
中国の路上で使用される電動一輪車
高速道路に出没するヤギの群れや牛車、交差点を縦横無尽に爆走する電動自転車など、中国の公道には危険がいっぱいだが、路上に新たな「厄介者」が出現している。日本ではあまりなじみがないが、セグウェイと似たような仕組みで動く、「電動一輪車」が急増し、社会問題になっているのだ。
「昨年末から年明けにかけて、一気に路上でも見かけるようになりましたね。多いのは大学生や子どもで、歩道をビュンビュン走ってるので危ないです。大人もけっこう乗ってて、僕の知り合いの会社員は『通勤ラッシュの地下鉄に乗りたくないから』という理由で、毎日片道15キロくらいこれで往復しているそうです。通行方向も気にすることなく、階段があれば持ち上げて歩けばいいので、便利といえば便利ですね。いつも会社で充電していると言ってました(笑)」

このセグウェイもどきの一輪車、もともとはアメリカやヨーロッパで普及していたという。日本でも一部の業者が輸入販売しているが、セグウェイ同様、公道での利用は不可だ。中国でも原則は公道での使用は禁止されているが、遵法精神がユル~いお国柄もあり、警察もあまり積極的に取り締まっていないという。ただし、電動一輪車の都市部での急増を受け、北京市は新たな法律を作って禁止する意向だという(「中国広播網」2014年12月20日付)

ネット上でも多数の電動一輪車が販売されている。安価なものは要注意!?
ちなみに、この電動一輪車の多くは2~5万円の価格帯が多いという。重さは約10kgと重いが、満充電で30~40kmの走行が可能だ。一般的なもので時速十数キロと自転車よりは遅いが、歩く速度よりは3倍近く早くなるという。作りは至ってシンプルで、一見、ただのタイヤ状のものに見える。これに両足を載せて体重をかけると走りだす。深セン市で機械系の委託生産工場を営む日本人は言う。
「心臓部となるジャイロセンサーの量産・低価格化が進んだのと、電動一輪車で使用する小型で大容量のバッテリーも普及したことで、各社が一気に参入しているようです。ただし、そのへんの町工場がテキトーに作った粗悪品もたくさん流通しているので、注意が必要ですね。とくにこっちで1~2万円前後で売られているものはヤバイ。友人は『満充電したばかりなのに突然、電池切れとなって止まり、転倒した』と言ってました。転倒ならまだいいですが、暴走や爆発で死亡事故が起こったらシャレになりませんよ。日本で並行輸入販売されている中国製は、避けたほうがいいかもしれません」
新たな移動手段として期待される電動一輪車だが、中国においては新たな路上の狂気、いや凶器となる可能性もあるようだ。
(取材・文=金地名津)