スイス“脱税天国”終了で、中国・汚職官僚たちが顔面蒼白

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スイス経済の中枢であり、欧州屈指の金融センターであるチューリッヒ(Wikipediaより)。
 「ゴルゴ13」も、ギャランティの新たな振り込み先を検討しなければならないかもしれない。  6日にパリで行われた経済協力開発機構(OECD)閣僚理事会で、各国の税務当局間で金融口座情報などを自動交換する新たな基準に、スイスが合意したのだ。多国籍企業や海外居住者の課税逃れを防ぐことが目的だ。  これにより、スイスの金融機関が伝統的に保持してきた銀行顧客情報の機密性は、ほぼ完全に失われることとなった。  その影響が、意外なところで現れているという。「中国の高級官僚が大慌てしている」と話すのは、広東省ブロック紙社会部記者だ。 「スイスの金融機関には、その機密性をあてに中国高官が約5,000以上もの口座を開設しているといわれている。過去には、江沢民が3億5,000万ドルをスイスの銀行口座に不正に送金した疑惑が報じられたこともある。中国はOECDに加盟していないが、第三国の協力さえあれば、いくらでも顧客情報を見ることができるようになる。行動の早い高官たちはスイスの新基準への調印を前に、英領ヴァージン諸島をはじめとしたタックス・ヘイブンにペーパーカンパニーを設立し、スイス国内の口座にあった資金を移動させているが、そうした動きもある程度追跡できるはず。今後、汚職官僚の海外逃亡と、逃げ遅れたものたちの検挙が相次ぐことになるだろう」  同基準制定の裏には、国際テロ組織の資金の流れを断ちたいアメリカの圧力があったとも指摘されているが、中国の汚職官僚たちにとっては、とんだとばっちりとなってしまったようである……。 (文=牧野源)

住宅建築や移植用臓器まで……! 驚異的なスピードで普及する、中国の3Dプリンター事情

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押収されたものと同型と思われる拳銃「YouTube」より
 3Dプリンターで自作した銃2丁を所持していた神奈川県内の大学職員が、銃刀法違反の疑いで逮捕された。同拳銃は、厚さ2.5ミリのベニヤ板10枚を貫通するほどの威力を持っていたという。同容疑者によれば、実弾を作る技術にも自信があったという。  80年代から開発が続けられている3Dプリンターは、日進月歩の進化の一方で、乱用も懸念されている。  しかし、そんな懸念もどこ吹く風とばかりに、独自に3Dプリンターの無限の可能性を模索しているのが、お隣中国だ。  上海市のベンチャー企業によれば、自社開発の巨大3Dプリンターで家屋を建築することに成功したという。このプリンターは、小規模の家屋であれば1日に10軒ほど建築することが可能で、建築コストは1軒当たり日本円で350~550万円ほどだという。  また医療分野では、北京大学の医学部が3Dプリンターで出力した人工骨による治療を実用化。すでに100人近くの臨床例がある。さらに、浙江省杭州市の大学が中心となった研究チームは、3Dプリンターによって腎臓や肝細胞をプリントすることに成功したと発表。患者本人の細胞を利用し、肝臓や腎臓の移植用臓器を複製することを目標に、さらなる研究が進められている。  気になるのはその安全性だが、中国事情に詳しいフリーライターの高田信人氏はこう語る。 「3Dプリンターの導入に当たって、課題となるのが著作権と安全性。しかし、そのどちらにもおおらかな土壌の中国では、驚異的なスピードで3Dプリンターの普及が各産業で進んでいる。良いか悪いかは別として、中国は世界の3Dプリンター業界を牽引していくでしょう」  細かいことは気にしないのが、中国流の成長の秘訣ということか。 (文=牧野源)

もはや海水を飲むしかない中国 日本での水資源獲得も、さらに活発化!?

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イメージ画像(「足成」より)
 増大を続ける人口の一方で、水不足の危機が高まっている北京市が、海水を飲料用に淡水化する施設の建設を発表した。2019年をめどに、1日100万トンの海水を淡水化する能力を持つ工場を、隣接の河北省唐山市に建設するという。  世界でも離島や降水量の少ない地域では、海水を淡水化した水が飲用されているが、1000万人を超える大都市では例を見ない試みである。  ちなみに、北京市の地下水位は1998と比べて12.83メートル下がっており、地下水量は65億立方メートル減少している。さらに、03年に同市に設けられた応急水源地の地下水位も、当初の10メートルから40数メートルまで下降しており、取水能力が半減している。  ところが、工場の建設費用は1000億円以上になるとみられ、送水管敷設費用などを合わせると、このプロジェクトには約2700億円もの巨費が投じられる見込みだ。  こうしたコストは市民へと跳ね返ることとなり、北京市の水道料金は現在の2倍になるという試算も出ている。問題はコストだけではない。海水の取水源となる渤海沿岸は工業地帯となっており、工業廃水による汚染が深刻な海域として知られているのだ。  市民からは「高くて汚い水を飲まされる」という批判も出ているが、反対の声は漁師からも上がっている。海水の淡水化の過程で生じた高濃度塩水が海に排出されれば、海域の海洋生態環境に悪影響を与えるという指摘も出ているからだ。  まさに苦肉の策。ここ数年、日本でも水資源獲得が目的とみられるチャイナマネーによる土地買収が確認されているが、そうした動きも今後活発化しそうだ。 (文=牧野源)  

国策による外資叩きも中国人民は静観? 販売停止命令のニコン一眼レフが高値取引されていた!

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ニコン公式サイトより
 ニコンのアマチュア中級者向けデジタル一眼レフカメラ「D600」が中国で販売停止になっている問題で、ニコンは清掃などをしても撮影画像に黒い粒状の像が写り込む現象が改善しない場合は、新品のD600か同じ性能の製品に交換すると発表した。  同製品をめぐっては、中国国営中央テレビ(CCTV)が問題を指摘する番組を放送した後、上海市の工商局の命令を受け、ニコンが販売を停止していた。  ニコン側は責任を認めているものの、国営メディアによる報道と工商局による行政処分という連携プレーぶりには、「国策では?」といぶかしがる声も上がっている。   中国ではこれまで、マクドナルドやアップル、ソニーなど、多くの国際企業が「外資叩き」の対象とされてきているのだ。そんな中、当の人民たちは、ニコン製品の販売停止措置に対しても、至って冷静のようだ。  中国版Twitter「微博」には、「それでも日本製の不良品率は国産よりマシ」「この程度で販売停止していたら、中国から国産品はなくなるな」といった皮肉めいたつぶやきや、「政府は外国ブランドを貶めるのではなく、国内ブランドを成長させることに力を注ぐべき」という政府批判までが展開されている。  また、中国ネットモール最大手の「淘宝」では、ニコン製品が数多く出品されている。中には、販売停止されているはずのD600を日本から並行輸入したものも見られ、日本の実勢価格よりも2割ほど高い、強気の価格設定がされている。  「信用するなら、政府や国内メディアより日本製品」という、彼らの本心の表れか? (文=牧野源)

「アジアの食文化が白人に否定された」日本の調査捕鯨中止命令に、中国から意外な声

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鯨ベーコンも食べられなくなる!?(「足成」より)
 オランダ・ハーグの国際司法裁判所で、日本の調査捕鯨を禁止する判決が出された。南極海での調査捕鯨が国際捕鯨取締条約に違反するとして、オーストラリアが差し止めを求めた訴訟で、同裁判所がオーストラリアの主張を全面的に認め、今後の南極海の調査捕鯨を許可しないよう命じたのだ。  日本側は「判決を受け入れる」としており、1987年から続いていた南極海での調査捕鯨は中止されることとなる。  日本は、北西太平洋でも調査捕鯨を実施しているが、今回の判決は南極海に限定されており、北西太平洋の調査捕鯨の停止は求めていない。しかし、調査捕鯨中止を求める国際世論の中、北西太平洋でも今後、捕獲数の削減など大幅な見直しを迫られる可能性も出てきそうだ。    一方、この一件に意外な反応を示しているのが中国人民だ。  中国版Twitter「微博」には、 「小日本の負けだな。ざまあみろ」 「欧米でも日本は味方がいないな」 といったお決まりの日本批判もある一方、 「これは、アジアの食文化が白人社会に否定されたということだ。次にやり玉に挙げられるのは、我らが犬肉かもしれない」 と、対岸の火事ではないとする意見もある。また、 「美食の日本人がこれほどまでにこだわる鯨を、一度は食べてみたいな」 「鯨が食べられなくなる前に、日本に食べに行くべきかな」 と、日本の鯨肉食文化への興味を表明する書き込みも見られた。  そもそも中国人は、「飛ぶものは飛行機以外、四本足のものは机とイス以外」なんでも食べるというほど、食に寛容な国民性。日本は彼らを鯨肉でもてなして籠絡し、鯨肉食文化保護のために共闘すべし?  (文=牧野源)

「きれいな空気が吸えるのなら……」大気汚染が止まらない中国で、金持ち用“空気シェルター計画”が浮上!?

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イメージ画像(「足成」より)
 PM2.5をはじめとする大気汚染が深刻化する中国で、「大気汚染物質遮断マンション」が人気となっている。  このほど北京市内で分譲が開始された高級マンションでは、 外部の空気をろ過・浄化して取り込むことができる最新鋭の空気清浄設備を屋上に備えている。これにより、各戸では家庭用空気清浄機は不要となるという。また、地中熱ヒートポンプや空調システムにより室温や湿度も調節され、棟内は常に「高原のような快適さ」という触れ込みだ。1平米あたりの分譲価格は約63~66万円と予想されており、周辺の相場と比べても強気の価格設定となっている。  北京市の最新の高級マンションでは、こうした空気清浄機能はもはや常識となりつつあるという。しかし、広東省ブロック紙社会部記者によると、北京市内ではさらに驚きの計画まで浮上しているという。 「マンションも備えた複合商業施設を無色透明の巨大なドーム状の幕で覆い、内部には浄化した空気を充満させるというシェルター化計画を、大手デベロッパーが立案している。荒唐無稽に思えるが、大学教授などが参加するプロジェクトチームも発足していると聞く。富裕層の間では、海南島をはじめとする比較的大気の汚染度が低い地域への移住もブームとなっているが、 北京できれいな空気が吸えるなら、金に糸目は付けないという人も多い。現時点では研究段階だが、今後も大気汚染の深刻化に歯止めがかからなければ、実行に移される可能性もある」  結局、きれいな空気を吸うのも金次第ということになりそうだ。そんなことより、汚染源の撲滅を進めたほうが簡単な気もするのだが……。 (文=牧野源)

背景に陳情者の締め付け強化? 全人代会期中に連続焼身自殺が発生!

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天安門(Wikipedia)より
 13日に閉幕した、中国の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)。実は9日間の会期中、とある異常事態が発生していた。全人代の会場である人民大会堂からも程近い天安門周辺で、2件もの焼身自殺が発生していたのだ。  全人代開幕日の5日午前、天安門前の金水橋そばで突然、白煙が上がった。目撃者によると、40代の女性が突然、自らの衣服に火をつけたのだ。その直後、付近で警戒中だった警察が消火器で火を消して彼女を連行したというが、その後の安否は分かっていない。  ちなみにこの事件に関し、ネット上で情報発信した人権活動家の中国人女性が、当局に拘束されている。  さらに10日の早朝7時前、再び金水橋で30代の女性による焼身自殺が発生。これは、現場にいた私服警官に阻止されて未遂に終わっている。  しかし、全人代会期中であり、昆明駅の無差別テロの直後という超厳重警戒中の天安門周辺で、数日中に2件もの焼身自殺事件が起きるのは異例のことである。  その背景に、「陳情者の締め付け強化」を指摘するのは、中国事情に詳しいフリーライターの高田信人氏だ。 「全人代の時期には、中央の『陳情窓口』を目指して多数の陳情者が地方から北京を訪れる。さらに、中央からのマイナス査定を恐れて陳情を食い止めようとする地方当局もやって来て、彼らを連れ戻すということが毎年行われていのですが、今年は北京に派遣される地方当局の人員が例年より多かったといわれている。習近平による腐敗撲滅運動の最中、陳情が命取りになりかねないため、地方役人も必死なのでしょう。焼身自殺を図った2人に関しては、北京に陳情に訪れていたという情報もある。最後の希望だった陳情を阻まれ、命をかけて声を上げた可能性もある」   ネット上を中心に言論統制を進める習近平政権で、今後も“命の陳情”が頻発する!? (文=牧野源)

経済破綻の引き金か……中国社債デフォルト第1号は、大気汚染が原因だった!?

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イメージ画像(「足成」より)
 中国で、史上初となる社債のデフォルト(債務不履行)が発生した。社債を発行していたのは、太陽光発電関連メーカー「上海超日太陽能科技」で、3月7日に期限を迎えた約15億円分の利息が支払えなかったのだ。昨年には、太陽光パネル中国最大手「サンテックパワー」が破産したばかりだが、ほかにも中国には多くの太陽光発電関連の企業が、破綻の危機に瀕しているという。  中国の太陽光発電の新規導入量を見ると、2013年は1130万キロワットと前年の約3倍に急拡大しており、初めて世界の首位に立っている。世界の新規導入の約3割を中国が占める計算である。  数字だけを見れば、中国の太陽光発電業界は拡大しているように見えるが、「新規導入の多くは、企業が抱える在庫の処分を目的とした政府主導の救済措置によるもので、利益にはつながっていない」と指摘するのは、広東省ブロック紙社会部記者だ。 「中国製太陽光パネルは、価格競争力を武器に世界でシェアを伸ばしてきたが、欧米で反ダンピングのやり玉に挙げられた結果、サンテックパワーをはじめとする多くの企業が苦境に陥った。そこで、中国政府は太陽光パネルの内需拡大を図ったが、PM2.5や黄砂のおかげでよほど田舎に行かない限り、日照量はほとんど期待できない。また、太陽光パネルの盗難事件も多発しており、防犯対策を行うと採算が合わなくなる。太陽光発電業界には、ほかにも瀕死の企業が数多いが、そのほとんどは数年内に淘汰されるのでは」  クリーンエネルギーである太陽光発電は、人の心も空気もクリーンではなければ成り立たないということか。それにしても、大気汚染が原因で中国経済が破綻したとしたら、こんな皮肉なことはなかろう。 (文=牧野源)

ファンサイトに、写真入りグッズも……中国でプーチン人気が広がるワケ

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「週刊ニューズウィーク日本版 2014年3/4号」( 阪急コミュニケーションズ)
 ウクライナ政変に乗じ、クリミア半島での支配を広げるロシアで、プーチン大統領の支持率が上昇している。全ロシア世論調査センターによると、3月1~2日の時点でプーチン大統領の支持率は67.8%に達し、2012年5月に3期目に就任して以来の最高値となった。  そんな空前のプーチン人気が、隣国である中国にも及んでいるという。北京市在住の日本人男性は語る。 「微博(中国版Twitter)では、ロシアがクリミア半島を事実上制圧したころから、プーチンをたたえる書き込みが相次いでいるし、プーチン大統領のファンサイトまで登場しています。また、ニセモノ市場としても知られるショッピングモールの秀水街などでは、プーチンの写真がプリントされたTシャツや胸像が売られている。中国のメディアは最近、やたらプーチンに好意的で、表紙にプーチンを登場させる雑誌も複数ある」  中国で、外国の現役指導者がこれほどまでに人気を集めるのは異例のこと。こうした人気の理由について、広東省ブロック紙記者はこう話す。 「中国人は昔から『強い指導者』に憧れを持っている。意外かもしれませんが、日本の田中角栄や小泉純一郎は、中国でも政治家としての評価が高かった。プーチン大統領の、テロや隣国に対する断固とした姿勢は、まさに中国人の理想の指導者像。ただ、ここまでの人気の裏には、同様の問題に手をこまねく、習近平政権への弱腰批判が暗に秘められているともいえる。当局も危機感を感じ、ネット上での過剰なプーチン礼賛に対し、言論統制を強めている」  中国人民は、日本の一部をアジアのクリミア半島にしたいと願っているのかもしれない。 (文=牧野源)

前代未聞の叩き売り……不動産バブル崩壊で、ついに中国経済の瓦解が始まる?

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イメージ画像 photo by Stephen Hanafin from flickr.
 これまで、右肩上がりの上昇を続けていた中国の不動産価格が、ついに失速を始めた。浙江省杭州市の不動産開発会社が、分譲マンションのバーゲンセールを始めたのだ。値下げ幅は約10%で、前代未聞の叩き売りといえる。  同市では約12万戸の物件が売れ残っており、不動産開発会社の資金繰りが悪化していることが背景にあるとみられている。これに対し、不満を爆発させているのは、値下げ前に物件を購入した人々だ。市内では、購入者による抗議活動も活発化しており、警察が出動する事態にもなっている。  不動産価格の下落は、 経済規模で全国各省市区の首位に立つ広東省でも。現地在住の日本人男性は、こう話す。 「これまでは、募集時に公表されたマンション価格が、その後、上がることはあっても、下がることはなかった。しかし最近では、募集後に自動車や海外旅行、地金のプレゼントキャンペーンを始めるなど、実質値引きを盛んにやっています」  不動産バブル崩壊の足音ともいえる状況を前に、「あおりを食らうのは、不動産オーナーだけではない」と話すのは、広東省ブロック紙の社会部記者だ。 「最近、中国では、理財と呼ばれる高利をうたったファンドのいくつかがデフォルト(債務不履行)の危機に直面していることが盛んに報じられているが、実はほぼすべての理財は、不動産開発への投資で運用されている。年内には60兆円規模の理財が償還期限を迎えるが、不動産価格の下落が続けばそのすべてがデフォルトすることになる。中国メディアや欧米メディアは、投資家の危機感をあおりたくないので報道を自粛しているが、危機は確実にそこまでやってきている」  中国経済の瓦解は、すでに始まっている? (文=牧野源)