
「いい意味での重圧があって、嬉しさと責任を感じました」(雅友)
——まずは、2月28日、渋谷ミルキーウェイでの2ndワンマン・ライブの話から始めていいですか。どうでした? 勇-YOU-:熱かったですねぇ。お客さんも熱かったし、SCREEN modeのパフォーマンスとして、熱いものをお客さんが全部受け止めてくれて、一体感があるライブが出来たんじゃないかなと思っていて。6月の3rdワンマンに向けて、さらに高みを目指して行けるような、先につながるライブだったんじゃないかなと思います。 雅友:何かその、コンサート・ホールで5000人の壁とか、1万人の壁というのがあるらしいんですよ。「たまアリを超えると違う」とか、実際にライブをしたアーティストの方々からよく聞くんです、そういうことを。「最初にたまアリでやった時には、お客さんに圧倒されて、いいパフォーマンスが出来なかった」とか。 勇-YOU-:へええ~。 雅友:僕らはワンマン2回目で、前回の倍、お客さんがいたんですね。今の「たまアリ」の話からすると、果てしなく規模が小さいですけど(笑)。でもなんというか、人の気というか……想いみたいなものが、倍になると、見えない力に押されるような感じがありましたね。 勇-YOU-:うーん。確かに。 雅友:その、大きい会場でやってるアーティストの方々が言ったことの片鱗を、身をもって知ったというか。「あ、こういうことか」と思って。やっぱり現場にスタッフとして行っている時とは違うじゃないですか。 勇-YOU-:そうですよね。 雅友:お客さんの想いは、アーティスト本人に向くわけだから。僕はあの日、本人としてそこにいたので、「これか!」と思いました。フェスとはまた違うわけですよ。ランティス祭りとか、僕らを見に来てくれた人が250人以上いたかもしれないですけど、あの日は、あの場にいる人が全員僕たちを見に来ているという、見えない何かが……。 勇-YOU-:重圧ですか。 雅友:いい意味での重圧があって、嬉しさと責任を感じましたね。「この人たちを、ロックしていかなきゃいけないんだな」って。気持ちが高鳴りました。 勇-YOU-:でも確かに、1stライブよりもお客さんの気の大きさを感じましたね。だから6月になると、また規模が倍になるので、どういう気が待ってるか。非常に楽しみです。 ——言い方はアレですけど。やるたびにデータが取れるというか。 雅友:確かに。 勇-YOU-:積み重ねですからね。一気に1000人規模のワンマンをする方もいらっしゃいますけど。こういう積み重ねの中で、今やってるライブがたぶん2年後、3年後にも生きてくるのかなと思ってますね。 ——まさに。どんどん大きくなってしまう前に、これを読んでる方は、「今見とかないと」ですよ。そしてリリースも、快調ですね。どんどん出てくる。 雅友:それはもう、ひとえにみなさんのおかげです。「(『黒子のバスケ』の)歴史の一端を任せてもらえてうれしかった」(勇-YOU-)

【SCREEN mode】TVアニメ『黒子のバスケ』第3期 第2クール 帝光編 ED主題歌「アンビバレンス」Music Video Short Ver.
「悲しみだけじゃなくて、希望に向かって行く思いと、両方ある」(勇-YOU-)
——そして勇-YOU-さん、歌詞について。「アンビバレンス」という言葉にどんな思いを込めたのか。 勇-YOU-:TVアニメ『黒子のバスケ』が題材で、帝光編はその中でもせつなく悲しい過去を描いた作品なので。そういう黒子の心情を、一つヒントにさせてもらったということもありますし。僕の役は黒子の親友なんですけど、とあるきっかけでバスケをやっていく事に挫折してしまうという、その心情とも重なるかもしれないし。そういうふうに、登場人物の心情に当てはめて聴いてもらう楽しみ方もあると思うんですけど、そこだけじゃなく、思春期の漠然とした不安にも似てるかもしれないし、恋愛の感情にも通じるかもしれないし。聴いてくれる人たちそれぞれに、聴き取り方が違うかな?という、そういう曲であったらいいなと思って歌詞を書いて行きましたね。 ——ミュージックビデオは、ラブストーリーっぽい展開ですし、いろんな表現の仕方があって。 勇-YOU-:あのドラマだと、今から恋が始まるかも、みたいな感じもするし。絶妙な感じですよね。 ——「アンビバレンス」という言葉は、歌詞には出て来ないですけど、これは? 勇-YOU-:最後まで書いて、どういうタイトルがいいかな?と思った時に、まさにアンビバレンス(=相反する感情)だなと思ったので。悲しみだけじゃなくて、希望に向かって行く思いと、両方あるんですよ。相反する感情を1曲の中で描いているので、「アンビバレンス」になりました。 ——歌もエモいです。これまでの曲とは、感情の入れ方が違うように聴こえたり。 勇-YOU-:最初の歌い出しがセリフ調なので、そこはけっこう力を入れましたね。歌ってる感覚ではなく、語りかけてる感覚というか。 ——ああ、そのせいか。いきなりぐっとつかまれる感じがあるのは。 勇-YOU-:やっぱり、出だしって大事なんですね。 雅友:大事です、出だしは。 勇-YOU-:成功したようです(笑)。 ——さぁそして、今回は収録3曲ともすごいんですよ。いろんなジャンルにぶっ飛んでますから。2曲目「marionette」は、ゲーム『BLAZBLUE CHRONOPHANTASMA EXTEND』エンディング・テーマということで。 雅友:これはすごい前に作っていた曲で、去年の夏前にはレコーディングが終わってて。やっと来たな、という感じですね。最初に、「救いのない話だ」という情報だけもらっていて……。 勇-YOU-:すごいワードですね(笑)。 雅友:それでヘヴィな、重い感じを出そうと思って作りました。通常ギターのチューニングで、一番低い音はミなんですけど、シまで落とせるギターを用意してもらって、デロ~ンっていう音が入ってます。低い音が。マスタリングの時に、大きいスピーカーで聴くんですけど、すごい下の音まで入ってましたね。重かったです。 勇-YOU-:すごい大きいスピーカーだったからね。 雅友:でも自宅でも、ヘッドホンで大きめの音で聴いてもらえれば、感じてもらえると思うので。 勇-YOU-:今までにない曲ですよね。僕も最初から最後まで、救いのない歌詞を書きました(笑)。 ——そんな歌詞を書いてると、どよ~んとしたりして? 勇-YOU-:いや、そういう感じはなかったですね。どう考えても自分の人生の中に当てはめることが出来ないというか、物語の主人公がいて、その人が思っていること、という感じで書いて行ったので。 ——暗闇、虚像、無情、不条理、とか。ダークなワード、てんこ盛りで。 勇-YOU-:空想上の物語みたいな、これはこれで面白かったですね。 ——爆音と静寂が交互にやって来る、極端な曲調なので。それもインパクト大です。 勇-YOU-:あそこ、ライブで歌う時に絶対ズレないようにしないとね。 雅友:練習しましょう(笑)。 勇-YOU-:サビはいいんだけど、Bメロのところは、音とメロディが同時に出てくるから。あそこを外したらカッコ悪いだろうな~。 雅友:感じれば、入れる。 ——考えるな。感じろ(笑)。 勇-YOU-:ブルース・リーですね(笑)。 雅友:水になったように。感じてください。「ちゃんと感動が表現出来てる」(雅友)
——名言が出たところで、3曲目、さっきちょっと話に出た「Happiness!」に行きましょう。これ、何て言えばいいんですかね。明るい広がりのあるソウル、祝祭感あふれるゴスペル……。 雅友:僕はジャズ、ブルース、ソウル、R&Bとかがすごく好きで、でもSCREEN modeに今までそういう要素はなかったので。シングルの3曲目にこっそり入れてみようと。1曲目と2曲目が、明るい曲ではないじゃないですか。だから3曲目は明るい曲がいいかなと思って、「ハッピーな何かにしよう」とか言ってたら……。 勇-YOU-:そしたら「Happiness!」になった(笑)。でも春に出すシングルだし、新しい生活や環境になじむのはけっこう大変だから、そういう人たちの背中を押せるような曲になればいいなと思ったので。歌詞は日常感というか、些細なところにも喜びが待っていて、小さなところからも喜びを感じられたら、ということですね。 雅友:この曲、全部生なんですよ。ブラス・セクションも生で録ってて、シングルの3曲目でここまでやらせてもらえるのは、なかなか珍しいと思っていて。ランティスさんには感謝してます。 ——サックスのソロ。最高に決まってます。 雅友:いいですよね。逆に僕のギターのレコーディングは、すぐ終わりました。音数が少ないんで。早く帰れたのが良かったですね(笑)。 勇-YOU-:そこか! でも歌って楽しいんですよ、この曲。遊んでる感じというか、そういうものが伝わればいいかなと。 雅友:イントロと、最後に、勇-YOU-のフェイクを入れてもらって。 勇-YOU-:そうそう。僕も最近、R&Bは歌ってなかったから、フェイクの引き出しがなくて、そこが一番時間がかかったんですけど。 雅友:「もう一回やらせてください!」って言って、同じフレーズを歌うという。「一緒じゃん!」って(笑)。 ——ウォウ、とかイェイ、とか。簡単そうに聴こえるフェイクに、逆に時間がかかってると。 勇-YOU-:メロディと違って、可能性が果てしないので。まだ出せるかな?って思っちゃうんですよ。 ——そしてこの曲の肝は、コーラスをふんだんに盛り込んでいるところ。 雅友:歌いたい人は一緒に歌って、ということですよね。ゴスペルじゃないですけど、ライブでもみんなで声を出して楽しめたらいいなと思いますね。曲の最後はコーラスで終わるんで、そこをみんなでバツッと決められたら、気持ちいいですよね。 勇-YOU-:想像すると、楽しいですね。 ——次の3rdワンマン、6月7日の代官山UNIT、そんなシーンを楽しみにしてます。 雅友:あとね、マスタリングの時に3曲通して聴いて、その時に僕が感じたのが、音のいいCDだなと思って。僕が考える音がいいというのは、今流行りのハイレゾとか、高い周波数まで入ってるとか、それだけじゃなくて、もちろんSCREEN modeの曲はオーディオ的には常に最高の音質で制作してますが、その先にあるものを大切にしてるんです。今の時代はiPhoneや、ノートPCのスピーカーとか、ラジカセ、テレビとかで様々な環境で音楽を聴く人が多いと思うんですがそういうデバイスで聴いても感動が伝わるように、ちゃんと作られている音楽が、今の時代の高音質だと思うんですよ。僕もmacbook airのスピーカーでよく聴くし。だけど、どんな装置で聴いても、「聴こえますか…聴こえますか」というフレーズが、ちゃんと聴く人の心に入って行く。それが、いい音だと思うんですよ。 ——あ! そうか、それで「アンビバレンス」の歌い出しが、「聴こえますか…聴こえますか」になっている……すごいですね、それ。 雅友:マスタリングの時、大きいスピーカーから小さいラジカセまで、いろんな機械で聴くんですよ。どれで聴いても、ちゃんと感動が表現出来てるなと感じたんで、それが少しでも聴いてる人に伝わるんじゃないかな?と思います。そういう意味で、音がいいCDだなと思ってます。良かったら、色々聴き比べてみてください。 勇-YOU-:深いなぁ~。 ——では、最後に、あらためて、3rdワンマンへの抱負で締めましょう。では、勇-YOU-さん。 勇-YOU-:シンプルに、2ndワンマンを超えたいですね。今度はまた規模が倍になって、よりお客さんの気を感じ取りながら、それを共鳴させて行くことは、未知の世界だったりするので。演奏も歌も構成も考えて、もっともっとお客さんの心に刺さるようなライブにして行きたいなと思いますね。 (取材・文=宮本英夫)
SCREEN mode 『アンビバレンス(アーティスト盤)』(ランティス)

SCREEN mode 『アンビバレンス(アニメ盤(期間限定))』(ランティス)




















