ライブ中盤では、カエラが「自分の中で一番胸キュンなんじゃないかっていう曲をチョイスした」として、「sweetie」「Snowdome」「キミニアイタイ」など、メランコリックでドラマチックなナンバーを続けて披露。「What ever are you looking for?」では、観客は手拍子を打ち、会場が温かな雰囲気に包まれた。
後半では一転、「ここからは元気いっぱい、暴れますか?」と観客を煽った後に「STARs」「マミレル」など、アップテンポの明るい楽曲を披露。「Make my day!」では、観客がいっせいにジャンプで応えたほか、「BANZAI」ではカラフルでルーズな衣装を着たユニークなダンサーが登場して会場を盛り上げ、本編最後の曲となる「Magic Music」では、カエラがステージの端から端まで駆け回り、ファンたちにその歌声を届けた。
アンコールでは、カットオフして裾を短くした「GO!GO!KAELAND 10years anniversary」Tシャツを着てステージに戻ったカエラ。「この曲を今作れてよかった」と話した新曲「TODAY IS A NEW DAY」を披露した後、12月17日に新アルバム『MIETA』をリリースすることを発表し、会場は大きな歓声に包まれた。そして、ソニーハイレゾ音源対応ウォークマン®とヘッドホンCMソングである「sonic manic」をライブ初披露。共に、初期からの魅力であるロックテイストをベースに、今のカエラらしい陰影に富んだメッセージ性を感じさせる楽曲である。10年という年月における彼女の“進化”を感じさせる場面でもあった。
さらに「Super girl」を続けて歌い、ステージを後にしたカエラ。鳴り止まないアンコールの中、再びステージに戻ると、「今回、10周年ライブを開くにあたり、いろんな人が関わってくれました。私がこうしたいな、ああしたいな、と思うことをみんなが叶えてくれて、みんなが寝ずに準備をしてくれて、昨日と今日を迎えています。(中略)みんなに支えられて、こうやって10年間続けられました。応援してくれたみんながいないと私はここにはいられないし、本当に感謝しています。どうもありがとうございます」と、ファンとスタッフに感謝の気持ちを述べた後、代表曲のひとつ「happiness!!!」を歌い上げた。最後の挨拶では、カエラが感極まって涙を流す一幕もあり、活動10周年ライブは祝福ムードの中で幕を閉じた。
その反響は世界にも広がっている。同ゲームのサウンドトラックが、誕生から20周年となる2011年に『ソニック・ザ・ヘッジホッグ1&2 サウンドトラック/中村正人 from DREAMS COME TRUE』として初CD化されると、意外な人物が反応した。 2012年5月に米音楽メディア『Dummy』で、世界的な知名度を誇るベーシストであるサンダーキャットが、「The 11 best bass guitar anthems」のひとつとして、中村の作曲した同ゲームの「Spring Yard Zone」を挙げて「一生頭から離れない、美しいメロディー」と絶賛したのだ。(参考:【The 11 best bass guitar anthems, according to Thundercat】)
今をときめく音楽家のフライング・ロータスも、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』の音楽に魅了されたひとり。現在、東京・渋谷で開催されている『Red Bull Music Academy』のプログラムの一環として制作された、日本のゲームミュージックの歴史と魅力を紐解くドキュメンタリーシリーズ『DIGGIN' IN THE CARTS』の「Episode 4: クール・キッズ」では、フライング・ロータスがノリノリで『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』の楽曲を鼻歌で歌っている様子が収録されている。同ドキュメンタリーでは、他にもサンダーキャットが「Spring Yard Zone」について「全部歌えちゃうよ。超ファンキーで、多分あの曲が俺にとってファンク・ミュージックの初体験だった」と語り、週刊ファミ通の元編集者で、現在はライターとして活躍するローリング内沢氏が「ソニックのクールさとポップさを上手に音楽に落とし込んでいて、ゲームをしながらJ-POPを聴いている印象もあった」と振り返るなど、中村の手がけたサウンドがゲームミュージックの可能性を広げた作品として評価されていることがわかる。(参考:【『DIGGIN' IN THE CARTS Episode 4: クール・キッズ』】
J-POPのトップアーティストとして、王道的なキャリアを歩んできたドリカムであるが、今回紹介した中村のサイドワークのように、意外性のあるエッセンスが作品に深みをもたらしている。そうしたバックグラウンドを踏まえて『ATTACK25』を聴くと、新たな音楽的発見があるのではないだろうか。
(文=編集部)
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元グラビアアイドル出身という異例の出自ながら、そのルックスからは想像のつかないパフォーマンスとテクニカルプレイで魅了するF チョッパー KOGAの存在は楽器経験者であるなら、機材誌などで目にしたことがあるかもしれない。(参考記事:三好春奈(HaKU)、Hisayo、かわいしのぶ……センスが光る女性ベーシスト6選 )
腕が立つのは彼女だけではない。ドラムのはな、ギターTOMO-ZO、それぞれが教則DVDをリリースしているほどの凄腕プレイヤー集団なのだ。 AKB48がバンド結成した『GIVE ME FIVE!』の演奏・パフォーマンス指導も彼女たちが担当している。 アメリカのハイエンドギターメーカー、ポール・リード・スミスが数少ない日本人プレイヤーとしてコラボしていることからも、その実力は折り紙付きである。
テクニカルプレイヤーとしても定評のある彼女たちではあるが、これみよがしな速弾きなどの個人プレイには走らない。楽曲と歌を前面に出し、プレイはあくまでアレンジの一環であり、適材適所に見せる飛び道具である。一丸となったバンドサウンドを第一に考える姿勢だ。
危機を乗り越えて進化を遂げた
通常のバンドの枠に収まりきらない彼女たちのエンターテイメント性は、始めから備わっていたわけではなかった。メンバーチェンジなど、逆境に見舞われた末に進化を遂げたのが、今の姿である。
THE PINK☆PANDAを脱退したFチョッパーKOGAが、かつてのバンド仲間である、はなと共に組んだところからガチャピンは始まっている。当初はフロントマンとしてのボーカリストがいる普通のロックバンド編成だった。しかし、2012年にボーカル・Armmyの脱退というアクシデントに見舞われる。だが、リードボーカル不在という危機を、バンドと交友のある様々なボーカリストを迎えることで、ワンマンを含めたツアー、そして初の海外ツアーを成功させている。