HKT48宮脇咲良、AKB48横山由依と雌雄を決す! “アイドル批判”と向き合った『豆腐プロレス』

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テレビ朝日系『豆腐プロレス』番組サイトより
 テレビ朝日系『豆腐プロレス』第21話は、チェリー宮脇(HKT48宮脇咲良)がランニングをするシーンからはじまる。休憩のため公園のベンチに腰掛けたチェリー宮脇に、通りすがりの男2人が声をかけてくる。片方の男が握手を求めてくるので、宮脇がそれに応えると、男は宮脇の手首を捻る。宮脇が「痛っ! やめてください!」と怒ると、男らは「チェリーちゃん、本当に強いの……?」「まあまあ、プロレスなんてショーなんだから」と、プロレスを批判するような発言をしてみせるのだった。  これをフォローするように、アリゲート流司(今野浩喜)は宮脇に語りかける。チェリー宮脇の父、ウロボロス洋平(菅原大吉)も現役時代、プロレスに対する批判的な世間の目と戦っていたのだった。アリゲート流司は、最後に「アイドルも一緒だろ?」と問いかける。  同ドラマにおいて「プロレスとは何か」という議論がなされる場合、「プロレス」は「アイドル」に置き換えることができると過去のレビューでもお伝えしてきた。  プロレスとアイドル。この2つの間に強い親和性がある。それは“ガチでないショーだ”と批判を受けている点ではないだろうか。暴露本『流血の魔術 最強の演技』(講談社)で、元プロレスラーでレフェリーを務めていたミスター高橋が告発したように、プロレスはショービジネスとの疑いを持たれている。AKB48グループでも、毎年恒例の選抜総選挙の結果には、一部のファンから疑惑の目を向けられることもしばしば。  同ドラマは、女子高生によるプロレスをテーマにしたドラマを、アイドルたちに演じさせる方法で、プロレスやアイドルが共通して受けてきた批判に対する答えを模索している。深読みがすぎるかもしれないが、そう読み取ることができるのではないだろうか。  それにしても、アリゲート流司の「アイドルも一緒だろ?」という発言は奇妙だ。というのも、チェリー宮脇には、アイドルという設定はないので、このセリフは女子高生プロレスラーのチェリー宮脇ではなく、チェリー宮脇を演じる宮脇に投げかけられた言葉だ。このセリフの裏には制作側の態度が見て取れる。  今回の試合は、チェリー宮脇とロングスピーチ横山(AKB48横山由依)の対戦カード。どちらも同じ錦糸町道場出身の選手で、チェリー宮脇は錦糸町道場を切り盛りしてきたウロボロス洋平の娘、そしてロングスピーチ横山はウロボロス洋平の一番弟子である。もともとチェリー宮脇はプロレス(と豆腐)が大嫌いで、反抗期真っ盛りでプロレスに対して否定的だったなか、同じ屋根の下でウロボロス洋平にプロレスを教わっていたのがロングスピーチ横山その人だった。  同じ道場出身で一緒にやってきた仲間とはいえ、因縁も深い。「てか、お父さんとデキてたの?」「正直、おやっさんの顔はタイプやない」「旦那の顔、お父さんにそっくり!」「全然似てへん!」「一人二役レベルで似てるんだよ!」と、リング上で話している会話が面白い。  ウロボロス洋平は、もし娘がプロレスをやるときになったらということを考え、「サクラスペシャル」という必殺技を娘のために考えていた。それを知っていた横山は、一番弟子の自分ではなく娘のために、というところに複雑な感情を抱く。この試合のために、横山は試合前に修行へ行き、「サクラスペシャル」を会得し、この技で決着をつけようとする。宮脇は、サクラスペシャルを喰らいダウン寸前まで追い込まれるものの、なんとかカウントを逃れると大きく叫び声を上げる。そして同じサクラスペシャルで横山を倒し、宮脇の勝利。  これまで『豆腐プロレス』では、数多くのメンバーたちがドラマ中の試合を盛り上げてきた。特にハリウッドJURINA(SKE48松井珠理奈)やユンボ島田(AKB48島田晴香)、オクトパス須田(SKE48須田亜香里)、バード高柳(SKE48高柳明音)といったキャラクターの試合は大きく盛り上がり、ファンの間でも評判だった。  しかし、それに比べると主役であるチェリー宮脇の試合は少し盛り上がりに欠けていたところがあったのではないかと思う。実際、宮脇はプロレスにあまり似合わないキャラクターであり、運動神経もよくない。また、そもそも他のキャラクターにスポットライトが当たる試合が多かった分、主役でありながら影が薄くなっていたようにも思える。だが、今回の試合はそういったネガティブな要素を吹き飛ばすことができていたと思う。  試合が終わったあとの宮脇のスピーチが強烈に印象に残っている。「ワールド・アイドル・プロレスリングはすごいんです。世の中にはいっぱいすごいことがあるけど、どんなものにも負けたくない! リングの上での戦いは、ウソですか? ニセモノですか? ……ふざけんな! 本当のことだけがプロレスなんだ! 本当のことが、このリングには、いっぱいいっぱい詰まっているんだよ!」  この言葉の背景には、プロレスやアイドルに対する批判があることは言うまでもないだろう。アイドルは歌もやるしダンスもやるし、メンバーによっては演技やお笑いの仕事を引き受けたりもする。歌手・ダンサー・俳優・お笑い芸人といったそれぞれの専門職の人間に比べると「実力不足」との批判も受けている。また、一部のメンバーなどのスキャンダラスな写真から「遊んでいる」との印象を持たれてしまう。だからといってアイドルが皆生半可な気持ちで仕事をしているわけではない。まさにこのセリフは、そういったアイドルの批判に対する決意表明だと言えるのではないだろうか。  そういった決意表明は、やはり総選挙のスピーチでもよくなされる。かつて元AKB48メンバーの前田敦子や大島優子が行ったようなスピーチは、アイドルに対する数多くの批判に対する自分たちの思いを代弁するようなところがあったし、かつて「歌もヘタだし、ダンスもヘタだし……」と涙したHKT48指原莉乃が、現在事実上ナンバーワンアイドルとして君臨しているのは、批判をかき消すような現象だ。  人気が下火と言われても、毎年規模を拡大していくAKB48の選抜総選挙。6月17日の結果発表の日の深夜には、22話が放送される。注目の対戦カードは、ハリウッドJURINAとユンボ島田。同ドラマの出演者の中で、プロレスとの相性のいい2人の試合だ。ファンもそうでもない人も胸焦がすような試合になることは、間違いない。 (文=MC内郷丸)

綾野剛『フランケンシュタインの恋』過去最低6.3%……役者の熱演を裏切り続ける「ご都合主義と雰囲気オシャレ」

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日本テレビ系『フランケンシュタインの恋』番組サイトより
 綾野剛演じる“怪物”が山から降りてきて、とびきりキュートなドタバタラブコメディを繰り広げた第1話から一転、妙にシリアスな展開で視聴者を振り落してきた日曜ドラマ『フランケンシュタインの恋』(日本テレビ系)も第8話。視聴率は下がりに下がって6.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と過去最低を記録。しかし、おそらくこの第8話が同ドラマでもっとも面白い回になるのだと思います。ようやく、ドラマらしいドラマが見られました。  これまでのレビュー(記事参照)でも書いてきましたが、本作はとにかく展開が遅いドラマでした。第1幕ともいうべき怪物と人間社会とのファーストコンタクトを描くことに6話を費やし、第2幕に入ったのが前回の7話から。全10話予定と告知されていますので、「面白くなってきたら、すぐ終わっちゃう」という感じです。  だからといって、前回や今回が文句なく面白いかといえば、そうでもありません。ここまで時間をかけてきた“怪物”にまつわるSF設定がガバガバで、視聴者を混乱させるばかりなので、気を抜くとイラっとしてしまいますし、集中しすぎてもイラっとしてしまいます。しかし、ちょうどいいテンションで、いい感じの出演者たちのいい感じのお芝居を眺めていると、「ああ、面白いな」と感じることができるという不思議なドラマです。  今回は、気を抜くとイラッとする話と、集中しすぎるとイラッとするという『フランケンシュタインの恋』の特徴についての話をしようと思います。  まず前者の、気を抜くとイラッとする話。ラジオの公開放送に参加した怪物が、興奮して毒胞子をまき散らしながら会場から逃げ出した場面の顛末がありました。  怪物は、テンションが上がると両手から毒胞子を発生させ、その手で触った人間を殺すという設定が与えられています。この毒胞子発生時、細かい粉のようなものが周囲に舞い散るわけですが、これまで、「直接的に毒手で触らなければ危害ナシ」というルールは徹底されていました。周囲に人がいる状況で毒胞子化したことは何度もありましたし、脳の病気を抱える継実がそばにいるときでさえ、そこだけは徹底されてきた。  しかし今回になって、舞い散る粉胞子を吸い込んだ数人が気分が悪くなって病院に行くというシーンが出てきます。脚本家が自分で作ったルールを簡単に無効化してくる。こういうSF設定の反故は、このドラマでは何度も繰り返されていて、「もうそこは飲み込もう」と思って見ているので、それ自体はスルーできるんです。でも、吸い込んだ人たちが病院には行くけど、“異臭騒ぎ”として警察に届けたりはしない。マスコミもたくさんいたのに、誰も取材しない。お話の都合で一般人の一般的な感覚がスポイルされた瞬間に、飲み込む許容量を超えちゃうんです。気合を入れて「SFについてはガマン!」と思って見ていても、気を抜くとついこうしたポカが目についてイラっとしちゃう。  続いて、集中しすぎの話。  前回、怪物が自分の中にある“殺人菌”を殺すために殺菌スプレーを飲もうとするくだりから、今回の前半にわたるシークエンスは、このドラマにおける「もっともオイシイところ」でした。怪物が、ずっと仲間だと思っていた稲庭先輩(柳楽優弥)が、実は怪物を陥れて片思い中の継実ちゃん(二階堂ふみ)を奪い取るために行動していたことを告白。「俺を憎め、俺を怒れ」と怪物に迫る先輩と、「それでも怒れないんです、僕は稲庭先輩が大好きです。今も感謝しています」とまっすぐな瞳で訴えかける怪物のやり取りは、2人の熱演もあって血涙を搾ります。こういうシーンが見たかったのだ、と素直に思える場面です。  稲庭先輩は「人間は矛盾を抱えているから」と、自らの行動が人間の普遍的な心の在り方からくるものであると怪物に説きます。そりゃそうだ、すごく納得のできる言葉です。柳楽くんの芝居はホントに素晴らしくて、一言一句聞き逃したくなくなってしまう。集中しちゃう。  だからこそ、鼻につくんです。前回のラストで、自分の卑怯なやり方を告白した彼は、怪物に「人間じゃないのは、俺なんだよ」と言っています。こんな卑怯なやり方は「人間じゃない」と言っているわけで、今回の言い草と食い違っている。前回は「人間じゃないから卑怯なことができる」と言い、今回は「人間だから矛盾から卑怯なことをする」と言う。どちらも筋の通った話ですが、前者は「ぼーくは人間じゃーないんでーす♪」という歌詞で始まるエンディングに、いい感じでつなげるためのセリフなんです。雰囲気オシャレを優先しているんです。些細なことですが、こうした食い違いは、そのセリフの「心の底から吐き出した感」を薄めてしまうんですよねえ。せっかくの盛り上がりに水を差されてしまう。で、イラッとする。ああー、イラッとする!  と、ここまで脇役やサイドエピソードばかりの話になってしまいましたが、今回はようやくヒロイン・継実ちゃんにも見せ場が訪れました。これまで継実ちゃんは大したセリフも役割も与えられず、とことん冷遇されてきました。そして今回も、たった1シーンだけで再び冷遇されることになります。  継実ちゃんは、「もう一度ラジオに出る」と言い張る怪物の手を引いて駆け出し、怪物に「一緒に逃げましょう」と言います。 「森へ帰りましょう、一緒に」  そして、ずっと怪物の心の支えだったラジオ番組のテーマソング「天草に聞け」を「継実に、聞け」と替え歌にして、怪物と共に生きる決意を明かします。感動的です。二階堂ふみ、ホントにかわいいです。私も、ずっと二階堂ふみと森で暮らしたいと思える素晴らしい芝居です。でも、心配になります。この人、脳の病気でクスリを常用しているはずだし、そもそも森で何を食って生きていくつもりなのか……。  心配する必要はありませんでした。継実ちゃん、その場で都合よく頭痛くなって倒れちゃいます。こうしたご都合主義も、本作の特徴です。最初から、この脚本家にとって「森で暮らす」という選択肢はないんです。「森で暮らすって言わせても、病気で倒せば進行に異状なし」と決め込んで書いてるんです。  なんだかね、脚本が芝居を裏切っている感じがヒシヒシと伝わってきて、悲しくなりますよ。特に継実ちゃんに対しては、ちょっと扱いが雑すぎるんじゃないかと思います。川栄李奈が複雑な心情を持った役を与えられてイキイキと演じているのと対照的で、二階堂ふみの女優としての才覚が誤解されてしまいそうなくらいです。  ともあれ、第2幕は今回だけでおしまいのようです。予定ではあと2話ですが、SFとしてはガバガバのくせに伏線を張りまくっているし、都合よく怪物の記憶も戻ったので、ここからは第3幕の解決編に向かっていくことになるのでしょう。次回は、120年前の怪物とサキさん(二階堂ふみ/二役)を振り返るようです。とりあえず、過去を演じる2人のお芝居だけを楽しみに、ちょうどいいテンションで待ちたいと思います。 (文=どらまっ子AKIちゃん)

『SRサイタマノラッパー~マイクの細道~』第9話 ヘイヨー! ダメ兄に捧げる妹ラッパーのライム

『SRサイタマノラッパー~マイクの細道~』第9話 ヘイヨー! ダメ兄に捧げる妹ラッパーのライムの画像1
テレビ東京系『SRサイタマノラッパー~マイクの細道~』番組サイトより
 かっこ悪いということは、なんてかっこいいんだろう。最終回まで残り2話となった『SRサイタマノラッパー~マイクの細道~』第9話だが、今週のIKKUとMIGHTYはいつも以上に超ダサい。周回遅れのドンジリもいいところだ。そんなメンタリティー&コンディションで、クラブチッタのステージに立つことができるのか?  これまで一度も東京に足を踏み入れたことがなかった埼玉在住のほぼニート男・IKKU(駒木根隆介)が、川崎へ行く手前の東京都北区赤羽で途中下車した前回。クラブチッタでのライブまで残り2日、兄タケダ先輩(上鈴木伯周)が「SHO-GUNG」のために作ってくれた新曲を手に入れて盛り上がっていたIKKUとTOM(水澤紳吾)だった。ところが、ひとりシミジミとタバコの煙をくゆらせていたMIGHTY(奥野瑛太)は、かつてパシリをさせられていた極悪系ヒップホップグループ「極悪鳥」の大河(橘輝)、海原(板橋駿谷)たちに見つかり、拉致されてしまう。  MIGHTYが忽然と姿を消したことを気に病む一行だったが、とりあえずカブラギ(皆川猿時)が運転するカブラギ号に乗って会場下見のために川崎クラブチッタへ。青森育ちのトーコ(山本舞香)はクラブチッタの立派さに、「ここでやんの? すっげー!」と素直に驚く。クラブチッタのエントランスに貼られたポスターには、ちっちゃ~くだが「SHO-GUNG」の名前も載っていた。埼玉ではみんなからバカにされまくったけれど、ようやく辿り着いた夢のステージだ。IKKUとTOMは選ばれし者の恍惚と不安に酔っていた。  一行がクラブチッタの前で騒いでいると、そこへくわえタバコで現われたのはクラブチッタのマネジャーである芽衣子(黒沢あすか)。芽衣子が美人であることから目がランランと輝くカブラギ。雪国育ちのおっとりした雪(中村静香)から、都会派の大人の女性・芽衣子まで、ストライクゾーンがやたらと広いカブラギだった。  カブラギの発した「なんで、こいつらを(オープニングアクトに)選んだんですか? 人気も華もないのに」という素朴な疑問に対し、芽衣子はサプライズな答えを用意していた。 芽衣子「たまたま見てたのよ、栃木での野外フェス。イベントとしては滅茶苦茶だったけど、個人的にグッときちゃって。男の友情に弱いのよね」  なんと、芽衣子は『SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』(12)の怪しい野外フェスに足を運んでいた。IKKUとTOMは栃木在住のラッパー「征夷大将軍」とコラボしたステージに臨み、これから盛り上がるというところでMIGHTYが「極悪鳥」と騒ぎを起こし、フェスそのものを台無しにしてしまった。でも、「SHO-GUNG」が『SR3』で精いっぱい吐いた思いの丈は、ちゃんと伝わる人には伝わっていたのだ。  真剣に願った夢は必ず叶う。ただし、願った本人の思惑とは違った形や意外なタイミングで訪れることになるが。「SHO-GUNG」にとって、芽衣子はまるで『小僧の神様』(by志賀直哉)のような存在だった。女神が埼玉在住のダサ~い男たちにほほえんでくれた。もう、このエピソードだけでお腹いっぱいな第9話です。  一方のMIGHTYはまだ赤羽。「極悪鳥」のアジトに連れ込まれ、血まみれ状態で監禁されていた。鎖で足を繋がれ、逃げようにも逃げられない。今まで叶わない夢からずっと逃げ続けてきたMIGHTYだけど、夢が叶いそうになった瞬間に身動きできない状態に陥ってしまうとは、なんと言う皮肉か。6月10日から藤原竜也&伊藤英明主演の犯罪ミステリー映画『22年目の告白 私が殺人犯です』が絶賛公開中の入江悠監督、MIGHTYパートは思いっきりサスペンスモードに振り切っていく。  かつては東京のクラブシーンでそこそこ知名度のあった「極悪鳥」だったが、栃木の野外フェスで警察沙汰を招き、空中分解してしまった。埼玉の片隅で夢を捨てきれずに追い続けた周回遅れの「SHO-GUNG」とは対称的に、ずっと先を走っていたはずの「極悪鳥」はダークサイドに堕ちていった。  裏ビジネスを2~3回手伝えば、解放してもいいという「極悪鳥」の元リーダー・大河。ここで大河の求めに応じれば、IKKUやTOM、それに埼玉でブロッコリー畑を営んでいる実家の家族をまた裏切ることになる。 MIGHTY「ヒップホップの仁義~。失礼ながらお控えなさって。今度こそ、今度こそ咲かせてみせます、ブロの花~♪」  裏社会への誘いを断り、ボコボコにされながらもゾンビのように立ち上がるMIGHTY。口から出てくるリリックは全然ラップになってないし、ブロッコリーの花が咲いたら食べられなくなっちゃうよ。でも、MIGHTYは再びダークサイドに堕ちないよう、必死で自分の中のもうひとりの自分と闘っていることだけは充分に伝わってくる。IKKUやTOMを川崎で待たせているMIGHTYは、『走れメロス』の主人公メロスのような心境だった。  そして舞台は再度、川崎のクラブチッタへ。MIGHTYが当日ちゃんとライブに現われることを信じるしかないIKKUたちだったが、もうひとつ懸案事項が。相棒のTOMがIKKUの心の中を見透かしたようにせっつく。明日はクラブチッタのライブだが、IKKUの妹・茉美(柳ゆり菜)の結婚式でもある。 TOM「電話しろって。まだ、ちゃんと謝ってないだろ。ずっと後悔するよ。そんな中途半端な気持ちで、明日ライブすんのかよ」  TOMのお節介で、京都のホテルで独身最後の夜を過ごす茉美にテレビ電話することになるIKKU。子どもの頃からIKKUよりしっかりしており、自分の人生を着実に歩む妹に、今さら愚兄として掛ける言葉が思いつかない。 IKKU「人もうらやむ器量よし~。その名も加賀谷茉美という~♪」  さっきのMIGHTYもそうだが、IKKUもまるでラップになってない。“バカな兄貴でゴメンな音頭”とでも呼びたい即興ソングを歌うものの、撮影も終盤に入って余裕がないせいか、そうとうにひどい出来。IKKUのかっこ悪さ、全開である。恐ろしくダサい。でも、いつもは口数の少ない兄・郁美が本心を明かしてくれたことが茉美にはうれしかった。スマホの小さな画面の中で、妹ひとりのために顔を真っ赤にして歌う兄はひどくかっこ悪く、そして超かっこよかった。  ごめんな、お兄ちゃんはまだヒップホップやめられない。幸せになれよ、と締めくくるIKKUに対する茉美の返しが実にクールだ。 茉美「ヘイヨー! ニートなブラザー。明日はかませ~、会場沸かせ~♪」  10年間、IKKUの隣りの部屋でラップを聴いてきた茉美にも、ヒップホップ魂がほんのりと移っていた。茉美は「TOMさんも明日のライブ、がんばって」と、兄妹仲を気遣ってくれたTOMへの感謝の言葉も忘れない。クラブチッタの芽衣子に加え、「SHO-GUNG」にとって、もう一人の女神がほほえんでくれたライブ前夜だった。  夜が明け、いよいよライブ当日。監禁されたままのMIGHTYはどうやって生還するのか。悪の孔雀「極悪鳥」は実にあっけなく、そのこずるい悪の歴史を終えることになる。警察のガサ入れが迫り、大河や海原はMIGHTYを残したままアジトから慌ただしく逃げ出していく。羽根の折れた「極悪鳥」の末路は無惨だった。近くにあったヤスリを使って、ようやく鎖を断ち切ったMIGHTYは、「極悪鳥」との因縁も断ち切ることに成功した。血だらけの顔のまま、MIGHTYは街へ飛び出し、走行中の車の前に立ち塞がる。  中年のオッサン(川瀬陽太)の運転する車の助手席に乗っていた「あーちゃん」と呼ばれる女が、MIGHTYが口にした「SHO-GUNG」「クラブチッタでライブ」という言葉に反応する。助手席の女は『SRサイタマノラッパー2 女子ラッパー☆傷だらけのライム』(10)に登場したコンニャク屋の娘・アユム(山田真歩)だった。「ミッツ、SHO-GUNGだって」というアユムの声に、後部シートで眠っていたミッツ(安藤サクラ)も目を覚ます。アユムとミッツが中心となって結成された群馬の女子ラッパー「B-hack」もまた、伝説のDJ・タケダ先輩にトラックを提供されたという縁がある。赤羽にひとり残されていたMIGHTYにも、女神たちがほほえんだ。これでトーコが「SHO-GUNG」のライブに参加すれば、女神たちのロイヤルストレートフラッシュの完成だ。  第9話にて、テレビシリーズ『マイクの細道』と劇場公開作『SRサイタマノラッパー』北関東三部作がひとつの輪に繋がった。『マイクの細道』のオープニング曲に登場するキャラクターもすべて回収。残すは、もうクラブチッタでのライブステージのみ。残り2週、グンググ~ンと盛り上がりたいッ。 (文=長野辰次)

次回“セミファイナル”も、伏線ぶん投げまくりで回収は大丈夫? ドラマ『小さな巨人』第8話レビュー

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TBS系『小さな巨人』番組サイトより
 前回、視聴率が微減してしまった長谷川博己・主演ドラマ『小さな巨人』(TBS系)ですが、4日に放送された第8話の平均視聴率は13.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と復調しました。  さて、まずは前回のおさらい。学校法人早明学園と政治家との癒着関係について内偵していた警視庁警務部人事課職員・江口和夫(ユースケ・サンタマリア)が殺害された事件を追う香坂真一郎(長谷川博己)。学園専務・富永拓三(梅沢富美男)が江口を殺害し、学園の裏帳簿を持って失踪した経理課長・横沢裕一(井上芳雄)に罪をかぶせるため、横沢の髪の毛を現場に残す裏工作をしたのではないかと疑います。  地道な捜査の結果、江口が殺害された日の富永のアリバイを崩す証拠をつかんだ香坂は、捜査一課長の小野田義信(香川照之)をたきつけ、富永を任意同行させることに成功。しかし、証拠不十分として小野田はすぐに富永を釈放してしまいます。元・捜査一課長の富永は、小野田を捜査一課に引き上げた恩人。そのため、小野田が富永に手心を加えたのではないか? と香坂が疑いをもったところで第7話は終了となりました。  第8話は、富永を釈放した理由について、香坂が小野田に問い詰めるシーンからスタートします。小野田によれば、江口が殺された当日、学園の裏口に設置された防犯カメラの映像に横沢が逃走する姿が映っていたため、富永を釈放することになったとのこと。また、富永は横沢が学園の金を横領したと吹聴しているため、小野田は「横沢は300%クロだ」と断言し、横沢逮捕に全力を注ぐことになります。  横沢が、妻の亜美(中村アン)に接触してくるに違いないと睨んだ捜査一課と豊洲警察署刑事課の合同捜査チームは、所轄の刑事・三島祐里(芳根京子)を亜美に近づかせて横沢の情報を引き出す作戦を立てます。  しかし、亜美は逆に三島を利用。自分の携帯電話に送られたメールは警察へと転送されてしまうため、三島の携帯電話を使ってこっそり横沢と連絡を取り合います。そのことに気づいた三島は香坂に相談。香坂は、三島の携帯に送られてきたメールを自分の携帯に転送されるように設定してトラップを仕掛けます。  そうとは知らずに亜美は横沢と待ち合わせをし、香坂はその現場を押さえます。ところがそこへ、香坂の同期で捜査一課の指揮を執る藤倉良一(駿河太郎)が現れ、横沢を横取りしてしまいます。藤倉は、所轄よりも先に横沢を逮捕して、横沢が持つ学園の裏帳簿を隠蔽するよう小野田から命じられていたのです。香坂は、「俺たちは何のために警察官になったんだ?」と、正義感を盾に訴えますが、藤倉は「そんなもん、もう忘れた」と聞く耳をもたず、横沢を本庁へと連行します。  しかし、本庁へ移動する途中、香坂の言葉を思い出して良心の呵責に苛まれた藤倉は行き先を変更。小野田の命令に背き、香坂に横沢の身柄を預けます。香坂は、これで江口殺人事件の真相と学園の不正問題が明らかになると安堵します。しかし、喜んだのもつかの間、取調室から横沢が失踪。手引きしたのは山田春彦(岡田将生)であることが発覚したところで第8話は終了となりました。  今回で『豊洲署編』の3話目が終了ということで、ふと気になったのですが、初回から第5話目までの『芝署編』で問題になっていた、IT企業・ゴーンバンク社社長の中田和正(桂文枝)と小野田との癒着問題はどうなってしまったのでしょうか? 『豊洲署編』が始まってから完全に放置されてますが、まさか大風呂敷を広げたままということではないですよね? 今回の山田の裏切りにしろ、視聴者の興味を惹き付けるために行きあたりばったりでどんでん返し演出をしているように思えてならないのですが。伏線をぶん投げるだけぶん投げたまま回収しないで終わるのはやめてくださいね。  それと、第1話のサブタイトルにも使われた「敵は味方のフリをする」というセリフが毎回何度も出てくるのですが、聞き飽きました。今回のドラマは、2013年に同枠で放送された『半沢直樹』のスタッフが集結したということで、半沢が連呼した「やられたらやり返す。倍返しだ!」と同じように流行ることを狙っているのでしょうが、流行りません。むしろ、そのセリフに縛られて無理にでも裏切り者を用意しなければならず、ストーリーに矛盾が生じるという悪循環に陥ってしまっているようにも思えます。  同ドラマは全10話ということで、次回で早くも“セミファイナル”を迎えます。予告では、「17年前の真相」「怪物の正体」などといったテロップが流れ、小野田の過去を掘り下げるようなストーリー展開となるようですが、伏線回収を含めクライマックスに向けて盛り上がりを見せることができるのか注目したいと思います。 (文=大羽鴨乃)

次回“セミファイナル”も、伏線ぶん投げまくりで回収は大丈夫? ドラマ『小さな巨人』第8話レビュー

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TBS系『小さな巨人』番組サイトより
 前回、視聴率が微減してしまった長谷川博己・主演ドラマ『小さな巨人』(TBS系)ですが、4日に放送された第8話の平均視聴率は13.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と復調しました。  さて、まずは前回のおさらい。学校法人早明学園と政治家との癒着関係について内偵していた警視庁警務部人事課職員・江口和夫(ユースケ・サンタマリア)が殺害された事件を追う香坂真一郎(長谷川博己)。学園専務・富永拓三(梅沢富美男)が江口を殺害し、学園の裏帳簿を持って失踪した経理課長・横沢裕一(井上芳雄)に罪をかぶせるため、横沢の髪の毛を現場に残す裏工作をしたのではないかと疑います。  地道な捜査の結果、江口が殺害された日の富永のアリバイを崩す証拠をつかんだ香坂は、捜査一課長の小野田義信(香川照之)をたきつけ、富永を任意同行させることに成功。しかし、証拠不十分として小野田はすぐに富永を釈放してしまいます。元・捜査一課長の富永は、小野田を捜査一課に引き上げた恩人。そのため、小野田が富永に手心を加えたのではないか? と香坂が疑いをもったところで第7話は終了となりました。  第8話は、富永を釈放した理由について、香坂が小野田に問い詰めるシーンからスタートします。小野田によれば、江口が殺された当日、学園の裏口に設置された防犯カメラの映像に横沢が逃走する姿が映っていたため、富永を釈放することになったとのこと。また、富永は横沢が学園の金を横領したと吹聴しているため、小野田は「横沢は300%クロだ」と断言し、横沢逮捕に全力を注ぐことになります。  横沢が、妻の亜美(中村アン)に接触してくるに違いないと睨んだ捜査一課と豊洲警察署刑事課の合同捜査チームは、所轄の刑事・三島祐里(芳根京子)を亜美に近づかせて横沢の情報を引き出す作戦を立てます。  しかし、亜美は逆に三島を利用。自分の携帯電話に送られたメールは警察へと転送されてしまうため、三島の携帯電話を使ってこっそり横沢と連絡を取り合います。そのことに気づいた三島は香坂に相談。香坂は、三島の携帯に送られてきたメールを自分の携帯に転送されるように設定してトラップを仕掛けます。  そうとは知らずに亜美は横沢と待ち合わせをし、香坂はその現場を押さえます。ところがそこへ、香坂の同期で捜査一課の指揮を執る藤倉良一(駿河太郎)が現れ、横沢を横取りしてしまいます。藤倉は、所轄よりも先に横沢を逮捕して、横沢が持つ学園の裏帳簿を隠蔽するよう小野田から命じられていたのです。香坂は、「俺たちは何のために警察官になったんだ?」と、正義感を盾に訴えますが、藤倉は「そんなもん、もう忘れた」と聞く耳をもたず、横沢を本庁へと連行します。  しかし、本庁へ移動する途中、香坂の言葉を思い出して良心の呵責に苛まれた藤倉は行き先を変更。小野田の命令に背き、香坂に横沢の身柄を預けます。香坂は、これで江口殺人事件の真相と学園の不正問題が明らかになると安堵します。しかし、喜んだのもつかの間、取調室から横沢が失踪。手引きしたのは山田春彦(岡田将生)であることが発覚したところで第8話は終了となりました。  今回で『豊洲署編』の3話目が終了ということで、ふと気になったのですが、初回から第5話目までの『芝署編』で問題になっていた、IT企業・ゴーンバンク社社長の中田和正(桂文枝)と小野田との癒着問題はどうなってしまったのでしょうか? 『豊洲署編』が始まってから完全に放置されてますが、まさか大風呂敷を広げたままということではないですよね? 今回の山田の裏切りにしろ、視聴者の興味を惹き付けるために行きあたりばったりでどんでん返し演出をしているように思えてならないのですが。伏線をぶん投げるだけぶん投げたまま回収しないで終わるのはやめてくださいね。  それと、第1話のサブタイトルにも使われた「敵は味方のフリをする」というセリフが毎回何度も出てくるのですが、聞き飽きました。今回のドラマは、2013年に同枠で放送された『半沢直樹』のスタッフが集結したということで、半沢が連呼した「やられたらやり返す。倍返しだ!」と同じように流行ることを狙っているのでしょうが、流行りません。むしろ、そのセリフに縛られて無理にでも裏切り者を用意しなければならず、ストーリーに矛盾が生じるという悪循環に陥ってしまっているようにも思えます。  同ドラマは全10話ということで、次回で早くも“セミファイナル”を迎えます。予告では、「17年前の真相」「怪物の正体」などといったテロップが流れ、小野田の過去を掘り下げるようなストーリー展開となるようですが、伏線回収を含めクライマックスに向けて盛り上がりを見せることができるのか注目したいと思います。 (文=大羽鴨乃)

沢尻エリカ『母になる』が散らかりすぎ!「人を刺した理由は?」「記者どこ行った?」伏線回収失敗か

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 沢尻エリカ主演の『母になる』(日本テレビ系)。7日放送の第9話の平均視聴率は、前回から0.8ポイントダウンの8.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)でした。  なんと、次回の第10話が最終回だそうです。息子が誘拐され、赤の他人に育てられていたというセンセーショナルな設定からスタートした同作ですが、後半になるにつれ、「一体、何が言いたいの?」「これ、なんのドラマだっけ?」と主軸を見失い、筆者同様、多くの視聴者がボンヤ~リしてきたのではないでしょうか?  おそらく、プロデューサーや脚本家の「これも書きたい」「あれも書きたい」「私たちの実体験を元に!」という熱く煮えたぎった思いが溢れまくった結果だと推測されますが、なかなかとっ散らかっております。  さて、前回のラスト、中学校をサボって美少女・ももちゃん(清原果耶)と会っていたことが発覚した広(関西ジャニーズJr.・道枝駿佑)。両親にももちゃんとの関係を話したがりませんが、家のミントウォッシュの減りが早いことから、結衣(沢尻)は「え? なんで急に口の中をキレイに!?」とプチエロい想像をして、うろたえます。  その後、広の祖母・里恵(風吹ジュン)が“家族会議”を開くと言いだし、「家族みたいなもん」といって、児童福祉司の木野(Hey! Say! JUMP・中島裕翔)や、西原一家、「柏崎オート」の従業員までも招集。そんな異常な家族会議で、「なんで学校さぼって、女の子と会ってたんだ」と吊るし上げに遭う広。しかし、広は超いい子な上に、何が起きても飄々としているタフガイなので、この状況に不満を訴えることもなく、「お騒がせして、すみませんでした」とみんなからの追及をさわやかにかわします。  その後、陽一(藤木直人)と広の入浴シーン(サービスカット)へ! 道枝くんのツルッツルの腋に目を奪われていると、あれ、藤木も薄っ! 藤木も薄っ! 藤木の腋毛の薄さに心奪われました。どうりで髪の毛ふっさふさなわけですね(ホルモン的に)。  一方、結衣たちの前から姿を消すため、石川県に移り住むことになった麻子(小池栄子)。陽一と共に東京から離れる麻子を見送った広は、麻子に「今まで育ててくれてありがとうございました」「ママ頑張って」と最後の別れを告げます。しかし、別れた後、広は「あのさあ、お母さんって2人いちゃいけないのかな」と意味深発言。  と、次の瞬間、三段跳びの助走のような走り方をする結衣がフレームイン! 長距離バスに乗り込もうとする麻子を追いかけ、第9話は終了です。  案の定、ネット上でも沢尻の走り方が大盛り上がりのようですね。「沢尻の走り方は、まじツボ」「ウルっとしてたら、走る沢尻に現実に引き戻された」「走り方、ウッディみたい」など、多くの視聴者に衝撃を与えたようです。  そんなことより、麻子が人を刺した理由がまだ出てこないのですが、最終回で明かされるのでしょうか? そこがストーリーの肝になるとばかり思っていたのですが、もしや無視でしょうか? いまだに、麻子が超ヤベー奴なのか、ちょっとだけヤベー奴なのか計り知れないので、とてもモヤモヤします。  また、ジャーナリストの沢登(森田甘路)は、いずこへ……? あんなに粘着して結衣や麻子をつけまわしていたのに、今回、1度も出てきませんでした。沢登、どこ行った……モヤモヤ。  シビアな内容を、コミカルなセリフや平和な音楽で軽快に描き、「ほ~ら、いろんな母親がいますよ~。さあ、視聴者の皆さん、それぞれに考えてくださ~い」と投げかける作風なのでしょうが、なんだかいろいろ失敗している気がします。  モヤモヤが溜まりに溜まり、“モヤッとボール”を持った伊東四朗が登場しそうな『母になる』ですが、最終回でスッキリできることを期待します! (文=どらまっ子TAMOちゃん)

またもや視聴率上昇! “ゲスの不倫劇”『あなたのことはそれほど』東出昌大は、いい夫? 狂った夫?

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TBS系『あなたのことはそれほど』番組サイトより
 佳境を迎えた『あなたのことはそれほど』(TBS系)6日放送の視聴率は、13.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と上昇。終盤に差し掛かり、上昇が続きますが維持できるか、きわどいところ。  離婚が決まった渡辺夫妻。美都(波瑠)が涼太(東出昌大)に離婚届の記入を何度も迫りますが、涼太は名前を書き損じたり「書いている途中で手がつった」と、わかりやすい言い訳をして記入しようとしません。皮肉にも離婚によって言葉を交わすことが増えた2人。こんな最悪の関係でも、涼太は美都をいまだに愛している、狂おしいほど一途な男なんですね。そんな涼太の胸の内を知らず、美都は引越し先を見に行ったり、離婚後の生活で頭がいっぱい。  一方の有島夫妻ですが、描写はなかったものの光軌(鈴木伸之)が麗華(仲里依紗)に不倫を告白したようで、夫婦の会話はどこかぎこちない。  さて、同ドラマは美都と光軌を中心とした渡辺夫妻と有島夫妻のお話でした。ですが、前回からサブキャラが動き出したことで、事情が変わってきました。8話では、そのサブキャラの動きに注視してみましょう。  涼太の同僚・小田原真吾(山崎育三郎)は、今回も密かに美都の母・悦子(麻生祐未)の営むスナックに姿を見せ、渡辺夫妻の話を根掘り葉掘り聞き出します。勘の鋭い悦子に「(美都を)好きになった?」と見抜かれると、否定するも引っ越し先の保証人を美都から頼まれニヤリ。  有島夫妻にまとわりつく横川皆美(中川翔子)も、なんだか怪しい。有島に会いに来た美都から職場の連絡先を聞き出すことに成功。「有島さんのお友達なら、会ったって伝えておきますね」と、半ば脅しのような言葉を使って聞き出すあたり、横川にも涼太や麗華に通ずる頭のキレを感じます。有島夫妻と横川夫妻とで動物園に行くシーンで、横川は旦那から「こいつはバカだから」と侮蔑されるのですが、まるでこれがフリだったかのような立ち回り。光軌と美都の不倫の現場を横川は何度も目撃していて、これから横川がどう動くのか。  さて、同ドラマの唯一の良心、美都の親友・飯田香子(大政絢)が久々に登場。飯田の口からは、涼太の二面性が語られます。飯田は、涼太を素晴らしい夫としながら、一方で今現在連絡が取れないこと、パタリとメールへの反応もなくなったことを報告。6話で、家出をした美都の力になってほしいと飯田を頼った涼太とはまるで違う対応に、飯田自身も少し違和感を持っているよう。 “不穏な”サブキャラといえば、もう一人忘れていませんか? 美都の働く武蔵野眼科の院長・花山司(橋本じゅん)の存在です。花山自身も、離婚を経験しており現在は独り身。その立場から、美都のよき相談相手として登場していました。しかし、今回、美都の不倫について、悪そうな顔を浮かべるシーンがあり、いかにもな感じでこちらも怪しい。  誰もが怪しい状況の中、事件が起こりました。渡辺夫妻の住むマンションに美都の不倫を告発するビラがばらまかれ、残り2回はその犯人探しが中心のサスペンスになりそう。  それにしても、このドラマ本当に胸クソ悪くなりますね。男性と女性で感想が分かれそう。“危ない恋愛”とでも言いましょうか、テーマの不倫の経験がない人ある人でも意見が割れそうです。筆者は、やっぱり波瑠演じる美都と家庭を持ちながら関係を続ける光軌が、最低でろくでなしにしか見えないんです。しかし、涼太が“狂気じみたおかしな男”として描かれている。6話では、一度関係が壊れた夫婦間を修復するために涼太が提案したルールを「窮屈なルールを押し付ける男」として描かれているし、離婚届を破棄するさまを不気味な雰囲気で演出されています。一方の美都は、帰宅するや開口一番「(離婚届を)書いた?」しか言わないし、嫌な感じ。  不倫を賛美するとまでいかないけど、不倫は悪いことじゃないんだよってメッセージを受け取ってしまいます。いやいや、あんたらがおかしいよ、涼太はいい旦那なんだよという一部の世間の声の代弁者として飯田というキャラクターがいると思うんですが、やっぱり見ていてしゃんとしない方もいるはず。モラルを無視して恋愛に没頭する人って多いんですかね?  一方で、あまり出番のなかった美都の同僚・森瑠美(黒川智花)が結婚。どんな人かとの美都の問いかけに、こう返しています。「一番長く好きでいられそうな人」と。もし、登場人物たち全員が、“一番好きな人”でもなく“二番目に好きな人”でもなく、“一番長く好きでいられそうな人”を選んでいたら……となんとなく思ってしまいました。 (どらまっ子HAYAちゃん)

過去最低7.0%の嵐・相葉雅紀『貴族探偵』それでも絶賛したい制作陣の“クリエイティブ”の高さ

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フジテレビ系『貴族探偵』番組サイトより
 骨太な推理劇とガッチャガチャのコメディ演出を同居させて、毎回“楽しい本格ミステリー”という新体験を与えてくれる今期の月9『貴族探偵』(フジテレビ系)ですが、5日に放送された第8話の視聴率は7.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と過去最低を記録。大手マスコミによれば、9.9%を取ったテレ東の『全仏オープンテニス 錦織圭×ベルダスコ』に食われた形だそうです。  まあ、健全な結果だと思いますよ。錦織はもっと国民的スターとして扱われるべき偉大なプレーヤーだと思いますし、下位ランカー相手の4回戦でも、いい試合をすれば視聴者が付くというのは、スポーツ中継そのものの明るい未来を示す結果だと思います。実に健全です。  それに比べて『貴族探偵』って、まったく健全じゃないもんね。人とか死ぬし。  というか、このドラマ、中盤を過ぎて俄然、不穏な空気が漂ってきました(過去のレビューはこちらから)。不穏というか、薄気味悪いです。このドラマの作り手が何をどこまでコントロールしているのか、底が知れなくて気持ち悪い。  正体不明の貴族探偵を演じる嵐・相葉雅紀の芝居も、ここまで抑えてきた分、どんな振る舞いを見せられても「何か含みがありそうだ」と思わされて、すんごく気持ち悪い。  クール初の2話構成となった5・6話以降、物語は「貴族探偵とは何者か」という物語の縦軸を語り始めながら、少しずつ「貴族探偵対女探偵」という単話としてのフォーマットを崩し始めました。第7話では1年前の回想として「女探偵」を高徳愛香(武井咲)ではなく、その師匠である故・喜多見切子(井川遥)に差し替え、今回の第8話では女探偵を容疑者とすることで事件現場から追い出し、代わりに刑事の“ハナさん”こと鼻形雷雨(生瀬勝久)が貴族探偵と対峙することになりました。  そして、冒頭から不穏です。  1カット目の前に「今夜からでも間に合う、これまでの貴族探偵」を振り返るダイジェストが流れます。「これまでの」と言いつつ、振り返るのは前回の7話で語られた切子と鼻形、そして貴族探偵の秘書・鈴木(仲間由紀恵)の説明だけです。ここだけ把握しておけばいいよ、1~6話は忘れても別に大丈夫だよ、というドラマからのメッセージなわけで、やっぱり明らかに5・6話を挟んで「ここからが本番」なわけです。 「貴族探偵第8話、お楽しみください」  そう語ってダイジェストを締めくくるのは、当初ただの便利ギアとして登場したSiri的なアプリ「Giri」。前回、このGiriは貴族探偵の指示によって秘書・鈴木がハッキングしたことが語られていますので、このダイジェストすら客観的なものではなく、疑ってかかるべき存在ということです。なんと挑発的な演出でしょう。  そうして始まった今回の推理合戦は、第1話の構造を踏襲しています。先にハナさん(第1話では愛香)が誤った推理によって貴族探偵を犯人と断定し、後に貴族探偵がそれを覆すというものです。  事件のトリックは、ほぼ原作通り。原作で女探偵が披露した推理を、代わりにハナさんがしゃべるだけです。  だけです、っていうか、だけじゃないですよ。「だけ」なんて簡単なものじゃない。女探偵・愛香を現場から追い出すためには、この人物に殺人事件の動機と証拠を与えなければならない。そんなの、超難しいに決まってる。でも、ドラマ全体の縦軸から「愛香がかつてストーカーに悩まされていた」ことを引っ張ってきて動機を与え、「落ちていたプレートをなんとなく拾う」というなんでもない行動から指紋の証拠を作ることで、実にあっさりと成し遂げてしまったので、つい「だけです」と書いてしまっただけです。  でも、これくらいの原作改変の手際のよさについては、もう驚きません。『貴族探偵』のスタッフは、これくらいやるでしょ、と思えてしまう。慣れというのは怖いもので、私たちがドラマに課すハードルは、回を重ねるごとにどんどん高くなっていきます。  ではなぜ、ここにきて愛香ではなくハナさんに推理をさせたのか。今回はそれについて考えてみたいと思います。  生瀬勝久が演じるハナさんというキャラクターは、絵に描いたようなコメディリリーフとして登場しました。クール前半を象徴するガチャ演出の象徴として、存分に暴れまわっていた。ドラマの方向性を司り、ある意味で主人公・貴族探偵より目立った存在でした。  しかし、後半のシリアス路線には、どうしても馴染むことはできません。貴族探偵が「私の正体を探るなら、命がけになる」と宣言している通り、ここからはバカを振りまいてバカ騒ぎをすればするほど、浮くことになる。安易なドラマだったら、ここでハナさんを転勤なり入院なりさせてしまうところでしょう。それでもいいんです。最終回、何もかもが終わった後に「平和だったころの象徴」としてお気楽バカなハナさんが現れれば、それはそれでカタルシスを演出することができます。  だけど、ハナさんはそうではなかった。もともと、この段階から本筋に組み込まれる存在として用意されていました。そしてこの組み込み作業も、『貴族探偵』は実に上手くやりました。フォーマットとしてあった「女探偵」というハコにハナを入れ込むだけでそれを達成できてしまう構造的な周到さと、ハナの刑事としてのプライドや勤勉さをつぶさに描いた脚本・演出と、何より俳優・生瀬勝久の凄まじい芝居の振り幅の大きさによって、すんなりとシリアス路線とハナを馴染ませてしまった。  そして、ふと思い当たるんです。このドラマは原作である短編集『貴族探偵』『貴族探偵対女探偵』(ともに集英社文庫)から、順不同にエピソードを引用してきたように見えました。しかし、当然なんですが、ランダムじゃないんです。「貴族探偵の正体に迫る」という最終回に向けて、そのオリジナル要素の起点になる第5・6話はどの事件なのか、切子との回想を語るべき第7話は、愛香の身柄を拘束し、ハナに推理させる第8話は……と、縦軸の流れに合致するような短編を選んで、それを改変しているんです。大切なことなのでもう一度書きますが、当然、これはランダムじゃない。  これまで、選ばれた原作が上手に改変されていることにばかり驚いていた私ですが、順序が逆だったんです。『貴族探偵』は、もともとドラマオリジナルの縦軸を構築し、それに合う改変が成立する短編を原作から抽出していたということです。小さなパズルの精巧さにばかり気を取られていましたが、それは、全話を通じたとてつもなく巨大なクリエイティブのごく一部だったんです。  この巨大さが、もう気持ち悪い。そんなの、ちょっと上手くできすぎだろ、と思ってしまう。人智を超えてるというか、特別な力が働いているような気がしてしまう。隅々にまで工夫が行き届きすぎてる。  例えばフジテレビは、シナリオをプリントした紙を流し込んだら、エラーを吐き出してくれる計算装置でも持っているんじゃないかというくらいです。「ここは破綻しています」「矛盾があります」と言って、端からそれを潰す最適解を提供してくれる装置。脚本家がどれだけ冒険しても、決して推理の誤りを見逃さない装置。  まあそんなシナリオ最適化装置は現存するわけないですし、現存するとしたら、それは原作者の麻耶雄嵩さん本人しかいないんでしょうけど……。 (文=どらまっ子AKIちゃん)

KAT-TUN・亀梨和也に杉本哲太が大激怒も「意味不明」!? 日テレ『ボク運』展開に賛否

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 KAT-TUN・亀梨和也主演のラブコメディドラマ『ボク、運命の人です。』(日本テレビ系)。3日放送の第8話の平均視聴率は、前回から0.4ポイントダウンの8.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。前回の自己最低を更新してしまいました。  第6話で晴れて恋人同士となり、ラブラブ状態の誠(亀梨)と晴子(木村文乃)。えてして付き合うまでのほうがドラマは盛り上がるだけに、後半ダレてこないかちょっぴり心配です……。  さて、最近まで美人局の小野寺牧子容疑者にゾッコンだった誠ですが、そのことを知った晴子の父・大地(杉本哲太)が大激怒。誠に突然「娘から手を引いてくれ」と言い放ち、自宅では誠に設置してもらったウォーターサーバーを「目障りだ!」と捨てようとします。  大地はどうやら、犯罪者に入れ込むような男に、娘を好きになってほしくないようです。その気持ちを、晴子とのシーンで「腐ったものを食べて“うまい”と言った客に、自分の店のものを褒められたら、逆に気分が悪い!」と例えています。  まあ、言ってることはわかりますが、この怒り方は、素直に「変なヤツだな」と思います。これまでオチャメに描かれてきた大地だけに、ただの変なヤツで残念です。それか、ただのキレやすい毒親です。  また、これが大地の“こじつけ”であればいいのですが、「何かと理由をつけて、娘の交際相手を反対している」というわけでもなさそうなのが、とっても厄介です。  そんな大地に擦り寄るため、大地が趣味にしているゴルフを始める誠。ある日、打ちっぱなし場で大地と鉢合わせますが、「もう2度と話しかけないでくれ」と取り合ってもらえません。  一方、大地の部下・国枝(加藤諒)がボクシングのデビュー戦へ向け、必死でトレーニングしていることを知った誠。マイナスからの起死回生を狙おうとしている部分で自分と重ね合わせ、国枝を応援します。  ついにデビュー戦を迎える国枝ですが、結果はKO負け。トレーナーに「再戦したい」と頼み込む国枝と共に「もう一度チャンスをください!」と頭を下げる誠。その光景を目撃した大地は、あっさり誠を許すことに。大地は人が変わったように誠に優しくなり、自宅に呼んで仲良く酒を酌み交わし、第8話は終了です。  むむ……、大地が激怒したのも安易だし、許したきっかけも安易……というか、よくわからない……。打ちっぱなし場や、ボクシング大会で鉢合わせたのを“運命”と認識したのか? それとも国枝の代わりに頭を下げていたことに感動したのか? それとも、国枝の代わりに頭を下げるような純粋な男だから、美人局に騙されても仕方ないと気付いたのか? はたまた、その全部なのか……? 全体的にふわ~っとしていて、大地の心の動きが全くわかりませんでした。同時に、“感動ポイント”もよくわかりませんでした。わかりやすさがウリのドラマなのに!  それはそうと、同作で晴子の同僚・三恵役を演じている菜々緒の演技が、ネット上で好評のようです。菜々緒に漂う嘘っぽい空気が、空元気な三恵に会っているのでしょう。“西川貴教と付き合ってたレースクイーン”から、いつの間にか“売れっ子CMタレント”にランクアップしていた菜々緒ですが、コメディエンヌとしての需要も増えそうですね! (文=どらまっ子TAMOちゃん)

選抜総選挙とリンクする!?  松井珠理奈、念願の1位獲得は目前か『豆腐プロレス』

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テレビ朝日系『豆腐プロレス』番組サイトより
 選抜総選挙期間中のAKB48の一部メンバーが出演中の『豆腐プロレス』(テレビ朝日系)も、ついに第20話に突入。今回は元チャンピオン、ハリウッドJURINA(SKE48松井珠理奈)の試合をクローズアップ。  ハリウッドJURINAは、世界最大のプロレス興行団体WWZと接触した際の様子が写真に撮られ、新聞の一面で移籍が報じられてしまう。WIP(ワールド・アイドル・プロレスリング)でともに切磋琢磨してきたメンバーたちにも釈明するが、「信用できるか!」とユンボ島田(AKB48島田晴香)に一蹴されてしまう。緊急記者会見で世間に対しても釈明を行おうとするが、言葉を詰まらせ、ファンたちの信用も失ってしまうのだった。  アイドルは、自身のスキャンダルが報じられると、公式サイトや各種SNSで謝罪・釈明のコメントを掲載することが多い。先日、友人の誕生日会に参加するAKB48の小嶋真子の画像が流出した。その友人がジャニーズJr.のメンバーだったこともあり、大きく話題になった。小嶋は、これに対して釈明のコメントを画像形式でツイート。乃木坂46の元メンバー橋本奈々未は、週刊誌でソニーミュージックの取締役との関係が報道され「隠さなければならない事実は何もない」との主旨のコメントを掲載している。事務所との契約も終了しているはずの元芸能人が、かつて所属していたグループの公式サイトにコメントを掲載するのは異例だ。  くしくも、この放送の前後に、HKT48メンバーのインスタグラムのプライベートアカウント、いわゆる“裏垢”のキャプチャ画像が流出し、これもネット上で大きく話題になっている。さすがに、この流出を読んでの展開ということはないだろうが、劇中の「言葉じゃなくて、試合で証明しろ」という矢崎英一郎(渡辺いっけい)のセリフは、AKB48グループの現在とつながるようなシーンだった。  WIP会長の矢崎は、ハリウッドJURINAに対し「プロレスラーは、試合でその気持ちを伝えろ」と言い、マックス中井(NGT48中井りか)との試合の前に特別試合を設ける。対戦相手は、なんとWWZのチャンピオン、デビー・コング(ナイラ・ローズ)。彼女を演じるナイラ・ローズは、実際に日本のプロレス界でも活躍しているプロレスラー。あまりにも規模の違う相手に立ち向かうことを余儀なくされ、ハリウッドJURINAの全力のエルボーもデビー・コング相手にはまったく効かず、軽々と持ち上げられてしまう。 「もう……いつまで続くの?」とリングサイドのマックス中井が言うように、1時間が経過するも、まだ決着はつかない。なんとか3カウントを回避するハリウッドJURINAだが、体力はほとんどなく、絶体絶命。 「試合開始から3時間が経過しました……!」というアナウンスとともに、試合は泥沼の消耗戦へ。デビーはハリウッドJURINAを持ち上げ、「WIPがなんだ? しょせんお遊び集団だろ」と大技をハリウッドJURINAに食らわせる。ヘロヘロでアイドルとは思えない表情のハリウッドJURINAだった。  いてもたってもいられなくなったユンボ島田が、リングサイドに駆け寄り叱咤する。ハリウッドJURINAは「WIPは、お遊び集団じゃない!」とリングの上で絶叫し、アントニオ猪木がモハメド・アリとの異種格闘技戦で使った「アリキック」のように、ローキックで左脚一点を集中攻撃。最後は、テキサスクローバーホールドにデビーがギブアップし、ハリウッドJURINAの勝利。小さな体格のハリウッドJURINAがあまりに体格の違う大きな外国人選手に立ち向かい、不屈の精神力で勝利を収めるという大逆転の展開には胸が熱くなった。  松井珠理奈は、これまで各所で同ドラマの出演をきっかけに、プロレスが好きになったと語っている。この「ハリウッドJURINA」というキャラクターが、松井自身にとって大きな転換点となっているのだろう。  すでに投票期間がはじまり、6月17日にその結果が発表される「AKB48 49thシングル選抜総選挙」。ハリウッドJURINAを演じた松井珠理奈と、これまでも数多くの名勝負をドラマ中で繰り広げてきたユンボ島田役の島田晴香は、このポスター、アピールコメント動画双方を、それぞれが演じたハリウッドJURINA、ユンボ島田のコスチュームで撮影。2人にとって、『豆腐プロレス』がどれだけ大きいものかを物語っている。  今回の選抜総選挙の速報順位では、人気メンバーを差し置いて、NGT48も荻野由佳が大躍進し1位に躍り出た。ほぼ無名のメンバーの1位発進を各種メディアは大々的に取り上げているが、実は2位に松井珠理奈がランクインしている。  これまで本命といえば、HKT48指原莉乃か、AKB48渡辺麻友だった。松井珠理奈も予想では毎回本命視される存在ではあったものの、松井の得票数はここ数年の2人のそれに遠く及ばない。  しかし、速報とはいえこの2人の上に立ったということは、それだけの人気を獲得しているとみていいだろう。この勢いは『豆腐プロレス』でのハリウッドJURINAとしての活躍とは無関係ではないはず。果たして松井は、ついに1位になることができるのか。  選抜総選挙の開票結果が明らかになる6月17日の夜も、22話が放送予定。その前にあたる次回は、主人公のチェリー宮脇(HTK48宮脇咲良)と、同じ錦糸町道場でチェリー宮脇の父、故・ウロボロス洋平のもとで練習を積んできたロングスピーチ横山(AKB48横山由依)の対戦が放送される。選抜総選挙とその熱気に呼応するように、熱い展開を見せていく『豆腐プロレス』。どんな結末が待っているのだろうか。 (文=MC内郷丸)