競争激化するソーシャルゲーム業界の舞台裏〜失速するグリー、独自路線で参入の任天堂…

 サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けします。
パズル&ドラゴンズ(「ガンホー・オンライン・エンターテイメント HP」より)
 「週刊ダイヤモンド」(ダイヤモンド社/7月27日号)は、『主役交代 ゲームウォーズ』という特集を組んでいる。  「ゲーム業界における『ゲームのルール』が変わりつつある。クラウドをはじめとするネットワーク環境の整備、スマートフォンやタブレットといった情報端末の技術革新と急速な普及、ソーシャルメディアの浸透によるコミュニケーションの変化と、遊びの概念の広がり……。あらゆる要素が一気に押し寄せているためだ。この波に乗って成長を遂げる新興勢力と、任天堂、ソニー・コンピュータエンタテインメントといった老舗企業の間で、熾烈な戦いが繰り広げられている」ゲーム業界に迫った特集だ。  火付け役は、ガンホー・オンライン・エンターテイメント(ガンホー)のスマートフォン(スマホ)向けゲームアプリ「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」だ。ガンホーは、2013年度第1四半期の売上高が前年同期比800%超、営業利益7000%超と、驚異的な飛躍を遂げ、新興企業向け株式流通市場JASDAQにおける同社の株価は上昇し、5月14日に年初来高値の163万3000円をつけた。 つづきを読む

パズドラ、ヒットの秘密…岐路に立つガチャ頼みのグリーとDeNA〜ゲームの転換点か

 サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けします。 ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) ワタミの渡邊元会長、ブラック企業との報道に対し「間違ったこと。正義は勝つ!」と完全否定 ソフトバンク、“日本の億万長者”孫社長の“大ボラ”は実現するか!? その手腕に世界が注目 中国、日本の新幹線技術を国際特許出願…なぜ川崎重工は技術を流出させたのか ■特にオススメ記事はこちら! パズドラ、ヒットの秘密…岐路に立つガチャ頼みのグリーとDeNA〜ゲームの転換点か - Business Journal(6月26日)
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(「ガンホーHP」より)
 毎日の仕事に忙殺されて雑誌を読む間もないビジネスマン必読! 2大週刊経済誌「週刊東洋経済」(東洋経済新報社)と「週刊ダイヤモンド」(ダイヤモンド社)の中から、今回は「東洋経済」の特集をピックアップし、最新の経済動向を紹介します。 ダイヤモンド編はこちら 「週刊東洋経済 6/22号」の特集は『会社を変える会議』だ。「日本企業の会議好きは病的なほど」と指摘されるほど、意味のない会議が多いのが日本の企業だ。 「会議をしている間、売り上げは一銭も生まれないが、人件費はかかる。増収策やコスト削減策を漫然と議論するくらいなら、ムダな会議を削減し、営業にかける時間を増やしたほうがましだ。目的のあいまいな会議、終了時間の決まっていない会議、参加者がやたら多い会議……これらはムダな会議である可能性が高い」。  会議を変えれば会社は変わるとして、ムダな会議の見直しを提案している。 今回、注目したいのは、第2特集の『パズドラの破壊力』だ。6月8日にダウンロード数が1500万件を突破し、スマートフォン保有者の4人に1人、約1400万人が遊ぶゲームとなったガンホー・オンライン・エンターテイメントのスマートフォン向けゲームアプリ「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」。ガンホー・オンライン・エンターテイメントは2013年度第1四半期の売上高は前年同期比800%超、営業利益7000%超と、驚異的な飛躍を遂げ、新興企業向けJASDAQ市場のガンホーの株価は上昇し、5月14日に年初来高値の163万3000円をつけた。  時価総額は1兆8807億円に達し、ソーシャルゲームのグリー、DeNAを抜き去り、任天堂をも越えた。ゲーム業界の最大手でゲーム端末機中心の任天堂から、タッチ式ディスプレーによるスマホ向けゲームのガンホーへ、時代の転換点を迎えたようだ。  ガンホーは、ソフトバンクが58.5%の株式を保有する子会社で、会長は孫正義ソフトバンク社長の弟である孫泰蔵氏だ。98年、オークションサイトとしてスタート。02年には、パソコン向けオンラインゲームに業種転換。その後、スマホ向けゲーム「パズル&ドラゴンズ」がヒットするという紆余曲折を歩んできた。  特集ではもはや日本を揺るがすような社会現象にもなっているパズドラ一人勝ちの秘密、今後の課題に迫っている。「ヒットしたのは運です!」という経営トップ・森下一喜社長と開発責任者・山本大介プロデューサーのインタビューを掲載している。 ヒットの要因については、あくまでも「ゲーム屋」としての姿勢を貫いた結果だという。 「山本:半分以上は運だと思っています。どれだけ面白いと思うものを作っても、当たるかどうかわからないし、どのくらいゲームに共感してくれる人がいるかもわからない。  森下:運という言葉の裏には深い意味があります。ゲーム屋として当たり前にやるべきことをきちんとやる。ゲームは面白くてなんぼの世界なので、そこに徹底的にこだわって作り込む。(略)運と言っている裏には、自分たちはおごらないという意味もある。『運ではなく実力です』と言い出したら、『は?』って思いませんか。なんぼのもんですか、と。僕たちはあくまでも運がよくて、巡り合わせの下で一緒に仕事ができる。大介と出会ったのも巡り合わせだし、運ですよ。ヒットを作るためというわけではなくて、一緒にゲームを作って楽しいやつを探していた」  ゲーム屋としての姿勢がグリー、ディー・エヌ・エー(DeNA)などのソーシャルゲームのアイテム高額購入問題とも一線を画すことになる。 東洋経済オンライン『「パズドラ」が変える ゲーム業界の勢力図』(http://toyokeizai.net/articles/-/13106)によれば、「パズドラもアイテムを購入すればゲームを進めやすくなるが、無料プレイでも十分に楽しめる。かつ、ガチャ重視のゲームに比べて、パズルゲームとモンスターバトルを組み合わせた面白さが、ユーザーを引き寄せた。結果として課金収入も拡大している」  森下社長は「従来のガチャに依存するソーシャルゲームと違い、純粋にゲームとして楽しめる作品を追求した。課金単価を引き上げるのではなく、無料でも多くの人に楽しんでもらいたい」と話す。将来的にも「任天堂のスーパーマリオやポケモンみたいな国民的ブランドに育てていきたい。さまざまなグッズの販売や、今後はアニメ化といった横展開も考えられる」という。 「ガンホーの躍進はグリー、ディー・エヌ・エー(DeNA)の2大プラットフォームに依存していた開発会社に意識の変化をもたらしている。パズドラはグリーやDeNAは通さず、グーグルプレイやアップルのアップストアから直接アプリを配信して大ヒットしたから」だ。「グリーやDeNAは集客力があるとはいえ、従来型携帯電話のときより彼らを通じてゲームを配信する魅力は薄れつつある」とある開発会社の幹部。 今回の特集では、パズドラがヒットした背景にも鋭く迫る。パズドラを猛烈にプッシュしたのは、iPhone向けアプリ紹介サイト「アップバンク」の村井智建CEOだ。村井CEOは、パズドラプレーヤーの間では「マックスむらい」としても有名だが、「パズドラを大々的に推すことに対してユーザーや読者の方に初期にはいろいろ言われましたが、スマホを代表するゲームになって、アプリ市場の拡大を牽引していってほしいと強く思ったので推しています」と語り、月間1億弱のページビューを持つメディアの強力なバックアップがあったことがわかる。  ちなみに、この「マックスむらい」も81年生まれで、最近の起業のキーワード『81(ハチイチ)世代』ど真ん中だ。 また記事『なぜソフトバンク傘下入り?』では、ガンホーがこの4月末よりソフトバンクの連結対象となったが、その複雑なスキームと、利益のかさ上げ(約1500億円の有価証券評価益を計上予定)という狙いについても迫っている。 ただの好調な企業の紹介に終わらず、ブームの背景にまで迫っている良特集だ。 (文=松井克明/CFP) ■おすすめ記事 ワタミの渡邊元会長、ブラック企業との報道に対し「間違ったこと。正義は勝つ!」と完全否定 ソフトバンク、“日本の億万長者”孫社長の“大ボラ”は実現するか!? その手腕に世界が注目 中国、日本の新幹線技術を国際特許出願…なぜ川崎重工は技術を流出させたのか 就活時期後ろ倒し、得/損する大学…慶応は得で、早・上智は損? フジHD株主総会大荒れ…テレビ視聴率3位転落や業績低迷に、経営責任を問う声相次ぐ

パズドラ、ヒットの秘密…岐路に立つガチャ頼みのグリーとDeNA〜ゲームの転換点か

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(「ガンホーHP」より)
 毎日の仕事に忙殺されて雑誌を読む間もないビジネスマン必読! 2大週刊経済誌「週刊東洋経済」(東洋経済新報社)と「週刊ダイヤモンド」(ダイヤモンド社)の中から、今回は「東洋経済」の特集をピックアップし、最新の経済動向を紹介します。 ダイヤモンド編はこちら 「週刊東洋経済 6/22号」の特集は『会社を変える会議』だ。「日本企業の会議好きは病的なほど」と指摘されるほど、意味のない会議が多いのが日本の企業だ。 「会議をしている間、売り上げは一銭も生まれないが、人件費はかかる。増収策やコスト削減策を漫然と議論するくらいなら、ムダな会議を削減し、営業にかける時間を増やしたほうがましだ。目的のあいまいな会議、終了時間の決まっていない会議、参加者がやたら多い会議……これらはムダな会議である可能性が高い」。  会議を変えれば会社は変わるとして、ムダな会議の見直しを提案している。 今回、注目したいのは、第2特集の『パズドラの破壊力』だ。6月8日にダウンロード数が1500万件を突破し、スマートフォン保有者の4人に1人、約1400万人が遊ぶゲームとなったガンホー・オンライン・エンターテイメントのスマートフォン向けゲームアプリ「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」。ガンホー・オンライン・エンターテイメントは2013年度第1四半期の売上高は前年同期比800%超、営業利益7000%超と、驚異的な飛躍を遂げ、新興企業向けJASDAQ市場のガンホーの株価は上昇し、5月14日に年初来高値の163万3000円をつけた。  時価総額は1兆8807億円に達し、ソーシャルゲームのグリー、DeNAを抜き去り、任天堂をも越えた。ゲーム業界の最大手でゲーム端末機中心の任天堂から、タッチ式ディスプレーによるスマホ向けゲームのガンホーへ、時代の転換点を迎えたようだ。  ガンホーは、ソフトバンクが58.5%の株式を保有する子会社で、会長は孫正義ソフトバンク社長の弟である孫泰蔵氏だ。98年、オークションサイトとしてスタート。02年には、パソコン向けオンラインゲームに業種転換。その後、スマホ向けゲーム「パズル&ドラゴンズ」がヒットするという紆余曲折を歩んできた。  特集ではもはや日本を揺るがすような社会現象にもなっているパズドラ一人勝ちの秘密、今後の課題に迫っている。「ヒットしたのは運です!」という経営トップ・森下一喜社長と開発責任者・山本大介プロデューサーのインタビューを掲載している。 ヒットの要因については、あくまでも「ゲーム屋」としての姿勢を貫いた結果だという。 「山本:半分以上は運だと思っています。どれだけ面白いと思うものを作っても、当たるかどうかわからないし、どのくらいゲームに共感してくれる人がいるかもわからない。  森下:運という言葉の裏には深い意味があります。ゲーム屋として当たり前にやるべきことをきちんとやる。ゲームは面白くてなんぼの世界なので、そこに徹底的にこだわって作り込む。(略)運と言っている裏には、自分たちはおごらないという意味もある。『運ではなく実力です』と言い出したら、『は?』って思いませんか。なんぼのもんですか、と。僕たちはあくまでも運がよくて、巡り合わせの下で一緒に仕事ができる。大介と出会ったのも巡り合わせだし、運ですよ。ヒットを作るためというわけではなくて、一緒にゲームを作って楽しいやつを探していた」  ゲーム屋としての姿勢がグリー、ディー・エヌ・エー(DeNA)などのソーシャルゲームのアイテム高額購入問題とも一線を画すことになる。 東洋経済オンライン『「パズドラ」が変える ゲーム業界の勢力図』(http://toyokeizai.net/articles/-/13106)によれば、「パズドラもアイテムを購入すればゲームを進めやすくなるが、無料プレイでも十分に楽しめる。かつ、ガチャ重視のゲームに比べて、パズルゲームとモンスターバトルを組み合わせた面白さが、ユーザーを引き寄せた。結果として課金収入も拡大している」  森下社長は「従来のガチャに依存するソーシャルゲームと違い、純粋にゲームとして楽しめる作品を追求した。課金単価を引き上げるのではなく、無料でも多くの人に楽しんでもらいたい」と話す。将来的にも「任天堂のスーパーマリオやポケモンみたいな国民的ブランドに育てていきたい。さまざまなグッズの販売や、今後はアニメ化といった横展開も考えられる」という。 「ガンホーの躍進はグリー、ディー・エヌ・エー(DeNA)の2大プラットフォームに依存していた開発会社に意識の変化をもたらしている。パズドラはグリーやDeNAは通さず、グーグルプレイやアップルのアップストアから直接アプリを配信して大ヒットしたから」だ。「グリーやDeNAは集客力があるとはいえ、従来型携帯電話のときより彼らを通じてゲームを配信する魅力は薄れつつある」とある開発会社の幹部。 今回の特集では、パズドラがヒットした背景にも鋭く迫る。パズドラを猛烈にプッシュしたのは、iPhone向けアプリ紹介サイト「アップバンク」の村井智建CEOだ。村井CEOは、パズドラプレーヤーの間では「マックスむらい」としても有名だが、「パズドラを大々的に推すことに対してユーザーや読者の方に初期にはいろいろ言われましたが、スマホを代表するゲームになって、アプリ市場の拡大を牽引していってほしいと強く思ったので推しています」と語り、月間1億弱のページビューを持つメディアの強力なバックアップがあったことがわかる。  ちなみに、この「マックスむらい」も81年生まれで、最近の起業のキーワード『81(ハチイチ)世代』ど真ん中だ。 また記事『なぜソフトバンク傘下入り?』では、ガンホーがこの4月末よりソフトバンクの連結対象となったが、その複雑なスキームと、利益のかさ上げ(約1500億円の有価証券評価益を計上予定)という狙いについても迫っている。 ただの好調な企業の紹介に終わらず、ブームの背景にまで迫っている良特集だ。 (文=松井克明/CFP) ■おすすめ記事 ワタミの渡邊元会長、ブラック企業との報道に対し「間違ったこと。正義は勝つ!」と完全否定 ソフトバンク、“日本の億万長者”孫社長の“大ボラ”は実現するか!? その手腕に世界が注目 中国、日本の新幹線技術を国際特許出願…なぜ川崎重工は技術を流出させたのか 就活時期後ろ倒し、得/損する大学…慶応は得で、早・上智は損? フジHD株主総会大荒れ…テレビ視聴率3位転落や業績低迷に、経営責任を問う声相次ぐ

ガンホー株価100万円超 ソフトバンクによるたくみな株価吊り上げの実態

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(「ガンホー・オンライン・エンターテイメント HP」より)
「営業利益が初めて1兆円の大台を突破する」。ソフトバンクの孫正義社長は4月末の決算説明会で、2014年3月期の連結営業利益の超強気の見通しを明らかにした。「営業益が1兆円を超えたことがあるのは、トヨタ自動車とNTTの2社だけで、われわれが3社目になるのではないか」と胸を張った。1兆円超の根拠として、連結子会社にしたガンホー・オンライン・エンターテイメント(以下、ガンホー)分の1500億円の利益計上があげられる。  ジャスダック上場のゲーム会社・ガンホーは、もの凄い勢いで株価が上昇し、5月14日に年初来高値の163万3000円をつけた。時価総額は1兆8807億円に達し、ソーシャルゲームのグリー、DeNAを抜き去り、任天堂をも越えた。ソニーに迫る勢いだ。  “1兆円クラブ”に新たに登場したのは富士重工業、ユニ・チャームとガンホーの3社だ。  ガンホーは、株式を10分割したにもかかわらず株価は160万円を突破したのである。分割前に換算すると1株1633万円になる。1年前の12年5月15日の安値は14万2700円だったから、1年間で株価は114倍に暴騰したことになる。その後、株価は5月21日に22万7000円安(18%安)の103万4000円となった。高値から60万円近く下げたわけだが、それでも時価総額は1兆円を超えていた。  ところが5月23日の東京株式市場の暴落の連鎖でガンホーの株価は17万円安(15.5%安)の93万円まで下げた。営業日数で約1週間で高値から70万円下げた計算。高値からの調整率は4割を超えた。  むろん自然に株価が上昇したわけではない。そこには孫社長によるガンホー株価の引き上げ大作戦があった。  ガンホーは98年7月、米国のオークションサイトとソフトバンクの合弁会社、オンセールとして発足。孫正義社長の弟、孫泰蔵氏が初代社長で、現在は会長を務める。  泰蔵氏は福岡県の久留米大学附設中学・高校を経て東京大学経済学部卒。中学・高校時代の同級生にライブドア元社長のホリエモンこと堀江貴文氏がいる。  しかし、オークション事業は軌道に乗らず撤退。02年8月、韓国のゲーム会社から国内営業権を獲得しパソコン向けオンラインゲームに業種転換。現行の社名、ガンホーに変更した。05年3月に大証ヘラクレス(その後ジャスダックと統合)に上場。当初は人気を集めたが、その後は長期低迷が続く。ソーシャルゲームで急成長を遂げるDeNAやグリーに株価で大差をつけられ影が薄かった。  鳴かず飛ばずだったガンホーが大化けしたのは、12年2月に提供したスマートフォン(スマホ)向けゲーム「パズル&ドラゴンズ」(通称パズドラ)がヒットしたことによる。パズドラはモンスターを育て、パズルでバトルするゲーム。パズドラの人気が高まってきたのを好機到来と判断したのが孫社長である。  これにより株価を上昇させる3本の矢作戦が作動した。  1本目の矢がはなたれたのは2月14日。ガンホーの12年12月期連結決算と株式の10分割を発表した。売上高は前期比2.7倍の258億円(その前の期は96億円)、営業利益は同7.9倍の92億円(同11億円)、当期利益は同4.9倍の82億円(同16億円)。市場の事前予想を大きく上回る決算に市場関係者は仰天した。  同時に3月末を基準日として1対10の株式分割を実施すると発表した。ここから株価の暴騰劇が始まる。  2本目の矢は、3月25日にソフトバンクは持ち分法適用会社であるガンホーを4月1日付けで連結子会社にすると発表した。ガンホーの筆頭株主はソフトバンクBB(議決権ベースの保有株比率33.63%)、第2位はハーティス(同18.50%)、第3位はアジアングルーヴ合同会社(同14.47%)となっている。  ソフトバンクの孫社長が、弟の泰蔵氏の資産管理会社である第2位株主・ハーティスとの間で、同社が持つガンホー株式の議決権行使の委任を受けた。次にソフトバンクの子会社ソフトバンクモバイルが、泰蔵氏が代表社員を務める第3位株主・アジアングルーヴが持つ株式のうち、6.37%を上限にTOB(株式公開買い付け)を実施する。買い付け価格は1株34万276円、投資額は250億円。  これによりソフトバンクグループは、ガンホー株式の保有比率(議決権ベース)を33.63%から58.50%に引き上げ、ガンホーを連結子会社にした。  3本目の矢は、5月9日、13年12月期第1四半期(1~3月)連結決算と株式分割を発表した。売上高は前年同期比9.4倍の309億円(前期は32億円)、営業利益は同75倍の186億円(同2億円)。パズドラの人気で、わずか3カ月で12年1年間の売り上げを上回ったわけだ。パズドラの収益が営業利益全体のおよそ9割を占めた。  同時に6月末を基準日として1対10の株式分割を実施すると発表した。これにより、3カ月間で株式が100分割されることになる。  株式の100分割を株価高騰を生み出す錬金術として使ったのが、堀江貴文氏が率いるライブドアだった。03年11月19日に100分割を発表した日の株価212円(終値)が2カ月後には1802円(同)と、8.5倍に高騰した。ライブドアを真似た大幅な株式分割が流行り、100~200分割をする新興企業が相次いだ。  孫社長が仕掛けた3本の矢作戦は見事に的中した。10分割を発表した2月14日の株価は157万4000円(終値)、分割前日の3月26日には415万円(終値)と2.6倍に上昇した。5月9日、さらに株式の10分割を発表。5月14日には155万円(終値)に高騰した。分割前に戻して計算し直すと1株1550万円である。2度の株式分割で株価は9.8倍になったことになる。  安倍政権の経済政策アベノミクスによる株式市場のにぎわい、スマホ向けゲームのパズドラの大ヒット、それに株式100分割のトリプル効果でガンホー株は暴騰した。  最大の受益者は、仕掛け人のソフトバンク孫正義社長だった。ソフトバンクは2014年3月期第1四半期(13年4~6月)から国際会計基準(IFRS)を適用する。ガンホーを連結子会社にしたのに伴い、「既存の投資持分について公正価値による再測定を行った結果、1500億円の利益を計上する」と発表した。ガンホー株の高騰で1500億円の含み益が生じたという意味だ。250億円のTOB資金を投じて得た利益は1500億円。わずか数日で6倍のリターンを得た。ノーリスク・ハイリターンとはこのことだ。  ガンホーを連結子会社にしたことで1500億円の利益の押し上げ効果が発生し、営業利益は初めて1兆円の大台を突破する。 (文=編集部) ■おすすめ記事 東京の五輪招致に赤信号!? アジア票に期待できず、公式サイトは“世界最悪”…… NHK、あまちゃん好調で加速する“クドカン推し”は戦略勝ち?一抹の不安も… 西川史子、矢口真里について「酔うと大変なことになる」肉食キャラへ変身勧める 新橋のビジネスマン133人が選ぶ、一足早い“勝手に”AKB総選挙結果…主力陣苦戦 芸能プロ大手オスカー芸能マネジャーに聞く「“ポスト武井・剛力”のマネジメント」