日曜ドラマ『フランケンシュタインの恋』(日本テレビ系)は第7話。視聴率は6.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と相変わらず低調ですが、ようやく物語が動き出して見やすいドラマになってきました。 今回は、怪物・深志研(綾野剛)が大衆の面前でその正体を暴かれ、暴走してしまうお話。洋邦問わず、あらゆる“怪物モノ”ストーリーの定番展開なので、プロット以前の設定の強度だけで成立できちゃう回だったように思います。 そして考えるのは、ここまで長かったなーということです。『フランケンシュタインの恋』にとって、このエピソードは最初の転換点になっています。ここまで6話かけて、山を降りた怪物がどのように最初のコミュニティとファーストコンタクトを取ったかが説明されたに過ぎません。まず1人が受け入れ、その周囲の正体を知る人間が受け入れ、正体は知らないけど仲間だから共存する人々が現れる。その次の段階として、最初のコミュニティと世間一般との対立が発生するわけですが、そこまでで7話を費やしてしまっている。 今となっては、ですけど、この「大衆バレ→暴走」展開を3~4話目で持ってこられれば、もう少し興味を持って追いかける視聴者を維持できたんじゃないかと思います。 別に、そういう型通りのドラマが見たい、というわけでもないのですが、何しろこの作品の第1話は「ザ・型通り」ともいうべき型通りっぷりで始まりました(記事参照)。だからこそ、怪物と美少女・継実(二階堂ふみ)のかわいらしさが際立って、好作を期待させるスタートだったのです。 で、6話を費やした状況説明が成功していたかといえば、そうでもないように思います。 まずSFとして、怪物の肉体構造や殺傷能力についての説明が曖昧すぎるんです。曖昧なら曖昧でボヤかしておけばいいんですが、曖昧なままけっこう強引に押し付けてくる。怪物が両手から発する純白毒々胞子も暗黒毒々胞子も、触ってしまえば確実に人を殺す。でもそれは、怪物の顔面から生えたキノコから抽出した謎リキッドを経口で投与すれば、確実に治る。怪物は胞子の放出を自制することはできないが、一方で意図的に胞子パワーを炸裂させて悪漢を倒したり(第1話)、樹木にキノコの花を咲かせたりできる(第4話)。このへんはドラマが勝手に決めたルールなので、視聴者は従うしかないんですが、法則が明確じゃないのでヤバさが伝わってこないんです。ヤバさが伝わってこないと、怪物の悲しみも論理的に伝わってこない。 加えて、怪物が拠りどころとしているラジオの悩み相談で繰り返される天草(新井浩史)のお説教も、ちょっとピントがズレているように感じます。こちらは心を射抜かれたいと思って聞いているのに、心の柔らかい部分のちょっと横の肉の部分を叩かれているようで、居心地が悪い。なぜかといえば、天草の言葉が、私たちが初めて出会ったキャラクターの行動に裏打ちされたものではないからです。ドラマがあらかじめ用意していた「言いたいこと」が、キャラクターを通さずに訴えられてくる。私たちはドラマの登場人物の言葉を聞きたいのであって、スタッフや脚本家の言いたいことを直接聞きたいわけではないのです。 そしてこれがもっとも重大な弱点だと思うんですが、そもそもの怪物と美少女の「恋」も曖昧です。2人が、どういう気持ちなのか伝わってこない。「恋」って元来、楽しいものなはずなのに、2人とも全然楽しそうじゃない。楽しそうじゃないから、その裏にある切なさも伝わりにくくなってる。 と、なんやかんや言ってますが、全然ダメなドラマじゃないのが、『フランケンシュタインの恋』のややこしいところなんです。主演の綾野剛をはじめとして、お芝居の説得力は非常に充実していますし、キャラクターの造形も平板でなく、それぞれに個性とリアリティが同居しています。画面の雰囲気も悪くない。 今回、「自分の体内に菌を保有している」と知った怪物が、殺菌スプレーを飲もうとするシーンがありました。上で述べた通りSFとしての説明が曖昧なので、それを飲むと怪物はどうなるのか、視聴者は予測できません。毒を飲んで自殺したようにバターンと倒れるのか、布団からキノコが消えたように消滅するのか、あるいは毒手に触れた人間のようにカピカピになって意識を失うのか、たぶん誰もわからないと思う。でも、シーンの強さだけで怪物の悲しみが伝わってきてしまう。ドラマの芝居と画面が強いとは、そういうことです。 ここまで長所と短所が両立しているドラマも珍しいなーと思ったら、去年冬の『IQ246』(TBS系)第9話で似たようなこと書いてました(記事参照)。別に珍しくないみたい。 (文=どらまっ子AKIちゃん)日本テレビ系『フランケンシュタインの恋』番組サイトより
「012ドラマ」カテゴリーアーカイブ
全面戦争勃発!? 『緊急取調室』絶好調の天海祐希が、『ドクターX』米倉涼子に宣戦布告か
天海祐希の主演ドラマ『緊急取調室』(テレビ朝日系)の勢いが止まらない。天海演じる取調官が、数々の凶悪犯と心理戦を繰り広げる同ドラマは、初回視聴率17.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録。その後も12~14%台を維持し、今期連ドラのトップをひた走っている。 この快進撃に気をよくしているのが、テレビ朝日だ。テレビ関係者が明かす。 「テレ朝としては、『緊急取調室』をレギュラー化させて、米倉涼子主演の大ヒットドラマ『ドクターX~外科医・大門未知子~』との2枚看板にしたい考えのようです。毎年10月期に『ドクターX』、4月期に『緊急取調室』を放送すれば1年を通して安定した数字が期待できますからね。今から天海のスケジュールを押さえるために躍起となっていますよ」 しかし、そうは問屋が卸さないようで、テレ朝幹部が頭を抱える問題も発生しているようだ。 「両ドラマとも木曜21時放送とあって、米倉と天海のライバル意識が高すぎて……。天海は『離婚弁護士』『BOSS』(フジテレビ系)、『女王の教室』(日本テレビ系)など“強い女”で高い人気を誇ってきた。年齢は天海が8歳上ですが、背が高くて男気のあるキャラがかぶっていることから、これまで何かと比較されている。米倉は天海を『親方』と呼んで慕っていますが、2人とも負けず嫌いの性格ですから、心の中ではバチバチですよ。お互いに関係者を通じて、楽屋の広さやスタッフの人数、ロケ弁の豪華さ、何を差し入れしたかなど全部チェックしているといいます。米倉のギャラは1本500万円で、女優では最高額。一方の天海は1本200万円でしたが、米倉と同等になるように要求してきたとか。結果、テレ朝はなんとか50万円アップで手を打ってもらったようです」(ドラマ関係者) “視聴率クイーン”の称号を賭けた女の戦い、果たして勝つのはどっち?テレビ朝日系『緊急取調室』番組サイトより
全面戦争勃発!? 『緊急取調室』絶好調の天海祐希が、『ドクターX』米倉涼子に宣戦布告か
天海祐希の主演ドラマ『緊急取調室』(テレビ朝日系)の勢いが止まらない。天海演じる取調官が、数々の凶悪犯と心理戦を繰り広げる同ドラマは、初回視聴率17.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録。その後も12~14%台を維持し、今期連ドラのトップをひた走っている。 この快進撃に気をよくしているのが、テレビ朝日だ。テレビ関係者が明かす。 「テレ朝としては、『緊急取調室』をレギュラー化させて、米倉涼子主演の大ヒットドラマ『ドクターX~外科医・大門未知子~』との2枚看板にしたい考えのようです。毎年10月期に『ドクターX』、4月期に『緊急取調室』を放送すれば1年を通して安定した数字が期待できますからね。今から天海のスケジュールを押さえるために躍起となっていますよ」 しかし、そうは問屋が卸さないようで、テレ朝幹部が頭を抱える問題も発生しているようだ。 「両ドラマとも木曜21時放送とあって、米倉と天海のライバル意識が高すぎて……。天海は『離婚弁護士』『BOSS』(フジテレビ系)、『女王の教室』(日本テレビ系)など“強い女”で高い人気を誇ってきた。年齢は天海が8歳上ですが、背が高くて男気のあるキャラがかぶっていることから、これまで何かと比較されている。米倉は天海を『親方』と呼んで慕っていますが、2人とも負けず嫌いの性格ですから、心の中ではバチバチですよ。お互いに関係者を通じて、楽屋の広さやスタッフの人数、ロケ弁の豪華さ、何を差し入れしたかなど全部チェックしているといいます。米倉のギャラは1本500万円で、女優では最高額。一方の天海は1本200万円でしたが、米倉と同等になるように要求してきたとか。結果、テレ朝はなんとか50万円アップで手を打ってもらったようです」(ドラマ関係者) “視聴率クイーン”の称号を賭けた女の戦い、果たして勝つのはどっち?テレビ朝日系『緊急取調室』番組サイトより
香坂真一郎(長谷川博己)の学習能力のなさが際立つ回に! ドラマ『小さな巨人』第7話レビュー
新キャストが加わり、前回から『豊洲署編』がスタートした長谷川博己・主演ドラマ『小さな巨人』(TBS系)。その第7話が先月28日に放送されたのですが、平均視聴率12.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、前回から1.4ポイント下落してしまいました。 さて、まずは前回のおさらい。警視庁芝警察署から豊洲警察署刑事課へ異動になった香坂真一郎(長谷川博己)に待ち受けていたのは、学校法人早明学園の事務局で経理課長を務める横沢裕一(井上芳雄)の失踪事件でした。 学園を訪れた香坂は、理事長の金崎玲子(和田アキ子)と、元・警視庁捜査一課長で現在は学園の専務を務める富永拓三(梅沢富美男)から、横沢が学園の金を横領して逃げたのだという情報を得ます。その一方、香坂の部下・山田春彦(岡田将生)は、学園の職員になりすまして内偵をしている、警視庁警務部人事課の職員・江口和夫(ユースケ・サンタマリア)から、学園と政治家が癒着関係にあり、横沢はその不正を暴こうとしていたのだということを知らされます。 新人時代に面識があることから、山田は香坂には内緒で江口の内偵を手伝うことになります。しかし、その不審な動きに気づいた香坂は、江口から不正の証拠となる裏帳簿を受け取るため学園の屋上へと向かった山田を尾行します。すると、江口の死体の傍らで佇む山田の姿を発見。逃走する山田を追い詰めた香坂は、「香坂さんに早く報告すれば良かった」という言葉を投げつけられるのですが、その真意を聞きだす前に、山田が捜査一課の刑事たちに確保されてしまい、そこで前回の放送は終了となりました。 ここから第7話がスタート。取り調べを受けた山田は、江口の死体を発見した直後に背後から誰かに殴られて気を失ったと主張。さらに、現場から横沢の髪の毛が採取されたため、捜査一課長の小野田義信(香川照之)は横沢の指名手配を命じます。 しかし、横沢が学園の不正を暴こうとしていたことを知っている香坂は、横沢犯人説を疑問視します。逮捕される前に放った山田の謎めいた言葉も引っかかるのですが、山田が釈放されないため捜査は行き詰まってしまいます。それを打開するため、香坂は内閣官房副長官を務める山田の父・勲(高橋英樹)のコネを使い、山田を釈放するという大胆な作戦に出ます。 無事に釈放された山田は、江口から見せられた学園の裏帳簿に父親の名前があったことを香坂に告白。横沢はその不正を暴こうとして、何者かに消されたのではないかという説が濃厚になります。 手掛かりを探すため、香坂は山田を引き連れ学園の職員用の更衣室へ。床に落ちていたペンに富永の指紋が付着していたことから、富永が江口を殺害し、横沢のロッカーから採取した髪の毛を現場に置いたのではないか、という仮説を立てます。 身辺を探られていると勘づいた富永から小野田にクレームが入り、香坂は本庁に呼び出されます。そこで富永から、ペンは3日前に落としたこと、事件当日18時には帰宅してアリバイがあることを主張されます。さらに、小野田からは、元・捜査一課長の富永を任意同行させるには、「100%の証拠でも足りない。200%の覚悟というものが必要だ」と言い渡されます。 富永のアリバイを崩すため、香坂は学園内で徹底した聞き込みを開始。そして、事件当日の19時近くに学生がスマホで撮った写真の中に富永が映り込んでいること、その胸ポケットにペンが収まっていることを発見します。つまり、事件前にペンを落としたということもアリバイ供述も全てが嘘だったことが発覚したのです。 それだけでは富永が犯人である証拠としては不十分。しかし香坂は、「200%の覚悟はあります。あとは一課長ご自身の覚悟です」という言葉で小野田の心を動かします。小野田自らが陣頭に立ち、富永を任意同行。取り調べをすることで事件は一件落着……かと思われたのですが、証拠不十分として小野田は富永をあっさり釈放。「これでもう同じ理由で任意同行はできない」と香坂が悔しがったところで第7話は終了しました。 今回の放送を見終えて、まず頭に浮かんだのは、「香坂君、ばかなの?」ということです。これまでの放送で香坂は散々、小野田に手柄を横取りされたり裏切られたりしてきました。さらに、小野田は富永が捜査一課長を務めていた時にお世話になったため、頭が上がらないことも知っていたはず。それなのになぜ、小野田を信じ切って富永の捜査を任せてしまうのでしょうか。学習能力がないのでしょうか? また、放送終了間際に小野田に裏切られるという流れは、『芝署編』とまるで一緒。ただキャストと捜査の内容が変わっただけで、新鮮味は薄れるばかりとなってしまっています。そんなところに、視聴率下落の要因があるのではないでしょうか。次回からはこれまでとは違った展開を期待したいところです。 (文=大羽鴨乃)TBS系『小さな巨人』番組サイトより
『孤独のグルメ Season6』第8話 中華系の羊……? 想像のつかない味で視聴者の胃袋が大混乱
さあ、今週もやってきました深夜の飯テロの時間。今週のゴローちゃんこと井之頭五郎(松重豊)は、どれだけ食べてくれるのか。どうせ番組を見たら夜食を食べちゃうのはわかっているので、今回からは夕飯を食べずにオンエア待機をしてみることに。みなさんも、番組視聴のために夕飯を抜いてみてはいかがでしょうか? さて、今回ゴローちゃんがやってきたのは御徒町。「この通りか……」とメモを見ているあたり、新規顧客のようです。「電話の話の通りなら、けっこうな大仕事になりそうだが」と、今回のゴローちゃんはやる気です。 いや、いつもやる気はあるのでしょうが、あんまり儲けようとギラギラしていないんですよね。でも、その誠実さこそが、仕事がうまく回っている理由かもしれません。 その新規顧客は、宝石加工の会社。社長を演じるゲストは岡田浩暉です。今回、デパートの催事に出店するということになり「どこからどう手をつけていいのやら」ということなのです。ゴローちゃん、雑貨商かと思いきや、内装込みのトータルな仕事の多いこと。要は、手広くやってるんですよねえ。社員を使えばもっと儲かりそうなものでしょうが、人を使うことのストレスを考えると、今の状態がよいのでしょう。 「原石を加工するところを見せたい」などなど、希望や情熱を語り続ける岡田社長。キャラクターが、社長というにはちょっと怪しげな雰囲気なのが、味があってよいです。でも、そんなキャラだから、情熱的な言葉もホントかな? と、ちょっと疑わしい。おそらく、それもワザとなんでしょうけどね。 ともあれ、情熱を語られ大仕事だと気合を入れたゴローちゃん。気合が入れば腹も減ります。 「飲食店は……宝石街にメシ屋はないか」 いろいろとメシ屋はあるはずですが、ゴローちゃんのお眼鏡にかなう店がないということなんでしょう。ラーメン、インド料理に、居酒屋ランチとピンとこないままにさまよっていたところに、飛び込んできたのは「羊」の文字。 「中華系の羊料理ということか……」 「いいような気がする。いやきっといい……ぜんぜんわかんないけど……この胸騒ぎを俺は抑えられない」 期待値優先で、果敢に店に飛び込むのが松重ゴローちゃんの持ち味です。 入ったお店は、おやキレイ。「台湾の洒落た食堂っていった感じ」と、感想を一言。 「ここ、俺的に前例のない店だ、ここは注文の組み立てが難しい」 ランチタイムでも、ただセットを注文してお茶を濁したりはしないのがゴローちゃんなのだと、その精神をあらためて知る瞬間です。 「前菜から順にいくか、先回りでメインを決めるか……」 ええと、まだランチタイムですよね。今日の仕事はもう終わりという気分で食べるのでしょうか。いや、それができるのも、個人経営者の特権です。 まず、目についたのは点心。それすらも、餃子か小籠包か、おやきか……。とにかくこちらのお店、ラム推しなのですが、それが余計にゴローちゃんの迷いを呼ぶのです。 いろいろとメニューを読むゴローちゃんですが、中華料理ならではの、文字だけでは想像できないもの多数。「アウトオブ想像力……」という言葉が出るのも当然です。 かくして、ようやく決まったファーストオーダーは、ラム肉と長ネギ炒め、ラム肉焼売、白身魚とラム肉のスープ、白いご飯。加えて、オススメの3番。そこに薬味の醤も3種類まとめて注文です。 「吉と出るか、凶と出るか……」 いやいや、いつも大満足で食べているんだから、今回も大丈夫でしょ。 果たして、この店、配膳は結構早い。瞬く間に注文したメニューがテーブルに並びます。 ここで気づくのは、けっこう白いご飯の量が多いこと。この時点で早くも頼みすぎているような気も。 「おお、すごい。テーブルに羊の群れだ」 「まずは、大将から頂こう」 箸を付けるのは、ラム肉と長ネギ炒め。 「おお、よしよし、中華の炒めもの界に、まだこんな逸材が隠れていたのか……」 これは、ご飯も進む味。見るとご飯は、麦ご飯ではありませんか。 「やっぱりドンピシャ、麦飯ってのも案外いいぞ……」 ああ、とんでもないスピードで、ご飯が……。 「ほうら、これは間違いないヤツだ」 「ここで醤投下……」 長ネギ炒めに投入されるのは、山椒しょうゆ。 「初めてだが、使える……」 今回のゴローちゃん。スゴく駆け足で満足に至っている感じです。 続いて手を付けるラム肉焼売は、黒酢で。 「こいつはたまげた。いわゆるシュウマイとは別物。こいつは確かに羊、だがうまい……」 「ラムで点心。そんなワザがあったのか、まるで底なし沼だ」 ううむ、見ているほうは、まったく味が想像できません。ただただ、うまいことだけはわかります。もう視聴者の脳内は「いつ、この店に行こうか」だけなのではないでしょうか。 ここで「何にかけてもおいしい」といわれた山椒しょうゆを、白ご飯にかけるゴローちゃん。一気にご飯は進みます。 「俺は今、猛烈に感動している。衝撃の山椒しょうゆご飯……」 いや、いったいどんなうまさなんだ!? 続いて手をつけるキノコの醤もおいしそうだけど、味の想像がつきません。そんな感じに視聴者を置いてけぼりで、ゴローちゃんの箸は進みます。 そして、漬け物で口をリセットしつつ、箸は動き続けます。スープを口にすれば「こういうタイプ初めてかも」と、またまた感動。 「透き通るようにうまい、魚と羊が奏でる弦楽二重奏……」 いや、だからどんなうまさなんだろう。 「中華料理の中で、羊たちが、こんなにも生き生きと輝いている……ラム醤の食卓最高」 満足に次ぐ満足のゴローちゃんですが、こうなれば胃袋は全開。 「御徒町ラム肉フェスティバル。これでお開きは寂しいな……」 さあ来た。ゴローちゃんの本気モード。スペアリブのハーフサイズと麦ご飯のハーフサイズを追加注文し、祭りはさらに続きます。 かくてやってきたスペアリブは、クミンまみれという視聴者の胃袋を直撃する見た目。もうダメです。飯テロでどうしようもなくなった胃袋を、ラーメンか何かで満たそうと思っていたんです。でも、猛烈に食べたいのはラム肉。思わず、深夜にラム肉を食べられるところはないのかと検索してしまうではありませんか。 「落ち着け落ち着け、散々食ってるのに何を焦ってるんだ」 「油がガツンときた。この強烈なパンチこそスペアリブだ。うまいな~」 この「うまいな~」の一言が、ガチモード。ホントにおいしかったのでしょう。 そこに唐辛子の醤をつけて「これだ!」と開眼するゴローちゃん。まったく落ち着きを失い、ただただ食らうのです。 「おほ~きた、クミンの刺激かける唐辛子の刺激……」 「豚のスペアリブとは異次元のうまさ」 そして楽しんだラストは、残った長ネギ炒めをご飯に載せた特製ラム丼です。そこに、残った山椒しょうゆもまぜれば、完全に至福の味。 「この丼いいぞ~、どんどんかっこみたくなるうまさだ……」 「御徒町でこんな店を発見できたのは、偶然というより奇跡だ……」 通常の感動を10とすれば、今回のゴローちゃんの感動は30くらいというところでしょうか。 ゴローちゃんは満足ですが、困ったのは視聴者。何しろうまいのは明らかなのに、想像できない味に困惑したハズ。登場店は、放送後は混雑するのが常。行列はしたくないとは思いつつも、今回ばかりは行ってみなくてはと心に決めた神回でした。 (文=昼間たかし)テレビ東京系『孤独のグルメ Season6』番組サイトより
沢尻エリカ『母になる』が早くも“ネタ切れ”!? 強引すぎる毒親展開に視聴者興ざめか
主演の沢尻エリカが連ドラ初の母親役に挑戦中の『母になる』(日本テレビ系)。先月31日放送の第8話の平均視聴率は、前回から1.3ポイント増の9.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)でした。 前回、不意打ちで大塚寧々の投入がありましたが、一体、どんな母親を演じるのでしょうか? 2年前に自身が起こした事件を広(関西ジャニーズJr.・道枝駿佑)に知られたくない麻子(小池栄子)ですが、記事にしようと目論むジャーナリスト・沢登が周囲をウロウロ。危機感を募らせる麻子は、結衣に「もし記事が出ても、広にでたらめだと嘘をついて」と頼みます。 ちなみに、この悪徳ジャーナリストを演じているのは、俳優の森田甘路。そうです。西内まりや主演の月9『突然ですが、明日結婚します』(フジテレビ系)で、中村アンがキスしていたあの人です!……って、誰も見てないか。それより、同作の沢登もそうですが、ドラマに出てくる記者って、大概、すごく性格悪そうな表情をしてますよね。片方の口角を上げて、「クックック」って感じの。筆者の周りにはこういうタイプの記者はいませんが、大砲系の週刊誌とかにはいるんですかね? 怖いですね。 さて、陽一(藤木直人)が働く「柏崎オート」に故障車を持ち込んだ愛美(大塚)ですが、実は沢登とグル。柏崎家に取材目的で近づいていたのです。 そのことに気付いた麻子は、愛美を尾行。すると、再婚相手の連れ子・りゅうくんを小学校にも行かせず、ゴミだらけのアパートに放置している愛美の姿を目撃します。 その頃、児童福祉司の木野(Hey! Say! JUMP・中島裕翔)は、「柏崎オート」の愛美の車に、汚れた子ども服が詰め込まれている光景を目の当たりにし、大ショック。同時に麻子からも通報があったため、アパートに駆けつけ、りゅうくんを保護します。 その夜、「柏崎オート」にやって来た愛美を、結衣や麻子の前で責めたてる木野。これに、毒親・愛美は「私も最初は、一生懸命母親やろうとしたのよ!」と反論。決め台詞のように「本当の母親には叶わない」と言い放ちます。ちなみに、柏崎家への取材は、もうどうでもよくなってしまったようです。 後日、冒頭の麻子の頼みをガン無視し、広に2年前の事件を話す結衣。広は麻子が服役していたことを初めて知りますが、「で? それだけ?」とまったく気にする様子を見せません。 次の日、結衣は麻子を呼び出し、「事件のことを話した」と事後報告。そこに、広の中学校から「学校に来ていない」との連絡が。事件のことを話したからだと責める麻子ですが、広は謎の少女とデートしていた……という甘酸っぱい展開で、第8話は終了です。 今回で見納めとなりそうな愛美ですが、どうやら育児放棄の現場を視聴者に見せつけることと、結衣と麻子の前で「本当の母親には叶わない」と言わせるために存在するキャラだったようです。 汚れた子ども服を大量に積んだまま整備に出すという凡ミスのせいで、仕事もギャラもパーに。死んだ息子の同級生の木野に説教まで食らってしまった愛美ですが、脚本家のご都合主義のための道具というか、わざとらしすぎる行動の数々に、正直、興ざめしてしまいました。 また、見せ場であるはずの結衣と麻子の会話シーンも魅力が感じられず、急にトーンダウンした印象。センセーショナルな展開で始まった同作ですが、なんだかネタ切れ感が漂ってきました。後半戦が心配です……。 (文=どらまっ子TAMOちゃん)
怖いもの見たさで視聴率上昇! TBS系『あなたのことはそれほど』の“不穏な動き”
TBS系連続ドラマ『あなたのことはそれほど』。30日に放送された第7話の視聴率は、12.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と2週連続での自己最高更新となりました。「不倫」というテーマがいまだに世間の耳目を集めているということでしょうか。 波瑠演じる主人公・美都のクズっぷりが話題の同ドラマですが、最近は「クズすぎて逆に清々しい」との声もみられます。そんなクズ街道を爆走する7話をレビューしていきましょう。 前回、夫・渡辺涼太(東出昌大)との愛の巣を飛び出し宿無しになった美都。さらに居候させてもらっていた親友の香子(大政絢)の家からも断りもなく飛び出し、向かうはやはり“初恋の人”有島光軌(鈴木伸之)の元でした。 お互いの伴侶にほぼバレていると感じた2人は、関係を清算するために話し合いを設けることに。「友だちに戻ろう」と光軌は提案しますが、美都はこれを拒否。なぜか話し合いの場はラブホテルで、そのままバチコンと一試合。 職場を休み、母親の悦子(麻生祐未)が切り盛りするスナックを手伝うことになりますが、次のカットでは、早速涼太に連れ戻されてしまいます。 家に戻った美都は、ついに涼太に離婚届を渡します。しかし、涼太は名字の欄にわざとひらがなで「わたなべ」と書いて、離婚届を破棄。ぎこちない渡辺夫妻は、引き続きぎこちないままが続く模様。普通なら、散々不倫を繰り返した美都が突きつけられるものなんですけど、そうしない点に涼太の狂気じみたものを感じます。 対する光軌と麗華(仲里依紗)の有島夫妻はどうでしょうか。勘がよすぎる麗華が、真綿で首を絞めるように光軌を追い詰めていくさまが描かれました。前回の終わりで、里帰りから数日早く東京に帰って来た光軌。遅れて麗華も帰ってきますが、乱れのないベッドを見て、光軌が朝帰りだということを見抜き、光軌が不倫していることを知った上で、自分の半生や子どもに対する思い、光軌への感謝をつらつらと語り不倫を白状させようとします。 「私が知っているのは、渡辺という女が訪ねてきたこと、日をおいて私の前に2度現れた男が渡辺だったということ、あなたが私に聞かれて困ることがあるときは、ちょっとフリーズする。それだけよ」と、麗華は真顔で言います。まるで王手をかけるようなせりふ。光軌は、心ここにあらずといった感じで、フリーズしっぱなし。全部見抜かれていること、そして、全部知った上で“何も知らない妻”を麗華が演じていることが読み取れて、光軌は足がすくむ思いだったはず。 というのが今回の話。ここまでを振り返っても、すでに泥沼でしたがさらなるドロドロが待っている予感がします。それは、今回やたらと登場したサブキャラクターたちが、不穏な動きを見せ始めていたからです。 有島夫妻の住むマンションの隣人、横山皆美(中川翔子)は、ドラマ前半で美都と光軌が2人で会っているところを何度も目撃しているし、涼太の同僚、小田原真悟(山崎育三郎)もわざわざ美都の職場までやってきて、食事に誘っています。 小田原は、美都に「渡辺(涼太)と別れた方がいい」と言い、連絡先を渡したり、前回では美都も涼太も知らないところで、悦子に会っていて、なんだかすごく嫌な予感がする。 横山は、麗華と会話するシーンが今回何度も登場。隣人として挨拶を交わしたときから、夫の愚痴や子育ての苦労などをキャピキャピと話す横山ですが、手作りだと麗華に差し入れたクッキーが実は買ってきたものだと判明するなど、こちらもとても怪しい。横山からは、“理想的な夫婦”に見える有島夫妻に対するゆがんだ執着心を感じます。 過去のレビューで、同ドラマはゲス不倫劇ではなく、普通じゃない人と結婚してしまった人の不幸なお話なのかもと言いましたが、普通じゃないのは、実は光軌と美都以外の全員なのかも。 「昼顔より怖い」の看板に偽りなしで、すっかり火曜の夜が怖いものになってしまいましたが、「怖いもの見たさ」を着実に取り込みつつ、ここにきて視聴率上昇をキープ。このまま最終回まで自己最高を更新し続けるのか、こちらも注目です。 (文=どらまっ子HAYAちゃん)TBS系『あなたのことはそれほど』番組サイトより
「棒だけど棒じゃない!?」『貴族探偵』嵐・相葉雅紀が見せた意図的な“芝居の変化”に瞠目する
いやー、今週も面白かったです『貴族探偵』(フジテレビ系)。毎週こんだけ面白いドラマを見せていただけるというのは、本当にありがたいことです。 気分としては、もはや「フムフム、なかなか優れたドラマであるね」なんて評論したい気持ちは全然なく、むしろ「佐藤琢磨が『インディ500』で勝つとこ見られるなんて!」とか「最近、イボ痔が軽い!」とか、そういった生活の中にある小さな喜びが、月曜21時になれば与えられるという、そういう事実に感謝を伝えたいと考え始めているのです。(過去のレビューはこちら) ところで、前回までの『貴族探偵』は、とことん“変化球”的な探偵ドラマとして放送されてきました。推理そのものは「本格」の名に恥じない作り込まれたものでしたが、「探偵なのに推理をしない」という主人公の設定が、作品の不思議な魅力を引き出すことに大いに役立っていたように思うんです。 「貴族で探偵ってなんだよ」とか、「そもそも貴族ってなんだよ」とか、そういう疑問をすべてブン投げたところから物語がスタートしているので、どれだけコメディ要素を詰め込んでも「推理が主役」という作品の軸がブレないし、貴族を演じる相葉ちゃんの芝居や描写にリアリティが欠如していたとしても「そりゃ架空の貴族だし」ということで、割り切って楽しむことができました。 こうした演出のスタンス、つまりは「貴族は貴族だから、もうほっといて」という宣言が、原作の持つ「探偵は存在を漂白してこそ事件の真相に迫れるのだ」というニュアンスと実にマッチして、化学反応を起こしていたのが、このドラマが成功している所以だったと思うんです。ドラマが「貴族って、なんなんだよ」という疑問を追及しないからこそ、貴族探偵と女探偵のシンプルな推理合戦に没頭することができたんです。 ところが、前回の第6話から、いよいよドラマは「貴族って、なんなんだよ」という疑問に正面から取り組むことにしました。女探偵に「貴族探偵の正体」を追わせることにしたのです。 というわけで、第7話。 今回は、1年前の事件という設定です。今回、貴族探偵の相手となるのは、これまで推理合戦でコテンパンにしてきた女探偵・高徳愛香(武井咲)の師匠である喜多見切子(井川遥)。切子はこの事件の直後に死亡しており、どうやらその死に貴族探偵が関わっているらしい。愛香がその謎を追いながら、貴族の正体に迫るというストーリーです。 構図そのものは、前回までの「貴族探偵と女探偵の推理合戦」というフォーマットを引き継いでいます。事件現場に貴族探偵と女探偵・切子。一見して、愛香が切子と入れ替わっているだけにしか見えません。 しかし、まず気づかされるのは、相葉ちゃんの演技プランの変化です。ほんの少し、テンションが高いんです。楽しそうなんです。これまで「棒だ棒だ」と各方面から棒認定されてきた本作での相葉ちゃんの芝居が、『貴族探偵』というドラマの作風を表現するために、存在感を希薄にしようとする意図的な抑制だったことがわかります。 つまり、この相葉ちゃんの芝居の変化によって、1年前まで貴族はもっと純粋に趣味として無邪気に殺人事件の推理を楽しんでいたことが表現されます。もうひとつ、この事件とその後の切子の死を経て、何かの悲しみを背負ったことも。 演出家の指示通りに演じただけと言えば、そりゃそうなんでしょうけれど、芝居を変化させて物語を伝えることに成功しているわけですから、俳優としてこれ以上ない働きといえると思います。 そして、その無邪気な貴族が「名探偵」と呼ぶ女探偵師匠・切子との推理合戦も、これまでとは一味違います。脚本的にいえば、これまでは無能な弟子・愛香に見当外れの推理を披露させて、それを覆せばよかっただけですが(それでもすごい労力が払われていた)、今回は切子が「明らかに愛香よりも優れた推理」を披露し、それを貴族が覆さなければなりません。 ドラマが女探偵・切子に求めるのは「完璧でない推理」であり、さらに、その誤謬の「よく推理できてる度」「真相には足りないけど、見てて納得できる度」を高めにコントロールしなければならない。今までも「原作にいなかった女探偵の推理を差し込む」という難工事を成功させてきた『貴族探偵』ですが、今回、切子に課せられたストライクゾーンは極めて狭かったはずです。そして、その試みは成功していたと思います。 極めて狭いストライクゾーンを自らに課し、頑張ってそれを達成する。ずっと、このドラマはそういう作業を繰り返しています。なぜそんな難しいことをするのかといえば、そのほうが面白いからに他ならない。もう何度も書いていますが『貴族探偵』の制作陣にもっとも感動するのは、そういう志の高さなんです。こちらの想像を超えたハードルをわざわざ設定して、それを超えてくるんです。 例えば第1話から愛香が愛用している「Siri」のようなスマホアプリ「Giri」の存在。最初はただ、愛香の「能力的には劣るが、最先端のギアは使いこなせる」というキャラ付けのためだけに登場したと思っていました。そして、この声を仲間由紀恵が担当しているんですが、このキャスティングについても「いかにもフジテレビ」的な、「こんなチョイ役にも仲間由紀恵を引っ張ってこれちゃう俺たちスゴイでしょ」的な、単なる賑やかしだと思っていたんです。 ところが今回、貴族探偵の秘書・鈴木として仲間由紀恵が実際に画面に登場しました。そして、この鈴木が貴族の命令によって「Giri」のアップデートに介入し、アプリをハッキングしたことが明かされました。「Giri」は、貴族探偵の正体を探ろうとする愛香に「その質問にはお答えできません」と返答します。愛香にとって唯一、絶対的に信頼できる情報源だった「Giri」に揺らぎが生じます。 この「Giri」の仕込み、ホントにびっくりしたんです。そんな仕掛けがあったなんて、まったく気づいていなかった。繊細に繊細に作り込んでいる印象だった『貴族探偵』が、実は初っ端から豪快な伏線を忍ばせていた。「すげえな……」って、思わず声が出ましたもん。 最終回に向けて、こうして密かに仕込まれた伏線を少しずつ明かしながら、『貴族探偵』は盛り上がっていくことになるのでしょう。原作既読だからって、まったくこの先の展開は読めません。原作に書かれていないことが行われようとしているわけですから。 ともあれ、また来週の月曜21時を楽しみに待ちたいと思います。それまで、イボ痔が再発しませんように。 (文=どらまっ子AKIちゃん)フジテレビ系『貴族探偵』番組サイトより
グループ卒業目前! 『豆腐プロレス』AKB48島田晴香が描く、“アイドルの終わらせ方”
テレビ朝日系で放送中の『豆腐プロレス』。27日深夜放送の第19話は「OVER THE TOP」の敗者復活戦「CLIFF HANGER」の第二ラウンドと、ユンボ島田(AKB48島田晴香)VSイケメン百花(NMB48木下百花)の試合がフィーチャーされた。 「CLIFF HANGER」第一ラウンドを勝ち上がったオクトパス須田(SKE48須田亜香里)、ブラックベリー向井地(AKB48向井地美音)、ハリウッドJURINA(SKE48松井珠理奈)、クイウチ松村(SKE48松村香織)は、全員制服姿で登場。目隠しをしてどこかの教室の中に立たされている。黒板には、「教室にあるものは何を使ってもOK」「フォールかギブアップで勝敗をつけることが条件」と書かれている。つまり、事実上凶器使用可のデスマッチというわけだ。 本戦の会場では、敗者復活戦の様子が生中継されている。それを楽屋で見ているユンボ島田に、矢崎英一郎(渡辺いっけい)が「ハリウッドJURINAが、ここまでして必死で這い上がろうとしているのは、なんでだと思う?」と声をかける。島田がなんともない口ぶりで「さあ……? プライドっすか?」と答えると、矢崎はこれに「お前がいるからだよ」と返した。 オクトパス須田、バード高柳(SKE48高柳明音)、今回の島田の対戦相手であるイケメン百花の強烈なキャラクターの影に隠れて、忘れられている感もあるが、ハリウッドJURINAは少し前までWIP(ワールド・アイドル・プロレスリング)の絶対的なチャンピオンだったし、対するユンボ島田は、ライバルでありWIPの絶対的なヒールレスラーだ。 そんなライバルを見守っていたユンボ島田。入場がアナウンスされると、顔を叩いて「っしゃあ!」と気合を入れ入場していく。その姿は、アイドルではなく女子プロレスラーそのもの。 試合はイケメン百花の圧倒的優勢。イケメン百花は、精密なコンピューターのようにユンボ島田の攻撃を読み切り、まったく当たらない。さらに、ボマイェを顔面に食らい、ユンボ島田は目を両手でおさえ倒れ込んでしまう。 一方の敗者復活戦では、ブラックベリー向井地が敗れ、オクトパス須田はロッカーに閉じ込められてしまい、ハリウッドJURINAとクイウチ松村の一対一に。クイウチ松村は、大きな三角定規を振り回し襲いかかる。先端が尖った武器といえば、『マジすか学園』(テレビ東京ほか)で、指原莉乃(当時AKB48)に「鼻鉛筆」を食らわせた松井玲奈(当時SKE48)を思い起こしたファンもいたのではないだろうか。結局、教室の机を盾にしたハリウッドJURINAが、クイウチ松村をダウンさせ、残るはオクトパス須田との一騎討ちのみ。 本戦では、イケメン百花が両目が大きく腫れ上がり、ほとんど目が見えていない状態のユンボ島田にとどめを刺そうとする。だが、ユンボ島田はこれを受け止め、イケメン百花を強引に投げ飛ばした。計画が狂ったイケメン百花は動揺し、3カウントをとられそうになるも、これを抜け出すが、奇声を発しながら床に自身の頭を何度も叩きつけるなど、明らかに様子がおかしい。ユンボ島田は、その頭を掴むと「負けたことがないやつにはわかんねえよなあ、一番怖いのは、負けがよぎった瞬間なんだよ!」と啖呵を切る。 ハリウッドJURINAとオクトパス須田の一騎打ちは、ハリウッドJURINAのレインメーカーがオクトパス須田に直撃しハリウッドJURINAの勝利。この情報が本選会場にも流れ、リングサイドのボイス山田(NGT48山田野絵)が伝えると、腫れ上がった島田の顔にも笑顔が浮かぶ。 そして最後の力を振り絞り、イケメン百花に体を被せるように倒れこみ、体固めで勝利をもぎ取る。「これまで何度も負けてきました。でもそのたびに這い上がり、強くなってきたのがユンボ島田です。負けたら終わりじゃない。諦めたら終わりなんだ! それを身をもって伝えたかったのしれません」の実況アナウンスは、多くの視聴者の胸に響いたはずだ。 やはり、どうしてもユンボ島田と島田晴香本人のAKB48のキャリアを重ねてしまう。島田はアナウンスのとおり、諦めずにアイドルの活動を続けてきた。AKB48に合格したものの同期にはセンターを約束された島崎遥香がいたし、いじられキャラとして“バラエティ班”的役回りだった。 選抜総選挙の結果はすべて圏外だったし、研究生のために新設されたチーム4(初代)のキャプテンの座は、同期でAKB48(当時)の大場美奈に奪われてしまった。大場がスキャンダルで謹慎になると、キャプテン代行を務めるが、大場の復帰の際に「ずっと帰ってきてほしかったのに、帰ってきてほしくないみたいな態度をとってごめん」と泣きながら謝る姿が、映画『DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る』(2012)で確認することができる。バラエティではよく見る顔だったが、パフォーマンスの面ではテレビ番組よりも劇場公演が多く、AKB48グループの根幹である劇場を支えた。そんな地道な努力と活動を続けてきた島田だからこそ、「負けたら終わりじゃない。諦めたら終わりなんだ」という言葉には重みがある。 グループの卒業と同時に芸能界の引退を発表した島田だが、明日から投票が始まる「AKB48 49thシングル選抜総選挙」に立候補済み。公開された選挙のアピールコメント動画では、ユンボ島田で登場し屈託のない笑顔を見せている。“負け続き”のアイドル人生の終わりに島田は、どんな花を咲かせるのだろう。 (文=MC内郷丸)テレビ朝日系『豆腐プロレス』番組サイトより
視聴率6.6%……低空飛行続く綾野剛『フランケンシュタインの恋』が「魅力的なのに全然面白くない」ワケとは
日曜ドラマ『フランケンシュタインの恋』(日本テレビ系)も、後半に入って第6話。視聴率は6.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、相変わらずの低空飛行です。 このドラマ、回を重ねるにつれて、何を見せられているのかわからなくなってきました。一応タイトルは『フランケンシュタインの恋』ですし、怪物・深志研(綾野剛)と薄命美少女・継実(二階堂ふみ)の悲恋を描きつつ、怪物を成長させる(人間界に馴染ませる)というのが大筋にあると思うんですが、前回あたりから継実の存在感がめっきり薄くなっていて、どこに軸足を置いて見ればいいのか判然としなくなってきました。 今回、怪物は「継実を守るため」に「人間を知りたい」から「ラジオに出る」ことにしました。こう書くと怪物が積極的に人間界に溶け込もうとしているように見えますが、実際にはDJ天草(新井浩史)にそそのかされて出演しただけです。その番組で何人かの人に出会って「怪物が人間を知った」ようなことも語られますが、そこで視聴者に提示されるのは、ドラマが勝手に定義づけた「悲しい」と「虚しい」という言葉の違いと、その定義に振り回される怪物の姿です。怪物はそれらの人物の行いを見て喜んだり、激怒して毒胞子をまき散らしたりしますが、その一連の出来事に継実は一切関係ありません。 というか、第1話で継実は山から怪物を下ろしました。怪物は山を下りました。彼らが能動的に自らの意思で行動を起こしたのって、この1点ずつだけなんです。あとは周囲が勝手に騒いで、成り行きで「好き」とか言ってみたり、怪物が継実の姉を殺しかけてみたりしますが、基本的に全部が全部、受け身の行動なんです。 毎回、周囲にミニドラマが発生して、そのミニドラマを目の当たりにした怪物と継実に受け身を取らせつつ、「健気さ」を描く。そういうパターンの繰り返しで物語が前に進まないまま、後半まできちゃった、という感じです。 で、始末が悪いのが、このミニドラマの出来がすごくいいことです。 前回の、怪物がお世話になっている工務店の若い職人が母親とその浮気相手に金をせびられているエピソードにしろ、今回の義足の幼稚園児のエピソードにしろ、まあとにかく感動的に撮られているんです。レギュラー俳優の芝居もいいし、ゲストのキャスティングもいいし、カメラワークも演出も冴えまくってる。 いわずもがな、綾野剛の芝居も回を追って説得力を増してきています。もう、こういう人(こういう怪物)にしか見えません。設定がガバガバなのに「健気な怪物」に見えてくるのですから、これは芝居の力というしかないでしょう。 『フランケンシュタインの恋』は総じて、画面から伝わってくる出力は高く、濃密な瞬間を描くことには成功しているように思えます。ただ、ミニドラマたちの出来がよすぎることで、見ているうちにSFファンタジーであることを忘れてしまうんです。綾野剛の手から胞子が出て人を殺してしまうとか、二階堂ふみのことを好きだとか、キノコと遺伝子がどうしたこうしたとか、「人間とは」とか、本来ドラマの背骨であったはずのそうした設定が、枝葉である小エピソード群に食われてしまっている。 結果、非常にアンバランスで「魅力的なのに全然面白くない」ドラマになってしまっているように感じます。ちゃんと作ってるのに面白くないドラマって、レビュー書くの超難しいですね。 (文=どらまっ子AKIちゃん)日本テレビ系『フランケンシュタインの恋』番組サイトより








