ファレル・ウィリアムスの好物は「まい泉のカツサンド」 世界的ヒット曲を『Mステ』で熱唱

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ファレル・ウィリアムス『ガール』(SMJ)

【リアルサウンドより】  『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)の5月16日放送回に、ウルフルズ、Superfly、Sexy Zone、ファレル・ウィリアムス、ファンキー加藤、May J.が出演した。  1番目に登場したSexy Zoneは、この日の目玉であるファレル・ウィリアムスのヒット曲「Happy」にちなみ、マリウス葉が「”Sexy Happy”を皆さんに聞いてもらいたいと思います」と語ったあと、5月14日にリリースしたシングル『King & Queen & Joker』から表題曲を披露。金色の支柱や玉座など、”王宮”をモチーフとしたセットで、優雅に同曲を歌い上げた。  続いて登場したSuperflyとファンキー加藤は、それぞれ自身の楽曲についてタモリとトークを繰り広げた。Superflyこと越智志帆は、5月14日にリリースした『Live』の表題曲について、「この曲は”生きる”というテーマで作りました。最近身の回りの女性たちが次々とお母さんになっていて。頑張ってる彼女たちを応援したくて書きました」と、周囲の変化から楽曲を作ったことを語った。続いてファンキー加藤は5月14日にリリースしたシングル『輝け』について「全国各地をライブで回って、ファンの皆さんとの会話のキャッチボールを繰り広げて出来た歌です」と語り、それぞれが楽曲を披露した。  4番手のウルフルズは、名曲「バンザイ」を制作した際の裏話として、トータス松本が「『ラララ二人で』の部分は、最後の部分まで歌詞を嵌めようと粘ってた。煮詰まって出てこなかった時にスピッツの『ロビンソン』を聴いて『ウララ 宇宙の〜』と歌ってたから、『もうラララでええやん!』ってなったんです」と明かした。その後「バンザイ」と最新シングル『ヒーロー』からドラマ主題歌に起用された「ヒーロー」の2曲をメドレー形式で披露。揃いのスーツに身を包んだ彼らは、勢いよく2曲を立て続けに熱唱した。  5番手に登場したファレル・ウィリアムスは、番組から”世界の音楽業界で一番モテている男”として彼を紹介。タモリから「日本で好きな食べ物は?」と聞かれた彼は「まい泉のカツサンド、エビフライサンドがお気に入り」と答え、タモリは「他にないんですか!?」と困惑した。また、足下のスニーカーに書かれた「心」と「宇宙」という文字について質問されたファレルは、その文字が友人のNIGO®によって書かれたものだと明かした。その後、21人のダンサーを従え、黄色いスマイルマークが描かれた風船が降り注ぐ中で「Happy」を披露。曲が終盤に近づくにつれて客席からも大勢が舞台に上がり、彼とともに笑顔でもみくちゃになりながら同曲を歌い上げた。  最後に登場したMay J.は、映画『アナと雪の女王』の日本版主題歌「Let It Go〜ありのままで〜」を、幕張総合高校合唱団に所属する生徒75人とのコラボレーションとして披露。壮大なスケール感で生徒らとともに同曲を熱唱した。  ファレルや『アナ雪』など、世界的なトレンドも取り入れた今回の放送。次回はゲストに稲葉浩志、AKB48、KANA-BOON、TOKIO、西野カナ、flumpoolを迎える予定だ。 (文=向原康太)

乃木坂46西野、連続センターの意図とは? ミスiDレイチェルがその”イメージ戦略”を分析

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乃木坂46『気づいたら片想い(DVD付A)』(ソニー・ミュージックレコーズ)

【リアルサウンドより】  乃木坂46が、5月11日放送の『乃木坂って、どこ?』(テレビ東京)で、9枚目のシングルの選抜メンバー17人を発表した。同グループには最近、生田絵梨花の一時休業やSKE48松井玲奈と生駒里奈の交換留学などの大きな動きがあったため、その動向に注目が集まっていた。  センターは8枚目のシングル『気づいたら片想い』に引き続き、西野七瀬が務めるほか、松井が選抜入りを果たし、かつてセンターを務めた堀未央奈と生駒は後列へ下がるなど、有名メンバーにもある程度の動きがあった今回の選抜。『乃木どこ』内で西野自身が前作でセンターを務めたことに対し「もう二度とセンターを務めることはないと思って挑んだ」といった趣旨の発言をしていたことからも、乃木坂46において同じメンバーが連続でセンターを務めることが異例であることが伺えるが、そこには果たしてどのような意図があるのか。  講談社主催の女性アイドルオーディション企画「ミスiD2014」の準グランプリであり、乃木坂46の熱烈なファンとして知られるレイチェル氏は、同グループのイメージ戦略について以下のように語った。 「6枚目のシングル『ガールズルール』からの流れとして、白石麻衣さんや堀さん、西野さんと、作品ごとにセンターを変えてきた彼女たちですが、ここにきて西野さんがセンターを連続で務めることになりました。これまでは生駒さんが”可愛くて清純な乃木坂46”を象徴するアイコン的な存在として番組に出演することが多かったのですが、8枚目のシングル『気づいたら片想い』で、西野さんとその両隣に立つ白石さん&橋本奈々未さんという3人がフロントを務める”綺麗で清純な乃木坂46”というイメージに変わりました。握手会人気の高い西野さんをセンターに置いたこともあり、ファンからの支持も厚く一般受けも良かったことから、この路線を続けることにしたんだと思います。補足ですが、生駒さんを最前列から下げたのは、AKB48との兼任などでハードなスケジュールをこなす彼女の負担を、少しでも減らそうという意図もあるのかもしれません」  西野・白石・橋本を軸とした新しいスタイルでイメージ戦略の変化を図った結果、より多くの人に受け入れられた乃木坂46。さらにその両脇を固める松村沙友理と松井の2人に関しても運営の意図が見えると同氏は続けた。 「話題性のある松井さんの選抜入りは確実視していましたが、一列目の端に起用するという配置は、松井さんと乃木坂46両方のファンへの絶妙な配慮でしょう。松村さんはあのふわっとした雰囲気や多少の大人っぽさが、乃木坂46にもしっくりきていると思います。ぱっと見たときに他のメンバーよりも目立たないけど、かといって地味でもない。グループに調和をもたらす存在感がそのままポジションにも表れているのかもしれません。その見た目とは裏腹に、バラエティなどでは目立つ傾向もあるので、彼女が選抜に選ばれた際のコメントは毎回刺激的なものが多いです。『乃木どこ』でも意味深な発言をしていましたが、それはパフォーマンスの一環として見るのがいいかもしれません」  さらにレイチェル氏は、選抜メンバーが固定化される傾向にあり、舞台公演でのアピールやバラエティ番組でキャラクターを上手く打ち出せたメンバーの活躍が目立つという。 「高山一実さんは三列目の右端が“指定席”になっていることに対して『自分がこの場所に居続けることには意味がある』と言ったり、今回の選抜で同列左端に起用された衛藤美彩さんも『“お姉さん組“として頑張りたい』と語るなど、自身のポジションに役割を見つけるメンバーが目立っています。また、樋口日奈さんは舞台公演において演技力で存在感を発揮して『気づいたら片想い』で初の選抜入りを果たしましたが、今回はその枠に大和里菜さんが抜擢されたんだと思います。同じように舞台で存在感を発揮しているメンバーとして斎藤ちはるさんが挙げられますが、彼女はまだ選抜入りを果たしていないため、次作での選抜入りが期待されます。逆に2期生に関しては、選抜が堀さんしかいなくなってしまったことや、話題性のあるメンバーが現れないので、奮起してほしいところですね」  イメージ戦略を変え、固定位置のメンバーを増やすことでますます盤石になりつつある乃木坂46。次作は“夏ソング”とのことなので、インドアな性格で知られる西野の新たな一面を見ることが出来るのかもしれない。 (文=中村拓海)

AKB48峯岸、自慢のモテテク明かす「男の人の持ち物、例えばメガネとか帽子を付けちゃう」

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AKB48『AKB48 リクエストアワーセットリストベスト200 2014 (200~101ver.) スペシャルBlu-ray BOX (Blu-ray Disc5枚組)』(AKS)

【リアルサウンドより】  土田晃之とAKB48の指原莉乃がMCを務める番組『恋愛総選挙』(フジテレビ系)の5月15日放送分で、AKB48メンバーが男性に対する好みのタイプや、付き合いたい職業などを明かした。  同番組は、恋人のいない男女8人ずつが集まり、パーティーで恋人探しをする様子を見ながら恋愛観を語るバラエティ番組。今回もゲストのAKB48メンバーが「恋愛禁止」とされる同グループの掟を破るかのような生々しい恋愛トークを行った。  この日のゲストは峯岸みなみ、川栄李奈、松井珠理奈、高橋みなみの4人。冒頭、番組から「付き合いたい職業は?」といきなり質問が浴びせられる。これに対し峯岸は「シェフ」と答え、高橋は「近くにいる人がいい。カメラマンさんとか」と、自分のことを理解してくれる周りのスタッフのほうが仲良くしやすいと語り、この日撮影していた若いカメラマンに「よろしく~!」とアプローチした。  同番組から2つ目の質問として、「男性へのアタックの仕方は?」と質問されたメンバー。はじめに指原が「メールをめっちゃ考えて打ちます。ハートは使わないって中学生から決めてる。適度に可愛いのはクローバー」と、絵文字にもこだわっていることを明かすと、峯岸は「男の人の持ち物、例えばメガネとか帽子を付けちゃう」と、自慢のテクニックを語った。すると指原が「(松井)珠理奈は何も考えずにそれが出来るの!」と松井がナチュラルに披露しているテクニックを指摘。松井がスタッフのサングラスを「一回掛けてみたーい!」と借りて掛ける仕草には、指原も羨ましさを感じたようだった。  続いてメンバーに質問された内容は、パーティー内で”お姫様抱っこされたがる女”が登場したことから「理想の抱っこを教えて?」というもの。はじめに指原が「理想の抱っこがあって。朝起きれなくて寝室で寝てるところを、お姫様抱っこでソファまで連れて行って欲しい」と語ると、峯岸が「逆に寝そうなときにベッドに運んでもらうのもいいよね」と同調し、2人のテンションは急上昇。続けて高橋は「朝起きて反対側に寝てて、『寂しいな』と思ってるのを察知して腕枕抱っこして欲しい。ギュってされて、それで幸せに浸る…」と恍惚の表情で語ると、指原から「何言ってんの」とツッコまれた。最後に峯岸は「長い階段を降りていて、彼が先に降り切って、私がヒールを履いていて降り切れないのを見て、『おいで』って言ってくれてからコアラ抱っこされたい」と語り、前後のシチュエーションまで考えていることを明かした。  番組の最後では、高橋が次々にカップルが成立したパーティーについて「競馬みたい!」と興奮気味に語ると、土田が「え? 何? AKB48はすげー競馬すんの?」とツッコミ。”競馬好き疑惑”を持たれた高橋が全力で首を横に振り、番組は終了した。  AKB48のメンバーが、恋愛に関するテクニックなどを語った今回の放送。今後の放送でもメンバーの恋愛における趣味趣向が続々と明かされていくそうなので、次週を楽しみに待ちたい。 (文=向原康太)

吉澤嘉代子がラブリーポップに仕込んだ“棘”とは?「私の曲はほとんどが妄想から生まれます」

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【リアルサウンドより】  期待のシンガーソングライター吉澤嘉代子が5月14日、メジャーデビューとなるアルバム『変身少女』をリリースする。彼女は2010年11月にヤマハ主催のコンテスト“The 4th Music Revolution”JAPAN FINALに出場し、グランプリとオーディエンス賞をダブル受賞。2013年6月にはインディーズでミニアルバム『魔女図鑑』をリリースし、ファンタジー的でありつつ棘を秘めたポップワールドで注目を集めていた。そんな彼女が「ラブリーポップス」とテーマを掲げて作り上げたのが本作『変身少女』。一枚ごとに変化していくという作品コンセプトから、音楽的ルーツ、目指すアーティスト像までじっくりと語った。

「現実に則したラブソングを歌うことに抵抗があるんです」

――メジャーデビューとなるアルバム『変身少女』は、吉澤さん独自の歌詞の世界と60年代ポップスのムードがミックスされた仕上がりですね。まず、どんなものを作ろうと? 吉澤嘉代子(以下 吉澤):インディーズで出した前作の『魔女図鑑』は、吉澤嘉代子のカタログになるような選曲…私が絶対に出したいと思う6曲を選びました。今回はメジャーデビューアルバムなので、これからの音楽人生にレールを敷くような、窓口になる作品にしたいと考えて作りました。そう考えたときに、前作で受け入れやすかった「未成年の主張」「らりるれりん」のようなラブリーポップスが、今の私を世の中に位置づける上で一番の武器になる部分だと思ったので、ラブリーポップスな楽曲で選曲しました。コンセプトがはっきりしたシンプルで濃厚なアルバムになっていると思います。 ――吉澤さんにとっての「ラブリーポップス」とは? 吉澤:4年半くらい前に今のディレクターさんと出会ったんですけど、ディレクターさんから「大瀧詠一さんっぽい」って言われたんです。そのときには大瀧詠一さんのことを詳しく知らなかったんですけど、じっくりと聴いてみたらすごく良かった。それから、松本隆さんの歌詞も好きになりました。そこからフィル・スペクターなどで知られる60年代のニューヨークのブリル・ビルディング・サウンドを聴くようになりました。シンガー・ソングライターではなく、職業作家の人々が作った洗練されたポップスが、私にとってのラブリーポップスですね。 ――たしかに今度の作品のサウンドは、フィル・スペクターが手がけたロネッツなどのガールズグループのキラキラしたサウンドに通じるところがありますね。 吉澤:あまり生々しいものが好きじゃなくて、どこか現実離れしたようなもの、夢と現実の境のようなものが好きです。だから私にはちょうど良かったのかな。 ――「美少女」は‹もしも美少女だったら›という歌詞に表れているように、ファンタジーの部分とリアリティが共存しているような印象を受けます。歌詞についてはどんなコンセプトをお持ちですか? 吉澤:『美少女』は自分自身に近い曲でありながら、ラブリーポップスというハイブリッドな曲に仕上がったと思っていますね。この曲に関しては、「恋」というワードを入れることでラブソングに聞こえるんですけど、実は恋をする前の歌で、「恋がしたい」というのは、恋愛だけじゃなくて仕事でも趣味でも、「このものと出会うために生まれてきたんだ」と思えるくらい夢中になれるものを見つけたいという気持ちを込めた曲です。だからラブソングという枠組みを取りながら、自分のやりたい言葉遊びや気持ちを隙間に詰め込んで作った曲になっています。私の曲にはそういう曲が多いんですけど、自分が体験した現実ではない、ほとんどが妄想から生まれたフィクションです。私自身、現実に則したラブソングを歌うことに抵抗があるんですよね…。 ――ラブソングを作ることに抵抗があるのはなぜですか? 吉澤:なぜでしょうね、恥ずかしいからでしょうか。ラブソングという形の方が、聴く人に受け入れてもらいやすいと思いますし、私の曲をとにかく聴いてほしいというか。だからラブソングを歌うために苦し紛れに編み出した方法が、歪んだ部分を入れることだったり、飛び道具的な言葉を入れたりすることで、どこかひねらないと自分でバランスが取れなくて、今のスタイルができました。

「中学生の頃はサンボマスターが私の心の恋人でした」

――今作では「少女性」というテーマがあるようにも感じます。 吉澤:子供の頃に見てきたものが今の私の歌詞の底辺にあると思います。年齢にすると9~13歳くらいの頃で、その時期に魔女のおばあさんにさらわれる夢を見たんです。すごく怖かったんですけど、その夢が忘れられなくて「あのまま、さらわれてたら私も特別な人間になれたのかもしれない」と思ってたんです。それで、魔女修行を始めて…。魔女のおばあさんが迎えに来てくれるかもしれないと思ってたんですよね。私は実家が、工場をやっていたので、その屋上で本を読んだり、お年玉で買った箒にまたがったり、動物とお話をしようとして買っていた犬や、うさぎを連れてきたりしました。今から考えても病んだ子どもだと思いますね(笑)。大人になったとき、そんな子供の頃の自分をすごく隠したかったんですけど、その頃の妄想がちな部分が今の自分を作っていることは確実なので、『魔女図鑑』もその頃の自分を大事にしようと、タイトルに「魔女」という言葉を入れたんです。そこから地続きになっていてほしいという気持ちもあって今作には「変身少女」とタイトルをつけました。「美少女」っていうのは姿形の美しさだけじゃなくて、理想のものに変わる自分、という意味も込めています。 ――魔女修行をしていた頃は、音楽はやっていましたか。 吉澤:子供の頃から歌うのは好きでしたけど、その程度ですかね。詩を書いたり、短い歌を作ったりはしていましたけど、本格的に始めたのは高校生になってからです。始めは鼻歌を軽音楽部の子にギターでコードをつけてもらったりしてましたけど、どこか頭の中に鳴っているコードと違っていて。で、ギターを始めて、そこから今につながります。曲作りは、言葉から始まることが多くて、タイトルをつけて、「それはどんな物語だろう」と考えて歌詞やメロディをつけて、それに合わせてコードを作る、というのが自然な作り方です。 ――当時、好きだったアーティストは? 吉澤:中学生の頃にサンボマスターを初めて聴いて、その時、「私に歌いかけている」と思いました。それから、サンボマスターが私の心の恋人で、高校生になったら軽音楽部に入ろうと思ったんです。私はライブでも音源でも、聴いてくれる人との一対一の関係を大事にしているんですけど、その気持ちはサンボマスターから学んだことですね。 ――今の吉澤さんの音楽性につながるようなアーティストでは、どのような方を聴いていましたか? 吉澤:子供の頃は、井上陽水さんや吉田拓郎さんを聴いていました。あとは山崎まさよしさんとか、みんなが聴いていたBUMP OF CHICKENくるり…女性で言うと、安藤裕子さんや、矢井田瞳さんが初めて買ったCDですね。 ――憧れの女性アーティストで言うと? 吉澤:やっぱりユーミンです。ずっと活躍されている、というのももちろんですけれど、曲の雰囲気も様々で、引き出しの多さにも憧れますね。

世の中に残る、名曲と呼ばれる曲を作ることが夢

――先ほど「曲はタイトルから作る」というお話がありましたが、吉澤さんの楽曲は言葉、歌詞がとても印象的です。 吉澤:歌詞を書くために音楽をやっていると言ってもおかしくないくらいで、歌詞は自分の核の部分だと思っています。私は、言葉を自分の中から出したくて音楽を始めたんだと思うんです。子供のときは、自分の気持ちで話そうとするとすぐに泣いちゃうような子どもでしたし。初めて曲ができた時、すごく気持ちが楽になったというか…世の中と繋がれたような気持ちになったんです。それはおしゃべりとか振る舞いではいつも、伝えられないと思っていた部分が、曲を作ることで初めて、自分のペースで自分の中身を出せたんです。 ――曲を作ることで自分の気持ちを表現できる実感が持てた、ということですね? 吉澤:そうですね。それから、音楽を続けていれば、似たような人が私を見つけてくれるかもしれない、という気持ちもありました。 ――そのためにも「ひゅるリメンバー」などの言葉遊びも重要かもしれませんね。 吉澤:単純に言葉遊びが好きなんですよね。内容というより字面を見てきれいに思えるものを歌詞に使っています。 ――字面が重要? 吉澤:はい。ひらがな・カタカナ・漢字も大事で、「ここはひらがなで本当にいいのかな」とか最後まで悩みますね。あと、「滑稽さ」ということもいつもテーマにして、どの曲にも少なからず入れています。曲が完全なフィクションであることによって、聴いてくれる人が自分自身を投影してくれたらいいなと思っていて、そのためにも滑稽さは大切な要素なんですよね。 ――では、切なさや悲しみはどう表現していますか。 吉澤:悲しさを悲しいメロディで歌うよりも、明るいメロディで歌った方が切なくなると思っています。「きらい」は、切なく歌わず内に込める必要があったので、難しかったですね。自分の中では、この曲を歌うかどうかは覚悟が要ることだったんです。「好きの裏返しの嫌い」というくらいにしかひねっていないので、一番そのままのラブソングなんですよね。現実的に受け止められたり「吉澤嘉代子ってこういう人なんだ」と思われたりしたくなくて、そういう意味で最初は歌いたくなかったんですけど、『変身少女』のテーマをラブリーポップスと決めたときから、私の中でこのくらいのラブソングを入れてもいいかな、と思いました。 ――基本的には、これから作っていく曲は現実から離れたものにしたいですか? 吉澤:これまではそう思ってたんですけど、去年末にワンマンライブをやって、本当に100%自分自身の歌を、その日来てくれたお客さんに歌うために「23歳」という曲を書きました。それは自分自身の歌だから、歌うのも怖かったんですけど、ライブに来てくれた方々が「『23歳』が良かった」とたくさん言ってくださって。それをきっかけにそれまでは「恥ずかしい」「怖い」という気持ちがあったんですけど、あんまりこだわらずに作っていきたいな、と思うようになりましたね。 ――最後に、これからどんなアーティストになりたいと思っていますか。 吉澤:毎回作風を変えていきたいとは思いますけど、一番の夢は、世の中に残る、名曲と呼ばれる曲を作ることです。人間的にはライブに来てくれる方と、たまたま道端で会っても「この人の歌を聴いてよかった」と思ってもらえるような人間になりたいと思っています。 (取材=神谷弘一 構成=高木智史)
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吉澤嘉代子『変身少女』(e-stretch RECORDS)

■リリース情報 『変身少女』 発売:5月14日 価格:¥1,667(税抜) 〈収録曲〉 1.美少女 2.チョベリグ 3.ラブラブ 4.きらい 5.涙のイヤリング 6.ひゅるリメンバー ■CD購入者イベント ミニライブ&サイン会情報 5/14(水) タワーレコード池袋店 6F特設イベントスペース 5/16(金) タワーレコード秋葉原店 5/18(日) タワーレコード渋谷店 1Fイベントスペース 5/24(土) タワーレコードあべのHoop店 ※あべの Hoop 1F オ-プンエアプラザ(イベントスペース) 5/24(土) ダイエー京橋店センターコート(イベントスペース) 5/25(日) タワーレコード神戸店 5/25(日) タワーレコード京都店 5/31(土) タワーレコード福岡店 3Fイベントスペース 5/31(土) HMV広島本通店 6/1(日) タワーレコード新宿店 7Fイベントスペース 6/1(日) ディスクユニオン全店対象購入者イベント ※dues新宿 ※イベント時に、参加券1枚につきイベント特典としてクリアファイルをプレゼントいたします。 ※イベント詳細はこちら:http://www.crownrecord.co.jp/artist/yoshizawa/whats.html ■ライブ情報 『吉澤嘉代子デビューAL「変身少女」リリースパーティー ~嘉代子、メタモルフォーゼ!~』 6/15(日) 渋谷duo MUSIC EXCHANGE ■Ustream番組情報 「吉澤嘉代子の変身少女TV」 http://www.ustream.tv/channel/yoshizawakayoko 5月14日(水)22:00〜 ■吉澤嘉代子「変身少女」全曲紹介動画(ナビゲーター:吉澤嘉代子):http://youtu.be/SvYMNe3nZus ■「美少女」MVフルサイズ視聴はこちら:http://youtu.be/lIPcSLZe0LE ■吉澤嘉代子オフィシャルWEB:http://yoshizawakayoko.com/

”顔出しNG”アーティストはなぜ増えた? ClariS、さよポニ、みみめめMIMIらのイメージ戦略とは

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ClariS『STEP(初回生産限定盤)(DVD付)』(SME)

【リアルサウンドより】  近年、アニメーション映像のみを公開し、ファンの前には顔を出さないというスタイルで活動するアーティストが増えている。  これまで、顔出しをしないアーティストといえば、ダフト・パンクやスリップノット、最近だとMAN WITH A MISSIONなど、ライブ活動を行うに適した隠し方をしているアーティストが多かったように思える。しかし、ここ数年では”ファンの前に姿を現さない”アーティストが増えているのだ。  では、姿を見せないアーティストはどのようにしてファンにそのイメージを伝えていくのか?   ひとつの回答は”アニメーションを使ったアーティストイメージの補完”だ。イラストなどでキャラクター化したアーティストをイメージ写真やMVなどに使用し、徹底したプロモーションを続けることで、視聴者はその“イラスト上の人物”をアーティストとして応援していくという仕組みだ。
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6月4日にアルバム『PARTY TIME』をリリースするClariS。

 例えば6月4日にアルバム『PARTY TIME』をリリースするClariS。「現役女子高校生ユニット」である彼女たちは、先日そのキャラクターイメージを、アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』の制作チームが描いた”大人っぽい”ものへと変更し、成長に伴うビジュアルの変化を表している。また、2014年の年始には『New Year's Festival~始まりの予感~』というライブイベントを行い、ファンから「ついに姿を現すのでは」と期待されたが、ステージ上に現れたのはダンサーのみで、2人は暗幕の向こうから影だけを映してライブに参加していたことも記憶に新しい。

さよならポニーテール 『新世界交響楽』

 そして彼女たちとの比較対象として、さよならポニーテールの名前が挙げられる。5人のボーカルを含む12人体制で活動している彼女たちは、ソーシャルメディア上で徐々にファンを獲得していき、2011年にメジャーデビュー。少し懐かしさのあるサウンドと、柔らかな声が特徴的で、スピッツの「空も飛べるはず」をカバーして世間に広く知れ渡った。ライブイベントやリリース記念イベントは定期的に行うものの、そこに本人は姿を見せず、初出しの音源が披露されるというイベントが毎回恒例になっている。
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5月28日に『サヨナラ嘘ツキ』をリリースするみみめめMIMI。

 最近だとみみめめMIMIの存在も無視できない。シンガーソングライターのユカとイラストレーターのちゃもーいの2人組である彼女たちは、”目と耳から刺激する新世代視聴覚ユニット”として活動中。ちゃもーいが描くイラストを元にしたMVと、クラムボンのミトやUNISON SQUARE GARDENの田淵をプロデューサーに迎えたサウンドが混ざり合い、広い世界観を表現している。ライブに関してはまだ行っておらず、6月22日に赤坂BLITZで開催される『みみめめMIMI 1st LIVE “Welcome to みみめめLAND”』が、初の舞台となっているため、素顔でのライブは行われるのかどうかといった点に注目が集まっている。

【もうだめな自分を隠さないで】みみめめMIMI「瞬間リアリティ」(Short ver.)

 今回紹介した中から、素顔を公開するアーティストは果たして現れるのだろうか? 彼女たちの動向には今後も注目して行きたい。 (文=編集部)

乃木坂46、9thシングルで西野七瀬センター継続! SKE48松井玲奈も福神メンバー入り果たす

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乃木坂46『気づいたら片想い(DVD付A)』(ソニー・ミュージックレコーズ)

【リアルサウンドより】  2014年5月11日放送の『乃木坂って、どこ?』(テレビ東京)にて、乃木坂46の9枚目シングル選抜メンバーが発表された。  今回のシングル選抜では5人のフロントメンバーに与えられる称号”五福神”が”十福神”に変更。さらに福神メンバー常連である生田絵梨花が学業の都合で今回の選抜を辞退していたため、その枠が争われることに注目が集まっていた。また、当日スタジオには不在だったものの、この選抜からSKE48の松井玲奈が乃木坂46のメンバーとして兼任で活動することになっていたため、彼女の選抜入りの有無やその位置に関して、ファンの間で様々な予測がされていた。  まず後列である3列目のメンバーとして名前を呼ばれたのは、左から衛藤美彩、井上小百合、斉藤優里、星野みなみ、大和里菜、堀未央奈、高山一実の6人。衛藤は7枚目のシングル『バレッタ』、井上・斉藤・星野は6枚目のシングル『ガールズルール』以来となる選抜入りを果たし、大和も初選抜入りとなった喜びを「ずっとアンダーで『忘れられちゃったんだ』って思う事もあって。でも初期から応援しているファンの方が見捨てないでくれていて…乃木坂に全てを懸けるつもりで頑張ります」と語った。しかし前回までフロントメンバーを務めてきた堀は、この結果に「7、8枚目でフロントメンバーに居させて頂いたんですけど、大きな結果が残せなくて。でもファンのみなさんやメンバーが支えてくれたので、乃木坂に入れてよかったって思うようになった」と号泣。MCを務めるバナナマンの設楽から「2枚前がセンターで、今回が3列目だから悲しいとかじゃなく、そういう(センターやってた)子が3列目にいるグループってすごいから」と慰められた。  そしてフロントメンバーの”十福神”の中で最初に呼ばれたのは若月佑美。「目標だけは高く、もっともっと自分でも満足いくような自分になりたいです」と、更なるステップアップを誓った。続いて名前を呼ばれたのは生駒里奈。前作の最前列から一列後ろに下がってしまったことに関しては「今年は自分の武器を身につけようと考えていて。兼任も乃木坂だけで成長することもたくさんあるんですけど、そこにあえて自分で『出来るかな?』って思うことを加えることによって、自分を動かして一気に成長したい」と語ると、設楽から兼任や選抜総選挙への出馬について「それも乃木坂のため?」と聞かれ「乃木坂を挙げたい。絶対にこのメンバーで嬉しいこと楽しいことを広げていきたい」と、自身に課せられた責任の重さを語った。  続いて名前を呼ばれた秋元真夏が「これからも太ももと肩は出し続ける」と”露出の誓い”を立てたあと、次に名前を呼ばれた深川麻衣は「初めて福神という枠に選んでいただけて。ファンの方からは『いつか選んで頂けるように頑張ろうね』って応援してくれていたので、少し恩返しが出来たかな」とファンへの感謝を語った。2列目の最後、中央位置のメンバーとして呼ばれたキャプテンの桜井玲香は「前回の発表の時にネガティブな事を言ってしまって。それを見てくれたファンの方が『そんなことないよ』って言ってくれたのが嬉しくて。今回のシングルで恩返しが出来たらいいなと思います」と、キャプテンとしての前向きな姿勢を見せた。  そして残すは最前列のメンバーのみに。スタジオが張りつめた空気になる中、最初に名前を呼ばれたのは松村沙友理。「ここで話すと長くなるから」と理由は話さなかったが、バナナマンの二人に「乃木坂のことは好きですか?」と確認し、笑顔で返事をした二人を見ると安心して「乃木坂みんなでがんばります!」と語った。続いて名前を呼ばれたのは松井。乃木坂46加入後、すぐに福神メンバー入りとなった形だ。当日はスタジオにいなかったため、ひな壇には松井の等身大パネルが立てられた。  最前列のうち、センターの脇を固めるポジションに指名されたのは橋本奈々未。「18歳で乃木坂に入って3年経つんですけど、この9枚目が私にとっても節目になるかなと思うので、良いものを作っていきたいなと思います」と、今作の重要性を語ると、同じくセンター横のポジションに選ばれた白石麻衣が「今回は玲奈さんも加わって、新しい形がどうなるか気になりますけど、今まで以上に良い作品を作っていけるように頑張りたいと思います」と語り、落ち着いた様子だった。  そして最後にセンターに呼ばれたのは西野七瀬。2作連続でのセンター選出となった彼女は「センターを2回もやると思ってなくて、8枚目の活動は1度きりと思って活動して、後悔無しに出来たので、次のシングルでセンターをやるのが怖くて。2回目ってなったらファンの方も厳しく見られるんじゃないか」と、不安を口にすると、設楽が「一人でやる訳じゃないし、バンジーもやったし、堂々と9枚目も頑張って」とフォロー。励まそうとしたバナナマンが奮闘するも、西野は「不安です」と号泣し、2作専属センターへの不安を口にした。  番組の最後には松井が「乃木どこでいつもヒット祈願やるじゃないですか。私そういうのやりたいなと思うので、身を粉にしても参加出来たらなと思ってます」とメッセージを送るなど、番組への積極的な参加を望んでいることを語った。  様々なメンバーが喜怒哀楽をあらわした今回の放送。次週は松井と乃木坂46のメンバーが親睦を深めるための対面企画が行われる予定だ。 (文=向原康太)

ジブリの新歌姫プリシラ・アーンは、アナ雪「Let It Go」を超えるか?

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プリシラ・アーン『ここにいること』(ユニバーサルミュージック)

【リアルサウンドより】  公開開始から2ヵ月を経てなお、旋風を巻き起こしているディズニーアニメ映画『アナと雪の女王』。すでに日本国内の興行収入も159億円を突破し、歴代興行収入ランキングでも8位に食い込む大健闘ぶりだ。主題歌の『Let It Go』も、本家イディナ・メンゼル版、松たか子版、May J版ともに大ヒット。もはや「レリゴ~♪」を耳にしない日はない。  ディズニーがアメリカ随一のアニメ制作会社だとすれば、日本にあるのはご存知スタジオジブリ。そしてこのジブリも、今夏に新作『思い出のマーニー』の公開が控えている。先日、本作の主題歌を担当するアーティストが発表された。名前はプリシラ・アーン。米・ロサンゼルスを拠点に活動を続けている女性シンガーソングライターだ。  プリシラは現在30歳。写真を見ると長い黒髪が印象的なオーガニック系美女だ。2008年にブルーノート・レコードからデビューした際は、ノラ・ジョーンズに次ぐ大型新人として注目を集め、フジ・ロック・フェスティバルにも2度出演している。転機となったのは2012年に発表したアルバム『ナチュラル・カラーズ』。SUPER BUTTER DOGの「サヨナラCOLOR」やくるりの「ばらの花」などに加え、荒井由実の「やさしさに包まれたなら」(『魔女の宅急便』主題歌)、安田成美の「風の谷のナウシカ」(『風の谷のナウシカ』テーマソング)などジブリ関連ソングも収録したこのアルバムを引っ提げ、翌年、三鷹の森ジブリ美術館でミニライブを開催。この会場設定には大人の事情的なものの連想を禁じ得ないが、これがきっかけとなりプロデューサーが監督に起用を打診。今回の抜擢に至ったという。

プリシラ・アーン / Priscilla Ahn - サヨナラCOLOR(Englilsh Version)

 ジブリ映画の主題歌を外国人が手がけるのは、2010年に公開された『借りぐらしのアリエッティ』のフランス人のハープ奏者/歌手のセシル・コルベル以来2人目。だが、このときは日本語詞を歌わせていたので、今作の主題歌「Fine On The Outside」はジブリ映画初の “全編英語詞”となる。また、宮崎駿御大の作品だと、音楽を務める久石譲氏や本人が主題歌にも大きく関わるパターンが多いが、今回の米林昌弘監督にしろ、ほかの所属監督の作品の際は、比較的自由に歌い手や作り手に楽曲制作を委ねている。プリシラが歌う「Fine On The Outside」も、自身が数年前に制作していた1曲を、映画のイメージにぴったりと提供したそうで、書き下しではないもののアーティストの意向が採用されたかたちだ。さらに近年の傾向で言うと、主題歌アーティストを「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」に出演させるのも定着している。前述のセシル・コルベル、『コクリコ坂から』の手嶌葵は映画公開に合わせてそれぞれステージに立ったが、先日発表されたRIJFの第1弾アーティストの中にもすでにプリシラ・アーンの名前が。まだ映画を観ていない/知らない層にも積極的にアピールしていこうという姿勢の表れであると同時に、楽曲単体でもヒットさせたいという狙いもあるのだろう。  楽曲自体はまだお披露目されていないが、彼女のスタイルを活かしたものであるなら、シンプルなギター弾き語り曲になる可能性が高い。加えて、孤独な少女の心を歌った曲とのことなので、アップテンポというよりは繊細なメロディになると予想される。ゴージャスかつキャッチーなサビが持ち味の『アナ雪』の「Let It Go」とは一見正反対だが、そこはジブリ。公開前にはこれでもかと番宣に力を入れるだろうし、CMも連日大量に投入してくるはず。公開時にはプリシラ自身も長期日本滞在し、楽曲と映画のキャンペーンを行うと予想される。果たしてどんな楽曲となっているのか。解禁を心して待ちたい。 (文=板橋不死子)

SHOW-YA寺田が80年代ガールズロックを仰天回想「ずっとノーパンで過ごしてた」 

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『僕らの音楽』公式HP

【リアルサウンドより】  5月9日放送の『僕らの音楽』(フジテレビ系)は”ガールズロック特集”。SCANDAL、華原朋美、NOKKO(ex.レベッカ)、土橋安騎夫、中川翔子、冨田京子(プリンセス プリンセス)、寺田恵子(SHOW-YA)、相川七瀬、織田哲郎、山下久美子が出演した。  冒頭、司会の加藤綾子から「ガールズロックの元祖」として紹介された山下は、当時の状況に関して「色んなライブハウスを回っていたら、マネージャーが『100本ツアーをやろう!』と言いだした」と、旅芸人のような生活を送っていたと振り返った。また、NOKKOも当時を振り返り、「歌謡曲が全盛期で、個性的な方向性を目指しましょうという感じでした」と続けた。  次に番組から「ガールズロックバンドの先駆者」として紹介されたのはSHOW-YA。ボーカルの寺田は「女バンドがそこまで数がいないときにデビューしたので、ロックの格好をしていたら『小奇麗にしましょう』っていっておかっぱにされて、中にバリカンまで入れられた。当時はボディコンもよく着ていたんですが、その時はTバックなんて無かったので、ずっとノーパンで過ごしてたんです」と語り、スタジオは仰天。続けて「音楽番組でステージが高く組まれる場合ってあるじゃないですか。ある時、5mくらいの高さで透明なステージが組まれてて…」と、珍事が起こっていたことも明かすと、そんな過去の先輩のエピソードを受けて、SCANDALのHARUNAは「パンツは履かせてもらえてて良かった」と安心した様子を見せ、先輩たちを笑わせた。    また、そのSHOW-YAと同時代を過ごしたプリンセス プリンセスの冨田京子が、「SHOW-YA姉さんについて行くだけでした」と語ると、寺田は「そんなことない! 当時は『可愛いプリプリ』『強面のSHOW-YA』って言われてたけど、性格は逆なんだと思うんだよね」と、仲の良い二人ならではの掛け合いを見せた。  後半では「90年代を代表するシンガー」として、相川七瀬が紹介された。彼女は当時のシーンについて「TRFなどの小室哲哉さんサウンドが全盛期で、ロックサウンドが不在だったなかに出て行った形なので、ある意味でラッキーだと思います」と振り返った。そして、同時代に仲良くしていた華原とは「女子会仲間」であることを明かし、「(華原の)フレッシュな恋愛ネタをね」と語ると、華原はこれに対し「憔悴しきったこの気持ちを…」と現在の状況を明かし、NOKKOから「女の人生って色々よね。長く生きてみないとわからない」と慰められていた。  セッションのコーナーでは、SCANDALとNOKKO、中川翔子による「フレンズ」や、相川と織田哲郎による「夢見る少女じゃいられない」、華原がボーカルを務め、富田京子とSCANDALが演奏に参加する「M」、SCANDALと寺田恵子の「限界LOVERS」、山下久美子と大澤誉志幸による「こっちをお向きよソフィア」などの楽曲が演奏され、豪華な番組の最後を締めくくった。  大御所~若手まで、様々な女性アーティストが出演した今回の放送。次回は『僕らの音楽10周年コンサート』が放送される予定だ。 (文=向原康太)

リリー・アレン、新作『Sheezus』でビヨンセ、ガガらを挑発! 過激なリリックに込めた真意とは

リリー・アレン − ハード・アウト・ヒア(日本語字幕入りver.)

【リアルサウンドより】  彼女ならではの解釈でビッチ論を繰り広げた先行シングル「Hard Out Here」も話題になったリリー・アレン。先行シングルの段階で「こんなに過激だなんて、アルバム本編はどうなっちゃうの?」と全世界が見守るなか、とうとう彼女の5年ぶり、3作目となる新作アルバム『Sheezus』が発表された。  アルバム・タイトルは「シーザス」と読む。どこかで聞いたことのあるタイトルじゃない? そう、あのカニエ・ウエストが2013年に発表した傑作アルバムのタイトルである『Yeezus』を引用したもの。「カニエ=Kanye」と「神=Jesus」を掛け合わせた造語として話題になったこのワード、カニエの「Ye」の部分を、リリーは<彼女=She>に置き換えて、そのまま再利用しちゃうとは!  ヒップホップ・アーティストの枠を飛び越えた、前衛的な内容が賞賛された『Yeezus』だけど、本編のリリー・アレンは、独自のフェミニズムを武器に、好き勝手に『Sheezus』ワールドを展開。とはいえ、壮大で深淵そうに見えるアルバム・ジャケットも本人曰く「あまり真剣に取られるべきものではないわ(笑)」と語っているくらいだし、アルバム全体に関しても「このアルバムにコンセプトがあるわけではない」と断言しているほど。もしかして、このアルバム自体がリリーによるドッキリ企画なんじゃ? と思わせるほどの軽薄さ。一体、リリーが『Sheezus』で表現したかったことって何?

Lily Allen - Sheezus(Official Video)

 そもそも、妊娠・出産を機に、長い休暇に入っていたリリー。2011年には長女エセル・メアリーちゃんを、そして2013年には次女となるマーニー・ローズちゃんを出産。過去に二度の流産を経験しているだけに、2人の子宝に恵まれ、とても満たされた生活を送っていたはず。そんな彼女が歌手活動を再開することは、大きな決断だったのでは? 「作曲を始めたのは、純粋にまた書きたいと思うようになったからよ。第二子が生まれた後、7~8カ月くらいに経った段階で、ある程度の数の曲が出来上がったの。そこで、アルバムとして出すことにしたのよ。  私は、何について書きたいか、というはっきりとしたアイディアを持って作曲することはないの。日常的に自分の周りで起こっていることや、家族や友達との会話の内容にインスパイアされる。既成観念によって動かされるのは避けたいと思っているわ。そうするとわざとらしくなってしまい、新鮮ではないと感じるようになるからね」  至極ナチュラル! あくまで自然にアーティスト業に復帰した様子で、その結果、彼女らしさを損なわず、むしろ、さらにリリー節を尖らせた楽曲を送り出すのだから、二児のママになっても錆びない彼女の感性には驚くばかり。ただ、ママ業と歌手業を両立させるライフスタイルにはやはり変化があったのだとか。
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現在、二児の母でありながらアーティスト活動を継続しているリリー・アレン。

「作曲やレコーディングの作業は、子供たちのためにも自宅で行うようにしたの。スタジオで作業せざるを得ないときは、早い時間からセッションを始めて、午後4時半には必ず作業を終えて、子供たちが夕食を食べる5時には自宅に戻るようにしていたわ。  これまでの私の作品と比べると、歌うテーマにも変化が起きたわね。ショッキングで下品なセックスについての描写は、以前ほどはなくなったかしら。子供たちが大きくなったときに、恥ずかしがらせてはいけないものね」  さすがママ。かつてのお騒がせ娘のイメージからは、だいぶ成長した様子。そして、アルバム本編についても「私の曲のほとんどは、社会論評であり、ソーシャルメディアやポップカルチャー全般」と語る通り、これまで以上に多彩なトピックを扱っているのも特筆すべき点。  「ビッチ」という過激な言葉を使いながらも、女性同士、エールを送り合う「Hard Out Here」然り、「みんなのSNSを見ていると、大騒ぎしている様子が伝わってくる。かつては私もそこにいたのに、今は育児に追われて仲間外れみたい」と、二児の母ならではの視点で語る「Life For Me」や、「インスタグラムで晒してるアンタの家や不細工な子供になんて興味ない。私にもっと稼がせてよ」と暴露する「Insincerely Yours」に共感できる女子も多いはず。  音楽業界における女性アーティストに対し、ライバル意識を歌った表題曲「Sheezus」では、ビヨンセやレディー・ガガ、リアーナらの名前を歌詞に登場させ、「王冠は私のものよ」と高らかに歌い上げ、「URL Badman」はティーンの男の子に扮し、いわゆる「ネット弁慶」を揶揄する内容に(ここではアメリカのヒット・ラッパーたちの名前がズラリ!)。

リリー・アレン -- エア・バルーン(日本語字幕付きver.)

 やもすると世界中からひんしゅくを買いかねないけれど、決してそうならないのがリリーの魅力。だって、みんな同じことを考えているに決まってるんだから。全世界の女性を代表する存在、“Sheezus”として、私たちの本音を代弁してくれる存在、それこそがリリー・アレン。背伸びしすぎず、等身大の私たちの本音、これからも発信し続けてよね。 (取材・文=渡辺志保) Twitter Blog
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リリー・アレン『Sheezus』(ワーナーミュージック・ジャパン)

■リリース情報 リリー・アレン 『Sheezus』 発売:5月7日 価格:2,200円(+税)

「クラブと風営法」問題のこれから 音楽ライター磯部涼と弁護士齋藤貴弘が語り合う(後編)

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磯部涼『踊ってはいけない国で、踊り続けるために ---風営法問題と社会の変え方』(河出書房新社)

【リアルサウンドより】  クラブと風営法の問題が節目を迎えようとしている。去る4月25日、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」(通称、風営法)違反の罪に問われていた大阪市北区のクラブ「NOON」の元経営者・金光正年被告に大阪地方裁判所で無罪が言い渡された。同店が摘発されたのは、2012年4月4日。2010年末から大阪市中央区・アメリカ村で始まったクラブ一斉摘発の流れの中での逮捕だったが、唯一、検察と争う姿勢を見せていたため、クラブと風営法の問題の今後に影響を与え得る裁判として注目されていた。ただし、判決はあくまでも摘発当日に「NOON」で行われていたイベントが、風営法の規定する3号営業には当てはまらないとするもの(*1)で、すべてのクラブに適合するわけではない。クラブと風営法の問題に折り合いを付けるには、やはり、法改正が必須なのだ。  そして、6月22日までの今国会中には、超党派の国会議員からなる、風営法のダンス営業規制について検討するための会合「ダンス文化推進議員連盟」(以下、ダンス議連)が、風営法改正案を提出する見込みである。しかし、この動きには紆余曲折があって、風営法を所管する警察庁が改正に真っ向から反対していたため、ダンス議連はクラブ業界に、警察の懸念が解消されるよう地域との関係の構築や自主規制を進めて欲しいと要請。それを受けて、「Club and Club Culture Conference~クラブとクラブカルチャーを守る会」(以下、C4)(*2)や「ブリッジ」(*3)といったクラブ・アーティストの団体、「日本ナイトクラブ協会」(*4)や「西日本クラブ協会」(*5)といった業界団体が状況改善をすべく、奔走している。  前編【「クラブと風営法」問題の現状と課題とは 音楽ライター磯部涼が弁護士に訊く】では、「ダンス議連」に対するロビーイングの中核を担ってきた齋藤貴弘弁護士に、これまでの動きについて振り返ってもらった。後編となる今回の記事では、彼と共に“これから”について考えたいと思う。    齋藤弁護士は風営法改正運動をいま一度“オープン”にするべきだと主張する。前編で書いた通り、もともとクラブ・カルチャー発の風営法改正運動は、「Let's Dance」(*6)による請願署名募集という“オープン”な形で始まった。しかし、ある時期からロビーイングのような“クローズ”な形に切り替わる。それは、問題の当事者であるクラブ事業者が現行の風営法下では、法的なグレーゾーンで営業せざるを得ないため、“オープン”な場に出て来づらいことを考慮した結果の選択だった。そして、ダンス議連は議員会館内で、クラブ事業者団体、DJ、アーティスト、社交ダンスやサルサなどのダンス事業者団体、地元商店街、デベロッパーなどの関連企業、警察庁、経産省、文科省といった様々な関係者からのヒアリングを行ってきた。ただ、齋藤弁護士は、風営法改正のレールが敷かれた今こそ、それが間違った方向に進まないよう、ユーザーも含めた“オープン”な議論を改めて始めるべきだと言うのだ。  他方、議論が“クローズ”になっていた間に、運動に関わっている人と関わっていない人との間でリテラシーの差が開いてしまったようにも思える。例えば今年1月、20代前半の若いロック・バンド:踊ってばかりの国が「踊ってはいけない国」という楽曲を発表して話題になったが、歌詞を見てみると、「踊ってはいけない/そんな法律があるよ/ここには/クソな国がほらあるよ」などと、いかにも“カウンター・カルチャー”的な主張が謳われている。しかし、現在の風営法改正論議においては、現行の風営法は時代にそぐわないとして見直しが求められているのと同時に、クラブ業界も今までのやり方を反省し、改善することが求められているのだ。つまり、問題は音楽文化に見られがちな素朴な反権力を気取っているだけでは解決しない。地道なネゴシエーションと自主規制を進めることこそが重要なのである。とはいえ、若者にとってみたら、「マナーよく遊ぼう!」よりも、「FUCK風営法!」のほうが格好よく思えてしまうのは仕方がないことなのかもしれない。齋藤弁護士もそれに関しては悩んでいるという。 「難しいところです。ツイッターなどでも、わかりやすいスローガンを掲げていた頃のほうが勢いに任せて拡散していくパワーがあったように思います。しかし今は、例えば『規制改革会議でこんな話をしました』といった、ダンス議連と警察庁とクラブ業界の間を取ったようなことをツイートしてもあまり拡散してもらえない。ただ、それは風営法に関してだけではなくて、そもそも、日本国民が持っている意識の問題なのかな、とせつなく感じてしまうこともあります。すぐ、『おまえ、右(翼)なの? 左(翼)なの?』といったラベリングの話になったりだとか、煽るような論調にしか乗らなかったりとか、熟議ができないケースもしばしば見受けられます」  しかし、踊ってばかりの国の「踊ってはいけない国」は、拙編著『踊ってはいけない国、日本』からの引用だ。筆者が前書きで「ミスリードと取られても仕方がない」「風営法は営業を規制する法律なのだから、“無許可で踊らせてはいけない~”とした方がより正確」と断りつつも、問題を広く知らしめるためにあえて煽り気味のタイトルを採用したことで、未熟な認識を広めてしまった責任も問われるだろう。 「『Let's Dance』もそういったところがあったと思います。シンプルなメッセージを有名人が発信し、世論を喚起していく――ただ、自分はそのやり方はとても重要だったと思っており、風営法改正に対して議員に取り組んでもらうには、世論の高まりは絶対に必要だったんです。それがあったので、今やっている実務的なことがうまくいっています。中には、『“Let's Dance”はないほうが良かったんだ』という人もいるんでしょうけど、あの大きな運動のおかげで、クラブと風営法の問題が注目されるようになったのではないでしょうか。そもそもクラブという空間自体、世間からしてみれば非日常的なものかもしれませんので。ただ、『Let's Dance』のやり方だけでもダメで、世論を喚起した後、その政策をどう実現していくのかだったり、どう利害を調整していくのかだったりは完全に専門的な領域になってきます」  確かに、クラブ発の風営法改正運動は、この業界が初めて本格的に関わった社会運動であり、試行錯誤の連続だった。齋藤弁護士も普段から個人・企業を問わず、あらゆる法分野を扱う仕事をしているものの、当初は風営法にもロビーイングにも詳しくなかった。しかし、成り行きで運動の渦へと巻き込まれ、そこで多くのことを学んだのだという。 「今回、このようなロビー活動をしたのは初めての経験でした。ただ、ロビー活動は、関係各所からヒアリングを行い、様々な利害を調整し、実現したいビジョンを組み立てて国に対して説得的にアピールし、法設計に落とし込んでいくというものですが、これらは普段の弁護士業務で取り扱っている企業や個人間の契約交渉や契約書作成と極めて似ています。自分としても、日々、弁護士として鍛えられているスキルがそのままロビー活動に活かせることを実感しました。今後はどれだけそういったロビーイストを育てられるかが鍵となっていきます。世論の盛り上がりと政策の実現を結びつけられる専門的なスキルを持った人がいれば、“ツイッターで憤って終わり”みたいな風潮も変わってくるでしょう。そして、そのためにはロビーイストをサポートするお金を集める仕組みを考えなくてはなりません。  今回のロビー活動には多大な時間を要しましたが、すべて無償で行いました。特定の団体から資金を得ることで偏った法改正になってしまうことを避けるための、あえての選択ですが、ただ、他方でまったく無償で行なうということだと、ロビー活動の広がりは制限されてしまうとも思います。  日本でも署名やデモ活動は盛んですが、それに加えて、もう少しドネーション(寄付)の文化が発展する必要性と、あるいは、助成金の整備などの必要性も感じます。  先日、ある外国の例について調べていたのですが、あちらでもライブをすることに対して強い規制がかけられており、ライブハウスの経営が困難になるという事態が起こったそうなんです。そこで、ライブハウスの振興団体が、国の助成金でロビーイストを雇い、法改正に結びつけた事例がありました。日本だとそういった成功例が少ないので、デモや署名に参加しても、『こんなことをやって何になるんだろう?』と考えてしまいがちなんです。つまり、しっかりとしたロビーイストが普及することによって、“社会は変えられる”という実感が持てるようになるのでないでしょうか」    では、風営法が改正されたとして、クラブ業界は、そして、社会はどのように変わるのだろうか? まず、前者に関して言うと、現在、風営法改正案には規制撤廃路線の“A案”と規制緩和路線の“B案”があるという報道がされている(*7)。しかし、ここでは、その内容には踏み込まない。ダンス議連は、議連内での議論や、関係者に対するヒアリング、党内や警察庁との調整を行っている真っ最中で、日々、改正案は変わっているからだ。いずれにせよ、気になるのは――前回の多様性の議論の続きになるが――例えば、クラブが合法的に営業しやくなった結果、大手資本の新規参入者による大箱が一気に増え、老舗の小箱が駆逐されてしまうような事態にならないだろうかということだ。 「その問題に関しては、僕もロビーイングを始めた頃から危惧していました。風営法改正運動のクラブ事業者側のプレイヤーは、必然的に大箱がメインになっていきます。風営法の第44条に基づいた業界団体である東京の『日本ナイトクラブ協会』や関西の『西日本クラブ協会』にしても、現行の風営法の許可を取れる大箱中心に構成されている。一方、運動の実動部隊になっているアーティストやユーザーは、小箱に出演していたり、遊んでいる人が多いわけです。それなのに、結局大箱の声だけが反映されて、図らずも小箱が弱くなってしまうことにならないようにしないといけない。さらにいえば、風営法はクラブだけではなく、広く“ダンス”にかかわる産業すべてに関係してくる法律で、クラブだけの声ばかりが反映されるようなことはあってはならない。そのためにも、小箱の各店舗に個人的に話をしに行き、そこで聞いた意見を議連に伝えるということはやってきましたし、社交ダンスなどのペアダンス団体、カフェやバーといった飲食店、美術館、音楽レーベル、楽器メーカー、ファッション業界、デベロッパー、ライブコンサート業界団体などからも多くの意見を聞き、議連に伝えました。その結果、議連の中間提言が“多様性を重視する”方向にまとまったのはよかったのですが、まだまだ安心はできません」  次に風営法改正の社会的影響に関して言うと、前回も話題に出た、「VIP席を確保するとスタッフがフロアから踊っている女の子を連れてきてくれるシステム」=“ギャル付け”などが売りの、いわゆる“ナンパ箱”の存在が世間で問題視され始めているが(*8)(*9)、新規参入者の増加がそれを蔓延させるようなことにならないだろうか。 「当然、クラブでのギャル付けが“接待”営業の潜脱として利用されるようなことがあってはならないと思います。だからこそ、クラブ業界がそのような接待類似行為を禁ずる自主規制案を今のうちにちゃんと作っておく必要がある。  そして、今回の法改正でもっとも重要なのは、ダンスをクラブだけのコンテンツとせずに、様々なレイヤーで街に広めていくという視点です。ダンスや音楽を求めている場所はクラブだけではありませんし、ましてや、夜の時間帯に限られるものではありません。ダンスは年齢や性別を問わず親しまれるべきものです。ダンス議連のヒアリングにはオリンピックに向けて街の再開発を進めている大手デベロッパーや、アートで街作りを試みる国立新美術館の館長、世界数十カ国でクリエイティブなシティ情報誌を発行している企業の社長が呼ばれました。彼らが強調するのは、“ダンス”やそれにまつわる文化を街づくりに活用していくことの重要性です。  繰り返しになりますが、クラブはナイト・エンターテインメントにとってなくてはならない存在であるものの、ダンスはそれにとどまるものではありません。ダンス議連では、美術館や飲食店、ライブハウスなどクラブ以外でもダンスやDJが活躍できる場は多く存在していることが示され、ダンス文化は観光、文化、教育、スポーツなど幅広い産業でポテンシャルを有していることが確認されました(*10)。今回の法改正は、これまで、“風俗営業”としてくくっていた“ダンス”というコンテンツを、様々な産業に解放する内容になればと思っています。解放するにあたって適正なルールが必要なのは言うまでもありませんが、業界を“風俗営業”としてクローズなものにするのではなく、オープンにすることで、むしろ健全化は推し進められていくと思います」  クラブと風営法の問題についての議論のみならず、アングラに追いやられていたクラブ文化自体を、他の文化と繋ぎ、“オープン”にする。そのためには、やはり、オープンになった際に問題が発生しないよう、事前に自主規制ルールをつくっておくことが重要だ。例えば、C4は「PLAY COOL」というキャッチコピーの下にそれを進めようとしているが、まだまだ漠然としている感は否めないし、一刻も早い具体案の作成が求められている。あるいは、そのような流れの中で、ユーザーが果たすべき役割とは何なのだろうか? もちろん、ひとつにはリテラシーを高めることがあるだろう。それでも、風営法はあくまで営業者を規制する法律であり、ユーザーにできることは限られているようにも思える。 「まずは、とにもかくにも、クラブに遊びに行ってほしいなと思います。今、風営法の問題以前に、クラブの存在感が薄くなってきているように感じますから。それと、クラブが築き上げてきた歴史には、たくさんの魅力があることを実感してもらいたい。例えば、最新のエンターテインメントを一方的に観せられて、ワーワー騒ぎ酔っ払って帰るのも楽しいでしょうけど、本来のクラブカルチャーは、もっと双方向的なものだったはずです。経営者側もお客さん側も、一緒にその場を作り上げていく。それが、『この場所を守らなきゃいけない』という意識につながる。そして、その時、ナイト・クラビングは単なる消費ではなく、“文化”になります。誤解を承知で言いますが、少なくとも僕は、既存のクラブ業界を救うためではなく、これからの日本の文化を作るために動いているつもりです」  それは、“これからの日本の社会を作るため”でもあるだろう。齋藤弁護士はクラブ発の風営法改正運動にはその萌芽が見られるのではないかと言う。 「今だからこそ、改めてクラブと風営法の問題について注目してほしい。世間的には、もう旬を過ぎた問題と思われているかもしれませんが、こうした社会問題は“消費して終わり”であってはいけません。日々、様々な炎上が起きている裏では、地道に動き続けている人がいて、風営法問題に関して言えば、ようやく、その成果が上がろうとしている状況です。そこから学べることはたくさんあると思います」  ――「Shall we ダンス?」。かつて、社交ダンスをテーマにした、そのようなタイトルの日本映画が大ヒットし、風営法改正を後押ししたことがあった。次はクラブ文化が世間と手を取り合う番だ。 (取材・文=磯部 涼) *1 http://noon-trial.com/article/378.html *2 http://clubccc.org *3 http://www.asahi.com/articles/ASG4Q30T9G4QUCVL00B.html *4 http://jnca44.net *5 http://wca-official.com *6 http://www.letsdance.jp *7 http://www.asahi.com/articles/DA3S11084526.html *8 http://nikkan-spa.jp/614182 *9 http://www.asahi.com/articles/ASG4P2T6WG4PUCVL006.html *10 https://www.facebook.com/takahiro.saito.10/posts/745510885479963 ■磯部 涼 音楽ライター。78年生まれ。編著に風営法とクラブの問題を扱った『踊ってはいけない国、日本』『踊ってはいけない国で、踊り続けるために』(共に河出書房新社)がある。4月25日に九龍ジョーとの共著『遊びつかれた朝に――10年代インディ・ミュージックをめぐる対話』(Pヴァイン)を刊行。 ■齋藤貴弘 「栄枝総合法律事務所」において6年間の勤務後、2013年にあらゆる分野の法律を取り扱う総合型法律事務所「斉藤法律事務所」を開設。 Twitter:@SaitoChin Facebook:https://www.facebook.com/takahiro.saito.10 WEB:http://saitolaw.com