日本ゲーム業界の「ガリバー」である任天堂が、インターネット企業であるDeNAと業務・資本提携を発表してから、はや半年以上が過ぎている。10月末には任天堂が年内リリースを予定していた初のスマートデバイス向けアプリ『Miitomo(ミートモ)』の発表を来年に延期したと発表し、株価が一時急落していたが……。 そもそもこの『Miitomo』は、社長の君島達己氏がいうには「ネタふりコミュニケーション」だそう。友だちの知らなかった意外な一面や、思いがけない共通点を発見できるアプリということだが、ネット上や期待していたファンの間では「マリオじゃないのか」「ゲームなのかこれは」「アメーバピグの真似事」など散々な意見ばかりが目立つ。リリース延期と合わせ、多くの人が失望を感じたということだろう。 『スーパーマリオブラザーズ』や『ゼルダの伝説』などのような、任天堂が誇るゲーム界の「最強コンテンツ」に多くの人が期待するのは当然のこと。任天堂の動きを“温存”と見る向きもあるが、不満が出るのも仕方なしか。 「『マリオ』がどうというより、ゲーム会社として『Miitomo』のようなコミュニケーションツールよりではなく、純粋なゲームを出すべきだったとは思いますね。『マリオカート』などヒット間違いなしのコンテンツがあるのに出さないのは、自社製品である『NX』『Wii U』などハード機の売上への影響を懸念して、出せないのか……何にせよ、釈然としませんね」(ゲーム記者) そもそも、任天堂はゲーム機とそれに付随するゲームソフトで確固たる地位を築いた企業だが、端的にいえばそれは開発してリリースしたらそれで“終了”ということ。一方、DeNAの主戦場であるスマホゲームは、課金率や売上に応じてスピーディに改良を重ねる必要があるという点で大きく異なる。任天堂としても今はスマホゲーム市場の“常識”をインプットしているころなのかもしれないが、一朝一夕で体制を整えることは難しいに違いない。 「DeNAとしては任天堂の、それこそマリオやゼルダなど圧倒的な知的財産を利用するという点で大きなメリットがあります。最低でも数本、任天堂がこれまで出したゲームのスマホ版をリリースさせることは間違いないでしょうね。ある程度のヒットは問題なく見込めますから」 スマホゲームの帝王である『パズドラ』のガンホーや『モンスターストライク』でV字回復を果たしたmixiも、任天堂という究極のネームバリューは当然無視できないはずだ。 ただ、どうもスマホゲームに挑戦する任天堂の姿からは、不安が消えない。 来年、株式会社ポケモンよりリリースされる、現実の街を舞台に歩き回って「ポケモン」をプレーできる、スマートフォン向けゲーム「ポケモンGO」にも任天堂が開発に参加しているが、腕時計サイズの端末を開発して「歩きスマホ」防止をアピールしているものの、それだけでトラブルを軽減できるのかと疑問の声も多い。さらに、『ニンテンドーDS』や『Wii』を生み出した天才・岩田聡社長が今年3月に没し、その後継となった三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)出身であり、ゲーム業界としては“門外漢”の現・君島社長の手腕にも、心配な声が多いのが現状だ。 過去のヒット作を流用するだけでも、一定の結果を出せるのが想像に容易い任天堂のスマホゲーム。どうせなら、「これぞ任天堂」というゲームを開発して、DeNAとともに業界をひっくり返すところが見たい。任天堂公式サイト
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現役自衛官に聞く “ほふく前進”だけじゃない、自衛隊のお仕事
最近、自衛隊の様子がどーもおかしい! 防衛省のオフィシャルマガジンである雑誌「MAMOR」(扶桑社)では、表紙にAKB48やアイドリング!!!、平野綾、吉木りさ、足立梨花といったグラビア誌顔負けのアイドルたちを起用してネット上などでも話題となっているし、ドラマ『空飛ぶ広報室』(TBS系)や映画『永遠の0』の撮影に全面協力、さらには人気萌えアニメ『ガールズ&パンツァー』のイベントに10式戦車の実車展示をするなど、やたらと柔らか~い広報活動を行っているのだ。 かつて、映画『野性の証明』や『戦国自衛隊』などは、撮影時に自衛隊の協力を得られなかったらしいけど、やはり自衛隊といえばお堅くてハードな男の世界、軟派な映画やアニメになんて簡単には協力してくれないイメージはある。「萌えアニメに協力して!」なんて言った日にゃあ、激怒されて戦車で追いかけられるんじゃないか!? ってなもんだ。 そんな自衛隊が、トレンディドラマ(死語)や萌えアニメに協力とは時代も変わったもんだ! そして、さらなる一手として、自衛隊への志願者増を狙ったスマホアプリを開発したという。 自衛隊の募集といえば、“空に向けてズバーンと指を向けたポスター”というイメージが強いけど、いまやそれもスマホアプリで、という時代なのか!? このアプリ、自衛隊の活動を学べるお堅い勉強アプリみたいなものではなく、自分の顔を撮影してさまざまな制服を着た自衛官アバターにはめ込み、ポーズをとらせて画像を作成。TwitterやFacebookに投稿することができるという……いかにも中高生たちが好きそうなアプリ! ……こんな、オタク&ヤングにすり寄ったかのような最近の自衛隊の広報戦略、一体どーなっているのか、自衛隊の募集広報担当の方を直撃してみた! ――自衛隊がスマホアプリをリリースということで、若干戸惑っているんですけど「やっぱり今、時代はアプリだろ!」みたいな意見が多かったんでしょうか? 「少子化が進んで若者の絶対数が減っている中、それでも自衛隊では普通の企業さんと比べて、より多くの人材を採用しなければならないんです。そこで、若者がどういうものに興味を持っているのかということを分析したところ、どうも1日10時間くらいスマホに触れているらしいと。そのスマホの中に、制服の自衛官のキャラクターが入り込んだら身近に感じてもらえるんじゃないかと思い、こういう形でアプリを制作しました」左から海上幕僚監部人事計画課 隈部隆3佐、陸上幕僚監部募集・援護課 堀裕次3佐、航空幕僚監部人事計画課 小路泰弘技官
アプリを起動し、まずはスマホのカメラで自分の顔を撮影。
――確かに興味は持ってもらえそうですけど、1日中スマホを手放せないような人ばっかり応募してきても困るんじゃないですか? 「程度の問題はあると思いますが(笑)。もちろん、応募してもらったからといって100%採用されるわけではなく、試験がありますからね」 ――ところで、自衛隊に入隊してからもSNSをやってて大丈夫なんですか? 「最近ではSNSでのなりすましとか、炎上ということが問題になっていますので、そういったことには十分留意するように注意喚起はしておりますが、SNSを使用するのは自由です。実際、若い隊員たちは結構やっていると聞いています」 ――自衛隊の採用試験って、どんなことをするんですか? 「それぞれの募集種目によっても違うんですけど、基本的には高校数学や国語、一般教養だったり、普通の入社試験と同じようなテストが行われています。それと面接ですね」 ――その年によって自衛隊の応募人数も増減すると思いますが、どんな時期に応募者が増える、減る……みたいな傾向ってあるんですか? 「やはり、景気に左右されない安定した職業というイメージが強いので、世間全体の景気が悪い時には応募者が増えますし、景気がいい時には、応募者が減りますね」 ――このアプリのほかにも、最近ではテレビドラマだったり、映画はアニメなどで自衛隊が取り上げられていますが、それを見て応募してきたという人もいるんでしょうか? 「具体的にアンケートを取っているわけではないんですが、いろいろ話を聞く中では『空飛ぶ広報室』を見て応募しました、という人も少なからずいるようですね」 ――ちなみに『ガルパン』を見て入ったという人は……? 「『ガルパン』や『艦隊これくしょん』に憧れて……というのは、まだ聞いたことはないですけど(笑)。そういった作品で自衛隊に親しみを持ってもらって、志望動機のひとつになる……というような影響はあると思います」 ――兵器マニア・軍事マニアといった人たちからの応募も多かったりしますか? 「まれにサバイバルゲームなどが大好きだという人はいますけど、特にマニアが多いということはないと思います。本当のマニアの方は、入隊しないで基地などで開催されるイベントに熱心に通ってくださっているんじゃないでしょうか」撮影した写真をさまざまな制服を着た自衛官アバターにはめ込み、アクションや背景画像を選択。
アバターは、三幕の制服・男女各9種類、アクションは全12種類から選べる。
背景画像は、「10式戦車」「イージス艦みょうこう」「F-2戦闘機」など、実際の自衛隊装備全10種類。噴出しには、自由にメッセージを入力することもできる。
専用のARマーカーにかざすと、「自衛官になった未来の自分=アバター」が現れる!
――ははぁー、確かに一般の人のほうが兵器にメチャクチャ詳しかったりしますからね。 「制服で街を歩いていると、時々マニアの方に話しかけられることがあるのですが、“旧・日本軍の兵器がどうで……”と熱く語られ、戸惑うことも少なくないです(笑)」 ――現在のことについては知っていても、歴史的背景まではそこまで詳しく知らないでしょうからね。そういう意味では、今回のアプリはマニアックな要素を廃して、かわいらしいキャラクターと制服という、一般の人にも分かりやすい作りになっていますよね。 「あまり深いところには突っ込まないで、『自衛官の制服ってこんなに種類があるんだ』くらいの感覚で使ってみてもらいたいです」 ――逆に、最近の柔らかめな広報活動に対して「さすがに柔らかすぎるんじゃないか?」というような意見はないですか? 「そういう意見は私の耳には入ってきていません。たとえば『ガルパン』や『ニコニコ超会議』といった、これまでだったら参加しないだろうというようなイベントに戦車を展示したりしていますが、大変好評を得ています。こういうことを入口として、興味を持ってもらえればうれしいですね」 ――そういった親しみやすい広報活動や、東日本大震災での救助活動などでイメージアップしているのか、最近では婚活パーティーなどでも自衛官が人気ナンバー1となってるらしいですね。 「うーん、我々の時代とは違うなという感じですね。うらやましいですよ(笑)。でも、隊員が制服で歩いてキャーキャーいわれるかといえば、そんなことはまずないので、実感はあまりないですね」 ――軍事マニアのおじさんに声をかけられるくらいで(笑)。 「雑誌やテレビ番組などでも『自衛官が人気』なんて取り上げられていますけど、ホントかなぁ~? と、ちょっと疑いの目を持ってしまいますけどね。若手の結婚率が高くなっているという実感もありませんし……。まあ、自衛隊という組織が若い女性の方たちからもある程度、認知・評価を頂いているとしたらうれしいことですね」 ――このアプリなどをきっかけに自衛隊に興味を持った人たちに、自衛隊で働く上でオススメできるポイントと、でもここが大変だぞというポイントを教えてください。 「自衛隊というと、やっぱり延々とほふく前進をしたり、銃を持って走っているイメージがあると思いますが、実は自衛隊ほどいろんな職種がそろっている職場ってないんじゃないかと思います。体力がある人もない人も、勉強が好きな人も嫌いな人も、自分に合った職種を選ぶことができます。たとえば料理が好きだったら、そういう職種が用意されていますし」 ――料理を専門に作っている隊員もいるんですか!? 「給養員というんですが、船の中などで料理を作る専門の隊員がいますね。あとは、子どもの頃に憧れていた戦車や飛行機を自分で操縦できるというのはほかでは味わえない体験なので、やはり魅力的ですよね(笑)」 ――ボクなんかは自衛隊の生活というと、どうしても、『フルメタル・ジャケット』を想像しちゃいますけど、そんなことはないぞと。 「私も、普段は1日中パソコンに向かっている仕事ですからね。そういう事務職もありますので、体力に自信のない女性の方などでも、それに合った職種というのが見つけられると思います」 ――逆に、ここは大変だ……という点は? 「やはり、団体生活が苦手な人にはキツイとは思いますね。どうしてもチームで動いていく仕事なので、そこには慣れてもらわないと大変じゃないかなと思います」 ――最後に、こんな人材を求めてるぞ! というのを教えてください。 「やはり『国を守るぞ!』という気概を持って入ってきてくれる人が理想です!」 *** 正直、自衛隊員はみんな丸坊主で毎日地獄の行軍とかしているんだろう、くらいのザ・偏ったイメージしか持っていませんでしたが、料理を作る人、兵器の整備をする人、薬剤師、音楽を演奏する人……などなど、自衛隊員にもいろんな職種があるんですなぁ。 ボクもちょっと興味が出てきたぞ! ……と思ったものの、募集しているのは基本的に27歳以下の若者なんだそうな。もうボク、若者じゃないんだな……。 まあ、採用基準を満たしている人も、はみ出しちゃっている人も、とりあえず自衛隊アプリ「キミにエールAR」を使ってみたらいいんじゃないかな? (取材・文=北村ヂン) ●スマホアプリ「未来のキミがキミを応援!“キミにエールAR”」 3月26日(水)リリース 無料(※ダウンロードや利用の際に発生する通信料は利用者負担となります) iOS6.0 以降推奨 / Android OS ver 2.3.x 以降(ver4.x 推奨) 発信元:防衛省・自衛隊 自衛官募集ホームページ<http://www.mod.go.jp/gsdf/jieikanbosyu/> アプリ紹介ページ<http://www.mod.go.jp/gsdf/jieikanbosyu/app/> AppStore URL<https://itunes.apple.com/jp/app/kiminieruar/id834024804?l=ja&ls=1&mt=8> Google Play URL <http://play.google.com/store/apps/details?id=jp.go.mod.yell>作成した画像は、メールやSNSなどで送れる。
「“不謹慎”のボーダーラインが、どんどん下がってきている」虚構新聞社主が語る、ネット社会10年の変化
「現実と虚構の区別をあいまいにするような報道」をモットーに、架空のニュースを配信している「虚構新聞」(http://kyoko-np.net/)が、4月で10周年を迎える。“99%がウソの情報”と公言しているにもかかわらず、昨年11月には日本ユニセフ協会の寄付金をネタにした記事が削除依頼を受けたり、食品偽装をネタにした風刺記事が現実になってしまったりと、ここ数年はネット上だけでなく社会を騒がすことも少なくない。そこで社主のUK氏に、ネット社会の変化も含め、この10年を振り返ってもらった。 ――4月で10周年を迎えますが、現在の心境は? 「『気がつけば10年』という感じです。もともと凝り性なので、日課のように自分の妄想を書き続けていたら、こんなに時間がたっていたという……。過去2度ほど批判の集中砲火を浴びてやめたくなったこともありますが、それと同じくらい応援や励ましの声を頂いたので、ここまで持ちこたえることができました」 ――現在の更新頻度は、どれくらいなんですか? 「最近は週2本程度です。毎日更新もできなくはないですが、記事を粗製乱造したくないのと、そこまでPV稼ぎをしたいわけでもないので……。月間PVは、平均して150万くらいでしょうか」 ――これまで、ネタとして書いた風刺記事が現実となってしまったケースも少なくありませんが、その中でも特に印象深いのは? 「なんといっても、昨年7月の『森永グロス』の一件です(「森永チョコレート『ダース』144個入りの『グロス』発売へ」と報じたところ、森永の社員が実際に『グロス』を作り、12個限定で販売した/http://kyoko-np.net/special06.html)。いまだに出来レースと言われますが、まったくそんなことはなく、急遽発売が決まったので、慌てて謝罪記事を準備し、お台場で行われる『グロス』販売会場までの交通宿泊の手配や本業の調整など、本当に忙しかったです。滋賀からお台場まで行って帰って5万円使って、手元に残ったのは1500円のグロス1箱だけでした……。でも、この件がきっかけで、一皮むけたような気はします」 ――こういったケースとは別に、橋下徹市長のTwitter義務化騒動(「橋下市長、市内の小中学生にツイッターを義務化」と報じたところ、騙される人が続出)や日本ユニセフ協会からの猛抗議(「日本ユニセフ、寄付金の流れ透明化へ」という記事が日本ユニセフ協会の逆鱗に触れ、削除させられた)など、ネット上だけでなく社会を騒がすケースも出てきています。趣味で始めたサイトがここまで発言力を持ってしまったことについて、どう思いますか? また、ご自身としては「メディアを運営している」という意識はあるのでしょうか? 「メディアという意識は、特にないです。たまたま『新聞』を名乗ったので、そう思われるかもしれませんが、本質的にはかつて隆盛を極めた個人テキストサイトの生き残りです。読者が増えたから言える/言えないというより、現実化する/しないのほうが深刻な悩みです。『森永グロス事件』のように記事が本当のことになってしまうたびに、読者からの信頼がどんどん失われてしまうので……」 ――最近では、こういった“シャレ”が通じないユーザーや、ネットに対する警戒心やリテラシーが低いユーザーも散見されます。虚構を売りにするサイトの運営者として、何か気を使っていることはありますか? 「“記事をちゃんと最後まで読めば、おかしなところに気がつく”というのが、まず基本ですね。企業の業績や株価に影響を及ぼすような記事は、絶対に書かないですし。ただ、そういったユーザーに対して、今以上に何か配慮しようとは考えていません。すでに全ページに『虚構新聞』とロゴを入れていますし、ファビコンにも『虚』の文字を入れています。リンクを踏まなくても、ドメインを見れば判別できます。最近は他の新聞サイトと同様、ヘッダーに『虚構新聞』と入れるべきだという声も耳にしますが、逆に言えば、ちゃんとしたメディアはヘッダーにサイト名を入れているのですから、ヘッダーに情報元を記載していないようなサイトは信ぴょう性に欠けると、最初から疑ってかかったほうがいいでしょう。もちろん騙されて怒る方がいらっしゃるのは承知しています。でも、それと同時に、騙されるのを楽しんでいる方もいらっしゃることもご理解いただければありがたいです」 ――こういったユーザーの出現のほか、この10年間でネット上の雰囲気に何か変化を感じますか? 「いわゆる“不謹慎”のボーダーラインがどんどん下がっている気はしますね。例えば、事故死に関する記事を書けば、それが架空の人物であっても『ウソでも誰かが死ぬなど書いてはいけない』という声は上がりますし……。それだけ、ネットというメディアが、テレビをはじめとしたメディアと同様に一般化してきた証拠でもあるんでしょうけれど」 ――確かに「ネトウヨ」や「マスゴミ」「情弱」など、ネット上のスラングがテレビなどでも頻繁に聞かれるようになりましたね。虚構新聞は右寄りといわれることもありますが、どういったスタンスで記事を作っているんですか? 「確かに、長らく民主党政権をネタにしてきた経緯もあって、そう言われた時期もあったのですが、右だろうが左だろうが、変なことをやっていたらネタにしています。『女性手帳』(http://kyoko-np.net/2013051401.html)とか、ブラックな某議員とか、面白そうな記事になるのであれば、政治的スタンスなどはどうでもいいです。表現上の注意を挙げるなら、そういう政治的に極端に偏った勢力が喜んで飛びついてくるような記事は書かないです。逆に見出しで飛びつかせて、内容は真逆にするような仕掛けを入れたりはしますが」 ――虚構新聞の「風刺」に、タブーはあるんですか? 「『この話題はタブーだから避けよう』と思ったことはないです。ただ、タブーだからあえて踏み込むというわけではなく、まずは記事として面白くなるかどうかが最優先事項です。『タブーを破るから面白い』というのは安易すぎるかなと。そう思っていた時期もありましたが、年を取って多少考え方にも変化が出てきましたね」 ――少し話しが変わりますが、ここ最近、2chまとめサイトへの転載禁止が波紋を広げています。虚構新聞の記事も、こういったまとめサイトにたびたび転載されていますが、今回の騒動をどう見ていますか? 「いろいろまとめサイトを見て回っていますが、どこも苦労しているなあという印象です。もともと管理人のキャラを売りにしていたところは、そのままその個性を生かして別の道を歩んでいけそうですが、単に転載と編集だけで煽っていたようなところは、それまで名前すら明かされていなかった管理人が急に表に出てこざるを得なくなって、しかもコメント欄に『お前誰だよ』的なことが書かれているのを見て、なんだか哀愁のようなものを感じましたね。このまま転載禁止が続くなら、無個性なまとめサイトは淘汰されていくのではないでしょうか」 ――そもそも、彼らキュレーター(管理人)と虚構新聞のようなクリエーターとの間に、幸せな関係はありえるのでしょうか? 「本紙の記事の中にも、そういうキュレーターの目に留まって広まったものが少なくないので、多くの人に読まれたい/見られたいというクリエーター視点からすれば、ポジティブな方向での共生関係は十分あり得ると思います。ただ一方で、それが負の方向に働くと、私人を晒し上げ、ネットリンチになるので、そのあたりはキュレーターの倫理観に依存するしかないでしょうね。ただ、今まで見てきた中では、ネット社会においてもなお“因果応報”“人を呪わば穴二つ”という言葉は生きているように思います。“明日は我が身”かもしれませんが……」 ――虚構新聞として、今後やりたいことはありますか? 「私としては、読者に楽しんでもらえればそれで十分です。ただ、サイトを通じた収入があることも確かなので、これを元手に2020年の東京五輪までに東京支局を作って、五輪の観光がてら見に来てもらえるような場所が提供できればいいなとは思っています。どこかビルの一室から電光パネルで『速報:男子やり投げの槍が、投てき中、場外まで飛び出たので頭上に注意!』とか、どんどん流していければ楽しいですね」 (構成=編集部)虚構新聞
キンタロー。や金持ち芸人・ニックも輩出 クリエイターの登竜門・インターネット放送局「WALLOP」に直撃!
USTREAMやニコニコ生放送など、有名人でなくても自分の情報を発信できるプラットフォームは数多い。素人たちが放送する玉石混交のインターネット放送から、次世代を担う新たなクリエイターたちが誕生し、活躍の場を広げている。
2012年4月に生まれた「WALLOP」は、誰もが発信できるメディアとして、スカイツリーのお膝元、墨田区押上に開設された。スカイツリーが地デジ放送のための電波塔という役割を果たしている一方、そのお膝元にあるWALLOPはインターネット回線によって、全世界の視聴者とつながるメディア。そこでは、いったいどんな番組が放送が行われているのだろうか。そして、既存のメディアとの差別点はどこにあるのだろうか?
同社の細谷準平さんは、開発の経緯をこう説明する。
細谷 「ネット上には情報クリエイターと呼ばれる才能ある発信者が相当数います。しかし、既存のメディアに登場するのは狭き門。そこで、才能の原石を原石のままに終わらせないために「WALLOP」が開設されました。開設から1年半で配信した番組は500~600本。社内にはラジオのブースが3つ、観覧スタジオが1つあるんですが、多い時はすべてのスタジオが埋まっていることもあります」
ネット上のみならず、観覧スタジオを備えて、リアルでコミュニケーションを測ることができるのが「WALLOP」の特徴。コンテンツの中でも、群を抜いてこれからのアイドルが出演する番組が多く、ファンミーティングの場に観覧スタジオが利用されているという。
細谷 「アイドルの他にも、ミュージシャンの番組や声優、若手芸人の番組なんかが多いですね。月亭八方師匠のお弟子さん月亭連方さんの番組『行け!劇団タイガーホース』や、声優の桃井はるこさんが毎月開催する『モモーイ党せーけん放送』、そして人気アニメの声優、楠田亜衣奈・山口立花子さんが毎週ドタバタとかわいく放送する『りかこ&あいなの今夜もあなたにチェックイン』など幅広い年代・性別の方に楽しんでいただいています」
この他にも、前田敦子のモノマネでお馴染みのキンタロー。や、金持ちキャラで注目を集めているお笑い芸人・タイムボムのニックなど、「WALLOP」出身のタレントはじわじわと増殖中。もちろん、有名人だけでなく、まだ無名な素人も、独自の番組を配信している。
しかし、誰でも配信できるという特徴は、ニコ生、USTREAMなどの既存サービスのコンセプトとあまり変わり映えがしないような気もする……。先駆者を追い越すために、WALLOPでは、どんな工夫がなされているのだろうか?
細谷 「WALLOPでは、ユーザーが個人的に配信するのではなく、スタジオで、スタッフがタイムキープをしながら進行していきます。だらだらと何時間も放送するのではなく、しっかりと構成されたコンテンツを作っているんです。また、しゃべり方のアドバイスや、必要によってはブレーンを入れながら番組を制作し、番組のクオリティを向上させています。ある意味、テレビやラジオといったメディアのいい部分も積極的に取り入れているんです」
では、そんな「WALLOP」の気になるビジネスモデルはいったいどうなっているのだろうか?
細谷 「大きく分けて5つの柱があります。1つは、番組を配信したいというユーザーに、スタジオを有料で提供することで、利益を生み出しています。いわば、カラオケボックスなどと同じ“施設利用”のビジネスですね。2つめに、富士急ハイランドやブックオフなどのCMを放送することによって、広告収入も獲得しています。3つめは、エンタメビジネスマッチングです。映画、CM、舞台、音楽など、エンターテイメントビジネスのマッチングですね。メディアと言う性質上、キャスティング案件が相当数入って来ますので、ニーズに合わせてマッチングをしています。4つめが物販。いわいる番組の映像販売や番組限定グッズの販売です。そして最後に、この秋にオープンする『WALLOP YELL』というサービス。これは分かりやすく言うと、クラウドファンドです。支援者から資金を募り、やりたいことを形にする。番組とも連動しています。ビジネスモデルとしてはこの5本柱で運営されています」
そんな「WALLOP」で、「今イチバン熱い番組です!」と細谷氏が力説するのが、隔週月曜日に放送されている『KENJIに聴かせてよ!』という番組。新進気鋭のおネエキャラ・KENJIさんが、ゲストに招かれたイケメンたちとともに、視聴者の恋愛や性の悩みに答えていくお悩み相談バラエティだ。
【WALLOP】
http://www.wallop.tv/
【KENJIに聴かせてよ!】
http://www.wallop.tv/?cpt_discography=kenjiに聴かせてよ
【KENJIアメブロ】
http://ameblo.jp/threesmilesmilesmile/entry-11652099366.html
では、そんな「WALLOP」の気になるビジネスモデルはいったいどうなっているのだろうか?
細谷 「大きく分けて5つの柱があります。1つは、番組を配信したいというユーザーに、スタジオを有料で提供することで、利益を生み出しています。いわば、カラオケボックスなどと同じ“施設利用”のビジネスですね。2つめに、富士急ハイランドやブックオフなどのCMを放送することによって、広告収入も獲得しています。3つめは、エンタメビジネスマッチングです。映画、CM、舞台、音楽など、エンターテイメントビジネスのマッチングですね。メディアと言う性質上、キャスティング案件が相当数入って来ますので、ニーズに合わせてマッチングをしています。4つめが物販。いわいる番組の映像販売や番組限定グッズの販売です。そして最後に、この秋にオープンする『WALLOP YELL』というサービス。これは分かりやすく言うと、クラウドファンドです。支援者から資金を募り、やりたいことを形にする。番組とも連動しています。ビジネスモデルとしてはこの5本柱で運営されています」
そんな「WALLOP」で、「今イチバン熱い番組です!」と細谷氏が力説するのが、隔週月曜日に放送されている『KENJIに聴かせてよ!』という番組。新進気鋭のおネエキャラ・KENJIさんが、ゲストに招かれたイケメンたちとともに、視聴者の恋愛や性の悩みに答えていくお悩み相談バラエティだ。
KENJI 「普段、あんまり人に話せない悩みに対して、イケメンのゲストとともに私がしっかりアドバイスをしています。もちろん、茶化したり下ネタにすることはありません! 好きな人がいるんだけど……という恋の悩みや、セックスがうまくいかない……という悩み、ゲストに対する『どんなプレイが好き』といった質問までさまざまです」 MCを務めるKENJIさんは、もともと大手芸能事務所でアイドルのマネージャーをしていたという人物。現在は女性からのアドバイスに乗りながら、心の汚い女性=汚ブスを研究する『汚ブス研究家』として、女性が心から美しくなるアドバイスをしている。 KENJI 「怒る時はガチで怒ります! そうすると、相手も涙を浮かべながら聞いてくれるんです。今の若い子はあまり怒られることに慣れていないから、男性に怒られるとすぐに反発する。けれども、オネエだったら、同性ということもあり、ショックが軽減されて心にもしっかり響くんです」 番組を持ったことがきっかけで、女子会に呼ばれアドバイスを求められることが多くなったというKENJIさん。「ド素人でも、やってみたら意外とできちゃうんですね」と、その反響にいたくご満悦のようだ。では、KENJIさんはいったいどんな番組を目指していきたいのだろうか? KENJI 「性の悩みは、誰にも相談できないちょっとネガティブなものですが、そんなネガティブなモノをポジティブな方向に変えていきたいんです。どんな“汚ブス”でも、あたしと出会ったからにはなんとかしてあげます。WALLOPをきっかけに、日本の汚ブスをキレイにしていくのが私の役目なんです!!」 と、鼻息荒く語るその展望は計り知れない……。 特に若者を中心にテレビ離れが進んでおり、ネットのコンテンツは広がりを見せる一方。「WALLOP」をはじめとする新たなネットメディアが、テレビに代わって、日本文化を支える日も近いかもしれない。KENJI
【WALLOP】
http://www.wallop.tv/
【KENJIに聴かせてよ!】
http://www.wallop.tv/?cpt_discography=kenjiに聴かせてよ
【KENJIアメブロ】
http://ameblo.jp/threesmilesmilesmile/entry-11652099366.html
あの人が「黒ギャル生着替え」を!? Twitterで本人が見た動画を勝手にツイートするアプリの猛威

この画面にご注意!
「Feedly」と「Diggリーダー」の二択がオススメ Googleリーダー後継の本命は?
7月1日をもって終了してしまったGoogleリーダー。乱立したRSSリーダーのシェアを、一時はほぼ独占したサービスを終了させてしまうGoogleには、怒りすらこみ上げてくる。 サービス終了が告知されてから、ネット上ではGoogleリーダーの継続を求める運動も行われていたが、Googleは聞く耳を持たないままこの日を迎えた。 筆者も、1日に2回はGoogleリーダーをチェックして、最新のニュースを取得する習慣が身に付いていた。だから、代替のリーダーを探さなければならない。真っ先に代替のリーダーとして名乗りを上げていたのが「Feedly」だが、終了が近づいた6月末、さらなる新手が登場した。北米の面白ニュースサイト(という理解でいいのか?)Diggが提供する「Diggリーダー」と、AOLが提供する「AOLリーダー」がそれだ。提供を開始するニュースが流れたのはいいが、その時点でDiggのサイトにアクセスすると「開発中なので完成したらメールするから、メールアドレスを入力してね。大丈夫! スパムは送らないよ(意訳)」と、メールアドレスの入力を促す画面が。AOLは登録するとメールで「順番待ちだよ(意訳)」という状態。間に合うのかと心配していたら、先週になり、どちらのサービスも利用可能になった。 そこで、まずは「Feedly」「Diggリーダー」「AOLリーダー」を試してみることに。どれも機能についてはリーダーの基本を押さえているが、まず利用する気になれなかったのは「AOLリーダー」だ。理由は単純で、画面に常に広告が表示されるのが邪魔なのだ。加えていえば「AOLリーダー」だけは最初に表示される画面で、Googleリーダーからの移行が表示されない(インポートへのリンクをクリックすると表示)。そうした面で一歩後れを取っているといえる。 残る「Feedly」と「Diggリーダー」を比較してみよう。インターフェースの美しさは「Feedly」が際立っている。通常のリスト表示のほか、画像メインで表示するなど表示方法が多彩なほか、キーボードショートカットなど使い勝手のよい機能を搭載している。また、先行してリリースされていたこともあって、すでに連携しているスマホアプリも多い。利用者の数が多いこともあり、Googleリーダー後継の本命としての地位は揺らいでいない。 対して「Diggリーダー」だが、キーボードショートカットが用意されている点では「Feedly」に劣らない。なにより便利だと感じたのは「Popular」機能だ。これは、登録しているフィードの中から、話題になっている記事を示してくれるというもの。まだ、iOSとAndroid版がリリースされていないのが不便だが、PCで試した限りでは「Feedly」と、どちらを選ぶか迷いそうだ。 このほか「Pulse」「Newsvibe」も試してはみたが、最終的にある程度のユーザーを確保して、順次改良を進めてくれそうなのは「Feedly」と「Diggリーダー」の2つになりそうな感じだ。 乗り換えなきゃいけないと思っているうちに7月を迎えてしまった人は、まず、この2つを試してみてはいかがだろうか。 (文=昼間たかし)Feedlyより
自分のアカウントが、知らぬ間に独り歩き!? Facebookの‟ニセモノ”にご用心
国内だけで約1,900万アカウントも利用されているFacebookなので、同姓同名のユーザーが存在する可能性は高い。アメリカでは同姓同名の人に友達申請を送るのがはやったり、同姓同名の男性と女性が結婚したことがニュースになったりしている。しかし、日本では好ましくない動きが目立ってきた。 実在するFacebookユーザーと同じ名前でアカウントを登録し、そのユーザーの友人・知人に友達申請を出しまくるのだ。写真を流用されたり、プロフィールを似た内容に編集されたら、友人・知人は本人だと思い込み、多くが友達申請を受け入れてしまうことだろう。顔を合わせた友人から「なんで2つ目のアカウントを作ったの?」と言われて初めて、自分の名前の別アカウントが存在することを知ることになる。 この恐ろしさがわかるだろうか? 今のところは、信用させてから出会い系サイトやアフィリエイトサイトに誘導するくらいしか報告されていないが、悪用しようと思えばいろいろできる。例えば、「ある製品がすごくいいので購入した」という記事をアップすればステマになるし、直接購入をお願いすることだってできる。「自分が開発に携わった」などと言われれば、安い物なら買ってしまいかねない。さすがに借金の申し込みはSNSでしないと思うので、金銭的な被害は限定的だが、本物ユーザーの信用を落とすのは簡単だ。 友人の投稿に対し、偽物が暴言を書き込みまくったらどうなるだろう? 明らかに攻撃的なら、いっそFacebookに通報されたほうが話が早い。しかし、地味に嫌な投稿を続けられると、水面下で被害が広まることになる。言い合いになり「だったら友達をやめればいいだろう」と書き込まれたら? 相手は当然、偽物だけでなく本物のアカウントとの関係性も切ることだろう。本当に仲のよい友人なら、電話やメールで真相を確かめてくれるかもしれない。しかし、数百人とつながっている人なら到底無理。ネットでつながっている人やコミュニティ仲間なら、壊滅的な被害を受けることは確実だ。学校や会社つながりでも深刻な問題になる。しかも、時間がたってから状況の説明ができても、そんな状況になるのもなんか変だよね――という空気が残ってしまいがち。 事が起きてからFacebookに報告しても、明らかにプロフィールや写真を盗んでいない限り、簡単にアカウントを削除してくれることはないだろう。削除されても、再作成するのは簡単だ。 このような事態に陥らないために、注意することは2つ。利用するSNSは限定し、使わないSNSは確実にアカウントを削除すること。次に、見知らぬ人とつながらないこと。友達申請をむやみに受け入れていると、そのうちスパムアカウントとつながり、餌食にされかねないからだ。 最後に、この記事をSNSでシェアしてはいかがだろう。万一の際になりすましの可能性を考えてくれて、本物のアカウントに状況の確認をしてくれるかもしれない。 (文=柳谷智宣)Facebookより
「タイムラインが同じ奴のリア充自慢だらけ」利用者激減でFacebookが“オワコン”に!?
世界で約10億人がのユーザーを抱える世界最大のソーシャルメディア・Facebookが、「ついに日本で廃れ始めた」と話題だ。 同サービスは、2008年に日本語版を公開されたが、当初は同時期に同じく日本語版をリリースしたTwitterや、mixi、Mobage、GREEといった既存SNSサービスに押され、ユーザー数に伸び悩みを見せた。しかし、有名企業などが販促ツールとして利用し始めると、日本にも一気に浸透。12年末には、1,712万人(「セレージャテクノロジー調べ/以下同)まで増加した。 しかし、13年に入ると、1月に前月比マイナス329万人と大幅に激減。2月もマイナス39万人と連続で減少し、5月現在の日本語版ユーザー数は約1,378万人だという。 また、Facebookの利用者も「廃れ始めた」と感じているようで、ネットでは「最近、タイムラインが同じ奴のリア充自慢だらけになって、見る気がなくなった」などと不満を訴えるユーザーが急増。さらに、無料通話メールアプリ・LINEの普及により、「LINEが手軽過ぎて、Facebookやるのが面倒くさくなった」という声も増えたようだ。 ネット事情に詳しいライターは、Facebookの未来についてこう話す。 「今年は急速に“過疎って”いくでしょうね。SNSが飽きられるのは3年と言われていますが、11年に物珍しさで登録した大量のユーザーが、おっくうに感じ始めるのがちょうど今頃なんです。『実名での利用が日本人に合わない』とか、『リア充が自分の生活を自慢する場』などと言われていますが、今年はそのリア充さえ使わなくなり、外国人と交流を求めている人や、海外にゆかりの深い趣味を持っている人なんかが残っていくのではないでしょうか? 現在、就職に有利とされているようですが、企業もその価値観を見直し始めるでしょうね」 実名で日常を投稿することから、“相互監視システム”と揶揄されることも多いFacebook。今年、早くも“オワコン”と言われてしまう可能性もありそうだ。『ソーシャル・ネットワーク』(ソニー・ピクチャーズエンタテインメント)
出るの? 出ないの!? “一人負け”ドコモがiPhone参入できない深いワケ
製品発表や記者会見のたびに「iPhoneは出さないのか?」と質問され、「今回は出せないが、参入は断念していない」といった回答を続けているドコモ。一部のマスメディアも「次こそは出る」と毎回煽り立てているため、iPhoneを使いたくてもドコモが大好きで他のキャリアに動きたがらないユーザーは、その情報を信じて待っている状態だ。しかし、出ない。 もともと、2008年にiPhone 3Gが発売される際、ドコモが最初の交渉相手だった。アップルはiPhoneを展開する国のナンバーワンキャリアにしか取り扱わせていなかったためだ。しかし、ふたを開けてみればソフトバンク扱い。これは、ドコモがアップルの出す条件をのめなかったため。当時イケイケのアップルは、金銭面や供給量のほかにも厳しい要求を突きつけたのだ。当然、ソフトバンクにも似たレベルの要求があったはずだが、孫正義氏は即応。これが、明暗を分けた。 11年にはauが参入。直前まで、「Android au」と謳っていたのに、一夜にして様変わりしたのには驚いた。一部ユーザーは、AndroidのiPhoneが出ると混乱し、当時のツイートには笑える内容のものも多い。これもギリギリの経営判断だと思うが、結局ユーザーを増やすことに成功した。しかし、この段階でもドコモは参入しなかった。 ドコモがそれでも出さない理由はいくつかある。まずは、自社サービスを捨てきれない点。ドコモはiモードで爆発的な成功を収め、ユーザーの囲い込みと継続的な大きな利益の確保という蜜の味を知ってしまったのだ。それをスマホでも実現しようと躍起になっているが、さまざまなアプリや高性能なブラウザが利用できるスマホで、独自アプリや機能で囲い込むのは難しい。しかも、iPhoneを開発するアップルが、独自アプリや機能の搭載を受け入れるわけがない。 次に、利益や販売台数の制限。iPhoneはiTunes Storeという仕組みを構築し、ユーザーからのお金を直接稼いでいる。こうなるとドコモは土管屋となり、オイシさが半減する。しかも、一定台数以上を売らなければならない、というノルマも発生する。ドコモの販売力からすればこれは簡単なのだが、問題はしがらみ。ドコモはこれまで大手国内メーカーとタッグを組んで端末を開発してきた。メーカーはドコモの言う通りに独自機能やアプリを搭載したり、スペックや価格の歩調を合わせてきたが、突然「iPhoneを採用するから、次回でおしまいね」というのも無理がある。 これまで筆者は、iPhoneが登場した時や新モデルが出るタイミングで取材を受け、取り扱いキャリアの予想をしている。今のところ、最初からすべて当たっている。夏に登場する予定の次期iPhoneでも、ドコモの取り扱いはないと考えている。しかし「ドコモから出る!」と断言する同業者も多い。そちらの情報も紹介しておこう。 日経新聞はこれまで、ドコモからiPhoneが出るという報道を繰り返している。これはもうオオカミ少年状態で、東スポ並みと揶揄されると、東スポ自身から「同じネタの使い回し、うちはありません。やるなら『ドコモ iPhone導入のため、iPS細胞使ったジョブズ氏クローンでアップル説得へ』ですよ」とネタにされてしまう。 しかし、4月には産経新聞が「今夏にもiPhone投入へ」という記事を載せた。そのほかにも、内部情報として次期iPhoneを出すのは確定といったツイートやブログなども散見されるように。さらに先日、ドコモは2013年夏モデルを発表。11機種のスマホをリリースしたものの、「GALAXY S4 SC-04E」(サムスン)と「Xperia A SO-04E」(ソニー)をツートップと位置づけて推している。これは異例のことで、ほかのメーカーとのしがらみは清算に入っているように見える。そうなれば、iPhoneの販売台数割合を増やすことも可能になってくるだろう。さらに、ドコモのサイトで「2013夏の新サービス」を紹介するページがあるのだが、そこの画像になんとiPhoneを持った女性が登場。すぐに画像は削除されたが、この状況での出来事なので意味深である。 それでも筆者は、ドコモからのiPhone発売はないと思っている。新端末は6月10日から開催されるWWDC(Apple WorldWide Developers Conference)で発表されるとみられている。日本の取り扱いキャリアや7月に発売される日程などは、6月20日頃に公開されるはず。そこで、すべてが明らかになることだろう。ドコモ公式サイト「2013夏の新サービス」にiPhoneを手にした女性が!?
(この画像は現在、削除されている)
巨人Amazonの牙城に挑む、国内量販店の逆襲
近年、ネット通販の雄Amazonは日を追うごとに巨大化し、小売りを殲滅するかのような状態だった。しかし、ここにきて新しい局面を迎えている。ヨドバシカメラやビックカメラといった家電量販店が、Amazonに対抗したサービスをスタートさせたのだ。 今年1月、ヨドバシカメラはショッピングサイト「ヨドバシ・ドット・コム」にてコミックを取り扱うようになった。オンライン注文の場合は、全品送料は無料。今では、小説から実用書、ゲームの攻略本まで品揃えが充実している。しかも、ポイント還元が大きいのも魅力だ。Amazonの場合は、ポイントが付く商品と付かない商品があるが、ヨドバシカメラの書籍は一律3%。通常、割引のない書籍でこのポイント還元はうれしいところだ。さらに、当日配送や翌日配送など、スピーディに届けられるのも見逃せない。 送料無料でポイント還元も付ければ、ヨドバシカメラ側の利益は少ない。膨大なアクセスが集中するショッピングサイトの構築・運営を考えれば、ヨドバシカメラ副社長の藤沢和則氏が「なんとか商売にはなるかなというレベル」と言うように、ビジネスになるぎりぎりのところだろう。公式にはサービスを開始した理由は語られていないが、筆者は、Amazonの寡占状態にメスを入れる目的が大きいと見ている。 書籍を買ってもらえるようになれば、ついでということで、ほかの商品もまとめ買いしてもらえるかもしれない。ポイントが付くので、囲い込みにもなる。それらのメリットの代わりに、配達スピードとポイント還元に力を入れたのだ。具体的な数字はまだ公開されていないが、注目度は抜群。ラインナップはどんどん充実していくことだろう。 売り上げ日本一の量販店、ヤマダ電機はAmazonと「価格」で真っ向勝負する。そのコストは、経営の合理化によって捻出している。日本の技術と根性は効果を上げ、ライバルと比べても高い利益率を叩き出しているのだ。 ビックカメラはAmazonが苦手な医薬品の取り扱いを開始した。処方箋のいらない第3類医薬品ではあるものの、ネットで購入できるのはありがたいところ。医薬品通販サイト「ケンコーコム」のように、第1類・第2類の販売が可能になれば、大きなアドバンテージとなるだろう。 このように、Amazon包囲網は着実に狭まってきている。筆者としても、売り上げ全体にかかる税金を日本に納めてくれる企業で買い物したいという気持ちもある。今はまだ劇的な変化はないが、今後ユーザーが流れることは確実。その時に、Amazonはどう迎え撃つのだろうか。顧客第一主義のAmazonのことだから、ユーザーが飛びつくようなサービスを打ち出してくるに違いない。 (文=柳谷智宣)「ビックカメラ.com」より














