
『李小龍 マイブラザー』
もう1本の『アイアム ブルース・リー』の方は、子役スターだった黎明期の作品から、『グリーン・ホーネット』など渡米後に出演したアメリカのテレビドラマ、さらに『燃えよドラゴン』など一連の代表作の映像を随所にちりばめたドキュメンタリー作品。ブルース・リーのインタビュー映像としては貴重とされる『ピエール・バートン・ショー』(71年/カナダ)でのコメントや、ミッキー・ロークをはじめとした各界の著名人、夫人のリンダ・リー、また、ブルース・リー作品でもおなじみの格闘家ダン・イノサントのコメントなどから、その生涯が克明に語られる。時代としては渡米後から死までにかなり重点が置かれているので、『李小龍 マイブラザー』と『アイアム ブルース・リー』を両方チェックすると、ちょうどリーの誕生から死までをよく知ることができる。 特に『アイアム ブルース・リー』の方はブルース・リーの肉声に改めて触れることができて嬉しい。ブルース・リーが生前残した言葉は相変わらず力があり、普遍的だ。当時、アジア系スターの前例がほとんどなかったアメリカにおいて、どんな葛藤を抱き、どんなことを考えながら作品を作り上げていったかなど、ブルース・リーを取り巻く環境についても、アメリカ側の視点からさまざまな考察がなされていて興味深い。ファンにとってはブルース・リーを知る貴重な資料のひとつとなることは間違いない。 近年は再びカンフー映画のブームが到来しようとしている。『グランド・マスター』がヒットし、先日はロバート・リーが『李小龍 マイブラザー』のPRのために来日もした。ジャッキー・チェンも相変わらず映画界でその存在感を発揮しているし、香港式のアクションスタイルをハリウッド作品の中に見ることも少なくなくなった。ブルース・リーの影響は今も生きているのだ。ブルース・リーを知る世代も、知らない世代も、今この時期にもう一度ブルース・リーの足跡に触れてみてはどうだろう。時代が混沌とし、経済の先行きが見えない今だからこそ、ブルース・リーが当時抱いた感情、挑戦心が、現代を生きる我々に新たなヒントを与えてくれるような気がして仕方が無いのだ。 (文・名鹿祥史) 『アイアム ブルース・リー』は6月22日、また『李小龍 マイブラザー』は7月13日に、それぞれ新宿武蔵野館にて上映 『アイアム ブルース・リー』『李小龍 マイブラザー』 作品情報 http://www.brucelee2013.com/ 予告編 http://youtu.be/h2d4oG0fax4『アイアム ブルース・リー』
