ローカル色全開! 特産品を華麗に歌い上げる、高知発アイドル「はちきんガールズ」

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「負けないチカラ」(BounDEE by SSNW)
昨年に引き続き、さまざまなアイドルが台頭していく中で、地方を拠点に活動するローカルアイドルが一般層にも認知されつつある。アイドル取材を数多く行っている音楽ライター・南波一海が、要注目の5組を紹介!  “ココココ ココココ コココ ココココ ココココ コケッコー”と、一度聴いたら歌わずにはいられない……。高知県のはちきんガールズを紹介する。  はちきんガールズは、四国のプロ野球独立リーグのチーム「高知ファイティングドッグス」のチアグループから誕生したグループ。高知市のダンススクール「シエロクラブ」所属で、高知県観光特使も委嘱されている。  はちきんは、土佐弁で「おてんばで頑張り屋で働き者の女性」「男勝りの女性」などを指し、高知県女性を端的に示す言葉として用いられる。はちきんガールズは、その意味通りのキャラクターを持ち合わせる、快活なグループだ。  まず、発声がかなり独特。滑舌が非常によく、いかにもアイドルっぽい声色は一切作らずに、ハキハキとメリハリをつけて歌う。ライヴで民謡を歌うこともあるが、それが違和感なくしっくりくるような声の出し方をしている。ピッチが正確なのも売りのひとつだろう。彼女たちがアカペラで歌うのを間近で見たことがあるが、その一糸乱れぬハーモニーの美しさに感激した。とにかく歌がうまい。ダンスもかなり本格的で、チア出身らしい切れ味の鋭さがあるのはもちろんのこと、日舞も習っており、ごまかしの利かないゆっくりした楽曲でも、流れるようなムーヴを見ることができる。つまり、パフォーマンス能力が高いのだ。  それから、なんといっても楽曲がユニークだ。通常のオリジナル曲と、地元の特産品について歌うノベルティ・ソングの2パターンを持っているのだが、特に後者が飛び抜けて面白い。現時点で唯一のアルバム『こじゃんと高知』はノベルティ・ソングだけを収めた作品集で、聴いていて笑いがこみ上げ、いつしか元気が出てくる曲のオンパレードである。  冒頭に記した“ココココ~”は「はちきん地鶏」の歌詞。作詞は全曲「おさかな天国」で知られる井上輝彦によるもので、“さかなさかなさかな~”級のインパクトを持つ歌が次々と繰り出されるのだからたまらない。曲中で終始、牛がモーモーと鳴き続け、“ウシウシギュウギュウモーモー”コールが飛び出す「土佐のあかうし」、“イチローじゃないよ”“サブローでもない”「土佐ジロー」、メンバーがブーブーブヒブヒ言いまくる「高知の米豚」、“たたき”をパーカッシヴに、そして呪文のように連呼するカツオのたたきソング「タタキ旨いき高知やき」、“I LOVE YU YU YU YU YUZU”が耳から離れてくれない「I Love 柚子」などなど、中毒的な魅力を放つ曲が本当に多い。  こういったローカル色を打ち出した(しかもダジャレ混じりの!)楽曲は、聴いているこちらが気恥ずかしさを感じてしまうことがままあるが、彼女たちの健やかなキャラクターと躊躇のない見事な歌いっぷり、圧倒的なステージングがまるでそう感じさせない。そもそも、ローカル・アイドルといっても、その音楽からは地域色がほぼなくなりつつある昨今、これほどまでにローカル然としたアイドル・グループはそうそういないのではないかと思う。  4月24日には、ニューシングル「負けないチカラ」がリリースされる。タイトル曲は彼女たちが得意とする応援ソング。はちきんガールズらしい朗らかなヴォーカルが堪能できる。カップリングは「カラダノミカタ・ジンジャー」。タイトル通り、生姜についての歌で、“しょうがないやつとは言わせんき”というギャグも華麗に炸裂するノベルティ・ナンバー。“ジンジンジジンジジンジャー! しょうが! しょうが! しょうが!”のキメには、脱力しつつも痺れまくり。彼女たちにしか歌えない一曲だろう。  8月18日には東京初のワンマンライヴも控えている。どうやら1,000人(!)ものキャパがある会場で決行するらしいので、その雄姿を見届けたい。 ●はちきんガールズ <http://ameblo.jp/chelip/> ●なんば・かずみ 音楽ライター。音楽の幅広い知識を生かして、さまざまな音楽専門誌で執筆中。女性アイドルのほか、ジャニーズ、K-POPなどにも造詣が深い。選曲監修で関わったローカルアイドルのコンピレーションアルバムが、4月にT-Palette Recordsからリリース予定。