次世代の天才憑依型芸人 ロバート秋山「僕が一番クリエイターなのかもしれない……」

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撮影=後藤秀二
 最近、この男の周囲がなんだか騒がしい。ロバート秋山。デビュー間もない段階で『はねるのトびら』(フジテレビ系)に抜擢され、2011年には「キングオブコント」で完全優勝。常にお笑いの一線で活躍してきた秋山が、いま「天才」という称号で再び注目を集めている。毎回さまざまな「クリエイター」になりきってインタビューを受ける「クリエイターズ・ファイル」(https://www.youtube.com/channel/UCJk8dZsM8SIGzIBJ-rDcB3Q)をきっかけに「天才憑依型芸人」の名をほしいままにしている彼に、今あらためてその胸の内を訊いた。 ――今年も「THE EMPTY STAGE」が開催されますね。秋山さんは、栄えあるトップバッターということで。 ロバート秋山(以下、秋山) 本当に、単純に30分間フリーにしゃべるだけなんですよ。このステージは全体的に即興というノリで、お題もお客さんにその場でもらったり、ルールがない。ただいつものライブ会場とはちょっと違う、大人な空間で、みんなドレスアップして来てるので、その空気に負けないようにしないとな、とは思ってます。 ――「大層なことをやらなきゃいけないんじゃないか」みたいな圧力でしょうか? 秋山 そう。かといって「私はこんなドレスアップしてきてるのに、あなたそんなしょうもないことやるの?」とか思われるのもイヤだから、プレッシャーはありますよ。「THE EMPTY STAGE」はBGMも生演奏なので、ミュージシャンとセッションはしたいですね。あと、即興でやるコントブロックも相当な見もの。お客さんからお題をもらって、設定もその場で決めて、BGMが即興で合わせて。これはすごい。とにかく、僕自身が一番楽しみにしているかもしれない。 ――「クリエイターズ・ファイル」がインターネットから火がついて、いま取材などでお忙しいのではないですか? 秋山 いやいや、全然。ネットの記事は取材もなしに勝手に広まったので、一番効率いいかな(笑)。俺、SNSとか、まったくやってないんですよ。スマホに替えて3カ月くらいたちますけど、やっぱりまだガラケーとの2台持ちですもん。ブログもやったことない。でも、1年以上やってた「クリエイターズ・ファイル」がじわじわ広がって、世間に見つかった時にはもう十何本ネタがあったんで、いいバレ方したなと思います。この十何回続いたタイミングでバレてよかった。「こいつは何やってたんだ」「何じわじわやってたんだよ」って思ってもらえるのが。 ――「天才秋山」という評価に対しては? 秋山 あの記事見た時、すぐに覚えたての“スクリーンショット”しました(笑)。いつか自分の娘が大きくなった時に「パパ、こんなふうに言われていた時があったんだぜ」って見せるために。 ――一視聴者から見ると、ずっと一線で活躍されていて、今なぜ爆発的に……と思うのですが、ご自身はこの「バレ方」をどのように分析されていますか? 秋山 正直なところ、やってる芸風を変えているつもりもないし、ずっとあんなんばっかりやってきたんですよ。最近、たまたま「自分の時間を好きに使ってください」という番組に出させてもらったり、あと芸歴が積み重なってきたこともあって、いいように出せたんでしょうね。「クリエイターズ・ファイル」だって、昔からコントであんなことばっかりやっていて、それを、ただただ紙面上でもやってみようと思ったのがきっかけですし。「TOKAKUKA」も、あんな変な歌は前からずっと作ってましたし。なんでしょうね、見てもらえるサイクルが、ちょうど合ったんでしょうね。「クリエイターズ・ファイル」も、気づかれないまま、中途半端に終わる可能性もあったでしょうし。たぶん自分でガツガツいかないほうが、重なったときに「うわ、何やってんの?」っていう驚きがあると思う。どうしてもイヤなんですよね……SNS。
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――なぜ、そんなにイヤなんでしょう? 秋山 本当に苦手なんですよ。だから、今さら覚えたくないというのもあります……基本的に「こっそりやりたい」みたいな。こっそりやって、気づく人だけ気づいてくれたほうが、居心地がいいのかもしれないですね。6年くらい月イチでやっている「ロバート企画」、これは本当に自分たちがやりたいことだけをやるライブなんですけど、全然客席は埋まらず。それが最近、徐々に埋まり始めていて、そうなると、もともと遊んでた感じじゃなくて、大がかりな感じになってしまう。深夜からゴールデン行く、みたいなね。だから、そこは変えないように気をつけていますけど。 ――秋山さんはお笑い好き以外にも知名度がとても高いのに、絶妙な地下感を残している、稀有な芸人さんだと思います。 秋山 それはありますね(笑)。意図的じゃないけど、好みがそっち方向なんですよね。そういうお笑いが好きなの。 ――『はねるのトびら』でブレークしたとき、戸惑いはなかったですか? 秋山 芸人でもいろいろなタイプがいて、ウワァ~って盛り上がるのが得意な人と、そうじゃない人と。自分はどちらかというと後者だから、メインじゃない二番手、三番手くらいで「お前、勝手にやって」って言われるのが好きなんです。『はねる』の深夜時代は、まさにそんな感じでやらせてもらいましたが、ゴールデンになって、出演者みんな、だいぶ意識はしましたよね。お茶の間も見ているし、みたいな。そうなるとわかりやすいほうに行ってしまう。現実問題として、深夜やっているようなものだけじゃ、番組継続は無理ですし。 ――痛しかゆしだなぁ。 秋山 だから「クリエイターズ・ファイル」はどこまで知られようと、まったくクオリティを変えません。普通なら編集されるような間を使ったり、なんかヘンな感じに。 ――秋山さんは、どのようにキャラクターを作り上げているのですか? 秋山 「よし1本作ろう」って感じでもないんですよね。一応メモってはいますよ。気になるやつとか。「クリエイターズ・ファイル」でいえば「インディアンジュエリーのショップオーナー」とかはほとんど決めつけなんですけど「一回どこかで修行してそうだな」とか。大御所のファッションデザイナーは、黒ずくめでパッツンパッツンの髪形で、とか。決めつけ(笑)。「こういう人って、こういうこと言いそうだな~」の要素が多そうなものをまず集めて、「言いそうだな~」がたくさんたまってから出すときもありますし、ほとんどゼロに近いのに、ただただその衣装を着てみたいからやることもある(笑)。ただただウソの塊のやつ。でも「っぽく」無理やり言い切ると、なんとなくそう見えてくるから不思議です。 ――無理やり言い切る。 秋山 そう、俺ビジネスで契約取るとか、案外イケそうな気がしますもん(笑)。 ――すごい契約取れそうですね(笑)。 秋山 何も中身はないけど、それっぽいこと言って、お客さんを納得させていたかもしれないですね。「僕は、契約をさせたくはない。なぜなら味方だから」「上の人間は契約契約と言うだろうけど、気にしないでください。僕が全部かぶりますから」みたいなことあえて言っちゃうと、この人信頼できる……ってなるじゃないですか。そういう手法をバンバン使うかもしれないですね。一流の詐欺師になれるかもしれないです。 ――一流の詐欺師……。 秋山 ウエディングプランナーとか会ったことないですけど、この間たまたまウエディングプランナーの方が『情熱大陸』(TBS系)に出ていたのを見たんですよ。でもそうやって本物と偽物で答え合わせすると、俺がテキトーに言ったことを本物の人が言ってたりする。
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――やっぱり「憑依」してるんですね。 秋山 わりと俺自身は冷静なんですよ。「何ペラペラと言ってんだ、俺」「待てよ、覚えておかなきゃだな、この流れを」とか、しゃべりながら考えてる。もともと「素」を見せるのが苦手なんです。すぐ扮しちゃう。だから、ドッキリとかリアクションは、まぁ面白くない(笑)。それは、馬場や山本がやったほうが面白い。それぞれフィールドが違うんですよ。 ――自分をも欺くのが、一流の詐欺師であると(笑)。 秋山 以前、深夜番組でマルチ商法のネタをやったことがあるんですけど、その時にね、喫茶店で本業の方からスカウトされたことがあるんですよ。スーツ着た2人組の方に「……秋山さんですよね?」って。 ――怖っ! 秋山 名刺出されて「見てます。うまいですよね。僕もそういうビジネスやってるんですけど、もしよかったら、やってみませんか?」って。いやいやいや。 ――でもそれ、最高評価ってことですよね。 秋山 最高評価ですけど、そりゃそうですよ。よく行く喫茶店でネタ作ってたら、まさにそういう勧誘されている方が隣にいて、盗み聞きしてただけなんだから。完コピ(笑)。 ――秋山さんは、もともとお笑い芸人という職業に憧れていたのですか? 秋山 ウケを取るのは好きでした。学校の集会とかキャンプファイアの出し物とか体育祭とか、そういう行事で積極的に何かやってましたね。ただフザケたい。そして、卒業文集の「ひょうきんランキング」に入りたい。まぁ、2位どまりだったんですけど(笑)。でも、まさか職業にするとは思っていなかったですよ。上京してアルバイトしている時に、たまたまお笑い雑誌を手に取って、「おお」と。 ――上京してからだったんですか。 秋山 ご存じかもしれませんが、うちはオヤジが変わってて「就職するな」「とにかくアメリカに行け」って、それしか言わない。「学資保険貯めたけど、大学に行くならあげない」とか、「何言ってんだ?」っていう感じでしたもん。大人になればなるほど思いますよ。子どもに「勉強すんな」って親が言うの、相当だよなと。 ――(笑)。その、お笑い雑誌を手に取って、決意はすぐに固まりましたか? 秋山 単純に「やってみたい」と思いました。まだ10代でしたし、やってみてイヤだったら逃げればいいしって。イヤなヤツからは結構逃げてきました。バイトでも「うわ、マジめんどくさい」と思ったら、すぐ逃げ出してきました。
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――トリオとピンで、ネタはどう分けているんですか? 秋山 そうですね。やっぱりネタにおいて確実にウケるのは、トリオのときなんですよ。馬場が乗っかって、山本がツッコんで……。だから、思い浮かんだネタは、まずロバートのところに持っていく。そこで3人で「これ使えないな」「3人いらねぇな」ってなったら、俺一人でやります。逆に、一人でやって見つけたネタを、3人でやることもあります。「体ものまね」はまさにそうで、「お面を渡す役」を作ったほうが面白かった。 ――「体ものまね」は、『はねるのトびら』の番組終了あたりから始めたんですよね。 秋山 『はねる』が続いて、レギュラーはほぼそれしかなかったし、終わった時に「あいつら、ほかに何もねぇな」って言われるのイヤだなぁって思っていたんです。その時に、たまたまテキトーにやったのが「体ものまね」だったんですよ。だからちょうどいい感じに、途切れずにこの世界にいれたっていう感じですかね。『はねる』の最終回で「好き勝手やってください」って言われたからこそ、出せた。 ――秋山さんは「好き勝手やってくれ」と言われたほうがいいんですね。 秋山 もう完全にそう(笑)。僕の場合は、自由になる時間をいただいて、話しやすい相手……僕だったらずっと一緒にやっている同年代の作家さんがいるんですけど、その作家さんと雑談しながら、お互いにわかり合ったネタをチョイスして……っていうのが最高ですね。全権限こちらにいただければ、それだけ濃いものができる。 ――秋山さん自身が、一番のクリエイターじゃないですか。 秋山 そう、僕が一番クリエイターなのかもしれません(ニヤリ)。でも、やりたいことをただやってるだけなんですよ。 ――悪意ギリギリのところを突いてくるキャラクターのクリエイション、すごい(笑)。 秋山 根本的に、バカにしてるんだと思います。ちょっとカッコつけすぎてる人とか、絶対に忘れないですから(笑)。 ――いかに相手にバレないようにバカにするか、ですよね。 秋山 そうなんですよ。だけど、それをあえて言っちゃう人とか、いるじゃないですか。「バカにしてますよ~」って。直接「こういう人っていません?」とは言わずに、温度と空気わかってくれる人たちとそれを共有するところに面白さがあると思うんだけど。 ――そういう芸風が出せるようになるには、確かに時間が必要だったかもしれませんね。 秋山 ある程度の「味」みたいなものは必要だと思います。だってこれ、若造がやったら鼻につきますよ。かといって、おじさんすぎてもダメだろうし。ちょうどいい年齢になったんだろうなと思う。 ――このインタビューも、どこかの誰かになりすましていたりして……。 秋山 それは否定できない(笑)。 (取材・文=西澤千央) ●「THE EMPTY STAGE 2016 SUMMER」 日時:8月1日(月)~14日(日) 平日19:30開演、土日祝13:00/17:00開演 場所:「BENOA銀座店」(東京都中央区銀座6-13-16パセラリゾーツ銀座店B3F) 主催:吉本興業株式会社/株式会社フジテレビジョン チケット:前売3,900円/当日4,300円 HP:http://the-empty-stage.jp/

次世代の天才憑依型芸人 ロバート秋山「僕が一番クリエイターなのかもしれない……」

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撮影=後藤秀二
 最近、この男の周囲がなんだか騒がしい。ロバート秋山。デビュー間もない段階で『はねるのトびら』(フジテレビ系)に抜擢され、2011年には「キングオブコント」で完全優勝。常にお笑いの一線で活躍してきた秋山が、いま「天才」という称号で再び注目を集めている。毎回さまざまな「クリエイター」になりきってインタビューを受ける「クリエイターズ・ファイル」(https://www.youtube.com/channel/UCJk8dZsM8SIGzIBJ-rDcB3Q)をきっかけに「天才憑依型芸人」の名をほしいままにしている彼に、今あらためてその胸の内を訊いた。 ――今年も「THE EMPTY STAGE」が開催されますね。秋山さんは、栄えあるトップバッターということで。 ロバート秋山(以下、秋山) 本当に、単純に30分間フリーにしゃべるだけなんですよ。このステージは全体的に即興というノリで、お題もお客さんにその場でもらったり、ルールがない。ただいつものライブ会場とはちょっと違う、大人な空間で、みんなドレスアップして来てるので、その空気に負けないようにしないとな、とは思ってます。 ――「大層なことをやらなきゃいけないんじゃないか」みたいな圧力でしょうか? 秋山 そう。かといって「私はこんなドレスアップしてきてるのに、あなたそんなしょうもないことやるの?」とか思われるのもイヤだから、プレッシャーはありますよ。「THE EMPTY STAGE」はBGMも生演奏なので、ミュージシャンとセッションはしたいですね。あと、即興でやるコントブロックも相当な見もの。お客さんからお題をもらって、設定もその場で決めて、BGMが即興で合わせて。これはすごい。とにかく、僕自身が一番楽しみにしているかもしれない。 ――「クリエイターズ・ファイル」がインターネットから火がついて、いま取材などでお忙しいのではないですか? 秋山 いやいや、全然。ネットの記事は取材もなしに勝手に広まったので、一番効率いいかな(笑)。俺、SNSとか、まったくやってないんですよ。スマホに替えて3カ月くらいたちますけど、やっぱりまだガラケーとの2台持ちですもん。ブログもやったことない。でも、1年以上やってた「クリエイターズ・ファイル」がじわじわ広がって、世間に見つかった時にはもう十何本ネタがあったんで、いいバレ方したなと思います。この十何回続いたタイミングでバレてよかった。「こいつは何やってたんだ」「何じわじわやってたんだよ」って思ってもらえるのが。 ――「天才秋山」という評価に対しては? 秋山 あの記事見た時、すぐに覚えたての“スクリーンショット”しました(笑)。いつか自分の娘が大きくなった時に「パパ、こんなふうに言われていた時があったんだぜ」って見せるために。 ――一視聴者から見ると、ずっと一線で活躍されていて、今なぜ爆発的に……と思うのですが、ご自身はこの「バレ方」をどのように分析されていますか? 秋山 正直なところ、やってる芸風を変えているつもりもないし、ずっとあんなんばっかりやってきたんですよ。最近、たまたま「自分の時間を好きに使ってください」という番組に出させてもらったり、あと芸歴が積み重なってきたこともあって、いいように出せたんでしょうね。「クリエイターズ・ファイル」だって、昔からコントであんなことばっかりやっていて、それを、ただただ紙面上でもやってみようと思ったのがきっかけですし。「TOKAKUKA」も、あんな変な歌は前からずっと作ってましたし。なんでしょうね、見てもらえるサイクルが、ちょうど合ったんでしょうね。「クリエイターズ・ファイル」も、気づかれないまま、中途半端に終わる可能性もあったでしょうし。たぶん自分でガツガツいかないほうが、重なったときに「うわ、何やってんの?」っていう驚きがあると思う。どうしてもイヤなんですよね……SNS。
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――なぜ、そんなにイヤなんでしょう? 秋山 本当に苦手なんですよ。だから、今さら覚えたくないというのもあります……基本的に「こっそりやりたい」みたいな。こっそりやって、気づく人だけ気づいてくれたほうが、居心地がいいのかもしれないですね。6年くらい月イチでやっている「ロバート企画」、これは本当に自分たちがやりたいことだけをやるライブなんですけど、全然客席は埋まらず。それが最近、徐々に埋まり始めていて、そうなると、もともと遊んでた感じじゃなくて、大がかりな感じになってしまう。深夜からゴールデン行く、みたいなね。だから、そこは変えないように気をつけていますけど。 ――秋山さんはお笑い好き以外にも知名度がとても高いのに、絶妙な地下感を残している、稀有な芸人さんだと思います。 秋山 それはありますね(笑)。意図的じゃないけど、好みがそっち方向なんですよね。そういうお笑いが好きなの。 ――『はねるのトびら』でブレークしたとき、戸惑いはなかったですか? 秋山 芸人でもいろいろなタイプがいて、ウワァ~って盛り上がるのが得意な人と、そうじゃない人と。自分はどちらかというと後者だから、メインじゃない二番手、三番手くらいで「お前、勝手にやって」って言われるのが好きなんです。『はねる』の深夜時代は、まさにそんな感じでやらせてもらいましたが、ゴールデンになって、出演者みんな、だいぶ意識はしましたよね。お茶の間も見ているし、みたいな。そうなるとわかりやすいほうに行ってしまう。現実問題として、深夜やっているようなものだけじゃ、番組継続は無理ですし。 ――痛しかゆしだなぁ。 秋山 だから「クリエイターズ・ファイル」はどこまで知られようと、まったくクオリティを変えません。普通なら編集されるような間を使ったり、なんかヘンな感じに。 ――秋山さんは、どのようにキャラクターを作り上げているのですか? 秋山 「よし1本作ろう」って感じでもないんですよね。一応メモってはいますよ。気になるやつとか。「クリエイターズ・ファイル」でいえば「インディアンジュエリーのショップオーナー」とかはほとんど決めつけなんですけど「一回どこかで修行してそうだな」とか。大御所のファッションデザイナーは、黒ずくめでパッツンパッツンの髪形で、とか。決めつけ(笑)。「こういう人って、こういうこと言いそうだな~」の要素が多そうなものをまず集めて、「言いそうだな~」がたくさんたまってから出すときもありますし、ほとんどゼロに近いのに、ただただその衣装を着てみたいからやることもある(笑)。ただただウソの塊のやつ。でも「っぽく」無理やり言い切ると、なんとなくそう見えてくるから不思議です。 ――無理やり言い切る。 秋山 そう、俺ビジネスで契約取るとか、案外イケそうな気がしますもん(笑)。 ――すごい契約取れそうですね(笑)。 秋山 何も中身はないけど、それっぽいこと言って、お客さんを納得させていたかもしれないですね。「僕は、契約をさせたくはない。なぜなら味方だから」「上の人間は契約契約と言うだろうけど、気にしないでください。僕が全部かぶりますから」みたいなことあえて言っちゃうと、この人信頼できる……ってなるじゃないですか。そういう手法をバンバン使うかもしれないですね。一流の詐欺師になれるかもしれないです。 ――一流の詐欺師……。 秋山 ウエディングプランナーとか会ったことないですけど、この間たまたまウエディングプランナーの方が『情熱大陸』(TBS系)に出ていたのを見たんですよ。でもそうやって本物と偽物で答え合わせすると、俺がテキトーに言ったことを本物の人が言ってたりする。
akiyama03
――やっぱり「憑依」してるんですね。 秋山 わりと俺自身は冷静なんですよ。「何ペラペラと言ってんだ、俺」「待てよ、覚えておかなきゃだな、この流れを」とか、しゃべりながら考えてる。もともと「素」を見せるのが苦手なんです。すぐ扮しちゃう。だから、ドッキリとかリアクションは、まぁ面白くない(笑)。それは、馬場や山本がやったほうが面白い。それぞれフィールドが違うんですよ。 ――自分をも欺くのが、一流の詐欺師であると(笑)。 秋山 以前、深夜番組でマルチ商法のネタをやったことがあるんですけど、その時にね、喫茶店で本業の方からスカウトされたことがあるんですよ。スーツ着た2人組の方に「……秋山さんですよね?」って。 ――怖っ! 秋山 名刺出されて「見てます。うまいですよね。僕もそういうビジネスやってるんですけど、もしよかったら、やってみませんか?」って。いやいやいや。 ――でもそれ、最高評価ってことですよね。 秋山 最高評価ですけど、そりゃそうですよ。よく行く喫茶店でネタ作ってたら、まさにそういう勧誘されている方が隣にいて、盗み聞きしてただけなんだから。完コピ(笑)。 ――秋山さんは、もともとお笑い芸人という職業に憧れていたのですか? 秋山 ウケを取るのは好きでした。学校の集会とかキャンプファイアの出し物とか体育祭とか、そういう行事で積極的に何かやってましたね。ただフザケたい。そして、卒業文集の「ひょうきんランキング」に入りたい。まぁ、2位どまりだったんですけど(笑)。でも、まさか職業にするとは思っていなかったですよ。上京してアルバイトしている時に、たまたまお笑い雑誌を手に取って、「おお」と。 ――上京してからだったんですか。 秋山 ご存じかもしれませんが、うちはオヤジが変わってて「就職するな」「とにかくアメリカに行け」って、それしか言わない。「学資保険貯めたけど、大学に行くならあげない」とか、「何言ってんだ?」っていう感じでしたもん。大人になればなるほど思いますよ。子どもに「勉強すんな」って親が言うの、相当だよなと。 ――(笑)。その、お笑い雑誌を手に取って、決意はすぐに固まりましたか? 秋山 単純に「やってみたい」と思いました。まだ10代でしたし、やってみてイヤだったら逃げればいいしって。イヤなヤツからは結構逃げてきました。バイトでも「うわ、マジめんどくさい」と思ったら、すぐ逃げ出してきました。
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――トリオとピンで、ネタはどう分けているんですか? 秋山 そうですね。やっぱりネタにおいて確実にウケるのは、トリオのときなんですよ。馬場が乗っかって、山本がツッコんで……。だから、思い浮かんだネタは、まずロバートのところに持っていく。そこで3人で「これ使えないな」「3人いらねぇな」ってなったら、俺一人でやります。逆に、一人でやって見つけたネタを、3人でやることもあります。「体ものまね」はまさにそうで、「お面を渡す役」を作ったほうが面白かった。 ――「体ものまね」は、『はねるのトびら』の番組終了あたりから始めたんですよね。 秋山 『はねる』が続いて、レギュラーはほぼそれしかなかったし、終わった時に「あいつら、ほかに何もねぇな」って言われるのイヤだなぁって思っていたんです。その時に、たまたまテキトーにやったのが「体ものまね」だったんですよ。だからちょうどいい感じに、途切れずにこの世界にいれたっていう感じですかね。『はねる』の最終回で「好き勝手やってください」って言われたからこそ、出せた。 ――秋山さんは「好き勝手やってくれ」と言われたほうがいいんですね。 秋山 もう完全にそう(笑)。僕の場合は、自由になる時間をいただいて、話しやすい相手……僕だったらずっと一緒にやっている同年代の作家さんがいるんですけど、その作家さんと雑談しながら、お互いにわかり合ったネタをチョイスして……っていうのが最高ですね。全権限こちらにいただければ、それだけ濃いものができる。 ――秋山さん自身が、一番のクリエイターじゃないですか。 秋山 そう、僕が一番クリエイターなのかもしれません(ニヤリ)。でも、やりたいことをただやってるだけなんですよ。 ――悪意ギリギリのところを突いてくるキャラクターのクリエイション、すごい(笑)。 秋山 根本的に、バカにしてるんだと思います。ちょっとカッコつけすぎてる人とか、絶対に忘れないですから(笑)。 ――いかに相手にバレないようにバカにするか、ですよね。 秋山 そうなんですよ。だけど、それをあえて言っちゃう人とか、いるじゃないですか。「バカにしてますよ~」って。直接「こういう人っていません?」とは言わずに、温度と空気わかってくれる人たちとそれを共有するところに面白さがあると思うんだけど。 ――そういう芸風が出せるようになるには、確かに時間が必要だったかもしれませんね。 秋山 ある程度の「味」みたいなものは必要だと思います。だってこれ、若造がやったら鼻につきますよ。かといって、おじさんすぎてもダメだろうし。ちょうどいい年齢になったんだろうなと思う。 ――このインタビューも、どこかの誰かになりすましていたりして……。 秋山 それは否定できない(笑)。 (取材・文=西澤千央) ●「THE EMPTY STAGE 2016 SUMMER」 日時:8月1日(月)~14日(日) 平日19:30開演、土日祝13:00/17:00開演 場所:「BENOA銀座店」(東京都中央区銀座6-13-16パセラリゾーツ銀座店B3F) 主催:吉本興業株式会社/株式会社フジテレビジョン チケット:前売3,900円/当日4,300円 HP:http://the-empty-stage.jp/

人類の後輩でいたい――カズレーザーが「カズレーザークリニック」で示す、自然体の知性

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三ミュージック公式サイトより
 メイプル超合金の快進撃が止まらない。  昨年末、「M-1グランプリ」の決勝に出場すると一気に知名度が上昇した彼らは、一度見たら忘れられない強烈なキャラクターを2人ともが持っているという、稀有なコンビだ。  安藤なつは、体重130キロ近い体形で、「性の化け物」を公言し、セフレの存在も認める女芸人。一方、金髪で常に全身赤い服を身にまとうカズレーザーは、及川光博、京本政樹、天海祐希といった「美しい人」がタイプだという、バイセクシャルだ。その恰好は、寺沢武一の漫画『コブラ』の主人公を模したものだ。「ヒーロー」になりたいのだという。  同志社大出身のインテリで、クイズ番組などでも活躍。『アメトーーク!』(テレビ朝日系)のような芸人の力を試される番組に出ても、共演者から「その落ち着きはなんなの? 2世タレント?」と驚かれるほどいつも変わらずほほえみを浮かべ、「肩書さえ気にしなければ、ただの人間ですからね」と、誰に対しても態度が変わらない。あまりにも不自然なキャラクターなのに、どこまでも自然体。言うなれば“超自然体”だ。  そんなカズレーザーをメインに据えたコーナーが、『お願い!ランキング』(同)の「カズレーザークリニック」だ。これまで不定期に3回放送されている企画で、東京大学を中心とした高学歴女子が抱える悩みをカズレーザーにぶつけ、それを解決しようというものだ。  数学オリンピックの金メダリストやルービックキューブ日本一、あるいは高いIQを持つ人たちだけが入れる組織「JAPAN MENSA」の会員といった日本トップクラスの頭脳が「普通の人と会話のテンポが合わない」とか、「勉強に集中しすぎて、部屋の掃除ができない」などといった悩みをカズレーザーに打ち明ける。  そうした悩みにも、カズレーザーはいつもの超自然体で飄々と答えていく。  例えば「女子力の磨き方がわからない」という悩む東大生女子。彼女は周りが男子ばかりゆえ、普通の女子が、男性にモテるためにやることがわからないという。それを探るためにファッション誌を見ずにアニメを参考にしてしまったため、コスプレにハマってしまい、普段からゴスロリ系のファッションをしている。「東大で、女子で、しかもコスプレ好き=化け物」と自嘲する。  それに対し、カズレーザーは「俺なんか、金髪で、バイセクシャルで、マッチョだぜ。でも、明るく生きてる」と笑い飛ばす。  そして、そもそも「女子力」というのは何かと問う。そこで相方の安藤が「一般的に言われているのが『料理ができる』『飲み会で取り分けができる』」と解説を加えると、「愚問も甚だしいね」と、カズレーザーは持論を展開していく。 「料理ができる女子は、『女子力高い』じゃなくて『料理ができる子』ってカテゴライズされる。取り分けできる子は『気が利く子』ってカテゴライズされる。『女子力が高い』なんて女性はもともといないの。ウソの概念。そんなことを気にする必要ない」  目からウロコ状態の女子大生に、優しく言う。 「モテないって、自分で気を遣ってるだけ」と。  また「プライドが高すぎる」と悩んでいる女子大生には、「好奇心が一番学問を育てる。その次は劣等感だと思う。誰かと並びたいというプライドは、あったほうがいいと思う」と、極めてまっとうなことを語った上で、こう答える。 「あと、そんなに言うほどプライド高くないんじゃないかって思う。本当にプライド高かったら、こんなカメラの前で芸人に悩みを相談しない(笑)」  カズレーザーは、どんな悩みを持っている人に対しても、決してその人を否定することはしない。まず彼は相手の悩みに対して、必ず先に「俺なんか、金髪で、バイセクシャルで、マッチョだぜ」と言うように、自分の周りにある具体例を自虐を交えて語って、相手に寄り添う。  前述の「プライドが高すぎる」という彼女には、自分には「プライドがない」と言う。「人類の後輩でいたい」と。 「芸人は、プライドがないほうが仕事につながるから」とその理由を語りつつ、でも「ちゃんと研究したり学問を修める人は、プライドがあったほうがいい」と諭す。その上で、相手が抱いている「悩み」自体が、実は思い込みで実態のないものではないかと論理的にその前提を問い直す。  そもそも「女子力」なんてものはあるのか、不都合なほどプライドは高くないんじゃないか、と。そうして、だったらあなたはそのままでいいのだと結論を下すのだ。  ただ単に「そのままでいい」「大丈夫」と言うのは簡単だ。けれど、カズレーザーは自虐でしっかり相手の心を解きほぐし、論理で悩み自体を無効化する。そして、最後に相手を肯定するから、圧倒的な説得力がある。一方で、常にどこか他人事で一定の距離があり、親身になりすぎない自然体の適当さも心地いい。  本当の意味で「頭がいい」というのは、こういうことを言うのだろう。 (文=てれびのスキマ http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから

人類の後輩でいたい――カズレーザーが「カズレーザークリニック」で示す、自然体の知性

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サンミュージック公式サイトより
 メイプル超合金の快進撃が止まらない。  昨年末、「M-1グランプリ」の決勝に出場すると一気に知名度が上昇した彼らは、一度見たら忘れられない強烈なキャラクターを2人ともが持っているという、稀有なコンビだ。  安藤なつは、体重130キロ近い体形で、「性の化け物」を公言し、セフレの存在も認める女芸人。一方、金髪で常に全身赤い服を身にまとうカズレーザーは、及川光博、京本政樹、天海祐希といった「美しい人」がタイプだという、バイセクシャルだ。その恰好は、寺沢武一の漫画『コブラ』の主人公を模したものだ。「ヒーロー」になりたいのだという。  同志社大出身のインテリで、クイズ番組などでも活躍。『アメトーーク!』(テレビ朝日系)のような芸人の力を試される番組に出ても、共演者から「その落ち着きはなんなの? 2世タレント?」と驚かれるほどいつも変わらずほほえみを浮かべ、「肩書さえ気にしなければ、ただの人間ですからね」と、誰に対しても態度が変わらない。あまりにも不自然なキャラクターなのに、どこまでも自然体。言うなれば“超自然体”だ。  そんなカズレーザーをメインに据えたコーナーが、『お願い!ランキング』(同)の「カズレーザークリニック」だ。これまで不定期に3回放送されている企画で、東京大学を中心とした高学歴女子が抱える悩みをカズレーザーにぶつけ、それを解決しようというものだ。  数学オリンピックの金メダリストやルービックキューブ日本一、あるいは高いIQを持つ人たちだけが入れる組織「JAPAN MENSA」の会員といった日本トップクラスの頭脳が「普通の人と会話のテンポが合わない」とか、「勉強に集中しすぎて、部屋の掃除ができない」などといった悩みをカズレーザーに打ち明ける。  そうした悩みにも、カズレーザーはいつもの超自然体で飄々と答えていく。  例えば「女子力の磨き方がわからない」という悩む東大生女子。彼女は周りが男子ばかりゆえ、普通の女子が、男性にモテるためにやることがわからないという。それを探るためにファッション誌を見ずにアニメを参考にしてしまったため、コスプレにハマってしまい、普段からゴスロリ系のファッションをしている。「東大で、女子で、しかもコスプレ好き=化け物」と自嘲する。  それに対し、カズレーザーは「俺なんか、金髪で、バイセクシャルで、マッチョだぜ。でも、明るく生きてる」と笑い飛ばす。  そして、そもそも「女子力」というのは何かと問う。そこで相方の安藤が「一般的に言われているのが『料理ができる』『飲み会で取り分けができる』」と解説を加えると、「愚問も甚だしいね」と、カズレーザーは持論を展開していく。 「料理ができる女子は、『女子力高い』じゃなくて『料理ができる子』ってカテゴライズされる。取り分けできる子は『気が利く子』ってカテゴライズされる。『女子力が高い』なんて女性はもともといないの。ウソの概念。そんなことを気にする必要ない」  目からウロコ状態の女子大生に、優しく言う。 「モテないって、自分で気を遣ってるだけ」と。  また「プライドが高すぎる」と悩んでいる女子大生には、「好奇心が一番学問を育てる。その次は劣等感だと思う。誰かと並びたいというプライドは、あったほうがいいと思う」と、極めてまっとうなことを語った上で、こう答える。 「あと、そんなに言うほどプライド高くないんじゃないかって思う。本当にプライド高かったら、こんなカメラの前で芸人に悩みを相談しない(笑)」  カズレーザーは、どんな悩みを持っている人に対しても、決してその人を否定することはしない。まず彼は相手の悩みに対して、必ず先に「俺なんか、金髪で、バイセクシャルで、マッチョだぜ」と言うように、自分の周りにある具体例を自虐を交えて語って、相手に寄り添う。  前述の「プライドが高すぎる」という彼女には、自分には「プライドがない」と言う。「人類の後輩でいたい」と。 「芸人は、プライドがないほうが仕事につながるから」とその理由を語りつつ、でも「ちゃんと研究したり学問を修める人は、プライドがあったほうがいい」と諭す。その上で、相手が抱いている「悩み」自体が、実は思い込みで実態のないものではないかと論理的にその前提を問い直す。  そもそも「女子力」なんてものはあるのか、不都合なほどプライドは高くないんじゃないか、と。そうして、だったらあなたはそのままでいいのだと結論を下すのだ。  ただ単に「そのままでいい」「大丈夫」と言うのは簡単だ。けれど、カズレーザーは自虐でしっかり相手の心を解きほぐし、論理で悩み自体を無効化する。そして、最後に相手を肯定するから、圧倒的な説得力がある。一方で、常にどこか他人事で一定の距離があり、親身になりすぎない自然体の適当さも心地いい。  本当の意味で「頭がいい」というのは、こういうことを言うのだろう。 (文=てれびのスキマ http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから

ネガティブ発言連発! “ダークな”とにかく明るい安村が振り返る「はいてますよブーム」

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撮影=尾藤能暢
「安心してください、はいてますよ」どれだけの子どもが、大人がこのフレーズとポーズをマネしただろうか?  2015年、自らの肉体とポージングの妙を駆使した裸ネタで大ブレーク。そして今年8月、満を持して北海道・東京・大阪の3カ所を回る全国ツアー『TONIKAKU』を開催する、とにかく明るい安村。今あらためて「はいてますよ」への思いを聞くと、出てくる言葉は芸風とは真逆の、ネガティブで辛口で、とにかくサイゾー向きな芸人さんだった!! ――北海道、東京、大阪の 3カ所を回る全国ツアーが始まりますね。 とにかく明るい安村(以下、安村) 去年も一昨年も、小っちゃいところでは人知れずやってたんですよ、単独。お客さん20人くらいで(笑)。今回はルミネとかNGKとか箱が大きいので、ちょっと不安です。 ――地元・北海道に凱旋ですね。 安村 そうなんですけど……たとえば福岡出身の人たちは、よく一緒に集まったりしますよね。いかんせん遠いんですよ、北海道は。北海道出身だっていわれても、札幌の人は旭川を全然知らないし。 ――冒頭から、ネガティブな発言連発ですが(笑)。 安村 いや本当、北海道は寒く、そして広い。 ――今回、このタイミングで全国を回ろうと思ったのはなぜですか? 安村 そろそろネタもやらないといけないな、と思いまして。僕のファンは子どもたちが多くて、ファンレターも、子どもからのものばかりなんです。だから子どもたちに向けて、楽しいことやりたいなって。 ――前回、インタビューでバイク川崎バイクさんが「安村さんのようにブレークして、BKBを成仏させたかった」とおっしゃっていました(参照記事)。 安村 もう違うのがやりたいと(笑)。 ――BKBは大好きなんだけど、もっと川崎方面を押し出していきたいそうです。 安村 川崎くんのほうを(笑)。 ――おそらく安村さんは、BKBさんが描く理想のストーリーを歩まれているんだと思います。 安村 本当ですか!? そんなすぐ「次に」とはならないですけどね。まぁ、何か新しいものがあればって感じかなぁ。僕もBKBも、いろんなことやっていた中のひとつだったから、ほかもやってみたいと思うのかもしれない。これだけをずっとやっていたんだったら、気持ちも違うんでしょうけど。 ――「あたりまえ体操」ブレークの時にCOWCOWさんも、同じことをおっしゃっていました。「(いろいろある中の)これがよかったのか」と、ご本人たちが一番驚いたって。 安村 「はいてますよ」に関していえば、僕は逆だったかも。これだろうと、これはいいのができたと。「これは絶対売れたわ」って感覚がありました。で、実際やってみたら、全然ウケなくて。「ウソだろ」と。 ――俗にいう、「スベる」というやつ? 安村 初めてやった時は、まさしくそうでしたね。でも、そこでめげず、やり続けた感じではあります。
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――オリジナルの形から、徐々に変えていったのですか? 安村 曲の長さとか、しゃべり方とか、だいぶ変わりましたよ。最初は、スギちゃんみたいなしゃべり方だったし。「なんだぜぇ?」みたいな(笑)。あと、エロい感じでやってた。ストリップ劇場みたいな。 ――今とは、だいぶ違いますね。 安村 自分のライブの時は照明をピンクにしたりできますけど、それができない場所もある。そういうところでエロい感じは難しいし、そもそもウケなかったので、ちょっとアメリカ人のショーのような感覚でやり始めたんですよ。 ――それがハマったと。 安村 そうですね。あと、周りの芸人さんが、いろいろツッコんでくれたんですよ。「はいてないんじゃない?」「ヤバイヤバイ」「……はいてますよ」「あ~よかった」みたいな。ありがたかったですね。 ――安村さんは14年にコンビを解散されて、15年にブレークですから、一見とんとん拍子に見えてしまうのですが、ご自身の中では、どんな気持ちで日々を過ごしていたのですか? 安村 そんな簡単じゃないですよ。ネタもいろいろ試しましたし、ダメでしたし。お金もないし、バイトしてましたし。2年やってダメだったら、やめようと思っていました。僕、プロ野球が好きでよく見ますけど、僕と同い年の選手は、ほとんどチーム最年長とか大ベテランなんですよ。全然若手じゃない。 ――安村さんは、松坂世代ですか? 安村 松坂(大輔)選手より一つ下ですね。 ――ソフトバンクの和田(毅)投手も日本に戻ってきて頑張ってますし、久保(康友)もベイスターズでローテーションを守ってますし。 安村 そうですね(笑)。 ――でも、どの芸人さんもおっしゃいますね。30歳は、ひとつの節目だと。 安村 僕もこのブレークがなかったら、どうしていたかはわかりません。好きなことだけやって、ダメだったらやめようと開き直ってたのが、よかったかもしれないですね。 ――コンビからピンになって大変だったことは、なんでしょう? 安村 一人だと、当たり前だけど、ツッコミがいないじゃないですか。自分が思っているものがなかなか伝わらないのがキツかった。面白さがお客さんに伝わりづらい。だから、すごくわかりやすくやらなきゃいけない。 ――抵抗はなかったですか? 安村 ありましたよ。でも、全然ウケないんで。変えていくしかないですよね。 ――ブレークから今少し時間がたって、「はいてますよ」のネタに対する思いは変わりましたか? 安村 長いターンでやりたいなと思っていますけど、それが難しいのもよくわかっていますから。 ――ミュージシャンなら、ヒット曲を長く何度も演奏できるのに。 安村 そうですよね! 芸人の場合は「まだやってんのかよ」になっちゃう。悲しいですよね。僕自身は、これからこの世界でどうやって生き残っていこうかとかはあまり考えていなくて、自由にやっていこうかなと。 ――今だから自由にできる、という感覚ですか? 安村 無理やりめちゃくちゃ働いたりみたいなことはもうやめて、休んで旅行に行くとか。家族とね。
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――一時期、多忙で痩せすぎてしまって、パンツがゆるゆるになったと報道されていましたし(笑)。 安村 そんなに痩せてはいないですよ(笑)。今は昔ほど「一夜にして状況が変わる」みたいなことはないと思う。トレンディエンジェルとか、昔からずっと売れてましたし。 ――今後は、洋服を着ていきたいですか? 安村 裸でいたいんですけどねぇ。「まだ裸やってんのかよ」って言う人と、着たら着たで「え? 裸じゃないの?」って言う人と両方いる。もう完全に無視して、その時やりたいほうにしていますよ。 ――安村さんには「こういう芸人さんになりたい」みたいな目標はあるんですか? 安村 高田純次さんみたいな方に憧れましたけどね。なかなか難しいです。もちろんダウンタウンさんやウンナンさん、とんねるずさんを見て育ちましたけど、僕はもともと芸人になろうと思っていたわけじゃないんですよ。当時の相方に誘われて上京してきて、常に流れに身を任せ、言われるがままにやってた感じだったので。 ――モチベーションを保つのが大変ではなかったですか? 安村 そうですね。だから、解散したんですけどね(笑)。僕としては謎ですよね。自分ではそんな乗り気じゃなかったのに、誘われて 10年ぐらいやって解散して、いま裸でやっている。意味わかんないですよね。17歳ぐらいの僕が見たらどう思うんだろう。 ――安村さんは、なんていうか……クールですよね。 安村 コンビの時は、取材とか全然しゃべらなくて。相方がずっとしゃべってました。 ――ライター泣かせですわぁ。 安村 コンビって、そうじゃないですか? 僕も別にしゃべりたくないわけじゃなくて、どちらかというと遠慮してたんですよ。だからピンになってインタビュー受けた時、びっくりした。「俺、こんなにしゃべってる」って。 ――普段は、芸人仲間と飲みに行ったりしますか? 安村 普通にしますよ。三瓶さんが多いですね。アモーレ三瓶さんが。 ――いま話題の。キューピットの。 安村 自分の恋愛は全然ダメなのに(笑)。 ――三瓶さんとは、どういう話をするんですか? 安村 だいたい人の悪口しか言ってないですね。 ――いま売れている人に対してとか? 安村 そういうわけではなく、身近な人のうわさ話とか。「アイツ本当は○○らしいよ?」「マジかよ、俺は前からそう思ってたよ。アイツはイケ好かないって」「やべぇなアイツ……」とか。そんな話を延々してる。
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――最高に旨い酒が飲めますね。 安村 三瓶さん、本当に毒もあって面白いんだけど、なかなかテレビには出てこないですからね。もったいないと思いますよ。テレビ出てないと、すぐ「仕事してない」ってなっちゃうじゃないですか。僕もそうですけど、(日本)エレキテル(連合)とかも、一時期に比べて今テレビに出ないから、そう思われる。芸人の仕事は、テレビだけじゃないのに。 ――落ちぶれた、みたいに思われてしまう。 安村 毎日、みんな生きてんのになぁ……。 ――名言いただきました。BKBさんの「鏡は先に笑わない」に続く、安村さんの「毎日、みんな生きてるのになぁ」。 安村 (笑)。今回のライブは三瓶さんもゲストに呼んでいるんで(東京・大阪のみ)、三瓶さんの良さを皆さんにお伝えできたらと思ってますよ。 ――自分の単独なのに。 安村 裏テーマは「三瓶さんのちょっといい話」(笑)。 (取材・文=西澤千央) ●とにかく明るい安村 初単独ライブツアー『TONIKAKU』公演概要 ≪日時/会場≫ 北海道 8月13日(土)開演13:00/共済ホール 大阪 8月18日(木)開演19:30/なんばグランド花月 東京 8月25日(木)開演19:30/ルミネtheよしもと ≪チケット≫ 【料金】 前売2,500円/当日3,000円 【発売】 [先行]チケットよしもと 5月28 日(土)11:00 ~ 5月30 日(月)11:00 [一般] チケットよしもと・チケットぴあ・ローソンチケット 6月4日(土)10:00~ 【問い合わせ】 チケットよしもとTEL:0570-550-100/WEB:http://yoshimoto.funity.jp/ チケットぴあ TEL:0570-02-9999/WEB:http://t.pia.jp/ ローソンチケットTEL:0570-000-407/WEB:http://l-tike.com/

ネガティブ発言連発! “ダークな”とにかく明るい安村が振り返る「はいてますよブーム」

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撮影=尾藤能暢
「安心してください、はいてますよ」どれだけの子どもが、大人がこのフレーズとポーズをマネしただろうか?  2015年、自らの肉体とポージングの妙を駆使した裸ネタで大ブレーク。そして今年8月、満を持して北海道・東京・大阪の3カ所を回る全国ツアー『TONIKAKU』を開催する、とにかく明るい安村。今あらためて「はいてますよ」への思いを聞くと、出てくる言葉は芸風とは真逆の、ネガティブで辛口で、とにかくサイゾー向きな芸人さんだった!! ――北海道、東京、大阪の 3カ所を回る全国ツアーが始まりますね。 とにかく明るい安村(以下、安村) 去年も一昨年も、小っちゃいところでは人知れずやってたんですよ、単独。お客さん20人くらいで(笑)。今回はルミネとかNGKとか箱が大きいので、ちょっと不安です。 ――地元・北海道に凱旋ですね。 安村 そうなんですけど……たとえば福岡出身の人たちは、よく一緒に集まったりしますよね。いかんせん遠いんですよ、北海道は。北海道出身だっていわれても、札幌の人は旭川を全然知らないし。 ――冒頭から、ネガティブな発言連発ですが(笑)。 安村 いや本当、北海道は寒く、そして広い。 ――今回、このタイミングで全国を回ろうと思ったのはなぜですか? 安村 そろそろネタもやらないといけないな、と思いまして。僕のファンは子どもたちが多くて、ファンレターも、子どもからのものばかりなんです。だから子どもたちに向けて、楽しいことやりたいなって。 ――前回、インタビューでバイク川崎バイクさんが「安村さんのようにブレークして、BKBを成仏させたかった」とおっしゃっていました(参照記事)。 安村 もう違うのがやりたいと(笑)。 ――BKBは大好きなんだけど、もっと川崎方面を押し出していきたいそうです。 安村 川崎くんのほうを(笑)。 ――おそらく安村さんは、BKBさんが描く理想のストーリーを歩まれているんだと思います。 安村 本当ですか!? そんなすぐ「次に」とはならないですけどね。まぁ、何か新しいものがあればって感じかなぁ。僕もBKBも、いろんなことやっていた中のひとつだったから、ほかもやってみたいと思うのかもしれない。これだけをずっとやっていたんだったら、気持ちも違うんでしょうけど。 ――「あたりまえ体操」ブレークの時にCOWCOWさんも、同じことをおっしゃっていました。「(いろいろある中の)これがよかったのか」と、ご本人たちが一番驚いたって。 安村 「はいてますよ」に関していえば、僕は逆だったかも。これだろうと、これはいいのができたと。「これは絶対売れたわ」って感覚がありました。で、実際やってみたら、全然ウケなくて。「ウソだろ」と。 ――俗にいう、「スベる」というやつ? 安村 初めてやった時は、まさしくそうでしたね。でも、そこでめげず、やり続けた感じではあります。
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――オリジナルの形から、徐々に変えていったのですか? 安村 曲の長さとか、しゃべり方とか、だいぶ変わりましたよ。最初は、スギちゃんみたいなしゃべり方だったし。「なんだぜぇ?」みたいな(笑)。あと、エロい感じでやってた。ストリップ劇場みたいな。 ――今とは、だいぶ違いますね。 安村 自分のライブの時は照明をピンクにしたりできますけど、それができない場所もある。そういうところでエロい感じは難しいし、そもそもウケなかったので、ちょっとアメリカ人のショーのような感覚でやり始めたんですよ。 ――それがハマったと。 安村 そうですね。あと、周りの芸人さんが、いろいろツッコんでくれたんですよ。「はいてないんじゃない?」「ヤバイヤバイ」「……はいてますよ」「あ~よかった」みたいな。ありがたかったですね。 ――安村さんは14年にコンビを解散されて、15年にブレークですから、一見とんとん拍子に見えてしまうのですが、ご自身の中では、どんな気持ちで日々を過ごしていたのですか? 安村 そんな簡単じゃないですよ。ネタもいろいろ試しましたし、ダメでしたし。お金もないし、バイトしてましたし。2年やってダメだったら、やめようと思っていました。僕、プロ野球が好きでよく見ますけど、僕と同い年の選手は、ほとんどチーム最年長とか大ベテランなんですよ。全然若手じゃない。 ――安村さんは、松坂世代ですか? 安村 松坂(大輔)選手より一つ下ですね。 ――ソフトバンクの和田(毅)投手も日本に戻ってきて頑張ってますし、久保(康友)もベイスターズでローテーションを守ってますし。 安村 そうですね(笑)。 ――でも、どの芸人さんもおっしゃいますね。30歳は、ひとつの節目だと。 安村 僕もこのブレークがなかったら、どうしていたかはわかりません。好きなことだけやって、ダメだったらやめようと開き直ってたのが、よかったかもしれないですね。 ――コンビからピンになって大変だったことは、なんでしょう? 安村 一人だと、当たり前だけど、ツッコミがいないじゃないですか。自分が思っているものがなかなか伝わらないのがキツかった。面白さがお客さんに伝わりづらい。だから、すごくわかりやすくやらなきゃいけない。 ――抵抗はなかったですか? 安村 ありましたよ。でも、全然ウケないんで。変えていくしかないですよね。 ――ブレークから今少し時間がたって、「はいてますよ」のネタに対する思いは変わりましたか? 安村 長いターンでやりたいなと思っていますけど、それが難しいのもよくわかっていますから。 ――ミュージシャンなら、ヒット曲を長く何度も演奏できるのに。 安村 そうですよね! 芸人の場合は「まだやってんのかよ」になっちゃう。悲しいですよね。僕自身は、これからこの世界でどうやって生き残っていこうかとかはあまり考えていなくて、自由にやっていこうかなと。 ――今だから自由にできる、という感覚ですか? 安村 無理やりめちゃくちゃ働いたりみたいなことはもうやめて、休んで旅行に行くとか。家族とね。
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――一時期、多忙で痩せすぎてしまって、パンツがゆるゆるになったと報道されていましたし(笑)。 安村 そんなに痩せてはいないですよ(笑)。今は昔ほど「一夜にして状況が変わる」みたいなことはないと思う。トレンディエンジェルとか、昔からずっと売れてましたし。 ――今後は、洋服を着ていきたいですか? 安村 裸でいたいんですけどねぇ。「まだ裸やってんのかよ」って言う人と、着たら着たで「え? 裸じゃないの?」って言う人と両方いる。もう完全に無視して、その時やりたいほうにしていますよ。 ――安村さんには「こういう芸人さんになりたい」みたいな目標はあるんですか? 安村 高田純次さんみたいな方に憧れましたけどね。なかなか難しいです。もちろんダウンタウンさんやウンナンさん、とんねるずさんを見て育ちましたけど、僕はもともと芸人になろうと思っていたわけじゃないんですよ。当時の相方に誘われて上京してきて、常に流れに身を任せ、言われるがままにやってた感じだったので。 ――モチベーションを保つのが大変ではなかったですか? 安村 そうですね。だから、解散したんですけどね(笑)。僕としては謎ですよね。自分ではそんな乗り気じゃなかったのに、誘われて 10年ぐらいやって解散して、いま裸でやっている。意味わかんないですよね。17歳ぐらいの僕が見たらどう思うんだろう。 ――安村さんは、なんていうか……クールですよね。 安村 コンビの時は、取材とか全然しゃべらなくて。相方がずっとしゃべってました。 ――ライター泣かせですわぁ。 安村 コンビって、そうじゃないですか? 僕も別にしゃべりたくないわけじゃなくて、どちらかというと遠慮してたんですよ。だからピンになってインタビュー受けた時、びっくりした。「俺、こんなにしゃべってる」って。 ――普段は、芸人仲間と飲みに行ったりしますか? 安村 普通にしますよ。三瓶さんが多いですね。アモーレ三瓶さんが。 ――いま話題の。キューピットの。 安村 自分の恋愛は全然ダメなのに(笑)。 ――三瓶さんとは、どういう話をするんですか? 安村 だいたい人の悪口しか言ってないですね。 ――いま売れている人に対してとか? 安村 そういうわけではなく、身近な人のうわさ話とか。「アイツ本当は○○らしいよ?」「マジかよ、俺は前からそう思ってたよ。アイツはイケ好かないって」「やべぇなアイツ……」とか。そんな話を延々してる。
yasumura062401
――最高に旨い酒が飲めますね。 安村 三瓶さん、本当に毒もあって面白いんだけど、なかなかテレビには出てこないですからね。もったいないと思いますよ。テレビ出てないと、すぐ「仕事してない」ってなっちゃうじゃないですか。僕もそうですけど、(日本)エレキテル(連合)とかも、一時期に比べて今テレビに出ないから、そう思われる。芸人の仕事は、テレビだけじゃないのに。 ――落ちぶれた、みたいに思われてしまう。 安村 毎日、みんな生きてんのになぁ……。 ――名言いただきました。BKBさんの「鏡は先に笑わない」に続く、安村さんの「毎日、みんな生きてるのになぁ」。 安村 (笑)。今回のライブは三瓶さんもゲストに呼んでいるんで(東京・大阪のみ)、三瓶さんの良さを皆さんにお伝えできたらと思ってますよ。 ――自分の単独なのに。 安村 裏テーマは「三瓶さんのちょっといい話」(笑)。 (取材・文=西澤千央) ●とにかく明るい安村 初単独ライブツアー『TONIKAKU』公演概要 ≪日時/会場≫ 北海道 8月13日(土)開演13:00/共済ホール 大阪 8月18日(木)開演19:30/なんばグランド花月 東京 8月25日(木)開演19:30/ルミネtheよしもと ≪チケット≫ 【料金】 前売2,500円/当日3,000円 【発売】 [先行]チケットよしもと 5月28 日(土)11:00 ~ 5月30 日(月)11:00 [一般] チケットよしもと・チケットぴあ・ローソンチケット 6月4日(土)10:00~ 【問い合わせ】 チケットよしもとTEL:0570-550-100/WEB:http://yoshimoto.funity.jp/ チケットぴあ TEL:0570-02-9999/WEB:http://t.pia.jp/ ローソンチケットTEL:0570-000-407/WEB:http://l-tike.com/

「ダブってない、誰とも」R-1優勝者特番『TVの掟』が教える、ハリウッドザコシショウの真価

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『売れてる奴らに学ぶ! ハリウッドザコシショウ TVの掟』(関西テレビ・フジテレビ)
「アナタ、正気なの?」  デヴィ夫人は、目の前で自分のモノマネだと言われて、意味不明な奇声を上げながら、ワケのわからない動きをするハリウッドザコシショウを見て、もっともな感想を述べた。  それは「R-1ぐらんぷり」優勝者に与えられた冠番組『売れてる奴らに学ぶ! ハリウッドザコシショウ TVの掟』(関西テレビ・フジテレビ)の一幕だ。  ザコシショウのR-1優勝は衝撃的だった。もともとお笑いファンや芸人たちの間では、その実力が認められていたザコシショウ。だが、その芸風は、とてもテレビ向きではないと思われてきたからだ。しかも、賞レースとなればなおさらだ。しかし、いざ決勝に進出すると、会場は大爆笑。圧倒的な力で、まさかの優勝をもぎ取ったのだ。  この優勝は、お笑いファンからは歓迎されたものの、「何が面白いかわからない」と批判する声も少なくなかった。確かに、ザコシショウの人となりや背景などを知っているのと知らないのとでは、あるいは、見慣れているか否かで、感じ方は大きく違ってくるネタだ。初めてこの種の笑いを見ると、どう見ていいのかわからなくて混乱してしまうのは無理もないことだ。  たとえば優勝後、『スッキリ!!』(日本テレビ系)の「クイズッス」にザコシショウが登場した時だ。ひとしきり、得意の誇張モノマネを繰り返すザコシショウ。ここで異変が起こる。  それをスタジオで見ていたコメンテーターの本上まなみが、泣きだしてしまったのだ。 「え? なんの涙?」 「ごめんなさい……何が起きてるのかわからない」  生まれて初めて出会ったものへの衝撃で、恐怖や驚きなどの感情がない交ぜになって、意味不明の涙があふれてきてしまったのだ。  さらに約1カ月後、再びザコシショウが同コーナーに登場し、誇張モノマネの新ネタを披露すると、やはり本上の目からは涙がこぼれてしまう。 「なんですか、その込み上げる涙は?」 と笑いながら問うMC加藤浩次に、本上は苦悶の表情で答える。 「わからないですけど……でも、うれしいです」 「表情と言葉が真逆!」 『TVの掟』は「テレビ的」な振る舞いに慣れていないザコシショウが、ケンドーコバヤシ、陣内智則、たむらけんじ、中川家といった同期の芸人たちから「芸能界で生き残るためにTVの掟を学ぶ」という趣旨の番組である。情報番組リポートやグルメリポート、俳優としてオファーが来た際の演技などを学んでいく。  やはり最初は奇声を上げたり、変な動きをするザコシショウだが、「建物の外観に触れる」「ほどよく自分の話を織り交ぜる」「入り込みで目を引く動きを」「カメラワークしやすい的確なリアクションを」「取材先に失礼なボケはNG」「体験したことは細部まで覚えておく」といった具体的なアドバイスに、もともと持つマジメな資質が現れ、しっかりと応えていく。  それをスタジオで見た関根勤は、手を叩きながら絶賛する。 「ニュースター誕生! のみ込みの早さ、スゴいじゃない」 「ニューウェーブだね! 結局、うまい人はいっぱいいるじゃない。うまい人ばっかりがいてもダメだから」 「ニュースターだよね」  これに対して、真っ向から反対するのはデヴィ夫人だ。 「全然面白くない」 「アナタ、何やってるの?」 「もう、開いた口がふさがらない」  リポートの極意や演技指導などの「TVの掟」よりもむしろ、この2人のリアクションの対比にこそ、ザコシショウがテレビで生かされるヒントが隠されている気がする。ザコシショウの極端な芸には、極端に褒めるか、極端に否定するか、そのどちらかのリアクションをぶつけると、それを受けたザコシショウのかわいげが全開になる。中途半端ではダメだ。デヴィ夫人は『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)で出川哲朗と名コンビとなっているが、もしかしたらザコシショウとの組み合わせは、それ以来のヒットとなるかもしれない。  関東圏では『TVの掟』の直後に、ザコシショウがゲスト出演した『にけつッ!!』(同)が放送された。盟友であるケンドーコバヤシとのトークに花を咲かせ、帰っていったザコシショウに対し、千原ジュニアはこう評した。 「25年間、1ミリも動かず立ち続けるってスゴいよね」  ザコシショウはデビュー以来、テレビに見向きもされなくてもずっと同じ芸風を貫いてきた。そうして長い時間ずっと動かなかったザコシショウに、ようやくテレビが近づいてきた。  辛らつな評価を与え続けたデヴィ夫人もやがて、根負けしたように言った。 「アナタみたいな人がいないから、いいんじゃない? ダブってない、誰とも」  ここまでやっているのなら、認めざるを得ない。ハリウッドザコシショウには、見る者にそう思わせる、長い時間をかけて熟成した意味不明なまでのパワーが宿っているのだ。 (文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>) 「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから

『よしもと男前ランキング』廃止の理由は、やっぱり“あの人”!?「殿堂入りすると名前が出続ける……」

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 お笑いトリオ・パンサーの向井慧が7日、都内で行われたイベントに出演。自身が昨年、男前1位に輝いた毎年恒例の「よしもと男前ブサイクランキング」について、「誰も興味がなさすぎて、廃止になった」と明かした。  同ランキングは、よしもとが発行していた月刊誌「マンスリーよしもと」の企画として2000年にスタート。毎年、一般投票を行い、「男前ランキング」「ブサイクランキング」を発表。10年には、女芸人版として「べっぴんランキング」「ぶちゃいくランキング」も加わり、結果発表時にはマスコミを集めて記者会見を行っていた。 「10代のお笑いファンが多く投票していたため、ランクインするのは若手芸人がほとんど。テレビではあまり見かけないながらも、劇場で人気のある“旬の若手”がわかるランキングとしても機能し、業界関係者はキャスティングの参考にするため注目していた」(芸能ライター)  そんな“顔見せ”の役割も担っていた同ランキングだが、よしもと側に旨味がありながらも廃止された理由は、やはりあの騒動のようだ。 「アジアン・隅田美保が、テレビ界から去ったことが原因のようです。隅田は昨年3月にレギュラー番組を自ら降板し、今後テレビに出ないことを表明。現在は、劇場を中心に活動していますが、共演者から“ブスいじり”をされることはなくなったといいます」(同)  くだんのランキングでは、3年連続で首位を獲ると“殿堂入り”するシステムがある。相方の馬場園梓が13年に『べっぴんランキング』で殿堂入りする一方、隅田は12年に『ぶちゃいくランキング』で殿堂入り。昨年7月には「FLASH」(光文社)の直撃に対し、テレビから消えた理由を「普段から『ブス、ブス』と言われるのがホンマに嫌で、バラエティ番組でみんなにいじられてるせいで、婚期を逃している」と語ったことで、お笑い業界に衝撃が走った。 「隅田の告白は、お笑い関係者にとって大変ショックなものだった。殿堂入りすると、ランキングが続く限り名前が出続けることになるため、こうなっては続けられません。ただ、今年、悪質な無免許運転で逮捕されたベイビーギャング・北見寛明が、昨年の『男前ランキング』で3位にランクインしていましたから、その点は好都合なタイミングでの廃止といえるかも」(同)  ネタ番組が減り、長い氷河期をじっと耐えているお笑い業界。劇場レベルの若手芸人のアピールの場が、また一つ失われてしまったのは残念だ。

「股間を見せて共演NG」よりキツい! ノブコブ吉村崇が絶対に明かせない“破天荒エピソード”とは

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 自称・破天荒芸人の平成ノブシコブシ・吉村崇のクズエピソードが話題となっている。  タレントの鈴木奈々は19日放送のMBS『メッセンジャーの○○は大丈夫なのか?』に出演し、共演NGのタレントを告白。ヒントは「お笑いコンビの1人でイニシャルはT・Y」とのことだったが、番組終盤にはそれが吉村であることが判明。共演した、とにかく明るい安村から「奈々ちゃんがノブコブ吉村崇が嫌いだとは思わなかった」と突っ込まれ、鈴木は「言わないで~!」と取り乱した。  なぜ嫌いなのか? 鈴木によると「共演すると、(ほかのタレントは)なかなか人の楽屋になんて入ってこないのに入ってくる。股間見せてきたり。ほんとにセクハラなんですよ!」という。  吉村は変態なのか……。  実は2人の因縁は、予想以上に根深い。3年前の2013年9月には、TBS系『サンデー・ジャポン』で大ゲンカ。MCの爆笑問題・田中裕二から「奈々ちゃん、吉村に電話番号聞かれたの?」と振られた鈴木は「ホントしつこくて、ロケバス一緒で」と暴露した。  これに吉村が「もともと奈々ちゃんの友だちが、僕のことタイプだから紹介してくれるって、LINEを教えてくれるみたいなことを言って、それで勘違いしてるんですよ、このバカが!」と応戦。続けて「こっち(鈴木)のほうが俺を好きなんですよ。オープニングでずっとここ(吉村の腕)に胸当ててくるんですよ」と述べると、鈴木は「やってない! 最低! 大嫌い!」と叫んだ。 「ケンカするほど仲がいい」という言葉もあるが、鈴木の“吉村嫌い”はガチなようだ。とはいえ、この程度の話はまだ序の口。吉村の女性関係をめぐっては、過去にシャレにならない出来事もあったという。舞台裏を知る関係者の話。 「詳しくは言えないが、女性絡みでトラブルとなり、怖い人たちに脅された経験があるそうです。吉村にも非があるため、警察に相談することもできなかったとか。最終的には“大人の解決”に至ったようですが、いまその話が表に出れば、吉村は芸人として終わりでしょうね」  先月開催された『第8回沖縄国際映画祭』でも、素人女性を滞在先ホテルに“お持ち帰り”したことが判明している吉村。火遊びも、ほどほどに……。

極楽とんぼ・山本圭壱のTwitter開設で本格復帰へ!? 『めちゃイケ』電撃参戦の“実現度”は……

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 お笑いコンビ・極楽とんぼの山本圭壱がTwitterアカウントを開設し、話題になっている。24日、山本は「@yama_gokuraku」という名義でTwitterを開始。25日午後までに1枚の画像と、2秒ほどの動画を投稿している。  同アカウントのトップ画像には“「DMM 山本圭壱」で検索”と書かれた紙と一緒に写る山本の写真が使用されており、プロフィールのリンクは会員制有料WEBサービス「DMM Lounge」となっている。  2006年に、当時17歳の少女に飲酒させた上で強姦したとして書類送検され、所属していた吉本興業を解雇。当時、吉本は極楽とんぼの「解散」を発表している。  以来、事実上の引退状態となっていた山本だが、15年1月には東京・下北沢の劇場で単独ライブを開催。また、同年7月には相方・加藤浩次のコントライブを訪れ、共演者のおぎやはぎ・矢作兼に促される形で舞台に上がったことも話題になった。 「吉本は公に極楽とんぼの解散を発表していますが、加藤はそれでも『解散はしていない』と言い続けています。一方の山本も、今回始めたTwitterアカウントを見てもわかるとおり、極楽とんぼのメンバーであるという主張を貫いている。本人たちは、あくまでコンビでの活動再開を望んでいますし、ロンドンブーツ1号2号の田村淳ら、かつての“軍団山本”も、かねてより2人をサポートする姿勢を見せています」(芸能デスク)  こうして山本がアクションを起こすたびに浮かんでは消えているのが、レギュラーを務めていた『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ系)での復帰ロード。吉本側も表向き静観しつつ、復帰の可能性を含めて現在も山本の素行調査を行ったこともあるというが、実現にはいたっていない。  やはり、ファンや芸人仲間たちが望む『めちゃイケ』復帰は難しいのだろうか? 「ここにきて、風向きが変わってきていることは確かです。というのも、最近の『めちゃイケ』の視聴率は壊滅的なんです。全盛期は30%を優に超えるオバケ番組でしたが、今年に入って5%を切るケースも出てきた。今年9月での打ち切り説も、にわかに真実味を帯びてきました。山本の電撃参戦が実現すれば、これ以上ないテコ入れになるはずですが……」(同)  山本の復帰が先か、打ち切りが先か。残された時間は、そう長くなさそうだ。