
撮影=尾藤能暢
2009年、彗星のごとく地下アイドルシーンに出現し、世にも珍しい「民族大移動」パフォーマンスや年間300本を超えるライブ活動を展開し、一躍その名を現場に知らしめた「まいにゃ」こと小桃音まいが、2013年8月14日、シングル「BANG BANG 鼓笛サンバ」でメジャーデビューを果たす。
これまでも、インディーズながらCDを7000枚以上売り上げ、オリコンウィークリーチャート24位にランクインしたり、海外でのライブ出演。はたまた劇団ひとりがTwitterで見かけたまいにゃの写真に一目ぼれし、イベントに一般客として来場したほか、雑誌やテレビでもたびたび彼女の名前を挙げるなど、何かと話題を振りまいているまいにゃ。
そんな現場系アイドルの筆頭ともいえる彼女に、メジャーデビューに至るまでの道のりと、これからの目標を尋ねてみた。彼女の前では、AKB48も、ももクロも過去の存在となる!?
──まずは自己紹介からお願いします。
小桃音 民族大移動系アイドルの小桃音まいです。これまで年間300本のペースでライブ活動をしていたのですが、8月14日に念願のメジャーデビューをさせていただくことになりました。
──今、「民族大移動系」っていう、ちょっと聞き慣れないカテゴリーが出てきたんですけど……。
小桃音 ライブの時に私が動く方向にファンの皆さんも一緒に動いてくださる曲があって、その時の動きが民族大移動に見えるということで、民族大移動系アイドルと言われています。最初は一人のファンの方が一緒の方向に動いてくれるのを見つけたんですが、それがいつの間にか増えてきて、10人、100人、会場全体って増えて、自然に大移動が始まったんです(笑)。
──メディアでは、「アキバ系アイドルの女王」というような紹介をされることも多いのですが、まいちゃん自身に実感はありますか?
小桃音 あんまりないんですけど、昔、石丸電気でライブをやらせていただいていた時は、その会場でライブをやるアイドルの中で年間最多だと言われたことがあります。やっぱり年間300本もライブをやっていれば、そう言ってもらえるんだなって。やっててよかったですね。秋葉原のほかにも池袋、渋谷、新宿とライブハウスがある場所には全部行って、毎日どこかでライブをやらせてもらっていました。去年くらいから地方に行く機会も増えてきましたね。グループだとスケジュールを合わせるのが大変だと思うんですけど、ソロだからこそのフットワークの軽さで活動させていただいてます。
■ハロプロに憧れてライブハウスに殴り込み!?
──そんなまいちゃんが、アイドルになりたいと思ったきっかけは?
小桃音 小学校の頃からモーニング娘。さんや松浦亜弥さんといったハロプロ系が好きだったんです。初めてライブに行ったのが小学6年生の時で、ファンが振ってるサイリュームがきれいだったのと、掛け声が本当にすごいことに「みんなどこで練習してるんだろう!」って感動したんです。それにテレビでしか見たことのない人が、手を伸ばせば届くところにいて、同じ空気を吸えていることがすごくうれしくて、「ライブって素晴らしい!」「私もライブをやってみたい!」と思ったのが最初です。それから事務所に入るということは思いつかなくて、いきなりライブハウスに「私をライブに出してください!」って電話したんです。
──いきなりライブハウスに!(笑)
小桃音 はい(苦笑)。それから秋葉原のメイド喫茶の片隅にあるようなステージに立つようになったんですが、小さな場所でも歌えることがすごくうれしくて、ほかにももっと出たいと思うようになって、自分で調べてはどんどん連絡して出演してました。当時は兵庫県に住んでいたので、ライブをしに秋葉原に行って帰るという生活を月1ペースでやっていました。そういう活動をしているうちに、今のマネジャーさんから「イベントに出てみませんか?」って誘っていただけたんです。そこから「フリーでやってるんだったら、うちに所属する?」っていう話になって、今回のデビューに至りました。
──まるでロックバンドみたいなエピソードですね。
小桃音 そうなんですよ(笑)。「アイドルのデビューの仕方じゃないね」ってよく言われます。
──ほかにも、日本記念日協会より、今年から5月10日は「ことねの日」であると認定されたそうですね。
小桃音 はい。5月10日が、正式に「今日はことねの日」ということに。来年のカレンダーには小さく「ことねの日」って書かれているかもしれません(笑)。後藤真希ちゃんのファンの方が車のナンバーとかに「510」って入れたりしているのに憧れて、私も5月10日を「ことねの日」として主催ライブをやらせていただいたんです。それをいつか国民的アイドルの日みたいにできないのかなって思っていたら、スタッフさんが調べてくれて、実際に申請したら本当に通っちゃったんです。
──アイドルとしては未知の領域にズンズン突き進んで行ってますね。
小桃音 面白いことが好きなんです。民族大移動っていうキャッチフレーズも、最初は「おかしいだろう」って誰もが言っていたんですけど、ずっとやっていると「民族大移動の子ね」って、なじんできたんです。年間300本ライブをやっていた時もおかしいって言われていたけど、1年くらいずっとやっていたらもうファンの方も慣れてきて毎回来てくれる方も増えてきたので、最初はぶっ飛んでいるように見えることも、続けていればだんだんと普通になってくるんだなって思います。だから、これからもまず大きいことを言って、それを実現していこうと思います。
■道なき道を突き進むまいにゃ、ついにメジャーシーンへ!
──そして、8月には念願のメジャーデビューを果たします。デビュー曲「BANG BANG 鼓笛サンバ」はどんな曲ですか?
小桃音 ノリノリなアッパーソングで、夏の野外フェスとかで盛り上がっている光景をイメージして作ってもらった曲です。プライベートではまだ野外フェスには行ったことがないんですが、今年の夏はいくつか出演させていただくことが決まっているので、その会場で盛り上がろうと思います。
──この曲をもってメジャーデビューする心境はいかがですか?
小桃音 ずっと(メジャーを)目指していたので、「ついにきた!」という感じです。メジャーデビューが決まってから変わったことって本当に多くて、「これがメジャーか」って感じる毎日です。まず取材に関しても、インディーズの時だとCDを発売した時に簡単な囲み取材をしてもらうくらいで、しかも記者の方もポツポツといる感じで全然囲まれている感じはなかったんですが、先日のメジャーデビュー発表の囲み取材の時はたくさんの方に来ていただいて「本当に囲まれている!」って思ったり。あと、CDに関してもインディーズだとCDを置いてくださる店舗がかなり限られていて、地方イベントとかに行っても「なかなかCDが地元で売られていない」ってファンの皆さんから言われていたんです。やっぱり地方の方にも気軽にCDを買っていただくためには、メジャーデビューは必要かなと思っていたので、今後はよりたくさんの人にCDを聴いてもらえると思うと、今から楽しみです。

──メジャーシーンでは、どんなことをやってみたいですか?
小桃音 去年のクリスマスにやった赤坂ブリッツでのワンマンライブが過去最大のライブハウスだったんですが、今後もどんどん大きな会場でライブをやっていきたいですね。やっぱり私の原点はハロプロなので、ハロプロの聖地・中野サンプラザで5daysライブとかやってみたいです。あとは、初めてライブを見た大阪城ホールでもやりたいです。それと、やっぱり地元ですね。うちのお父さんってちょっと天然なところがあって、メジャーデビューが何か分からないみたいなんです。メジャーデビューってすごいことなんだというのを分かってもらうためにも、もっと大きなステージで活躍できるように頑張りたいです。やっぱり大きな会場になればなるほど、フロアのサイリュームの光もきれいだし、熱気もすごいし、照明もすごくなるので、やっぱりアイドルとしては、きらきらとしたステージに立つということに憧れます。
──大きな会場でやる民族大移動って、壮観でしょうね。
小桃音 確かに(笑)。「なのです☆」という曲はファンの皆さんが右に左に動いてくれるんです。もし、大きな会場でこの歌を歌うことがあったら、みんなが会場をグルッと一周するまでエンドレスで歌い続けると思います(笑)。大きな会場でそういうことをやった経験のある人ってなかなかいないと思うので、ぜひ挑戦して記録を残したいですね。
──アイドルの道なき道を開拓し続けている感がありますね。
小桃音 スタートから私は普通じゃないと思っているので、これからも変わらず面白いことをやって、みんなとライブを作っていきたいです。今思うと、勇気を出して最初の電話をかけてみて本当によかったって思います。今の自分なら、絶対にそんな行動はできないです。あの時の自分に感謝したいですね。
──ところで劇団ひとりさんがまいちゃんのファンだと公言したり、イベントにも参加したこともあるそうですね。
小桃音 そうなんです。イベントに来てくださる数日前に劇団ひとりさんが私のことをTwitterでつぶやいてくださっていたらしくて、いきなり私のフォロワーが増えるっていうことがあったんです。その際にTwitter上で少しやりとりさせていただいたりして、「ありがたいな」って思っていたら、その後、シングル「ラグランジュ☆ポイント」リリースに関するインストアイベントを秋葉原でやった時に、帽子とメガネとマスクをつけて、しかも長袖、長ズボン、リュックサックっていう格好で不審な動きをされる方が来てくださったんです。「危ない人なのかな」って思っていたら、その後Twitterで劇団ひとりさんが「今日、まいにゃの握手会に行ってきました」ってつぶやいてるのを見かけて、思い返してみたら「あの挙動不審な人しかいない!」って……(笑)。もう全然気付かなかったんですけど、別の意味で印象に残っちゃいました。テレビとかでも私の名前を出してくださったみたいで、そのお礼をいつか言いたいですね。このインタビューをもしご覧になっていたら、また握手会とかイベントに来てもらえたらうれしいです(笑)。
(取材・文=有田シュン)
●ことね・まい
1990年8月24日生まれ。兵庫県出身。09年、神戸から単身上京し、ライブ活動を開始。民族大移動と呼ばれるユニークな動きがあるライブは、年間300本という数に達し、“まいにゃ”の愛称で、瞬く間にライブ界隈で有名に。8月14日、シングル「BANG BANG 鼓笛サンバ」でメジャーデビューを果たす
公式ブログ<
http://ameblo.jp/kotonemai/>