『BOYS BE…』の玉越博幸氏が描く、AV業界の赤裸々な内情とは?

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表紙は遺影になっている
 余命1年を宣告された女の子が、AV女優という道を選択して業界のトップを目指し、自分の生きてきた証しを世に残す――。そんなストーリーの漫画『余命一年のAV女優』が、6月9日より小学館のモバMAN(http://csbs.shogakukan.co.jp/book?book_group_id=12380)でスタートした。  ヒロインはAVメーカーの「ピーチ・デマンド」から単体デビューする「天月もゆ」という名前の女優。そんなヒロインが憧れるのは、超売れっ子女優の「成宮心菜」。そして、ヒロインの父親である業界の大御所監督は「ハメ撮り」が得意で、「ナイスですよ」ならぬ「ブラボーですよ」というのが口癖。どこかで見聞きしたことがあるような名前のメーカーや人物、設定ばかりのように思えるのは気のせいだろうか? 「この漫画の作画を担当しているのが、90年代に人気を博した『BOYS BE…』(講談社)の作者・玉越博幸先生です。出てくる女優さんたちが、とにかくかわいくて、そこが作品の魅力になっています。残りの限られた人生でいちずにAV界のトップを目指す、天月もゆを、ぜひ応援してほしいです」(編集スタッフの太田ぐいやさん) 『BOYS BE…』の淡いエッチ描写で青少年をドキドキさせた玉越氏が、20年の時を経て、本作ではAVという題材で、より濃厚なエロ描写に挑戦しているという。  それにしても、AV出演強要問題が世を騒がせている昨今、なぜ、こんなAV賛美にも思える漫画が作られたのだろうか?  2016年3月、国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ(HRN)が、出演強要の報告書を発表して以降、AV業界は激震している。大手AV事務所の摘発をはじめ、無修正AVを制作する業者の摘発、キャンプ場で撮影した作品の摘発などが相次いだ。そして今年5月18日には、政府が全国の都道府県警にAV事案に関する専門官を配置するなど、国も本腰を入れ、AV問題に取り組み始めている最中だ。  AV業界には逆風が吹き荒れ、業界に対してポジティブなイメージは抱きにくくなっている。しかし、本作は、「今のAV事情を反映したもの」だという。 「出演強要問題って、スカウトの入り口の段階でだまされるっていうケースもあるんですけど、その一方で、AV女優をやろうって決意したものの、やってくうちに『なんで、こんなことまでやらされるの!?』といった事態に遭遇して心が折れるといった事例も、同時に問題視されています。本作が描いているのはそこです。本作の中では、こうしたAVならではの過酷な撮影が、試練となってヒロインの前に立ちはだかります。AV女優をやっていると、台本なしで、お笑い芸人のようにむちゃぶりされることだってありますし、HRNが報告書に記載したように、12リットル以上の水を飲まされたケースもあります。それは、演技ではない、ドキュメンタリー性を重視するAVというメディアの特性です。本作では、そんな撮影をめぐり、出演者と制作者サイドのバトルが描かれているんです」(原作者の井川楊枝氏)  出演強要問題で騒動となっている今だからこそ生まれた作品だという。作画の玉越氏も「AV業界のウンチクがいっぱいあって、見ると誰かに言いたくなります」と、リアルなAV業界に即した作品の魅力を語る。  ベテラン漫画家が挑戦する「2017年のAV業界内幕」漫画に注目だ。 (文=渡辺則明) ●「モバMAN」http://csbs.shogakukan.co.jp/book?book_group_id=12380

ぜんぜんエロくない!? 純粋な少女マンガが描く、ソープ嬢の日常『お風呂のお姫様』

幸せとか夢とか……泣ける! 純粋な少女マンガで描く、ソープ嬢の日常『お風呂のお姫様』の画像1
『お風呂のお姫様』(朔本敬子/CoMax)
 関東ローカルな話で恐縮ですが、僕がよく行く「おふろの王様」というスーパー銭湯のチェーンがありまして、特に「スーパージェットバス」の泡ジェットが腰に効いて最高なんです。  今回ご紹介する作品『お風呂のお姫様』は、名前こそ似ていますが、スーパー銭湯とは全然関係なく、お風呂はお風呂でもソープランドが舞台。「ここは吉原、私はソープ嬢です」というオープニングナレーションで始まる、ソープ嬢がヒロインのマンガです。  風俗をテーマにしたマンガは世にたくさんあります。しかし、その多くはオヤジ向けの劇画誌で描かれており、エロエロでギラギラしてますよね? それに対し『お風呂のお姫様』は純粋な少女マンガ作品である、というところが珍しいのです。ソープがテーマのマンガでありながらもエロさはなく、むしろエレガントさすら漂っています。  主人公のソープ嬢、桃世(本名:青山朋美)は3年前に失踪した父親が残した借金の返済のため、母親に内緒で吉原のソープランド「ジュリエット」で働いています。そう、ワケアリなんです。  母親には広告代理店で働いていると偽りながら、日々ソープで稼いで借金返済の毎日。そして借金を返済したあかつきには、マンションを購入し、苦労が絶えない母にプレゼントする、そんなささやかな夢を持っています。イマドキ珍しい、親孝行な娘さんですよね。  こういうお仕事ですから、当然ながら、いろいろな客がいてストレスもたまります。例えば、時間を延長せず店外デートに持ち込もうとする客、難癖をつけて料金を値切ろうとする客、嬢をだまして身ぐるみはがそうとするホストくずれなどなど……。こういった面倒くさい客、セコい客に対しても笑顔とプロ根性で乗り切ります。すべてはマンション購入のために!  しかし、ようやく借金を完済し、マンション購入の夢に向かって前向きに生きようとした矢先、桃世に最大の危機が訪れます。そう、DVを繰り返し、借金を作って失踪したはずの父親が、桃世の前に再び現れたのです。桃世がソープの人気嬢であるという情報をつかみ、金をたかろうとする父親。「300万円出さなければ、母親にソープで働いていることをバラすぞ」と脅迫してきます。自分の借金を娘に返済させた上で、さらに金をたかるとは、なんというクズ・オブ・クズな父親でしょうか。  金を出すことをかたくなに拒否する桃世に対し、仕事場(ソープランド)や母親のいる自宅にまで嫌がらせに来るクズ父親。ついに我慢できなくなった桃世は、夜の公園にクズ父親を呼び出し、直接交渉へ。手にはナイフを忍ばせて……。  果たして桃世は、自分の父親を殺めてしまうのか? ソープ嬢に幸せが訪れることはないのか? ラストシーンはぜひ、作品を読んでいただければと思います。  ちなみに、本作品は生粋の少女マンガだけあって、幸せとか夢とかが満載の泣けるソープ名言が数多く出てきます。最後にいくつかご紹介しましょう。 「みんな幸せになろう、私たち泡姫ですもの、きっといつか王子様が…」 「さあ仕事に戻ろう、私は私の夢を手に入れるために、できるならみんな幸せに、笑顔の未来が手に入りますように」 「私はあなたの2時間だけの恋人、ドアを出たら忘れていいの、それがこの街のルール」  最後のやつだけ、やたら現実的ですね……。結局、2時間制ってことですか。 (文=「BLACK徒然草」管理人 じゃまおくん<http://ablackleaf.com/>) 「ザオリク的マンガ読み」過去記事はこちらから

『HUNTER×HUNTER』連載再開も募るファンの不安……「次回作構想」発言に非難の声も

『HUNTER×HUNTER』連載再開も募るファンの不安……「次回作構想」発言に非難の声もの画像1
『HUNTER×HUNTER 33』(集英社)
 冨樫義博の人気漫画『HUNTER×HUNTER』が、6月26日発売の「「週刊少年ジャンプ」(集英社)2017年30号で連載再開することがわかった。同日には、コミックス最新34巻も併せて発売されるという。  ファンとしてはうれしいニュースだが、冨樫はジャンプ執筆陣の中でも悪名高き“休載作家”として知られる。口さがないファンの間では「どうせ、またすぐに休載するんだろ」といった声も聞かれる。 「『HUNTER×HUNTER』が最後に掲載されたのは、約1年前の16年31号。連載が始まったのは1998年ですが、頻繁に休載を繰り返していて、2014年からは2年にもわたる長期休載でしたからね。週刊誌での連載19年でコミックスがたったの34巻なんて、通常は考えられないですよ」(男性コミック誌編集者)  そんな冨樫だが、昨年には姉妹誌「ジャンプGIGA」誌上での発言がヒンシュクを買った。『NARUTO -ナルト-』の作者・岸本斉史との対談で、次回作の構想について問われると、冨樫は「僕めちゃくちゃあるんですよね。描きたいやつ」と応じたのだ。 「当時休載中だったにもかかわらず、この発言ですからね。連載中の作品すら全うしていないのに、よく次回作の構想なんて口にできたものです。厚かましいにもほどがありますよ。たびたび休載してしまうのは、持病の腰痛のせいだなんていわれていますが、単に連載に飽きてしまったのでしょう」(同)  連載を再開するというだけでニュースになってしまうのは、冨樫と『HUNTER×HUNTER』の人気の高さをうかがわせるが、またしても休載に突入してファンをぬか喜びさせないよう願いたいものだ。

『逃げ恥』だけじゃない! 読めば読むほど煩悩が蓄積する「童貞マンガ」特集

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『逃げるは恥だが役に立つ』(講談社)
 2016年もいよいよ年の瀬ですが、『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)というドラマがとんでもなく話題になりましたね。海野つなみ先生による同名マンガが原作となるこのドラマは、ガッキーこと新垣結衣主演の契約結婚をテーマにした作品です。  特筆すべきは、星野源演じる津崎平匡が36歳にして童貞。さらに、石田ゆり子演じる土屋百合は50代にして処女という、かつてないほどに高齢童貞&処女がクールな存在として持ち上げられている、まさに“神ってる”作品なのです。  そんなわけで今回は、30代童貞がちょっとカッコイイものとなりつつある、この『逃げ恥』ブームに乗じて、「恋ダンス」はないが「濃い童貞」が出てくる、ガッキーはいないがエロガキならいる、そんな世界を描く珠玉の「童貞マンガ」をご紹介したいと思います。
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『ルノアール兄弟の愛した大童貞』(講談社)
■『ルノアール兄弟の愛した大童貞』  最初にご紹介するのは『ルノアール兄弟の愛した大童貞』という作品。タイトルが長いので、通称「大童貞」と呼ばれています。  主人公は、土毛智樹(どげ・ともき)という年齢不詳のおっさん。頭にはサンバイザー、白のランニングに白ブリーフ、そして裸足という、いつ警察に職質されてもおかしくないいでたちのこの男ですが、実は江戸時代より受け継がれてきた童貞の中の童貞である称号「大童貞」を継ぐ、第12代大童貞なのです。 土毛は、夢見る3人の中学生(童貞)、植草・錦織・東山たちに日々、童貞道のなんたるかを説き、時には江戸時代の発明家であり、初代大童貞、ドゲレツ斎の考案した驚くべき発明品を次々と披露します。言うなれば、童貞版『キテレツ大百科』ですな。  例えば「元禄名器物語」は、大名行列の際にも人目をはばからずシコれることを目的として作られた、鼓(つづみ)そっくりの形のオナホールです。 「スーパー個室弁慶」は、 人の目を気にせずにシコれるよう、時空のはざまに行ける装置(見た目は、『ドラえもん』のタイムマシーンそのまんま)。 「童貞粥」は 究極の童貞米「シコヒカリ」を水飴で煮たもの。水飴で煮たお粥って、すごいまずそうですね……。  そのほかにも「童貞幕府」だの「征夷大童貞」だのと、かつて聞いたことのない斬新な童貞ワードのオンパレードで、中身はないのにテンションだけは異様に高いアッパー系童貞マンガの代表格といった趣となっています。
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『Gのサムライ』(リイド社)
■『Gのサムライ』 『Gのサムライ』はいま一番危険なマンガ家、田中圭一先生による、清く明るく、それでいてどうしようもなくお下品な童貞マンガです。  若くして無人島に島流しの刑に処された、武士の品場諸朝(しなば・もろとも)と公家の服上院魔手麻呂(ふくじょういん・ましゅまろ)が、童貞を捨てる日を夢見て無人島で奮闘する物語なのですが、いかんせん無人島が舞台なので、童貞を捨てる・捨てない以前に女性がいません。  その有り余る性欲で女体を追い求めるあまり、島に生息する野生のサルの足、ヤシの実の果肉、熊の舌、そしてエイなどに股間が触れただけで射精してしまう2人。やっと女性とエッチができたと思ったら、化けたタヌキだったりとか、もはや童貞マンガなのか獣姦マンガなのかよくわからない様相で、いずれにしてもサイテーです(褒め言葉)。ちなみに作品タイトルの「G」は「自慰」とかけてます。たぶん。
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『漫画ルポ 中年童貞』(リイド社)
■『漫画ルポ 中年童貞』 『漫画ルポ 中年童貞』は文字通りルポ形式で、現代における中年童貞の実態を克明にマンガで描いた、実に生々しい作品。  介護職員(44)、妄想に生きる高学歴(34)、ネトウヨ(44)、シェアハウスに住むアニメオタク(32)……などなど、いろいろなタイプの中年童貞が紹介されていますが、すべて実在する人物がモデル。しかもほとんど全員、人格崩壊レベルで性格が悪いという、童貞をこじらせた末路の悲惨さが克明に描かれており、戦慄が走ります。  彼らのほとんどがコミュ障だったり、プライドが異常に高く、自分の非を認めなかったり、処女信仰が強かったり、メンタルを病んでいたり……などの共通する特徴があるようです。同じ30代でも、『逃げ恥』に出てくるイケメン童貞とは随分違うんですが、どうやらこれが中年童貞の現実(リアル)のようです。 「44歳で童貞だけど、将来…いつか必ずこの俺のことをすべて受け入れてくれる女性が現れるはずだ!!」 「女性や性に対してまじめで一途で純粋だから…オレは今まで童貞だったんだ!!」  こんな中年童貞の叫びが虚しくこだまするシーン。涙なしでは読めません。同世代の僕にとっては、人生一歩踏み外したら、あっち側に行っていたのかもしれないと思わされる嫌なリアルさがあり、身につまされる作品です。
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『どうてい』(ぶんか社)
■『どうてい』  最後にご紹介するのは『どうてい』という作品。タイトルがひらがなになっただけでもインパクトがすごいのですが、単行本の表紙からもビンビンに童貞感が伝わってきます。なんというか、ほかの作品とは醸し出すオーラが桁違いです。昭和の作品ならではのすごみを感じます。  主人公は河島永悟という高校生。永悟の恋人の「クミ」が担任の教師に犯され、ショックで自殺してしまいます。怒りのあまりにその担任を刺してしまった永悟。東京での忌まわしい事件を忘れるべく、北海道での高校生活に新天地を求めます。そこでまたいろんな女と出会っては苦悶する、というストーリーです。  北海道の親戚の家に引き取られた永悟は、いとこの優子ちゃんに惚れられたり、なぜか永悟の忌まわしい過去を知っている女、奥村美和子に誘惑されたりと、なにげに結構モテモテです。彼女らとエッチをするチャンスは十分にあるのですが、そのたびに死んでしまった元恋人「クミ」の遺影が脳裏をよぎり、手が出せず。常に苦悩し、悶々とし続けるというダウナー系童貞マンガで、なんというか救いようがない感じがすごいです。  主人公の永悟はおそらく童貞なのですが、インパクトのあるタイトルのわりには、作品中ではあまり「童貞」というキーワードが出てきません。美和子に誘惑された時に手が出せず、「君ィ童貞!?」ってののしられたシーンぐらいでしか出てきません。そういう意味では、表紙オチ感が強い童貞マンガでもあります。  というわけで、『逃げ恥』便乗企画、読めば読むほど煩悩が蓄積する童貞マンガ4作品をご紹介しました。年末にこんなの読んだら、悶々として、落ち着いて年が越せなさそう、なんて思う方もいるかもしれませんが、ご安心ください。蓄積された煩悩は、除夜の鐘により、キレイさっぱり浄化されることでしょう。 (文=「BLACK徒然草」管理人 じゃまおくん<http://ablackleaf.com/>) 「ザオリク的マンガ読み」過去記事はこちらから

手塚治虫が嫉妬――妖怪漫画家・水木しげるさんの「壮絶人生」と「ポジティブ精神」に最敬礼

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水木プロダクション公式サイトげげげ通信
『ゲゲゲの鬼太郎』や『悪魔くん』などの人気漫画家で、文化功労者の水木しげる(本名・武良茂)さんが30日、心不全のため東京都内の病院で死去した。93歳という年齢は「大往生」と呼ぶに相応しい。ネット上では「ショック」「ただただ残念」と悲しみに暮れる声や、「不死身だと思っていた」など、90歳を超えても時折元気な姿をメディアに見せていた水木さんの死に、実感が湧かないといった声も非常に多い。 「妖怪」という用語を『ゲゲゲの鬼太郎』などを通して一般化し、妖怪研究の第一人者でもある水木さんの功績は計り知れず。彼の存在がなければ、ここ数年大ブームの「妖怪ウォッチ」が生み出されることもあり得なかっただろう。  大阪生まれの鳥取育ちである水木さんは、少年時代からその超がつくほどのマイペースぶりで周囲では有名だったようだ。大人になってからもインタビューや対談がつまらない時は、突然散歩に出かけてしまうというハプニングもあったようで、その性格は生涯変わらなかったらしい。  10代後半になってもそのエピソードは目を見張るものばかり。大阪の美術学校では教師よりも自分が上だと思って通わなくなる、定員50名に対し受験者51名の園芸学校でまさかの不合格(面接で園芸や農業に興味はないと答えたため)など、風変わりかつ才気を感じさせる日々を過ごしていたのがうかがえる。そして、水木さんの人生観に大きな影響を与える太平洋戦争に赴いたのは、彼が20代前半のころだった。  南方ニューギニア・ニューブリテン島での壮絶な戦争体験は『水木しげるのラバウル戦記』(ちくま文庫)や多くのインタビューでも語られている。圧倒的な物量を持つ連合軍への特攻そのもの攻撃やゲリラ戦、島の原住民ゲリラに“落ち武者狩り”に遭いそうになって海に逃げ、ジャングルをほぼ裸で三日三晩逃げ続けた、爆撃を受けて左腕を麻酔なしで切断など、想像を絶する体験の数々だ。ただ、それ以上に驚きなのが、島の原住民であるトライ族と交流し、最終的に集落の「仲間」にまでなった点だ。あまりの楽園ぶりに「ここで一生暮らそう」とまで考えるのだから、やはり常人の感覚を飛び越えている。左腕を失ったことも「命があればそれでいい」と特に気にしなかった模様。すごすぎる。  戦火を生き延び、美術学校で学んだ後に紙芝居、貸本を経験して『墓場の鬼太郎』シリーズを刊行。人気作家への道筋を作り、現代漫画の源流の一つとなる「月刊漫画ガロ」(青林堂)の看板作家の一人として活躍した。一時低迷したものの、妖怪漫画の映像化や『ゲゲゲの鬼太郎』が人気を集めて地位を確立。90年代以降は大御所として多くの個性的な作品を送り出し、1991年に紫綬褒章を、2003年に旭日小綬章を受章して偉大な文化人の仲間入りを果たした。  水木さんの才能を表すエピソードとして、『墓場の鬼太郎』を見た“漫画の神様”手塚治虫氏が嫉妬に狂ったというものがある。水木さんに面と向かって「あなたの漫画くらいのことは僕はいつでも描けるんですよ」と強がったという。神様に嫉妬されるという点で、そのすごさが分かるというものだ。手塚治虫氏などを筆頭に、人気漫画家は早世で知られている。水木さんは「2日寝てない、3日寝てない」と自慢する人気作家が60を過ぎて亡くなってしまうことに「どんなに忙しくても8時間寝る」と語ったらしい。  自分のペースで、自分の好きな仕事を思い切りやっての長寿。誰もがうらやむような人生だが、その裏には戦争や極貧生活などの過酷な体験があり、普通なら潰れてしまってもおかしくない日々もあったはずだ。それでも、インタビューでも明るく楽しい受け答え、90歳でもジャンクフードを食べ続けたりと快活でいられたのは、水木さんが常に背伸びすることなく、ひたすらポジティブに生きてきた結果ではないか。  2010年、妻である武良布枝さんが著した自伝『ゲゲゲの女房』(実業之日本社)がドラマ化されてヒットしたが、ストレスが溜まりやすいとされる現代人の多くに、水木さんの柔らかな生き方がかなり響いたということかもしれない。亡くなっても「天国で妖怪と楽しくやってるのかな」と想像させてくれるあたりもさすが。様々な意味で、多くのものを遺してくれた偉人だった。心からご冥福をお祈り申し上げたい。  最後に、水木さんが『わらしべ偉人伝』(扶桑社 03年)で、インタビュアーと交わした伝説のやり取りを追記する。 インタビュアー「水木先生は今でも現役でいらっしゃる」 水木さん「もう10年以上ハレンチなことはしとりませんよ」

大雪の影響で“ジャンプ難民”続出!? 「気になって授業に集中できない」「手が震えてきた」の声

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「週刊少年ジャンプ No.12」(集英社)
 17日現在、Twitter上では、「ジャンプが売ってない!」「コンビニを何軒も回ったのに……」「まさか、こんなことになるなんて」「つ、つらい……」「手が震えてきた」などといった嘆きのツイートであふれている。  発行部数280万部以上を誇り、日本一売れているコミック誌として知られる「週刊少年ジャンプ」(集英社/毎週月曜発売)だが、山梨県を中心とした大雪の影響で流通が乱れ、17日の発売日に届かない書店やコンビニが全国で続出。店舗では、「大雪の影響で入荷は明日となります」といった貼り紙が貼られるなど、対策が取られているようだ。 「地域によっては、『ジャンプ』だけでなく、『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)や、『週刊ヤングマガジン』(講談社)、『週刊 東洋経済』(東洋経済新報社)、『週刊 ダイヤモンド』(ダイヤモンド社)など、多くの雑誌が“発売予定日に売っていない”という事態に陥っているようです。特にジャンプ読者は、毎週月曜に必ず購入することが“長年の習慣”となっている人も多く、そのため、『月曜にジャンプが手元にないだけで、こんなに不安だなんて』『<黒子のバスケ>や<暗殺教室>の続きが気になって、授業に集中できない』など、いつもと違う月曜日に、そぞろ心の人も多いようですね」(出版関係者)  同誌は、2011年の東日本大震災の際、被災地を中心に配送が遅れるなどしたため、ネット上でコミックを無料配信するなどの緊急処置を取ったことが話題となったが、今回の騒動はそれ以来の混乱といえそうだ。

【C84】猛暑で倒れて本が買えなくてもよいのか! コミケに向けた究極の熱中症予防策とは

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ロッテ ヒヤロン スーパー
 いよいよ、コミケの季節がやってきた! 夏コミといえば、忘れてはならないのは熱中症対策である。コミックマーケット準備会では、カタログの「諸注意ページ」部分をネットで無料公開して、健康管理や暑さ対策への注意喚起を行っている。  今やコミケも小学生からお年寄りまでもが訪れるイベントになり「カタログは高くて買えない」という参加者にも配慮しているわけである。今回も、暑さ対策と水分補給は、徹夜禁止と並んで念を入れて紹介している。  とにかく、夏のコミケは危険なほど暑い。近年は、担架から車椅子に変わったが、倒れた人がスタッフに連れられて次々と救護室へと運び込まれていく。コミケで倒れると悲惨だ。ただでさえ、本を買う時間は限られているので、倒れたら欲しい本も買えなくなってしまうではないか。それに「車椅子通りまーす」とスタッフに連呼されながら運ばれていくのは、なんとなく小っ恥ずかしい。もちろん、大事に至る前に救護室に運んでもらうに越したことはない。でも、周囲の人は「あんなに注意されているのになあ……」と、思っているに違いないよ!  思い出すと、昔の晴海はこんなに暑くなかったような気も。やはり、地球の温暖化が進んでいるのか? 温暖化は知らないが、集まる人の数も増えたので、熱気がこもるようになったのは間違いない。特に、西館と東館の通路は危険だ。汗が蒸発しきらずに蒸気になっているような現象を見ることはできるのは、あそこぐらいのものだろう。  まず、定番の品はロッテ健康産業が販売する「ヒヤロン」だ。これは、袋を叩くと30分間ひんやりが続く保冷用品。これには「ヒヤロンスーパー」という保冷時間130分の上位品も存在する。とりあえず、炎天下で火照った首筋なんかを冷却したいときには、欠かせないアイテムだ。ちなみに「ヒヤロン」は叩くと冷却が始まるが「ヒヤロンスーパー」は、折り曲げて揉むもの。間違わないでくれ。  また、冷却にはスプレー系も欠かせない。オススメしたいのは桐灰化学が販売している「熱中対策-服の上から身体を冷やすスプレー-」。冷却系のスプレーや汗の臭いを消すスプレーは、いくつも販売されておるが、皮膚に直接、薬液を噴射するタイプのものが多い。となると、衆人環視の前で、Tシャツの裾をまくり上げなくてはならないではないか。背に腹は替えられないけど、ハタから見たら無様そのもの。特に、太めの体型の人や中年太りの人だと、周囲に女のコがいるのに醜い三段腹を晒さねばならない事態になるではないか。その点で、コチラの商品はオススメなのである。消臭も一緒にやってくれるしね。  で、桐灰化学では同シリーズで「熱中対策-タオルに氷をつくるスプレー-」なる商品も。こちらは、タオルにスプレーするとマイナス30℃の氷ができるというアイテムである。とにかく、火照った身体は適度に冷やすのが倒れないために最善の方法だ。  さて、火照った身体を冷やしながら歩いてもコミケ会場はとにかく暑い。なので、服装にも気を配りたいところ。筆者も、過去さまざまな服装で参加をしてみたが、ジメっとした空気の流れるコミケ会場で、もっとも適した服装はサイクルジャージだと断言する。なぜなら、サイクルジャージは通気性を第一に考えた素材を用いている。そのため、通常の服装よりも格段に熱がこもらないようになっているのだ。幸いなことに、最近は「痛サイクルジャージ」が次々と発売されるようになってきた。少々お高いのが難点だが、洗濯しても、もの凄いスピードで乾くので、一着持っていればなんとかなりそうな気もする。問題なのは、だいたい「痛サイクルジャージ」を着ているサイクラーというものは、自転車に乗ったときには本気で早い人だったりする。体型がアレだと「形から入る人かなあ」と思われるかも(……余談だが、自転車マンガが増えてきた昨今、コスプレ広場に自転車を持ち込んで「コスプレアイテム」と言い張ることは、可能なんだろうか?)。  そこまでいかなくて、パンツがべたつくのを防ぐためにメッシュのブリーフなんかもあるので、考えてみるとよいかも。さらに本気で身体のベタつきを防ぎたいなら株式会社空調服が販売している「空調服」を、これは、背中に装着されたファンで汗を気化させて冷却するというシロモノ。コミケのために生まれたような逸品だ。  暑さ対策と共に忘れてはいけない水分補給。あちこちで飲料水を販売しているコミケだけれど、列に並んでいる最中に買いに行くのは難しい。そこで、モンベルやキャメルバックなどが販売している登山用のハイドレーションパックを試してみたい。これは、背中に背負ったバックパックの中に水分の入ったタンクを入れて、そこから伸びるホースを吸って水分補給をするもの。登山ではメジャーなアイテムである。これなら、歩きながらでも水分を補給することができるので、戦っている雰囲気の演出も上々であろう。なお、ランニングでの仕様を考えた腰に巻くタイプもあるので、お好みで。  水分とともに補給しなければならないのが塩分だ。塩飴やグミは数多く販売されているが、いっそのこと食塩や醤油を、そのまま持ち歩いても構わない。おそらく、生まれて初めて「塩って、こんなに美味しいものだったのか!」と感動するハズだ。  都心で猛暑が当たり前になる中で、暑さ対策のアイテムは数多く発売されるようになった。だが、コミケでの暑さ対策を考えてみると、以外に便利なアイテムが見つかるのがスポーツや登山用品を扱っているお店だ。前述のハイドレーションパックのように、一見、コミケとは関係がなさそうなのに役立つアイテムがけっこうある。なにしろ、スポーツも登山も、熱中症に気をつけないといけない点ではコミケと同じなのだ。まだまだ、コミケで役立つアイテムも眠っているに違いない。 (文=昼間たかし)

【C84】猛暑で倒れて本が買えなくてもよいのか! コミケに向けた究極の熱中症予防策とは

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ロッテ ヒヤロン スーパー
 いよいよ、コミケの季節がやってきた! 夏コミといえば、忘れてはならないのは熱中症対策である。コミックマーケット準備会では、カタログの「諸注意ページ」部分をネットで無料公開して、健康管理や暑さ対策への注意喚起を行っている。  今やコミケも小学生からお年寄りまでもが訪れるイベントになり「カタログは高くて買えない」という参加者にも配慮しているわけである。今回も、暑さ対策と水分補給は、徹夜禁止と並んで念を入れて紹介している。  とにかく、夏のコミケは危険なほど暑い。近年は、担架から車椅子に変わったが、倒れた人がスタッフに連れられて次々と救護室へと運び込まれていく。コミケで倒れると悲惨だ。ただでさえ、本を買う時間は限られているので、倒れたら欲しい本も買えなくなってしまうではないか。それに「車椅子通りまーす」とスタッフに連呼されながら運ばれていくのは、なんとなく小っ恥ずかしい。もちろん、大事に至る前に救護室に運んでもらうに越したことはない。でも、周囲の人は「あんなに注意されているのになあ……」と、思っているに違いないよ!  思い出すと、昔の晴海はこんなに暑くなかったような気も。やはり、地球の温暖化が進んでいるのか? 温暖化は知らないが、集まる人の数も増えたので、熱気がこもるようになったのは間違いない。特に、西館と東館の通路は危険だ。汗が蒸発しきらずに蒸気になっているような現象を見ることはできるのは、あそこぐらいのものだろう。  まず、定番の品はロッテ健康産業が販売する「ヒヤロン」だ。これは、袋を叩くと30分間ひんやりが続く保冷用品。これには「ヒヤロンスーパー」という保冷時間130分の上位品も存在する。とりあえず、炎天下で火照った首筋なんかを冷却したいときには、欠かせないアイテムだ。ちなみに「ヒヤロン」は叩くと冷却が始まるが「ヒヤロンスーパー」は、折り曲げて揉むもの。間違わないでくれ。  また、冷却にはスプレー系も欠かせない。オススメしたいのは桐灰化学が販売している「熱中対策-服の上から身体を冷やすスプレー-」。冷却系のスプレーや汗の臭いを消すスプレーは、いくつも販売されておるが、皮膚に直接、薬液を噴射するタイプのものが多い。となると、衆人環視の前で、Tシャツの裾をまくり上げなくてはならないではないか。背に腹は替えられないけど、ハタから見たら無様そのもの。特に、太めの体型の人や中年太りの人だと、周囲に女のコがいるのに醜い三段腹を晒さねばならない事態になるではないか。その点で、コチラの商品はオススメなのである。消臭も一緒にやってくれるしね。  で、桐灰化学では同シリーズで「熱中対策-タオルに氷をつくるスプレー-」なる商品も。こちらは、タオルにスプレーするとマイナス30℃の氷ができるというアイテムである。とにかく、火照った身体は適度に冷やすのが倒れないために最善の方法だ。  さて、火照った身体を冷やしながら歩いてもコミケ会場はとにかく暑い。なので、服装にも気を配りたいところ。筆者も、過去さまざまな服装で参加をしてみたが、ジメっとした空気の流れるコミケ会場で、もっとも適した服装はサイクルジャージだと断言する。なぜなら、サイクルジャージは通気性を第一に考えた素材を用いている。そのため、通常の服装よりも格段に熱がこもらないようになっているのだ。幸いなことに、最近は「痛サイクルジャージ」が次々と発売されるようになってきた。少々お高いのが難点だが、洗濯しても、もの凄いスピードで乾くので、一着持っていればなんとかなりそうな気もする。問題なのは、だいたい「痛サイクルジャージ」を着ているサイクラーというものは、自転車に乗ったときには本気で早い人だったりする。体型がアレだと「形から入る人かなあ」と思われるかも(……余談だが、自転車マンガが増えてきた昨今、コスプレ広場に自転車を持ち込んで「コスプレアイテム」と言い張ることは、可能なんだろうか?)。  そこまでいかなくて、パンツがべたつくのを防ぐためにメッシュのブリーフなんかもあるので、考えてみるとよいかも。さらに本気で身体のベタつきを防ぎたいなら株式会社空調服が販売している「空調服」を、これは、背中に装着されたファンで汗を気化させて冷却するというシロモノ。コミケのために生まれたような逸品だ。  暑さ対策と共に忘れてはいけない水分補給。あちこちで飲料水を販売しているコミケだけれど、列に並んでいる最中に買いに行くのは難しい。そこで、モンベルやキャメルバックなどが販売している登山用のハイドレーションパックを試してみたい。これは、背中に背負ったバックパックの中に水分の入ったタンクを入れて、そこから伸びるホースを吸って水分補給をするもの。登山ではメジャーなアイテムである。これなら、歩きながらでも水分を補給することができるので、戦っている雰囲気の演出も上々であろう。なお、ランニングでの仕様を考えた腰に巻くタイプもあるので、お好みで。  水分とともに補給しなければならないのが塩分だ。塩飴やグミは数多く販売されているが、いっそのこと食塩や醤油を、そのまま持ち歩いても構わない。おそらく、生まれて初めて「塩って、こんなに美味しいものだったのか!」と感動するハズだ。  都心で猛暑が当たり前になる中で、暑さ対策のアイテムは数多く発売されるようになった。だが、コミケでの暑さ対策を考えてみると、以外に便利なアイテムが見つかるのがスポーツや登山用品を扱っているお店だ。前述のハイドレーションパックのように、一見、コミケとは関係がなさそうなのに役立つアイテムがけっこうある。なにしろ、スポーツも登山も、熱中症に気をつけないといけない点ではコミケと同じなのだ。まだまだ、コミケで役立つアイテムも眠っているに違いない。 (文=昼間たかし)

【C84】規制反対にコミケも動く──夏コミ会場でマンガ規制反対をテーマに講演会開催が急遽決定

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東京ビッグサイト
 児童ポルノ法改定問題などをめぐり、危機感の高まるマンガやアニメの表現の自由。8月1日、コミックマーケット準備会が夏コミ2日目の8月11日に、アメリカで漫画表現の自由を求めて活動している「コミック弁護財団(CBLDF)」の事務局長であるチャールズ・ブラウンスタイン氏を招いて、講演会「日本では何ができるのか――北米でのコミック表現規制とCBLDFの取組」を開催することを発表した。コミックマーケット準備会が、会期中にこうした催しを行うことは前例がない。  ブラウンスタイン氏は、アメリカでコミック雑誌編集者・ライターとして活動。また、コミコン・インターナショナルのプログラミングディレクターを務めるなど、アメリカのコミック文化振興に尽力する人物である。彼が事務局長を務める「コミック弁護財団(CBLDF)」は、作者や書店、読者や表現の自由を守るための非営利団体である。これまで、おとり捜査によって逮捕されたコミック店主の弁護をはじめ、検閲やさまざまな側面で起こるマンガ・アニメへの権力の抑圧に抗するべく、実効性のある活動を行っている。ブラウンスタイル氏が来日し、講演するのは昨年に続いて2回目のことだ。今回の講演では、アメリカにおけるマンガなどの表現規制の現状と、それに対する「コミック弁護財団(CBLDF)」の取り組みが話される予定だ。  コミックマーケット準備会では「サークル・一般を問わず、一人でも多くの参加者にお集まりいただければと考えております」としている。  また、コミケ会期後の8月13日には、文京シビックセンターにて、これまでも表現の自由をテーマにシンポジウムを開催してきたNPO法人うぐいすリボンの主催で「マンガ文化の自由を考える国際シンポジウム」が開催される。  こちらは、ブラウンスタイン氏のほか、全米反検閲連盟・事業担当役員のスヴェトラーナ・ミンチェバ氏が「性的ファンタジーに対する法的制限は認められるべきか-合衆国とその他の地域における歴史的、法的、政治的な視点から考察する」の演題で講演する予定だ。  TPPから児童ポルノ法改定問題まで、マンガ・アニメ文化は危機に晒されているといわれるが、新たな規制に反対する声がイマイチ盛り上がりに欠ける状況は、変わっていない。今回の2回にわたる講演を契機に、状況は変化するのだろうか。 (文=昼間たかし) <集会案内> 日本では何ができるのか――北米でのコミック表現規制とCBLDFの取組 チャールズ・ブラウンスタイン氏講演会 日時:2013年8月11日(日)17:00~18:00 会場:東京ビッグサイト西アトリウム http://www.comiket.co.jp/info-a/C84/lecture/ マンガ文化の自由を考える国際シンポジウム 日時:平成25年8月13日(火)13:00~17:00 会場:文京シビックセンター26階・スカイホール http://kokucheese.com/event/index/104499/

【C84】規制反対にコミケも動く──夏コミ会場でマンガ規制反対をテーマに講演会開催が急遽決定

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東京ビッグサイト
 児童ポルノ法改定問題などをめぐり、危機感の高まるマンガやアニメの表現の自由。8月1日、コミックマーケット準備会が夏コミ2日目の8月11日に、アメリカで漫画表現の自由を求めて活動している「コミック弁護財団(CBLDF)」の事務局長であるチャールズ・ブラウンスタイン氏を招いて、講演会「日本では何ができるのか――北米でのコミック表現規制とCBLDFの取組」を開催することを発表した。コミックマーケット準備会が、会期中にこうした催しを行うことは前例がない。  ブラウンスタイン氏は、アメリカでコミック雑誌編集者・ライターとして活動。また、コミコン・インターナショナルのプログラミングディレクターを務めるなど、アメリカのコミック文化振興に尽力する人物である。彼が事務局長を務める「コミック弁護財団(CBLDF)」は、作者や書店、読者や表現の自由を守るための非営利団体である。これまで、おとり捜査によって逮捕されたコミック店主の弁護をはじめ、検閲やさまざまな側面で起こるマンガ・アニメへの権力の抑圧に抗するべく、実効性のある活動を行っている。ブラウンスタイル氏が来日し、講演するのは昨年に続いて2回目のことだ。今回の講演では、アメリカにおけるマンガなどの表現規制の現状と、それに対する「コミック弁護財団(CBLDF)」の取り組みが話される予定だ。  コミックマーケット準備会では「サークル・一般を問わず、一人でも多くの参加者にお集まりいただければと考えております」としている。  また、コミケ会期後の8月13日には、文京シビックセンターにて、これまでも表現の自由をテーマにシンポジウムを開催してきたNPO法人うぐいすリボンの主催で「マンガ文化の自由を考える国際シンポジウム」が開催される。  こちらは、ブラウンスタイン氏のほか、全米反検閲連盟・事業担当役員のスヴェトラーナ・ミンチェバ氏が「性的ファンタジーに対する法的制限は認められるべきか-合衆国とその他の地域における歴史的、法的、政治的な視点から考察する」の演題で講演する予定だ。  TPPから児童ポルノ法改定問題まで、マンガ・アニメ文化は危機に晒されているといわれるが、新たな規制に反対する声がイマイチ盛り上がりに欠ける状況は、変わっていない。今回の2回にわたる講演を契機に、状況は変化するのだろうか。 (文=昼間たかし) <集会案内> 日本では何ができるのか――北米でのコミック表現規制とCBLDFの取組 チャールズ・ブラウンスタイン氏講演会 日時:2013年8月11日(日)17:00~18:00 会場:東京ビッグサイト西アトリウム http://www.comiket.co.jp/info-a/C84/lecture/ マンガ文化の自由を考える国際シンポジウム 日時:平成25年8月13日(火)13:00~17:00 会場:文京シビックセンター26階・スカイホール http://kokucheese.com/event/index/104499/