お笑い評論家・ラリー遠田の『2013年お笑い総決算!』【賞レース編】

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吉本興業 芸人プロフィールより
 2013年のお笑い界をさまざまな観点から振り返っていきたい。まずは2013年のお笑い賞レース戦線についてまとめてみよう。この1年に行われた、主なお笑い賞レースの結果を以下に列挙する。 【1月】『ABCお笑いグランプリ』優勝:ジャルジャル 【2月】『R-1ぐらんぷり』優勝:三浦マイルド 【3月】『NHK上方漫才コンテスト』優勝:ウーマンラッシュアワー 『オンバト+』チャンピオン大会 優勝:トレンディエンジェル 【4月】『上方漫才大賞』大賞:千鳥、奨励賞:テンダラー、新人賞:プリマ旦那 【7月】『お笑いハーベスト大賞』優勝:夜ふかしの会 【9月】『キングオブコント』優勝:かもめんたる 【10月】『NHK新人演芸大賞』大賞:学天即(演芸部門)、鈴々舎馬るこ(落語部門) 【11月】『MBS漫才アワード』優勝:吉田たち 【12月】『THE MANZAI』優勝:ウーマンラッシュアワー  最初に目につくのが、『NHK上方漫才コンテスト』『THE MANZAI』の2冠を達成したウーマンラッシュアワー。『THE MANZAI』では、予選1位通過を果たし優勝候補の筆頭と言われていた彼らが、見事に期待に応えた。それぞれの個性を生かしたハイスピード漫才で圧倒的な力を見せつけて、千鳥、NON STYLEの猛追を振り切って優勝を果たした。  ウーマンラッシュアワーの村本大輔は、平気でファンに手を出す「ゲス芸人」キャラが認められ、バラエティでも活躍中。『THE MANZAI』優勝をきっかけに、2014年はさらなる飛躍が期待できそうだ。  ただ、ウーマンラッシュアワー以外の賞レース覇者の顔ぶれを見ると、例年よりも地味な感じは否めない。例えば、昨年(2012年)は『R-1ぐらんぷり』優勝のCOWCOWの多田健二、『NHK新人演芸大賞』優勝のうしろシティ、『キングオブコント』優勝のバイきんぐなどが、その後も活躍して売れっ子になった。  だが、今年それなりにテレビに出ている印象があるのは、『上方漫才大賞』の千鳥と『キングオブコント』優勝のかもめんたるだけ。それ以外の芸人はまだまだこれからが勝負といったところ。たとえ激戦を勝ち抜いて賞レースを制しても、そこはまだスタート地点に過ぎない。本当の戦いはそこから始まるのだ。  昨年の例で言えば、COWCOW多田には「あたりまえ体操」という強力な持ちネタがあり、バイきんぐの小峠英二には「なんて日だ!」というキャッチーなフレーズがあった。ネタを磨いて賞レースを制してからは、ネタ以外の部分で自分たちの魅力をアピールしていく必要があるということだろう。  また、お笑い賞レースという枠には当てはまらないが、今年最も人気があった芸人は誰なのかを示すデータも存在している。オリコンの「2013年ブレイク芸人ランキング」では、大久保佳代子(オアシズ)が1位。ニホンモニターの「2013年テレビ番組出演本数ランキング」では設楽統(バナナマン)が1位に輝いた。  今年はキンタロー。、やしろ優をはじめとして数多くの女性芸人が活躍していたが、大久保の勢いは群を抜いていた。下ネタやセクハラを堂々と自分の武器にしたことで、同世代の女性を中心に熱狂的な支持を得た。  設楽は、「テレビ番組出演本数ランキング」で昨年に続いて2年連続の1位。有吉弘行、後藤輝基などの新世代MC芸人が台頭する中でも、帯番組を持っている設楽の安定感が秀でていた。今年は、帝王・設楽に、女帝・大久保がどれだけ迫ることができるのだろうか? (文=お笑い評論家・ラリー遠田)

「もう帯番組はいい……」タモリが文春のインタビューで『いいとも』タブー話を解禁!?

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「タモリカップ横浜」公式Facebookより
 3月の『笑っていいとも!』(フジテレビ系)終了まで、残すところあと1クールとなったタモリが、25日発売の「週刊文春」(文藝春秋)の対談連載「阿川佐和子のこの人に会いたい」に登場した。  21年続く同連載は、今号が1,000回記念。普段、雑誌のインタビューはほとんど受けないタモリだが、付き合いの長い阿川の連載ということもあり、引き受けたようだ。  対談では、デビュー当時の思い出や、『いいとも』終了直前の心境、終了後の生活の予定などを話している。  タモリは、『いいとも』終了に至った経緯については、言葉を濁したものの、帯番組の出演については「もういいです」と吐露。「少しゆっくりしたい」としながらも、面白そうな新番組のオファーは受けるつもりだといい、68歳となった今でも、まだまだ休む気はなさそうだ。  また、2人はこれまでタブーとされてきた「テレフォンショッキング」の裏側についても触れている。演出として“お友達紹介”形式(昨年4月まで)がとられていたものの、次回以降のゲストが事前に決まっていたことは有名だが、タモリはさらに、番組開始時からそうであったと話し、タレントに声をかけてから出演まで“一週間弱”と短いため、スタッフはスケジュール調整に難航してたことまで明かした。 「『いいとも』終了に合わせ、来年は非公式のメモリアル本や、タモリ考察本などが、さまざまな出版社から刊行されるでしょう。また、現在の共演者をはじめ、過去の出演者の口からも、思い出や裏話が聞けるでしょうから、32年のグランドフィナーレへ向け、タモリさんの周辺は騒がしくなりそうです」(芸能記者)  毎日のようにテレビで見られるものの、どこか謎に包まれた存在のタモリ。『いいとも』終了をきっかけに、関係者だけが知るタモリの素顔を、私たちも少しだけ覗くことができるかもしれない。

被害者が楽しんごに「ゴキブリやイモムシを食べさせられた」と衝撃告白!! 味を専門家に聞いてみた

tanoshingo1015.jpg  今年7月21日に「(参議院選の)投票に行こうとしたのに、頼んだ時間に起こしてもらなかった」と怒り、元恋人男性を数回殴ったとして、年明けにも書類送検される見通しのお笑い芸人・楽しんご。被害者の男性が、20日発売の「FRIDAY」(講談社)でさらなる被害を告白をしている。  男性は、これまで暴力のほかにも、「6リットルの水を飲まされた」「包丁を押し当てられ『指詰めろ!』と脅された」「楽しんごの排泄物を無理やり食べさせられた」など、楽しんごの惨忍な行為の数々を暴露。  新たな証言によれば、5月頃、男性が仲間と楽しんごの家に遊びに行った際、楽しんごが飼っているゴキブリやイモムシを油で揚げ、「イケてるでしょ!」と言いながら、男性に無理やり食べさせたという。  日本の一部地域では、郷土料理として“蜂の子”や“イナゴ”を食べる風習はあるものの、さすがにゴキブリは聞いたことがない。悪ふざけにしては、あまりにも行き過ぎた行為に思えるが、書籍『むしくいノート びっくり!たのしい!おいしい!昆虫食のせかい』(カンゼン)の著者で、虫食いライターのムシモアゼルギリコ氏は「ゴキブリはおいしい」と話す。 「おそらく楽しんごさんは、自宅でなんらかの爬虫類を飼っていて、そのエサとして、ゴキブリやイモムシを飼ってらっしゃるのではないでしょうか? だとすれば、男性が食べたゴキブリは、“マダガスカルゴキブリ”か“デュビア”の可能性が高いですね」  爬虫類ショップなどで売られている虫は、人が食べても害はないという。楽しんごに無理やり食べさせられた男性は、どんな味がしたのだろうか? 「マダガスカルゴキブリは、大きいものだと体長7センチくらい。男性が食べたゴキブリが、もしそのくらいのボリュームだとしたら、丸揚げしても外の殻が固めなので、食べるのは少し大変だったかも。肉の部分は、白身魚によく似た味がします。特に子持ちのメスは、コクがあってすごくおいしい。オスの場合は、お腹の中にある臭腺を、ピンセットなどで抜いてから調理したほうがおいしく食べられますよ。デュビアは、マダガスカルゴキブリより一回り小さく、皮が軟らかいので、丸揚げすればサクサク食べられます。こちらは白身魚というよりは、エビ寄り。殻の香ばしさを楽しむタイプのゴキブリだと思います」  また、男性が食べたイモムシは、主に“ミールワーム”や“カイコ”あたりが、可能性として考えられるという。 「ミールワームは、ジューシーで甘味が強い。揚げればナッツみたいにパリパリ食べられます。カイコは、揚げると『ポテトチップス のりしお味』に似ています」  どうやら、おいしいようだ!

ロバート馬場、カンニング竹山、グッチ裕三……芸能界“料理芸人”のメリットとは

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『ロバート馬場ちゃんの毎日毎日おいしい本』(KADOKAWA)
 お笑い芸人トリオ、ロバートの馬場裕之がレシピ本『ロバート馬場ちゃんの毎日毎日おいしい本』(KADOKAWA)を出版した。17日に行われた発表記念イベントでは、同じくロバートの秋山竜次や山本博も登場し、「母親の料理よりもおいしい」と馬場の料理の腕前を絶賛していた。 「レシピ本出版のキッカケとなったのは、先輩芸人の今田耕司だそうです。今田が馬場の料理を絶賛したことで評判が広まり、テレビなどで披露するようになったといいます」(芸能ライター)  今回のレシピ本出版は、馬場とロバートにとって初めての著書。芸人なのに、初の書籍がお笑いではなく料理なのは痛しかゆしだが、実際、料理自慢の芸人は多い。 「不遇の時代にアルバイトとして飲食店で働いた経験があったりしますからね。例えば、カンニング竹山などはバラエティ番組でも飲食店勤務の経験をアピールしていますよね。飲食店勤務の経験があるだけで、料理上手というわけでもなさそうですが(笑)。本格派なのが、メッセンジャー黒田。元板前でふぐ調理師の免許も持っています。ハイキングウォーキングの松田洋昌も芸人になる前は、パティシエとして洋菓子店で働いていたそうです」(同)  一方、趣味が高じて、料理に一家言持つようになった芸人も。 「代表的なのは、グッチ裕三でしょう。1990年代後半ぐらいから料理の分野に進出し、レシピ本の出版は言うに及ばず、テレビ番組の中で自身の料理コーナーを持ったり、02年からはNHK『きょうの料理』にレギュラー出演しています。もはや、料理が本業と言っていいほど。また、キム兄こと木村祐一やキャイ~ンの天野ひろゆきも、料理好きとして知られています。前者はコンビニ弁当をプロデュースしたり、後者は『リンカーン』(TBS系)といった番組などで料理に対する造詣の深さを披露していましたね。そのほかにもペナルティのヒデやほっしゃん。、チュートリアルの徳井義実と福田充徳も料理好きのようです。ああ、それと忘れちゃいけないのはタモさんですね(笑)」(同)  料理自慢の芸人にとってオイシイのは、趣味の料理が仕事に結びつくということ。グルメ番組や料理対決などのバラエティ番組といった具合に、料理ができる芸人には一定のニーズがある。うまくすれば、今回の馬場のようにレシピ本の出版まで期待できる。“芸は身を助ける”とは、まさにこのことだろう。

若手を奴隷化!? 幕張“絶望劇場”イオンで「身分を隠して」働くよしもと芸人たちの悲鳴

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「よしもと幕張イオンモール劇場」公式サイト
 今月20日、国内最大規模の商業施設「イオンモール幕張新都心」と共にグランドオープンする吉本興業の新劇場「よしもと幕張イオンモール劇場」について、驚きの実態が明らかとなった。  「イオンモール幕張新都心」は、「大人」「ファミリー」「ペット」「スポーツ」の4つのモールから構成され、20日には360店舗がオープン。食料やファッションの販売店舗のほか、東映特撮ヒーローの世界を体験できるミュージアムや、スポーツのプロ選手がバックアップする体験型スポーツ施設、親子向け仕事体験テーマパーク「カンドゥー」など、娯楽施設も充実している。  「よしもと劇場」では20日から連日、中田カウス・ボタン、西川きよし、オール阪神・巨人などのベテランから、NON STYLE、ウーマンラッシュアワー、パンサーといった旬の芸人まで、テレビでお馴染みの有名芸人が出演。キャパは約300人と中規模ではあるが、ほかの劇場と比べても力の入れようが明確だ。  しかし、この劇場については、以前から不入りを危惧する声も多い。JR京葉線「海浜幕張駅」と「新習志野駅」のほぼ中間に位置し、両駅からバスで7~8分という不便さから、芸人でさえ「あそこには行きたくない」「都心から往復3時間は遠すぎる」と難色を示しているほど。  これまで、立地の悪さなどから「品川よしもとプリンスシアター」や「京橋花月」を、わずか数年で閉館している吉本だが、この劇場だけは、絶対に失敗できない理由があるという。 「吉本は、このイオンとの業務提携により、幕張だけでなく、アジアを中心とした海外にも進出しようとしています。来年以降、イオンはベトナム、カンボジア、インドネシアなどにオープン予定で、吉本の大崎洋社長も頻繁に視察へ行っている。その足がかりとなる幕張劇場は、イオンにメリットをアピールするためにも、失敗は許されないんです」(吉本興業関係者)  そんな吉本の“アピール作戦”は、こんなところにも表れているという。 「販売店や、仕事体験テーマパーク『カンドゥー』など、モールの随所に若手無名芸人を送り込み、オープン前から長時間・低賃金で働かせています。お笑いに一切関係のない“棚卸作業”などを黙々とやらされる芸人たちは、まさに“奴隷”。さらに彼らには、自分が芸人であることを客に隠すよう指導していますから、当然『こんなことするために、(NSCの)授業料40万円払ったわけじゃない』と不満も出ているでしょうね。まあ、会社(吉本)からしたら、売れない芸人の不満なんて、知ったこっちゃないですけど」(同)  吉本のブラック企業ぶりが明らかなこの一件。「よしもと幕張イオンモール劇場」は、約300席を客で埋めることはできるだろうか?

「痴話ゲンカも金で解決!?」“銭ゲバ”楽しんごの元恋人マネジャー暴行事件の経緯、よしもとが説明

tanosingo1003.jpg  元マネジャー男性への傷害容疑で、年明けにも書類送検される見通しのお笑い芸人・楽しんごについて、所属するよしもとクリエイティブ・エージェンシーが18日に経緯を発表した。  事務所によると、2人は昨年5月に知り合い、同年12月24日のクリスマスイブから交際をスタート。公私共に親密な関係を築いていたが、今年7月に自宅で“些細なことがきっかけで”口論となり、楽しんごが男性を数回にわたり殴打。軽傷を負った男性に、楽しんごは治療費として2万円を渡し、和解した。  しかし、その2、3日後、男性から別れ話を切り出され、破局。謝罪の意味で再び5万円を渡したが、同日、楽しんごは男性の知人女性から呼び出され、暴力団の名前を出し「誠意を見せろ」と脅されたため、再度、男性に100万円、女性に10万円をそれぞれ支払ったという。  男性は、暴行を受けたとして被害届を提出し、8月末発売の写真週刊誌「FRIDAY」(講談社)で「一方的に100万円が振り込まれた」と告発。  一方、楽しんごも、9月に警察で事情を説明。その直後に、男性から107万円が戻されたが、和解せずに10月初旬頃に被害届を提出した。  よしもとは、「楽しんごが被害を受けた恐喝の件については、適切なる処分を望みます」としながらも、「そもそもの発端は、楽しんごが暴力をふるったことにある」とし、「厳重注意処分とした」と発表。来年以降のお笑いライブへの出演もすでに発表されているため、解雇や謹慎などの処分はなさそうだ。  この事務所の発表に対し、世間からは「よしもとは、いつも処分が甘いな」「こんな凶暴な芸人のネタなんて、もう笑えない」「ラブ注入されたくない」などの声が上がっている。 「サイドビジネスに力を入れ、“銭ゲバ”としても有名な楽しんごさんですが、恋人に暴力をふるった後に、すぐに金銭を渡して解決しようとするあたりに、彼の悲しさを感じますね。ネットでは、“怖しんご”“殴しんご”などと凶暴な部分ばかりが揶揄されていますが、そうなってしまった原因は、“悲しんご”だからかもしれません。ちなみに、楽しんごさんは“ネコ”だそうです」(芸能記者)  暴力をふるった理由は、「早朝に起こさなかった」ことだといわれているが、今後、楽しんごに朝起こすよう頼まれた人は、ヒヤヒヤものだろう。

『THE MANZAI 2013』ウーマンラッシュアワーが魅せた「生身の人間が言葉を操る」という漫才の醍醐味

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日清食品『THE MANZAI 2013』公式サイトより
 2013年12月15日、漫才の祭典『THE MANZAI 2013』の決勝大会が行われた。エントリー総数1855組の頂点に立ったのは、ウーマンラッシュアワー。決勝大会への最終予選に当たる「本戦サーキット」でも堂々の1位通過を果たしていた大本命の2人が、実力をいかんなく発揮して悲願の優勝を手にした。  2011年に『THE MANZAI』が始まって以来、ウーマンラッシュアワーは3年連続決勝進出を果たしている。今年は過去最高の仕上がり具合で、決勝前から優勝候補の筆頭とウワサされていた。また、ボケ担当の村本大輔は「ファンに手を出している」と公言する「クズ芸人」キャラとして、バラエティでも活躍し始めていた。  追い風に乗る彼らにとって、今年の『THE MANZAI』は過去最大のチャンス。ただ、だからこそ、なんとしても負けられない戦いでもあった。彼らは、満を持して決勝で演じる2本の漫才を最高の形に仕上げてきた。  決勝の1本目で披露されたのは、村本が相方の中川パラダイスをどんどん悪者に仕立てていくという設定のネタ。村本は中川に「男がおごることが当たり前だと思っている女性がいる。そんなわがままで自分勝手な女性をどう思う?」と尋ねる。中川は話に乗っかって「最低ですよ!」と応じる。すると、村本は「でも僕は、そういうところも全部含めて、女性って素敵やなあと思うんですよね」とサッと手の平を返す。  次に村本は、「めちゃめちゃ美人で性格の悪い女性」と「めちゃめちゃブスで性格のいい女性」、どっちと付き合いたいか尋ねる。女性を顔で選んでいると思われたくない中川は、もちろん後者だと回答。すると村本は「僕はね、女性に順位をつけるべきじゃないと思うんです」とバッサリ切り捨てる。その後も、この調子で中川は村本が仕掛けた罠に次々とはまっていく。  そして、見る側がこの漫才のシステムに慣れてきた中盤、ガラッと流れが変わる。それまで村本は中川を「女性の敵」に仕立てていたのだが、ここからは別方向に話が転がっていく。中川がこぼした「犬みたいなもん」というせりふの言葉尻を捉えて、「聞きましたか、愛犬家の皆さん!」と叫ぶ。さらに、中川がなにげなく発した「皆さんは関係ないやろ」というフレーズに対する村本の返しは圧巻。 「聞きましたか、皆さん! この日曜日の忙しい時間帯を割いて僕たちの漫才を見てくれている皆さんが関係ない!? テレビの前で国民ワラテン(一般視聴者審査員によるケータイ投票)を一生懸命押していただいている皆さんが関係ない!? いいですか皆さん、漫才というのは僕がボケて彼がツッコんで皆さんが笑う、この3つが合わさって初めて漫才ができるんです。ということは、皆さんは僕たちの3人目の相方なんじゃないでしょうか!?」  ここで客席から拍手喝采が起こった。超高速でまくしたてる村本のしゃべりに、中川は口を挟む暇もない。村本は言葉でトラップを張り、勢いと理屈だけで白を黒と言いくるめてしまう。このネタを見る観客は、最高の技術を備えた村本という詐欺師に気持ちよくだまされて笑ってしまうことになる。 「言ってることはどこかおかしい気がするんだけど……でも、面白いから別にいいか」  観客にこう思わせたら村本の勝ちだ。優れた詐欺師は、言葉の力だけで漠然とした違和感をはねのけることができる。そして、実はこれが2本目に見せる漫才の伏線にもなっていた。  ウーマンラッシュアワーが決勝2本目に演じたのは、芸人としてどうありたいかというテーマのネタ。前半の流れは1本目の漫才とほぼ同じ。ただ、「気分は王様、こいつ何様」といった軽妙な語呂合わせも加わり、言葉の選び方は1本目よりさらに洗練されている。  そして、2本目の後半、衝撃的な展開が待ち受けている。ここまで一方的に中川を罠にはめて、善人を演じていた村本が、ついにどす黒い本音をこぼし始める。 「漫才では9:1で僕のほうがしゃべっている」「ネタは一から十まで全部僕が作っている」「でもギャラは一緒」「相方は結婚して赤ちゃんがいる。ネタも作らずに赤ちゃん作ってる」「お前の子どもの第一声は、パパでもなくママでもなく、村本さんミルクごちそうさま、であるべきだ」……ここまで行くともう、どちらが悪者か分からない。相方を一方的に責め立てる村本は、善人ぶる詐欺師の仮面を脱ぎ捨て、等身大の姿で本音を語っている。村本が性格の悪さをさらけ出すことで、詐欺師の化けの皮がはがれて、観客はカタルシスを得る。  つまり、ここで彼らは漫才の設定を超えて、現実を語り始めるのだ。1本目の漫才から2本目の中盤あたりまで「詐欺師」と「被害者」という関係にあった2人が、ここで一気に「村本大輔」と「中川パラダイス」に生まれ変わる。オセロの石が裏返るように、フィクションと思われていたこれまでの設定が覆され、すべてが村本と中川のリアルな心の叫びとして見る者の心に刺さる。これこそがまさに、生身の人間が生の言葉を操る、漫才という芸の醍醐味だ。  ゴールデンタイムの番組で演じられる漫才は、若手芸人にとって名刺のようなもの。この日、ウーマンラッシュアワーが世間に差し出した2枚の名刺は完璧な仕上がりだった。1本目のネタで漫才のうまさを存分に見せつけて、2本目のネタで自分たちのキャラクターを打ち出す。二段構えの戦略が功を奏して、ウーマンラッシュアワーは栄光を手にしたのだ。 (文=お笑い評論家・ラリー遠田)

クセのなさ、ギャラの安さ……テレビ番組出演回数1位のバナナマン設楽統が重用されるワケとは

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『bananaman live TURQUOISE MANIA 』ポリドール
 お笑いコンビ、バナナマンの設楽統が昨年に続き、今年もテレビ番組出演回数(地上波/東京地区)1位に輝いた。ニホンモニターの発表によると、今年の出演は615回で昨年を4回ほど上回った。設楽は上半期を356回の1位で折り返したが、下半期も勢いは衰えなかった。2位にはハリセンボンの近藤春菜、3位には有吉弘行が続き、こちらも昨年と同様だった。 「司会を務める情報番組『ノンストップ!』(フジテレビ系)の出演が大きいですよね。月~金の週に5日出演の帯番組ですから、これだけで年に約250回は稼げます。このほかにもレギュラーが7本。レギュラーだけで年間600回の出演ですね」(テレビ情報誌編集者)  まさに“売れっ子”の称号に違わぬ露出ぶりだが、露出の割には出演する番組の視聴率がそれほどでもないのが特徴だ。 「一時の低迷は脱したとはいえ、『ノンストップ!』は3~4%の視聴率。10%を超えるものは『奇跡体験!アンビリバボー』(フジテレビ系)ぐらいで、『YOUは何しに日本へ?』(テレビ東京系)、ピンで出演している『世界にひとつ~ミラクルレシピ!』(テレビ朝日系)にしても、せいぜい7%前後」(同)  では、なぜここまで設楽が民放各局で重用されるのか? 「1つはギャラの安さ。『ノンストップ!』の1回のギャラは、40万円程度と聞いています。同番組の無難な仕切りとギャラの安さから、前枠の『とくダネ!』の次期キャスターとして名前が取り沙汰されたこともあるほど。また、クセのないキャラや芸風で、司会などのメーンでもひな壇などのサブでも、そつなくこなせるところも魅力なのかも。テレビ局にとっては、使い勝手がいいのでしょうね」(同)  これだけ多忙を極めながら、毎年質の高い単独ライブを開催することでコアなお笑いファンからの評価も高いバナナマン。天下はしばらく続きそうだ。

「ももクロから笑顔が消滅……」石橋貴明が、AKB48総支配人の“脱法ハーブ疑惑”をおちょくった!?

ishibashi1213.jpg  12日に放送された『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)に出演した石橋貴明が、AKB48総支配人・戸賀崎智信氏の脱法ハーブ吸引疑惑を“おちょくった”と話題になっている。  同番組では、楽天・田中将大と、ももいろクローバーZが対決した「食わず嫌い王決定戦」を放送。カメラに向かって「私たちはいつでも会える、どすグロZ!」などとふざける石橋に、ももクロが「酔ってます?」とツッコミを入れると、石橋は「酔っちゃいないけど……、ちょっと言っちゃダメだよ。ちょっと×××」と発言。さらに、手で何かを持つしぐさをし、それを口元へ近づけた。  途端にももクロは、冷めた表情のまま言葉を失い、その様子に木梨憲武は「意外に真顔になっちゃった」と笑っていた。  「×××」の部分は効果音で消されていたため、石橋が何を言ったかは分からないが、これを見ていた多くの視聴者から、「『ちょっとハーブ吸ってきた』と言ったのでは?」「パイプを吸引しているジェスチャーに見えた」という臆測が浮上。タイミング的に、戸賀崎氏をネタにしているという見方が広まった。  これにネット上では、「さすが貴さん!」「これをネタにできるのは、貴さんだけだな」といった声のほか、同番組はAKBのプロデューサー・秋元康氏が“構成”として参加していることを挙げ、「エンドロールにやすす(秋元の愛称)の名前あるのにww」「(とんねるずと秋元が)盟友だからこそ、おちょくれるのかも」といった声も。 「石橋さんはかつて、『オールナイトフジ』(同)や『ザ・ベストテン』(TBS系)でカメラを破壊。『ザ・ベストテンin静岡』(同)では、観客にもみくちゃにされ激怒し、観客に暴言を吐き続けたのち、『雨の西麻布』を怒鳴り声で熱唱するなど、大人を怒らせるような“悪ふざけ”も持ち味としてきた。昨年には、先輩芸人の島田紳助さんの引退会見を模したギャグを披露し、本人を激怒させたことも。今回の臆測が本当だとしたら、大マスコミが完全スルーしているネタに手を出すとは、さすがですね(笑)」(芸能記者)  戸賀崎氏をネタにしたか否かは定かではないが、もしそうであれば、石橋イズムの“尖った笑い”は健在のようだ。

「吉本は暴行に寛容?」書類送検間近の楽しんご、事件発覚後も仕事途切れず……

tanoshingo1015.jpg  以前より、「Xデーは秒読み」といわれていたお笑い芸人の楽しんごが、元付き人男性への傷害容疑で、近く書類送検されることが産経新聞の取材で分かった。  男性は、8月発売の「FRIDAY」(講談社)で、7月に楽しんごから「早朝に起こさなかった」として左あごや、左わき腹などを数回殴られ、全治1週間のけがを負ったと告発。警察庁四谷署へ診断書とともに被害届を提出した。  さらに男性は、6リットルの水を飲まされたことや、包丁を押し当てられ「指詰めろ!」と脅されたこと、楽しんごの排泄物を無理やり食べさせられたことも明かしている。  この記事で男性は、楽しんごから自身の口座へ一方的に100万円が振り込まれたと証言していたが、警視庁は現在、この男性が「カネを払わなければ暴行の事実をばらす」と楽しんごを脅迫した容疑で捜査中だという。  楽しんごは、警察の事情聴取で罪を認めた後も、吉本芸人が出演する営業ライブ「週末よしもと」などに出演。今月15日にも、はんにゃやオリエンタルラジオらと共に、埼玉・所沢市民文化センターで出演予定となっている。 「楽しんごの“被害者”はこの男性だけではないですし、芸人仲間の評判もすこぶる悪い。本人もマッサージ店などのサイドビジネスに熱を上げているようですから、吉本も置いておくメリットはないでしょう。しかし、かつて女性マネジャー暴行事件を起こした島田紳助や、ガールズバー店長にケガを負わせ逮捕されたメッセンジャー黒田、昨年7月に交際女性への傷害容疑で逮捕されたお笑いトリオ・ソーセージの藤本聖など、傷害事件を起こした後に、数カ月の謹慎のみで、テレビや舞台に復活するケースも多い。吉本は、血の気が多いベテラン芸人が多く所属しているせいで、一般人への傷害事件に寛容な体質になってしまったと、もっぱらです」(芸能記者)  楽しんごは、報道後も気にする素振りを見せず、Twitterに楽しげな近況やポエムを綴っていたが、10月14日の「幸楽苑さん ごちそうさまでした てゃんでえ」というツイートを最後に、ぷっつりと更新が途絶えている。  著書『泥だらけの制服』(ワニブックス)では、自身が受けた壮絶なイジメ体験を告白している楽しんご。その経験を生かして、今後は付き人など自分より立場の弱い人間にも「ラブ注入」してくれればいいが。