華原朋美、「今、クスリ入ってないですか?」との質問への答えから透ける“強さ”

 サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けします。
『夢やぶれて-I DREAMED A DREAM-』(ユニバーサルJ)
 ドキュメンタリー番組を日々ウォッチし続けている映画監督・松江哲明氏が、ドキュメンタリー作家の視点で“裏読み”レビューします。 【今回の番組】  8月18日放送『情熱大陸~華原朋美』(TBS系)  泣いた。華原朋美の歌声に涙腺が刺激されて仕方なかった。その思いは会場に集まるファンも同じらしく、次々と彼女に握手を求める。その姿の多くが同世代であることが、どこかうれしい。  あの頃のカラオケでは皆、華原朋美を歌っていた。僕は彼女のCDを買ったことはないけど、ソラでも歌える。街には彼女の歌があふれていたし、彼女のスタイルを真似る女性を揶揄した「カハラー」という言葉も覚えている。渋谷の風景と共に思い出される、90年代を象徴する歌手であることは間違いない。  その後は、週刊誌や中吊り広告のネガティブな印象が強くなってきた。テレビでも、朦朧とする姿が映っていたことを覚えている。残酷だった。でもCD一枚持っていない僕は、消費者にすらなれていない。そのうち、彼女の歌も聞こえなくなった。 つづきを読む

壇蜜「いま最高でしょ?とか聞かれるのがキツイ」と語る理由とは?『情熱大陸』神回…

 サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けします。 ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 不倫騒動の矢口真里、酔うと大変なことになる?復帰のカギは肉食キャラへの路線変更? 新橋のビジネスマン133人が選ぶ、一足早い“勝手に”AKB総選挙結果…主力陣苦戦 芸能プロ大手オスカー芸能マネジャーに聞く「“ポスト武井・剛力”のマネジメント」 ■特にオススメ記事はこちら! 壇蜜「いま最高でしょ?とか聞かれるのがキツイ」と語る理由とは?『情熱大陸』神回… - Business Journal(6月2日)
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「情熱大陸 公式サイト」(「TBS HP」)より
 経済ドキュメンタリー番組を日夜ウォッチし続けている映画監督・松江哲明氏が、ドキュメンタリー作家の視点で裏読みレビューします。 【今回取り上げる番組】 『情熱大陸』(TBS系/5月26日放送)  これが『情熱大陸』なのかと驚いた。でもワクワクした。だって壇蜜さんだもの。いつも通りのノーマルなことをしてちゃ、彼女を満足させることはできない。最初の数分で作り手がノってるのが伝わって来た。  窪田等氏によるお馴染みのナレーションで「女は誘う、謎めいた言葉で」と紹介するだけでは飽き足らず、「死と生と性を体現したもの、それが壇蜜です」とテロップが現れ、さらにセクシーな女性のナレーションと共に撮影現場のオフショットが続く。手持ちカメラの荒々しいカットと共に展開されるモンタージュ。なんだか「いっぱい撮ったけど、カットするのが悔しいからここで見せちゃいます」と言わんばかり。  その気持ち、よく分かります。  僕も「この表情を公開せずにいられるものか。HDに残しては罪だ」という思いを込めて、ミュージックビデオのように映像文法を無視して暴走したことが多々ある。そしてプロデューサーに「あれ、いらないよね。やりすぎだよ」と怒られる。苦笑いをされながら。で、僕も「『情熱大陸』にこのモンタージュは浮いちゃってるよ」と思ってしまった。でも、なんか、いい。 「SPA!」(扶桑社)の連載「グラビアン魂」で壇蜜さんが登場した時のことは今も覚えている。土俵が違った。こういうタイプの才能はピンク映画や舞台で活躍するのが「これまで」だった。その一線が超えられたんだな、と憂いを帯びた表情のグラビアを見て思った。  仏壇とお供え物を意味する芸名と、冠婚葬祭の専門学校に通い、死を身近に感じていたこと、中学生の頃から「愛人」とあだ名が付けられていたといった語られるエピソードも凄過ぎる。そして彼女は誰もが認める事件になった。この成果は10年後、彼女の活躍をぼんやりと目にした現在の少年少女が証明することになると思う。「壇蜜さんで性に目覚めた」と公言する有名人が登場し、「僕も私も」と名を挙げる人がどんどん現れるはずだ。ちょうど僕らの世代にとっての飯島愛さんがそうであったように。性の革命者はこんな形で現れるのだ。  そしてきっと今回の『情熱大陸』も今後、語られることになるのは間違いない。インタビューもこんなにも無音が続くのは珍しいのではないか。先週の林先生は「語りすぎる」くらいに語ることで、どこか質問自体をはぐらかすような答えが多かったが、彼女は「本音とか裸のとか、そういうのが困ります」と言い切り、答えたくないことには答えない。  グラビアの撮影でもブレがない。カメラマンが「幸せな感じで」と注文しても「幸せって何?」と聞き返す。テロップではこの漢字が使われたが、僕には「シアワセッテナニ」と聞こえた。周囲のスタッフが笑ってその場を取り繕うが、彼女は折れない。納得出来るまで待つ。僕がこの場にいたらと思うとゾッとする。その一方でここは絶対に誤摩化してはいけない場だということも分かる。女優はカメラマンの意図を問い、その答えを待つ。これは創作の場において、とても健全な答えだと思う。多分、編集者であると思われる人から「元気とか活発ということではないと思います、自分なりの……」という言葉で彼女は頷いた。  以後はプロフェッショナルな仕事が続いていた。泥水の中にも躊躇なく入り、スカートを脱いで、と言われれば即座に降ろす。映された写真も壇蜜なりの「幸せ」が見えたような気がした。 「そこにあるもの以外に裏側をどんなにめくったって出てこない」と言う壇蜜を『情熱大陸』のスタッフは北海道の一泊旅行へ誘う。彼女の希望した50ccのバイク、本場の味噌ラーメン、ヒヨコの選別を満喫してもらった後、温泉宿へ。個人的には入浴シーンを期待したが、湯上がりの彼女を待つカメラのアングルが素晴らしかった。据え置きの固定アングルで「偶然撮れてしまった」風だからこそ伝わる、ほのかなエロティシズム。これを写真で伝えるのは難しい。 就寝前、カメラマンとディレクターが彼女の部屋へと向かう。ただの和室なのに、なんだかエロい。まるで「これから」を期待してしまうような空間だ。スマートフォンを布団に置いた彼女は「すみませんでした」と笑い、すっぴんの素顔でインタビューに答える。制約のない今回の収録を「不安もあったけど楽しかった」と微笑んだ。ファインダー越しにこんな表情が見れたら最高だろうな、と想像出来る。 「自分がこうなりたい、とちゃんとまとまる前にこうなったから、今、最高でしょとか聞かれるのがキツイ」と現在、自分がもてはやされる状況を分析し、「もうちょっとだけ時がゆっくり流れないかな、って」と寂しそうに笑う。その瞬間、お馴染みの葉加瀬太郎氏の曲が流れたのだが、それまで僕は『情熱大陸』を見ていたことを忘れていた。  パーソナルな視点で壇蜜さんを見れたことが嬉しかった。いつか一回り下の世代の人と「壇蜜さんの、こんな情熱大陸って見た?」と語り合いたい。そんな想像さえしてしまった。主観で撮られた映像は、観る側の個々に響く可能性を秘めている。マスに開かれたテレビでは珍しい手法だが、壇蜜さんを被写体にして、そんなノーマルな発想で向き合うことは許されないのだ。 (文=松江哲明) ■おすすめ記事 不倫騒動の矢口真里、酔うと大変なことになる?復帰のカギは肉食キャラへの路線変更? 新橋のビジネスマン133人が選ぶ、一足早い“勝手に”AKB総選挙結果…主力陣苦戦 芸能プロ大手オスカー芸能マネジャーに聞く「“ポスト武井・剛力”のマネジメント」 岡村隆史、“妹分”矢口真里の離婚に「マジでか…という噂も耳に。謝罪の必要ない」 地下化された下北沢駅周辺の跡地用途は白紙?公園?小田急電鉄に直撃!

今でしょ!狂想曲に戸惑う林修先生、完璧な計算から透ける矛盾…『情熱大陸』出演!

 サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けします。 ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) コンドームのコンビニ販売普及で、自販機「明るい家族計画」が激減!売れるエリアと商品とは? 矢口真里不倫報道に、西川史子「結構前から噂で聞いていた。もともと夫婦関係破綻」 “加害者”家族の現実 失われる日常、自殺、退職、執拗な脅迫…広く親戚にまで影響 ■特にオススメ記事はこちら! 今でしょ!狂想曲に戸惑う林修先生、完璧な計算から透ける矛盾…『情熱大陸』出演! - Business Journal(5月26日)
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林修先生(「東進ハイスクールHP」より)
 経済ドキュメンタリー番組を日夜ウォッチし続けている映画監督・松江哲明氏が、ドキュメンタリー作家の視点で裏読みレビューします。 【今回取り上げる番組】 『情熱大陸』(TBS系/5月19日放送)  一週間前の予告編から楽しみにしていた予備校講師、林修先生の回。期待通りの映像ではあった。各地に引っ張りだこの様子が面白い。教室でも、住宅展示場でも、アイドルグループ乃木坂46との取材でも「今でしょ」とお約束のポーズを決める。東大に通う学生たちは「テレビ出すぎ」と批判するが、本人はいたって冷静だった。 「ちゃらちゃらテレビ出てきてやってるように見えるでしょうけど、そのあたりは冷静に自分の立ち位置とそこの環境がもたらす意義とを計算ずくでやってる」と断言する。  僕が初めて彼を見たのは、もちろん東進ハイスクールのCMだった。からきし勉強もできなかった僕なので「英語なんて言葉なんだ、こんなものやれば誰だってできる!」「公式は全て瞬時に導ける」と断言する講師の言葉は耳が痛い。そんなこと言われても、できなかったんです……、とテレビのスイッチを消したくなる。  しかし林先生の「今でしょ」は印象に残った。キャラ立ちが完璧だった。マンガから飛び出して来たかのような特徴のある顔に、口を尖らせての決め台詞。この人、完璧じゃん、と思った。そしたらテレビCMに『笑っていいとも!』(フジテレビ)出演。ついには『情熱大陸』(TBS)と来たものだ。その人気の秘密に迫る回なのかな、と期待しつつOAを見た。 林先生の授業も記録されているし、オフショットも満載だ。私生活も十分に映っていた。  狭い個別のパソコンの前で勉強する生徒たちが小声で「この先生ならついていきたいと思いました」と話すのもインタビューの仕掛けが感じられて面白かったし、結婚13年目になる産婦人科医の奥さんが語る先生の姿も興味深かった。「あんまりこういう人いなくないです?」と話す姿には、僕も思わずテレビのこっち側で「はい、確かに」と返答してしまったほどだ。  林先生の現代文の授業は、デートと比較することで分かりやすく解析していた。「デートと記述回答は最初に終わりを決めておく」のが鉄則だそうだ。「2回目、3回目はどこまでいくか」を考えながらデートをするように、現代文も解くのだ、と。  なるほどな、僕もこんな先生と会えていたら勉強を好きになっていたかもな。実家の近所にも東進があって、そこに一週間だけ通って挫折した僕でも、そんな錯覚をする授業だった。しかし、30分の放送を見終えた印象は、どこか寂しさが残るものだった。なんだろう、このモヤモヤした気持ちは。  もう一度放送を見返してみる。そしてふと気づいた。先生の言葉は、あまりに完璧なのだ。インタビュアーの質問に対し、十分過ぎる程の回答で答えてくれる。現在の人気の秘密をディレクターが聞いても、今の忙しさとそうでなくなるであろう未来とを「これ不連続関数なんですよ」と解説する。カバーがボロボロになった好きな作家たちの文庫本を嬉しそうに取り出し、解説する姿も可愛らしい。なんとも隙がない人だ。  しかし、だからこそ林先生はツッコんで欲しかったのではないだろうか。長期間同行したディレクターには、まとめきれない、曖昧な部分を見つけて欲しかったのではないか。現場で口論をするべきだ、という話ではない。 『情熱大陸』は時に被写体のパワーが溢れ過ぎて、放送事故ギリギリのような展開を見せる回もある。林先生は自分自身も点数がつけられない、矛盾する自分を発見したかったのではないか。そんなことを僕は思った。なぜなら「あと何秒で走り出します」と正確な形でマラソンを始めながらも途中で挫折する姿や、時折遠くを見つめ、言葉を探しながらも言葉を止めない、まるで自分自身を納得させながら話す様子が僕には魅力的に見えたからだ。  林先生は、自分のことを完璧に把握できている訳ではない。明らかに「流行」となっている今、戸惑っている。  そういう意味で番組の締めを、コントロールしきれない、限りなく生々しさが残る形で迎えたのは良かった。  放送当日の昼に行われた講義で林先生が語った言葉は「挫折について」だった。東大の同期会で先生が官僚を諦める程の才能と再会した時のことを、若き生徒たちの前で懐かしそうに語る。「人間って誰をライバルとして追いかけていくかが大きいのかな」と。だからこそ僕は先生の失敗をもっと知りたかった。そのヒントを先生は見せてくれていたのに。  この講義の後、ディレクターは「過去に点数をつけるとしたら」と質問をするが、先生は「過去に点数をつけて意味があるんですか」と反論する。ナレーションはこれを「玉砕」とまとめたが、僕は、先生をまた追って欲しいと思った。今度はひたすら観察するだけでいいと思う。インタビューをすることで、彼は講師の顔になってしまうから。 (文=松江哲明) ■おすすめ記事 コンドームのコンビニ販売普及で、自販機「明るい家族計画」が激減!売れるエリアと商品とは? 矢口真里不倫報道に、西川史子「結構前から噂で聞いていた。もともと夫婦関係破綻」 “加害者”家族の現実 失われる日常、自殺、退職、執拗な脅迫…広く親戚にまで影響 変われない人の共通点とは?決断力より重要な「否定力」「根拠なき自信」 ヴィトンら海外ブランド大幅値上げは横暴?円安が理由はオカシイ!百貨店も驚き

ぬるい『情熱大陸』の少女時代ドキュメンタリーでは国家の壁を超えない!?食事風景さえ追わない…

 サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けします。 ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) オセロ中島の早期復帰熱望に、テリー伊藤「病気直ってない。復帰前にすべきことある」 うつ病・社畜・就職浪人…… 生きづらい社会になった日本に全世界が同情中? 小出恵介はポスト・ジミー大西? お笑い芸人より目立つ“ギョウチュウ”俳優の発見 ■特にオススメ記事はこちら! ぬるい『情熱大陸』の少女時代ドキュメンタリーでは国家の壁を超えない!?食事風景さえ追わない… - Business Journal(3月29日)
少女時代
う〜んべっぴんさんぞろい。(「Wikipedia」より)
ーー『カンブリア宮殿』『ガイアの夜明け』(共にテレビ東京)『情熱大陸』(TBS)などの経済ドキュメンタリー番組を日夜ウォッチし続けている映画監督・松江哲明氏が、ドキュメンタリー作家の視点で裏読みレビュー! 今回の番組:3月24日放送『情熱大陸〜少女時代』(TBS)  「政治の軋轢を文化は超え得る」というナレーションに重なる、さいたまスーパーアリーナの風景に期待が高まった。  会場を埋め尽くす人の群れが凄い。「ハリウッドを超えた」という宣言で攻めて来た映画『シュリ』や、ヨン様ブーム、K-POPの人気もここまで来たか、と確認させられるオープニングカット。そして、このナレーションが意識しているのは最近の韓流ブームに対する反発についてだろう。  だが、少女時代はこんなにも支持されているのだ、と。  数々の雑誌記事とテレビ出演、中でも紅白歌合戦の映像がそれを証明している。しかし、色味を落としたコリアンタウン、新大久保の映像に「だが、去年の夏以降、日韓外交は急速に冷え込んだ」とナレーションが続く。「音楽番組への韓国人アーティストの出演機会が減った」とも。  僕はここである期待を抱く。  日本のアリーナを満員にする韓国トップアーティストの少女時代を通して、文化が政治とは別の力を持っていることを描いてくれるのではないか、と。画面左上の「日本初! 長期密着素顔と日常」という煽りも効いている。しかし、結論を先に書くと番組はどうにも消化不良のままで終わってしまった。  30分弱を通して描かれるのはメンバーのダンス練習とライブのリハーサル風景。オフショットと言っても私生活が撮れる訳ではない。打ち合わせ中、あまりに過酷なスケジュールに眠ってしまうメンバーがいれば、キャメラはそっと近寄って「聞こえてきた、小さな寝息」という倒置法がビシッと決まった『情熱大陸』的なナレーション。 『情熱大陸』よ、あまりにやさし過ぎないか。  以前、この連載で「本番中の役者の視線に入ってキャメラを回すのは失礼だと思う」と書いたこともあるけど、今回は引き過ぎではないのか。というか遠慮してるようにも見える。クリスマスイブに仕事で日本にいて、スタッフが「一年で一番大切な日に日本にいてくれてありがとう」という言葉をかけるけど、僕の印象では韓国はそれほどクリスマスイブに熱心とは思わない。「『(クリスマスは)恋人と過ごす日!』なんて言ってるの、日本人だけだよ」と、外国人の友人に言われたこともある。数年前、ソウルでイブを過ごしたこともあるが、逆に日本の過剰さを知ることが出来た。そんな日にも頑張って仕事をして、先に帰る『情熱大陸』スタッフに対し、全員起立して礼をする少女時代のメンバーというシーンがあるのだが、僕は「え、これを見せ場にしちゃうの」と取材の甘さを思ってしまった。というか取材対象者より先に帰る時点で密着じゃないし。そんなつまらないツッコミをしてしまう程、僕には残念な回だったが、だからこそ見えるモノもある。  それは少女時代が、日本で受ける取材には日本語で答える、というスタンスをとっていること。彼女たちの多くは、片言ながらも可能な限り日本語で伝えるようにしている。例えば日本ツアーについて聞かれればメンバーの一人であるスヨンは「楽しみですけど。すごく緊張してる。まだステージのフォーメーションとか分からなくて、今から行って、それのリハーサルをするんですけど、覚えるのがプレッシャー」と答えた。僕がこうして文章に起こすと、彼女が流暢に答えたかのように思われてしまうが、実際は句読点の間にどう伝えるべきか悩んでいる“間”がある。彼女たちが、できるだけ正確に、誤解のないように思いを伝えるその姿は、胸に迫るものがあった。  外国人が日本語を話す時、僕らはどこか微笑ましい気持ちになる。そこに一生懸命さがあるからだろうか。それとも懐かしい気持ちを刺激されるからだろうか。伝えたい、という気持ちを自然な会話や通訳を交えた交流よりも強く感じることは間違いない。ファンもそんな想いを感じて、より応援するのだろう。  そんなインタビューの後に彼女はスタッフに「ご飯食べましたか」と聞く。スタッフも彼女に同じ問いをすると「ご飯、ここで食べます」と楽屋に入った。僕は過密なスケジュールの中、何を、どんな風に食べるのかが気になるが、キャメラは追わない。食と睡眠は人の無防備な姿を見せてしまう。そういう意味でも撮影に挑んで欲しかった。きっと彼女も、あの雰囲気だったら取材を了解したのではないだろうか。  番組は冒頭で「政治の軋轢を文化は超え得る」と断言していた。その答えを制作スタッフは少女時代のメンバーの口から語らせようとする。だが「一部では韓国のアーティストの活動が少なかったという意見があるけど」という質問に対し、彼女たちは日本語で真意を伝えることは難しそうだ。これにもスヨンは「私の考えでは、音楽には国とか言葉が違っても問題がない。音楽は心から聞いてること。もっといい音楽を作りたい、聞かせたい」と答える。たどたどしくも、懸命さの伝わる日本語で。 「素直な情熱にも国境がない」とナレーションがフォローするが、それを体現しているのは少女時代のライブだ。番組のファーストカットで十分に証明されている。だからこそ僕は『情熱大陸』の視点をもっと見たかった。取材者が気付かない現実を、膨大な取材結果を通して、時には強引な形で見せてしまう、お得意の方法で。やさしさだけでは真意を伝えるのは難しい。 (文=松江哲明) ■おすすめ記事 オセロ中島の早期復帰熱望に、テリー伊藤「病気直ってない。復帰前にすべきことある」 うつ病・社畜・就職浪人…… 生きづらい社会になった日本に全世界が同情中? 小出恵介はポスト・ジミー大西? お笑い芸人より目立つ“ギョウチュウ”俳優の発見 逆三角形で、お腹すっきり! 須藤元気が教えるスーツで出来る筋トレで目指せ、細マッチョ!! 「服が透ける」スマホアプリは透けない!? ワンクリ詐欺で「スケベ野郎!」と罵倒され…

女子高生が鶏を育てて解体して食べる 「命の授業」は残酷か?

 サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けします。 ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 最近の生命保険は、顧客無視で商品ゴリ押し? 急増する乗り合い代理店に気をつけろ! 日本のコンテンツは韓国に負けている?タイのGDPは神奈川県?アジアのリアル 死と隣り合わせ!補修必要な高速道路10万件…国土強靭化計画でも間に合わない? ■特にオススメ記事はこちら! 女子高生が鶏を育てて解体して食べる 「命の授業」は残酷か? - Business Journal(3月4日)
福岡県立筑水高等学校の真鍋公士教師
(『情熱大陸 HP』より)
ーー『カンブリア宮殿』『ガイアの夜明け』(共にテレビ東京)『情熱大陸』(TBS)などの経済ドキュメンタリー番組を日夜ウォッチし続けている映画監督・松江哲明氏が、ドキュメンタリー作家の視点で裏読みレビュー! 今回の番組:2月24日放送『情熱大陸』(TBS)  カメラは鶏の首を持ち、ナイフを刺す生徒たちの表情を追う。嗚咽し、涙を流す少女たち。覚悟を決めた力強い意志を感じさせる男子生徒。そして、順番を待ってはいるものの、一歩を進めることさえ困難そうな塚本さん……。  この日の『情熱大陸』は福岡県立筑水高等学校の真鍋公士教師が主役だが、ディレクターの視点は彼女に向いていた。真鍋教師を軸に進めつつも、彼女の成長もしっかりと追う。そのように構成することで、番組の視点が視聴者に近くなる。そして首を切られる鶏を一切、映すことなく、しかしそれを見る生徒たちの表情を捉えることで、制作者が何を伝えたいのが明確になった。  このクラスでは食品流通科一年生の授業として毎年「命の授業」が行われている。鶏の受精卵を生徒一人ずつが飼育し、成長したそれを自らの手で解体し、食べるのだ。命の尊厳を肌で感じる授業はメディアにも取り上げられ、文部科学大臣奨励賞を受賞した。  だが、一方で批判もある。  学生にそんな残酷なことをさせなくても、という意見だ。しかし真鍋先生には直接体験することでしか伝えられない教育がある、と確信している。でなければこのような授業を16年間も続けられるはずがない。三カ月の最後、生徒たちは二つの選択を選ぶことになる。工場に出荷するか、自らの手で解体をするか。受精卵に名前を付け、愛着のある「子」を自らの手で「殺す」のには並大抵の覚悟ではないはずだ。  産まれた時から側にいて、今も安心して腕の中にいる鶏の命を選択するという授業。僕は『情熱大陸』という番組を通し、傍観する立場にいるが、ここに映る被写体たちの気持ちを思うと苦しい。しかし、それも想像でしかない。  僕は、卒業生の会話が印象的だった。ある女性は、学生の頃に妊娠し、周囲からは出産を反対されたが、「鶏の解体を経験したからこそ、堕胎という考えには至らなかった」と子供を抱きながら言う。「こんな時、真鍋は思う。自分のやり方は間違っていなかった」ーーそう、ナレーションが補足をするが、その思いは居酒屋で学生時代の彼女の写真を見つめ、笑う表情で十分に伝わった。  塚本さんは餌を上手く食べられない鶏の面倒を見る。養鶏場ならば切り捨てられてしまう、弱い命かもしれない。しかし、自ら名前を付けた命だからこそ助けられる。数カ月後には「食べられる」命だが、今はまだ違う。か弱い鶏を集団から離し、個別に餌を与える。一生懸命に食べる小さな鶏。その一生懸命な姿をカメラはローアングルで撮影する。  夕方、女性たちが「お友達つれてきた」と笑い合い、地面に直座りするさりげないカットがある。そこに重なる「学んでいるのは飼育だけではない。生徒たちは自分たちが生きている意味さえ突きつけられる」というナレーション。鶏も彼女たちの周囲を歩き回り、真鍋先生も加わる、よくある高校の放課後の風景だったが、何かかけがえのない瞬間を切り取っているようにも見えた。  いよいよ鶏を解体する時が近づいてきた。塚本さん自ら解体することに同意した。真鍋先生は「自分がかわいがってきたんだから、最後まで面倒をみてやろう」と思ったのではないか、とこれまで見てきた生徒と重ねて分析する。  冒頭にも書いたように、鶏の首を切る瞬間は、人間たちのアップで捉えられた。制作者はここまで丹念に真鍋先生と生徒たちに寄り沿い描いてきた。だからこそ彼らの苦しさが伝わる。しかし、この授業は命を頂き、調理するまで続く。真鍋先生が皮を剥ぎ、生徒たちは「おぉー」と驚きの声をあげる。スーパーや食肉店で見慣れた「肉」に変わると、生徒たちも仕事に没頭し始める。  真鍋先生は「必ず」という言葉を強く発する。 「人間は残酷で、必ず食べなきゃ生きていけない」「君たちが今、生きてるのも両親がいるからだ。それを絶対忘れちゃいけない」 「絶対」という言葉も、軽々しく使われてはいない。本当の事実だけを指す時に使う言葉なのだ、と思った。  番組は、塚本さんの作文で締められた。 「この命の学習を通して一つ一つの命の重さはもちろん、隣でずっと声をかけてくれた友達の大切さを改めて知る事ができました」と。命を扱うからこそ、それだけでない様々なことに気づける、そんなことを僕も気づいた。 『情熱大陸』のテーマ曲もいつもよりスローテンポで叙情的な雰囲気だった。番組スタッフも様々な発見があったんだろう。僕には真鍋先生と生徒たちへの感謝のように思えたのだが、考え過ぎだろうか。 (文=松江哲明/映画監督) ■おすすめ記事 最近の生命保険は、顧客無視で商品ゴリ押し? 急増する乗り合い代理店に気をつけろ! 日本のコンテンツは韓国に負けている?タイのGDPは神奈川県?アジアのリアル 死と隣り合わせ!補修必要な高速道路10万件…国土強靭化計画でも間に合わない? 4つの性格別「悩みの解決法」 この言葉が出ると注意 仕事の進捗が遅れる“NGワード”