呼び捨てにしてる感じをなくす方法は? 新ローマ教皇の呼び名は「教皇フランシスコ」だが……

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フランシスコ
 3月13日、初の中南米出身となるローマ教皇が選出された。就任ミサでは、権威の象徴である指輪に伝統的な金ではなく金メッキを施した銀のものを用いたり、出身国・アルゼンチンの人々に「(就任ミサに)お金がかかるから来ないで」と呼びかけたり、これまでにない行動が注目を集めている。  しかし、それ以上に気になるのが新教皇の名前の読みと敬称である。日本のマスメディアの多くが「ローマ法王」という言葉を使っているが、カトリック教会が「ローマ教皇」の名称を用い、マスメディアにも「教皇」の統一を求め「ローマ法王庁大使館」の名称変更を日本国政府に求めているのは、よく知られている。  今回、新たに教皇の名前をめぐっては「どっちが正しいんだ?」と多くの人が疑問に思った。BBCからイタリア国営放送まで、多くのメディアがネット中継を行っていたため、新教皇が選出されるとTwitterでも多くの人が呟いた。が、ツイートには「フランチェスコ」と「フランシスコ」の記述が混在していた。  今回の教皇名の由来は、12世紀のイタリアの聖人「アッシジのフランチェスコ」である。新教皇の発表の際にもイタリア語で「フランチェスコ」と発音していた。ところが、日本のカトリック教会では「アッシジのフランチェスコ」を「アッシジの聖フランシスコ」と呼称していることもあり、日本のカトリック中央協議会は「フランシスコ」の呼称で統一してほしいと呼びかけた。  由来となった聖人は、信者ならずともキリスト教のありがたい坊さんとして名前を知っている人は多いハズ。でも多くの人は「アッシジのフランチェスコ」で覚えているハズで「フランシスコ」の呼称には、なんか違和感が(ちなみに、バチカンの公用語であるラテン語だと「フランキスクス」らしい……)。  というわけで、正確な呼称はどれが正しいのか「ローマ法王庁大使館」に電話で聞いてみた。  電話で「あの、新しいローマ教皇の名前の呼び方なんですが……」と聞いたところ 「ああ、“フランシスコ”ですよ」 と、即答。聞けば、けっこうな数の問い合わせの電話があったらしい(親切に「フランス語なら……、英語なら……」と発音してくれたけど、流ちょうすぎて聞き取れなかった)。加えて 「2世が現れて初めて1世の呼称が使われるので、フランシスコ1世じゃないですよ」 とも。当初、海外でも「フランシスコ1世」と呼称され、日本でもカトリック中央協議会が同様の呼称を用いると発表したが、最終的に法王庁の意向を受けて1世をつけないことが決まった。  結果、新教皇を呼称する時、あるいは文字で表記する時には「教皇フランシスコ」、日本のマスメディアでは「法王フランシスコ」となる。  ううむ、なんだか呼び捨てにしているみたいで、ものすごい違和感を感じてしまうが「ローマ法王庁大使館」に聞いたら 「それで、問題ないです」 とのこと。ちなみに、ローマ教皇に対する尊称は「台下」という聞き慣れない言葉が用いられる。これは、高位の聖職者に対する尊称で、日本政府は「ローマ法王フランシスコ台下」の表記を用いている。「台下」は仏教では、大本山の門主などに用いられるものなので、ちょうど釣り合いが取れるということらしい。でも、いちいちニュースなどで「ローマ法王フランシスコ台下」と呼んでいたら、なんとも仰々しい感じも。  やっぱり「フランシスコ1世」でよかったんじゃない? (取材・文=昼間たかし)