KAT-TUN・亀梨和也『ボク、運命の人です。』木村文乃演じるヒロインの高慢ちきぶりがヤバすぎ!?「ブスだったらグーパン」

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 KAT-TUN・亀梨和也がちょっと残念なの営業マンを演じているコメディドラマ『ボク、運命の人です。』(日本テレビ系)の第4話。平均視聴率は前回より0.6ポイントアップの9.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)とまずまずです。  さて、前回は亀梨の長すぎる放尿シーンに目がくぎづけとなりましたが、今回はどんなジャニーズらしからぬ姿を見せてくれるのでしょうか? あらすじを振り返ります。

晴子はヤバい女!?

 定岡(満島真之介)から「結婚を前提に……」と告白された晴子(木村文乃)ですが、「定岡君のことそうは見れない」ときっぱり。晴子いわく、定岡は結婚相手としては理想的ながら、「付き合っていくうちに好きになればいいと、わりきって考えられない」んだそうです。  一方、晴子の“運命の男”誠(亀梨)については、「昔の自分だったら好きになってた」と自覚しながらも、いろいろ減点していくと「結婚相手として考えれば考えるほど、不安で埋めつくされる」んだそうです。  なぜ、晴子がこんなに面倒くさい高飛車女になってしまったかというと、その理由は筆者にはまだ理解できません。現時点で明かされているのは、晴子は学生時代にそれなりにモテていたことと、とにかく男運に恵まれない人生を送ってきたこと、さらに、2年前まで付き合っていた彼氏から「実は結婚していた」と告げられたことがトラウマになっているということくらいです。  交際相手が既婚者だった……、これで男性選びに慎重になるのはわかります。ただ、「付き合っていくうちに好きになればいいと、わりきって考えられない」って、何様なんでしょうか。そもそも晴子って、初回から自身の“男の見る目”になぜか自信満々なんですよ。三恵(菜々緒)のアドバイスを退けて恋愛論を語ったり。その上、男の気持ち度外視で「次に付き合う人と結婚する」と決めつけてるっていう……。  そんな、「元彼に裏切られたから、もうそんじょそこらの人とは付き合えない」「でも、次に付き合う人とは結婚すると決めてる」という無限ループでグルグルしている晴子ですが、そこに男性への思いやりは感じられません。世界は晴子を中心に回っており、お姫様のような、ロボットのような性格。努力を放棄した晴子は、何股されても、不倫しても、自分を安売りしてでも、幸せを求めてもがき続ける『東京タラレバ娘』(同)の登場人物と真逆のようにも見えます。  また、晴子は美人の木村が演じているから許される高慢ちきなセリフが満載。ブスだったらグーパンチ食らってるはずです。最近は、『あなたのことはそれほど』(TBS系)の波瑠演じる“お花畑女”の酷さが話題ですが、こっちの晴子の頭の中も大概です。

誠はなんで、晴子なんか好きなんだろう?

 そんな晴子のことを、今回、「運命とは関係なく好きになった」と宣言した誠。部屋に現れた神様(山下智久)は、晴子との距離を縮めたいなら、上司の島田(田辺誠一)の“にんじん嫌い”を克服せよと助言します。なお、晴子のどんなところに惚れたのか、何も説明はありません。ほんと、なんで好きになったんだろう……。  島田ににんじん料理を食べるよう説得するも、「君がやろうとしていることは押し売り」とダメ出しを食らう誠。そんな中、晴子の会社の社長・鳩崎(阿佐ヶ谷姉妹・渡辺江里子)から、日本一のにんじん農家の存在を聞き、早速、畑へ。そこの主人から、にんじん作りについて「好きではなかったけど、嫌いでもなかった。嫌いだったら、こんなに続けられなかった」との言葉を聞き、ピーン! その夜、晴子にこの出来事を報告し、「もし好きになれないという理由で遠ざけようとするんだったら、嫌いじゃないものを近くに置いてみることから初めてみませんか?」と提案。晴子から「(誠のことは)嫌い……じゃない」との言葉を引き出し、ニコニコで第4話終了です。  丸々4話をかけて「気持ち悪い」存在から「嫌いじゃない」存在へと昇格した誠ですが、最終話までにどう結婚にこぎつけるのか気になりますね。しかし、姫気質の晴子のせいで、正直、主人公を素直に応援できない部分も……。今後、晴子をいい子と思える日は、やってくるのでしょうか? (どらまっ子TAMOちゃん)

1ケタ続く綾野剛『フランケンシュタインの恋』展開も行動も“雰囲気言葉”に依存しすぎ問題

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日本テレビ系『フランケンシュタインの恋』番組サイトより
 綾野剛が“怪物”こと“新種のキノコ人間”こと“深志研さん”を演じるドラマ『フランケンシュタインの恋』(日本テレビ系)は第3話。視聴率は前回から1.1%戻して8.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、いまだ1ケタ。スーパーキュートなキャラクター2人のルックだけで押し切った第1話から一転、第2話ではキモい・怖い・小難しいと3拍子揃った変な作品へと変貌していましたが、第3話ではさらに“トンデモSF色”が強まってきました。  主人公の美人薄命な女子大生・継実(二階堂ふみ)のお姉ちゃんを不用意な「キノコフラッシュ(胞子爆弾)」によって殺しかけてしまい、大いに落ち込んでいた怪物でしたが、自分を受け入れてくれた人間の女・継実をどうしても忘れることができず、再び街へ下りてきました。  そんな怪物を快く雇い入れてくれるのが、稲庭工務店の棟梁・恵治郎(光石研)です。若いヤツがどんな過去を持っていても、仕事さえ前向きに取り組むなら誰でも弟子にしてくれる、気風のいい男。  今回は、そんな恵治郎が過去に、理由も聞かずに受け入れた職人女子・美琴(川栄李奈)の元カレが出現。DV男で、過去に組織売春的な団体に美琴を売り飛ばしたんだそうです。  そんな元カレを見るや「殺してやる!」と、腰から下げていたゲンノウで殴りかかる美琴。そういえば、ちょっと前にこの元カレから電話がかかってきたときも「てめえ殺すぞ」と言ってました。過去に相当ひどいことをされたようです。  その美琴の「殺す」という言葉に触発されたのが、怪物でした。自分は人間を殺してしまうかもしれない。それなのに、人間の女・継実と一緒にいたい気持ちがある。これは「恋」だと継実の先輩で稲庭の長男でもある聖哉(柳楽優弥)は言う。自分は、人間に恋をしてもいいのか──。悩んだ怪物は、お気に入りのラジオ人生相談で「おやつの男」こと天草順平(新井浩文)に聞いてみることにしました。  ラジオネームは、そのまま「フランケンシュタイン」。悩みはこうです。 「人間を殺すかもしれない怪物は、人間に恋をしてはいけないのでしょうか?」  天草は「怪物こそ恋をすべき」と言います。「今は怪物かもしれないけど、恐れないで、人間に恋をして生きてほしい」と。  で、なんやかんや怪物と継実の不器用で愛らしい(と意図しているっぽい)やり取りの末、2人は両想いになったことが、どうやら描かれました。  どうやら描かれました、と書いたのは、あんまりそういう風に見えなかったからです。確かにセリフではそれ風のことを言っているんですが、注意深く明言しないようにして雰囲気言葉に終始しているので、共感もできないし、怪物と薄明少女それぞれの覚悟のようなものも、あまり見えてこないんです。  まあ、2人の関係をあまりハッキリさせるのも序盤ですからまだアレですけど、このドラマの「雰囲気言葉」問題はもっと重大な不安をはらんでいます。  天草がラジオで語るお悩みの解決です。ここまで、天草の言葉によって怪物の行動は支配されています。天草がドラマの中で、天啓を与える「神」として配置されている。その天草の言葉がまた、雰囲気だらけで、まるで核心を突いてこないんです。  また今回、怪物の出生についても掘り下げがなされました。怪物の父・研太郎(斎藤工)は120年前、死んだ細胞を再生させる菌の培養に成功したそうです。その菌を死んだ息子の身体に投入し、電気を流すと菌が活性化して動き出すと。でも、人間の作った電力だけではダメで、しょうがないから高い木にくくりつけて、なんか変電装置みたいなものを通して雷を息子の身体に流し、生き返らせたと。  つまり電気によって怪物の中の菌は活性化する。継実の研究所の教授である鶴丸(柄本明)は、この仮説から「そうか、人間の感情もまた電気なのだ!」「心の中で何かが高まったとき、菌を放つのだ!」と「キノコフラッシュ」のシステムを説明してみせますが、どうですかねこれ、全体的に「雰囲気トンデモSFだよなあ」と感じたんですが、そのへんの受け取り方は人それぞれですかね。  かように、恋愛も、SFも、理念も、画面に登場して話を転がす要素が人々の感情の動きや行動ではなく「雰囲気言葉」に依存しているせいで、あんまり話が頭に入ってこない感じがしています。入ってこないというか、入ってすぐ抜けていくというか。  で、抜けていった頭で考えることはといえばですね。  後半に柳楽優弥が川栄の元カレにボコボコにされる場面があるんですが、この元カレを演じているのが深水元基なんです。映画『クローズZERO』(07)の最強キャラクター・リンダマンにして、『新宿スワン』(15)の狂犬・関です。まあ要するに、バカ強い役ばかりが印象に残る役者さんですね。そのリンダマンにボコられた柳楽くんが、もちろん勝てるわけじゃないんだけど、わりとピンピンしてるもんで、たぶん柳楽くんが芸能界ケンカ最強だなとか、あと、怪物に納豆を食べさせて寝かせたらネバネバのキノコが布団から生えてたので、ヨーグルト食わせたら夢精するんじゃないの? とか、そういうことでしたね。次回はもっと集中して見ようと思います、すみません。  俳優部は、みなさんよい仕事してると思います、これは本当に。 (文=どらまっ子AKIちゃん)

“推され”も”干され”も関係ない!? 『豆腐プロレス』は、誰も幸せにしないドラマなのか

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テレビ朝日系『豆腐プロレス』番組サイトより
 先週までに、トーナメント戦「OVER THE TOP」の一回戦の試合をすべて終えた『豆腐プロレス』(テレビ朝日系)の16話。今回は、一回戦で負けた8人の女子高生レスラーが入り乱れるバトルロイヤル形式の敗者復活戦「CLIFF HANGER」が開催される。  一番手は、キューティーレナッチ(AKB48加藤玲奈)とクイウチ松村(SKE48松村香織)がリングに登壇。ここから1分ごとに1人ずつ追加されていく。第1ラウンドで8人から4人に絞られ、第2ラウンドで4人から1人に絞り込まれるというルールだ。フォール負け、ギブアップ、リングアウトで敗北となる。リングのまわりには誰もいない無観客試合だが、いくつものカメラが設置され、試合はテレビで放送。チェリー宮脇(HKT48宮脇咲良)は、自宅でこの試合を見守ることに。  クイウチ松村は、リングアウトで敗北となるルールを利用し、すぐにキューティーレナッチをリングアウトさせようと目論むが、抵抗されうまくいかない。1分が経過し、次にリングにあがったのはボイス山田(NGT48山田野絵)。この番組では既におなじみとなった工事現場同盟を相手に、キューティーレナッチが窮地に立たされるかと思いきや、ボイス山田はクイウチ松村を裏切るのだった。  これに怒りを露わにするクイウチ松村。次にリングインしてきたのは、またもや工事現場同盟のメンバーとなったブラックベリー向井地(AKB48向井地美音)。今度こそ多勢でキューティーレナッチを羽交い締めにするかと思いきや、クイウチ松村とブラックベリー向井地は、工事現場同盟を裏切ったボイス山田を騙し、リングアウトさせてしまう。さっきまで大喜びではしゃいでいたボイス山田が、デスボイスにもなりきれていない金切り声をあげ、あっさりリングから落ちていった。  次にリングに上がったのは、先週アリゲート流司(今野浩喜)に恋したサックス古畑(SKE48古畑奈和)。リング上には錦糸町道場メンバーが2人、工事現場同盟が2人という構図に。牽制しあう緊張したムードのなか、6人目のバトンかとみな(NGT48加藤美南)が登場。見事なバトントワリングを駆使したパフォーマンスからリングに飛び入り、アクロバットを披露した加藤だったが、残っていた4人に集中的に攻撃され、すぐにリングアウト。リングにいた時間よりもリングの下でパフォーマンスをしていた時間の方が長いという、なんとも悲しい扱いだった。  そして、満を持して7人目に登場したのが、元チャンピオンのハリウッドJURINA(SKE48松井珠理奈)である。先週の放送で、別のプロレス興行団体から移籍を打診されていた松井。現在のWIPチャンピオン、道頓堀白間(NMB48白間美瑠)には「やめるなら私に負けてからにしいや」と詰め寄られていた。  チャンピオンとして満員の観客の応援を一身に浴びて勝ち続けてきたスター選手が、敗者復活をかけた無観客試合にあがるというのは屈辱的な状況だ。しかし、矢崎英一郎(渡辺いっけい)に「もう失うものは何もありませんよ。今の私には最高のステージです」と言い残し、ハリウッドJURINAはリングに上がる。元チャンピオンの登場に、リング上はハリウッドJURINA対それ以外という構図に。  ハリウッドJURINAは、一時はスリーカウントをとられそうになるも、これを抜け出す。天井に向かって大きく叫ぶと、チャンピオンらしいスマートなバトルスタイルで、キューティーレナッチをフォールする。  4人を相手にし、既にボロボロのハリウッドJURINAを尻目に、最後の出場者のオクトパス須田(SKE48須田亜香里)がリングイン。須田は、ハリウッドJURINAを狙い撃ちにするのかと思いきや、サックス古畑にシャイニングウィザードを食らわせ、そのままフォールに。実況の「観客の祝福もなく静かに終わりました!」という最後のアナウンスとともに第1ラウンドは幕を閉じ、第2ラウンド進出者は、ブラックベリー向井地、クイウチ松村、ハリウッドJURINA、オクトパス須田の4人となった。  今回の見どころはやはりハリウッドJURINA。移籍に悩む姿は、実際にかつてSKE48とAKB48の兼任経験のある松井本人にも重なるところもある。一方で、『マジすか学園』(テレビ東京ほか)、『キャバすか学園』(日本テレビ系)などのように、あまりフォーカスされてこなかった出演者の活躍を楽しみにしていたファンにとっては、まったく楽しめない回だったのではないか。今回負けてしまったバトンかとみな、ボイス山田のNGT48メンバーの2人は脇役に追いやられてきていたので、すぐにリングアウトしてしまい出演時間もとても短かったし、出演者本人も悔しい思いもあったかもしれない。  また、錦糸町道場メンバーのなかでもあまりストーリー上でいい味を出せていないキューティーレナッチの敗北ももったいない。プロレスはやりたいが、読者モデルであることを隠したいがためにマスクをかぶったというキャラクター設定や、プロレスの話になると饒舌になるという設定は、もっと活かせたのではないかとも思う。ももう少しストーリー上活躍する展開を楽しみにしていたので、あまり見せ場のないまま敗北してしまったのは、残念だ。  どうしても限られた放送時間のなかでドラマを描くには、切り捨てられなければならないものもある。特に今回は、誰にも見せ場があってもおかしくなかったのだが、見せ場一つないまま、誰の歓声もないままメンバーたちが敗れていくのは、ある意味でシュールだった。  松井珠理奈のような“推され”は、ドラマ内でも現実のアイドル活動でも、厳しい状況に立たされ、逆に今回敗北していったメンバーたちのような“干され”は、ドラマ内でも現実のアイドル活動でも、なかなか見せ場が作れない。誰も幸せでないこの状況は、アイドルとしてベテランに入ったAKB48グループの内情ではないのかと、呆気にとられてしまった。  次回は、チェリー宮脇と道頓堀白間の試合。16話の終わりで、道頓堀白間が首を負傷したというニュースが流れる。果たして試合にはどんな影響があるのだろうか。次回も楽しみだ。 (文=MC内郷丸)

『SRサイタマノラッパー~マイクの細道~』第5話 カッパとパンチラとの異次元セッションの開幕!

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テレビ東京系『SRサイタマノラッパー~マイクの細道~』番組サイトより
“青春の墓場”を求めて、埼玉生まれのヒップホップグループ「SHO-GUNG」が東北道を旅する『SR サイタマノラッパー~マイクの細道~』。前回に続いて岩手県遠野を舞台にした第5話は、TVシリーズ前半戦のクライマックスとも言えるエロスと超常現象をラップでひとまとめにしたおかしなおかしな祭典となった。  トラック運転手のカブラギ(皆川猿時)に奪われていたスマホをようやく返してもらったIKKU(駒木根隆介)たちは、2週間後に川崎クラブチッタで行なわれるライブイベントの出演者の中に「SHO-GUNG」の名前を見つけ歓喜する。クラブでライブデビューすることが、彼らの夢だったので、第2話から第4話まで続いた“夢はじまり”は今回はなし。後はクラブチッタ出演が“夢オチ”にならないことを願うばかりだ。  ライブ出演が決まったからには、一刻も早く川崎に向かいたい。ところが独身生活の長いカブラギは雪(中村静香)のことをすっかり気に入り、どぶろく屋に婿入りしてもいいアピールを朝食の席で繰り返す。このままではいつまでも遠野で足止めをくらい、しかもMIGHTY(奥野瑛太)はカッパの神様の呪いでチンコ痛に悩まされたままだ。  いつもは長いものには巻かれろ気質のTOM(水澤紳吾)だが、このときのTOMは違った。カブラギの耳元で「昨晩、いいものを見ましたよね」と囁く。雪の入浴姿を窓から覗き見していたことをネタに、カブラギを脅すTOM。自分もしっかり見てたくせに。TOMもだてに性風俗店が乱立する北関東でおっぱいパブやガールズバーで働いていたわけではなかった。面倒くさいオッサンたちを懐柔するノウハウを身に付けていた。あの頼りなさが身の上だったTOMが、何だか少しだけ輝いてみえる。クラブチッタのステージに立つという明確な道が見えてきたことで、日和見主義のTOMも変わってきたことを感じさせるエピソードだ。  一行はMIGHTYがカッパの神様から呪いを掛けられた「めがね橋」へと再び出向き、カッパの神様の怒りを沈めようとする。ここで一行が思い出したのは、雪のおじいちゃん(樋浦勉)が口にしていた「歌は祝い、歌は呪い」という言葉。IKKUたちが魂を込めたリリックを放つには、やはりラップしかない。「カッパとラッパー、俺たち仲間です〜♪」とTOMがラップで呼び掛けるが川面は静かなまま。そこへ「遠野のカッパはエロカッパで有名だ。必要なのはエロコミュニケーションだ」と訳知り顔で現われたのは、自称「遠野出身で、いちばん有名なラッパー」の溝口(松尾諭)だった。  IKKU役の駒木根隆介、カブラギ役の皆川猿時、そして『シン・ゴジラ』(16年)の「君が落ち着け」の名台詞で一躍有名になった松尾論。小太り系の男優がやたら多い『マイクの細道』。重心が低い彼らが出ていることで、ドラマ自体も地に足が着いた印象を受ける。あんこ型の彼らは都会では暑苦しくても、雪国にはよく似合う。そういえば数年前、体重100kgある巨漢ばかり集まった男性ボーカルグループ「デブ・レパード」が存在したけど、彼らは今どうしているだろうか。  溝口にレクチャーされ、エロカッパを振り向かせるためには女の子の力も必要なこと知るIKKUたち。「SHO-GUNG」vs伝説の妖怪・河童! 『SR サイタマノラッパー~マイクの細道~』の世界が、白石晃士監督の『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!【人食い河童伝説】』とリミックスされていく。そんな溝口の話を聞きながらも、地元名物ほうとうに舌鼓を打つIKKU。これまでにも『SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』(12)では宇都宮ギョーザを、『マイクの細道』の第1話、第2話ではマグロ料理を黙々と平らげたIKKUだが、ここにきて「ほうとうが胃の中に入ると体が芯からポカポカする。これはハッピーのマグマだ」と彦摩呂ばりに言葉が口からこぼれ落ちてくる。どうやらIKKUもライブに向けて、トドのような体の中を様々なリリックが駆け巡っているようだ。  溝口の助言に従い、カッパにまるで興味のないトーコの機嫌をとろうと必死な「SHO-GUNG」。伝説のタケダ先輩(上鈴木伯周)に曲を作ってもらうために頭を下げたこと以外、まともに他人にお願いをしたことのないIKKUも低姿勢で年下のトーコに接する。夢を実現するためには、つまらないプライドは邪魔になるだけ。旅を続ける中で、MIGHTYもTOMもIKKUもそれぞれが少しずつ変化を遂げている。 「よく見たら、二階堂ふみに似ている」とトーコのことをヨイショするMIGHTY。ここでトーコを演じている山本舞香情報を。山本舞香は1997年生まれの鳥取県出身。宮沢りえ、蒼井優、夏帆らを輩出した「三井のリハウスガール」として2011年にCMデビュー。くっきりしたつぶらな瞳は、確かに二階堂ふみを彷彿させる。入江悠監督は『劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ』(11)、『日々ロック』(14)と二階堂ふみをヒロインに起用しおり、この系統の女優が好みらしい。『マイクの細道』ではヤンキー役の山本舞香だが、初主演映画『桜ノ雨』(16)では奥手な女子高生役を繊細に演じており、女優としての将来性を感じさせる逸材なのだ。  そして、いよいよシリーズ前半戦の総決算となる「めがね橋」ライブの開幕。河原に祭壇とキュウリを用意し、「SHO-GUNG」に加え、雪の元彼であることが判明した溝口もMCとして参加。溝口はラッパーを目指して遠野から東京に出たものの、夢破れて帰ってきた。雪と寄りを戻し、どぶろく屋の借金を2人で返していくという。溝口にとっては、これがラップ納めだ。さらに溝口と復縁してご機嫌な雪、いやいやながらトーコもダンサーを務めることに。  IKKUたちが新しい自分たちの歌を見つける旅でもある『マイクの細道』。今回はロケ地が遠野ということもあり、民俗学的な視点から音楽や芸能というジャンルのルーツを探っていくことになる。溝口によれば、この奉納ライブは「天岩戸」伝説みたいなものだという。「天岩戸」は日本神話のひとつで、“太陽神”アマテラスオオミカミがご機嫌ななめ状態で岩戸の中に引き篭った際、困った他の神さまたちはアメノウズメを岩戸の前で歌い踊らせてアマテラスオオミカミを誘き出したという。「天岩戸」伝説は芸能・お祭りの事始めであり、アメノウズメは日本芸能界における芸能人第1号でもある。その「天岩戸」伝説を、遠野のエロカッパを相手に再現しようというのだ。  雪のおじいちゃんが言っていたように「歌は祈り」であり、「歌は呪い」でもある。歌は人々に刹那的に夢や希望を与え、ささくれた心を癒してくれる。だが、ドラッグの過剰摂取と同じで、歌の世界で描かれた夢や運命の恋人探しに取り憑かれてしまうと、下手すれば一生を台無しにしかねない。心に響く歌や言葉は薬にもなるが、使用方法を誤ると中毒症状に陥ってしまう。曲がりなりにもMC(マスター・オブ・セレモニー)を名乗るのなら、そのことは肝に銘じておきたい。MIGHTYのチンコに掛けられた呪いを解き、溝口の東京で破れた夢を供養するため、「SHO-GUNG」withミゾグチ&YUKI+TOKOの一度かぎりのセッションが始まる。 「歌え、祝え、祝え、呪え♪」と溝口が煽り、「SHO-GUNG」のメンバーがマイク代わりのキュウリを手にフリースタイルのラップを繋げていく。バックで踊っている雪の弾けっぷりがいい。さすが中村静香、初代ドロリッチガール! たわわなバストが右へ左へとウェーブを奏でる。ノリノリの雪に感化され、やる気のなかったトーコもグルーヴに身を委ね、体を揺らし始める。これまで一度も笑顔を見せたことのないトーコが、踊りと共に初めて明るい表情を見せた。「SHO-GUNG」と溝口だけでなく、実家からずっと離れることができずにいた雪もトーコも、胸の奥に仕舞い込んでいた感情が澱のように溜まっていた。そんな淀んだ感情が、セッションの盛り上がりと共に浄化されていく。 「プチョヘンザ~♪ カッパヘンザ~♪」  雪とトーコのダンスに引き寄せられ、カッパの神様がついに出現。カッパの神様は頭の上の皿を「キュキュッ」と鳴らし、「SHO-GUNG」たちのステージに応えてみせる。そして一陣の風と共に、めくれ上がる雪とトーコのスカート。トーコのパンティーはピンク、そして雪は名前の通り純白のパンティーだ。紅白そろって、縁起がいい。カッパの神様も大満足。かくしてMIGHTYのチンコの呪いは収まった。ドントハレ〜♪  雪山に残したトラックを修理していた間に、ふいに現われた溝口が雪のハートをがっちりゲットしたことを知って、どよ〜んと落ち込むカブラギ。そんなカブラギの背中をバンバン叩きながら「また、いい人に出逢えるから大丈夫だって」と励ますトーコ。ヤンキー娘トーコがすごくいい女に思えてくる。  遠野民話の終わりの決め文句「どんと晴れ(めでたし、めでたし)」のような大団円を迎えた第5話。だが、最後の最後に意外な事実が明らかになる。溝口も伝説のタケダ先輩を知っており、しかもまだ生きているという。タケダ先輩は実は双子の兄弟で、『SR1』で亡くなったタケダ先輩はヤングタケダであり、お兄ちゃんが福島で暮らしているとのこと。オープニング映像に登場していたタケダ先輩は幽霊ではなく、お兄ちゃんだったのだ。『仁義なき戦い』シリーズの松方弘樹、『男たちの挽歌』シリーズのチョウ・ユンファもびっくりな急展開。  クラブデビューという目標が定まり、旅の途中のトラブルで結束力を固めた「SHO-GUNG」。あと彼らに必要なのは、新しい彼らに相応しい新しい曲である。次回、新しい出逢いとさらなる試練が待ち受ける福島編への期待が高まる。 (文=長野辰次)

『SRサイタマノラッパー~マイクの細道~』第5話 カッパとパンチラとの異次元セッションの開幕!

『SR サイタマノラッパー~マイクの細道~』第5話 カッパとパンチラとの異次元セッションの開幕!の画像1
テレビ東京系『SRサイタマノラッパー~マイクの細道~』番組サイトより
“青春の墓場”を求めて、埼玉生まれのヒップホップグループ「SHO-GUNG」が東北道を旅する『SR サイタマノラッパー~マイクの細道~』。前回に続いて岩手県遠野を舞台にした第5話は、TVシリーズ前半戦のクライマックスとも言えるエロスと超常現象をラップでひとまとめにしたおかしなおかしな祭典となった。  トラック運転手のカブラギ(皆川猿時)に奪われていたスマホをようやく返してもらったIKKU(駒木根隆介)たちは、2週間後に川崎クラブチッタで行なわれるライブイベントの出演者の中に「SHO-GUNG」の名前を見つけ歓喜する。クラブでライブデビューすることが、彼らの夢だったので、第2話から第4話まで続いた“夢はじまり”は今回はなし。後はクラブチッタ出演が“夢オチ”にならないことを願うばかりだ。  ライブ出演が決まったからには、一刻も早く川崎に向かいたい。ところが独身生活の長いカブラギは雪(中村静香)のことをすっかり気に入り、どぶろく屋に婿入りしてもいいアピールを朝食の席で繰り返す。このままではいつまでも遠野で足止めをくらい、しかもMIGHTY(奥野瑛太)はカッパの神様の呪いでチンコ痛に悩まされたままだ。  いつもは長いものには巻かれろ気質のTOM(水澤紳吾)だが、このときのTOMは違った。カブラギの耳元で「昨晩、いいものを見ましたよね」と囁く。雪の入浴姿を窓から覗き見していたことをネタに、カブラギを脅すTOM。自分もしっかり見てたくせに。TOMもだてに性風俗店が乱立する北関東でおっぱいパブやガールズバーで働いていたわけではなかった。面倒くさいオッサンたちを懐柔するノウハウを身に付けていた。あの頼りなさが身の上だったTOMが、何だか少しだけ輝いてみえる。クラブチッタのステージに立つという明確な道が見えてきたことで、日和見主義のTOMも変わってきたことを感じさせるエピソードだ。  一行はMIGHTYがカッパの神様から呪いを掛けられた「めがね橋」へと再び出向き、カッパの神様の怒りを沈めようとする。ここで一行が思い出したのは、雪のおじいちゃん(樋浦勉)が口にしていた「歌は祝い、歌は呪い」という言葉。IKKUたちが魂を込めたリリックを放つには、やはりラップしかない。「カッパとラッパー、俺たち仲間です〜♪」とTOMがラップで呼び掛けるが川面は静かなまま。そこへ「遠野のカッパはエロカッパで有名だ。必要なのはエロコミュニケーションだ」と訳知り顔で現われたのは、自称「遠野出身で、いちばん有名なラッパー」の溝口(松尾諭)だった。  IKKU役の駒木根隆介、カブラギ役の皆川猿時、そして『シン・ゴジラ』(16年)の「君が落ち着け」の名台詞で一躍有名になった松尾論。小太り系の男優がやたら多い『マイクの細道』。重心が低い彼らが出ていることで、ドラマ自体も地に足が着いた印象を受ける。あんこ型の彼らは都会では暑苦しくても、雪国にはよく似合う。そういえば数年前、体重100kgある巨漢ばかり集まった男性ボーカルグループ「デブ・レパード」が存在したけど、彼らは今どうしているだろうか。  溝口にレクチャーされ、エロカッパを振り向かせるためには女の子の力も必要なこと知るIKKUたち。「SHO-GUNG」vs伝説の妖怪・河童! 『SR サイタマノラッパー~マイクの細道~』の世界が、白石晃士監督の『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!【人食い河童伝説】』とリミックスされていく。そんな溝口の話を聞きながらも、地元名物ほうとうに舌鼓を打つIKKU。これまでにも『SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』(12)では宇都宮ギョーザを、『マイクの細道』の第1話、第2話ではマグロ料理を黙々と平らげたIKKUだが、ここにきて「ほうとうが胃の中に入ると体が芯からポカポカする。これはハッピーのマグマだ」と彦摩呂ばりに言葉が口からこぼれ落ちてくる。どうやらIKKUもライブに向けて、トドのような体の中を様々なリリックが駆け巡っているようだ。  溝口の助言に従い、カッパにまるで興味のないトーコの機嫌をとろうと必死な「SHO-GUNG」。伝説のタケダ先輩(上鈴木伯周)に曲を作ってもらうために頭を下げたこと以外、まともに他人にお願いをしたことのないIKKUも低姿勢で年下のトーコに接する。夢を実現するためには、つまらないプライドは邪魔になるだけ。旅を続ける中で、MIGHTYもTOMもIKKUもそれぞれが少しずつ変化を遂げている。 「よく見たら、二階堂ふみに似ている」とトーコのことをヨイショするMIGHTY。ここでトーコを演じている山本舞香情報を。山本舞香は1997年生まれの鳥取県出身。宮沢りえ、蒼井優、夏帆らを輩出した「三井のリハウスガール」として2011年にCMデビュー。くっきりしたつぶらな瞳は、確かに二階堂ふみを彷彿させる。入江悠監督は『劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ』(11)、『日々ロック』(14)と二階堂ふみをヒロインに起用しおり、この系統の女優が好みらしい。『マイクの細道』ではヤンキー役の山本舞香だが、初主演映画『桜ノ雨』(16)では奥手な女子高生役を繊細に演じており、女優としての将来性を感じさせる逸材なのだ。  そして、いよいよシリーズ前半戦の総決算となる「めがね橋」ライブの開幕。河原に祭壇とキュウリを用意し、「SHO-GUNG」に加え、雪の元彼であることが判明した溝口もMCとして参加。溝口はラッパーを目指して遠野から東京に出たものの、夢破れて帰ってきた。雪と寄りを戻し、どぶろく屋の借金を2人で返していくという。溝口にとっては、これがラップ納めだ。さらに溝口と復縁してご機嫌な雪、いやいやながらトーコもダンサーを務めることに。  IKKUたちが新しい自分たちの歌を見つける旅でもある『マイクの細道』。今回はロケ地が遠野ということもあり、民俗学的な視点から音楽や芸能というジャンルのルーツを探っていくことになる。溝口によれば、この奉納ライブは「天岩戸」伝説みたいなものだという。「天岩戸」は日本神話のひとつで、“太陽神”アマテラスオオミカミがご機嫌ななめ状態で岩戸の中に引き篭った際、困った他の神さまたちはアメノウズメを岩戸の前で歌い踊らせてアマテラスオオミカミを誘き出したという。「天岩戸」伝説は芸能・お祭りの事始めであり、アメノウズメは日本芸能界における芸能人第1号でもある。その「天岩戸」伝説を、遠野のエロカッパを相手に再現しようというのだ。  雪のおじいちゃんが言っていたように「歌は祈り」であり、「歌は呪い」でもある。歌は人々に刹那的に夢や希望を与え、ささくれた心を癒してくれる。だが、ドラッグの過剰摂取と同じで、歌の世界で描かれた夢や運命の恋人探しに取り憑かれてしまうと、下手すれば一生を台無しにしかねない。心に響く歌や言葉は薬にもなるが、使用方法を誤ると中毒症状に陥ってしまう。曲がりなりにもMC(マスター・オブ・セレモニー)を名乗るのなら、そのことは肝に銘じておきたい。MIGHTYのチンコに掛けられた呪いを解き、溝口の東京で破れた夢を供養するため、「SHO-GUNG」withミゾグチ&YUKI+TOKOの一度かぎりのセッションが始まる。 「歌え、祝え、祝え、呪え♪」と溝口が煽り、「SHO-GUNG」のメンバーがマイク代わりのキュウリを手にフリースタイルのラップを繋げていく。バックで踊っている雪の弾けっぷりがいい。さすが中村静香、初代ドロリッチガール! たわわなバストが右へ左へとウェーブを奏でる。ノリノリの雪に感化され、やる気のなかったトーコもグルーヴに身を委ね、体を揺らし始める。これまで一度も笑顔を見せたことのないトーコが、踊りと共に初めて明るい表情を見せた。「SHO-GUNG」と溝口だけでなく、実家からずっと離れることができずにいた雪もトーコも、胸の奥に仕舞い込んでいた感情が澱のように溜まっていた。そんな淀んだ感情が、セッションの盛り上がりと共に浄化されていく。 「プチョヘンザ~♪ カッパヘンザ~♪」  雪とトーコのダンスに引き寄せられ、カッパの神様がついに出現。カッパの神様は頭の上の皿を「キュキュッ」と鳴らし、「SHO-GUNG」たちのステージに応えてみせる。そして一陣の風と共に、めくれ上がる雪とトーコのスカート。トーコのパンティーはピンク、そして雪は名前の通り純白のパンティーだ。紅白そろって、縁起がいい。カッパの神様も大満足。かくしてMIGHTYのチンコの呪いは収まった。ドントハレ〜♪  雪山に残したトラックを修理していた間に、ふいに現われた溝口が雪のハートをがっちりゲットしたことを知って、どよ〜んと落ち込むカブラギ。そんなカブラギの背中をバンバン叩きながら「また、いい人に出逢えるから大丈夫だって」と励ますトーコ。ヤンキー娘トーコがすごくいい女に思えてくる。  遠野民話の終わりの決め文句「どんと晴れ(めでたし、めでたし)」のような大団円を迎えた第5話。だが、最後の最後に意外な事実が明らかになる。溝口も伝説のタケダ先輩を知っており、しかもまだ生きているという。タケダ先輩は実は双子の兄弟で、『SR1』で亡くなったタケダ先輩はヤングタケダであり、お兄ちゃんが福島で暮らしているとのこと。オープニング映像に登場していたタケダ先輩は幽霊ではなく、お兄ちゃんだったのだ。『仁義なき戦い』シリーズの松方弘樹、『男たちの挽歌』シリーズのチョウ・ユンファもびっくりな急展開。  クラブデビューという目標が定まり、旅の途中のトラブルで結束力を固めた「SHO-GUNG」。あと彼らに必要なのは、新しい彼らに相応しい新しい曲である。次回、新しい出逢いとさらなる試練が待ち受ける福島編への期待が高まる。 (文=長野辰次)

長谷川博己、『半沢直樹』の激昂演技にチャレンジも不発! ドラマ『小さな巨人』第3話レビュー

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TBS系『小さな巨人』番組サイトより
 香坂は小野田に直訴して、アリサの訊問の許可を取りつけます。そしてバーに駆けつけたのですが、そこはすでにもぬけの殻。香坂が来るという情報が筒抜けになっていたのです。その情報を漏らしたのは、小野田。さらに、アリサと小野田の妻が金銭の受け渡しをしていることが発覚します。つまり、小野田はアリサと、そして隆一と裏で繋がりがあったというわけです。  そして、香坂は気づいてしまいます。香坂が隆一への飲酒運転の取り調べをした際、自分との繋がりをいずれ嗅ぎつけられてしまうのではないかと恐れた小野田が、香坂の左遷に一役買ったことを。香坂の小野田に対する怒りが沸々と燃え上がったところで、第3話は終了となりました。  さて、今回の感想ですが、男性店員のアリバイ崩しがどうしても陳腐に思えてしまいました。そもそも、店にいなかった彼をアリバイ証言者に仕立てた意味がわかりません。また、前回のレビューでも指摘しましたが、山田の立ち位置がわけわからない状態に。後半部分では完全に所轄刑事の一員と化してしまっていました。いっそのこと異動させてしまった方がしっくりきます。  それと今回、主演の長谷川博己の演技に少し変化がありました。芝警察署副署長の杉本学(池田鉄洋)が、所轄の得た情報を捜査一課に流していることが発覚した際、「このドロボーが!」と怒鳴りつけるシーンがあったのですが、これは『半沢直樹』(TBS系)で好評だった堺雅人の激昂演技を模したものだったのでしょう。しかし、堺と比べて迫力に乏しく、スカッと感はまったくありませんでした。もういい加減、半沢路線は捨てなければ、安っぽいパロディードラマで終わってしまうような気がしてなりません。  次回の予告では、香坂が小野田の不正に立ち向かい、「懲戒免職の危機 自らのクビをかけた捨て身の作戦」というテロップが出ていたのですが、果たして緊迫感のあるストーリー展開となるか見ものです。 (文=大羽鴨乃)

『孤独のグルメ Season6』第4話 深夜の飯テロ界の地球破壊爆弾! 焼肉が早くも投下

孤独のグルメ Season6』第4話 深夜の飯テロ界の地球破壊爆弾! 焼肉が早くも投下の画像1
テレビ東京系『孤独のグルメ Season6』番組サイトより
 さて、今回も朝まで空腹に耐える準備をしながらチャンネルを合わせる『孤独のグルメ Season6』(テレビ東京系)。もう、飯テロの絨毯爆撃に朝まで耐えるのは止めました。最初から、番組を観ると腹が減るという前提で準備をしておくことにします。  とりわけ、深夜にもかかわらず油ギトギトの料理はオススメ。皆さんも、豚バラ肉なんかをフライパンで焼く準備とか、しておきましょう……。  さて、今回、ゴローちゃんこと井之頭五郎(松重豊)がやってきたのは、東京都は東大和市。東京都の水源地として重要な多摩湖を有する街。戦前は、日立航空機の工場があり、戦争遺跡もあることで、その手のファンには知られた街ではありますが、都民でも用がなければ立ち寄ることはない街でしょう。  そんな街の駅に降り立ったゴローちゃん。花束を手に向かったは、手塚理美の営むカーテン店さん。手塚が足を骨折したので、お見舞いでの訪問だそう。 「仕事で国分寺まで来たから電話したら~」  というゴローちゃんですが、国分寺から東大和に行こうとしたら、西武国分寺線か多摩湖線か、どちらにしても、ちょい面倒くさいルート。それでも、顔を出そうとするマメさが、商売の秘訣といったところでしょうか。  しかし、2人の関係。かなり気安い友人といった雰囲気。過去にどのようなことがあったのでしょうか……。  手塚に結婚しないのかと聞かれたりするゴローちゃん。出かけようとした中3になる手塚の息子の成長ぶりに驚き、手塚に「あのとき、ゴローさんに告白しておけばな」とか言われて、自分の人生をいろいろと考えてしまいます。  でも、ガラにもないことを考えれば腹が減るもの。そして、迷い込むのは住宅地。 「方向を誤ったか……店がない」  今回も住宅地へと迷い込むゴローちゃん。ええ、東大和市って街道沿い以外はガチで住宅ばかりの街なんですよね……。  もはや店を見つけるのを断念し、青梅街道を駅へと戻ろうとするゴローちゃん。 「焼肉でも食いたい気分になってるぞ……」  そんなゴローちゃんの目の前に現れたのは……。 「うそ、焼肉。食いたいという気分になった矢先に出会えるとは、おまけにいい暖簾を垂らしているじゃあないか」  さあ、今回の焼肉店は、まさにこの番組にお似合いの店構え。炭火がどーのとか、ナンタラカンタラの熟成肉とか、オシャレはキーワードとは無縁。昔ながらの、ガスで焼く街場の焼肉店なのであります。 「一人なんですけど……」 「こちらのお席にどうぞ」  案内された4人掛けのテーブルを一人で使って。さあ来るか。「溶鉱炉」か「うぉおおん」か!  さて、そんな店に貼られているのは、こんな一文。 「看板娘『みゆ』がいましたらぜひ! なんでも聞いてください」 「タン塩看板娘の大好物です。命をかけるほどおいしいです」  今回、看板娘を演じるのは白石聖ですが、リアルのほうもかわいいと、ネットでは現在進行形で評判になっております。  さて、ホルモンかカルビかと悩むゴローちゃん。いきなり「イベリコ豚って手もあるか……」。  いきなりイベリコ豚とか、今回のゴローちゃんは、空腹で相当混乱している様子。  それでもメニューだけでなく、貼られたオススメの張り紙にも目を通すゴローちゃん。 「命をかけるほどおいしいです……日本語おかしいだろ」  とはいうものの、タン塩推しに乗っかってしまうゴローちゃん。さらに、別のお客の様子を見ながら選択肢は増えていきます。 「よし、第一弾いくか……」  さあ、何からいくかと思ったゴローちゃん。 「あの、カイノミってなんですか?」  これも張り紙でのオススメ品。白石演じる店員は「油がサッパリしていて……」など、丁寧に教えてくれるのです。  まずは、上タン塩とカイノミのタレ。そして、アゴ=豚のアゴをタレ。ついでにサニーレタスとサンチュセットも投入です。飲み物は当然、ウーロン茶から。  さあ、運ばれてきた肉をゴローちゃんは、どう並べていくのか。 「タン塩はタレで焼き網が汚れる前に焼くのが鉄則だ」 「少し焼きすぎかなくらいがおいしい……ホント」 「ここは、おつまみキャベツで飢えをしのごう」  なるほど、原作で神回といえる焼肉。ゴローちゃんの名ゼリフも止まりません。 「んん、ほんとだ。少し焼きすぎかなくらい、正解。肉は焼くほどに固くなるもんだと思い込んでいた」  タン塩への感動で早くも、食のリミッターは振り切れてしまったか。まだ残りのタン塩があるというのに、豚のアゴも焼き始めてしまいます。 「さて、アゴだ。おお、こういう感じ。いや、いいよ、しょっぱうまい。ちょっカリカリとして、こちらのアゴも使わせる……」  続いて野菜を巻き始めれば、もう止まりません。  青唐辛子とにんにくを乗せて……。 「おお、これは青唐にんにく、ズルイ」  キムチも一緒に巻けば……。 「おお、これもナイス。薬味がいろいろあるから自由自在だ」 「ここで、よく焼きタン塩。ウエルダンならぬウエルタン」  至福の焼肉に、ついにこんな言葉も。 「命は賭けられんが、仕事の1つや2つ、すっぽかして来てもいいほどうまいよ、みゆちゃん」  感動はしても、まだグルメは始まったばかり。カイノミを焼き網に置き、ゴローちゃんは腕まくりして、本気の食モードへ。 「くぅ~、何このフワフワ。このタレいい。つけ込み方も絶にして妙。これは早くライスも頼まなきゃ肉に対して申し訳ない」  ライスは中に抑えて、韓国のりを追加したゴローちゃん。まだ、理性は働いているということか。 「ううむ、うまい。史上最強のタッグが、オレの口の中で大暴れしている。これはカルビとかロースとは別次元のうまさだ」  誰もが知っている焼肉に白いご飯という最強の組み合わせ。この飯テロは、ほぼ地球破壊爆弾が落ちたようなものですよ、はい。  さらにカイノミも野菜巻きにして、違う食感で食らい尽くすゴローちゃん。 「ほうら、素晴らしいにんにくパンチ。タレの味に磨きをかけるがごとし!!!!」  そして、さらに広がる無限の胃袋。 「野菜も米も潤沢に残ってる。追加肉いこう……となれば、あれだ」  注文したのはザブトンのタレ。その間も、カイノミを焼き、韓国のりを手で摘まむゴローちゃん。 「ここは最果て、東大和の焼肉店か……」  なぜか黄昏れるゴローちゃん。最果てとか、東大和市民に失礼。今じゃ、モノレールもあるというのにぃ!!  かくて、やってきたのは、巨大で四角いザブトン。 「おお、さすが特選カルビ。食べ応えも超高級ザブトンだ。どんどんガバガバ食べたくなる、ドンガバチョな肉だ……」 「味付け肉はタレをつけるというステップがスキップされていて楽だ。最近の飛行機の搭乗手続きみたいというか……」  さて、やはり焼肉回ということなのでしょうか。今回は、ゴローちゃんのかっこむシーンがけっこう長めな印象。 「今日のオレ、大金星だ。胃袋の国技館では、今、歓喜のザブトンが舞っている」  もはや、歓喜の名言は止まることなく、視聴者を深夜にもかかわらず焼肉店へと誘う破壊力で攻めてくるのでした。  かくて満足したゴローちゃん「今日は、よく眠れそうだぞ……」と、店を後にするのでありました。  さすが焼肉回ならではの、神がかったセリフ回しと食いっぷりで魅せてくれたゴローちゃん。何はともあれ、高そうな背広でも構わず焼肉店に入ってしまう剛胆さを、見習いたいものだと思いました。 (文=昼間たかし)

観月ありさの変人役は、嵐・相葉雅紀より「はまってる」!? フジ『櫻子さんの足下~』に視聴者号泣のワケ 

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フジテレビ公式サイトより
 観月ありさ主演のフジテレビ系連続ドラマ『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』第2話の平均視聴率が、初回から0.4ポイントダウンの6.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録した。  同作は、骨を愛する“ドS”標本士・九条櫻子(観月)が、骨の状態から殺人事件を解決する一話完結の推理ドラマ。原作は、大人気推理小説シリーズで、過去にはアニメ化も。また、観月にとって“テレビドラマ主演女優連年記録”において26年目の作品となる。 「前クールで大コケした小雪主演『大貧乏』の後ということもあり、放送前から期待されていなかった同ドラマですが、案の定、6%台が続き大コケ。初回放送後の評判もイマイチでした」(テレビ誌記者)  だが、第2話が放送されると、「急に面白くなった」と評判が一転。ネット上では「泣いてしまった」「涙なくして見られない」「このドラマで号泣するなんて」といった声が相次いでいる。  なお、第2話では、博物館の技術補佐員である正太郎(Kis-My-Ft2・藤ヶ谷太輔)が、深夜に裸足で出歩く女児を保護。櫻子は、女児の橈骨の感触から過去に虐待されていたと推測。通院歴から身元を割り出し、自宅へ向かうと、そこには母親の遺体が。さらに、遺体の下の床下収納から心肺停止状態の赤ん坊を発見し、櫻子が蘇生を施すというストーリーだった。 「残酷で悲しい話ながら、日曜夜9時という放送帯を考えてかコミカルな演出が散りばめられ、視聴者からは『見た後にドンヨリしなくていい』と好評。また、ドラマオリジナルの展開もいい効果をもたらしています」(同)  放送前、原作では20代中盤の主人公を、40代の観月が演じるという点に、原作ファンから批判が上がっていた。 「観月が主人公になりきっており、ぶっきらぼうな口調や、『お前の骨には敬意を払う』『骨は決して裏切らないんだ』といった独特なセリフ回しもさほど違和感がない。同局の月9『貴族探偵』では、嵐・相葉雅紀が変人を演じているが、観月の変人ぶりのほうが、よほど板についているようにも。顔がアップになると、時々『老けてるなあ』と感じさせるものの、そこさえ無視すればドラマに集中できる。ただ、フジの大コケ枠という先入観や、裏がTBS系『日曜劇場』ということもあり、なかなか目を向けてもらえないのが現実でしょう」(同)  現時点での期間平均視聴率において、放送中のプライム帯ドラマでは最下位の『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』。櫻子の決めゼリフは「骨が全て繋がった」だが、評判と視聴率が繋がるのはいつになるのだろうか?

橋本環奈ちゃんと結婚したくなる! 嵐・相葉雅紀主演『貴族探偵』推理マニア向け作品を映像化した意味

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フジテレビ系『貴族探偵』番組サイトより
 嵐・相葉雅紀主演の月9『貴族探偵』(フジテレビ系)は、第3話も安定の面白さでした。いやー、面白いです。見ててよかった『貴族探偵』。  実は、昨年春あたりから毎クール月9のレビューを書くようになって、今年の春は『貴族探偵』だよ、ということで、初めて麻耶雄嵩さんの作品を読んだんです。  で、白状してしまえば、原作である『貴族探偵』および『貴族探偵対女探偵』(ともに集英社文庫)という小説は、あんまり好みじゃなかった。事件の謎と解決がすごく練られていることは伝わってきたし、何度か読み直して「うへー、そういうことかい!」と思わず虚空を見上げてしまうこともありましたが、とにかく作品に無駄がないんです。事件→推理→解決、それしかない。人物の背景や物語が、極限まで削ぎ落とされている。  例えば、第3話の出典元となった『貴族探偵』収録の「トリッチ・トラッチ・ポルカ」の書き出しを以下に引用してみます。  * * *  事件の概要はこうである。  三月四日の日曜日の午前九時、東北地方の小都市・猪飼市の郊外にある廃倉庫から三十歳前後と思われる女性の死体が発見された。  * * *  いきなりこれです。そしてこの後、延々と事件の概要、現在の捜査状況、容疑者のアリバイについてなどが説明されます。必要な情報しかありません。  これは明らかに「大地を震わす和太鼓の律動に、甲高く鋭い笛の音が重なり響いていた。」(『火花』又吉直樹/文藝春秋)といった書き出しの文学作品とは、一線を画す小説です。  麻耶さんは「太鼓と笛の音が確認された。」なんです。  そこからは、人物の顔や風景、匂いや痛みといったものが、まったく感じられない。登場人物全員が謎解きを構築するためだけに配置されて、結果、場面に出てくる誰のことも愛せない。文学というより、「謎解きの快感」だけに特化した、マニア向けの快楽装置といった風情です。  もちろん、そのどちらが価値があるとかないとか、そういう評価軸の話ではありません。商品の性質として、私たちのような一般人向けに開いていないということです。  そういう『貴族探偵』を1話からずっと絶賛しているのは、私が原作を読んで「足りない」と感じていたものが、ドラマではありありと画面に現れているからです。精巧な骨格標本が、血肉をまとってイキイキと疾走し始めた。その興奮にヤラれてしまっているんです。楽しくてしょうがないし、これを作ってるヤツはすげえな! と思ってしまう。魔法使いかよ、と。ドラマの面白さというより、テレビの中ですごいことが行われている感じに圧倒されているんです。もうけっこう慣れてきたけど、2話目まではホントに興奮しっぱなしでした。  第3話のレビューですが、例によって、今回も未見の方はFODでもTVerでもいいから見てほしいので、あらすじは記しません。女子高生の橋本環奈ちゃんと結婚したくなる話です。ずっと環奈ちゃんを幸せにしたいと思える話です。原作では、環奈ちゃんが演じた垂水遥という人物と結婚したくはならなかったもんなー。これがドラマの力よなー。  と、そんな風に、事件関係者や警察に血肉が与えられた一方で、相変わらず標本のままなのが相葉ちゃん演じる貴族探偵なんですね。人格がないし、情熱もないし、意欲もない。相葉ちゃんが“棒”だからキャスティングされたのか、相葉ちゃんが“棒”であろうと努力しているのかは判然としませんが、ここに原作とドラマの美しいシンクロを見るんです。  探偵って、変に目的意識とか倫理観とか、人間味みたいなものが備わってないほうがいいんじゃない? そういうことを、この作品は言おうとしているのではないかと。  今回、象徴的な場面がありました。貴族探偵の使用人によって事件が解決に導かれた後、食い下がる刑事を、貴族探偵がこう突き放します。 「君の疑問などどうでもいい、使用人は真実を述べたまでだ」  つまり、誰のどんな“思い”も、真実の探求とは関係がない。真実に辿りつくために存在しているのが探偵であり、真実に辿りつくためには、人間らしくある必要はない。  逆にいえば、そこまで何もかもを捨て去らないと、解けない謎があると。相葉ちゃんが貴族を貴族らしく「演じない」ことで、貴族探偵という存在が見事に漂白されている。その彼がいつも真実を突き止めることで、作品が主張する「探偵とは何か」が明確になっている、という構図です。  そして、ここがキモなんですが、その「探偵が存在を漂白しなければ解けない謎」を構築しているのも、また『貴族探偵』という作品なんですよねえ。  麻耶さんの側から見れば、「オレの作った謎は、今まで世間に登場したどんな情熱的な探偵にも解けない」「オレの謎は、探偵が自らの存在を漂白し、真実だけに向き合わなければ解けない超難解な謎なのだ」という宣言なわけです。  そこまで言っちゃえば、謎そのものをマジのガチで作り込むしかないですよね。ちゃんとした人がガチのマジで作り込んでるものって、だいたい面白いに決まってるんですよ。はい、次回も普通に楽しみです。  ちなみに視聴率は、2話目より少し戻して9.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、また1ケタ。いろいろ言われるでしょうけれど、まあ「視聴率三冠王」を盛んに喧伝して「視聴率の高いテレビが価値があるテレビ、あとは価値がない」というイメージを振りまいたのは、ほかでもない過去のフジテレビですからね。いたしかたなし。 (文=どらまっ子AKIちゃん)

橋本環奈ちゃんと結婚したくなる! 嵐・相葉雅紀主演『貴族探偵』推理マニア向け作品を映像化した意味

橋本環奈ちゃんと結婚したくなる! 嵐・相葉雅紀主演『貴族探偵』推理マニア向け作品を映像化した意味の画像1
フジテレビ系『貴族探偵』番組サイトより
 嵐・相葉雅紀主演の月9『貴族探偵』(フジテレビ系)は、第3話も安定の面白さでした。いやー、面白いです。見ててよかった『貴族探偵』。  実は、昨年春あたりから毎クール月9のレビューを書くようになって、今年の春は『貴族探偵』だよ、ということで、初めて麻耶雄嵩さんの作品を読んだんです。  で、白状してしまえば、原作である『貴族探偵』および『貴族探偵対女探偵』(ともに集英社文庫)という小説は、あんまり好みじゃなかった。事件の謎と解決がすごく練られていることは伝わってきたし、何度か読み直して「うへー、そういうことかい!」と思わず虚空を見上げてしまうこともありましたが、とにかく作品に無駄がないんです。事件→推理→解決、それしかない。人物の背景や物語が、極限まで削ぎ落とされている。  例えば、第3話の出典元となった『貴族探偵』収録の「トリッチ・トラッチ・ポルカ」の書き出しを以下に引用してみます。  * * *  事件の概要はこうである。  三月四日の日曜日の午前九時、東北地方の小都市・猪飼市の郊外にある廃倉庫から三十歳前後と思われる女性の死体が発見された。  * * *  いきなりこれです。そしてこの後、延々と事件の概要、現在の捜査状況、容疑者のアリバイについてなどが説明されます。必要な情報しかありません。  これは明らかに「大地を震わす和太鼓の律動に、甲高く鋭い笛の音が重なり響いていた。」(『火花』又吉直樹/文藝春秋)といった書き出しの文学作品とは、一線を画す小説です。  麻耶さんは「太鼓と笛の音が確認された。」なんです。  そこからは、人物の顔や風景、匂いや痛みといったものが、まったく感じられない。登場人物全員が謎解きを構築するためだけに配置されて、結果、場面に出てくる誰のことも愛せない。文学というより、「謎解きの快感」だけに特化した、マニア向けの快楽装置といった風情です。  もちろん、そのどちらが価値があるとかないとか、そういう評価軸の話ではありません。商品の性質として、私たちのような一般人向けに開いていないということです。  そういう『貴族探偵』を1話からずっと絶賛しているのは、私が原作を読んで「足りない」と感じていたものが、ドラマではありありと画面に現れているからです。精巧な骨格標本が、血肉をまとってイキイキと疾走し始めた。その興奮にヤラれてしまっているんです。楽しくてしょうがないし、これを作ってるヤツはすげえな! と思ってしまう。魔法使いかよ、と。ドラマの面白さというより、テレビの中ですごいことが行われている感じに圧倒されているんです。もうけっこう慣れてきたけど、2話目まではホントに興奮しっぱなしでした。  第3話のレビューですが、例によって、今回も未見の方はFODでもTVerでもいいから見てほしいので、あらすじは記しません。女子高生の橋本環奈ちゃんと結婚したくなる話です。ずっと環奈ちゃんを幸せにしたいと思える話です。原作では、環奈ちゃんが演じた垂水遥という人物と結婚したくはならなかったもんなー。これがドラマの力よなー。  と、そんな風に、事件関係者や警察に血肉が与えられた一方で、相変わらず標本のままなのが相葉ちゃん演じる貴族探偵なんですね。人格がないし、情熱もないし、意欲もない。相葉ちゃんが“棒”だからキャスティングされたのか、相葉ちゃんが“棒”であろうと努力しているのかは判然としませんが、ここに原作とドラマの美しいシンクロを見るんです。  探偵って、変に目的意識とか倫理観とか、人間味みたいなものが備わってないほうがいいんじゃない? そういうことを、この作品は言おうとしているのではないかと。  今回、象徴的な場面がありました。貴族探偵の使用人によって事件が解決に導かれた後、食い下がる刑事を、貴族探偵がこう突き放します。 「君の疑問などどうでもいい、使用人は真実を述べたまでだ」  つまり、誰のどんな“思い”も、真実の探求とは関係がない。真実に辿りつくために存在しているのが探偵であり、真実に辿りつくためには、人間らしくある必要はない。  逆にいえば、そこまで何もかもを捨て去らないと、解けない謎があると。相葉ちゃんが貴族を貴族らしく「演じない」ことで、貴族探偵という存在が見事に漂白されている。その彼がいつも真実を突き止めることで、作品が主張する「探偵とは何か」が明確になっている、という構図です。  そして、ここがキモなんですが、その「探偵が存在を漂白しなければ解けない謎」を構築しているのも、また『貴族探偵』という作品なんですよねえ。  麻耶さんの側から見れば、「オレの作った謎は、今まで世間に登場したどんな情熱的な探偵にも解けない」「オレの謎は、探偵が自らの存在を漂白し、真実だけに向き合わなければ解けない超難解な謎なのだ」という宣言なわけです。  そこまで言っちゃえば、謎そのものをマジのガチで作り込むしかないですよね。ちゃんとした人がガチのマジで作り込んでるものって、だいたい面白いに決まってるんですよ。はい、次回も普通に楽しみです。  ちなみに視聴率は、2話目より少し戻して9.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、また1ケタ。いろいろ言われるでしょうけれど、まあ「視聴率三冠王」を盛んに喧伝して「視聴率の高いテレビが価値があるテレビ、あとは価値がない」というイメージを振りまいたのは、ほかでもない過去のフジテレビですからね。いたしかたなし。 (文=どらまっ子AKIちゃん)