SKE48、木崎ゆりあの不在をどう乗り越える? 新作MVから読み解くチームの課題

2014/3/19 on sale 14th.Single 未来とは? MV(special edit ver.)

【リアルサウンドより】  SKE48が3月19日にリリースするニューシングル『未来とは?』から、「未来とは?」「猫の尻尾がピンと立ってるように...feat. Bose (スチャダラパー)」「待ち合わせたい」「GALAXY of DREAMS」のMVをそれぞれ公開した。  SKE48らしいパワフルな曲に合わせ、ライブ映像などを逆回転させた演出が目立つ「未来とは?」や、エレクトロなダンスチューンと少し大人っぽい雰囲気の「GALAXY of DREAMS」、スチャダラパーらしいヒップホップのトラックとBOSEのラップに、チームSのユニゾンを乗せた切ない楽曲「猫の尻尾がピンと立ってるように...feat. Bose (スチャダラパー)」。さらに、左半身が応援団、右半身がチアリーダーというオモシロ衣装と、アップテンポな楽曲が特徴な「S子と嘘発見器」、ミドルテンポでどこか懐かしさを感じさせる楽曲とレトロな衣装に注目の「待ち合わせたい」など、バラエティに富んだ作品群となっている。  先日の「大組閣」では、木崎ゆりあのAKB48チームIV移籍が発表され、松井玲奈が乃木坂46と兼任に。SNH48の宮澤佐江がチームSのキャプテンも兼任するなど、グループの各チームにおいて、ファンからの疑問の声が一番多かったようにも思えるSKE48。  アイドルカルチャーに詳しいライター・物語評論家のさやわか氏は、今回公開されたMVの感想や、そこから読み取れる運営の方針について、以下のように分析する。 「タイトル曲の『未来とは?』は、春にふさわしい歌ですし、曲自体もすごくいいですね。ですが、ちょうど大組閣が終わり、ファンもメンバーも戸惑っているこのタイミングに、ここまで前向きな歌をぶつけられると、もやもやする部分があります。今までのSKE48の体制のままだったら素直に良いよねって言えたんでしょうが......」  さやわか氏は、今回の人事でSKE48が負った痛手が、木崎ゆりあの移籍であると続けた。 「『GALAXY of DREAMS』は、当初は木崎がセンターとして選抜されたメンバーだったのですが、MVを見る限りは松井玲奈、松井珠理奈がセンターなんですよね。『未来とは?』のMVでは、ずっとSKE48のセンターを務めてきた、この二人に拮抗するくらい目立っていたりと面白かっただけに、これは考えさせられるものがありますね。今回も色々な人事異動はあったと思いますが、兼任だからと納得できる部分も多かったりします。一番大きいのは、『いた人が居なくなること』なんですよね。逆を言うと、この部分にAKB48グループらしさである『ガチ感』を感じます」  一方、これからのSKE48の発展を考える上で、今回の大組閣にはプラスを感じることもできるという。 「SKE48はグループの団結力が高く、ファンも箱推しが多い。メンバーもSKE48という看板に、価値を感じている人が多いのであれば、他グループから入ってきたメンバーと、次に関係をどこまで作れるのかというのが大事でしょう。頑張って作ってきた組織が解体されるのは悲しいですが、新しい人たちを大事にして、育ててあげて欲しいですね。今回は各チームに兼任が多い人事となっているので、それを利用して、兼任メンバーは他のグループからプラスになる部分を吸収すれば、SKE48の強化に繋がるでしょう」  今回公開されたMVが、組閣前のメンバーとしては最後の曲となる。彼女たちの魅力を様々な側面から見ることが出来るこの4曲は、まだMVが公開されていない「Mayflower」「僕らの絆」とともに、フルバージョンの公開が待たれるところだ。 (文=編集部)

BABYMETALが“接触なし”で快進撃  Perfumeに続くアミューズ系アイドルの行方

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BABYMETAL『BABYMETAL(通常盤)』(トイズファクトリー)

【リアルサウンドより】  先日、女性アーティストとして史上最年少の平均年齢14.7歳で日本武道館でのワンマン公演を行ったBABYMETAL。2日間連続の同公演ではのべ約2万人のファンを動員、大成功を収めた。さらに2月26日発売の1stアルバム『BABYMETAL』は、オリコン週間チャートで4位、タワーレコードの週間チャートで1位を獲得。そしてiTunes Storeでは、アメリカ、イギリス、ドイツのメタルアルバムチャートで1位、台湾やインドネシアのロックアルバムチャートで1位を獲得するなど、海外にまでその人気は及んでいる。

コンセプトが貫かれ、それが贅沢に表現されていることが魅力

 BABYMETALは、Perfumeと同じアミューズ所属の小中学生限定グループ・さくら学院から派生したユニット。「アイドルとメタルの融合」をコンセプトに掲げ、2010年に学院内の部活動・重音部として結成されたのが始まりだ。メタルテイストの楽曲を中高生の美少女3人が思いっきり歌い、叫び、踊るさまは、それだけでも見るものに絶大なインパクトを残すが、グループの大きな魅力と特徴は、その上で「コンテンツの隅々にまでコンセプトが貫かれていること」と、「それが贅沢にスケール大きく表現できていること」にある。  まず、楽曲、デザイン、ライブなど、全てのコンテンツにおいて、メタルというジャンルへの敬意が表されていて、そのマナーが徹底して守られていること。スラッシュ、ピコリーモ、インダストリアルなど、メタルのサブジャンルを縦横無尽に取り込んでいて、聴くものの耳を飽きさせない。さらに、メタリカなど海外の有名メタルバンドはもちろんのこと、X JAPAN聖飢魔IIthe GazettEなどの日本のバンドへのオマージュも、そこかしこに散りばめられている。ビジュアル系とも呼ばれる国内のメジャーなバンドをも元ネタに扱っていることで、マニアックになり過ぎず、絶妙なポップ感が表現できていることは、見事なバランス感覚という他ない。できるだけ多くの人が引っ掛かるように、コンテンツの至るところに様々なフックが仕掛けられているのだ。  また、楽曲制作には特撮のNARASAKIや、THE MAD CAPSULE MARKETSの上田剛士らが、そしてTシャツなどのデザインには、Fear, and Loathing in Las Vegasを手掛けているYutty(KiSS OF DEATH clothing)や、CROSSFAITH、NEW BREED、NOCTURNAL BLOODLUST等を手がけるKAgaMI、そしてマキシマム ザ ホルモンのアートワークの多くを手掛けているデザインチーム・ROLLING CRADLEなどが参加している。ジャンルに造詣の深いクリエーターが関わっていることで、コンテンツに高い説得性が生まれているのだ。  そうした、プロデューサーのKOBAMETALによりコントロールされた世界観(巨大なマリア像を作ったり、ライブセットも異常に豪華!)を十分に表現できるのは、所属している事務所が、サザンオールスターズ、福山雅治、ポルノグラフィティらを擁する大手芸能プロ・アミューズであることが大きい。オリジナリティ溢れるアイディアと、それを実現できるバイタリティ。なかなか他で真似してできるものではない。

Perfumeとの共通点と今後の展開

 BABYMETALは、武道館2日目に「日本でのメタルレジスタンス第一章を終了した」ことと、ヨーロッパでの公演を行うことを発表した。これにはMOAMETALとYUIMETALが4月から中3になること、そしてさくら学院の最上級生としてその活動に重点を置かざるを得なくなるという理由があるからではないかと、ファンの間で推測がなされている。BABYMETALとしての活動縮小が余儀なくされるなら、いっそのこと海外進出し、的を絞った仕事をして行くのではないか、ということだ。真偽のほどは定かではないが、ある意味ではネームバリューを維持しスケジュールにゆとりを持たせられる、一石二鳥の展開ともいえる。ただその場合、すでにさくら学院を卒業しているSU-METAL(中元すず香)はどうなるのか、という問題がある。もしかしたら、同じく元さくら学院生徒会長・武藤彩未に続いて、ソロ歌手としての展開もあり得るのかもしれない。歌手以外のソロ活動もいいが、あのカリスマ性を感じさせる高い歌唱力を、是非BABYMETAL以外でも発揮してみて欲しいと思わずにはいられない。  「テクノポップ」「ヘヴィーメタル」と音楽ジャンルを定めていること、アクターズスクール広島出身(Perfumeの3人とSU-METALこと中元すず香)であることなど、BABYMETALは、事務所の先輩アイドル・Perfumeと共通項が多い。海外進出をPerfumeが先んじて行っていることからも、Perfumeで得られたノウハウがBABYMETALの展開に生かされていることは、想像に難くない。  現在のグループアイドルブームは、AKB48の大ブレイクに由来している。しかしライブアイドルからの成り上がりという観点から見れば、その前のPerfumeの成功がブームの下敷きになっていることは、アイドル史的に見逃してはならない点だ。  今後BABYMETALがそんなPerfumeを踏まえた上でどのような展開を行うのか。接触(握手会などファンとの直接交流)ありきで成立している今のアイドルシーンにおいて、最初期から接触を全く行わずに成功を収めたBABYMETALは、とても稀有な存在だ。彼女たちが海外や国内でどこまで人気を拡大させることができるのか、注目して行きたい。 ■BABYMETAL(べびーめたる) 2010年11月、「アイドルとメタルの融合」をコンセプトに掲げ、結成。メンバーは、SU-METAL、YUIMETAL、MOAMETALの3人。昨年は幕張メッセの単独公演で約8000人、3月には武道館で2日間単独公演を行い、のべ約2万人を動員した。今最も急成長を続けているアイドルグループ。 オフィシャルサイト ■岡島紳士(おかじま・しんし)Twitter 1980年生まれ。アイドル専門ライター。著書、共著に『グループアイドル進化論』、『AKB48最強考察』、『アイドル10年史』など。雑誌への寄稿も随時。埼玉県主催「メディア/アイドルミュージアム」アドバイザー。au公式サイトでアイドルコラム担当。会期中に行われた、全9回の番組&イベントMCも担当した。DVDマガジン『NICE IDOL (FAN) MUST PURE!!!』制作。現在は新シリーズ『IDOL NEWSING』を制作中。 http://nifmp.blog57.fc2.com/

E-girls、YMO名曲「RYDEEN」カバーの狙いは? 新アルバムから読み解く“攻め”のスタイル

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3月19日にニューアルバム『COLORFUL POP』をリリースするE-girls。

【リアルサウンドより】  E-girlsが3月19日にリリースするニューアルバム『COLORFUL POP』の発売に先駆けて、「RYDEEN 〜Dance All Night〜 (Music Video)」のミュージックビデオが解禁された。同アルバムの1曲目に収録されるこの曲は、YMOが残した稀代の名曲「RYDEEN」をラテン風にアレンジし、妖艶な歌詞を付けた曲となっている。  E-girls最大の魅力であるダンス。MVでは、毎回テーマを変えて、様々なパターンの踊りを見せてくれるが、今回はラテン調の楽曲とナイトクラブを連想とさせる歌詞に合わせて、3パターンのセクシーな衣装が目まぐるしく変わっていく。また、振り付けやポーズに挑発的なものが多く、ここ最近の傾向であった明るくポップなイメージよりも、グラマラスなイメージが強調されている。

E-girls / RYDEEN 〜Dance All Night〜 (Music Video)

 当サイトでは、2月26日に発売されたシングル『Diamond Only』や、最近のE-girlsがリリースする曲の傾向から、彼女たちはポップ路線へシフトしていくのではないかということを以前に紹介した(参考:E-girlsは年々若返る!? ガーリーポップ路線で新規ファンを開拓中)。  今回のアルバムではそのポップ路線に加え、バラードの「サヨナラ」、「未来へ」、「Winter Love ~愛の贈り物~」の他にも、ミドルテンポの切ないダンスチューンであり、派生ユニットのHappinessに近い「Fancy Baby」や、Flowerを彷彿とさせる「約束の場所」など、「RYDEEN 〜Dance All Night〜」以外にも様々な形で大人っぽい顔を覗かせている。  このフルアルバムの戦略について、ライターの中西英雄氏は以下のように語る。 「近頃のE-girls人気は、昨年末の『紅白歌合戦』出場が大きいと思いますが、2月にリリースされたシングル『Diamond Only』のアクティブなハウス・チューンからもわかる通り、保守的な楽曲に走ることなく、だいぶ攻めてきていると思います。EDMサウンドが落ち着いたことで、K-POPとの差別化も確実に図れていますし、ルックスや勢いだけで乗り切ろうとしていない。彼女たちのしっかりとした歌とパフォーマンス、そして楽曲のクオリティで勝負を挑んでいるアルバムは、固定ファンのみならず、新規のリスナーも獲得できる十分な内容だと思います。また、E-girlsが複数のユニットで形成されているという事実も、こうしたフルアルバムでポテンシャルを最大限に発揮するかと思います。ファン層は異なると思いますが、モーニング娘。’14ももいろクローバーZなど、歌って踊れて楽曲も申し分のないアイドルグループが数多く存在するなかで、E-girlsのこの新作がどのような影響を及ぼすのか、気になるところですね」
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E-girls 『COLORFUL POP (ALBUM+DVD) (初回生産限定盤) 』(rhythm zone)

 これからもE-girlsにとって、勝負曲であるシングルは、あくまでキャッチ―なガーリーポップ路線を踏襲し続けるのかもしれない。だが、元々はコンセプトの違う3つのグループから構成されているだけに、フルアルバムでは、どれか一つのスタイルに頼らない「カラフル」なラインナップで戦うという方針なのだろう。 (文=編集部)

キャンディーズからBABYMETALまで 「アイドルとロック/メタル」の40年史を読み解く

【リアルサウンドより】  3月1,2日に行われたBABYMATALの日本武道館公演は、アクシデントがあったものの、無事大成功に終わった。この日、実際に現場を目撃した文芸音楽評論家の円堂都司昭氏が、BABYMETALの特徴でもあるメタルサウンドを軸に、「アイドルとメタル」の関係性とその文化を考察した。(文=編集部)  初めて首にコルセットをした。BABYMETAL初の武道館公演の1日目、「赤い夜 LEGEND “巨大コルセット祭り” ~天下一メタル武道会~」で、コルセット着用を義務づけられた観客の1人になったのである。記憶に残る熱演だった。  昨年末の幕張メッセ公演も見たが、あの時は巨大女神像や十字架への磔という演出が凄かった半面、骨バンドによるエア演奏が大半を占め、白塗りの神バンドによる生演奏は多くなかった。BABYMETALがヘヴィ・メタルであることを掲げている以上、大会場のライヴでは生演奏の音圧がもっと欲しいと思った。  その点、武道館では魔法陣風のステージが中央に組まれ、炎が上がることはあったものの、大がかりなセットや演出はなかった。その代わり、神バンドが冒頭から登場し、“ライヴ”感を前面に出した。終盤でのYUIMETALのステージ落下にはひやりとしたが、ラストの「イジメ、ダメ、ゼッタイ」で無事にまた踊っている姿を見て本当にほっとした。全体的には、SU-METALの真っ直ぐな歌声、YUIMETALとMOAMETALの可愛らしいパフォーマンスが光るよいライヴだった。翌日の武道館で、彼女たちが海外へ武者修行の旅に出ると発表されたことも喜ばしい。  武道館といえば、ディープ・パープルが名盤『ライヴ・イン・ジャパン』(1972年)のジャケットに武道館公演の写真を使って以来、ハード・ロック/ヘヴィ・メタルの一つの聖地になっている。その場所にBABYMETALが出演したことに感慨を覚える。  BABYMETALはアイドルとメタルの融合をコンセプトにしているが、日本の女性アイドルとメタルの関係を考えた場合、70年代のキャンディーズがパープルの「ブラック・ナイト」をカヴァーしていたことが思い出される。これは、洋楽への憧れがまだ強かった時代に、キャンディーズがあれこれ外国曲をとりあげたなかの1曲だった。  女性アイドルの側が、ロックの要素を意識的にとりいれて成功した例で最初に思い浮かぶのは山口百恵だろう。「ロックンロール・ウィドウ」(80年)が典型的だが、彼女は作曲者にダウン・タウン・ブギウギ・バンド宇崎竜童を迎え、ロック寄りのハードな曲で強い女を演じ、当時の他のアイドルと一線を画した。
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BABYMETAL - 『BABYMETAL(初回生産限定盤) 』(トイズファクトリー)

 80年代には、本田美奈子がブライアン・メイ(クイーン)やゲイリー・ムーアの曲を歌ったほか、MINAKO with WILD CATSというガールズ・バンドを結成し、忌野清志郎作曲「あなたと熱帯」(88年)を発表した。また、小泉今日子がKYON2名義で高見沢俊彦作でハード・ロック調の「ハートブレイカー」(85年)を歌った。これらは、山口百恵的なありかたを受け継いでいた。  アイドルが可愛い面だけではなく、ヤンキー的な顔、強さの一面を見せようとする時、ロック的でハードな曲調が重宝されてきた。  一方、ヴィジュアルのおどろおどろしさ、サウンドの重さ、極端な速弾き、デス・ヴォイスなど、時代を経るにつれてメタルの過剰さをネタとして楽しむ傾向も出てきた。その過程で山瀬まみ『親指姫』(89年)という傑作も生まれた。これは、普通のアイドル歌手からバラドルにシフトした山瀬が、デーモン小暮奥田民生などの作曲、筋肉少女帯に在籍した横関敦や三柴理などの演奏でロックを歌った内容だった。なかでも、山瀬まみ作詞の「かわいいルーシー」は飼い犬のうんこを歌った怪作で、アイドルと笑いとハード・ロックのミスマッチが面白いアルバムだった。  企画ものでメタル要素を活用した成功例では、アニメソングをメタル化したアニメタルのシリーズがあり(97年から)、女性アイドルとの関連では、70年代後半にピンク・レディーで活躍したミーが歌った『アニメタルレディー』(97年)があった。  以上のように一般的にいって、女性アイドルとロック、メタルの関係は、可愛いだけではない強さの象徴、あるいは、過剰な要素の取り込みに伴うユーモアという二つの面がある。例えば、ももいろクローバーZ「猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」」におけるマーティ・フリードマンのギター・ソロは、強さとユーモアの両面にまたがった響きに聴こえる。  武道館公演直前にリリースされたBABYMETAL初のアルバム『BABYMETAL』には、これまでのシングルと3つの新曲が収められていて、やはり強さとユーモアの要素がみられる。「メギツネ」では「なめたらいかんぜよ」と夏目雅子か南野陽子かという強いセリフが飛び出す一方、パパに媚びを売る「おねだり大作戦」にヘヴィなリフが入るミスマッチ感は笑いを誘う。  BABYMETALの場合、アイドルの多面性における一要素としてメタルを導入するのではなく、ヴィジュアル、ステージ演出、サウンドの全面でメタル的なものを展開している。『BABYMETAL』には、X JAPAN的なツイン・リード・ギターの様式美、ラップ・メタル、デス・ヴォイス、派手なシンセを使ったピコリーモなどメタルの様々なヴァリエーションが並ぶなかに、「ド・キ・ド・キ☆モーニング」など、いかにもなアイドル・ポップスと合体したメタルが混じっている。  また、彼女たちのライヴでは定番であるスクリーンでの紙芝居では、「メタルは正義、そしてカワイイも正義」の名文句もあった。可愛さの代わりにメタルで強さや笑いの一面を見せるというのではなく、可愛いままメタルなのがBABYMETALなのだ。彼女たちは、悪夢、十字架、破滅、死、暗黒などおどろおどろしい要素でできたメタルのイメージを背負いながら、可愛いうえに前向きというアイドルらしさと両立させている。  SU-METALはアイドルとしては優れた歌唱力を持っているが、それだけでは BABYMETALは成立しない。アイドルとメタルの融合が可能になったポイントは、主にダンスやラップを担当するYUIMETALとMOAMETALの存在だろう。BABYMETALでは、神や悪魔など洋風のゴスの雰囲気を和風に置きかえた部分がある。キツネ様がいる設定をはじめとする民話的、昔話的な雰囲気、「メギツネ」などにみられるYOSAKOI的な曲調や祭りのかけ声のような合いの手。そうしたなかで凛とした声で熱唱するSU-METALが少女であるのに対し、中学生だが子どもっぽい声を発するYUIMETALとMOAMETALは、役回りとしては幼女だ。  鬼ごっこを歌った「Catch me if you can」の「まあだだよ!」という子どもっぽい声を聴いていると、座敷童子のような童子神、子どもの精霊が連想される。この幼女性が、和風のゴスムードを高めている。  そして、「イジメ、ダメ、ゼッタイ」に代表される通り、BABYMETALはネガティヴで暗いモチーフを扱いながらも、それをポジティヴで明るい方向へひっくり返す。インタヴュー記事ではデス・メタルにひっかけて「です。」を「DEATH!」に置きかえるBABYMETALだから、YUIMETALとMOAMETALが歌う「4の歌」には、死の歌という含みもある。だが、同曲では「失敗の4」であると同時に「死ぬじゃない4」、「喜びの4」と歌われる。メタルらしく黒い衣裳を着ていても、アイドルらしく前向きなのだ。それが、彼女たちに悪魔的なものではなく、善き童子神を思い浮かべる理由でもある。  強くあろうとする少女といたずらな童子神たちというBABYMETAL3人の今の構図は、年齢のこともあるし、長期のものではありえない。そのことは、彼女たちの側もファンも予感しているはず。だからこそ、限りあるであろう時間を精一杯駆け抜けてほしい。まずは、ヨーロッパでの活動に期待したい。 ■円堂都司昭 文芸・音楽評論家。著書に『エンタメ小説進化論』(講談社)、『ディズニーの隣の風景』(原書房)、『ソーシャル化する音楽』(青土社)など。

乃木坂46生駒、“バニーガール風”私服姿を披露 バラエティ適応力でもAKB48に拮抗か?

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乃木坂46『乃木坂46 1ST YEAR BIRTHDAY LIVE 2013.2.22 MAKUHARI MESSE』

【リアルサウンドより】  2014年3月3日放送の『乃木坂って、どこ?』(テレビ東京)では、「初海外ロケINマカオ 壮絶運試しツアー」と題して、乃木坂46の特別選抜メンバーが、番組初の海外ロケとして中国・マカオへ。現地で、くじ引きによる天国と地獄の運試しを味わった。  毎回、「ヒット祈願」としてメンバーにさまざまな修行を与えている当番組。2月24日放送回では、第7弾シングル発売時に選抜メンバー全員で行った滝行を振り返り、司会のバナナマンが「体調不良で不参加とした生駒、生田、高山に、8thシングルヒット祈願の課題が与えたい」と高さ233mのマカオタワーからのバンジージャンプを提案。参加確定メンバーの生駒、生田、高山のほか、数名にもマカオ行きの権利を与えるとし、メンバーが必死のプレゼンを行った。結果、バナナマンにマカオへの想いが伝わったのは、8thシングルで初の選抜メンバーに選ばれた和田まあや、そして西野七瀬、松村沙友理と、「見知らぬところに行って何泊かするのが怖い」と唯一マカオ行きを拒否していた橋本奈々未だった。  ついにマカオに到着した今回の見どころは、まず、メンバー各々による「マカオ」をテーマにした私服ファッションチェック。一部のファンから「私服がダサい」と指摘されている生駒は、やはり少々個性的な“バニーガール風”のコーディネイト。高山は1,000円のワンピースと500円のファーといった激安コーディネイトでメンバー全員を驚かせる。また24日放送回で「ゲテモノ(タガメ)食い」というマカオ行きの課題を涙ながらにクリアした松村は、“マカオのお姫さま風”としてロリータ風にコーディネイトするが、バナナマンには「いくよくるよさんじゃないですよね?」と突っ込まれてしまう。  一同が辿りついたのは官也街(クンヤー街)。タイパビレッジの中心に位置する観光スポットだ。商店街内のフットマッサージ店で運試しに勝った高山は「気持ちいい方のマッサージ」を受けるが、思いのほか痛いと顔をしかめ、マッサージ師から「あなたは胃がわるい」と指摘されてしまう。一方、運試しで最下位になり「痛い方の足つぼマッサージ」を受けた生田は、5thシングル『君の名は希望』を歌いながら激痛に呻き声をあげる。しかしここでも「わるい」といわれたのは、またもや胃。バナナマン設楽から「みんな胃のわるいアイドル」とからかわれてしまった乃木坂46だった。果たして、胃の悪い高山・生田そして生駒は、マカオタワーでのバンジーを成功させられるのだろうか――。  周知のとおり、AKB48グループは先月末の組閣祭りにて、生駒里奈のAKB48兼任、およびSKE48松井玲奈の乃木坂46兼任が発表され、AKB48と乃木坂46ファン、両方の間で物議が醸されていた。また、今年1月には乃木坂46のセンターが西野七瀬に交代し、2月8日には、乃木坂46研究生(2期生)がネット上の仮想ライブ空間「Showroom」で初のレギュラー番組を放送することが決定。こうした紆余曲折がありながらも、2月22日にグループはデビュー2周年を迎え、さらに休むことなく、3月1日には美脚が自慢の研究生・新内眞衣が正規メンバーに昇格した。深夜番組『乃木坂って、どこ?』を観ても、乃木坂46のバラエティ精神はAKB48に負けるとも劣らない。勢いを増す乃木坂46は春以降、大島優子の卒業したAKB48にどのような影響を及ぼすのだろうか。 (文=韓奈侑)

赤西仁がジャニーズ退社 今後は海外でのアーティスト活動も視野に?

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映画『47RONIN』公開の際の赤西仁。

【リアルサウンドより】  赤西仁がジャニーズ事務所との契約満了に伴い、2月末で同事務所を退社したことがわかり、話題となっている。赤西は2012年2月に黒木メイサと電撃結婚後、事務所より事実上の謹慎処分をくだされていたが、2013年の8月に発売したシングル『HEY WHAT'S UP?』のリリースで活動を再開。11月中旬から約1カ月間は、全国5カ所を回るクラブツアーを開催していたが、その後は表だった活動がなかった。  4月2日に発売を予定しているコンサートツアーのDVDが、ジャニーズでの最後のリリース作品になる。赤西の今後の活動については未定となっているが、芸能活動は継続していく意向とのことだ。  ジャニーズの動向に詳しい芸能ライターのジャニ子氏は、今回の赤西の退社について、次のように語っている。 「赤西仁さんは一度謹慎になってから、ジャニーズには所属しているけれど、その活動自体はすでにジャニーズ的なものではなくなっていました。自分の好きなように音楽をやって、自分の好きなようにファンイベントを行っていたので、もはやジャニーズに所属している意味はなかったのかもしれません。ただ、KinKi Kidsの堂本剛さんや、近藤真彦さんは事務所の意向を汲みながらも、うまくバランスをとって好きなこともできるポジションを確立していたので、個人的には少しもったいない気もします。彼らが事務所内で独特のポジションを勝ち得た一要因としては、ドラマで後輩と共演したり、舞台で共演したりしてジャニーズの後輩をフックアップしてきたことが挙げられると思いますが、赤西さんの場合、キャラ的にもそういう風に器用に振る舞うのが難しかったのかもしれません」  また、今後の活動については「海外展開を視野に入れるのでは」とジャニ子氏。 「赤西さんには固定ファンもたくさんいますし、そのジャニーズの枠を超えた洋楽的な楽曲を評価する声もたくさんあります。しかし、新規ファンの獲得という意味では、少し難しいかもしれません。というのも、ジャニーズの楽曲は後輩たちに引き継がれて歌われることが多く、先輩たちはJr.のステージなどを通じて新規ファンを獲得するということもできたからです。しかし赤西さんが退社するとなると、彼の曲がJr.に引き継がれる可能性が低くなり、新規ファンに曲を知ってもらう機会が減ってしまいます。また、ジャニーズ全体を好きだというファンも少なくないため、ジャニーズではなくなった彼についていくファンが果たしてどれくらいいるのかも心配です。ただ、事務所から離れることで自由になることは確かですから、自分の好きな音楽を追求するうえでは良い面もあるでしょう。恐らく、海外のレコード会社との契約も視野に入れているのではないでしょうか」  音楽性にこだわりがあり、海外志向も強かったことで知られる赤西仁。彼がアーティストとして再び活動を開始する日はいつ訪れるのだろうか。 (文=松下博夫)

グラビアとアイドルの境界線を飛び越える 「地下アイドル」の新しい表現のカタチ

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危ない女の子シスターズ『ココロノスキマ』(トリプルディープロモーション)

【リアルサウンドより】  AKB48による日本初の全編水着仕様のMV「BABY BABY BABY」は、いままで暗黙の了解としてアイドル表現とグラビア表現を隔ててきた「見えない壁」を突破した映像作品だった。その後、彼女たちは最大のヒット作である「ヘビーローテーション」を筆頭に、水着姿や下着姿を大胆に披露するMVで、アイドルとグラビアの境界を曖昧なものにしてきた。その革新的なスタイルが彼女達の躍進を支えているように、10年代におけるアイドル表現は、アイドル的な不可侵さとグラビア的な生々しさをどう両立させるかが、一つのテーマとなっている。(参考:「地下アイドル」化するグラビアアイドルたち AKB48の水着パフォーマンスも影響か?)  欧米では「PIN UP GIRL」というカテゴリーに集約される、ガール(おんなのこ)自身の輝きをスチールに収めた表現が"グラビア"として、1970年代から紙媒体を席巻。いっぽう日本は、COOL JAPAN以前に「グラビアジャパン」として、紙媒体が他国に類を見ないほど先鋭的な「ガール表現」を牽引し、彼女達の魅力を伝えてきた。  グラビア界は間口が広いがゆえにあらゆる魅力&才能を秘めた少女達が飛び込んでくる。そして「BABY BABY BABY」以降は、グラビア活動と並行して地下アイドル活動を行う少女達が増えることにより、彼女達の本当の魅力を伝える、グラビアとアイドルの壁を果敢に飛び越える素晴らしいアイドルグループが激増してきた。  今回はそんないくつかのグループをご紹介したい。

圧倒的な「朝ドラ」ヒロイン感! 新原里彩率いるFineColor

 昨年爆発的なブームを巻き起こした「あまちゃん」の例を挙げるまでもなく、人気を誇る朝ドラのヒロイン像に必須なのは、少女的な「過剰性」といえよう。2012年にデビューしたFineColorの最大の魅力は、中心メンバーである新原里彩のリミットを超えた“朝ドラヒロイン系やりすぎ感”にあるように思う。すでに何作も発売されている彼女のグラビアイメージビデオ作品は、その瑞々しさをいかんなく発揮した素晴らしい作品ばかり。このおしらせMOVIEをご覧いただければ、その魅力はおわかりいただけるだろう。

「新原里彩」4月のビデオレター&三つのお知らせ。

 一番の特徴は笑顔200%、憂い顔200%、そして恥ずかしげな表情300%と、豊かすぎるその表情。全てのグラビア表現における彼女の無意識の過剰性=アイドル性には、とにかく圧倒される。  そんな彼女のアイドル性が爆発するのがFinecolorでのステージ。楽曲はいまどきのツボを押さえた王道アイドルソングだが、まるでGMTにおけるアキのような新原里彩嬢の圧倒的な存在感によって、その地下的な空間が一気に華やいだパラダイスへと変換される奇跡の瞬間を体験することができる。定期的にライブをおこなっている彼女達のステージを是非体験していただきたい。 FineColor OFFICIALブログ

天然×天然=「ソフトレズ」? 高岡未來と香坂まやによる危ない女の子シスターズ

危ない女の子シスターズ / ココロノスキマ

 メンバーの高岡未來は2007年から、香坂まやは2010年からグラビアイメージビデオ活動も並行して行っている。10代後半といえば女の子が一番多感で変化していく時期なのにもかかわらず、そのイメビ作品における彼女達は一貫してマイペースで、デビュー時からほとんど変わっていない。いまだに素人っぽさが画面からにじみ出る秀逸な作品群は、不動の人気を誇っている。なぜ彼女達はその初々しさをキープできるのか? その秘密はブログからも垣間見れる二人の天然さ、ボケっぷりにあるのかもしれない。  天然×天然、ボケ×ボケ、漫才コンビのようなお笑いにおいては禁断の組み合わせ。ツッコミ不在という関係性が、異形の表現を生み出す。まさに「ド天然」な二人の美少女が作り出す「禁断の花園」感が、危ない女の子シスターズの魅力である。  彼女達のステージや最近の楽曲には、その特異なキャラクターを意識したように、一種独特な「匂い」のようなものが発揮されるようになってきた。女の子二人組であるがゆえに、古くはWINKのような、最近ではソチオリンピックの開会式に出演し 話題をふりまいたt.A.T.u.のような、「ソフトレズ」感が横溢しているのだ。元気や全力を売り物にする多人数ユニットが席巻する今だからこそ、そのプチ密室的な音とステージングに注目してほしい。 危ない女の子シスターズ twitter

まるで小説「ロリータ」のドロレス・ヘイズ? 黒宮れい率いるガールズバンド BRATS

【期間限定配信】Brats&dollsニコ生再放送!

 スクールガールコンプレックスならぬ、ロリータコンプレックスという言葉を生んだナボコフの名作「ロリータ」は、現在のウェブにおけるテキスト環境を完全に先取りしたような鋭意な言語感覚と、女性に振り回されたい、そして破滅したいという、これまた現在におけるアイドルとそのヲタの方々の関係を予見したような小説だが、このBRATSのボーカルを担当する黒宮れいほど、そんなドロレス・ヘイズ的な無邪気さと攻撃性を秘めたアーティストは日本に存在しないといっていい。  2009年から発売されている彼女のグラビアイメージ作品はとにかく天衣無縫で、見ているとカメラ酔いするくらい自由に、そしてキュートに自らの小悪魔っぷりを発揮している名作ばかりだ。そんな彼女が、BASS担当の姉の黒宮あやと共に始めたガールズバンドがBRATSである。  メンバーの学業専念による脱退が相次ぐなど、波瀾万丈な遍歴がありつつも、ライブを重ねる度にロックボーカリストとして明らかに成長している彼女にも驚愕するが、いま一番注目されているのはブログで発揮されている黒宮れいの「言語感覚」である。読んでいただければ一目瞭然の独特のグルーヴ溢れるテキストは、ほとんど奥田民生の世界。そのまま歌詞にできるような絶品の「コトバ」である。現在は音源も乏しくライブでの活動が中心のBRATSだが、彼女が歌詞を書くようになった時こそ、その真価が現れるようになるに違いない。 BRATS(ほぼ黒宮れい)OFFICIALブログ  グラビアイメージの活動もしつつアイドルとしてブレイクを果たしたでんぱ組.incの最上もがのように、今後グラビアとアイドルの境界を超えることで、新しい表現のカタチを手に入れた彼女たちが、アイドル界にさらなる新風を巻き起こしていく予感だ。 ■ターボ向後 AVメーカー『性格良し子ちゃん』を率いる。PUNPEEや禁断の多数決といったミュージシャンのMVも手がけ、音楽業界からも注目を集めている。公式Twitter

AKB48大島優子の卒業公演は全員「Tバック」で!? 『MUSIC JAPAN』で仰天エピソード明かす

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AKB48 -『前しか向かねえType A(初回限定盤)』(キングレコード)

【リアルサウンドより】  2014年2月27日放送の『MUSIC JAPAN』(NHK)に、近藤真彦T.M.RevolutionゆずAAAAKB48、Sexy Zoneがゲスト出演した。    今回の特集はもうすぐシーズンを迎える“卒業ソング”。トークコーナーには近藤真彦ときゃりーぱみゅぱみゅが出演し、初対面の対談となった。昭和54年の『3年B組金八先生』でデビューした近藤の思い出深い“卒業ソング”は海援隊の「贈る言葉」。今でも武田鉄矢に会うと、“武田さん”より先に“先生”と呼んでしまうという。きゃりーも『金八先生』をよく見ていたといい、「贈る言葉」を聴くと荒川の土手を思い出すとのこと。視聴者の「卒業ソングランキング」で一位になった荒井由美の「卒業写真」にも同じように思い入れがあるようで、「歌詞を聴くと、切ない曲だなと思う」と話した。きゃりーの卒業式の思い出は、「担任のクールな男の先生が大泣きする姿」。そのエピソードを聞いた近藤は「その先生、狙ってたね」とバッサリ。司会の吉田一貴NHKアナウンサーに、「大人の目線やめましょう」とたしなめられる一幕もあった。  番組後半で登場したのは、昨年の紅白歌合戦でメンバーの大島優子が突然の卒業を発表したAKB48。今回の放送では、メンバーだけが知る大島の素顔と題されて、AKB48のメンバーたちが知られざる大島の一面を語った。まずメンバーにどよめきをもたらしたのは、小嶋真子の「ちょっぴり老化」という回答。メンバー中から「一番ひどいよね!?」と突っ込まれた小嶋は、MJ収録前に行われていた別番組の収録後、疲れた大島に「はあ…」ともたれかかられたことで、「ちょっぴりおばさんになったのかなあと思って……」と爆弾発言。ショックを受けた大島はうなだれながら「ですからもう引退ということで……」と、わざと弱々しく語る。メンバーが大笑いする中、「常に全力で魂削っております」と笑顔も見せた。そして倉持明日香は「チームK全員にセクシー下着プレゼント」という驚きのエピソードを告白。大島からそのプレゼントがあった日は、その場で履き替えて公演に出るメンバーもいたとか。北原里英も「優子ちゃんがもし最後の劇場公演をチームKでやってくれるとしたら、みんなでその下着を履いて卒業公演したいなと思って」と言うと、大島が「全員Tバックですよ?」と答え、「中学生いるから〜!」とメンバーから突っ込まれていた。司会のPerfumeに「卒業の前に言っておきたいことはありますか?」と訊かれた大島は「なんだろ……みんなかわいいな」と言って、少し切なそうな顔を見せた。  出会いと別れの春を目前にし、AKB48にも大きな“卒業”が訪れる様子。先日発表された大組閣後の行方に加え、大島が卒業後にさらなる活躍をみせるのかどうか、当面はAKB48グループから目が離せない。 (文=椎名ゆい)

大物公演続く「洋楽」来日事情 若手~中堅公演の実現には課題も

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ローリング・ストーンズ - 『ストーンズ・イン・エグザイル~「メイン・ストリートのならず者」の真実 [Blu-ray]』(ヤマハミュージックアンドビジュアルズ)

【リアルサウンドより】  ローリング・ストーンズが8年ぶりの来日公演を行っている。また昨年にはポール・マッカートニーが11年ぶりの日本公演を行い話題となった。このところ洋楽ベテランミュージシャンの来日が続いているが、一方でそれ以外のリアルタイムで活躍している若手から中堅にかけてのミュージシャンについては、フェス以外での来日がめっきり減ってしまった感もある。かつては毎年のように来日公演を行っていたが、久しく日本に来ていないミュージシャンも多い。世界的なブレイクを果たしたことも要因ではあるが、コールドプレイなどがその一つだろう。なぜ彼らのライブが日本では行われなくなってしまったのだろうか。  海外ではそれなりに知名度のある洋楽ミュージシャンが来日公演を行わなくなった、その理由はとても簡単で日本では十分な集客が見込めなくなったからだ。ポール・ウェラーは以前インタビューで以下のような発言をしている。「最近の日本の洋楽ライブは客入りが悪くなっている。他のバンド連中も『最近の日本ツアーはさっぱり客が入らなくなった。どうしたんだろう?』ってみんな言っているし、前回の俺の来日ツアーも客入りの悪さに実はびっくりしたんだよね。だから当分来日は控えようと思っているんだ」(RO69より引用)。また全世界で4000万枚以上のアルバム売り上げを記録するカナダを代表するロックバンド、ニッケルバックも 「日本人は自分の国の中で流行っている音楽にしか興味が無い。 よその国で流行っている音楽に興味が無いみたいだ」(『BURRN!』誌より引用)といった旨の発言をしている。日本が世界の音楽トレンドから外れ、ガラパゴス化している面は否めないようだ。  そもそも洋楽自体の売上が日本では芳しくない。日本レコード協会の発表しているCDアルバム生産金額の推移をみると、全体に占める洋楽の割合が2004年の32%から2013年には19%まで減少している。(日本レコード協会のホームページより引用)ただでさえ音楽市場が縮小しているなか、いわゆる「洋楽不況」は相当深刻なステージまで進行しているのである。またそのマーケットを支えている年代が日本は他国に比べて高齢化しているという事実もある。少し古い資料になるが2009年に経済産業省の発表した「音楽産業のビジネスモデル研究会報告書」によると主要マーケットにおける年代別構成比が日本は先進4カ国(日本、アメリカ、ドイツ、イギリス)の中で最も高齢化しており、50代以上の構成比が32%を占めるという。(経済産業省のホームページより引用)あくまで私感だが、外資系レコード店の洋楽コーナーで見かける客層は、40代以上がほとんどを占めているという印象がある(もちろん若い人ほどネット通販やダウンロードを多く利用しているという事実もあるが)。以上のことから「日本ではそもそも洋楽が売れない」「その売上を支えているのは中高年が中心」ということがわかる。  上記の事実を踏まえると、ベテランミュージシャンの来日が続く一方で、世界的にはセールスのある若手〜中堅ミュージシャンの日本公演がなかなか行われないことにも合点がいく。日本で行われる洋楽ミュージシャンのライブは主に中高年が観に行くものであり、彼らが好んで耳にするのは若いころに青春を捧げたミュージシャン。結果、レディー・ガガやジャスティン・ビーバーなど一部の例外を除いて、日本で行われる来日公演の大半がベテランミュージシャンのものになるのである。音楽ライターの柴那典氏は「洋楽ロック雑誌のカルチャーにおいては90年代で時計の針が止まってしまった。10代~20代の音楽ファン、特にロックファンがリアルタイムの洋楽を聴かなくなっている」(DrillSpin columnより引用)と指摘しているが、発言の通り「リアルタイムの洋楽」を支えるリスナーが日本では少なくなっているのだ。 またライブを取り巻く環境が2000年を前後に大きく変化したことも要因に挙げられる。東洋経済オンラインの取材にコンサートプロモーターズ協会の今泉裕人事務局長は次のようなコメントをしている。いわく「90年代まではCDさえ売れれば採算度外視で赤字でも問題なかった。企業からの協賛金も潤沢に出ていた。しかしCDが売れなくなりミュージシャンはライブで収益化を図るようになっている。そこではどれだけ集客できるか、グッズ等で売上を稼げるかが重要になった」(東洋経済オンラインより引用)という。このような点からも来日公演を行うことはミュージシャンにとってコストパフォーマンスの悪いことなのである。  環境としては決して恵まれたものではない現在の日本の音楽市場。しかしその中でも存在感をみせるミュージシャンが出てきているのは一筋の光明といえるかもしれない。昨年に来日ツアーを行ったジェイムズ・ブレイクは東名阪の3か所でいずれもチケットが争奪戦になった。またホステス・エンタテインメントが定期的に開催している『Hostess Club Weekender』は回を重ねるに連れて集客を伸ばし、先日は新木場STUDIO COASTで二日間の公演を成功させた。少しずつではあるが、洋楽を聴く新しい世代が育ってきているのは心強いことだ。また近々にも聴き放題ストリーミングサービスSpotifyが上陸するという噂もある。このようなサービスがかつてのFMラジオのように若いリスナーと洋楽の「出会い」のきっかけをつくり、再び洋楽シーンが盛り上がりを見せるようになる。ベテラン以外のミュージシャンも来日するようになる。そんな日がやってくることをイチ音楽ファンとして願ってやまない。 (文=北濱信哉)

声優の音楽作品の評価が高まっているのはなぜ? 『本人先行型』が普及した背景

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花澤香菜 - 『25(初回生産限定盤) 』(アニプレックス)

【リアルサウンドより】  声優の音楽作品の評価が高まっている。昨年は、花澤香菜が渋谷系~ポスト渋谷系アーティストである、北川勝利、中塚武カジヒデキ、ミト(クラムボン)らを迎えてのファーストアルバム『claire』を制作。竹達彩奈は、沖井礼二、筒美京平、奥華子や末光篤、川本真琴にいしわたり淳治らを迎えた『apple symphony』をリリースした。このように、他ジャンルのアーティストとコラボレーションすることで、作品が評価される声優は少なくない。中には、水樹奈々のように、アーティストとしての活動が大成功するロールモデルも現れている。  今年に入ってからは、上坂すみれが3月5日にリリースする『パララックス・ビュー』では、大槻ケンヂが作詞で参加したほか、3月12日に発売を控えた堀江由衣の新作『The▽World's▽End』(▽はハートマーク)では、清竜人が全楽曲の作曲を手掛けている。さらに、先述の花澤香菜が、北川勝利と再びタッグを組み、新しく西寺郷太(NONA REEVES)や小出祐介(Base Ball Bear)も参加した、セカンドアルバム『25』を2月26日にリリースした。  そのような作品のリリースは、以前よりもちろんあったが、近年はより活発化している。全くなかったわけではないが、近年は、より目につきだしているのかもしれない。アーティストとして評価の高い声優は、何故年々増えているのだろうか?このことについて、声優のアーティストに詳しい音楽関係者は以下のように語った。 「声優が歌う曲としては、タイアップや主題歌ありきで制作されたりする『制作陣主導型』がほとんどで、アニメソングなどに使われるイメージがありましたが、最近は本人の音楽的な趣向を汲んだうえで、他ジャンルのアーティストを制作陣に迎え入れる『本人先行型』という手法が増えています。同手法が増えて、アーティストとして注目が集まったことが要因の一つです。豊崎愛生や上坂すみれ、花澤香菜などが、これを取り入れたタイプのアーティストでしょう」 「本人先行型」が売れるためには、ある条件を満たすことが重要だという。 「インターネットラジオなどの媒体で、自分のルーツや趣味を自由に紹介出来ている人が売れている傾向があります。声優にとってラジオは活動のベースになるファンを獲得する、大きな手段の一つですから。自分の好きな曲を紹介し、流すことで、キャラクターとしてのブランディングにもつながりますし、曲を出すとなった時も王道のアニソン的なものではなく、自分の趣味に合った音楽が作られる。ファンはラジオを通して、それを受け入れる体制が出来ていますね。例えばですが、花澤香菜がカラオケで歌う曲として、『チャットモンチー』と『相対性理論』を挙げていたり、上坂すみれが『かねてから好きなアーティスト』として、大槻ケンヂの曲を紹介し、番組内でオンエアしていました」  このように、事前にファンに向けて自分の世界を知ってもらうことで、大胆なコラボレーションが生まれることで、リスナーを惹き付けるケースが声優アーティストの場合には多いようだ。  今後もこのように、ラジオを経由して、アーティスト性を確立する声優はどんどん現れてくると思われる。その中から、水樹奈々のように、オリコンチャート上位に食い込む声優アーティストがどんどん現れてくるという可能性は少なくないのかもしれない。 (文=編集部)