知られざる生理痛の特効薬とは?偏頭痛に薬局薬は効かない?痛み止め薬のホント

 サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けします。 ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 矢口真里と別居報道の中村昌也「アイツ全然料理つくらない。収入格差止まらない」 橋下徹慰安婦発言、デーブ「本性が口に」テリー伊藤「慰安婦抑えると一般人に危害」 “ミステリーな”村上春樹 大ヒット新作印税収入、次作の出版元、編集者も会えない… ■特にオススメ記事はこちら! 知られざる生理痛の特効薬とは?偏頭痛に薬局薬は効かない?痛み止め薬のホント - Business Journal(5月19日)
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確実に調子悪いわ〜って。(「Thinkstock」より)
 生化学分野に精通し、サイエンス・コミュニケーターとしても活動するほか、教育機関で教鞭も執っているへるどくたークラレ氏が、薬局で買える医薬品や健康・栄養食品を分析! 配合成分に照らし合わせて、大げさに喧伝されている薬や、本当に使えるものをピックアップする。  頭痛薬や痛み止め……ちゃんと選べてますか?  ワタシがTwitterやFacebookでリクエストをとったところ、頭痛薬や痛み止めについての話が多くあったので、今回ここで取り上げてみる次第。時期的にも日照量が急激に増えて、体のバランスを崩して頭痛を起こす人が多い時期です。そんなわけで、薬局に売られている「内服用痛み止め」について見ていきましょう。  医薬(※医薬用医薬品。名前の通り、医師による処方箋がなければ販売できないクスリのこと)用語だと、これらのクスリを“解熱鎮痛薬”と呼ばれ、やれアントラニル酸系だの、アリール 酢酸系だの、プロピオン酸系だの用法と種類も多彩で、医療従事者の頭を悩ます薬品群です。それが、薬局で買えるクスリに限定すると、なんと、わずか数種類の成分しかないため、医薬に詳しくない人でも覚えきれるのです。  多くの人が「なんとなく」選んでいる内服用痛み止めについて、パッケージだけで漠然と選ばず、成分を今一度見直して、自分で選べる・賢い買い物をしましょう。 ●有効成分はわずか数種類。見るべきはクスリの成分欄  薬局にいくと山のように内服用痛み止めが売られていますが、先述のとおり、薬局で買える内服用痛み止めの有効成分は、非常に数が少ないので、成分自体をひとつずつ紹介していきましょう。 ・アスピリン(アセチルサリチル酸)  その成分の半分が、やさしさとぼったくりでできていると有名な頭痛薬の主成分。アスピリンというのは、もともとは商標登録であり、本来の名前はアセチルサリチル酸というもの。クスリによっては成分表示名がアスピリンであったり、アセチルサリチル酸であったりするのだが、実際には同一成分です。  クスリとしては100年以上の歴史があるもので、完全合成された初めての医薬品として知られています。   アスピリンは、あの「バファリン」(LION)でさえ胃への負担がゼロではなく、胃の弱い人は注意が必要です。アスピリンという名前ですが、ほかの「〜ピリン」というクスリとは違ってピリン系ではないので、ピリンアレルギーの人でも使うことができます。鎮痛効果は“並”というところでしょうか。  ただ、15歳以下の人はライ症候群などの強い副作用を起こす危険性があるため、飲まないほうがよいとされており、お子さんがいる場合は、うっかり飲まないように薬箱に置いておかないほうがいいかもしれません。 ・アセトアミノフェン  鎮痛作用も解熱作用も高く、さらに副作用もまずないと、良いことずくめなので、十数年前から、アスピリンを押しのけて、「解熱鎮痛成分といえばコレ!」という定番の位置にあるクスリが、このアセトアミノフェン。注意が必要なのは飲みすぎ。胃に負担がないからといってガンガン飲んでしまうと、肝臓が代謝できる限界を超えたとたん、急激に毒性を持つので、説明書に書かれた分量以上飲まないようにしないといけません。また総合風邪薬にも多く含まれているので、頭痛薬に風邪薬を飲んで……というだけで許容量を超えてしまうこともあるので注意です。さらに、酒によって毒作用が出る危険性が上がるので、酒との併用も原則やめておいたほうがいいですね。  とはいえ、それ以外は安全だし、アスピリンよりも効果が高いという人が多いのです(作用機構が少し違うので、併せて飲むと効果が高まることもあります)。 ・イソプロピルアンチピリン  ピリン系の内服用痛み止め。一度でも風邪薬を飲んでじんましんや紅斑が現れたことがある人は飲めませんが、それ以外の人には効果の高いクスリ。イソプロピルアンチピリンが好まれるのは、かつて多く使われていたほかのピリン系の薬剤に比べ、仮にアレルギーを起こしても、その作用が激化しにくいという配慮から、最近はピリン系といえばこの成分になっています。薬局薬である内服用痛み止めの成分の中では、ロキソプロフェンに次いで強くて効果も高いです。塩野義製薬の「セデス・ハイ」が人気なのは、この成分に加えてアセトアミノフェンがさらに入っているため、鎮痛効果がかなり高いから。あまり知られていませんが「セミドン顆粒」(全薬工業)というのもあり、セデス・ハイよりさらに鎮痛成分が多く配合されています。 ・イブプロフェン  エスエス製薬の「イブ」が代表的な製品で、アスピリンより強い鎮痛効果を持ちます。ただし、胃への負担も同様に強いので、きちんと説明書の通り、食後に服用するなどの注意が必要です。  また、ごくまれに湿疹やかゆみ、めまい、ぜんそくなどの呼吸症状の副作用を起こすことが知られています。ぜんそく持ちやぜんそく家系の人で呼吸器が弱い人は、避けたほうがいいかもしれません。 ・エテンザミド  アスピリンの効果はそのままに、胃への負担を下げることを念頭に開発された薬。こちらはライ症候群の危険性はないため、アスピリンに近いとはいえ、15歳以下でも服用しても大丈夫です。アラクスの「ノーシン」シリーズのACE処方(アセトアミノフェン・カフェイン・エテンザミド)のように、単品ではなく合わせ成分として使われていることが多いです。それ以外の効果はアスピリンに準じます。 ・ロキソプロフェンナトリウム  2011年から薬局売りされるようになった新顔で、“市販薬最強”の成分を持っています。  系統的にはイブプロフェンの上位版であり、現在薬局で買える痛み止めの中ではぶっちぎって最強の効力を持ちます。その効果は、親知らずを抜いた後に歯科医院で処方されることからも、高い鎮痛効果があることが分かるでしょう。当然、ほかの成分とはその取り扱いも別格で、薬剤師が不在だと購入ができない第1類医薬品として販売されています。  しかしその強い効果の半面、胃粘膜を荒らす副作用も強いので、エーザイの「セルベール」などの胃粘膜を保護する成分の薬と併用したほうがいいもの。購入時に、薬剤師に相談してください。また、ガスターなどのH2ブロッカーとの相性は、場合によってはよくないこともあるので、原則として併用は避けましょう。  ほかの薬にも言えることですが、飲み合わせに問題が出ることもあるので、病院に行った際、必ずその時どんな薬を飲んでいるかを報告することが大切です。 ●市販薬はほぼ効果のない「偏頭痛」に注意  さて、痛みを止めるためにクスリを飲んでも、まったく効かない……・そんな経験はないでしょうか? 人によっては、自分の頭痛はクスリを飲んでも、ほとんどよくならない、と思っている人もいるでしょう。  そんな頭痛は、もしかすると偏頭痛かもしれません。困ったことに偏頭痛に効果のある薬局薬は皆無です。内服用痛み止めであるイソプロピルアンチピリンやアスピリン、アセトアミノフェンなどは、効果がゼロではない程度で、効いても誤差の範囲です。  偏頭痛は、血管拡張性頭痛と言われており診断が難しいのですが、多くの場合、痛みが頭の左右どちらかに偏っている(もしくは左右差が顕著)、騒音やまぶしい光によって悪化することが多いのが特徴です。運動した後に頭痛がするという人もおり、そういったものは「体質かな?」と、あきらめてしまう人も多く、実際に病院で専用のクスリ(トリプタン製剤など)をもらっている人は少ないのが現状です。  とはいえ、ある程度原因も治療薬もしっかり確立された症状なので、専門医の診断を受け、よく効く薬を処方してもらうのが得策です。  専門医は、日本頭痛学会(http://www.jhsnet.org/index.html)というのがあるので、そこの認定医を検索して、最寄りの病院を探すとよいでしょう。いろいろあきらめていた人でも、偏頭痛治療薬で人生が変わる人もいるので、痛みにくじけず専門医に診てもらいましょう。 ●生理痛の正体  最後に生理痛です。生理痛の特効薬が、実は薬局でひっそりと売られています。その成分はブチルスコポラミン。生理痛は神経の圧迫などによるものではなく、内臓が収縮することによって起きる内臓痛です。  内臓の多くには痛神経がないため、内臓の異常な収縮を体が感知すると、脳に信号を送り、そこで初めて「痛い」と認識される痛みです。食べてすぐ走ったときに感じる脇腹の痛みなんかも内臓痛、腹痛の大半はこの内臓痛なわけです。  これらの痛みには、先ほど紹介した痛み止めはあまり効果がなく、内臓痛のクスリを使うと、てきめんに効果を表すのです。  生理痛専用薬としては、11年に興和から「エルペイン」が発売されていますが、第1類医薬品なので薬剤師がいなければ購入できません。急な生理痛のときに薬剤師不在で購入できない……なんてこともままあります。ブチルスコポラミンは、エルペインにも含まれていますが、もともと「ブスコパン」(日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社)として売られており、第2類医薬品なので、これなら薬剤師が不在でも購入できます。  エルペインの正体は、イブプロフェンとブチルスコポラミンの合わせ剤なだけなので、ブスコパンとイブブロフェン鎮痛剤で代用ができるというわけです。  単品でも、生理痛の原因である子宮の収縮やらを抑えてくれるので、痛みは相当軽減されます。  意外なほどこの生理痛薬は認知されていないのですが、知っているといないのでは断然違うので、是非、痛みに苦しむ前に飲んでみてはいかがでしょうか?    ただし、緑内障の人がこれらのクスリを服用することは禁忌。もちろん、どんなクスリも飲む前に持病や体質に合うかどうか、説明書をよく読みましょう。  生理痛はあまりにひどい場合、産婦人科でピルなどを処方してもらうことで、止めることができます。月経前症候群として、保険の適用も可能です。  理不尽な痛みは、何かの異常のシグナルかもしれないので、女性は2年に1回は諸々検査を受けた方がいいですし、その時に相談してみると案外アッサリ解決することも。  餅は餅屋ってことで……この記事が定期検診を受けるきっかけになれば幸いです。 (文=へるどくたークラレ) ※本記事は、サイエンス・ライターがつづる化学コラムです。報道の見地から行っているものであり、再現性やその内容を保証するものではありません。薬を服用する際は、医師や薬剤師にご相談ください。 ■おすすめ記事 矢口真里と別居報道の中村昌也「アイツ全然料理つくらない。収入格差止まらない」 橋下徹慰安婦発言、デーブ「本性が口に」テリー伊藤「慰安婦抑えると一般人に危害」 “ミステリーな”村上春樹 大ヒット新作印税収入、次作の出版元、編集者も会えない… パナソニック批判への違和感 復活担う社内ベンチャーと“わかりにくい”経営の強さ また高齢者の負担を若者が背負うのか…自動車の任意保険料なぜ値上げ?

レーシック手術数が激減 ずさん手術でイメージ悪化 医学会対応も不十分

 サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けします。 ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 日本アカデミー賞が面白い謎 ハイレベルすぎるエリカ様いじめ、広末涼子のワイプ芸… 違法な長時間残業で死亡…労災認定の決め手は恋人へのメール? 不動産屋さんのセールストークのウソ…毎月の支払い額同じなら購入がトク? ■特にオススメ記事はこちら! レーシック手術数が激減 ずさん手術でイメージ悪化 医学会対応も不十分 - Business Journal(3月13日)
コンタクトのCMがガンガン流れるからくりとは。
(「ジョンソン・エンド・ジョンソン HP」より)
毎日の仕事に忙殺されて雑誌を読む間もないビジネスマン必読! 2大週刊経済誌「週刊東洋経済」(東洋経済新報社)と「週刊ダイヤモンド」(ダイヤモンド社)の中から、今回は「週刊ダイヤモンド」の特集をピックアップし、最新の経済動向を紹介します。 「週刊ダイヤモンド 2013/3/16号」の特集は『目にかかるカネとリスク』だ。近視・老眼の矯正や白内障治療などは、技術の進歩が目覚ましい。ところが、視力矯正手術である「レーシック」ひとつをとってみても、各医療機関が掲げる術式の内容やデメリット、コストがわかりにくかったり、サービスの内容に怪しさが伴うこともある。そこで、目の矯正や治療にかかるカネとリスクを徹底調査した特集だ。  白内障の治療技術や老眼矯正の技術が進歩、「レーシック」「メガネ」「コンタクトレンズ」にかかる費用やリスクの紹介、さらにメーカーや医療機関の儲けの構造、そして、失明原因のトップ5に当たる中高年が発症しやすい目の病気である「緑内障」「加齢黄斑変性」「糖尿病網膜症」などの失明リスクを回避するための方法などを紹介している。  今回、知っておきたいのは、目にレーザーを照射して視力を矯正する「レーシック」の手術数が激減していることだ。2008年の約45万件をピークに、12年は約20万件と半減している。このために、レーシック医院は高齢者向けの白内障手術に活路を見いだしているのが現状だ。  減少要因は大きく3つ。ひとつ目は、08年のリーマンショックによる消費マインドの低下。ふたつ目は、若い層に安値で手術をしまくって、需要を食い尽くしたためだ。00年ごろは両目で手術代100万円だったものが、今は同様の手術が10万円以下になっている。  06年ごろから美容クリニックが参入して顧客獲得競争が激化したことも、需要低下に拍車をかけた。現在必要な2種類のレーザーを抱えている医療機関の場合、月に100件程度の手術をこなさないと採算に乗らなくなっている。このために競争力を失って撤退する医療機関も相次いでいるという。  そして3つ目は、イメージの悪化だ。そのきっかけは09年に悪化した銀座眼科の感染症事件。手術機器をろくに殺菌処理しない、ずさんな管理体制から、レーシックを受けた患者の約1割に当たる67人が、感染性結膜炎などに集団感染した問題だ。レーシックの安全性とは別に、イメージが一気に悪化した。  加えて前述した、美容クリニック参入による顧客獲得競争では、術後の視力を競い合うようになり、「視力2・0」という遠くばかりが見える過矯正の人が増えた。過矯正は近くが見えにくくなり、ドライアイや頭痛の原因になるのだ。術後のフォローが不十分な医療機関が患者をたらい回す「レーシック難民」も生み出した。  さらに医学会の動きが遅い。いまだに日本には合併症発生率や失明率の正確な数字が存在しない。日本白内障屈折矯正手術学会は、ようやく国内での合併症を把握する大規模な調査を行うことを決定した段階だ。この背景には美容クリニックグループであり、国内手術数の過半を占める品川近視クリニックのビジネススタイルに眼科医界の医師たちからの批判があり、対立状態にあるためだ。  こうしてみると、眼科医は美容クリニックが参入してきたりと、ほかの医療に比べると、どこか心もとない医療業界ではある。 ●コンタクトレンズのCMが目立つ理由  こうした業界で利益を上げるビジネスモデルを構築できた一例が、コンタクトレンズのJ&J(ジョンソン・エンド・ジョンソン)だ。91年、米J&Jとボシュロムが「使い捨てコンタクトレンズ」を日本上陸させた。いまや、国内市場における使い捨てレンズ(1日使い捨て、2週間交換合計)の構成比は、8割を超える。使い捨てレンズのコモディティ化に伴い、販売単価は大幅に下落し、それまで高収益を上げていたメーカー純正の「ケア用品」は売れなくなった。  J&J社は世界市場約6800億円の7割弱を占める日米で、ほぼ4~5割のシェアを占める圧倒的な存在だ。売れ筋の「1日使い捨てソフトレンズ」の場合、レンズ1枚当たりの販売単価は80~100円。そのうち原材料(プラスチック樹脂の液体)が占める割合は、わずか5%。つまり、原材料費は4~5円だ。コストの大半は、製造装置の減価償却費に消えるのだという。  コンタクトレンズは、半導体や液晶パネルと同様に、巨額の設備投資が求められる装置産業。稼働率の引き上げと分留まりの高さこそがコスト低減効果を生むため、マーケティング投資を積極的に行う(つまり「ワンデーアキュビュー」の宣伝だ)。そのため、世界のレンズメーカーは、生産拠点を数カ所しか保有していない。J&Jでも生産拠点は税制優遇措置のあるアイルランド、米国の2カ所のみで、集中生産しているという。  一般的にコンタクトレンズの装用年齢層は、15~59歳とされている。遠近両用レンズも登場しているが、技術レベルは発展途上段階だ。少子高齢化が加速する日本では、17年以降に装用人口が約300万人も減少するとの予測もある。各メーカーとも、ユーザー層の拡大に余念がないようだ。 (文=松井克明/CFP) ■おすすめ記事 日本アカデミー賞が面白い謎 ハイレベルすぎるエリカ様いじめ、広末涼子のワイプ芸… 違法な長時間残業で死亡…労災認定の決め手は恋人へのメール? 不動産屋さんのセールストークのウソ…毎月の支払い額同じなら購入がトク? アップル、FBも…米IT大手へ相次ぎサイバー攻撃、国防総省「核抑止力で対抗」か? 心配性の方に!「何も考えていない状態」の作り方

危険な育毛サロンで毛が抜ける…育毛商材は落とし穴がいっぱい!

 サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けします。 ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) シャープ幹部「サムスンとの話がつぶれたらうちもつぶれる」…出資の舞台裏 トヨタvs日産の熾烈争い!EV低迷で次世代エコカーの本命?燃料電池車開発競争 原発停止中の日本原電が高利益のカラクリ 役員報酬は計4億以上…原資は国民負担 ■特にオススメ記事はこちら! 危険な育毛サロンで毛が抜ける…育毛商材は落とし穴がいっぱい! - Business Journal(3月12日)
お医者さんに相談だ♪でお馴染みのAGAだが……。
(「MSD HP」より)
 生化学分野に精通し、サイエンス・コミュニケーターとしても活動するほか、教育機関で教鞭も執っているへるどくたークラレ氏が、薬局で買える医薬品や健康・栄養食品を分析! 配合成分に照らし合わせて、大げさに喧伝されている薬や、本当に使えるものをピックアップする。  さて、前回は薬局薬の育毛剤について話をまとめていたわけですが、やはり本気で取り組むとなると専門医の力が必要です。現代の薄毛治療は一体どの程度進んでいるのでしょうか?  今回は、薬局薬からは少し離れますが、この永遠のテーマについて少し掘り下げてみようと思います。 ●病気なのか遺伝なのか……脱毛症の種類を知ろう  まず脱毛症というものが、ストレス性のものであるか、遺伝性のものであるか、ここで話がずいぶんと変わってきます。近年の研究から、どうやら薄毛遺伝子は母方のX染色体由来であることが多いようで、この説において具体的で正確な統計データはないものの、母方の父親が薄毛の場合、8割近くの確率で遺伝するようです。一方、父親から遺伝することは非常に少ないようで、母方のおじいちゃんが薄毛でなければ、ひとまず安心しても大丈夫かもしれません。  それ以外の脱毛は、ストレス性のものや、なんらかの病気、毒物によるものであることがあります。ストレス性の代表的なものが円形脱毛症で、男女共通で発症し、ひどいと頭髪のほとんどが抜け落ちるといった場合もあります。いずれにせよ、不規則な脱毛が起きる場合は、早めに皮膚科医の診断を受けた方がよいと言えます。皮膚科医の診断のあと、精神的な問題であれば心療内科、それ以外の疾病であれば専門病院へと紹介状も書いてもらえるので、恥ずかしがらずに専門医に診てもらうのが大切です。  しかし今回のお題である、「男性型脱毛症」は先にもお話ししたとおり、ほとんどが遺伝性のものです。病気のような扱いを受けていますが、そういった形質なので、気にしなければまったく生活に支障はないのですが、やはりフサフサのほうが良いと考える人は多いわけで、そこで様々な治療法が開発されています。 ●ハズレ率激高 行ってはいけない育毛サロン  育毛サロン。テレビなどでも盛んに宣伝していますが、その中身は頭皮のオイルマッサージや、洗浄、LEDによる謎の光刺激に、得体の知れないサプリメントの処方……効果のほどは、オカルト級の処方をご大層にするところが大半です。  それらの費用は安くても数十万円、100~300万円のコースなどもありますが、大半のサロンには医師がいないため、「医療行為」が行えません。当然、使用される機材や薬品は、薬局のものと大差なくなってしまうわけです。  一部、頭皮が不衛生だったり不摂生などから来ている脱毛には効果がありますが、これもまた専門医の指示や処方薬での治療の方が、確実で安全です。  もちろん育毛サロンの中には、専門医を置き、きちんと医療的対応をしてくれるところもあるのですが、結局のところ、ある程度進んでしまった脱毛には医師の処方や、専門病院での高度な施術などが必要なので、早めに専門医のいる病院に行った方が間違いなくハズレがありません。  え? 何? 赤と青の光で毛が生えるブラシがあるらしいって?  ただの300円の電動ブラシに1個30円のLEDが並んでいるだけです。あれで毛が生えたら、むしろノーベル賞ものでしょう(笑)。 ●テレビで盛んにCMしてる“アレ”の効果  最近はプロペシアの販売元MSDが、テレビCMなどで「AGA! AGA!」と連呼しているのを見たことがある人も多いでしょう。あれは、薬事法のため、テレビCMでは薬剤名や薬効を宣伝できないので、AGAと単語を連呼するという意味不明なCMになっているわけですが、「飲み薬で脱毛症は治療可能ですので、とりあえずググってください!」……といいたいわけです。  さてプロペシアという飲み薬と、それに入るフィナステリドという成分。  数年前に登場したこの薬は、プラセボとの対照試験で6割以上に効果がみられた薬剤で、毛乳頭細胞内でのジヒドロテストステロン(皮脂腺の受容体と結びつき、過剰な皮脂を分泌させ、毛穴を塞いでしまうため、毛髪の成長を妨げるだけでなく、毛髪が十分に成長する前に脱落するようになる男性ホルモンの一種)の発生を強力に阻害します。そのことで毛根細胞が死滅することなく、脱毛を予防できるのです。またリアップ(塗り薬のミノキシジル)との併用も可能で、効果が高まるという報告もあります。  ではそのミノキシジルの内服薬は病院でもらうことはできないのかというと、残念ながらもらえません。日本では内服用ミノキシジルの認可が下りていないからです。個人輸入などで買うことができますが、もともと血圧の薬の副作用として発毛効果が見つかった薬であり、素人服用は生命に危険が及ぶこともあるので、よほど薄毛に嘆いているなどがない限りやめておいた方が無難です。  フィナステリドという薬が病院で処方可能なので、そちらを利用するのが最もベターな選択肢となります。
日薬理誌「男性における男性型脱毛症薬
5α還元型II型酵素阻害薬フィナステリドの
薬理学的特性と臨床効果」2006 より引用
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 さて、ではこのフィナステリド。保険適用外なので自費診療になりますが、価格もそれほどぶっとんだモノでもなく、1錠当たり250~300円(病院によって違う)、1カ月当たり約1万円という感じです。  最近なんだか薄くなったかも……という状態を食い止めるには非常に心強いのですが、一旦目に見えて毛が減ってしまった場合は、やはりフッサフサに……というのは厳しいものがあります。
日薬理誌「男性における男性型脱毛症薬
5α還元型II型酵素阻害薬フィナステリドの
薬理学的特性と臨床効果」2006 より引用
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 二つの図は、とある論文のフィナステリドの効果と満足度というものですが、やはり毛は生えるものの、満足に結びつくほどの効き目は3割に満たず、いまだ飲むだけでフッサフサに戻る薬というのは、認証薬はもちろん、未認証の薬にも存在しません。  現在、男性型脱毛症についてはっきり効果があるのは、5α還元型II型酵素によるものだけです。しかもその抑制効果も完璧ではなく、まだ完全な育毛剤が登場してるとは言えない状況なのです。 ●金に糸目をつけない最終手段は自毛植毛  こうした絶望的な状況の中で、金に糸目をつけなければ最終手段もあります。それが自毛植毛です。  まだ生え残っている後頭部の毛を細胞ごと切り取り、それを生え際に植毛するというもの。自分の毛、自分の細胞であるので、免疫拒絶などは起きないため、感染症などの対策さえしっかりすれば定着率も高く、事実上の再生を可能とする数少ない物理的な解決手段なのです。費用は、だいたい1本当たり200~300円、通常は3000本移植で100万円ほどです。  これは、きちんとケアすれば数年は毛が生え続けるというもの。だいたい2~3年ごとに、追加で2000本ほど(数十万円)を足すことで、薄毛であることを悟られずに過ごすことができるというわけです。芸能人に愛用者が多いというのですが、それもうなずけますね。  人工毛の植毛という少し安いプランもあるのですが、そちらは医者の腕に左右されるところが大きい上に、定着率も低く、皮膚炎やびらんなどの悪化の報告も多く、禁止にしている国も多いことから、あまりオススメできる術式とは言えなさそうです。  ともあれ、頭皮をあまりいじめすぎない暮らしは、そのほかの身体にも良いことなので、毛髪のために生活習慣を見直してみる……というのはいかがでしょうか? (文=へるどくたークラレ) ※本記事は、サイエンス・ライターがつづる化学コラムです。報道の見地から行っているものであり、再現性やその内容を保証するものではありません。一切の責任は編集部及び著者は負いかねます。また、薬を服用する際は、医師や薬剤師にご相談ください。 ■おすすめ記事 シャープ幹部「サムスンとの話がつぶれたらうちもつぶれる」…出資の舞台裏 トヨタvs日産の熾烈争い!EV低迷で次世代エコカーの本命?燃料電池車開発競争 原発停止中の日本原電が高利益のカラクリ 役員報酬は計4億以上…原資は国民負担 日本の地下水の保護のために必要な対策とは? 不動産屋さんのセールストークのウソ…毎月の支払い額同じなら購入がトク?