クソ推理、クソ事件連発でも「クソドラマ」にならない『IQ246~華麗なる事件簿~』織田裕二の熱量と出力

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TBS系『IQ246~華麗なる事件簿~』番組サイトより
“本格ミステリー”を謳いながら、毎回毎回うんざりするようなクソ推理、クソ事件を積み重ねてきた日曜劇場『IQ246~華麗なる事件簿~』(TBS系)は、ラスト前の第9話。ここまでなんとか視聴率2ケタに踏みとどまってきましたが、ついに9.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と、1ケタ陥落です。とはいえ、裏の『フィギュアスケート グランプリファイナル2016』(テレビ朝日系)が平均17.6%取ってましたので、大健闘といえると思われます。  この作品を最初から見てきた方なら、「クソ推理」「クソ事件」というところには異存ないと思うんですけど、だからといって『IQ246』が「クソドラマ」かというと、そうでもないんです。後半になって、やんごとなき沙羅駆(織田裕二)と護衛係の和藤奏子(土屋太鳳)、執事・賢正(ディーン・フジオカ)の人間味や関係性の輪郭が見えてくるにつれて、基本設定とお芝居だけで楽しく見られるドラマになってきてる。頭を空っぽにして、3人のやり取りだけ眺めていれば、「ヒマだヒマだ」と沙羅駆が言い続けている日曜の夜が、決してヒマな夜ではなくなっている。  そんな、「本格ミステリーを頭空っぽで楽しむ」という前代未聞の体験を視聴者に与え続けている『IQ246』。今回は、その真骨頂のような回でした。  まず、すべての事件の黒幕であり、前々回のラストシーンで情緒たっぷりに逮捕されたマリアT(中谷美紀)が、服毒自殺を図ります。  主人公が追い続けた黒幕が、自殺してしまう。  前後関係がなくても、それって、どうやってもおもしろいシーンなんですよね。ドンパッチ、でしたっけ。口の中に入れたらパチパチするお菓子。あれのようなもんで、普通の生活者にとっては、「黒幕が自殺」というだけで刺激物の記号のようなものなので、「おもしろい」と感じてしまう。これが、基本設定だけで楽しく見られるということです。  で、死にゆく中谷美紀が美しいんだ。実に美しい。その所作も、表情も、とてもキレイ。見ていて、ため息が出ちゃうくらい。これが、お芝居だけで楽しく見られるということです。  楽しいから、その後マリアTが実は死んでなくて、死体安置所から適当に持ってきた死体にルパン三世みたいに中谷美紀の顔面を貼り付けて、実はマリアTは脱獄していたというズッコケ展開も、まあ許せちゃう。  いつもは強く忠誠を誓っている執事・賢正が、マリアTにだけ激しく殺意を燃やし、沙羅駆の意に反して単独で殺害を企てる。  これもそうですね。まず大まかな枠組みとして、おもしろい。その後、橋の下で葉巻を吸いながら、どこから調達したか知らんリボルバーに弾丸を込めてたり、間違って沙羅駆を撃っちゃったり、賢正さんもボロボロな描かれ方をするわけですが、ディーン・フジオカの顔面と立ち振る舞いだけで、なんとか画面がもっちゃう。  その「枠組み」主義の際たるものが、今回登場した「射殺許可命令」という言葉でした。警視庁が前半でマリアTに、後半には沙羅駆自身に、極秘裏に出した命令なんですが、「許可」なのか「命令」なのか、それすらもよくわからない。でも、なんかおもしろい「射殺許可命令」。すごく、それによって発生するであろうシーンを想像しやすい言葉です。たぶん銃を持った機動隊に囲まれるんだろうな、と容易に思い浮かべることができますし、実際、機動隊に囲まれるシーンには迫力がある。  そういう、枠組みで雰囲気を作ることには、ホントに長けた作品なんだと思う。そうじゃなきゃ、こんなクソ推理、クソ事件で視聴者が最後まで付いてくるわけないです。  で、やっぱり、織田裕二っていう役者さんの、これが実力なんだと思いますよ。あらゆる脚本の矛盾やアラを、真正面から真顔で受け止めて芝居をしてる。まるで、演技そのもので脚本へのツッコミをねじ伏せてしまおうとしているかのような、圧倒的な熱量と出力の芝居だと思います。演技が上手いとかヘタとか、そういうのはよくわかりませんけど、織田裕二が全力を出し切っていることは画面からビンビン伝わってくる。ドラマの主演を張る、ってこういうことなんでしょうね。だからこそ、このドラマを憎めないんだと思うんです。それに、土屋太鳳ちゃんも、よくついて行ってると思います。  次回は最終回。もはやどういう落としどころに持っていくかにはあんまり興味がなく、4人の熱い芝居合戦が見られればそれでよいと思います。はい。 (文=どらまっ子AKIちゃん)

石原さとみ『地味にスゴイ』最終回でまさかの“男根ネタ”! 『逃げ恥』に逆転された要因は?

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 石原さとみ主演『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』(日本テレビ系)の最終回が7日に放送されました。もう、悦子(石原)のコッテリファッションが見られないと思うと、少しさみしいです……。ちなみに、最終回の平均視聴率は12.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)で、全話平均は12.4%。途中で『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)に逆転されたものの、健闘したと言えそうです。  今回の悦子は、憧れのファッション誌「LASSY」の編集長から呼び出され、「本気度を見せてもらいたい」と、巻頭特集の企画書を期限までに提出するよう言い渡されます。森尾(本田翼)から「企画書がうまくいったら、絶対に次の人事で『LASSY』に異動になるよ!」と言われ、悦子もすっかりその気に。  そんな中、大御所ミステリー作家の本郷(鹿賀丈史)の最新作を盗作と訴えるWEB小説家が出現。告発文によれば、WEB小説家が3週間前に発表した作品『悪魔の階段』と、本郷の小説『ゼロ知識証明』が酷似していると主張し、期限までに回収しないと「週刊誌にリークする」といいます。確かに、ほとんど同じ内容ですが、本郷が盗むとは思えません。  本郷の潔白を証明するため、ゲラと『悪魔の階段』を照らし合わせる校閲部員たち。その結果、本郷の小説に登場する架空の祭「おぱっぽ祭」が「“おぱっぽ”は、青森のごく一部で男根を指す言葉」という理由から、念校の時点で「おんじゃばしら祭」に変更されていたことが発覚。これにより、ゲラが盗まれたのは再校と念校の間だということが判明します。この、校閲で謎解きをする感じは、ワクワクしますね。さすが最終回!  このシーンに、ネット上の青森県民が「おぱっぽなんて使わないよ。ちんこって言うよ」「お母さんに聞いたけど、知らないって言われた」などとザワついているようですが、おそらくドラマ独自の設定かと。ちなみに、青森県では男性器のことを「はど」や「かも」と呼ぶ地域があるそうですよ。勉強になりますね。  出版社内の防犯カメラに犯人らしき姿が映っていないことから、盗まれたのは「ゲラが本郷の手に渡っている間」と判断した悦子たちは、早速本郷の元へ。すると、本郷は大学時代のゼミ仲間らと温泉に行った際、ゲラを持っていったといいます。しかし、「友人を疑うようなことはできない。出版は中止しなさい」の一点張りです。  当然、納得できない悦子は、ゼミ仲間の家を訪れる本郷を尾行。その友人は、本郷の顔を見ると、「みんなが酔いつぶれた後、スキャンした」と、盗作をあっさり告白。その友人は、作家志望だったこともあり、本郷を妬んでいたといいます。この後、悦子も加わり、夢はいくつあってもいいが、全てを手に入れるなんて虫がよすぎるとか、でも諦める必要はないとか、熱いやり取りがしばらく飛び交い、盗作事件は一件落着しました。  そんなこんなで、盗作事件にかかりきりになっていたせいで、「LASSY」の企画書の締切りに間に合わなかった悦子。一方、“地味にスゴイ”職業の人たちに取材したノンフィクション作品『東京B-SIDE』を書き上げた幸人(菅田将暉)に対し、「今、幸人くんの胸に飛び込んだら、甘えちゃって、夢を追うことから逃げちゃう!」と、「LASSY」の編集者という夢をかなえるまで、“友だち以上、恋人未満”の関係を続けさせてほしいと伝えます。28歳という設定の悦子ですが、受験生みたい。『逃げ恥』はそろそろ、ガッキーと星野がおセックスしそうな勢いですが、こちらは最後までプラトニックでした。  ラストシーンでは、校閲という仕事に誇りを持つようになった校閲部員たちが、悦子の影響で足を使って事実確認をするシーンが流れ、終了です。  最終回は「夢」がテーマでしたが、このドラマの現実離れした部分も含め、全体的に“夢のようなドラマ”でした。また、お仕事ドラマは、「自分とは関係ない」という目線で見てしまう作品が多いですが、同作は後半に進むにつれ、“全ての働く人”に届く内容にシフトしていったのが、お見事でした。なお、有料動画サービス『Hulu』では、石原抜きの校閲部を描いたオリジナルドラマが配信中。江口のりこが大活躍していますよ! (文=どらまっ子TAMOちゃん)

桐谷健太がギフハブに! 月9らしさ消えた『カインとアベル』は、山田涼介をどこまで汚せるか

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フジテレビ系『カインとアベル』番組サイトより
 月9史上最低視聴率へまっしぐらの『カインとアベル』(フジテレビ系)第8話。今回も8.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と0.4ポイントのダウン。いまだ、2ケタに乗せる回は一度もありません。  とはいえ、物語はがぜん盛り上がってきました。  ここまで、「ジャニーズ接待ドラマかよ!」と言いたくなるほどに(実際このレビューで何回も言った)山田涼介をキラッキラの好青年かつ天才実業家として描いてきたこのドラマでしたが、いよいよ取締役にまで登りつめた今回からは徹底的に“汚し”にかかりました。山田涼介に“イヤな奴”を演じさせることができるかどうかが今回以降、最終回に向けてのキーポイントになりそうだというようなことを前回言いましたが、正直、期待以上に“イヤな奴”に仕上がっていたので楽しかったです。優くん(山田)がイヤな奴であればあるほど、このドラマ最大の見どころである「闇堕ちしていく兄・隆一(桐谷健太)」が際立つというもので。  取締役になった優くんの増長ぶりはハンパではありません。父であり社長でもある貴行(高嶋政伸)の前で、副社長・隆一の仕事方針を真っ向否定。それどころか、説教まで始めました。副社長にさえそんな有様ですから、部下となったそこらへんの先輩連中にもまったく容赦なし。怒鳴りつけたり見下したりと、やりたい放題です。いいぞ~。  貴行社長は、そんな優くんが、かわいくてしょうがないご様子。始終連れ回しては、経団連の会合に同席させたりしているようです。  父親の言いつけを守り、父親の願ったままに生きてきたという自負のある隆一は、当然おもしろくありません。父と弟をつけ回し、秘書さんやお手伝いさんに探りを入れたり、暗闇から聞き耳を立てたり、挙句の果てには盗聴器をポチッたり、完全にギフハブ(@ASKA容疑者)と化してしまいました。  次々に仕事の成功を役員会で報告する優くん。一方、完全にぶっ壊れてしまい、暗闇で窓に向かって「父さんは……あいつのせいで……父さんの……言われた通りにずっとやってきた……俺は悪くない……」とかブツブツ言ってる隆一。このコントラスト、たまりません。  いよいよ盗聴器を社長室と優くんの取締役室に仕掛けた隆一ですが、優くんはこれもあっさり看破。これまで数々の難題を解決してきた優くんですから、盗聴器の設置を見抜くことなんて簡単です。  兄が盗聴を……優くん、少しだけ悩みますが、わりとあっさり役員会に緊急動議をかけました。 「高田隆一副社長の解任を提案します!」  あわてふためく隆一を、冷酷に突き放す優くん。 「高田副社長は今、通常業務を行える状態ではありません」 「最近の副社長が普通じゃないのはみなさんもお気づきじゃないんですか」  そして、かき集めた盗聴器を取り出し、 「社長と私の行動を監視する目的で副社長が設置したものです」 「防犯カメラに映ってることすら気づいてないじゃないですか!」  もうフルボッコ。しかもこれが、隆一と梓さん(倉科カナ)の結婚式3日前という残酷さ。3日くらい待ってやればいいのに、待たない。怖い。しかも結婚式にも出ないという優くん。怖い。  優くんが隆一をクビにしたことを知った梓はショックを受け、「今のあなたは魅力なんてかけらもない、さよなら」と告げますが、優くんはそんな梓を背中から抱きしめ「ずっと俺のそばにいてほしい」「俺が梓さんを幸せにしたい」と、いきなりの熱烈告白。人の話をまったく聞いてない。怖い。  で、結婚式当日。隆一、さんざん下見した教会に来ません。結婚式は中止です。梓、号泣。隆一も空っぽの披露宴会場で号泣。みんな不幸になった。優くんのせいで!  もちろん、優くんが悪い人になったわけじゃありません。取締役という立場をよく理解し、正しいことをしようとしただけです。ただ、それがすごく急だったので、完全にのぼせ上がって権力をブン回しているようにしか見えないんですね。すんごい“イヤな奴”になってる。  一部報道では、この『カインとアベル』は視聴率低迷が理由で打ち切りになり、1話少なくなったと伝えられていましたが、そんな情報を裏付けるように、今回ものすごい急ぎ足で物語が進みました。結果、家族親族の問題に重点が置かれたので、今までの分不相応なスケール感がなくなって、すごく見やすく、わかりやすくなったと思います。どんどん暴君と化す優くん。いよいよ隆一に殺されてもしょうがない感じの説得力も出てきまして、完全に月9らしさが消えましたが、あと2回かな? 楽しみです。 (文=どらまっ子AKIちゃん)

松嶋菜々子も三代目・岩田剛典も「ギフハブ」!? ストーカーだらけの菅野美穂『砂の塔』

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 イジメドラマからサスペンスへと一変し、さらに「産みの親か、育ての親か?」という家族ドラマへと変貌を遂げている『砂の塔~知りすぎた隣人~』(TBS系)の第8話。第6話以降、亜紀(菅野美穂)と直接対決するようになった弓子(松嶋菜々子)ですが、前半の数々の嫌がらせは、単なる“陰湿な性格”から来る行動である可能性が高くなってきました。イジメを苦にして亜紀がさっさと引っ越しちゃったら、和樹(佐野勇斗)のことを奪え返せないと思うのですが……。まあ、そんなツッコミどころも含め、『砂の塔』を楽しみましょう。  さて、前回、いつものように鉄橋で亜紀と“ばったり”出会った航平(三代目J Soul Brothers・岩田剛典)は、思わずギュッと抱きしめちゃったわけですが、案の定、45階の梨乃(堀内敬子)に目撃され、写真をパシャパシャ。これを早速、ボスママ・寛子(横山めぐみ)にチクる梨乃。寛子は航平を呼び出し、職場の体操教室に生徒の母親との不倫を知られたくなかったら、「大人の男と女として、取り引きしましょう」と、要は「クビになりたくなかったら、私を抱け!」と迫ります。  しかし、「俺が、一方的にストーカーのように付け回しただけ」と、亜紀への思いが本気であることを打ち明ける航平。ストーカーの自覚あったのか、どうりで……。  航平の告白に激怒した寛子が、タワマンのロビーで「みなさ~ん。亜紀さんは、体操のコーチと不倫してるんですよ~」と大声で吹聴した結果、亜紀と取っ組み合いのケンカに。亜紀は頭を強打し、入院してしまいます。航平は心底、疫病神ですね。あと、今回の不幸は、珍しく弓子が噛んでなさそう。  母親不在となった高野家で、健一(ココリコ・田中直樹)が、フライパンのインフォマーシャルばりにグチャグチャなハンバーグを作っていると、おいしそうなハンバーグを持って弓子がピンポーンと到着。高野家にスルリと入り込むことに成功します。  その後、「本当の母親を知ってる」という弓子に、擦り寄る和樹。亜紀の指輪に刻まれた結婚記念日を見て、血が繋がっていないことを知ったという和樹ですが、一向に真実を伝えようとしない両親への不信感を「この人たち、俺を信用してないんだなって。やっぱ所詮、他人なんだなって」と語ります。  あの……、義母の皆さんって、息子が中学生になるまでに、「私は本当の母親じゃないのよ」と伝えるものなのでしょうか?「あいつら、2歳から13年間も、俺を騙しやがって!」という和樹の心情があまりピンとこなかったのですが、その辺の捕らえ方は、人それぞれなんでしょうね。  一方、入院中の亜紀の元を訪れ、「帰ってこなくてもいいわよ」「私のほうが、母親にふさわしいわ」とダメージを与える弓子。さらに、眼球をひんむきながら、「あなた知らないでしょ。和樹のイジメが始まったの、もう3年も前よ。私は知ってたわ。あの子をずっと見てたから」「いつ助けてくれるかと、私はあなたをずーっと見てた」とまくし立てます。このドラマは、ストーカーだらけですね。これが、ASKA容疑者の言う「ギフハブ」でしょうか?  この後、寛子が騒いだせいで、航平が体操教室を去る事態に。その帰り、鉄橋の上で退院したばかりの亜紀とばったり(2回目)。航平は逃避行に誘いますが、亜紀はすんでのところで思い留まり、航平を置いて13年間家族と見てきたクリスマスツリー点灯式へダッシュ。そこへ健一とそらが合流。和樹不在の中、3人で仲良くツリーを眺めます。  久々に、寛子が大活躍だった第8話。ツッコミどころ満載ながら、最近のスピード感はわくわくしますね。やっと、このイカれたドラマの見方がわかりました(最初の頃、マジメに見て損した……)。そういえば、ドラマのために書き下ろされた主題歌『砂の塔』を、いろいろな音楽番組で披露しているTHE YELLOW MONKEYですが、「傾いた塔、安定はしないっ♪」ってとこ、本当に暗い気持ちになりますね。『NHK紅白歌合戦』では、是非、別の曲でお願いします。 (文=どらまっ子TAMOちゃん)

松嶋菜々子も三代目・岩田剛典も「ギフハブ」!? ストーカーだらけの菅野美穂『砂の塔』

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 イジメドラマからサスペンスへと一変し、さらに「産みの親か、育ての親か?」という家族ドラマへと変貌を遂げている『砂の塔~知りすぎた隣人~』(TBS系)の第8話。第6話以降、亜紀(菅野美穂)と直接対決するようになった弓子(松嶋菜々子)ですが、前半の数々の嫌がらせは、単なる“陰湿な性格”から来る行動である可能性が高くなってきました。イジメを苦にして亜紀がさっさと引っ越しちゃったら、和樹(佐野勇斗)のことを奪え返せないと思うのですが……。まあ、そんなツッコミどころも含め、『砂の塔』を楽しみましょう。  さて、前回、いつものように鉄橋で亜紀と“ばったり”出会った航平(三代目J Soul Brothers・岩田剛典)は、思わずギュッと抱きしめちゃったわけですが、案の定、45階の梨乃(堀内敬子)に目撃され、写真をパシャパシャ。これを早速、ボスママ・寛子(横山めぐみ)にチクる梨乃。寛子は航平を呼び出し、職場の体操教室に生徒の母親との不倫を知られたくなかったら、「大人の男と女として、取り引きしましょう」と、要は「クビになりたくなかったら、私を抱け!」と迫ります。  しかし、「俺が、一方的にストーカーのように付け回しただけ」と、亜紀への思いが本気であることを打ち明ける航平。ストーカーの自覚あったのか、どうりで……。  航平の告白に激怒した寛子が、タワマンのロビーで「みなさ~ん。亜紀さんは、体操のコーチと不倫してるんですよ~」と大声で吹聴した結果、亜紀と取っ組み合いのケンカに。亜紀は頭を強打し、入院してしまいます。航平は心底、疫病神ですね。あと、今回の不幸は、珍しく弓子が噛んでなさそう。  母親不在となった高野家で、健一(ココリコ・田中直樹)が、フライパンのインフォマーシャルばりにグチャグチャなハンバーグを作っていると、おいしそうなハンバーグを持って弓子がピンポーンと到着。高野家にスルリと入り込むことに成功します。  その後、「本当の母親を知ってる」という弓子に、擦り寄る和樹。亜紀の指輪に刻まれた結婚記念日を見て、血が繋がっていないことを知ったという和樹ですが、一向に真実を伝えようとしない両親への不信感を「この人たち、俺を信用してないんだなって。やっぱ所詮、他人なんだなって」と語ります。  あの……、義母の皆さんって、息子が中学生になるまでに、「私は本当の母親じゃないのよ」と伝えるものなのでしょうか?「あいつら、2歳から13年間も、俺を騙しやがって!」という和樹の心情があまりピンとこなかったのですが、その辺の捕らえ方は、人それぞれなんでしょうね。  一方、入院中の亜紀の元を訪れ、「帰ってこなくてもいいわよ」「私のほうが、母親にふさわしいわ」とダメージを与える弓子。さらに、眼球をひんむきながら、「あなた知らないでしょ。和樹のイジメが始まったの、もう3年も前よ。私は知ってたわ。あの子をずっと見てたから」「いつ助けてくれるかと、私はあなたをずーっと見てた」とまくし立てます。このドラマは、ストーカーだらけですね。これが、ASKA容疑者の言う「ギフハブ」でしょうか?  この後、寛子が騒いだせいで、航平が体操教室を去る事態に。その帰り、鉄橋の上で退院したばかりの亜紀とばったり(2回目)。航平は逃避行に誘いますが、亜紀はすんでのところで思い留まり、航平を置いて13年間家族と見てきたクリスマスツリー点灯式へダッシュ。そこへ健一とそらが合流。和樹不在の中、3人で仲良くツリーを眺めます。  久々に、寛子が大活躍だった第8話。ツッコミどころ満載ながら、最近のスピード感はわくわくしますね。やっと、このイカれたドラマの見方がわかりました(最初の頃、マジメに見て損した……)。そういえば、ドラマのために書き下ろされた主題歌『砂の塔』を、いろいろな音楽番組で披露しているTHE YELLOW MONKEYですが、「傾いた塔、安定はしないっ♪」ってとこ、本当に暗い気持ちになりますね。『NHK紅白歌合戦』では、是非、別の曲でお願いします。 (文=どらまっ子TAMOちゃん)

TBS『IQ246~華麗なる事件簿~』推理については、もうあきらめよう! 「シーズン2」への歪んだ期待

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TBS系『IQ246~華麗なる事件簿~』番組サイトより
 日曜劇場『IQ246~華麗なる事件簿~』(TBS系)は第8話。SMAPの稲垣吾郎メンバーがゲスト出演したこともあって、視聴率は前回の10.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)から0.3ポイントアップの10.3%となりました。稲垣メンバーの持っている数字が0.3ということでしょうか。来年以降、メンバーじゃなくなる吾郎ちゃんは大丈夫なんでしょうか。  さて、泣く子も黙る“ドラマのTBS”が、「IQ246の天才・法門寺沙羅駆が難事件を膨大な知識と鮮やかな推理で解決する本格ミステリー」であり、「大人も楽しめる上質のミステリー」として放送している『IQ246』ですが、その評判は総じて「脚本がヒドイ」というもののようです。実際ここまで、謎解きや知能戦については「本格」「上質」とは、とても言えないような穴だらけのトリックをゴクゴクと飲まされて、このレビューでも、さんざん悲鳴を上げてまいりました。  で、今回。今までとの大きな違いは、主人公・沙羅駆(織田裕二)が殺人事件の濡れ衣を着せられて捕まってしまったこと。これにより、倒叙ではなく純然たる“犯人探し”のミステリー形式になりました。  この、沙羅駆が捕まるくだりも、令状もなしに急に法門寺邸に刑事が踏み込んできて任意同行を求め、いつの間にか拘置所で寝泊まりしているという恐るべき“いい加減さ”で描かれますが、もういいです。奏子(土屋太鳳)のパソコンがハッキングされて捜査報告書が流出したときに、画面に「holmonji_report.exeは、悪意あるユーザーにより攻撃されています」とか、ものすごいバカ文面が出ちゃってるけど(.exeって!)、いいんです。今回はそういうことを書きたいわけではなく。  結論から言って、今回の『IQ246』は、おもしろかったんです。もちろん、急に事件が魅力的になったわけではないし、その推理はあいかわらず、偶然と後出しと強引な飛躍に頼っただけの、お粗末なものでした。  それでも、身柄を拘束された沙羅駆の指示を受けながら捜査に奔走する奏子と執事・賢正(ディーン・フジオカ)の関係性に重きを置いた今回は、とっても見やすかったし、楽しかったんです。  要するに、得手不得手の問題なんですよね。3人体制で臨んだ今回の『IQ246』脚本家陣は、確かに「気持ちよく事件を解決させる」というロジカルな快感に、あまり力を注ぐタイプではなかった。その反面、沙羅駆と奏子の断絶とか、賢正の忠誠心とか、そういう浪花節的な人物描写は丁寧に積み重ねてきてたんですね。今回、沙羅駆が奏子を認める段になって初めて気付くんです。「ああー、わりと丁寧に積み重ねてきてたな」と。気付いて、ちょっと感動して、気持ちよくなる。今回のラスト、初めて奏子の名前を呼んだ沙羅駆を、なんだか好きになる。土屋太鳳のプリケツも愛らしく思えてくる。  実に、悩ましい作品だと思いますよ。細かいトリックの穴に目をつぶろうと思ったら、前回の「沙羅駆は殺人が起こることを全部知っていて放置していた問題」のような許しがたい大穴を開けてきますし、今回も「マリアTは森本(中谷美紀)でした!」と断言したはずのドラマが、平気な顔して「マリアT(メールの送り主)は他にいる!」とか言ってくるんだもん。見ている側が、ドラマから「いいから飲み込めよ」と強要される矛盾や手落ちの容量がデカすぎて、気を抜くとイライラしてきちゃう。でも、織田裕二もディーンも太鳳ちゃんも、回を追うごとにどんどん魅力的になってくる。  身もフタもないこと言っちゃえば、人物配置設定もろもろこのままで「シーズン2」やってほしいなと思うんです。事件をね、もっと洋邦の諸先輩作品からのモロパクでもいいから、それなりに時間をかけて練ったものを作ってもらいたいと思う。そしたら、もしかしたら劇場版が作られるような名ドラマになるかもしれないと思う。  あと2話ですかね。こんなにアンバランスなドラマってあんまり見たことないですけど、もう推理の完成度については、完全にあきらめました。奇矯な人物たちの心温まる群像劇としての『IQ246』に期待したいと思います。 (文=どらまっ子AKIちゃん)

吉田羊は不要!? 主役不在の『レディ・ダ・ヴィンチの診断』が大健闘!

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『メディカルチーム レディ・ダ・ヴィンチの診断』フジテレビ
 なんとも皮肉な話だ。事実上、前代未聞の主役不在となった吉田羊主演『メディカルチーム レディ・ダ・ヴィンチの診断』(フジテレビ系/火曜午後9時~)第8話が11月29日に放送され、視聴率は8.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)だった。  低視聴率であることに変わりはないが、これは、初回の8.8%に次ぎ、2番目に高い数字。ここのところ、第6話=6.5%、第7話=7.9%と低調だったが、主演不在で大健闘ぶりを見せたのだ。  吉田は10月14日、同ドラマの撮影後にダウン。過労と診断され、しばらくの間、自宅療養を続けていた。同ドラマは第7話まで収録済みであったが、第8話は吉田抜きでの撮影となり、岩倉葉子医師役の伊藤蘭が“主演代行”を務めた。吉田はメーンストーリーには一切絡まず、別撮りしたシーンがわずかに数回流れただけ。  今回、地上波民放の連ドラ初主演となる吉田にとっては、とんだ失態になってしまった。ましてや、実質的に出演しなかった回の視聴率が従来よりよかったとなれば、当然“吉田羊不要論”が噴出してしまう。  ネット上でも、「主役なしでも、なんとかなるんですね」といった調子で視聴者も冷静なもので、主役不在に対して、さしたる批判も出ていないのは、なんともさびしい話だ。  吉田は現在、NHK大河ドラマ『真田丸』に主要キャストで出演中。WOWOWドラマ『コールドケース~真実の扉~』でも主演を務め、10月公開の映画『SCOOP!』『グッドモーニングショー』、11月公開の『ボクの妻と結婚してください。』にも出演しており、ハードワークが続いたことが過労の原因といわれている。  プロである以上、仕事に穴を開けるのはご法度。吉田は来年以降、仕事を厳選する必要に迫られそうだ。 (文=田中七男)

船越英一郎は2度死ぬ!? “クズ”総出演の『黒い十人の女』最終回の視聴率は……!?

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日本テレビ系『黒い十人の女』番組サイトより
 最終回を迎えた日テレ系『黒い十人の女』。1日放送の視聴率は、4.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。前回から微減ですが、堂々の数字。同ドラマは大団円を迎えることができたといえます。  前回、憎き風松吉(船越英一郎)を殺害することに成功した9人の愛人たち。地獄のような不倫からあっさりと抜け出せたのですが、愛人の1人で脚本家の皐山夏希(MEGUMI)から「風が生きてる」との一報が入ったことで、愛人たちの平和な日常は、またもや壊れてしまいました。  松吉亡きあと、2週間の時間が流れます。しかし、ドラマのプロデューサーである松吉が亡くなったというのに、松吉や9人の愛人たちが出入りするテレビ局では、大きな混乱もありません。いつもの通りの日常に違和感を持った皐山は、松吉の本妻で殺害にも関与した、風睦(若村麻由美)に電話しますが、その番号はすでに使われていませんでした。皐山は、真相を確かめるために松吉と睦の自宅兼レストランへ。そこへ、レストランから出てくる松吉を目撃するのでした。  事の真相は、睦が最後の殺害用の薬を飲ませなかったようです。睦の口から語られる殺害計画の全貌を知り、松吉は初めて自分がどんなに憎まれているかを認識。睦は松吉に指示し、松吉の死を偽装。ほとぼりが覚めるまで、仕事を休んで家から出るなという睦の計画に、松吉は難色を示しますが「養ってあげる」と睦は押し切ります。睦が初登場のシーンで言っていた「私が養ってあげる」というセリフは、伏線になっていたんですね。  一方で、松吉の生存を知った9人の愛人たちは、緊急集合。松吉殺害の首謀者で、舞台女優の如野佳代(水野美紀)の自宅で、2週間ぶりの「風の会」が開かれます。そこで、やれ「あんたが裏切った」とか「ちゃんと薬を飲ませたのか?」と醜い言い争いになりますが、結局は満場一致で、睦が裏切ったに違いないということに。  黒い衣装に揃えた9人は、睦のレストランへ。薄暗い闇夜に溶け、レストランの閉店を今か今かと待つ立ち姿は、まるで殺し屋集団のよう。店から出てきた睦は、思わず動揺しますが、性豪松吉を乗りこなすこの女、やっぱりただ者じゃなかった。ここから、睦の大立ち回りが披露されます。  店に通された9人。飲み物はいるか? という睦の問いかけに、如野は「アイスカフェラテ」と。あれ、これデジャヴなんじゃないか……?  如野の「裏切ったの?」をきっかけに、堰を切ったように、睦に憎しみをぶつける9人の愛人。「とにかく謝れ」と無理やり土下座させますが、睦はそれを振り切って、ケラケラと笑いだします。 「今まで散々人の夫と不倫しておいて、どの面下げて謝れとか言ってんの!?」睦の一言に、愛人たちは、圧倒され黙り込んでしまいます。如野は「全く売れない5流のくせに! 大根!」とプライドをコテンパンにされ、若手女優の相葉志乃(トリンドル玲奈)は顔を鷲掴みにされ、潰される寸前に。「おたくのタレントが悪いことしないように、潰しちゃおうか?」隣にいる相葉のマネジャー・長谷川沙英(ちすん)は、あまりの怖さに何も言い返せません。  9人が土下座しても、睦の怒りは収まりません。特に、8年もふてぶてしく関係を続けた挙句、殺害を計画した如野が憎くてたまりません。振る舞うはずだったアイスカフェラテを、如野に11杯も頭から食らわせて睦の怒りは収まったようです。カフェラテ、あんかけと汁男優ならぬ汁女優というところでしょうか。  結局、睦は松吉と離婚することにしたそう。久しぶりに松吉と暮らしたことで、松吉を疎ましく感じるようになったことが理由だと睦は語ります。「あの人と暮らしたいんじゃなくて、あの人を独り占めしたかっただけ」。睦は、愛人たちが手にすることができなかったものを手にしたわけですが、あっさりそれを手放したんですね。  さらに、睦には若くて妻がいる彼氏ができたということでした。そろそろ妻と別れるので、これは不倫じゃないと言いますが、睦も自分たちと同じような“クズ女”なのだということを悟り、愛人たちはあ然とするのでした。  睦にやられっぱなしだった一行は帰路、偶然にも松吉と遭遇。松吉は、もう新しい女を連れていました。睦には正論で撃退されてしまった一行の怒りの矛先は、当然松吉に向きます。 松吉を廃工場に連れ出し、それぞれの怒りが爆発。「私は風さんを許さない」と如野は、予備で取っておいた10錠の薬を飲ませようとします。如野は、前回とは違い病死に偽装することはない、松吉を殺したあと自首すると言います。そんな人生を投げ出した如野の手を止めたのは、神田久未(成海璃子)でした。  なんやかんやあって、「幸せになることが、この人への復讐」ということで、如野と愛人たちは松吉殺害にふたたび失敗しました。  その後、松吉は、関連会社に飛ばされました。9人は、それぞれの日常を謳歌しつつも友人として関係を続けている様子。気になる睦の新恋人は、相葉と関係を持っていた浦上紀章(水上剣星)でした。  最後のカットは、神田が初めて9人の愛人の存在を知ったカフェで睦が、女性と話しています。女性は「そういう男なの、浦上は」と。そうです……相葉を松吉と奪い合ったり、その相葉相手に正論を繰り広げた浦上は、しっかりと松吉の後継者として成長したようです。めでたしめでたし!  深夜帯としては高視聴率を維持した『黒い十人の女』。バカリズムが脚本を執筆することで話題になりましたがコントっぽくもなく、見応えのあるドラマに仕上がりました。名作として知られる原作に果敢に挑み、脚本家としての確かな能力を示したバカリズムの、自信たっぷりの顔がテレビから透けて見えてきそうです。 (文=どらまっ子HAYAちゃん)

船越英一郎は2度死ぬ!? “クズ”総出演の『黒い十人の女』最終回の視聴率は……!?

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日本テレビ系『黒い十人の女』番組サイトより
 最終回を迎えた日テレ系『黒い十人の女』。1日放送の視聴率は、4.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。前回から微減ですが、堂々の数字。同ドラマは大団円を迎えることができたといえます。  前回、憎き風松吉(船越英一郎)を殺害することに成功した9人の愛人たち。地獄のような不倫からあっさりと抜け出せたのですが、愛人の1人で脚本家の皐山夏希(MEGUMI)から「風が生きてる」との一報が入ったことで、愛人たちの平和な日常は、またもや壊れてしまいました。  松吉亡きあと、2週間の時間が流れます。しかし、ドラマのプロデューサーである松吉が亡くなったというのに、松吉や9人の愛人たちが出入りするテレビ局では、大きな混乱もありません。いつもの通りの日常に違和感を持った皐山は、松吉の本妻で殺害にも関与した、風睦(若村麻由美)に電話しますが、その番号はすでに使われていませんでした。皐山は、真相を確かめるために松吉と睦の自宅兼レストランへ。そこへ、レストランから出てくる松吉を目撃するのでした。  事の真相は、睦が最後の殺害用の薬を飲ませなかったようです。睦の口から語られる殺害計画の全貌を知り、松吉は初めて自分がどんなに憎まれているかを認識。睦は松吉に指示し、松吉の死を偽装。ほとぼりが覚めるまで、仕事を休んで家から出るなという睦の計画に、松吉は難色を示しますが「養ってあげる」と睦は押し切ります。睦が初登場のシーンで言っていた「私が養ってあげる」というセリフは、伏線になっていたんですね。  一方で、松吉の生存を知った9人の愛人たちは、緊急集合。松吉殺害の首謀者で、舞台女優の如野佳代(水野美紀)の自宅で、2週間ぶりの「風の会」が開かれます。そこで、やれ「あんたが裏切った」とか「ちゃんと薬を飲ませたのか?」と醜い言い争いになりますが、結局は満場一致で、睦が裏切ったに違いないということに。  黒い衣装に揃えた9人は、睦のレストランへ。薄暗い闇夜に溶け、レストランの閉店を今か今かと待つ立ち姿は、まるで殺し屋集団のよう。店から出てきた睦は、思わず動揺しますが、性豪松吉を乗りこなすこの女、やっぱりただ者じゃなかった。ここから、睦の大立ち回りが披露されます。  店に通された9人。飲み物はいるか? という睦の問いかけに、如野は「アイスカフェラテ」と。あれ、これデジャヴなんじゃないか……?  如野の「裏切ったの?」をきっかけに、堰を切ったように、睦に憎しみをぶつける9人の愛人。「とにかく謝れ」と無理やり土下座させますが、睦はそれを振り切って、ケラケラと笑いだします。 「今まで散々人の夫と不倫しておいて、どの面下げて謝れとか言ってんの!?」睦の一言に、愛人たちは、圧倒され黙り込んでしまいます。如野は「全く売れない5流のくせに! 大根!」とプライドをコテンパンにされ、若手女優の相葉志乃(トリンドル玲奈)は顔を鷲掴みにされ、潰される寸前に。「おたくのタレントが悪いことしないように、潰しちゃおうか?」隣にいる相葉のマネジャー・長谷川沙英(ちすん)は、あまりの怖さに何も言い返せません。  9人が土下座しても、睦の怒りは収まりません。特に、8年もふてぶてしく関係を続けた挙句、殺害を計画した如野が憎くてたまりません。振る舞うはずだったアイスカフェラテを、如野に11杯も頭から食らわせて睦の怒りは収まったようです。カフェラテ、あんかけと汁男優ならぬ汁女優というところでしょうか。  結局、睦は松吉と離婚することにしたそう。久しぶりに松吉と暮らしたことで、松吉を疎ましく感じるようになったことが理由だと睦は語ります。「あの人と暮らしたいんじゃなくて、あの人を独り占めしたかっただけ」。睦は、愛人たちが手にすることができなかったものを手にしたわけですが、あっさりそれを手放したんですね。  さらに、睦には若くて妻がいる彼氏ができたということでした。そろそろ妻と別れるので、これは不倫じゃないと言いますが、睦も自分たちと同じような“クズ女”なのだということを悟り、愛人たちはあ然とするのでした。  睦にやられっぱなしだった一行は帰路、偶然にも松吉と遭遇。松吉は、もう新しい女を連れていました。睦には正論で撃退されてしまった一行の怒りの矛先は、当然松吉に向きます。 松吉を廃工場に連れ出し、それぞれの怒りが爆発。「私は風さんを許さない」と如野は、予備で取っておいた10錠の薬を飲ませようとします。如野は、前回とは違い病死に偽装することはない、松吉を殺したあと自首すると言います。そんな人生を投げ出した如野の手を止めたのは、神田久未(成海璃子)でした。  なんやかんやあって、「幸せになることが、この人への復讐」ということで、如野と愛人たちは松吉殺害にふたたび失敗しました。  その後、松吉は、関連会社に飛ばされました。9人は、それぞれの日常を謳歌しつつも友人として関係を続けている様子。気になる睦の新恋人は、相葉と関係を持っていた浦上紀章(水上剣星)でした。  最後のカットは、神田が初めて9人の愛人の存在を知ったカフェで睦が、女性と話しています。女性は「そういう男なの、浦上は」と。そうです……相葉を松吉と奪い合ったり、その相葉相手に正論を繰り広げた浦上は、しっかりと松吉の後継者として成長したようです。めでたしめでたし!  深夜帯としては高視聴率を維持した『黒い十人の女』。バカリズムが脚本を執筆することで話題になりましたがコントっぽくもなく、見応えのあるドラマに仕上がりました。名作として知られる原作に果敢に挑み、脚本家としての確かな能力を示したバカリズムの、自信たっぷりの顔がテレビから透けて見えてきそうです。 (文=どらまっ子HAYAちゃん)

ミスターちんはお払い箱!? 菅田将暉にイライラしなかった『地味にスゴイ』自己最高13.2%

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 ここ最近、おでん屋の常連客役のミスターちんを見てない気がする『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』(日本テレビ系)。11月30日放送の第9話は、平均視聴率13.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)で、第6話と並ぶ自己最高タイを記録しました。  今回の悦子(石原さとみ)は、世間に校閲部の存在が知られていないことを「むなしい」と悲観。さらに、憧れのファッション誌「Lassy」の校閲を担当し、いつも通り“指摘出し”するも、副編集長(伊勢佳世)から「そんなダメ出しいらないから」「そもそもこれは編集の仕事で、校閲の仕事じゃないでしょう?」と足蹴にされ、悦子もカッチーン。「何今の……、私が気になることは、読者も気になると思ったから、言ったんでしょ?」と納得がいきません。この副編集長は、完全なるヒールとして登場していますが、実際に悦子みたいに仕事を増やしてくる校閲者がいたら、雑誌編集者はイラつくでしょうね~。想像しただけで、ゾッとします。  なお、「Lassy」という雑誌は、「かわいい」「カワイイ」「可愛い」が混在するなど、固有名詞以外の文字統一はおざなりなようです。ちなみに、実際、ここまで統一に無頓着な雑誌は、少なくとも大手出版社ではないと思います。この辺はファンタジーな感じ。  そんな中、「森尾(本田翼)が幸人のことを好きらしい」とのウワサを耳にし、大ショックを受ける悦子。そこへ追い討ちをかけるように、悦子の校閲にミスが発覚。悦子がブランド名の誤りを見落としてしまったせいで、副編集長が先方に謝罪に出向く事態に発展してしまいます。  通常、派手な洋服で出社する悦子ですが、次の日は、ショックのあまり、地味な服装で出社。年齢にしてはババ臭く感じる、いつものスカーフ使いも、どこにも見当たりません。  その夜、悦子をデートに連れ出した幸人(菅田将暉)は、遊具や線路、高圧線の点検をする人たちなど、日の当たらない職業を取材したノートを悦子に見せ、「当たり前を作ってる人たちはすごい!」と絶賛。それを教えてくれた悦子に「生まれてきてくれてありがとー!」と叫び、「えっちゃん、俺と……」と告白しようとします。  前回までの幸人といえば、「えっちゃんのこと好きだよ」などと思わせぶりな態度を取りながらも、どこかはっきりしない態度にイライラさせられっぱなしでしたが、今回は急に積極的! しかし、森尾との友情が捨てられない悦子は、「待って! ちょっとだけ時間がほしいの!」とその場から逃げ出し、その足で森尾の家へ。「私、幸人くんと付き合ってもいいかな?」と確認すると、森尾は「幸人より、先輩(悦子)のほうが好きなんだよ」とあっさりOK。悦子は「ごめんね~」と涙を流します。この2人って、こんなに深い友情で結ばれていたんですね。学生時代からの付き合いという設定ですが、イマイチ仲良さそうに見えないのは、なぜでしょう? 映画『余命1ヶ月の花嫁』で、榮倉奈々と安田美沙子が全く親友に見えなかったことを思い出しました。  元気を取り戻した悦子は、「Lassy」編集部で「もしかして電気がつくの、当たり前だと思ってませんか? 校閲も当たり前を作る仕事をしています」と校閲のありがたみを仁王立ちで自ら説き、勝手にすっきり。さらに、幸人を呼び出し、「私、初めて会ったときから、あなたのことが好きです」と告白。「あたしでよかったら、お付き合い……」と言いかけたところで、森尾から電話が。念願だった「Lassy」編集部への異動のチャンスが舞い込んできたようです。  今回は“校閲って目立たないけど、大事な仕事ですよ”という内容でしたが、初回から見続けている身としては、少々今さら感も。お仕事ドラマとしては地味な話が続いているので、初期のハチャメチャ具合がそろそろ恋しい……といっても、残すは最終回のみ。悦子らしい、華やかなラストを期待しましょう! (文=どらまっ子TAMOちゃん)