
いまや全国各地に100組以上も存在するといわれているローカルアイドル。広島を中心に活動してきた「まなみのりさ」や、福岡の「LinQ」がメジャーデビュー。T-Palette Recordsからタワレコの嶺脇社長監修によるローカルアイドル・コンピレーションCD『Japan Idol File』がリリースされるなど、ますます盛り上がりを見せているローカルアイドル界隈だが、最近、そんなローカルアイドルの最終兵器ともいうべきグループがネットを中心に話題となっている。群馬発の「リンダIII世」だ。
群馬県といえば、AKAGIDAN(元・AKG48)、CoCoRo学園、Spangirl(湯けむり☆美少女)、CHERRY、Menkoiガールズ、TTB43°……などなど、個性的なグループが多数存在するロコドル激戦区としても知られているが、その中でも「リンダIII世」は個性という点で圧倒的に突き抜けている。なんと、メンバー全員が群馬出身の日系ブラジル人なのだ!
実は群馬県、総人口の1割が日系ブラジル人という日本一のブラジルタウン・大泉町があったり、南米系の人たちがたくさん働いていたりと、ブラジルとは何かと縁の深い土地。大泉町に隣接する太田市にはブラジル人専門のモデル事務所なんてのもあり、「リンダIII世」は、そこに所属するモデルたちを中心に、オーディションで選ばれたメンバーで結成されたグループらしい。
メンバー構成は、太田出身の自称リーダーでメンバー1食いしん坊のムツミ、伊勢崎出身のメイク大好きオシャレ番長のナオミ、大泉町出身でおっとりしているけど人の話をちゃんと聞いているサクラ、そして太田出身のダンスが大好きなサユリと、メンバー1しゃべることが大好きなシオリの双子姉妹。全員中学生、平均年齢12.8歳のブラジリアンガールズユニットだ。
エキゾチックなルックスにアイドル的萌え要素をプラスした斬新なコンセプトが発表されるや、ネット上で話題沸騰。デビュー曲「未来世紀eZ zoo」はYouTubeでの再生回数10万回を超え、発売前だというのに早くも各メディアの取材が相次いでいるという。
こりゃあアイドル好きのボクとしては後れを取るわけにいかない。早いとこ、生でライブを見ておかなければ! ただ、今のところ、活動は群馬県内限定だからなぁ……まあ行けばいっか! ということで、バイクで関越を飛ばしてリンダIII世に会いに群馬まで行ってきた。

デカすぎるショッピングモール。コレがグンマー・クオリティ!
この日のライブは、群馬県伊勢崎市にあるショッピングモール「SMARK伊勢崎」。東京の感覚からすると腰を抜かしそうなくらいの巨大っぷりだが、これくらいグンマーでは普通サイズ(ボクも群馬出身なので……)。ほとんど何もない広大な土地をバーンと通るワイドな道路、そして時々ズドーンと建っている巨大なショッピングモールというのが最近のグンマーの風景なのだ。


さて、本日の舞台はこの巨大ショッピングモールの一角にある野外イベントステージ。実はリンダIII世、まだ人前でのライブは10回にも満たず、しかもこれまではヤマダ電機での店内イベントばかりだったので、ステージのある場所でのライブはこの日が初めてとのこと。
そんな事情もあり、ライブは歌もダンスもまだまだ拙い感じが伝わってくるし、表情も固め。日系ブラジル人ということで、だいぶ大人びて見えるけど、みんな中学生だしねぇ。

しかし、サンバをはじめとするさまざまなブラジル音楽のテイストを取り込んだ、妙に耳に残るサウンド&リズムは、アイドル・ポップスの枠を完全にはみ出した超・個性的なもので、群馬県内はもちろん、東京や千葉、新潟などから詰めかけた多数のお客さんを盛り上げていた。
そんなブラジル&サンバなノリのライブを繰り広げた後、MCになるといきなり「私たち、ブラジリアンガールズユニット・リンダIII世で〜す♪」などと、アイドル感あふれる自己紹介が始まるのもグッとくる。日本語が微妙にカタコトで……それがまたイイのだ!

ライブ終了後、すでに何度もイベントに通っているという将来の「古参」候補であるお客さんたちに話を訊いてみると、
「かつてのココナッツ娘。を思わせるというか……久々に洋楽志向のアイドルが出てきたな! という感じで注目してます」
「ナオミちゃん推しです! 東京から、もう3回も見に来てますよ。群馬は交通の便が悪いんで、駅からいつもタクシーなのがツライですが……」
「あの幼い感じと本格的なサウンドのギャップが魅力です。ももクロあたりでアイドルに目覚めたサブカル層が、一気に食いついてきそうですよね」
「サクラちゃんが天使すぎてツライ!」
……などなど、熱い声を聞くことができた。
デビュー前にこれほどの注目を集めているリンダIII世、一体どんな子たちなのか? 楽屋を直撃した! ……んだけど、メンバーの半分はこの間まで小学生だったということで、インタビュー中に勝手に雑談が始まっちゃったりと(ポルトガル語で)なかなか難航しましたよ。
——ライブは緊張する?
シオリ「緊張する!」
サユリ「ステージがあるところは初めてだからね。ちょっと緊張しちゃった」
ムツミ「今日は椅子があって、お客さんが座ってたんで。もっとお客さんも『サンバ!』って一緒に踊ってほしいよね」
——好きなアイドルとかいるの?
ムツミ「KARA!」
——あー、そっちのアイドルか。これからの目標とかあったら教えて。
ムツミ「東京の代々木公園で毎年やってるブラジル・フェスティバルっていうお祭りに出たい!」
ナオミ「じゃあ私はMステに出たい!」
シオリ「東京ドームにも出たいなぁー」
サユリ「私は、ブラジルでライブをしたりとか……」
サクラ「いろんな国でライブをして地球一周したい!」
ところで、このリンダIII世のデビュー曲「未来世紀eZ zoo」の販売元はクライムミュージックエンターテインメント(ももクロのインディーズ時代のレーベル)。作詞は只野菜摘(ももクロ楽曲を多数手がける。ちなみに両親が群馬出身)が担当。さらにヤマダ電機を中心にライブ活動を繰り広げている(ももクロもそーだったの)……と聞けば、アイドルファンだったらどうしてもインディーズ時代の「ももいろクローバー」を思い出してしまうのではないだろうか。……ということで、その辺も聞いてみた。
ナオミ「それは知らなかったけど、ももクロは好き! 衣装が変わってるなぁって……ウチらも衣装が変わってるから、似ているところがあるのかも?」
ムツミ「紅白で見て、すごいなーって思った。私たちも紅白に出られるくらい上りつめたい!」
2014年にはFIFAワールドカップ、2016年にはオリンピックがリオ・デ・ジャネイロで開催され、いやがうえにも注目度が高まるであろうブラジル。ワールドカップの特番にリンダIII世が出演……とか、いかにもありそうじゃない!?
そんな感じで、しばらくはアイドル・シーンをかき回してくれそうなリンダIII世。とりあえず夏頃までは群馬限定で活動する方針らしく、今、会える……ことは会えるけど、群馬まで行かないと会えない、という微妙なハードルはあるものの、早めにチェックしておいたほうがいいんじゃないかな?

食いしん坊の自称リーダー・ムツミ(中1)

メイク大好きオシャレ番長・ナオミ(中1)

イチゴとバレーボールが好きなサクラ(中1)

ダンスが大好きなシオリの姉・サユリ(中3)見分けポイントはえくぼ!

しゃべることが大好きなサユリの妹・シオリ(中3)見分けポイントは左頬のホクロ!
(取材・文・写真=北村ヂン)