マスクマンに会いに一人でメキシコへ! プロレスが好きすぎる気象予報士

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プロレスが好きすぎる気象予報士、元井美貴さん。元井さん所蔵のプロレスグッズがズラリと!
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青山学院大学卒業。ももクロファン(モノノフ)でもある。
(撮影=今井健太)
「超」がつくほどのプロレス好きで、プロレスファンの間で人気の気象予報士、元井美貴さん。合格率5%という難関の気象予報士の資格を20歳の時に取得。お正月休みでも後楽園ホールに観戦に行くという彼女に、お話を伺った。 ――早速ですが、元井さんが注目している選手を教えてください。 「初めて台風選手(編註:九州プロレスで活躍するご当地レスラー)の存在を知った時から、これは気象予報士としても、ぜひとも“観測”に行かねばなるまいと思っていました」 台風選手のことがずっと気になっていたという元井さん。2013年の初夏、ついに元井さんは、九州プロレスの本拠地である福岡へと上陸したのである。
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――台風選手の試合は、いかがでした? 「もう興奮しましたよ~~。しかもこの日は、台風選手 VS タイフーUSA選手 VS 台風“5号”選手と、3WAYで台風選手が次々とリングに上陸したんです!」  台風選手たちは、のっけから奇声を上げて傘をぶっ壊すという暴れっぷり! 通常なら「身長」「体重」がコールされる場面では、「中心気圧」と「最大瞬間風速」がコールされたそうで……。 ★中心気圧960hPa! 最大瞬間風速40m/s! 台風!! ★中心気圧970hPa! 最大瞬間風速50m/s! タイフーUSA!! ★中心気圧980hPa! 最大瞬間風速60m/s! 台風5号!! 「試合では3人が入り乱れてて、誰が誰だか分からなくなってましたけど、本当に素敵でした。ちなみに、タイフーUSA選手は乱暴な感じで英語をしゃべってました(笑)」
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台風選手と2ショット。見よ、元井さんのうれしそうな顔を!
――ご当地プロレスで、おすすめの選手は? 「たくさんいらっしゃいますけど、『北都プロレス』(札幌市)のルー・ルルル選手とか……」 ――マスクに「狐」って書いてありますね! 「キタキツネのマスクマンです。あと、『新潟プロレス』のコシ☆ヒカ~ル選手にコシ☆ヒカ~ルゾフィー選手、スーパーササダンゴ・マシン選手も……」 ――元井さんは、プロレスの選手の中でも、とりわけマスクマンがお好きのようですが、マスクマンの魅力はなんですか? 「マスクに生きざまが表れているところです! しかもマスクって、視界が狭くなるし蒸れるから、本来はかぶらなくてもいいのに、好きでかぶってらっしゃるところが素敵だな~って思います」 ――ご当地プロレスの選手以外で、好きなマスクマンは? 「全日本プロレスのSUSHI選手です! 普段は寿司のネタが乗っているのに、プライベートでは“あがり”でお茶が乗ってるんです。だから、一目で『今はお休み中なんだな~』って分かります」  試合中とプライベートとではマスクを変えている選手も多いそうで、元井さんはプライベート用のマスクにも注目している。 ■マスクマンが好きすぎて、一人でメキシコへ! ――マスクマンの本場(?)、メキシコに一人で観戦に行ったこともあるそうですね。 「ツアーで行けば大丈夫だろうと思って申し込んだら、『現地集合』って書いてあって(笑)。ドキドキしながらメキシコシティの空港に着いたら、参加者は私一人でした」 ――一人!(笑) メキシコのプロレスの試合会場は、どんな雰囲気ですか? 「迫力がすごいです。日本のプロレスは、リングサイドに柵がありますが、それがないんです。だから、選手がどんどん客席に突っ込んでいて、一体感が素晴らしかったです! お客さんは、マスクをかぶって応援している人も多く、女性もお子さんもいましたが、日本人は私だけだったと思います(笑)」 ■世にも珍しい「プロレス天気予報」  ところで、元井さんは、サムライTV『速報!バトル☆メン』(22:00~23:00)で金曜日のキャスターを務めている。番組内では、翌日に行われる各試合会場の天気を予報する「闘う天気予報」も人気だ。 「今週の天気を覆面に例えると……カレーマン選手! 日本列島はホットでスパイシーな空気に包まれてインド並みの暑さ! プロレスTシャツ日和になりそう! カレーダンスで大気の状態が不安定! 雨雲のスパイシードロップに気を付けティコ!!」 ――面白いですね!! 「あ、いや、正式にいうと、『闘う天気予報』は私ではなく、別人の『ミキティコ』が担当してるんです」
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元井さんとは別人のミキティコ。
「あ、ミキティコから伝言を預かってまして……。『私のTシャツが発売されましたので、よろしくお願いしまティコ。売り上げがよかったら、ミキティコのマスクが新調できるかもしれないんでティコ。もう3年も使ってるんで、かなりくたびれてきてるんだティコ(涙)」 あれ? 気のせいか、隙を突いて宣伝されたような気がするが、ミキティコTシャツは通販「武藤ベアー 公式オンラインショップ プロレスLOVE」でも買えるそうなので、ぜひチェックしてみてほしい。
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発売されたばかりの「ミキティコTシャツ」(撮影:今井健太)
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ミキティコは、メキシコのプロレス雜誌の表紙に載ったことも。(サムライTV『速報!バトル☆メン』の模様)
■ももクロとプロレスの共通点  元井さんの話題は、これだけではない。「ももいろクローバーZ」の大ファンでもある。 ――プロレスファンと、ももクロファンは、シンクロするところがありますもんね。ちなみに、どのメンバーのファンですか? 「小さな巨人、ももかです」 ――いいですね! 私も、ももかファンです。 「何事にも全力でぶつかるところがすっごくかわいくて、大好きです! ももクロは、プロレスファンにとって、ものすごく心をくすぐられる要素が多いんです。『Chai Maxx』の振り付けで武藤さんのポーズが入ってたりしますし。私、完コピしようと思って、8割方は覚えました!!」  結局、元井さんのプロレストークは2時間にわたって続いた。いつかこの思いが届きますように。
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マスクを片手に、プロレス愛と、ももクロ愛をひたすら語る元井さん。
(撮影=今井健太)
●元井美貴さんのブログ「観天モッキー」 <http://ameblo.jp/motoimiki/> ※TBS系列の『JNNニュース』の天気予報や、TBS『ウィークエンドウェザー』『ニュースバード』等に出演中。 ●ミキティコTシャツの詳細はこちらへ 「武藤ベアー 公式オンラインショップ プロレスLOVE」 <http://store.shopping.yahoo.co.jp/alljapan/830t.html> ●天気予報(プロレス会場やライブ会場など、元井さんのピンポイント予報)のリクエストはこちらへ 「ウェザーマップ お天気相談」 <http://www.weathermap.co.jp/> niyaniyasss.jpg ●やきそば・かおる 山口県出身、東京都在住。ライター、構成作家、写真家。趣味は、変わった人に会って、変わった話を聞くこと。「相づちだけはうまいと言われます」(本人談) Twitter@yakisoba_kaoru 「土下座してでも会いたい!」過去記事はこちらから

「3DS電卓」に「ルパン電卓」「フラッシュ電卓」……変な電卓収集家

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『3DS電卓』(「小学二年生」2011年4月号付録)
「3つ折りDentaku Soroban」の略だから『3DS電卓』 間違ってはいない。ホワイトボードとそろばんが付いた、多機能電卓だ! 電卓部分は使いにくいが、特筆すべき小ささ。(藤村さん)
身の回りにいそうでいない、ちょっと変わったことをしている人や、面白そうな場所に、文筆家のやきそばかおるが直撃取材!  会社員の藤村阿智さんは、変な電卓ばかりを80個以上も集めているコレクターだ。変な電卓を集めたくなる衝動は、どこから生まれるのだろうか? 実際にお会いして聞いてみた。 やきそば 「藤村さんが変わった電卓を集めたくなるのは、なぜなんでしょう?」 藤村さん 「私、ほかの人が欲しがるような電卓には、興味が湧かないんです。『この電卓、誰が欲しがるんだろう』と思うような電卓を発見すると、『私が買うしかない』って思うんです」 なんて律義なんだ。藤村さんによって救われた電卓は、たくさんあるのではなかろうか。 藤村さん 「ビジネスでは使えないような変わった電卓を、なぜ作ったんだろうと思うことがあって、それを作るために真面目に会議を開いたのか想像すると、それだけで面白くて……。偉い人が決定のハンコを押したのかと思うと、たまらないですね(笑)」  藤村さんが変な電卓にハマったのは、10年ほど前に、チョコレート型の電卓を見つけて買ったのがきっかけ。 やきそば 「買った電卓は、どうしてるんですか?」 藤村さん 「整理整頓が苦手なので整理してませんが、番号をつけてから箱に入れて保管してます。たまに箱から出して、起動させてみたりして」  藤村さんは東京在住だが、学生時代は京都でCGなどを学び、文房具店に勤務。なぜか、京都の雑貨屋さんには変わった電卓が売られていることが多かったらしく、変な電卓好きにはたまらない街で暮らしていたのである。いわば、「変な電卓エリート」だ。 ■藤村さん厳選! 変な電卓博覧会  ※藤村さんによる「変な電卓愛」のこもった解説つき ・『ルパン電卓 タイプライター型音声電卓』(バンプレスト)
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 『ルパンIII世』で、その回のタイトルが出るときの、 「カシャ カシャ カシャ」というタイプ音が、 キーを押すたび聞ける。計算式の入力が終わって「=」を押せば、チャラッチャラッチャラッチャラッチャッチャッチャッ」という音と共に、衝撃の計算結果を表示してくれる。音を消すことはできるかどうか聞いてみると……。 藤村さん 「できます。音の出る電卓は、たいていはミュートできます」  それなら安心である。カッコイイ機能とはいえ、毎回音を出していたら、仕事に支障が出てしまうではないか。ただし、キーは使いにくいため、タイプライターのように早打ちはできないとのこと。個人的に私も欲しいのだが、非売品(UFOキャッチャーの商品などで使われた)なので、入手困難なのだとか。 ・『TALKING CALCULATOR』(GAVAO)
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 押すと「いー、ある、さん、すー、うー」と数字を読み上げてくれる。  ほかにも、なぜこんな機能が付いているのかと思ってしまうような機能があるそうで……。 藤村さん 「押すと、ニワトリの鳴き声がするキーがあるんです」  どうしよう。使い道がまったく分からないまま、時間だけが過ぎていく……。 ・『ママレードボーイ 光希ちゃんおしゃべり電卓』(バンダイ)
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 大きな声で元気よくしゃべる。数字や記号だけでなく、「頑張ってね」「なんなのよ~!」などいくつかワードをしゃべる。 キーを押すと手も動く。とにかくすごいが、なにぶん音が大きくてマンションやアパートの一室では使いづらい。ちなみに、キーを押すたびに光希ちゃんの手が動く。 ・『二面式電卓WG-01』(ワールドグラフィック)
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 相手側にも液晶があり、同じ数字を見せることができる。レジを使わないカウンターなどで便利。高級品も販売できそうな12桁が頼もしい。 藤村さん 「例えば、電気屋さんで値下げ交渉をするとき、電卓に値段を入力して液晶をお客さんに見せることがありますが、そういうときにも使えます。ただ、割引率とかも入力するので……」 やきそば 「お客さんにはダダ漏れっていうワケですね」  そこで、メーカーは後付けで、片方の液晶にフタをつけたのだとか。 ・『ケースつき I LOVE NY電卓』
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 幅10cm 高さ4cmと小さい電卓。「I LOVE NY」もなんで? と不思議です。持ってると、無駄な主張をしそうで不安です。 やきそば 「キーが押しづらいですね……」(写真参照) 藤村さん 「父にも使ってみてもらったら『1って押そうと思ったのに 、ON/C押しちゃった』ということがありまして、それだけでも使いづらさが分かっていただけるかと思います」  デザインのよさ(I LOVE NYがいいかどうかは置いといて)と、使いやすさは必ずしも比例しないことが多いようだ。4~5年ほど前にカッコいいデザインのガラケーがいくつか発売されたが、実際に使ってみると、キーが小さすぎて押しにくいということはよくあった。カッコよさと使いづらさは紙一重。 やきそば 「そういえば、昔、デザイナーズマンションがハヤった頃って、ガラス張りで部屋の外から丸見えのトイレっていうのもありましたよね」 藤村さん 「……」  例えを間違えた。キーの配列といえば、こちらの電卓も……。 ・『ラウンド電卓』
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 懐かしいダイヤル式の黒電話など思い出す、斬新なキー配置の電卓。キーが円状に配列された電卓は、中国の雑貨のサイトでよく売られているという。電卓にとって、キーの配列は重要だと思うが…… 「問題点といえば、摩擦でキーの数字の表示が消えてしまうこともよくあります」  数字が消えてしまうと、どのキーがどの数字なのか分からなくなってしまい、致命傷である。ただし、カシオやシャープなどの有名メーカーの電卓となると、表示が消えないようにしてあることもあるそうだ。 ・『フラッシュ電卓』
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 レインボーに、ムーディーに、光る電卓。かなりの明るさで光る。緊急時もこれを持っていれば、光で居場所を知らせることができるだろう。 暗いところでも電卓が使える……と言いたいところだが、結構目に痛い光だ。 やきそば 「デザインはかわいいんですけどね」 藤村さん 「意味もなく光ります。しかも、点滅させることもできるんですけど、SOSを出すときぐらいしか使い道がなくて……(笑)」  藤村さんの「変な電卓探しの冒険」は続く。 dentaku09.jpg ●『変な電卓研究所』 <http://www.blackstrawberry.net/dentaku/index.html> 藤村さんが集めた変な電卓が次々に登場。 ●『コミックマーケット85』に出展。 2013年12月31日火曜日・西地区“め”ブロック-35b 文房具を紹介する同人誌を頒布予定。 ●PFU スキャンスナップの漫画 「とりこめ!スキャン家族」を連載中。 <http://scansnap.fujitsu.com/jp/beginner/comic-no1.html> niyaniyasss.jpg ●やきそば・かおる 山口県出身、東京都在住。ライター、構成作家、写真家。趣味は、変わった人に会って、変わった話を聞くこと。「相づちだけはうまいと言われます」(本人談) Twitter@yakisoba_kaoru 「土下座してでも会いたい!」過去記事はこちらから

『そして父になる』『藁の楯』にも出演 エキストラの帝王、増井さんのセオリー

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『藁の楯』(三池崇史監督)で山崎努さんを連行する役の時の、増井さんの表情(再現)。
身の回りにいそうでいない、ちょっと変わったことをしている人や、面白そうな場所に、文筆家のやきそばかおるが直撃取材!  増井孝充(ますい・たかみち)。カンヌで話題となった『そして父になる』(是枝裕和監督)、『藁の楯』等、ここ最近、数々の映画に出演しているものの、どんな映画ファンにも知られていない人物である。それもそのはず、彼はエキストラなのだ。活動開始後、わずか2年間で20本以上の映画に参加。エキストラとして活躍するには、増井さんならではのセオリーがあるという。早速、お話を伺った。
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映画『LOVE まさお君が行く!』(大谷健太郎監督)。結婚式のシーンで、まさお君の友達の役。祝福するシーンを再現する増井さん。
 子どもの頃から目立つことが大好きだったという増井さん。ある日、ホームページでエキストラを募集していることを知り、「面白そう!」と即座に応募。初めて参加した映画は、市原隼人主演『DOG×POLICE 純白の絆』(七高剛監督)だった。応募時はタイトルだけを聞かされていて、内容や出演者は不明。「とにかく現場に来てください」と言われただけ。現場に行くと、市原隼人や時任三郎、戸田恵梨香などの豪華なメンバーがいて、ミーハーな増井さんは大興奮! 「でも、初めての現場で右も左も分からず、僕はマスクをつけて出演する役だったので、ほとんど映らなかったんです。オロオロしている間に撮影が終わってしまって『これではダメだ』と思いまして……」  そこでヘコたれないのが増井さんだ。どうやったら出られるようになるのか、密かに研究。そして、次に参加した映画『逆転裁判』(三池崇史監督)では、レポーターの役で、さまざまな箇所で映るようになった。  2本目にして、ある意味、大出世だ。 「やっぱり、エキストラとはいえ、ほとんど映らなかったら意味がないですから」
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映画『謝罪の王様』(水田伸生監督)で、マイクを差し出しているシーンを再現する増井さん。
 なんと増井さんは、阿部サダヲ主演の映画『謝罪の王様』にも参加。こちらでもレポーターとして出演している。 「セリフはありませんが、ある方にマイクを持って詰め寄るシーンで、映ってます」  公開中なので詳細は明かせないが、これまたバッチリ映っていた。恐るべき野心! 「謝罪」どころか、むしろその逆だ。 「レポーターは自由に動きやすいし、映る確率も高いから、理想の役なんです(笑)」 ■好きなだけでは務まらない!? あなたの知らない、エキストラの世界  増井さんは東京に住んでいるわけではなく、三重県津市の自宅から通っている。 「エキストラの仕事があるたびに、夜行バスで上京しています。出発する時は、『イザ出陣!』という感じですね。ちゃんと自分の役割を果たせた日には、満面の笑みで三重に帰ります」  エキストラのスケジュールが多い時は、短期的に、都内に安いシェアハウスの一室を借りて住むこともあるという。  ボランティアエキストラなので、当然ギャラは出ない。エキストラのためなら、時間もお金も惜しまない男――増井孝充45歳。  私から見れば、勇気ある選択。それほど、エキストラとして映画に参加することが好きで好きでしょうがないのである。   *** ――エキストラの世界って、イマイチよく分からないんですけど、役はどのように決められるんですか? 「大抵は『こういう格好で来てください』という指示があります。ただし、撮影現場に行ってから役を振り分けられるので、どうなるかは分からないんです。ただ……」 ――ただ? 「やっぱり、ほんの一瞬でも映らないと、仕事をしたことにはなりません。だから、少しでも映れる役をいただけるように、アピールします」 ――どうやったら、増井さんのように、いろいろな作品でエキストラとして活躍できるようになれるんでしょう? 「やはり、スタッフの皆さんとのつながりを大切にすることが大事です。例えば、撮影現場に毎日行くこと。あとは、監督の指示に瞬時に対応することと、ほかのエキストラの皆さんと仲良くすること。それと『リアクションできます!』『演技できます!』といったことを、元気よく、自信をもってアピールする姿勢が大事です」 ***  増井さんは、撮影の準備中でも気を抜かない。特にカメラワークを意識することが大事で、AKB48を例に教えてくれた。 「AKB48は歌の途中でカメラに抜かれた瞬間、みんな素敵な表情をしています。これは、リハーサル等を通じて、どの角度からどのようなタイミングでカメラに抜かれるかを意識しているからだと思います。僕も、たとえ隅のほうで小さく映る時であっても、きちんとした表情で映りたいので、リハーサルの時からカメラの動きを確認して、脳内でシミュレーションしています。映った瞬間にイマイチな表情をしていたら、カットされちゃうかもしれませんから」  こういったことを踏まえつつ、ほかの演者の邪魔をしないように、エキストラの役割を果たすのだという。
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どこからどう見ても気になる「園子温」の文字。
■園子温監督に「また来たのか!」と言われて  ところで、増井さんのTシャツに「園子温」の文字がチラチラと写っていることにお気づきだろうか。増井さんは園子温監督の大ファンで、取材日は、原宿で行われたイベント「園子温祭り」が終わった直後だった。 「監督に向かって野太い声援を送ってたら、『うるせーよ。お前、また来たのか(笑)』って言われました(笑)」  園監督の魅力は、どんなところなのだろうか? 「監督は、ボランティアエキストラをどんどん起用してくださるんです。しかも、素人同然の僕にも、キャストの方と同じように直接演技指導してくださるんです! 撮影現場は本当に楽しいし、毎日行きたくなるんです!」  園監督の話になった途端、声のボリュームが2倍になった増井さん。撮影が終わったばかりの園監督最新作『TOKYO TRIBE』にもエキストラとして参加。カットされていなければ、どこかで映っている……と思われる。
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ドラマ『たべるダケ』(テレビ東京系)第2話での増井さんの再現。
(時間があったら探したい、増井さんが参加した映画 ※一部) ・映画『愛と誠』(三池崇史監督) 少年院に連れてこられた太賀誠(妻夫木聡)をにらみつける囚人の役。 ・ドラマ『たべるダケ』第2話  主人公シズル(後藤まりこ)がたくさん食べている姿を、久美(石橋杏奈)の隣で呆然と見ている男。  ほかにも、『アウトレイジビヨンド』(北野武監督)、『るろうに剣心』(大友啓史監督)、『ツナグ』(平川雄一朗監督)、『劇場版トリハダ』(三木康一郎監督)、『横道世之介』(沖田修一監督)、『劇場版ATARU』(木村ひさし監督)、『凶悪』(白石和彌監督)、『めめめのくらげ』(村上隆監督)などなど……。 ※11月公開のアノ話題の映画にも参加されています。タイトルも役も言えないのが残念。 冒頭でも触れたが、増井さんは『そして父になる』にも参加。『そして父になる』『藁の楯』といえば、両作品ともカンヌ国際映画祭に選出された映画。増井さんは、ある意味、「カンヌ・俳優」ならぬ「カンヌ・エキストラ」なのである。   *** ――増井さん、すごいじゃないですか! 「ありがとうございます。『そして父になる』では、1秒ほど映っております。エキストラとしての役割を一生懸命、果たさせていただきました」 ――この先の目標はなんでしょう? やはり、エキストラを卒業して有名俳優に? 「役者への憧れはありますが、まだまだどうしても越えられない壁があるんです……」 ***  あらら……。そこはかなりシビアに捉えてらっしゃるようだ。真面目に取り組んでいるからこそ、見えてくる課題があるのだろう。今は、エキストラの実績を積んでいきたいという増井さん。今回のインタビュー後、満面の笑みを浮かべながら帰っていった。 (取材協力:原田専門家・山極克矢) niyaniyasss.jpg ●やきそば・かおる 山口県出身、東京都在住。ライター、構成作家、写真家。趣味は、変わった人に会って、変わった話を聞くこと。「相づちだけはうまいと言われます」(本人談) Twitter@yakisoba_kaoru 「土下座してでも会いたい!」過去記事はこちらから

消えゆく昭和の記憶……デパートの屋上遊園地を撮り続ける写真家

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「上野松坂屋」の屋上遊園地にて。
身の回りにいそうでいない、ちょっと変わったことをしている人や、面白そうな場所に、文筆家のやきそばかおるが直撃取材!  デパートの屋上遊園地に魅了され、各地で写真を撮り続けている人がいる。名前は木藤富士夫さん。大人になると、屋上遊園地にはあまり行かなくなるものだが、木藤さんはなぜ撮っているのだろうか? すでに膨大な量の写真を撮っているという木藤さんに、屋上遊園地の魅力を聞いてみた。
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「東急百貨店東横店」の屋上遊園地。(2013年3月31日に閉園)
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「山交百貨店」(甲府市)の屋上遊園地にて。
やきそば 「何枚くらい撮ってますか?」 木藤さん 「3万枚は撮ってます」 やきそば 「さ、サ、三、3万枚!?」 木藤さん 「撮影は、フィルムとデジタルの両方で撮っています。フィルムで撮る理由は、撮り慣れているからというのと、愛情表現といったところですね」 やきそば 「きっかけは?」 木藤さん 「今から10年ほど前、現在の妻と渋谷にある『東急百貨店東横店』の屋上で待ち合わせをしたのがきっかけです。子どもが遊んでいたり、サラリーマンが休んでいる光景を見て『都会の真ん中にこういうところがあるなんて、いいな~』と思って、それ以来、撮り始めました」 やきそば 「デパートの屋上で待ち合わせをするなんて、シャレてますね!」 木藤さん 「彼女の提案だったんです。渋谷の街中で待ち合わせをしたら、分かりづらいから、駅の屋上(屋上遊園地)で待ち合わせようって」  おお~~!! なんてセンスがいいんだ。彼女(現在の奥さま)の提案がなかったら、木藤さんは屋上遊園地の写真を撮っていなかったかもしれないのだ。 やきそば 「写真を見ると、遊具で遊んでいる子どもたちの表情がイキイキしていますね」 木藤さん 「でも、子どもを撮るのって、ハッキリいってものすごくハードルが高いんです。特に2~5歳くらいの子は、動いてばっかりだし、ブレてしまうんです(笑)」 やきそば 「(笑)。子どもは、はしゃぐのが仕事みたいなところがありますよね」  もちろん、大人にとっても屋上遊園地は魅力的な場所だ。夕日や青空を見ながら遊べる空に一番近い遊び場であり、風を感じたり雪景色が見れたりと、四季を感じて遊べるところも魅力だと木藤さんは語る。
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「八王子そごう」屋上にあった遊園地にて。「八王子そごう」は2012年6月3日で閉店。ここの遊園地は、ファンキーモンキーベイビーズのデビューシングルのPVの撮影にも使われた。
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閉園を名残惜しむ遊園地ファンからのメッセージがびっしりと。
■屋上遊園地、悲しすぎる最終日 やきそば 「そういえば、屋上遊園地って、あまり見かけなくなりましたね……」 木藤さん 「都内および都内近郊の屋上遊園地は、次々と姿を消してます。今年(2013年)は『東急百貨店東横店』や『銀座松坂屋』の屋上遊園地、それに『荻窪タウンセブン』の『屋上ちびっこタウン』が廃止され、残るは『上野松坂屋』や『京王百貨店 新宿店』など数カ所で、本当に貴重なものになりました」 ※実は上野松坂屋の屋上遊園地も、建て替えのため2014年の3月に閉店するそうだ。建て替え後はパルコになるため、またひとつ屋上遊園地が消滅することとなる。今のうちに遊びに行きたいところだ。 やきそば 「地方の屋上遊園地の状況はいかがですか?」 木藤さん 「全国的に、閉園する傾向にあります。一カ所でも多く残ってほしいけど、こればっかりは僕が一人で言い続けてもムリですし……。それに、閉園最後の日だというのに、閉園時間にお客さんが一人もいなくて、ひっそりと閉園していった屋上遊園地を何度も見かけたことがあるくらいなので……」 やきそば 「う、う~~。それは悲しい」 木藤さん 「今年、神奈川にある某デパートの屋上遊園地が閉園したんですが、僕が見た限りでは営業最終日のお客さんは10人しかいませんでした。しかも、最後の2時間ぐらいは僕しかいなくて……」 やきそば 「最後まで屋上遊園地の勇姿を見守った木藤さんは、偉すぎます!」 木藤さん 「やっぱり、知らず知らずの間に閉園していっちゃうのは寂しいですからねぇ」 やきそば 「閉園する主な理由は、少子化ですか?」 木藤さん 「それも要因の一つだとは思いますが、建て替えを機に閉鎖したり、行政から補助金の出る緑化スペースにリニューアルしたりすることが多いです。サッカーやフットサル場のスペースになったりしたところもあります。それに、今の消防法では、遊園地にはつきもののテントを設置することもできないので……」 やきそば 「厳しい時代ですねぇ~~」  暑くても寒くても、木藤さんは時間さえあれば屋上遊園地に足を運んでいる。
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長崎市にある「浜屋」の屋上遊園地。
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埼玉県川越市にある「丸広百貨店」の屋上遊園地。
■嘆願! ぜひとも残してほしい屋上遊園地 やきそば 「木藤さんが、とりわけ残ってほしいと思う屋上遊園地は?」 木藤さん 「(即答で)長崎市の『浜屋』です。ここの屋上遊園地は歴史が長く、30~40年は雰囲気が変わっていません。ぜひとも残ってほしいです。あとは、埼玉県の川越市にある『丸広百貨店』。ここの屋上遊園地には、大きな遊具が3つもあります」 やきそば 「大きな遊具?」 木藤さん 「モノレールと、観覧車、飛行機がグルグル回る遊具といった、一般的な遊園地にあるような大型の遊具が揃ってるんです」  土曜の夕方、上野松坂屋の屋上遊園地で、木藤さんと屋上の話で大盛り上がり。気がつけば、たくさん遊んでいた子どもたちは続々と家路に。屋上遊園地に残っているのは我々2人と、遊園地の常連とみられる主婦の方の3人だけなのであった……。 やきそば 「寒くなってきましたね。帰りましょうか」 木藤さん 「いえ、私はもう少しここにいます」 ●木藤富士夫さんのサイト 「Roof おくじょう」<http://okujo.fujio-panda.com/> 日本国内外の屋上遊園地にまつわる写真や情報が満載。 ※個人的には、ぜひとも写真集を出版してほしいところですが、木藤さんによると、出版させてくれる会社を募集中とのことです。 niyaniyasss.jpg ●やきそば・かおる 山口県出身、東京都在住。ライター、構成作家、写真家。趣味は、変わった人に会って、変わった話を聞くこと。「相づちだけはうまいと言われます」(本人談) Twitter@yakisoba_kaoru 「土下座してでも会いたい!」過去記事はこちらから

トタンが好きすぎて妻を怒らせた……トタン建築鑑賞家・イシワタフミアキさん

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イシワタさんお気に入りのトタン建築の一つ。木の存在がいい味を醸し出している。
身の回りにいそうでいない、ちょっと変わったことをしている人や、面白そうな場所に、文筆家のやきそばかおるが直撃取材!  「トタニスト」……トタン建築の魅力にどっぷりとハマってしまって、出てこられない人物がいる。名前はイシワタフミアキさん。街を歩けば、気になるのはトタンのことばかり。撮影したトタン建築はすでに1000件以上!……というイシワタさんに、トタン建築の魅力を聞いてみた。 やきそば 「なぜトタン建築の写真を撮ろうと?」 イシワタさん 「今から6~7年前に、雜誌の仕事で、路地裏の飲食店を撮っている時に、知り合いのライターさんが『トタンっていいよね~』って言ってきたんです。最初は『トタンですか……』という感じでピンとこなかったんですけど」 やきそば 「確かに……」 イシワタさん 「そのライターさんが何度もそう言うんで、だんだんと意識するようになってきたんです。そのうち、街を歩いている時でもトタン建築が気になるようになってきて、気づいたらハマっていました」 やきそば 「ひょえ~~。イシワタさんにとって、トタン建築の魅力ってなんでしょう?」 イシワタさん 「たとえ腐食している場合でも、色使いや、色の組み合わせなど、現代アートっぽいところがいいですね。あとは、現代的な建物のすぐそばにトタン建築があることがあって、現代とトタンが一緒になっている風景も好きです。周りはすごいスピードで進んでいるけど、そこだけは時間が止まっている感じがするんです」
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神保町にて。こちらもイシワタさんのお気に入りのトタン建築の一つ。
やきそば 「今でもトタン建築が見られるところって、どういうところですか?」 イシワタさん 「海沿い、川沿い、線路沿いです。海沿いや川沿いは潮風が強いため、トタンを住宅用に使った場合は傷みが激しくなります。後から作り直す時に、壊しやすく、値段が安いこともあって、今でもトタンを使っています。線路沿いにあるトタン建築は、闇市の名残ですね」 やきそば 「そういえば、意外な場所にもありますよね。東京スカイツリーに行った時に、ツリーの周辺にトタン建築があって、ツリーとトタン建築とのコントラストに、私も思わず瞳孔が開いちゃいました」 イシワタさん 「スカイツリーのある墨田区は、今でもトタン建築が多く残っています。事実、私のようなトタン建築ファンが写真を撮っている光景をよく見かけますよ」 やきそば 「ほかのトタン建築好きの方は、トタン建築のどんなところに注目しているんですか?」 イシワタさん 「いろんな好みはあると思いますが、私が思うに、サビ好きな人が多いですね(笑)」 やきそば 「あぁ、サビって人間の手ではコントロールができない分、サビによってできる模様も味があっていいですよね。墨田区以外で、トタン建築をよく見かける地域は?」 イシワタさん 「大田区、北区も多いし、世田谷区や新宿区、中央区に位置する築地の場外市場や銀座でも見かけます」 やきそば 「都心のど真ん中にもあるっていうことですね。あえてお聞きしますが、イシワタさんが街を歩いていて、『あ、この辺にトタン建築がありそうだな~』というカンのようなものが働くことはありますか?」 イシワタさん 「ありますね(笑)。なんとなく気配を感じて歩いてみると『あった』っていうことはあります。あとは、いつも歩いているような道でも、通りに面した建物が壊されると、突然その奥にトタン建築を発見することもあります。地層の中に埋もれている感じなので『発掘調査』って呼んでます(笑)」  イシワタさんは、仕事の移動中に素敵なトタン建築を見つけると、チェックして休日にあらためて見に行くほど、ハマっているという。 ■トタン建築・ジャンル分け  ところで、イシワタさんは、トタン建築をジャンル分けされているとのことで4パターンを紹介してもらった。 【グライコ】
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イシワタさん「トタンの凸凹に沿って、サビが棒グラフ化したものです」 やきそば 「昔、ラジカセにも付いてましたね。懐かしい」 【パッチワーク】
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イシワタさん「トタンを継ぎはぎしている様式です」 やきそば 「継ぎはぎする人のセンスが出そうですね」 【バーコード】
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イシワタさん「文字通り、見た目がバーコードっぽいものです」 やきそば「トタンの付け方からして、几帳面な性格っていう感じですね」 【怨念化】
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イシワタさん 「サビや腐食が心霊写真のように見えるパターンです」 やきそば 「深夜に遭遇してしまったら、逃げ出したくなりますね」  中には、パッチワーク、怨念化、バーコードのすべての要素を兼ね備えたものもあるという。 ■トタンと出産
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奥様が出産する際に撮りに行ったトタン建築。
 そんなイシワタさんは、トタンにのめり込みすぎて、奥様を怒らせたことがあるという。 イシワタさん 「妻が妊娠して、もう少しで生まれるかもしれないという時に、車で病院に運んでたんです。病院に向かう途中で、前から目をつけていたトタン建築と目が合った瞬間に『子どもが生まれたら、ニ度とこの道を通ることはないかもしれない。ということは、あのトタン建築も、すぐには撮りに来られないかもしれない……』と思うと、いてもたってもいられなくなって、最寄りのコンビニに車を止めて、写真を撮りに行ったんです」 やきそば 「奥様はそのままで!?」 イシワタさん 「そうです。トタン建築を撮影して車に戻ってきたら、妻がものすごくご機嫌ナナメで(泣)」 やきそば 「そりゃそうですねぇ……」 イシワタさん 「『私は大変な思いをしてて、赤ちゃんもどうなるか分からないのに、私を置いてトタンを撮りに行くって、どういうことなの!?』って」 やきそば 「まぁ、怒られても仕方ないような気が……」 イシワタさん 「相当、恨んでるのか、今でもたまに、そのことについて言及されます……(苦笑)」  そんなイシワタさん、なんと、初の個展を開催! お客さんがたくさん遊びに来て、奥様のご機嫌も直ってくれることを祈る! ●イシワタフミアキ 写真展「トタニズム」 <http://f-stop.blog.so-net.ne.jp/> 10月25日(金)~1月7日(木) ※日曜休館 会場:エプソンイメージングギャラリー エプサイト (新宿区西新宿2-1-1 新宿三井ビル1階  ※JR・小田急・京王新宿駅・各西口徒歩8分) ※入館無料 ※詳細はイシワタさんのブログにて。 ※12月には洋泉社から写真集が発売される予定! niyaniyasss.jpg ●やきそば・かおる 山口県出身、東京都在住。ライター、構成作家、写真家。趣味は、変わった人に会って、変わった話を聞くこと。「相づちだけはうまいと言われます」(本人談) Twitter@yakisoba_kaoru

『ものまね王座決定戦』マニアの人気クイズ作家 日髙大介さん

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「ものまね王座決定戦データベース」では、トーナメント表を再現! こちらは日髙さんのお気に入り『第8回 爆笑!スターものまね王座決定戦』
身の回りにいそうでいない、ちょっと変わったことをしている人や、面白そうな場所に、文筆家のやきそばかおるが直撃取材!  『ものまね王座決定戦』(フジテレビ系)が好きで好きでしょうがなく、「ものまね王座決定戦データベース」(http://www.ze.em-net.ne.jp/~hdk/monomane/)というサイトを作った男がいる。名前は日髙大介さん。なぜ、そこまで『ものまね王座決定戦』にハマったのか、お話を伺ってきた。
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「『ものまね王座決定戦』で一番多く“ものまね”された人は誰なのか?」
日髙さんが真剣に調べたデータベース。
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ノートにもびっしりと記録してある。
やきそば 「なぜ、『ものまね王座決定戦』にまつわるサイトを作ろうと?」 日髙さん 「『第4回 爆笑!スターものまね王座決定戦』(1988年)の放送から録画し始めたんですけど、それ以前の映像がなくて……。ホームページを作ったら情報が集まるんじゃないかと思って、ちょうど10年前に立ち上げたんです」 やきそば 「合理的!」 日髙さん 「すると、全国の『王座』ファンから続々と掲示板に情報が集まってきました」 やきそば 「よかったですね~! サイトにあるトーナメント表が、いい味を醸し出してますね」 日髙さん 「ペイントソフトで作りました(笑)。ちなみに、『第3回 爆笑!スターものまね王座決定戦』のセットで使われたトーナメント表は、角の部分がほかの回に比べてカクカクしているので、そこも再現しつつ……」 やきそば 「細かい!(笑)」 日髙さん 「背景の色も、明るい歌ネタが多かった回は明るい色……というふうに、雰囲気で変えています」 やきそば 「ギャフン!」 ※とはいえ、まだまだ初期の放送に関しては情報が不足しているため、何かの情報やビデオ等をお持ちの方は、ぜひご連絡をお願いしますとのこと。 ■調査!「ものまねされた王座」決定戦
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日髙さんはビデオを見ながら、針すなお先生のイラストを鉛筆で再現。手書き文字のハートマークが、いかにも『ものまね王座』っぽい。
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ちなみに、針先生は中森明菜だけでも数パターンのイラストを描いているという。
日髙さん 「放送内容の記録だけではなく、“一番多くものまねされた人”は誰なのかを知りたくて、一人でコツコツ調べました」 やきそば 「誰かに頼まれたわけでもないのに、調べるところが偉い(笑)」 日髙さん 「回数別に見ますと、1位は森進一さんで、2位は玉置浩二さん、3位は五木ひろしさんと続きます。ランキング上位はTwitterでも発表したんですけど、せっかくなので、『ものまね王座』でおなじみの針すなお先生のイラストを僕が再現して、その絵と共に発表しました」 やきそば 「ギャフン! ギャフン! 素晴らしい!」 ■熱烈! クリカンさん(栗田貫一さん)に憧れる! やきそば 「日髙さんが、ここまで『ものまね王座決定戦』にハマったきっかけは?」 日髙さん 「栗田貫一さんです。初めの頃は、親が『もしもシリーズ』などのネタで笑っているのを横目で見ていた程度だったんですけど、僕が小学5年の時に栗田さんの『ドレミの歌』のネタを見て、それはそれは衝撃を受けまして。ドから高い方のドまで、横1列に8本のマイクを立てて、マイクを移動しながら、『ド』なら郷ひろみさんのまねで『ド』を、『レ』は五木ひろしさんのまねで『レ』、同様に『ミ』は田原俊彦さん、『ファ』は森進一さん、『ソ』は沢田研二さん、『ラ』は近藤真彦さん、『シ』はシブがき隊のフッくん、高い方の『ド』は小林旭さんで、マイクごとに声を変えるというネタだったんです」 やきそば 「あ、かすかに覚えてます!」 日髙さん 「これがとにかくすごくて、結局、対戦相手のビジーフォーのエルビス・プレスリーに2点差で負けちゃうんですけど、テレビの前で『なんでアレで負けちゃうんだよー!』と憤ったのを覚えています(笑)。実は、今でも僕はマイクスタンドが8本欲しいんです。『SASUKE』(TBS系)の戦士が自宅の庭にセットを作るように、僕も実際にあの8本のマイクを家に並べて、実際に練習してみたい」 やきそば 「ギャフン! ギャフン! じゃあ、そこからクリカンさんを毎回応援するように?」 日髙さん 「そうです!『第4回 爆笑!スターものまね王座決定戦』からは、ビデオに録画して真剣に見るようになりました。ところが、その回で栗田さんはいきなり1回戦負け。その後、回をいくら重ねても、栗田さんはいつまでたっても優勝できないんです(涙)。『ものまね四天王』の一角を占めているのに、いつも2回戦までで姿を消してしまう。同点の場合はジャンケンで勝負をつけるルールなんですが、いつも、ここぞという時に同点でジャンケン、しかもいつも『グー』で負けちゃうんです。例えば、『第7回 爆笑!スターものまね王座決定戦』では、2回戦でトム・ジョーンズのまねをしたビジーフォーと、長渕剛のまねをした栗田貫一さんとの対決があったんですけど、史上初めて100対100の引き分けになったんです。そこで、じゃんけんをすることになったんですけど、やっぱり『グー』で負けてしまって……」 やきそば 「う、う~~~(涙)」 日髙さん 「でも、何度負けてもあきらめない姿に、子ども心に『クリカンさん、ガンバレ!!』と、とにかく熱中して応援を続けていました」  日髙さんがクリカンさんを応援し始めて、4年以上がたった頃。ついにその時が訪れる。 monomane06.jpg 日髙さん 「『第23回 オールスターものまね王座決定戦スペシャル』(1991年)で、栗田さんは4年ぶりに決勝に進み、桑田佳祐さんのまねで『愛の讃歌』を歌って優勝したんです!!!」 ※準優勝は松居直美(石川さゆりのまねで『天城越え』)、3位はしじみとさざえ(シュガーのまねで『ウェディング・ベル』) やきそば 「おお!!」 日髙さん 「この優勝をきっかけに、きんさんぎんさんや財津一郎さんのまねで100点をとったり、クリスタルキングの圧倒的高音の歌唱力で2回目の優勝を果たしたりして、僕が言うのもおこがましいけど、どんどん軌道に乗っていかれた記憶があります。その頃を思い出すと、今でも本当にうれしくて、僕は日本一の栗田貫一さんファンだと自分では思っています」 やきそば 「と、いうことは、今後の夢は?」 日髙さん 「いつか、栗田貫一さん(ご本人)にお会いして……あの頃のお話をいっぱい聞いてみたいですね!」  うう~~。なんていい話なんだ。クリカンさんに、この想いが届きますように。 ■疑問! 「オールスター」と「爆笑!スター」の違い
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『第16回 オールスターものまね王座決定戦』(1984年放送) 堀ちえみさん、柏原芳恵さんも。
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『第1回 爆笑!スターものまね王座決定戦』(1985年放送) ヒップアップ、ビートきよしさんも。(共に『ものまね王座決定戦データベース』より)
やきそば 「そういえば、『ものまね王座』って、『オールスターものまね王座決定戦』と『爆笑!スターものまね王座決定戦』の2種類がありましたけど、その違いを知りたいです。子どもの頃からずっと疑問に思ってて、モヤモヤしたまま今日まで生きてきました」 日髙さん 「あ、まさに“ものまね王座ファンあるある”ですね(笑)。僕もハッキリした答えは分からないので、あくまでも推測ですが、『オールスター』の出演者はアイドルや演歌歌手が中心で、『爆笑!スター』は漫才ブームの頃(1985年)に始まりまして、芸人さんが中心です」 やきそば 「なるほど!『爆笑!スター』は、B&B、オール阪神・巨人、『オールスター』の方には、石川秀美さん、とんねるず、角川博さん、ラッツ&スターも出ていますね」
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『クイズ番組・問題研究ノート』。日髙さんは、クイズ番組の問題文を一言一句書き写して、番組ごとの言い回し等の研究している。
■本業! 日髙さんは人気クイズ作家
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日髙大介さん。『ものまね王座』について語り始めると止まらない。この日も2時間、しゃべりっぱなし。
 ここまで読んで、「日髙さんが『ものまね王座決定戦』が好きなのは分かったけど、一体ナニモノ?」と思った方もいるかもしれない。実は、日髙さんは『全国高等学校クイズ選手権(高校生クイズ)』『パネルクイズ・アタック25(優勝経験あり)』など、数々のクイズ番組への出演を経て、現在は『高校生クイズ』『クイズプレゼンバラエティー Qさま!!』などで使用する問題を作っているクイズ作家だ。年間で作成する問題の数は、およそ1万問! やきそば 「ちなみに、奥様も『パネルクイズアタック25』の優勝者なんですよね」 日髙さん 「『プロポーズの言葉は、アタックチャンスですか?』って、何人もの人に聞かれます(笑)。いちいち切り返すのも面倒くさいので『はいはい』って返事をしてますけど(笑)」 ●「ものまね王座決定戦データベース」 <http://www.ze.em-net.ne.jp/~hdk/monomane/> niyaniyasss.jpg ●やきそば・かおる 山口県出身、東京都在住。ライター、構成作家、写真家。趣味は、変わった人に会って、変わった話を聞くこと。「相づちだけはうまいと言われます」(本人談) Twitter@yakisoba_kaoru

めくる快感がクセになる!? 注文殺到の「スカートめくりカレンダー」開発者

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「スカートめくりカレンダー2014」 右は新色バージョン。
身の回りにいそうでいない、ちょっと変わったことをしている人や、面白そうな場所に、文筆家のやきそばかおるが直撃取材!  昨年末に発売されるやいなや、注文が殺到。生産が追いつかなくなったという「スカートめくりカレンダー」が帰ってきた! しかも、2014年バージョンには新色も登場。10月1日よりヴィレッジヴァンガード通販で予約販売が始まったとのことで、どこよりも早く開発者の加藤圭織さんにインタビューしてきました! やきそば 「本題に入る前に、『そもそも、“スカートめくりカレンダー”って何?』と思っている方のために、ご説明をお願いします」 加藤さん 「文字通り、スカートの部分をめくると、翌月の数字が書いてあるカレンダーです。それ以上に説明のしようがないですね(笑)」 やきそば 「なぜ作ろうと?」 加藤さん 「元となったのは、私がまだ東北芸術工科大学の学生時代に作った作品です。学内で合同展を開くことになって、その時のテーマが『エロ』だったので、かわいらしい感じのするエロを表現しようと思って考えたところ、行き着いたのがスカートめくりでした。スカートをめくる行為と、カレンダーをめくる行為が『めくる』という点で一致していたこともありまして(笑)。スカートの部分がカレンダーになっていて、めくると翌月のカレンダーが出てくるという仕掛けにしたんです。それから5年がたって、昨年の『アートブックフェア』に出展しようと思い、新たに作ることにしたんです」 やきそば 「初めて見た時に衝撃を受けました。会場でも飛ぶように売れてましたもんね」 ■2014年は新色登場! やきそば 「なんと、今年は新色が登場しましたね!」 加藤さん 「今までは青を基調にしたスカートに、青い上履きでしたが、赤い上履きバージョンも出してほしいというリクエストも非常に多くて(笑)、上履きは赤にしました」 やきそば 「スカートは落ち着いた色ですねぇ~」 加藤さん 「お嬢様が通う感じの、私立の高校をイメージしました」 やきそば 「あ、脚の肌の色も違う!」 加藤さん 「脚の色は、かなり迷いました。肌の色が少しでも違うだけで、イメージが全然変わってくるんです。スカートと靴下と上履きの色のバランスをずーっと考えていて、膨大な色のサンプルを見ながら決めていきました」 やきそば 「健康的で、活発な女子高生を連想させる脚の色ですね」 加藤さん 「確かに、体育会系をイメージしています(笑)。ちなみに、もう一つのバージョンの脚のイメージは、文化系です」 やきそば 「この脚の雰囲気は、なんとなく、吹奏楽部に所属してるっぽい(笑)」 ※2014年バージョン(2種類)は、新色が登場したほか、2013年バージョンに比べて細かい点がバージョンアップしているので要チェック!
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スカートを少しめくりながら説明してくれた加藤さん。
■スカートめくりカレンダーには、モデルとなった子がいた! やきそば 「スカートの形にもこだわりがあるんですよね」 加藤さん 「特にこだわったのは、スカートのヒダの形です。いかにも女子高生のスカートっぽいものにしました。裾の部分は、横にまっすぐに切ったら味気ないので、ま~るい楕円のような形にしました。ちなみに、脚のラインは高校時代に『かわいいな~』と思っていた子の、細くて華奢な感じの脚を参考にしています」 やきそば 「ちゃんとモデルがいたなんて(笑)」 ■海外からの反響も! やきそば 「スカートめくりカレンダーの反響はいかがですか?」 加藤さん 「海外のメディアでも紹介されまして、アメリカやヨーロッパなどの方からコメントをいただくようになりました。特にアジア地域での反響が大きいです。台湾の方からは『インスパイアされました』って、英語で書かれたコメントが寄せられたり(笑)」 やきそば 「世界に広がってますね~! 加藤さんの野望は?」 加藤さん 「アイドルが大好きなので、ももクロバージョンやエビ中バージョンなども作らせていただけたらなぁ~と思っています」 ■「スカートめくりフセン(付箋)」も発売! mekuri03.jpg
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下着部分にメモを残したら、スカートで隠す。
mekuri05.jpg やきそば 「スカートめくりが付箋に!?」 加藤さん 「スカートよりも、気軽にスカートをめくる気分を味わってもらえればと思いまして(笑)」 やきそば 「普通はスカートって、めくれませんからねぇ~」  スカートめくりフセンは、下着の部分に用件を書いて、スカートを折って隠すというもの。スカートをめくると「ワオー」とメモ書きが。実は、アメリカのステーショナリーのイベントからも出展の声がかかったというほど、注目されている逸品なのだ。こちらはすでにヴィレッジヴァンガード等で発売中。  いかんいかん、ここまでずーっとスカートめくりカレンダー・付箋のことばかり書いてきたが、このままでは加藤圭織さんは「スカートめくりの人」になってしまう。あらためて加藤さんのご紹介を。加藤さんは社会人5年目。渋谷にある広告制作会社に勤めている。某有名企業のノンアルコールビールのパッケージデザインや、広告ポスターの制作など、数々のお仕事に携わっている。至って真面目なのだ。決して「スカートめくり女子」ではないということを、最後にお伝えしておきます。 ●スカートめくりカレンダー <http://vvstore.jp/feature/detail/2207 > ヴィレッジヴァンガード通販で予約受付中(10月21日発売) 2013年バージョンと少し違う仕掛けも。 ※昨年のように予約が殺到する可能性がありますので、お早めに。 ※スカートめくりフセンは発売中 <http://vvstore.jp/i/vv_000000000047132/> niyaniyasss.jpg ●やきそば・かおる 山口県出身、東京都在住。ライター、構成作家、写真家。趣味は、変わった人に会って、変わった話を聞くこと。「相づちだけはうまいと言われます」(本人談) Twitter@yakisoba_kaoru

作業員のセンスに萌える、エアコン配管観察家

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「昇り龍型」の配管。ところで「昇り龍型」とは?
身の回りにいそうでいない、ちょっと変わったことをしている人や、面白そうな場所に、文筆家のやきそばかおるが直撃取材!  エアコンがあるところに室外機あり。室外機があるところにエアコンの配管あり。なんと、エアコンの配管を観察している人がいる。名前は斎藤公輔さん。エアコンの配管といっても、なんの変哲もなさそうなものだが、中には変わったスタイルの配管がなされていることがあり、そういうのを発見すると斎藤さんは大喜びなのだそうだ。一体、エアコンの配管の魅力とは? 大阪に住む斎藤さんの元に向かった。 やきそば 「エアコンの配管だなんて、生まれてから一度も気にも留めたことがなかったんですけど(笑)、なぜ配管に興味が?」 斎藤さん 「仕事の関係で、エアコンの取り付けの研修をしていたことがあったんです。エアコンって、本体と室外機を配管で結ぶんですけど、どういうふうに結ぶかは作業員次第なんです」 やきそば 「なるほど。そこにセンスが表れるわけですね。配管の写真は何枚くらい?」 斎藤さん 「気になったものを数百枚は撮ってますが、中でもお気に入りのものだと50枚くらいです。しかも、いくつかのパターンがあることに気づきまして、その中でも特に好きなパターンを5種類に分類してみたんです」 やきそば 「(パッ!)おお! 思わず、私の瞳孔が開いてしまいました! 早速、教えてください」 【昇り龍型】
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斎藤さん 「まずは『昇り龍型』です」 やきそば 「ダイナミックですね! 律義にも、ちゃんと真っすぐ上に配管が伸びている感じがします。取り付け工事は大変そうですが……」 【しだれ型】
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斎藤さん 「こちらは『しだれ型』です」 やきそば 「『昇り龍型』とは逆で、建物の上に室外機があって、そこから下に向かって配管が伸びてますね」 斎藤さん 「配管によっては、『垂らしてるだけ感』が醸し出されています」 やきそば 「確かに。特に右側のほうは、もう少し強く束ねないと配管がバラバラになってしまいそう(笑)」 【おろち型】
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斎藤さん 「次は『おろち型』です。おろちのように水平方向にうにょうにょ這っている配管のことを指します やきそば 「うわ! これって、子どもが見たら一瞬、リアルなヘビかと思いますね」 斎藤さん 「微妙にクネクネしてるところが、まさに……」 やきそば 「しかも、配管が白いからシロヘビっぽい。リアルなシロヘビは金運が上がるって言われてるけど、かといって、本当にシロヘビがいたら、それはそれで嫌だし……」 【ワンポイント型】
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斎藤さん 「続いて、配管に花を添えるワンポイントがある『ワンポイント型』です」 やきそば 「配管が、ややこしくなってきましたね」 斎藤さん 「しかも、この光景は、かなりレアなんです」 やきそば 「レア?」 斎藤さん 「パッと見は一般的なものですが、室外機がチラっと見えてる(=室外機チラ)ところがかなりレアで」 やきそば 「おお! 向こうから覗かれてるみたい(笑)」   【インパクト型】 斎藤さん 「次の2枚は『インパクト型』です。分類なんて細かいことを考えるのがバカらしくなるくらい、インパクトがある配管です」
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やきそば 「ギャフン!」 斎藤さん 「思わず、ギャフンと言いたくなる気持ちも分かります」 やきそば 「なんだか、だらしない配管ですねぇ~」 斎藤さん 「ホント、だらしない……」 やきそば 「窓から常に配管が見えるなんて、オーシャンビューならぬ、配管ビューではありますが」 斎藤さん 「そのたとえは、この配管の設置の仕方並みに適当ですけど(笑)」 やきそば 「壁に穴を開けて固定すればいいのに、事情があって穴を開けられなかったんでしょうね」
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やきそば 「あぁ……」 斎藤さん 「思わず、ため息をつきたくなる気持ちも分かります。配管が二手に分かれているのも、こんなに雑で大丈夫なのかと心配になります」 やきそば 「ところで、配管が複雑だと工事費が高くなる……という価格設定とかあるんですか?」 斎藤さん 「いえ、家庭用の場合でしたら、工事費としてあらかじめ決められている場合が多いと思います」 やきそば 「斎藤さんの配管コレクションは、これからどうしていきたいですか?」 斎藤さん 「世界の配管の様子を、写真に収めていきたいですね!!」  そう言って遠くを見つめる斎藤さんの脳内は、「配管世界征服」の野望でいっぱいなのであった。 ※お知らせ なんと斎藤公輔さん制作の『エアコン配管観察本』が超限定で販売されます! 11月4日(祝日)に開催される「第十七回文学フリマ」にて販売開始。 エアコン室外機の配管ファンは、NEKOPLAのブースに「昇り龍型」のごとく、一直線に急げ!! ※ちなみに、斎藤さんはエアコンの配管の観察以外にも、ポストの上に乗っている像の写真を撮って「ポス像コレクション」として集めたり、全国の「ホテル東横イン」に泊まって「泊まり比べ」をしたりと、「めぐりコンプリート」(あるテーマを決めて、巡っていく楽しみ方)の達人です。 斎藤さんの個人サイト: NEKOPLA <http://www.nekopla.com/nnk> niyaniyasss.jpg ●やきそば・かおる 山口県出身、東京都在住。ライター、構成作家、写真家。趣味は、変わった人に会って、変わった話を聞くこと。「相づちだけはうまいと言われます」(本人談) Twitter@yakisoba_kaoru

ついにバス業界にも進出!? 異例の大ヒットDVD『車両基地』仕掛け人・手老善さん

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車両基地ファンの間ではおなじみ、手老善さん。(「鉄道ネイル」の久野知美さんの回(記事参照)でも、ちょっとだけ登場)
身の回りにいそうでいない、ちょっと変わったことをしている人や、面白そうな場所に、文筆家のやきそばかおるが直撃取材!  車両基地の貴重な映像を集めたDVD『車両基地』(ユニバーサルミュージック)が話題だ。車両基地というと縁遠いものがあるが、なかなか売れないといわれているDVD業界において7000枚を超える大ヒット。今月21日には、続編『車両基地2』も発売された。監修は “車両基地界の隠れた有名人”手老善(てろう・ぜん)さん(株式会社ジェイアール東日本企画)。実は、ほかにも意外なお仕事に関わってらっしゃるということで、お話を伺った。 ■この車両基地がすごい! やきそば 「やっぱり、いつも車両基地のことで頭がいっぱいですか?」 手老善さん(以下、手老) 「もちろん、仕事はきちんとしていますが(笑)、車両基地のことは気になりますね。大好きですから」 やきそば 「『車両基地』のDVDの第1弾では、主に山手線にスポットを当てていましたが、ほかにおすすめの車両基地は?」
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渋谷駅付近しか地上に顔を出さない銀座線の電車が踏切に!(東京地下鉄上野検車区)
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広大な地下空間。まるで秘密基地だ。(東京地下鉄上野検車区)
手老 「まずは、東京メトロ銀座線の車両基地です」 やきそば 「おお! なんだか、薄暗い空間に車体が光っていて未来を感じますね。銀座線の車両基地は、どこにあるんですか?」 手老 「上野です。銀座線の車両基地のことは、あまり知られていませんね。日本初の地下鉄の車両基地で、地上・地下と2層構造。地下鉄(特に、電気を線路の脇にある3本目のレールから取る第三軌条方式)としては珍しく、踏切があります。まさに唯一無二の存在感です」
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電気の消えた地下鉄なんて、よく考えてみれば普通見られない。(東京地下鉄上野検車区)
やきそば 「あらためて見ると、迫力がありますね! 回送電車ということになるから、一般のお客さんは電車に乗ったまま踏切を通過することはないというわけですね。銀座線といえば、時々、新型車両も走っていますが、まだ車両の数が少ないため、乗るとワクワクします」 手老 「実は、まだ新型車両の数は多くありませんが、写真に写っている01系はもう数年のうちに新型車両にどんどん切り替わっていくそうで……。だから、01系は今のうちに見ておかないと、見られなくなってしまうんです」 やきそば「ひょえ~~。それじゃあ、01系も今のうちに記憶に残しておきます」 手老 「あ、DVD『車両基地2』でも、じっくり見られますよ」 やきそば 「隙のない宣伝!(笑)」
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こんなに大きい赤い物体が集結する場所は、なかなかなさそう……。(京浜急行電鉄久里浜運転区)
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太陽光が反射するステンレスの車体がカッコイイ!(京浜急行電鉄久里浜運転区)
手老 「京急(京浜急行電鉄)の車両基地もおすすめです。京急は、鉄道ファンの方だけでなく、それほど鉄道に興味がないという方でも、好きな人は多いんです」 やきそば 「京急の車両基地の特徴はなんでしょう?」 手老 「京急最大の車両基地である久里浜の車両基地には、運転区と検車区、工場が並んでいまして、複数種類の真っ赤な車両たちが鎮座している光景は圧巻です。また、神奈川新町にある車両基地には、基地の中間を横断する踏切があり、その前後が留置線という珍しい光景が望めます。DVDにも収録していますが、ピットでの点検や作業風景も見どころのひとつですね」 やきそば 「お~~。一瞬、置いてきぼり感を食らってしまいましたが……」
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信号機やポイントを切り替える信号扱所。静かながらも緊張感のある室内に、確認の声とスイッチの操作音が響き渡る。(京浜急行電鉄久里浜運転区)
手老 「あと、作業に関して言いますと、京急はほかの鉄道会社と比べて、手を使って作業をすることが多いですね。鉄道の運行の管理に当たっては、コンピューターで制御されていることが多いのですが、京急の場合は例えば信号を変える時も、手でパチッパチッとスイッチを変えたりして、『人間が支えているんだな~』という感じが特にします」
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西武鉄道小手指車両基地には、線路の保守車両もある。主に動くのは終電後だ。
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ピットでは定期的に車両の点検が行われる。(西武鉄道小手指車両基地)
手老 「あとは、小手指にある西武鉄道の車両基地もおすすめです。西武池袋線小手指駅から延びた約800mの非常に大きな車両基地です。西武鉄道最大のこの基地は、一般車両はもとより、特急車両、直通する東京メトロや東急などの車両も留置されているため、バリエーションが豊かです。西武線の昔ながらの黄色い車両があったり、メトロのアルミ製の車両があったりと」
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レアな並びも車両基地ならでは。(西武鉄道小手指車両基地)
やきそば 「これは西武鉄道ならではの光景ですね」 手老 「通常の黄色い3000系車両のほかに、『ライオンズ』と『銀河鉄道999』のラッピング車が並んでいる光景は、非常に貴重ですよ!」 ※勘のいい方はお分かりでしょうが、こちらもDVD『車両基地2』でお楽しみいただけます。 ■手老さんは、こんな仕事もしていた!  ちなみに、手老さんのメインの業務は、車両基地のDVDを作ることではない。 やきそば 「手老さんは、鉄道の番組にも関わってらっしゃいますよね」 手老 「はい。例えば『中川家礼二の鉄学の時間』という番組には、相談役で携わっていました」 手老さんは、鉄道ファンの芸能人との交流も広く、鉄道についてもっと知りたいという方から、“相談”を受けることもあるそうだ。 手老 「あと、車両のドアの上にモニターがありまして、『トレインチャンネル』っていうのですけれど、それにまつわる仕事もしておりました。社会人になって間もない頃、2005年~06年にデジタルサイネージ(電子看板)が普及し始めたんですけど、そのシステム開発や運用をしていました。放映する天気予報やニュースのデザインを考えるにあたり、文字の大きさや文字数はどのくらいであれば読みやすいかといったことも考えていましたね」 やきそば 「ひょえ~~」  そう、手老さんの本職はSEだったのである。普段見ていたあのニュース画面を手がけていたなんて! 手老 「ほかにも、バスの車両基地DVDなんていうのも……」 やきそば 「なに!? バス業界にまで進出?」  バスマニア狂喜乱舞!  バスの車両基地DVDは9月18日発売予定とのことなので、もうしばらくの辛抱……。それにしても、車両基地DVDをヒットさせて、続編を発売したかと思いきや、今度はバスの車両基地DVDも手がけるという、手老さんの今後の活躍に期待したい! niyaniyasss.jpg ●やきそば・かおる 山口県出身、東京都在住。ライター、構成作家、写真家。趣味は、変わった人に会って、変わった話を聞くこと。「相づちだけはうまいと言われます」(本人談) Twitter@yakisoba_kaoru

くだらないモノを作り続ける“妄想工作ニスト”乙幡啓子さん

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「スケキヨ的製氷器」乙幡啓子作
 今回は、「妄想工作」「デイリーポータルZ」などで活躍中、いまや全国で展覧会を行い、大勢の人々をニヤニヤさせている妄想工作ニスト、乙幡啓子さんにお会いしてきた。  本題に入る前に、簡単なプロフィールを。  乙幡啓子(おつはた・けいこ):群馬県生まれ。周囲と微妙にズレた学校生活を送ったのち、7年間の会社勤めを経験するが、自分探しのため退職。親に「将来、何になるつもりだ」と言われるが、手を動かすことが好きだったため、工作に没頭するように。奇想天外な工作が話題を呼び、NHKやTBSラジオなど多数のメディアに出演。くだらないモノを作り続けて、世の中を面白くしている人物の一人。  早速、作品の紹介を。  ひとつ目は、冒頭の写真でも出てきたコチラ! ■スケキヨ的製氷器
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やきそば(以下「や」) 「犬神家!」 乙幡さん(以下「お」) 「まさに、あのシーンです」
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いきなり足が……。
 「いきなり、足をもいじゃうんですね!」  「型取りに使った人形は100均で買ったんですけど、膝が自由に曲がらないんで、『スケキヨ的には曲がってないと……』ということで、膝を無理やり曲げたりしつつ……」  「ひょえ~~」
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スケキヨさんの下半身部分の型。
 「シリコーンを使って型取りをしてるんですね。シリコーンって、普通の女性の家には、絶対になさそうなアイテムですけど、どこで売ってるんですか?」  「意外にヨドバシカメラなどで売ってたりします」  「なるほど! ジオラマを作る人が買ってるのかもしれませんね」  この先の工程をざっくりと説明すると、左右それぞれの足に水を入れて、冷凍庫でカチンカチンに。左右の“パーツ”をくっつけたら出来上がり。  「実際に水と足型の氷を入れてグラスに入れると、飲む時に足が鼻に入って、とても邪魔だったりします」  (笑)  残念ながら、商品化の話はまだきていないそうなので、興味のある業者の方はぜひ!! ■靴のかかとを邪鬼にする  「次はコレ」
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 「何かを踏んづけてますね」  「ヒールのかかとを邪鬼にしてみました」  「な、な、なんのために!?」  「最近、ヒールの高い靴をはくのが困難になってきたんですが、『土踏まずの下にも支えのある、船底ヒールなら楽なんじゃないか』と思いまして、邪鬼をヒールにしてみました」  「邪鬼の部分が細かい!! どうやって作ったんですか?」  「乾くと固まる石粉粘土を、数日間にわたって彫って仕上げました」  「頭では思い描けても、形にするのが難しそうですね!」  「粘土細工って大変なんですよ。3Dプリンターとかで作っちゃえば早いんでしょうけど」
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踏まれてうれしそうな邪鬼の顔。
 実際に、乙幡さんがはいてみました。
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 「おお~~~!」  「『仏ファッション』ですね。フランスのファッションかと思いきや、ホトケ系のファッション」  ちなみに、材質が粘土なので、そろーり、そろーりと歩かないとパキッといってしまう可能性があるそうだ。邪鬼の扱いは丁寧に。 ■高橋由一的、虫コナーズ
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 「これはまさか……」  「高橋由一的、『虫コナーズ』です。窓にぶらさげるタイプの虫除けネットは、効果はまずまずなのに、どうにも見た目が殺風景……ということで、見栄えがよくて、もっとグっとくるようなガワを作ってみました(キリリ)」  「サケコナーズ!」  「あくまでも“虫コナーズ”です」  「ガワは何で作ったんですか?」  「発泡スチロールです。形は高橋由一画伯の名画、『鮭』をお手本にしました」  「ある意味、リアル! 力の入れようが、どこかでねじ曲がってる!」
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アクリル絵の具で塗って、ニスでツヤ出し。
■緩衝材で遺跡ジオラマ  「次はコチラ」
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 「おお! 遺跡……ですか?」  「緩衝材で遺跡ジオラマを作ってみました」  「な、な、な、なんのために!?」  「PC周辺機器や家電などを買うと、パルプモールドという、古紙から作った緩衝材に包まれてることが多いですが、あれをひっくり返した形が『遺跡っぽいなー』と思いまして、糊を塗って砂用のカラーパウダーを散布したり、樹木のキットを立てたりしながら作りました」
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こうして撮ると、ますます本物の遺跡っぽいではないか。
 「この遺跡、名前はついてますか?」  「『アーリソーナ遺跡』です。いかにも古代遺跡のイメージ通りで、いかにもありそうなので」  「ギャフン!! 素晴らしい完成度」 ■長い! リュウグウノツカイ・マフラー
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 「次はこちら。いかにも神の使いにふさわしい風貌のリュウグウノツカイ。謎の深海魚をマフラーにしてみました」  「デカい! 作った理由を聞くのは、もはや野暮なような気がしてきたので、理由は聞きません。大きさは?」  「体長400cmです」  「ひょえ~~。何日くらいかかったんですか?」  「シンプルなメリヤス編みなんですけど、ボディ部分は4~5日かかりました。意外と毛糸は5個で済みましたね」  「大都会の片隅で、涙ぐましい努力!」  ちなみに、大人4人がかりで持っても余りある長さだ。  常に、くだらないモノを開発し続ける乙幡啓子さん。このたび、作品をドドーーンと紹介した書籍『乙幡脳大博覧会』(アールズ出版を発売! ぜひチェックしてみてほしい。 ●乙幡啓子さんのサイト 「妄想工作所」 <http://mousou-kousaku.com/> niyaniyasss.jpg ●やきそば・かおる 山口県出身、東京都在住。ライター、構成作家、写真家。趣味は、変わった人に会って、変わった話を聞くこと。「相づちだけはうまいと言われます」(本人談) Twitter@yakisoba_kaoru