『母になる』『フラ恋』失敗の日テレが絶不調! 『あなそれ』波瑠は他人事! フジ月9は再起不能……春ドラマランキング

 続々と最終回を迎えた春ドラマ。視聴率をランキング形式で振り返ります。

上位がテレ朝だらけ

『母になる』『フラ恋』失敗の日テレが絶不調!『あなそれ』波瑠は他人事! フジ月9は再起不能……春ドラマランキングの画像1
テレビ朝日公式サイトより
 まず、平均視聴率のトップ10は以下の通り(ビデオリサーチ調べ、関東地区/クールまたぎの連ドラは除く)。 1位『緊急取調室』(テレビ朝日系)13.9% 2位『小さな巨人』(TBS系)13.5% 3位『警視庁・捜査一課長』(テレビ朝日系)12.2% 4位『警視庁捜査一課9係』(テレビ朝日系)11.5% 5位『あなたのことはそれほど』(TBS系)11.2% 6位『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』(フジテレビ系)10.5% 7位『ボク、運命の人です。』(日本テレビ系)9.5% 8位『母になる』(日本テレビ系)9.2% 9位『リバース』(TBS系)8.8% 10位『貴族探偵』(フジテレビ系)8.6%  トップは、天海祐希主演『緊急取調室』のシーズン2。脚本は『白い巨塔』(フジテレビ系)の井上由美子。田中哲司、でんでん、大杉漣といったベテラン俳優陣の演技は安定感抜群。数字はシーズン1を上回り、視聴者満足度も今期トップと言えそうです。  昨年10月クールのフジの主演ドラマ『Chef~三ツ星の給食~』が大コケし、株が暴落していた天海ですが、同作であっさり復活。やっぱり、大物役者がフジに出るのって、リスキーですね……。  また、“妻と離婚協議中の管理官”という役どころを演じた田中ですが、私生活では不倫現場が報じられました。もし、水面下で妻・仲間由紀恵との離婚話が出ていたとしたら、絶妙にドラマとリンクしていたことになりそうです。  2位は長谷川博己主演の日曜劇場『小さな巨人』。ネット上では、「話の辻褄が合わない」「女性たちの扱いが雑過ぎ」「和田アキ子の演技が下手すぎ」「須藤課長役の神野三鈴の演技が酷い」などと、何かと批判的な意見も多かった同作ですが、結局は『半沢直樹』同様に香川照之の“顔芸”が全部持っていった感がありました。  ちなみに、同枠前クールで「キムタクにしては悪い」「TBSとしては失敗」などと散々揶揄された木村拓哉主演『A LIFE~愛しき人~』は、全話平均14.5%。『小さな巨人』の数字はこれを下回るものの、「好調」「人気」と報じられてますから、なんだかキムタクがかわいそうになってしまいました。そりゃあ、車で考え事もしちゃいますよ……。

『あなそれ』爆上げも、波瑠が炎上

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TBS公式サイトより
 3位と4位は、テレ朝の内藤剛志主演『警視庁・捜査一課長』と、渡瀬恒彦&V6・井ノ原快彦主演『警視庁捜査一課9係』。タイトルがとっても似ている同作ですが、仲良く並んでランクインしました。  12年間に渡り渡瀬と井ノ原がコンビを組んできた『警視庁捜査一課9係』ですが、撮影中の3月に渡瀬が多臓器不全のため死去。渡瀬の代役は立てず、第2話からは井ノ原に主演が移りました。  最終回の歯切れの悪い終わり方に、ネット上で賛否両論が巻き起こったほか、「渡瀬さんの存在感は大きすぎた」「大黒柱を失った家みたい」という声も。次のシーズンが正念場となりそうです。  5位は、最終回で平均視聴率14.8%まで急上昇した波瑠主演の不倫ドラマ『あなたのことはそれほど』。ラブホテルにホイホイついていく主人公の“お花畑不倫”が話題となりました。  また、最終回前日、波瑠がブログで「(美都)に天罰が下る? なんだかうまく収まる? どっちでもいいかな。自分とは関係ない夫婦のことだもの」と、まるで他人事のように綴ったため、視聴者が興醒め。「見ている人の気持ちを考えて」「プロ意識はないの?」「好きで見てたけど、一気に醒めた」といった批判が相次ぎました。

日テレは全作1ケタ

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 今期は、6位の小栗旬主演『CRISIS』までが全話平均で2ケタを記録。ここに日テレは入ることができませんでした。  日テレといえば、北川景子主演『家売るオンナ』や、石原さとみ主演『地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子』を放送してきた水曜ドラマ枠の好調ぶりが話題ですが、今期の沢尻エリカ主演『母になる』は、数字・評判共に微妙。  開始当初は、誘拐された子どもを保護したOL(小池栄子)が、自分の子どもと偽って育て続ける、という衝撃的な設定が話題を呼びましたが、進めど進めど視聴者が期待するような展開は見られず。後半にいくにつれ「え? これ、なんのドラマなの?」と視聴者が混乱する事態となりました。  また、最終回では、主人公が育ての親に「育ててくれてありがとう」と感謝を伝えるシーンも。いやいや、犯罪を許しちゃダメでしょ……。  10位は、嵐・相葉雅紀主演の“月9ドラマ30周年記念作品”『貴族探偵』。フジテレビのドラマ班が全力で挑んだ意欲作ですが、月9ブランドの崩壊、視聴者の“嫌フジ”意識、「月9は若者が見る枠」というイメージ、「どうせジャニーズでしょ?」という意識……などが邪魔して、数字は伴いませんでした。ああ、もう見てられないよ。月9やめちゃえよ……。  とはいえ、トップ10に入っただけマシといえるかもしれません。下には、「面白かったんだか、面白くなかったんだかわからない」と評判の綾野剛主演『フランケンシュタインの恋』(日本テレビ系)や、「女性らしさの押し付け」という意味でかなりフジらしい桐谷美玲主演『人は見た目が100パーセント』(フジテレビ系)、そして、全話平均5.3%という地獄のような数字を叩き出し、観月ありさの足下が埋まってしまいそうな『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』(同)など、大コケ作がひしめき合っています。  というわけで、日テレの不調が目立った今クール。日刊サイゾーでは、7月クールも“芸能プロやテレビ局との癒着一切なし!”のもぎたてレビューを毎週お届けします。お楽しみに! (文=どらまっ子TAMOちゃん)

『母になる』『フラ恋』失敗の日テレが絶不調!『あなそれ』波瑠は他人事! フジ月9は再起不能……春ドラマランキング

 続々と最終回を迎えた春ドラマ。視聴率をランキング形式で振り返ります。

上位がテレ朝だらけ

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テレビ朝日公式サイトより
 まず、平均視聴率のトップ10は以下の通り(ビデオリサーチ調べ、関東地区/クールまたぎの連ドラは除く)。 1位『緊急取調室』(テレビ朝日系)13.9% 2位『小さな巨人』(TBS系)13.5% 3位『警視庁・捜査一課長』(テレビ朝日系)12.2% 4位『警視庁捜査一課9係』(テレビ朝日系)11.5% 5位『あなたのことはそれほど』(TBS系)11.2% 6位『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』(フジテレビ系)10.5% 7位『ボク、運命の人です。』(日本テレビ系)9.5% 8位『母になる』(日本テレビ系)9.2% 9位『リバース』(TBS系)8.8% 10位『貴族探偵』(フジテレビ系)8.6%  トップは、天海祐希主演『緊急取調室』のシーズン2。脚本は『白い巨塔』(フジテレビ系)の井上由美子。田中哲司、でんでん、大杉漣といったベテラン俳優陣の演技は安定感抜群。数字はシーズン1を上回り、視聴者満足度も今期トップと言えそうです。  昨年10月クールのフジの主演ドラマ『Chef~三ツ星の給食~』が大コケし、株が暴落していた天海ですが、同作であっさり復活。やっぱり、大物役者がフジに出るのって、リスキーですね……。  また、“妻と離婚協議中の管理官”という役どころを演じた田中ですが、私生活では不倫現場が報じられました。もし、水面下で妻・仲間由紀恵との離婚話が出ていたとしたら、絶妙にドラマとリンクしていたことになりそうです。  2位は長谷川博己主演の日曜劇場『小さな巨人』。ネット上では、「話の辻褄が合わない」「女性たちの扱いが雑過ぎ」「和田アキ子の演技が下手すぎ」「須藤課長役の神野三鈴の演技が酷い」などと、何かと批判的な意見も多かった同作ですが、結局は『半沢直樹』同様に香川照之の“顔芸”が全部持っていった感がありました。  ちなみに、同枠前クールで「キムタクにしては悪い」「TBSとしては失敗」などと散々揶揄された木村拓哉主演『A LIFE~愛しき人~』は、全話平均14.5%。『小さな巨人』の数字はこれを下回るものの、「好調」「人気」と報じられてますから、なんだかキムタクがかわいそうになってしまいました。そりゃあ、車で考え事もしちゃいますよ……。

『あなそれ』爆上げも、波瑠が炎上

『母になる』『フラ恋』失敗の日テレが絶不調!『あなそれ』波瑠は他人事! フジ月9は再起不能……春ドラマランキングの画像2
TBS公式サイトより
 3位と4位は、テレ朝の内藤剛志主演『警視庁・捜査一課長』と、渡瀬恒彦&V6・井ノ原快彦主演『警視庁捜査一課9係』。タイトルがとっても似ている同作ですが、仲良く並んでランクインしました。  12年間に渡り渡瀬と井ノ原がコンビを組んできた『警視庁捜査一課9係』ですが、撮影中の3月に渡瀬が多臓器不全のため死去。渡瀬の代役は立てず、第2話からは井ノ原に主演が移りました。  最終回の歯切れの悪い終わり方に、ネット上で賛否両論が巻き起こったほか、「渡瀬さんの存在感は大きすぎた」「大黒柱を失った家みたい」という声も。次のシーズンが正念場となりそうです。  5位は、最終回で平均視聴率14.8%まで急上昇した波瑠主演の不倫ドラマ『あなたのことはそれほど』。ラブホテルにホイホイついていく主人公の“お花畑不倫”が話題となりました。  また、最終回前日、波瑠がブログで「(美都)に天罰が下る? なんだかうまく収まる? どっちでもいいかな。自分とは関係ない夫婦のことだもの」と、まるで他人事のように綴ったため、視聴者が興醒め。「見ている人の気持ちを考えて」「プロ意識はないの?」「好きで見てたけど、一気に醒めた」といった批判が相次ぎました。

日テレは全作1ケタ

『母になる』『フラ恋』失敗の日テレが絶不調!『あなそれ』波瑠は他人事! フジ月9は再起不能……春ドラマランキングの画像3
 今期は、6位の小栗旬主演『CRISIS』までが全話平均で2ケタを記録。ここに日テレは入ることができませんでした。  日テレといえば、北川景子主演『家売るオンナ』や、石原さとみ主演『地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子』を放送してきた水曜ドラマ枠の好調ぶりが話題ですが、今期の沢尻エリカ主演『母になる』は、数字・評判共に微妙。  開始当初は、誘拐された子どもを保護したOL(小池栄子)が、自分の子どもと偽って育て続ける、という衝撃的な設定が話題を呼びましたが、進めど進めど視聴者が期待するような展開は見られず。後半にいくにつれ「え? これ、なんのドラマなの?」と視聴者が混乱する事態となりました。  また、最終回では、主人公が育ての親に「育ててくれてありがとう」と感謝を伝えるシーンも。いやいや、犯罪を許しちゃダメでしょ……。  10位は、嵐・相葉雅紀主演の“月9ドラマ30周年記念作品”『貴族探偵』。フジテレビのドラマ班が全力で挑んだ意欲作ですが、月9ブランドの崩壊、視聴者の“嫌フジ”意識、「月9は若者が見る枠」というイメージ、「どうせジャニーズでしょ?」という意識……などが邪魔して、数字は伴いませんでした。ああ、もう見てられないよ。月9やめちゃえよ……。  とはいえ、トップ10に入っただけマシといえるかもしれません。下には、「面白かったんだか、面白くなかったんだかわからない」と評判の綾野剛主演『フランケンシュタインの恋』(日本テレビ系)や、「女性らしさの押し付け」という意味でかなりフジらしい桐谷美玲主演『人は見た目が100パーセント』(フジテレビ系)、そして、全話平均5.3%という地獄のような数字を叩き出し、観月ありさの足下が埋まってしまいそうな『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』(同)など、大コケ作がひしめき合っています。  というわけで、日テレの不調が目立った今クール。日刊サイゾーでは、7月クールも“芸能プロやテレビ局との癒着一切なし!”のもぎたてレビューを毎週お届けします。お楽しみに! (文=どらまっ子TAMOちゃん)

最終回までズルズル7.3%の『フランケンシュタインの恋』綾野剛、川栄李奈ら役者陣の奮闘むなしく……

最終回までズルズル7.3%の『フランケンシュタインの恋』綾野剛、川栄李奈ら役者陣の奮闘むなしく……の画像1
日本テレビ系『フランケンシュタインの恋』番組サイトより
 日曜ドラマ『フランケンシュタインの恋』(日本テレビ系)も最終回。視聴率は7.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)となりました。初回こそ11.2%と、それなりの好スタートでしたが、2話目で一気に7.3%まで下げると、あとはそのままズルズルといった感じです。第6話のレビューで「魅力的なのに全然面白くない」と書きましたが(記事参照)、その印象は最後まで変わりませんでした。そんなわけで、振り返りです。 ■脚本家が主人公に寄り添ってないのです。  さて、この最終回は、第1話で森から街へ降りた怪物が、森に帰る話でした。  120年を森で孤独に生きてきた怪物(綾野剛)は、人間社会に降りることによって変容を与えられ、自らの菌を培養・研究することで人間の役に立つという役割を与えられました。そうして不老不死の命を生きていく理由を与えられました。  与えられました。  というのが、このドラマ全話に通底する「怪物の描き方」でした。怪物は、何かを自らの決意や努力によって勝ち取ったわけではありません。街へ降りたのもラジオに出演したのも、誰かにそそのかされただけですし、最終的な役割もあくまで環境の変化や別の登場人物たちの積極的な働きかけによって「与えられた」にすぎない。ここに、このドラマの特徴があるように思います。  常に制作サイドが「与える側」であるという立ち位置が、そのまま画面から伝わってくるんです。脚本が、主人公である怪物に、まるで寄り添ってない。継実ちゃんには、もっと寄り添ってない。「不治の病」で悲劇を与えて、その後に「奇跡の治癒」を与える段取りの大雑把さを見るにつけ、命そのものさえ軽視しているように見える。  そうしてキャラクターたちを上位の立場から俯瞰して描いているうちに、私たち視聴者もいつの間にか「与えられる側」として扱われている気がしてきます。話が頭に入ってこないし、「貴様は神になったつもりか!?」と言いたくなる。  その象徴が、前半に多くの時間を割いて描かれたラジオパートです。怪物をラジオに呼んで、そのたびに「人間とは何か」みたいなことが、脚本家の言葉によって定義づけられてきました。  ラジオには、とことん寄り添ってるんですよね。ラジオでの天草(新井浩史)の言葉や行動には、もはや寄り添っているというより、寄りかかっていると言ってもいいくらいです。最終回にも天草の説教がたっぷり挿入されたあたり、この作り手たちが言いたいことは結局ラジオにすべて託されていたと感じます。そう考えれば、ヘビーリスナーだった怪物はまだしも、ラジオと一切関係のないヒロイン継実についての描写がおざなりなのも、むべなるかなといったところです。  それにしても継実ちゃん、見せ場なさすぎでしょ……。初回と120年前のサキを演じた第9話以外は、困り顔で立ち尽くして、たまに「深志さんが好き」とか言うだけ。それしか仕事がなかった二階堂ふみは、「これでギャラもらっていいのかいな?」とか思ってるんじゃないでしょうかね。変な服もたくさん着させられたし、ギャラもらっていいと思いますけど。 ■SFについてはもういいや、それより川栄李奈でしょう  このレビューでは、さんざんSF的な設定ゴケがひどいという話をしてきましたが、最終的に「未知の菌によって遺伝性疾患が根治する」「そして、それが恋の力」みたいな、とんでもないトンデモをブッ込んできたので、もう特に意見はないです。SFはSFに情熱のある人だけがやってほしいなと思う限りです。  それより、川栄李奈です。まあ、すごくよかった。かわいかったし、カッコよかった。  最終回で山に入っていく怪物を見送ったときの「これは仲間の挨拶だ」と言いながらのハグなんてね、最高じゃないですか。このセリフには、魂こもってるじゃないですか。  川栄の演技スキルが確かなことはもちろんですが、所属する工務店が唯一、この作品でリアリティを保てていた舞台であったことも功を奏したと思います。脚本家が得意なスケール感というのが、この工務店内くらいなんだろうな、と感じるんです。現代の8人くらいの集合体、という規模であれば、濃密な人間を描ける。個性も関係性も描ける。  川栄が演じたのは室園美琴という家出少女でした。町で工務店の社長(光石研)に拾われて雇われた美琴は、この工務店にとって怪物より先に来た“異物”だったのです。美琴をフックにすることで工務店と怪物をつなぐという脚本のプランは冴えていたと思うし、川栄も要求によく応えたと思います。怪物も、継実と話しているときより美琴と接しているときのほうが、よほど生き生きして見えました。  重ね重ね、不憫なのは二階堂ふみです。 「私は、津軽継実であり、サキさんです。あなたが好きです、120年前から」  なんてセリフ、どんな顔で言えばいいというのか。快活で好奇心旺盛で積極的だった第1話の継実はなんだったのか。ああ不憫。これでテレビドラマに愛想を尽かさないといいなと願うばかりです。 ■何をおいても綾野剛  正直、開始前から企画とキャスティングを見て「おもしろそう!」と思っていたんです。綾野剛がフランケンシュタインの怪物で、二階堂ふみと恋するラブコメだと聞いていましたし、第1話も完全にそのような出来でしたので、「これはいいぞ~」と書いたのが(記事参照)ずいぶん昔のように感じられます。  以降、ぶーぶー言いながらも見放せなかったのは、やはり綾野剛の存在感によるものでした。  ダークヒーロー然とした登場から始まり、キュートだったり悲しそうだったり、困惑したり堂々としたり、最終回の「僕は人間の役に立てるんですね」という泣きのシーンでは、こちらまで涙きちゃう感じ。物語の整合性についての疑問を、「綾野がこういう芝居をするということは、ここはこういうことで納得してほしいんだな」と納得させてしまう強度の高い演技だったように思います。すごいと思う。もともと好きなんでひいき目はあると思いますが、いやーホントにすごいよ。すごいよね。  そういうわけで、なんか全体的にモヤっとしたレビューになってしまいました。「魅力的だけど面白くない」と感じたドラマについて、なんで「魅力的だけど面白くない」と感じたのかを考えるのは、すごく難しいと思いました。今後はぜひとも「魅力的で面白い」ドラマをよろしくお願いいたします。はい。 (文=どらまっ子AKIちゃん)

宮脇咲良と松井珠理奈、次世代を担うのはどっち!? 最終回直前『豆腐プロレス』

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テレビ朝日系『豆腐プロレス』番組サイトより
 NMB48須藤凛々花の壇上での結婚宣言が大きな話題となった、総選挙翌週の『豆腐プロレス』(テレビ朝日系)第23話。タイトルは「思えば豆腐に来たもんだ」。  待ちに待った「OVER THE TOP」の決勝戦。勝ち上がったのは、主人公のチェリー宮脇(HKT48宮脇咲良)と、WIP(ワールド・アイドル・プロレスリング)のスター選手・ハリウッドJURINA(SKE48松井珠理奈)である。  チャンピオンベルトを持ち帰ったチェリー宮脇が父親のもとに優勝を報告しようと家に入ると、いつもあったはずの練習用のリングがなくなっている。そこにロングスピーチ横山(AKB48横山由依)が「朝ごはんやで」とおからを差し出してくる。横山にベルトを見せて優勝を報告しようとするが、なぜかベルトが腹巻きになっている。そのあと携帯電話の着信音が鳴る。横山は、その携帯電話を差し出そうとするが、宮脇が受け取ろうとするとその手をかわし、宮脇に取らせまいと動き回る。  しかし、これは宮脇の夢。起きて携帯電話の着信に出ると、横山が。「入り口がわかりにくいから迎えに行こうか。いまどこ?」「家……!」この日は決勝戦の調印式だったのだが、宮脇は寝坊してしまっていたのだ。ギリギリで会場へやってきた汗だくの宮脇に、ハリウッドJURINAは「やっとここまで来たね」と声をかける。  伝説のプロレスラー・ウロボロス洋平(菅原大吉)の娘の宮脇は、プロレスが大嫌いだったが、父の死をきっかけにプロレスをやることを決意。もともとは、WIPの矢崎英一郎(渡辺いっけい)に自宅でもある錦糸町道場を奪われないようにするためのプロレスであったが、もうここまで来るとそんなことは忘れるほどに、宮脇はプロレスにのめり込んでいく。特にハリウッドJURINAに憧れ、いずれリング上で戦いたいと口にしていたが、デビュー戦からわずか半年でその憧れのハリウッドJURINAと対戦することになったのである。  21話で、同門の錦糸町道場メンバー・ロングスピーチ横山に勝利し決勝に駒を進め、リングでは「本当のことだけがプロレスなんだ!」と言ってのけたチェリー宮脇。この言葉に呼応するように、「嘘も本当も飲み込んだ、私がプロレスだ!」と叫んだハリウッドJURINAだったが、一回戦でイケメン百花(NMB48木下百花)にまさかの敗北。敗者復活戦で、7人のレスラーたちを蹴落としてここまで上り詰めた。  チェリー宮脇を演じる宮脇と、ハリウッドJURINAを演じる松井は、先の『AKB48 49thシングル選抜総選挙~まずは戦おう!話はそれからだ~』の投票券がついた48thシングル「願いごとの持ち腐れ」(キングレコード)でダブルセンターを務めているが、劇中での2人は対照的だ。  宮脇は決戦前夜、錦糸町道場のメンバーたちと湯豆腐の鍋を囲む。そこではメンバーたちから寄せ書きの入ったマントのプレゼントが。しかもそこにはメンバーたちだけでなく、かつて錦糸町道場で寝食をともにした、今はヒール役に徹するブラックベリー向井地(AKB48向井地美音)の「地獄に堕ちやがれ!」という寄せ書きも。同じ高校で親友だった2人だが、向井地がヒールに転向した理由も「ヒールが居るからこそスターが輝く」ということに気づいたからであった。宮脇と向井地の関係がプロレスらしい形で表現されたシーンだといえるだろう。  そのマントを羽織って決勝のリングに上がる宮脇だったが、その足取りは緊張で震え、試合が始まっても本領発揮とは程遠い動きだ。容赦ないハリウッドJURINAの徹底的な攻撃に、チェリー宮脇は失神してしまうというところで今回は終了する。  今回は、過去のシーンなども数多く登場し、いままでのお話の流れをまとめたダイジェスト。それ故、毎回一回の放送で試合が完結していたここ最近の放送と比べると盛り上がりに欠けていたというのが率直な感想だ。さらに言えば、チェリー宮脇が決勝の調印式に遅刻するくだりよりも、試合そのものを長く観ていたかったなとも思った。あくまで最終回へ向けての“フリ”という感じだろうか。  しかし、いいニュースもある。豆腐プロレスが実際に興行を行うことが報道された。しかも「豆腐プロレス」に出場したメンバーだけでなく、新規メンバーも興行に参加するとのこと。北海道出身でグラビアにもよく登場するスタイルの持ち主のAKB48川本紗矢は、そんな本人のキャラクターからか「モーモー川本」、『くりぃむクイズ ミラクル9』(同)で準レギュラー出演中のAKB48大家志津香は「ミラクルしづか」というリングネーム。ほかにも、チーム8メンバーからはAKB48小田えりな、台湾オーディションで合格したAKB48馬嘉伶など、ベテランから若手まで、14人のメンバーが新たにこの興行に参加することが発表されている。  興行が行われるのは8月29日。同ドラマでユンボ島田を演じた島田晴香は9月をメドに卒業する予定だとしていたが、おそらくこの興行のためだろう。  アイドル×プロレスという意外な組み合わせに賛否はあったものの、ついにプロレスイベントを開催するに至った『豆腐プロレス』。この興行ももちろん楽しみだが、果たしてどんな試合が最終回を飾るのか。楽しみにして次回を待とう。 (文=MC内郷丸)

『SRサイタマノラッパー~マイクの細道~』最終話 祭りを終えたSHO-GUNG、これからどーする!?

『SRサイタマノラッパー~マイクの細道~』最終話 祭りを終えたSHO-GUNG、これからどーする!?の画像1
テレビ東京系『SRサイタマノラッパー~マイクの細道~』番組サイトより
 テレ東や ラッパーどもが 夢のあと。  地方都市で燻り続ける30男たちが、ダラダラした青春にケジメをつけるために東日本を縦断した深夜ドラマ『SRサイタマノラッパー~マイクの細道~』も今回が最終話。川崎クラブチッタでの初ステージというサイコーの祭りを終えた直後の高揚感と地味な日常へと帰っていく侘しさが入り交じった珠玉のエンディングとなった。  毎週流れたライムスターが歌う主題歌は、今回は特別バージョンの「SR Remix」。オープニングからスペシャル感が漂っている。前回から引き続き、「SHO-GUNG」のチッタでのライブが臨場感たっぷりに映し出される。1曲目の『SRサイタマノラッパー』のテーマ曲で観客の心をつかんだIKKU(駒木根隆介)、TOM(水澤紳吾)、MIGHTY(奥野瑛太)たち。DJの和夫(ロベルト吉野)はすでに汗だくになっている。 IKKU「誰も知らないと思うが、俺がレペゼンサイタマのMC IKKUだ。とうとう辿り着いたぜ、川崎クラブチッタ!」  IKKUのマイクアピールと共に、兄タケダ先輩(上鈴木伯周)がつくってくれた新曲『マイクの細道』の多幸感あふれる前奏がチッタに流れる。2曲目の立ち位置を失念していたのか、トーコ(山本舞香)がIKKUに促され、カブラギ(皆川猿時)の横に並ぶ様子がすごくリアルだ。 IKKU「チャンスとマイクは自分でつかむ♪」 TOM「俺たちサイコーのバカだな。やっぱり仲間は宝だからな♪」 MIGHTY「叫び続けるのが男の性。今度こそ咲かせてみせますブロの花♪」  カブラギ役の皆川猿時は「グループ魂」でライブ慣れしているが、今回は「SHO-GUNG」の盛り上げ役に徹している。トーコ役の山本舞香が「たくさん感謝です。ありがとう!」と叫ぶ台詞には実感がこもっている。会場にはアユム(山田真歩)とアユムの夫(川瀬陽太)もいる。アユムは「SHO-GUNG」の晴れ舞台に今にも泣き出しそうだ。「極悪鳥」の元リーダー・大河(橘輝)はいちばん後ろで見ている。自分たちが立てなかったチッタのステージに、あいつらはかっこ悪く這いつくばりながらも上がってみせた。 SHO-GUNG「ひとりで ふたりで 三人で、トラックと家出ガールと みんなで巡った細道♪ あいつとあいつとあいつと出逢った細道♪ マイクとマイクとマイクと旅した細道♪」  会場を埋め尽くしていた観客たちには、2曲目から演出部のGOサインが出たのだろう。セーブすることなく盛り上がり始める。フィクションと現実がシンクロする。ステージとオーディエンスが一体化した幸せな時間が過ぎていく。 SHO-GUNG「勝負、勝負! SHO-GUNG、SHO-GUNG! 俺たちなりの最終回、もう間もなく最終回♪」  かませ犬たちの宴は終わった。たった2曲きりだったけど、自分たちのすべてを出し切った至福の時間だった。息も絶え絶えにステージを降りたIKKUは、観客たちから握手を求められる。「ねぇねぇ、CDとか売ってないの?」と尋ねられ、初めてのスター気分を味わうサイタマのラッパー。でも、それも一瞬。次のステージがすぐに始まり、IKKUを取り巻いていた観客たちは走り去ってしまう。  ライブ翌日、カブラギが運転するカブラギ号に乗って、トーコは大間の実家、和夫さんは猪苗代のヒップホップ寺へとそれぞれの日常に戻っていく。IKKU、TOM、MIGHTYはそれまで見せたことのなかったサイコーにいい表情でカブラギ号を見送る。そして、IKKUたちも長い長い旅を終え、自分たちの青春に終止符を打つ時間が迫っていた。  埼玉県のフクヤ駅に戻ってきたIKKUたち。ラストシーンは劇場版『SR』三部作と同じように、ラップの長回しで締めくくられる。延々と続く6分間にわたるIKKU、TOM、MIGHTYの即興ラップ。このシーンが終われば、IKKU、TOM、MIGHTYだけではなく、10年間にわたって同じ役を演じてきた駒木根隆介、水澤紳吾、奥野瑛太の3人もそれぞれの役とお別れとなる。 MIGHTY「SHO-GUNG、これからどーする? SHO-GUNG、これからどーする?」  名残を惜しむように、別れ際に振り返ったMIGHTYがもう一度、IKKUとTOMへラップで問い掛ける。MIGHTYが放ったこのリリックは、IKKUとTOMだけでなく、生みの親である入江悠監督にも、そして『SRサイタマノラッパー』を見続けてきたファンに向かっても投げ掛けているかのようだ。  かくして「SHO-GUNG」の旅は終わった。深夜ドラマとして全11話でオンエアされた『マイクの細道』だったが、1話につき正味20分ほどしかないためノーカットの長回しで撮ったラップシーンを毎回のように入れていくと物語はなかなか進まなかった。自由度の高い自主映画として始まった『SRサイタマノラッパー』にとっては、尺の短い深夜ドラマは必ずしも最適のフォーマットではなかったように思う。でも、クラブチッタでのライブは、自主映画では到底できない華やかなステージだった。一長一短なところも、「SHO-GUNG」らしい。  東日本を旅したIKKUたちが被災地に直接向き合ったのは第6話の1シーンだけに終わったが、現在大ヒット中のワーナー映画『22年目の告白 私が犯人です』では阪神大震災を事件の重要なモチーフとして入江監督は描いている。藤原竜也演じる主人公・曾根崎は、「酒鬼薔薇事件」の加害者・元少年Aを連想させるトリックスターだ。震災をはじめとする社会状況が、その時代を生きる人間たちの心理にどんな影響を与えるのかに入江監督は強い関心を持っている。インディーズシーンを飛び出した入江監督は『22年目の告白』をヒットさせたことで、メジャーからのオファーがますます増えるだろう。入江監督が今後撮る作品の中には、復興が進まない被災地や東京オリンピックには無縁な地方都市を舞台にした企画も俎上に上がるに違いない。  入江監督に『22年目の告白』の公開前、『SRサイタマノラッパー』の今後について尋ねたところ、「IKKUのラップがうまくなりすぎて、続けていくのが難しい」と苦笑しながら、「自主映画として撮り始めたのが10年前。(クラブチッタでライブができて)すごくいい形で区切りをつけることができた」と語った。『SRサイタマノラッパー』がこれからどうなるかは現時点では入江監督も分からず、ファンの反響次第だという。  10年前、映画監督になったものの、思うような映画を撮ることができずにもがき苦しんでいた入江監督の分身として生まれた「SHO-GUNG」だが、すでに作者である入江監督の手元を離れ、独立した生きたキャラクターとなっていた。家族に依存しきっていたデブニートのIKKUが『マイクの細道』の旅を通して精神的な自立を果たしたように、入江監督も「SHO-GUNG」もお互いにうまく距離を保った関係になったのかもしれない。  ぼくのりりっくのぼうよみのエンディング曲が流れる。いつもは仲間と一緒だったIKKUが、最終回ではひとりサイタマの田舎道を歩いている。ひとりっきりだが、以前のようなコドク感は感じられない。満開の桜並木が美しい。桃栗3年、柿8年。IKKUは30数年を費やして、ようやくひと晩だけの花を咲かせた。周回遅れからの集大成を果たしてみせたIKKUに、最後の最後にごほうびが待っていた。  IKKUの歩く道の反対側から、『SRサイタマノラッパー』(09)のヒロインだった千夏(みひろ)がキャリーケースをゴロゴロと引っぱりながら現われる。高校時代のIKKUにとっては唯一の女友達だった千夏との久々の再会。男女の関係にはほど遠い2人だが、やはりどこか波長が合うらしい。IKKUと千夏が、『男はつらいよ』シリーズの寅さん(渥美清)とリリーさん(浅丘ルリ子)の関係にダブって映る。  IKKUの「頑張れよ」という言葉に、千夏は「お前が頑張れ、バーカ」と『SR1』のクライマックスと同じ台詞を返す。同じシチュエーションでも、千夏の言葉は『SR1』のときよりちょっとだけ優しい。そのニュアンスを味わう余韻もなく、瞬く間に夢のようなIKKUの青春が終わる。でも、それはIKKUにとって新しいステージへの旅の始まりでもあった。 IKKKU「終わらねぇ、いや終わらせねぇ。ここがスタート、俺がMC IKKU。セイホー、セイホー、セイSHO-GUNG、セイSHO-GUNG……」  IKKUは『マイクの細道』を観ていた視聴者の心の中へと消えていった。 (文=長野辰次)

香川照之の大号泣にどっちらけ! 続編制作なら『半沢直樹』を! ドラマ『小さな巨人』最終回レビュー

香川照之の大号泣にどっちらけ! 続編制作なら『半沢直樹』を!ドラマ『小さな巨人』最終回レビューの画像1
TBS系『小さな巨人』番組サイトより
 長谷川博己・主演ドラマ『小さな巨人』(TBS系)がついに最終回を迎えました。その視聴率はなんと16.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と、これまで最高だった第5話の13.9%を大きく上回り、有終の美を飾りました。  次期・捜査一課長と期待されたものの、警察組織の見えざる力によって所轄に左遷させられてしまった香坂真一郎(長谷川博己)の奮闘するさまを描いてきた同ドラマ。ラストは、17年前から連綿と続く学校法人早明学園と政治家、警察組織の癒着関係、およびその裏に隠された殺人事件を暴くことがテーマになっています。  前回、早明学園の裏帳簿、つまり学園と癒着関係にある者たちの名前が記された帳簿に、かつて捜査一課で働いていた父・敦史(木場勝己)の名前を見つけたことにショックを受け、腰を抜かして驚いた香坂。長谷川博己のあまりに下手糞な演技に視聴者が度肝を抜かれたのですが、その話は脇に置いて話を進めたいと思います。  父親の辞表内容やこれまでの捜査結果から香坂は、以下のような真相を知ることになります。17年前、早明学園と現・内閣官房副長官の山田勲(高橋英樹)との癒着関係に気付いた山田の専属運転手・松山が、早明学園の裏帳簿を警察に渡すと金崎に訴えます。それを恐れた金崎が松山を崖から突き落として殺害。しかし、崖から落ちる直前に松山は裏帳簿の1ページ目を破りとり、その切れ端に金崎の血液が付着してしまったのです。  金崎が殺人罪で捕まれば、山田をはじめとした政治家や警察組織の闇も暴かれてしまう。それを阻止するために、松山の死は自殺ということで処理されました。この隠蔽の秘密を共有したことで、学園と警察組織とのつながりはより強固になったというわけです。  警察組織の汚いやり方に香坂は怒りを覚えるのと同時に、疑問を抱きます。金崎の血液が付着した裏帳簿の切れ端を、捜査一課長の小野田義信(香川照之)はなぜ今も金庫の中に大事に保管しているのかということを。そこに何かを感じ取った香坂は、正義感を盾に小野田に食らいつきます。17年前の真相を暴くため、その証拠となる裏帳簿の切れ端を渡してほしいと頼みます。それに対して小野田は「青臭い正義」と罵倒し、感情的になった結果、「殺人の証拠を捨てろと言われた」と、つい口を滑らせ隠蔽工作を認める発言をしてしまいます。そこで香坂は隠し持っていたICレコーダーを取りだし、それをダシにして捜査に協力するように脅します。  観念した小野田は、警察組織をスキャンダルから守るために殺人事件を隠蔽せざるを得なかった捜査一課長としての立場と、それを許すまじと考える正義感との間で揺れ、苦しみ続けてきたことを涙ながらに吐露します。  小野田の協力を得た香坂は金崎を任意同行するのですが、金崎は自供せず。山田も議員職を休んで雲隠れと、結局、17年前の真相はウヤムヤに。そして、所轄署長への人事異動を自ら願い出た小野田の代わりに、香坂山田が捜査一課に戻ったところでドラマは終了となりました。が、これで納得した視聴者ってどれぐらいいるのでしょうか?  悪人だと思っていた人物が、実はそうではなかった。ありがちなオチではありますが、脚本や演出が巧妙であれば大団円が期待できます。つまり、その人物が悪人にならざるを得なかった理由や、悪人に思えたのはこちらの勘違いだったのだと思わせるような巧みなストーリー構成や人物描写ができていれば、大きな効果を発揮したと思うのです。  しかし、それを小野田に当てはめるのは無理があると感じました。これまで香坂の捜査を妨害し続けてきただけに、最後の最後に“悩める捜査一課長”に変身しただけでなく、ドン引きするほどに大号泣をされても感情移入できません。しかも、17年前の事件は何も解決されないまま、香坂が捜査一課に戻り、再び出世コースに乗って終わりというのは、あまりに早急で強引な幕引きだと思いました。  ラストだけでなく、『豊洲署編』に突入してから、なんだかストーリーがごちゃごちゃになってしまった印象なんですよね。森友、加計学園問題が世間を賑わせていたため、強引にストーリーに絡ませようとしたのではないかと疑ってしまいます。ストーリーの整合性よりも話題性重視で、時事ネタを盛り込む方向へと強引に舵を切った結果、伏線投げっぱなしの駆け足ゴールになってしまったのではないでしょうか。  ただ、幸か不幸か最終回の視聴率が良かったため、これに味を占めて続編が制作されるのではないかという気がしないではないのですが、どうなんでしょう。放送枠が同じで共通のスタッフやキャストが多いことから“警察版・半沢直樹”と呼ばれていた今回のドラマ。その“本家”最終回の視聴率42.2%には遠く及ばなかっただけに、もし続編が制作されるならば『半沢直樹』の方をお願いしたいです。 (文=大羽鴨乃)

NHK『みをつくし料理帖』続編ほぼ決定も、出演者が難色?「何回も同じセリフを最初から……」

NHK『みをつくし料理帖』続編ほぼ決定も、出演者が難色?「何回も同じ台詞を最初から……」の画像1
NHK『みをつくし料理帖』番組サイトより
「放送はまだ残っているのですが、すでに打ち上げは行われました。和食の話だったのですが、打ち上げ会場はイタリアンでしたね(笑)」(NHK関係者)  黒木華がNHKで初主演を務めたドラマ『みをつくし料理帖』。役柄が料理人ということで、黒木は昨年から料理教室に通っていたという。 「魚をさばいたりするシーンも吹き替えなしで、本人が演じています。最初は料理があまり得意ではなかったようですが、今では作れない物はないっていうくらいに腕を上げたそうです。局としても、数字も評判も良かったので続編をやりたいのですが、どうも監督と出演者の人たちの反りが合わなかったみたいなんですよね」(ドラマスタッフ)  実際、ドラマを見ていると時代劇には珍しく要所要所に音楽が挿入されており、あまりにも多いという意見がネット上でも見受けられる。 「また、スタジオには4台カメラがあるのですが、監督がとにかく何回もいろんな角度から撮りたがるんです。しかも、その都度、芝居は最初からなんです。特に黒木さんは長セリフが多いので、明らかに『またですか』という表情をしてましたね。共演の安田成美さんや森山未來さんもイライラしているのが伝わってきました。スタッフの間では続編に向けて動いてはいるのですが、今の状態では、演者の人たちがすんなり首を縦に振るとは思えませんね」(芸能事務所関係者)  無事、続編の制作なるか――。

NHK『みをつくし料理帖』続編ほぼ決定も、出演者が難色?「何回も同じセリフを最初から……」

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NHK『みをつくし料理帖』番組サイトより
「放送はまだ残っているのですが、すでに打ち上げは行われました。和食の話だったのですが、打ち上げ会場はイタリアンでしたね(笑)」(NHK関係者)  黒木華がNHKで初主演を務めたドラマ『みをつくし料理帖』。役柄が料理人ということで、黒木は昨年から料理教室に通っていたという。 「魚をさばいたりするシーンも吹き替えなしで、本人が演じています。最初は料理があまり得意ではなかったようですが、今では作れない物はないっていうくらいに腕を上げたそうです。局としても、数字も評判も良かったので続編をやりたいのですが、どうも監督と出演者の人たちの反りが合わなかったみたいなんですよね」(ドラマスタッフ)  実際、ドラマを見ていると時代劇には珍しく要所要所に音楽が挿入されており、あまりにも多いという意見がネット上でも見受けられる。 「また、スタジオには4台カメラがあるのですが、監督がとにかく何回もいろんな角度から撮りたがるんです。しかも、その都度、芝居は最初からなんです。特に黒木さんは長セリフが多いので、明らかに『またですか』という表情をしてましたね。共演の安田成美さんや森山未來さんもイライラしているのが伝わってきました。スタッフの間では続編に向けて動いてはいるのですが、今の状態では、演者の人たちがすんなり首を縦に振るとは思えませんね」(芸能事務所関係者)  無事、続編の制作なるか――。

『孤独のグルメ Season6』第10話 タイアップが露骨すぎる(笑)まるで旅行番組みたいな鋸山アピール!!

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テレビ東京系『孤独のグルメ Season6』番組サイトより
 ホント、ゴローちゃんこと井之頭五郎(松重豊)ってば、商売のためなら、どこにだって足を運ぶのですね。  ええ、今回やってきたのは千葉県は富津市の浜金谷駅。東京湾フェリーの千葉県側の港のある街ではありますが、いわば地の果て。  それでも、プチ出張は苦にならないのがゴローちゃん。 「これはまた、ずいぶんと静かな駅前だ」  まだ仕事もする前からワクワク感が募ります。 「鋸山、ここだったんだ」  なんのタイアップなのでしょう? ひとまず観光案内も挿入。のんびりとした風景を存分に描いてから、本編はスタート。 「仕事先は、温泉旅館だし……なんだったら泊まっちゃうか」  独身かつ一人働きならではの、自由な生き方。ここに憧れる人も多いのでしょう。  さて、やってきた温泉旅館・かぢや旅館。  じゃらんの口コミを見たら、評価は「4」となかなかです。でも、宿泊は2名以上から。あーあ、これだから温泉旅館はイヤなんだよ。商売の都合もあるのでしょうけど、じゃらんとか楽天トラベルで紹介や口コミを見て、さあ予約しようとした時に宿泊は2名からのときのイラッとする感じ。最初から「一人客はお断り」と書いていてほしいものですな。  さてさて、旅館で待ってたのは、石川正則演じる旅館の人。商談の場となるロビーは、いろいろなものが置かれていてカオスとなっております。そんなロビーをラウンジ風に改築しようというわけで、よいコーヒー豆とコーヒーカップを求めてゴローちゃんを呼んだというわけです。  え、ゴローちゃんてば、コーヒー豆まで扱ってるんだ。マンガで仕入れた知識だと、コーヒー豆の取り扱いは高度な知識が必要だと思うのですが、すごいねゴローちゃん。あらためて尊敬ですよ。  てなわけで、商談を終えて鋸山登山を勧められるゴローちゃん。でも、スーツで登山というのもまったく合いそうになく、断念。そう、登山じゃなくて必要なのは空腹と店探しですよ。  そして、ゴローちゃんが見つけたのは「漁師めし」の文字。店の名前は「漁師めし はまべ」。なんとも、味のありそうな名前です。  ガラッと戸を引いて入る店内は、やっぱり味がある。  そんな店にいる漁師風の髭面の客が、いきなり一言絡んできます。 「この人ね、口うるさいけどね、味はうまいぞ~」  おっと、よく見れば佐藤蛾次郎ではありませんか。そして「余計なこと言ってんじゃないよ」と返してくる店の女将は松本明子。  味があるというには、濃すぎる店内です。  しかし、『男がつらいよ』が終わってから、久しぶりに佐藤蛾次郎を見たような。この人、なんでこんなに短時間でインパクトを振りまけるんだ? まあ、あまりのインパクトの強さに、そそくさとお勘定をして出演シーンは終了。最後のアドリブと思しき「うまいよっ」の一言が、やっぱりうまい。  さて、料理のほうも何を見てもうまそうです。 「アジ三昧。刺身たたきなめろうか。いい三昧だ。地魚フライ……」 「いやちょっと待て。フライが無性に気になってきた……」  さんざん悩んだ挙げ句に、地魚フライ定食がアジフライということで、これに決定。ついでに、さんが焼きも注文しようとしたら、今日は定食にさんが焼きがついているんだそうです。  さんが焼きというのは、あわびの殻になめろうを持って焼いたヤツ。漢字では山家焼きと書くそうです。  しっかし、この店はホントにできます。先に漬け物と肉じゃがの小鉢を出して、お客を期待させてくれるのです。  食べ物もうまいけど、すっかりオバサンになった松本明子がキャラ立ちしていてビックリ。こんなオバサン、定食屋によくいるよねえ。 「はい、アジフライお待たせしましたどうぞ~」 「うわっほ~ぉ!! これはでかいッ!!」  マジで視聴者が驚くようなデカさのアジフライ。こんなん、東京じゃあ絶対に食べられませんよ。 「なんてでかさだ。これが房総の底力か」  わざわざ、カバンから巻き尺を取り出して視聴者にアピールするゴローちゃん。ご飯の丼と味噌汁もデカイ。それに、タルタルソースも好きなだけ使えとばかりに、容器ごと置いてくれます。 「うわっ、何これ? フワフワ?? え~こんなアジフライって……いやぁ、びっくりした~おいしいびっくり久しぶりぃ~おぉ脂が……肉厚うますぎるこの軽さ~」  どうも松重ゴローちゃん、演技じゃなくてマジでうまかったのでしょう。そんな気持ちが伝わってくるセリフ回しです。  ちなみに、ゴローちゃんの食べ方ですが、最初はハジにちょこっとしょうゆを垂らしてから味わう。少しずつ、いろんな味を楽しもうというわけですが、そんなのなくともうまいアジフライであることが伝わってきます。  そして味噌汁。カジメ……ねばねばの海藻の味噌汁は、またうまい。そこに投入される、添え物のさんが焼き。 「う~ん、よいよい……さんが実によい。千葉の民は、よくぞなめろうを焼くという、いわば乱暴な料理を思いつきそうろう……」  こんなうまいおかずばかりで、ご飯が足りるハズもありません。  どんぶりメシのおかわりを頼むゴローちゃん。  さあ、追加ごはんと2枚目のアジフライで、さらなる満足感を目指しましょう。 「2枚目がある幸福……今はただこのアジフライを食べ続けていたい」  ここからは味変。今度はソース。そして、タルタル。  ここでまた、視聴者を驚かせる一言が!! 「うわっ、これすごくうまい!! すごくいいっひぃ!! うん、このアジ……タルタルの濃い味にもビクともしない」  さんざん満足したゴローちゃん。でも、満足したところで目に飛び込むのは「カジメ入りのしょうゆラーメン」の文字。でも、夜だけということで断念です。 「金谷の街に来て、こんなうまいアジフライ定食にありつけるとは思ってもいなかった」  競争相手の少ない田舎町だというのに、手を抜かない本気の味に満足するゴローちゃん。  今回も、視聴者にアジフライを食べさせたくする飯テロ。  でも、店を出るゴローちゃんに、松本明子がまた言うのです。 「今度よかったら、鋸山登りに来ることがあったら、また寄ってください~」  なんだ、この鋸山アピール。やっぱり、タイアップなのか? こういう露骨なタイアップは、嫌いではありません。 (文=昼間たかし)

朝ドラ『ひよっこ』でブレーク! “天然系ドジッ子”キャラで証明された、松本穂香の破壊力

朝ドラ『ひよっこ』でブレーク! 天然系ドジッ子キャラで証明された、松本穂香の破壊力の画像1
FLaMme公式サイトより
 NHK連続テレビ小説『ひよっこ』は、奥茨城村出身の谷田部みね子(有村架純)が東京で働きながら、行方不明となった父親を捜す姿を描いたドラマだ。  脚本は岡田惠和。『ちゅらさん』『おひさま』に続き、朝ドラは3本目。    1964年の東京オリンピック前後の時代を描くことで、2020年の東京オリンピックを控えた現代の空気と対峙させる試みや、饒舌すぎて前衛的な表現となっている増田明美のナレーションなど、見どころは多数あるのだが、現時点での面白さは、次々と登場する魅力的な登場人物たちだろう。  特にみね子が上京し、向島電機に就職して乙女寮で暮らすようになってからは、みね子と同じように地方からやってきた女の子が一気に増えて楽しかった。  みね子が乙女寮で同じ部屋になるのは、親友で女優を目指す、背が高い助川時子(佐久間由衣)。勉強に励む真面目な努力家で、通信制の高校で学んでいる秋田県出身の兼平豊子(藤野涼子)。一年先輩で、小柄で体が弱い秋田県出身の夏井優子(八木優希)。コーラス部を指導する高島雄大(井之脇海)と付き合っている山形県出身の寮長・秋葉幸子(小島藤子)。マイペースで食いしん坊のおかっぱメガネ、福島県出身の青天目(なばため)澄子(松本穂香)。  ほかにも、みね子たちを見守る母親的存在である永井愛子(和久井映見)も含め、登場人物がみんなかわいくていい子ばかりなので、アイドルドラマとして優れた作品になったといえる。  もともと朝ドラは、若手新人女優の登竜門としての側面が強く、ヒロインを演じることで成長していく女優の姿を楽しむというアイドルドラマとしての側面が強かった。  アイドルになりたい女の子を主人公にした『あまちゃん』以降は、ヒロインだけでなく主人公の親友や娘などといった脇役にも注目が集まるようになり、吉岡里帆のように朝ドラで脇役を演じた女優が注目されて売れていくことが、もうひとつのシンデレラストーリーとなっている。 『ひよっこ』はその極致で、乙女寮の女の子は誰を主人公にしても朝ドラが作れそうな魅力と物語を備えている。  中でも目を引くのが、松本穂香が演じた青天目澄子である。    澄子は、おかっぱのメガネっ子で福島弁を話すのだが、野暮ったい格好をして方言を話す姿が、逆にかわいさにつながっており、朝ドラヒロインの系譜でいうと、『あまちゃん』の天野アキ(能年玲奈)と『あさが来た』に登場したメガネっ子の“のぶちゃん”こと田村宜(吉岡里帆)を足して2で割ったような、天然系ドジッ子キャラだ。食べることと寝ることが好きで、いつもぼーっとしていて動きが遅く、話し方もゆっくり。  しかも方言なので、何を言っているのかわからないのだが、それがすさまじい破壊力を放っている。青天目という珍しい名字もあってか、人間というよりは「ゆるキャラ」的な存在で、そばにいるだけでみんなが癒やされているのが、見ていてよくわかる。  澄子が面白いのは、動作がゆっくりしているので、みんなが普通に話している時に一人だけズレた動きをしていることが多いという点。  時子と豊子がケンカを始めてしまった時、みね子が寝たふりをして困っている中で、澄子は気づかずにずっと寝ている。登場するたびに何かを食べていて、食堂でも気づいたらおかわりをしている。 『あさが来た』ののぶちゃんもおかしな動きをしていたが、『ひよっこ』のほうが自覚的に描かれており、作り手が澄子を楽しんでいるのがよくわかる。  澄子を演じる松本は、有村と同じ芸能事務所・フラームに所属する20歳。17歳の時に『あまちゃん』を見て本格的に女優を目指そうと思い、事務所に応募したという。  本人の印象としては、事務所の先輩である広末涼子の系譜にあたるショートカットで透明感のある女の子という感じで、清純派女優のど真ん中である。    ドラマ出演はまだ少ないが、ワコール「ブラ・リサイクルキャンペーン」のWEBムービーや「江崎グリコ ビーフカレーLEE『辛い(うまい)』編」のCMなどに出演しており、それぞれ印象は違うが、目元が独特で小動物のようだ。  澄子は、メガネにおかっぱという極端なキャラクターだが、元の容姿がここまでいいと、多少変なコスプレをしても逆に愛嬌が際立つのだなと、CM等を見て思った。    残念ながら、物語上では向島電機は倒産し、乙女寮の面々はバラバラになってしまった。澄子も石鹸工場に転職し、今は物語から退場している。  しかし、NHKのトーク番組『土曜スタジオパーク』の『ひよっこ』特集に、佐久間由、衣藤野涼子と松本が出演した際、乙女寮の面々の再登場はあると言っていたので、楽しみである。  その時、石鹸工場に就職した澄子は大人に成長して戻ってくるのか、相変わらずマイペースでおっとりしているのか?   澄子の再登場を心待ちにしながら、今も『ひよっこ』を追いかけている。 (文=成馬零一) ●なりま・れいいち 1976年生まれ。ライター、ドラマ評論家。ドラマ評を中心に雑誌、ウェブ等で幅広く執筆。単著に『TVドラマは、ジャニーズものだけ見ろ!』(宝島社新書)、『キャラクタードラマの誕生:テレビドラマを更新する6人の脚本家』(河出書房新社)がある。