンルだし、世界で何十億円も稼ぐトップDJはEDMをプレイしている人たちばかり。これからは日本でも本職として追求して、活躍していけるDJがたくさん生まれていくはず。  “チャラ箱”と言われるようなクラブでは、何年経っても同じEDMの曲が繰り返しプレイされることがあるので、こういう意見が出てしまうのは仕方ないかもしれませんが、実は新しいジャンル/新しい層へのマーケティングとしての結果であり、チャラいことを振り切ってやっているという意味では意識が高いんです。つまり、半端に触って放り出してしまった人たちよりも遥かにプロフェッショナル。実際、そういうことに徹底しているクラブのほうが集客があったりします。

ライトな層も気軽にクラブを楽しめる時代

 「楽しい=人が大勢いる」いう考え方もあるので、ビジネスとしての成功を考えるのであれば間違ったやり方ではありません。このような場所を好む新しい客層に関しては、クラブの楽しみ方自体の本質も変わりました。それは、カラオケ的な感覚で遊ぶ層が参入した、ということ。カラオケで知らない曲を歌われても盛り上がりませんよね? みんなと一緒に知ってる曲で騒ぎたい! という人口が圧倒的に増えたんです。裏を返せば、それだけライトな層も気軽にクラブを楽しめるようになったわけです。コアな層もこれをひとつのチャンスだと思わないとね。今は多くのクラブがセキュリティを雇い、入場時にはIDの確認や荷物のチェックもされるし、安全面でもキチンとしているところがほとんどです。  健全に遊べるのは、むしろクラブかもしれない。これから初めてクラブに行くような人たちも、興味が沸いたらまずはSNSで情報収集をしてみてはどうでしょうか。そこにはディスカウント合戦のような触れ込みも多数存在しますが、自分に合った音楽の情報をしっかり発信してくれているDJもたくさんいます。それらとうまく合致すれば、安くカッコイイ音楽で遊べるチャンスはいくらでもあるのです。  メディアでも取り沙汰されている風営法では、都内よりも地方都市の方がそのイメージは深刻な問題となっていますが、これをきっかけに問題が改善されたり、より遊びやすい環境になるよう働きかけている業界人や政治家もたくさん出てきました。オリンピックの開催も見据えて、世界水準に合わせたエンターテインメントの場所として成長していけることを目指して、さらに盛り上がっていく可能性を秘めているのです。  冒頭にも書きましたが、日本のクラブ/DJは好みの音楽を追究できる素晴らしいシーンでもあるので、僕らは様々な音楽を楽しんでもらうための場所を作り続けますよ。期待してください! ■YANATAKE  レコード・ショップ『CISCO』のヒップホップ・チーフバイヤーとして渋谷宇田川町の一時代を築き、レコード・レーベル「Def Jam Japan」の立ち上げやMTV Japanに選曲家として参加するなどヒップホップ・シーンの重要な場面を担う。DJとしてはClub Harlemでのイベント『Honey Dip』やYellowでの『FOWL』など、DJ HasebeやDJ Wataraiらと長期に渡り活動中。 Twitter facebook Blog block.fm

アイドリング!!!リーダーの遠藤舞が卒業……アイドルはソロシンガーとして活躍できるのか

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遠藤舞『Today is The Day』(binyl records)

【リアルサウンドより】  アイドリング!!!のワンマンライブ『アイドリング!!! 13th LIVE 史上最大!25人の大作戦グ!!! 晴れ、時々神』が12月8日に東京・中野サンプラザで行われ、その夜公演にてアイドリング!!!リーダーの遠藤舞が、来年2月24日の東京・Zepp DiverCity TOKYOのライブで卒業することを、自らの口から発表した。  アイドリング!!!結成から7年。もともとアイドルどころか芸能界にすら興味が無かった彼女は、昨年にシングル『Today is The Day』でソロデビューを飾った。その後、ソロシンガーとしての活動に専念したいという思いが芽生え、卒業を決断したとのことだ。アイドリング!!!では「鉄の女」と呼ばれ、今まで慕っていた前「自称」リーダー加藤沙耶香の卒業や、テレビ収録で行われた様々なドッキリでも涙を見せたことがなかった彼女(ケツバットでの痛みによる涙は除く)は、今回の発表後に初めて涙を見せ、その決断の大きさを改めて感じさせた。  アイドリング!!!にスカウトされていなければ、今頃、美容師になっていたかもしれない彼女。ライブでの生歌にこだわるアイドリング!!!において、高い歌唱力を持つ彼女は、様々な楽曲の落ちサビでソロパート担当することも多い。また、絶対音感を持ち、正確無比な音程で時に美しいハーモニーを聴かせてくれる。まっすぐで憂いと艶のある遠藤の歌声は、アイドリング!!!にとって他のアイドルグループにはない絶対的な武器となっていた。そんな彼女の圧倒的なボーカル力を再確認させられたのが、テレビ番組の「アイドリング!!!」のMCを務めるバカリズムが作詞、シンガーソングライターの奥村愛子が作曲を担当した「勇者の憂鬱」という曲だ。現在この曲はバカリズムの単独ライブDVD『勇者の冒険』のエンディングテーマとして聴くことが出来る(DVD上では『バカリズム少女歌劇団』と表記されている)。RPGゲームの勇者の悲哀をコメディタッチに歌い上げるピアノの旋律が印象的なバラードなのだが、正直コメディソングでは収まらない勇者の憂鬱……というよりわがままに近い独白を、遠藤の温かく優しい歌声でつつみ込み、切なさの先の笑いへと見事に導いてくれる。  2012年5月には、アイドルとしては初めてBillboard Live Tokyoでソロライブを開催した遠藤。生バンドを従え、ジャズアレンジを加えたアイドリング!!!楽曲のセルフカバーを中心としたライブでは、圧巻のパフォーマンスを見せてくれた。実際にこのライブを目の当たりにした人間なら、彼女のボーカリストとしての力を思い知らされたはずだ。当時アイドリング!!!のプロデューサーだった門澤清太氏は、インタビューにて「遠藤の才能がどこまでいけるか、自分の目で見てみたかった」と語っており、彼女の可能性を見据えてのライブだったことが伺える。  「アイドルは何者でもない」以前、彼女から聞いた一言が強烈に印象に残っている。アイドルはミュージシャンでも、女優でも、芸人でもない。ジャンルではあるが、芸能人として明確な肩書を持ち合わせているわけではない。アイドルという期間は、歌でも、ダンスでも、芝居でも、バラエティでも、どんなことにでも挑戦出来る。ファンに応援してもらいながら、様々な経験を積み、そこから自分のあるべき姿を見つけ出す。アイドルとは本来そういうものだったように思われる。何も知らず、何も興味もなく、アイドリング!!!としてアイドルとして様々な経験を積み、アイドルという時間の中で見つけたソロアーティストとしての可能性と未来。そして今回の卒業という決断こそ、本当にアイドルという時間をアイドルらしく生きたのという証明なのではないのだろうか?  グループアイドル全盛の現在。そんな中から、一歩踏み出しソロアーティストとして活躍することは難しい時代かもしれない。しかし、遠藤舞が持つポテンシャルなら、その苦難すらも乗り越え、アイドルの新しいステップアップの形を見せてくれるという期待をせずにはいられない。だからこそ、ソロアーティスト遠藤舞としての飛躍を目撃する前に、残り僅かとなった「職業:アイドル」としての遠藤舞の姿を、しっかり目に焼き付けておきたい。 ■エドボル 放送作家。『妄想科学デパートAKIBANOISE』(TOKYO FM水曜25:00-)『安田大サーカスクロちゃんのIdol St@tion』(目黒FM隔週木20:00-)、『Tokyo Idol Festival2013』(フジテレビNEXT)など、テレビ・ラジオなどの構成を担当。サイゾー、SPA!などでもアイドル関連のインタビューを中心に執筆中。

離婚発表の鈴木紗理奈とTELA-C レゲエシーンでの評価とは?

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MUNEHIRO『ANKORA feat.KENTY GROSS』(ファー・イースタン・トライブ・レコーズ)

【リアルサウンドより】  10月下旬の離婚報道から約1カ月、「すれ違いで生じた溝を埋めることができ なかった」ことを理由に、12月3日に正式に離縁することを発表した鈴木紗理奈とTELA-C。5年間の結婚生活に終止符を打ったことで世間の注目を集めた両者だが、この2人の共通項、そして出会いは言わずもがな“レゲエ・ミュージック”である。音楽一筋で国内レゲエ・シーンのトップを目指すべく活動してきたTELA-CことINFINITY16と、鈴木紗理奈ことMUNEHIROを結びつけたきっかけとはいったいなんだったのか。  そもそも鈴木紗理奈がレゲエ・シンガーとして活動を始めたのは2003年。彼女がレギュラーで出演している『めちゃ×2イケてるッ』(フジテレビ)が高視聴率を叩き出しているさなかの時期であったが、それから2年後の2005年に本名(宗廣華奈子)である“MUNEHIRO”名義でデビューを果たす。いまでこそMUNEHIRO=鈴木紗理奈という当たり前の方程式が成り立っているが、デビュー当初は“鈴木紗理奈である事実”を公表していなかった。それは“鈴木紗理奈”というバラエティ・タレントとしてのパブリック・イメージが、音楽活動へなんらかの支障を来すのではないか、という彼女なりの配慮で、つまりMUNEHIROとしての活動まで“バラエティの一環”として受け止められることを彼女自身が拒んだ、ということでもある。  実際にMUNEHIROとしての活動にはバラエティの“バ”の字もなく、その本気度は徐々に国内のレゲエ・シーンに浸透し、その正体が“鈴木紗理奈”と明らかになっても、アーティストやリスナーが彼女を好奇の目で見ることはなかった。その一端を担っていたのが、MUNEHIRO自身が“現場”と呼ばれるクラブに足繁く通っていたことも大きく作用している。「現場を知らないアーティストがクラブ・ミュー ジックを語るな」という暗黙の了解が存在する日本において、鈴木紗理奈の連日に及ぶクラブでの目撃情報は絶えなかったが、それは「MUNEHIROとしてデビューを果たし、レゲエを好きと言ったとしても、これからも学ぶことはたくさんある」という知識欲の塊であった彼女にとって、至極当然の行動だったのだろう。  デビューの翌年には早くもセカンド・アルバム『Up and Coming』をリリースしたMUNEHIROだったが、この作品で後に旦那として迎え入れるTELA-Cと「集会」なる曲で共演している。“にわかアーティスト”を嫌悪する傾向にあるクラブ・ミュージック・シーンにおいて、確かな実績を持つINFINITY16が参加したことは、「私がレゲエの虜になったのは1990年前後」と話しながらも、そのMUNEHIRO の真摯な態度にTELA-Cが共鳴したからだろう。また、「海外の文化を受け入れても日本人としての誇りを持ちたい」と話していたMUNEHIROの想いと、ジャマイカ~NYにおよそ2年半の長期滞在し海外デビューのチャンスを手にするも、学び得たことを日本に還元したいというTELA-Cの気持ちがリンクしたことは、ふたりの距離感を一気に縮めたに違いない。そんなふたりの出会いは紗理奈がMUNEHIROとして活動を始める前後のことだが、この共演を機に“いち女性である鈴木紗理奈”と“いちアーティストであるMUNEHIRO”は、TELA-Cと“ Up and Coming=うまくいきそう”と感じることができたのではないだろうか。  Up and Comingという言葉が結実し、MUNEHIROは2007年にユニバーサルミュー ジック内に創設された新たなレーベル:FAR EASTERN TRIBE RECORDSへと籍を移しメジャー・デビューを飾り、同じくTELA-Cも同年に同レーベルからメジャー・デビューを果たすことになる。互いのメジャー初仕事はINFINITY16名義のシングル「いつまでもメリークリスマス」だが、奇しくも先頃、紗理奈が離婚発表後にTELA-Cとの2ショット写真をブログにアップした内容は、長男のクリスマス発表 会での出来事で、確かに“いつまでもメリークリスマス”を有言実行している形となっている。   INFINITY16と言えば、ゲスト・ディージェイ/MC/ボーカルを招くスタイルの “Welcomez”スタイルで知られているが、これまでにMUNEHIROをウェルカムした曲 には前述の「いつまでもメリークリスマス」(2007年)、「輝きをもう一度」 (2008年)、「あなたが好き」(2010年)、「オンナ Forever」(2012年)の4 曲が存在する。紗理奈は「10年間ともに時間を過ごしてきました。これからもは同じ音楽をやる仲間として尊敬する気持ちは変わりません」と述べ、TELA-Cは「同じ音楽を愛し、同じステージに立つMUNEHIRO(鈴木 紗理奈)を尊敬する気持ちはいままで通り変わりません。そして、息子に対しては父親としての責任を果たし、必ず守って行く事をここで誓います」とブログに綴っているが、夫婦という形を終えても仲間として“輝ける”ことを祈り、いまなお“あなたが好き”であることが互いの文面から読み取れる。  MUNEHIROは今年6月にプロデューサーにDAISHI DANCE、ゲストにKENTY GROSSを招いたシングル『ANKORA』(浮気に対して「あんこら!」と関西弁で叱りとばす楽曲だが、あくまで離婚原因はすれ違いの生活ということで)をリリースし新境地を開拓。国内ハウス・シーンを背負って立つDAISHI DANCEだけに、イントロを聴いたときは流麗なハウス・ミュージックが始まると思いきや、まさかの“ダンスホールEDM”という華麗なる裏切りで驚かせてくれた(12月11日には配信シングル「Don't Touch」のリリースが控えている)。一方のINFINITY16は、2014年が活動20周年の節目を迎え、そのアニバーサリー・イヤーに先駆けて12月18日に既発曲にオーケストラ・アレンジを施した『Lover's Remixes』をリリースする。両者、順風満帆だ。  マイナスなイメージがつきまとってしまう離婚問題で世間をにぎわすふたりだが、幸か不幸かはさておき、強いて言えば束縛される結婚生活から解き放たれ、音楽活動にさらなる本腰を入れることができるチャンスでもある。そう、互いの今後のアーティスト活動はポジティブなヴァイブスに満ち溢れている。「MUNEHIRO」の“オンナ Forever”の第二幕は、これからだ。 (文=佐藤公郎)