恒例、北朝鮮風大学の新入生歓迎祭? 春の法政大学解放総決起集会の一部始終

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「こんなに汗水垂らして働いても給料変わらねーな」(心の声)
「大学に行ったら学生運動をやりたい!」  そう思っているヤツらは意外に多いのではなかろうか。だが、21世紀も10年あまりが過ぎた今、大学は就職予備校と姿を変え、かつての学生の特権を生かした自由な空間を創出する学生運動を体験できる場は、ほぼ存在しない。そうした状況下、学生の自由・自治を大学当局が奪い去ろうとする流れに抗して戦いが続くのが、東京は千代田区にある法政大学だ。少数派になりつつも、やむにやまれず戦い続ける彼ら。4月25日、その年度初めの一大イベントとなる「4・25法大解放総決起集会」が開催された。そこで見たのは「この大学の経営、大丈夫か?」と疑う光景であった。  今回は、その一部始終を写真と共にお伝えする。  春の法政大学。市ヶ谷キャンパスは外濠公園に面していて、のんびりとした光景が広がっている。だが、その光景とは裏腹に、この取材は緊張することこの上ない。なにせ、学生自治を壊滅させんとする法政大学当局と学生たちの戦いは激しく、これまでにのべ100名以上の逮捕者を出しているからだ。ノコノコ取材に行ったら、大学当局、国家権力、そして学生諸君からも「お前はなんなんだ」となるんじゃなかろうか。そう考えて、事前に、昨年も記事でお世話になった学生運動の主体を担うサークル組織「法政大学文化連盟」のOB恩田君に電話を。 「みんないるから大丈夫ですよ」  という彼に「いや、一人でノコノコ行ったらなんかのスパイみたいじゃない」といったら、「まあ、そうですね~(納得)」だって。否定しろよ……。  さて、当日である。飯田橋駅西口を出て大学の方へ歩いて行く。平日の昼時ということもあって飯を食いに出たサラリーマンやらで、外濠公園はのどかさがいっぱい。法政大学の正門前を除いては。正門は閉じられ、内側すなわち大学の中庭は完全に封鎖されて、大学の職員とガードマンだけ。
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学生運動が盛り上がると一番儲かるのはカメラ屋です(推定)
 中庭に通じる大学敷地内のセブンイレブンで、おにぎりでも買おうと入ってみたのだが、中庭に通じる通路は大学職員が並び完全封鎖されている。
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通行禁止の結果、みんなが弁当を買うのでセブンイレブンは
儲かったハズ
 そして、正門の向かいの外濠公園。こちらは、制服の警察官と私服の公安警察がいっぱいだ。昼休みにベンチに座って弁当を食べようとしていたサラリーマンが「俺、ここにいていいんだっけ?」といた表情で、下を向いて弁当を食べている。  そんな騒然とした空間が生まれる「原因」となっている学生運動の諸君はといえば、失礼だがそんなに数が多いわけではない。
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人数の多寡よりもヤル気の問題である
 威圧感のせいか警察のほうが目立っている。  法政大学当局は、こうして集まる学生たちを「学外者」が騒いでいると喧伝する。すなわち「よその人間がウチの大学を利用して騒いでいる」というのだ。実際、集まっているのは法政大学の学生だけではない。主催である法政大学の学生で構成される「法政大学文化連盟」と、幾つかの大学から集まった個人。そして、警察当局が「過激派」と呼ぶ「中核派」の学生という雑多な構成である。つまり、確かに学外者もいるが、基本は自分のトコの学生である。  ここに至る流れは複雑なのだが、ざっくりと説明すると、学生会館は24時間使用可能、出入りも自由で週末になると金のない学生が中にはで徹夜の宴会が当たり前という法政大学の文化を、大学当局が消滅させ、綺麗で勉強できるフツーの大学(ありていにいえば、学費を払うであろう親が、納得する大学)にすることを企図したことが発端だ。学生自治の旗の下で謳歌されてきた自由を、いきなり消滅させようとすれば、ほころびが出るのは当たり前。異論を唱える学生は退学か無期停学にして、とにかく追い出せば大丈夫と思ったのは、大学当局の誤算だろう。なにせ、毎年何人かは確実に学生運動をやりたくて大学に来るヤツ、ガードマンを使った過剰警備に反発して学生運動に目覚めるヤツがいるのだから(なお、ノンセクトである文化連盟とセクトである中核派が共同しているわけだが、新入生の獲得で揉めないのかと思ったら、ノリでうまく分配されるらしい)。  ルポに戻ろう。12時40分、学内は昼休みの時間。今年度初の闘争は、昨年から文化連盟委員長に就任した武田君(無期停学処分中)のアジ演説で始まる。
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伝統の黒ヘルを欠かさない武田君
 アジ演説が始まった途端に、周囲は騒然とし始める。カメラ、ビデオカメラを手にした大学職員たちが門の内側から、公安警察は周囲を取り囲むように撮影を始めるのだ。
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よく見ると、ここに自転車を止めた人ちょっとかわいそうだよな
 昼休みということもあってか、周囲には次第に野次馬も集まってくる。多くは、ケータイで撮影したり、黙って見ているのだが、中には「うるせ~」「お前ら、法大生じゃないだろ~」というヤジも。それだけならよいのだが、野次馬も撮影しておこうと筆者がカメラを向けたところ背を向けながら「おまわりさんにいうぞ~」だって。うん、大学生の学力低下はホントだよ。
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ヤジは飛ばしても、国家権力の影に隠れてじゃね、かっこ悪い
 と、居並ぶ公安警察はといえば、みんな手袋を着用して万全の体制。どう見ても、今日は誰かを「ご招待」の体制である。学生諸君は、それでも開き直っているのか、闘志を燃やしているのか、アジ演説は止まらない。制服の警察官は「ここでは集会はできません」と書かれた札を掲げて警告。門の内側では大学職員が「授業準備中なので静粛に」という札を。授業準備中に騒ぐなとは、意味不明である。
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札の文面とか色々おかしい。この仕事って給料=我慢料の典型例じゃないか
 「ここでは集会はできません」と警察官が札を掲げて近寄る度に騒然となること数回。
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警告が来るたびに学生諸君のテンションもあがっていく
 武田君は「じゃ、打ち合わせ始めます~」と、あくまで集会ではなくトラメガで、打ち合わせをしているだけだという対応を。  少々、硬派なアジ演説に、ちょっと飽き、写真もだいたい撮ったなあと思い、筆者は土手に座ってさっき買ったおにぎりを食べることに。  と、思ったらいきなり警察側が動き始めた。塩むすび(セブンイレブンでは、これがもっとも美味いと思う)を半ば丸呑みし、喉につかえさせ窒息しながら駆けつける。
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社内運動会の恒例行事。背広で棒倒し……ではない
 瞬く間にもみ合う中から、右に左に引きずられていくヤツがいる。
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よく見るとなにもしてないヤツがいるのが、まさに「乱闘」
 何を撮影すべきか、戸惑うところだが、とにかく右の方へ引きずられていく学生に追いすがると、なんと本サイトにも登場したことのある齋藤郁真・全学連委員長ではないか。
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「行く」ともいっていないのに無理矢理「ご招待」されていく
齋藤郁真・全学連委員長
 決死の抵抗をする斎藤君だが多勢に無勢、最後は手足を抱えられて、まさに「ドナドナ」という言葉がよく似合うスタイルで警察車輌へと押し込められていった。
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結局、御神輿状態でドナドナ……
 それで騒ぎは終わらなかった正門前では、さらに続々と逮捕者が出ていた。地面に押し倒され制圧されている学生はいるし、
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あちこちで、制圧されていく
 植え込みに頭から突っ込まされているヤツも(公務員が公然と公共の植木を破壊か?)。
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植木は大切にしなきゃあ、いかんじゃないか!
 やたらと、熱くなって一人で暴れている公安警察もいて、
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いつの間にか、土手には野次馬もいっぱいだ
 抗議する学生側の支援者と一対一でもみ合っていたり。まさに、警察=国家の所有する暴力装置という状況が目の前で繰り広げられていくのである。  心の中で「平常心、平常心」と唱えながら、極めて落ち着いて状況を写真におさめようと試みる筆者。連行される学生をベストポジション(扉の開いた護送用のマイクロバスのドアのとこ)でカメラを構え得ていれば、さすがに目立つのか、公安警察に「写真撮ってるんじゃねーよ」と、思い切り怒鳴られる。 「まあまあ、写真を撮ってるだけですから落ち着いて」  と、(週末にデートの予定もあるので)逮捕は勘弁な筆者は、冷静を装いながら切り返すが、追い出されてしまう。マイクロバスの助手席を見ると、私服の超萌えっ娘な風味の女性警官が。思わずシャッターを切れば、汚いものでもみるような目をされながら、顔を隠されてしまった。
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車内はクーラーが効いてて涼しそうです
 かくて、10数分余りの間に瞬く間に5人が連行されてしまったのである。トラメガも持って行かれたりして、随分と人数が減ってしまた雰囲気になってしまった。
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トラメガも持って行かれて。随分と人が減った雰囲気が
 予定通りデモは行われ市ヶ谷周辺には怒りの声がこだましたのであった。
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既に警察側は、一仕事終わった感が出まくり
 一部の報道では警察発表を引用する形で「無許可の集会(あるいはデモ)を行い逮捕」と報じられているのだが、現場で見ていた限りは、この程度で逮捕されてしまうのかと驚くばかりである。かつての、法政大学は、夜中に中庭で学生がたき火していたりするのも当たり前。大学職員も「あんまり騒がないようにね」と注意して(近所に病院がある)、たき火には目もくれずに帰ったりと牧歌的な風景が広がっていたのだが、随分と変わってしまったものだ。文化連盟の主張に賛同するかはともかくとしても、この大学は酷いと思っている人は学内学外を問わず多いのではなかろうか。  学生運動がイヤとか、個人的な意思は尊重されてしかるべきだ。だが、学生運動や学生自治がまったく存在しない大学って、弱者の味方を装ったアヤシゲなNPO団体とか、宗教の草刈り場になっている側面もある(タチが悪いところだと、教授自らシンパだったり)。  もはや大学が就職予備校と化して、異質なものを排除するのが当たり前となっている。  以前、某大学である催しが開催された際に教授自ら「不審者がいたら、警察を呼んでネ」と言い出したので、驚いたことがある(大学の自治をめぐる戦後史の重要な事件「ポポロ事件」の舞台だけに)。でも、それがフツーの感覚なわけで、入学してくる学生も、それを疑わない。その結果として、学生が免役のないままアヤシゲなものに取り込まれてしまうという、ゆがみが生じているのは間違いない。  なお、この日、逮捕者は6名(昨年10月に法政大学に不法侵入された容疑で1名が現場で、もう1名が現場に来る途中に令状逮捕)に上ったが、現行犯とされた武田君・斎藤君ら4名は一泊で釈放となった。釈放された武田君は、「一泊で釈放されたことは、この弾圧の不当性を明らかにしています。今回、大学当局は、集会に対して授業準備妨害とする札を示しました。これは、学生に対して授業を受ける以外なにもするなといっているに等しい。そんな札を出したことで大学はおかしいと気づく学生も多いのではないでしょうか。その点では勝利だったと思っています」と語る。 就職予備校と化した大学の中で彼らは、あえて異を唱えて活動している。あと20年も経てば「真の愛校心の持ち主」として表彰されるんじゃないか。 (取材・文=昼間たかし)

東京上野のタクシー介護会社社長拉致事件、警察の失態で死体の数が増えてゆく……!?

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警視庁
 今年1月26日に発生した、東京上野の介護タクシー会社社長・金子竜也さん(48歳)の拉致事件。金子さんと付き合いのあった元暴力団員Hが容疑者として浮上しているが、金子さんとHは十数年前に貸金業を共同経営していたという。 「その後、2人は別々の仕事をすることになったようで、Hは覚せい剤の大量取引の件で逮捕されました。その押収量は、ある都道府県の最高記録を現在も維持しているくらいの量で、Hは懲役10年の刑を受けています」(全国紙新聞記者氏)  Hは数年前に出所し、過去の関係を戻そうと介護タクシー会社を経営していた金子さんに接触した。しばらくは付き合いが続いたが、どうやら金子さんはHから金をせびられていたようだ。 「金子さんの会社には右翼団体の街宣車まで現れて、かなり強引に迫られていました。結局Hは昨年、脅迫罪で逮捕されました」(同)  ところが、Hはすぐに不起訴処分で釈放となる。過去にあれだけの罪を犯したHを警察が放っておくはずはないが、一体なぜなのか? この事件の背景を知る事情通A氏は言う。 「金子さんが、元暴力団の威を借るHの対策のため、他の暴力団員に助けを求めたからだといわれています。警察は“被害者にも問題あり”と判断してHを釈放した。不起訴処分とは、そもそも事件がなかった。無罪という判断ですからね」  結局、事態はその後もエスカレートしていき、金子さんの拉致へとつながっていくのである。前出事情通氏は言う。 「警察の失態といわれても仕方ないと思いますよ。金子さんはHから脅迫され続け、辛抱たまらなかったからこそ、他の暴力団に助けを求めたのですから。それでも止まらなかった」  金子さんが拉致されて数カ月が経っているが、この事件を担当する組織犯罪対策四課の刑事の間では悲観論が漂っているともいう。 「金子さんはもう生きていないんじゃないか。そんな話が出ていることは事実です」(同)  さらに、金子さんを拉致したHも「すでに殺害されている」というウワサまで流れているという。 「Hが金子さんを拉致する際に、中国人グループが協力したようです。おそらく4人ほど加担しています。彼らは非常に凶暴で、金子さんを拉致することで金を引き出せる、とHから言われて手伝ったのでしょう。ところが、金子さんが亡くなってしまった。それに怒った中国人たちがHも闇に葬った、というウワサが暴力団筋では流れています」(同)  死体の数が増えているかもしれないこの事件。警察の失態から始まり、闇から闇へと葬り去られてしまう可能性が出てきている。 (文=大朋理人)

動機は日本人への逆恨み? 2邦人死亡グアム通り魔事件 地元証言が浮き彫りにする犯人の素顔

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映画出演時のデソト容疑者
「犯人は劇団で日本人にイジメに遭っていた」  グアム島で起きた無差別殺人事件で、犯人を知るという現地在住の韓国系アメリカ人男性が「意図的に日本人を狙った犯行」と話している。  事件は12日午後10時ごろ、ショッピングセンターなどが連なる繁華街タモン地区で起こった。コンビニに突っ込んできた車に7~8名がはねられ、付近にいた観光客らが、車から降りた犯人に切りつけられた。日本人観光客で賑わう場所とあって、ちょうどツアーで訪れていた十数名の日本人が被害に遭い、うち2人が死亡(現時点)。その場ですぐに地元警察に取り押さえられた犯人は、現地在住のチャド・ライアン・デソト容疑者で、21歳の劇団員でもあった。 「地元のテレビCMにも出演していたし、『i Heart GU』という映画にも出ている」  こう話す前出の知人男性はデソト容疑者と顔見知りで、チップというニックネームで彼を呼び「一緒に食事に出かけたこともある」という。 「所属していた劇団にはグアム在住の日本人がたくさんいたけど、短期留学とかホームステイする若者が中心で、多くは金持ちの家庭で育っている。その中でチップは、彼らにバカにされて悔しい思いをすることが何度もあったと話していた。“日本人は金持ちを自慢するから嫌いだ”とハッキリ言っていたこともある」(同)  事件の目撃者からは、警察に取り押さえられたデソト容疑者が泥酔しているように見えたという話もあるが、知人男性は「普段はそこまで酔うことはない。よほど引き金になるような嫌なことがあったはずだ」とした。  ただ、所属していた劇団の関係者によると「イジメがあったことは把握していない」と否定。デソト容疑者についても「非常に明るい性格で、殺人事件を起こすような人間にはとても見えなかった」という。 「映画撮影のときは、アメリカから来た関係者を自宅アパートに泊めてあげたほどフレンドリー。ただ、しばらく会っていなかったので最近の様子は分からない」(同)  デソト容疑者がなぜ突然このような凶行に及んだかは分からない。韓国系男性のイジメ証言についても、別の関係者が今年1月、インターネットの会員制ブログに「劇団員に日本人の悪口を吹き込む韓国人がいる」という記述をしており、グアム在住者からは「日本人と韓国人が多く、両者の対立もよくある話なので、互いに攻撃し合う双方の主張は真に受けられない」という声もある。  情報が錯綜している現在だが、いずれにせよ、現場にいた観光客にとっては楽園が一転して地獄となってしまった。

「早く出てダイエットしたい」本気で無罪を信じていた内柴正人被告 即日控訴も……

uchishiba1130.jpg  泥酔した教え子の女子柔道部員に乱暴したとして、準強姦罪に問われた北京・アテネ両五輪の金メダリスト内柴正人被告に対し、東京地裁は1日、求刑通り懲役5年の実刑判決を言い渡した。  初公判から無罪を主張していた内柴被告は判決を不服として即日控訴したが、実刑判決を「待ってました」とばかりに、全日本柔道連盟は会員登録の永久停止処分を科す意向を表明。柔道の“総本山”である講道館は現在五段の内柴被告の段位を剥奪という、これまでない厳しい処分を下す可能性を示唆。さらに、日本オリンピック委員会(JOC)は、2個の金メダル返還を要請することも検討しているという。 「さすがに、金メダル剥奪は難しいだろうが、JOCは2020年の五輪招致に向け、厳しい姿勢で不祥事に臨んでいることを対外的にアピールしたいのでは。とはいえ、判決の直前には選手が柔道女子全日本内でパワハラ・体罰があったと告発していたことが発覚し、大騒動に発展。内柴被告の事件は海外のメディアも取り上げているだけに、五輪招致にはあまりにも大きな悪影響を与えてしまった」(スポーツ紙デスク)  各メディアが報じたところによると、内柴被告は入廷時はうっすら笑みさえ浮かべていたものの、判決が言い渡されると力なくイスに腰掛け手で顔を覆い、控訴手続きについて説明する裁判長の声を遮り、「(控訴を)させてもらいます」と顔を真っ赤にして大声を出す狼狽ぶり。今にも突っかかりそうな剣幕に、弁護士が焦って制止するほどだったという。どうやら、本気で無罪判決が下ることを信じていたようだ。 「判決の3週間ほど前に、フジテレビが、内柴被告が関係者に宛てた手紙の内容を報じたが、一部女性誌の報道通り、昨年11月に妻と離婚し子どもとも会えない状態。そのため、あえて保釈を申請しなかったようだが、収監されている東京拘置所内の運動場で体を動かし、スクワット・腕立て伏せ・腹筋を、多い日には各1,000回こなしていたという。五輪には66kg級で出場した内柴被告は現在90kgを超える体重だが、『無罪になったら、早く出てダイエットしたい』と話していたというから、気楽なもの」(公判を傍聴し続けたライター)  自らの主張を裁判所に「明らかなウソ」とまで断じられた内柴被告、控訴審の見通しも決して明るくはなさそうだ。

「ウソにウソを重ねる富士スピードウェイ」2007年F1“ずさん運営”日本GP一次訴訟が1月24日判決へ

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 2007年9月末に富士スピードウェイが開催したF1日本グランプリの運営はずさん極まりなく、「劣悪な環境の中、長時間のバス待ちを余儀なくされ、精神的苦痛を受けた等」として観客109名が富士スピードウェイ(以下、FSW)に対し、損害賠償を求め訴えていた。この判決が、13年1月24日に言い渡される。  訴えから約4年と長期間にわたって行われた訴訟がようやく結審し判決を迎えるが、なぜここまで時間がかかったのか、そしてFSWの対応はどうだったのか、あらためて振り返る。  FSWが開催した07年F1日本グランプリでは「チケット&ライドシステム」と呼ばれる、各アクセスポイントから専用シャトルバスで来場する方式を取り、観客が自家用車や徒歩など、ほかの交通手段による来場を基本的に禁じていた。  予選日から各アクセスポイントと会場を結ぶシャトルバスの運行が滞り、数万人の観客が場内に閉じ込められた。決勝日にはシャトルバスの運行は改善されるどころか、さらに悪化。十分な時間をもって各アクセスポイントに到着した観客も、会場内外の大渋滞によりバスが時間通りに到着せず、決勝スタートに間に合わない者も多く出た。  決勝レース終了後も混乱は続いた。FSWはトヨタ関係車両を優先退場させるため急遽1時間45分もシャトルバスの運行を止め、シャトルバス待ちはますます悪化した。  バス乗り場は、どこに並んでいいのか分からないほど多数の観客であふれ、スタッフによる誘導もなく混乱を極めた。運よく行列に並べたとしても足場は悪く、芝生は泥濘化、照明もなく真っ暗な中、観客は雨に打たれ凍えながら、いつ来るか知れないシャトルバスを長時間待つことを強いられた。またトイレも圧倒的に不足しており、長蛇の列ができた上に足場は汚物であふれた。さらにバス乗り場には食料や飲み物もなく、空腹にも耐えなければならなかった。  このように、劣悪な環境により精神的・肉体的苦痛を受けたとして、原告はFSWに対して債務不履行に基づく損害賠償請求を行ったのである。  これに対しFSWは全面的に争い、訴えを起こした原告各人に対しての反論を始めた。「(FSWは)知らない」「(原告の主張は)信用ならない」として原告の主張をウソ、偽り、大げさと断じたものであり、原告の心をさらに深く傷つけた。  泥仕合の様相を呈してきた裁判は、裁判所の主導により和解についての話し合いが行われた。しかし、被告であるFSWが提示した和解案は原告の受けた被害を過小評価し、和解金額を低く見積もった挙げ句に「原告全員が和解することが条件」「イベント保険が利くかどうか……」「会社内に持ち帰って検討するため時間が必要」として、最終的な和解案を決定するまでにダラダラと1年近くかけたのである。コースを走行するF1カーが見られなかったC席仮設スタンドの一部返金を即日決定したと胸を張る対応とまったく大違いであり、疑念がますます深まった。  最終的に提示された和解金額についても、低額であり、到底原告を納得させるものではなかった。  和解案を渋々了承した原告は、一次・二次合わせて135名のうち半数に満たない51名。それも裁判が長期化することで疲弊した結果であり、多くの原告は不誠実で責任逃れをするFSWの対応に怒りの声を上げた。  和解は不発に終わり、残った原告と被告FSWとの間で、裁判は最終局面を迎えた。ハイライトは証人尋問である。  証人尋問では、一次訴訟ではFSW側証人として富士スピードウェイ株式会社取締役外村之朗氏、二次訴訟では交通輸送を担当した運営会社ジェイコムの山形希望氏が証人台に立った。  シャトルバスの運行計画は十分行われたと主張する被告側に対し、原告代理人が雨の想定や直前でのルート変更の検討資料がないと追及すると、被告証人は「役員会で口頭で検討した。資料はない」といった受け答えを繰り返すにとどまり、具体的な検討を行った証拠、資料は提示されなかった。  ジェイコム山形氏が08年、FSWに提出した事後の報告書に「雨を想定した計画がなかった」と反省が明確に記載されているのを否定。雨天を想定していたと翻したが、やはり資料は存在しない。  その他、陥没した場内ルートについて、大型バスの運行に耐えられるだけの十分な舗装を行っていたかについても、あやふやな受け答えに終始し、「運悪く陥没した」「この陥没がすべての渋滞の原因」と自然災害だったかのように言い逃れようとした。  さらにこの証人尋問までの4年間、被告FSWが終始一貫して「想定外の大雨」が降ったと主張してきたのを、証人尋問後に突然転換。07年F1日本グランプリを開催する3週間前に降った大雨の影響があったかもしれないと、科学的根拠がない、と前置きしながらも、これまでまったく触れられなかった新しい主張を行った。  また、C席仮設スタンドの件についても、新しい主張が飛び出した。それまでC席仮設スタンドの一部払い戻しの告知は30日午前に決定し、来場者に案内のパンフレットを配ったとされていたが、これをフリー走行があった28日に行ったというものである。  これは決勝日30日にシャトルバスのアクセスポイントまで行ってバス待ちに並んだが、予選日29日以上の混乱を容易に予見、同行する家族、幼児の健康が心配されたため、泣く泣く決勝レースの観戦をあきらめたC席の原告証人に対しての被告代理人の質問であった。そして証人尋問の後、あらためて書面にて提出されている。  これは07年10月、YOMIURI ONLINEをはじめ各メディアで報じられた内容と異なるものである。当時の報道では「3億5,000万円払い戻し」というキャッチーなタイトルで報じられており、いかにもFSWが英断、即対応した美談のように報じられていたのだが、決勝日30日と予選が始まる前日の28日とでは大きな違いであり、28日も観戦したC席原告には、まったくの寝耳に水であった。  この被告の主張の転換を見る限り、レース開催前にC席仮設スタンドからコースがよく見えないことを把握、対応を検討してそのシナリオ通りに行ったという疑念がますます高まった。そうでなければ、3億5,000万の払い戻し金額に到底及ばない和解金額決定に時間がかかる理由に説明がつかず、この美談シナリオは当時F1に参戦していた親会社トヨタの意向もあったに違いない。  いずれにしても、フリー走行日の28日にFSWが配ったと新しく主張した払い戻しの書面は、原告はもちろんのこと、他のレース観戦者からも「見た」「受け取った」という情報は得られていない。  07年当時、メディア向けに謝罪したFSW、そして親会社のトヨタ自動車であるが、裁判は全面的に争い、そして原告をウソツキ呼ばわりして裁判を長期化させてきた。一方で自らの主張の証拠となる肝心の資料は存在しない、当初から一貫して主張してきた「想定外の悪天候」については翻す、C席仮設スタンド払い戻し決定の美談は自作自演の可能性が高まるなど、あらためて不誠実な企業態度が明らかになった。  この裁判の一次訴訟は1月24日、二次訴訟は3月29日に判決が言い渡されるが、その内容、そしてFSWの対応にあらためて注目したい。

六本木襲撃事件“本丸”見立真一容疑者がフィリピンで身柄確保か「背後には暴力団の存在も……」

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 昨年9月に六本木クラブ「フラワー」で飲食店経営・藤本亮介さん(当時31)が殺害された事件をめぐり、逮捕者が続出している。21日には警視庁捜査1課が凶器準備集合容疑で金城勇志容疑者(30)を逮捕。これで、同事件にかかわった逮捕者は17人となり、逮捕状が出ていながら、いまだ身柄確保に至っていないのは、主犯格とされる見立真一容疑者のみとなった。  しかし、当サイトが掴んだ最新情報では、見立容疑者と思しき人物はすでにフィリピン・マニラの警察に出頭して身柄を拘束されており、近日中にも帰国し、警視庁に逮捕される見込みだという。 「見立は偽造パスポートを所持していた可能性が高く、フィリピンでも身元確認に時間がかかっている。しかし、本人であることが確認できれば、すぐに国内に連行され、逮捕されるだろう。これで、現時点で逮捕状が出ていた関東連合OBなどからなる犯人グループはすべて捕まることになるが、事件の全容解明にはまだ時間がかかるだろう」(捜査情報筋)  この情報筋によると、凶器準備集合容疑で逮捕された犯人グループの中から近々、殺害の首謀者として、見立容疑者と、すでに逮捕されている関東連合OBのリーダー格の人物が、殺人容疑か傷害致死容疑で再逮捕される可能性があるという。  実際にクラブ店内に入り、藤本さんに暴行を加えた実行犯には複数の不良中国人もいると見られているが、すでに彼らは本国に帰国し、身柄確保は容易ではないと判断した当局は、見立容疑者らにすべての尻拭いをさせて、事件の幕引きにかかろうとしているのかもしれない。 「中国人の実行犯もそうですが、見立の背後には、暴力団K組組員の存在もちらついている。しかし、当局がそこまで捜査の手を伸ばすかは怪しい。もはや捜査の目的が、関東連合OBを中心とした“半グレ”を壊滅することになっているため、事件の奥にある“闇”には手を突っ込みたくないんです」(同)  多くの報道では、藤本さんは、関東連合と敵対する人物に間違われて殺されたという指摘が多いが、一方で「暴力団のシノギをめぐる争いが根底にはある」(捜査関係者)と見る向きも依然として存在する。まずは、帰国後の見立容疑者がどのような供述をするのかに注目が集まる。

六本木襲撃事件の現場にいた関係者が、大所帯アイドルグループのメンバーと交際中か

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 六本木クラブ「フラワー」殺人事件で、警視庁麻布署捜査本部は10日、半グレ集団「関東連合」の元メンバーの男ら8人を逮捕した。  ただ、容疑は凶器準備集合という男性殺害への直接関与に届かないもので、捜査関係者は「下手すれば早々に数名を釈放しなければならなくなる」と焦り顔だ。  事件は昨年9月、客としてクラブを訪れていた飲食店経営・藤本亮介さん(当時31)が、目出し帽をかぶった男ら十数名の集団に金属バットなどで一斉殴打、殺害されたもの。警視庁は事件直前に近くの路上に集まっていたという凶器準備集合罪で17名の逮捕状を取っていた。 「大勢で襲撃しているのですが、目撃者によると実際に殴打していたのは先頭の数名だったということで、ほかは一緒に連なっていただけということになってしまう。襲撃に関わった全員を殺人容疑で引っ張ることができないでいる」(関係者)  凶器準備集合罪は2年以下の懲役または30万円以下の罰金と、殺人罪から比べれば大幅に罪が軽く、公訴時効も時効ナシの殺人と違って3年と定められている。  逮捕された数名は事件直後に中国や韓国など海外に逃亡していたが、外務省から旅券返納命令を出された後、帰国したところを羽田空港で身柄を確保された。すでに出頭していた2名は事件への関与を否認中。11日になってさらに数人が出頭したというが、捜査の難航は変わっていない。  また、現場にいながら逮捕状の出ていないメンバーがいることも分かった。10月上旬、ハワイの格闘技道場にそのひとりを自称する男性が訪れており、親交のあった道場の関係者に自ら事件への関与を漏らしたという。 「殴ったりはしていないと言っていましたが、現場にいていろいろ知っているので、捜査の目を避けるためにフィリピンを経由してきたと話していました」(道場関係者)  男は約1カ月滞在した後、11月上旬に「マニラに心強いエージェントがいる」と、再びフィリピンへの航空便に乗っていったという。  フィリピンには金さえ払えば海外からの逃亡を手助けする請負人が横行しており、日本とも犯罪人引渡し条約が結ばれていないことから、警察が国際指名手配しても連れ戻すことは困難だ。道場関係者が驚いたのは、男性が複数の女性タレントとのツーショット写真を持ち歩いていたということだ。 「その中のひとりはいま大人気の大所帯グループのメンバーで、彼は“俺の彼女だけど、会えないのがつらい”と話していました。自分が事情聴取されたら彼女にも迷惑がかかるかもしれない、とも漏らしていました」(同)  実際にそのタレントが男性の恋人かどうかは分からないが、意外なところに飛び火している事件の背景は、いまだ明らかになっていない。 (文=鈴木雅久)

日本で唯一の犯罪加害者支援団体代表・阿部恭子に聞く、“刑務所の内側と外側”

加害者支援を続ける阿部恭子氏
 刑務所の面会室へと向かう人々の“心の軌跡“を丁寧に描き上げた『愛について、ある土曜日の面会室』。この映画には、息子が殺されたという訃報を受け、その突然の死の真相を探りに祖国アルジェリアからフランスへと渡るゾラという母親が登場する。彼女は愛する息子のがなぜ死ななくてはならなかったのかをただ知りたいという一心で、自らの身元を隠し、息子を殺した青年の姉セリーヌに接触、交流を深めてゆく……。  そこで浮き彫りになるのは、被害者家族と同様に苦しむ加害者家族の姿。「もっと自分に何かできたのではないか……」と自分を責める家族の姿は、愛する家族を持つすべての人にとって、決して他人事ではないはずだ。この映画に惚れ込んだ、日本で唯一の加害者家族支援団体(NPO法人World Open Heart)理事長、阿部恭子さんに、加害者家族の実情を語ってもらった。 ──フランスの刑務所の面会室を舞台にした映画『愛について、ある土曜日の面会室』をご覧になって、阿部さんが「とてもリアル」とおっしゃっていたと伺ったのですが。 阿部 そうなんです。本当に劇映画とは思えないほどリアル。自分自身が普段向き合っている加害者やその家族たちと寸分違いがないと感じました。映画を観ているという気がしなかったぐらいです。被害者、加害者、その家族が抱える葛藤は、国を越えて普遍的なのだと思います。刑務所がテーマとなった映画などはドキュメンタリーも含めいろいろ観てきていますが、しっかりと人物に迫った描写があって、この映画は好きですね。 ──ご自身が普段向き合っていらっしゃる方たちと違わない、とは具体的にはどういうことでしょうか。 阿部 前提として、刑務所は遠く離れたところにあることが多いです。日本ではたいていの刑務所は土曜日に面会ができないので、面会に行くとなると仕事を休まなくてはならないですし、交通費などのお金もかかります。家族にとって、面会に行くことはとても大変なことです。面会室のシーンに、怒っている人の姿が映っていますが、外から来る人と中にいる人との感情のギャップはすごく大きいです。中にいる人は、ずっと次の面会を考えて暮らしています。一方で面会に来る側は、都合をつけるだけで精いっぱい。やっと会えても、「ずっと待っていたのに今頃来たのか!」「やっと来られたのよ!」とぶつかってしまうことも少なくないのです。私は、面会室でそういった光景を何度か目の当たりにしています。日本の面会室はガラス越しで触れ合うことはできませんので、気持ちの表現の仕方は違ってくるかとは思いますが、映画に映し出される「感情」はとてもリアルでした。 ──日本の面会室はガラス越しで、土曜日は面会ができない。フランスと日本では、だいぶ制度が違うのですね。 阿部 そうなんです。日本では受刑者を隔離することに重点が置かれていて、その家族のことにまであまり意識がいっていないのが現状です。面会時間は30分くらいで、とにかくたくさんの制限があります。一方で、いろんな局面で「権利」の意識の強いヨーロッパなどでは、加害者の家族の権利というものが感じられます。加害者の権利が制限されるのは仕方ないにしても、その家族に権利はあるべきではないかと思います。子どもは単純に、パパやママに会いたいですし。  海外では加害者家族の支援団体もたくさんあるんです。でも、日本には全然ない。制度と同様、支援団体の充実という面でも比較してみると欧米との差はありますね。日本では、どうしても「加害者側」というハードルが高すぎる気がします。加害者家族自身も、「自分たちなんかが支援を受けていいのでしょうか……」ということをおっしゃる人も少なくありません。笑ってはいけない、楽しんではいけない、幸せになってはいけない……と、自ら事件に関わったわけでもないにもかかわらず、自分を抑え込んでしまう傾向があります。私が団体を立ち上げる時も、加害者家族を支援するなんて言ったらバッシングで大変なことになるよ! などという忠告も数多く受けました。海外ではあたりまえなのに……。 ──阿部さんはどういった経緯で、いまのような加害者家族の支援活動をはじめたのでしょうか? 阿部 私は、犯罪の被害に遭った経験もあり、どちらかといえば、被害者の権利の方に関心がありました。大学院で、被害者支援について調査している時、「加害者の家族」という存在に気がつきました。実際、東北でも加害者家族が自責の念から自殺に至るという事件が起きていました。驚いたことに、こうした加害者家族が支援を受けることができる機関や団体が、国内にまったく存在しなかったのです。悲しみを分かち合うこともできず、自分が犯したわけでもない罪を背負って生きている……。苦しいだろうな……何かできないかと考えました。特に、子どもに罪はないはずです。それでも、家族の前科というものが就職や結婚の時に問題となってしまう。こうした不条理な差別をしない社会にしていきたいと思いました。 ──実際、阿部さんは、加害者家族に対してどのようなサポートをしていらっしゃるのでしょうか。 阿部 もしも家族が逮捕されたと聞かされたら、どうしますか? 「何をしていいのかわからない」が、多くの方の正直なところだと思います。そのため、電話をいただいたら、まず家族として、いま何をすればよいのかをお伝えします。加害者の方がどの段階にいるかによって、やることは決まってきます。警察からの事情聴取があるかもしれませんし、裁判の時に証人として家族が呼ばれる可能性もあります。そういった今後起こりうることを説明します。まずは主に情報提供ですね。みなさん慣れない場所なので、裁判所や刑務所に付き添ったりもします。また、いろいろな手続きの必要が出てきます。離婚しなければいけないとか。私たちが活動している仙台で一番多い相談は、転居です。団体の副理事長が不動産経営者なので、土地を売ったり、転居先を見つけたりと、総合的なサポートをしています。こうした事務的なサポートとは別に、とても必要なのが、心に寄り添うことです。映画の中の少女ロールのように、(夫や恋人が逮捕された後で妊娠が分かって)「おなかに宿ってしまった子どもを産むべきかどうかわからない」という相談もあるんです。そういう状況になってしまうと、本当にどうしたらいいか本人もわからなくなってしまうんです。絶対的な答えなどないので、話を聞いて、とことん一緒に考える。これしかないですね。 ──映画では、殺人を犯した青年の姉セリーヌが、加害者の家族として登場します。セリーヌの姿をご覧になって、どのようなことを感じられましたか? 阿部 セリーヌは一人でいる時も人前でもよく涙を流していますが、日本人は人前ではなかなか泣けないですよね。裁判でも耐えるほうが多いです。私は傍聴の付き添いもするのですが、やはり自分の子どもが手錠をかけられている姿を見るというのはとても心苦しい。「こんな子を産んでしまった……」などと考えてしまう親の心の痛みは計り知れないです。でも、ここで泣いてしまったら、自分が家族であることがわかってしまう……と涙をたえていらっしゃった方もいました。でも、本当は「泣き叫びたい、死んでしまいたい」といった気持ちだと思います。 ──映画では、被害者家族と加害者家族が交流をします。そのようなことは実際にありますか? 阿部 いえ、私の知っている限りではないですね……。ただ、隣人や親戚が加害者と被害者という関係になってしまうケースは結構あります。そういった意味では、現実には非常に距離が近くなってしまうことはあるかもしれません。その場合は、また違った問題が生じてくるかと思いますが。実際に活動の中で、「こんなこと、映画でしかありえない」って思うようなことが起きているので、何が起きてもおかしくないかなとは思います。 ──「映画でしかありえないこと」とは、具体的にはどんなことがありますか? 阿部 マスコミが家に押し寄せて、夜でも明かりが煌々としているなんて、まさに映画でしかありえないことですよね。私たちの団体につながって下さる家族は、たいてい普通の生活をしてきた方たちです。そうした普通の生活が一転する。テレビでもネットでも自分の家族の名前が飛び交っている。まるで、日本中を敵に回してしまったかのような恐怖です。みなさん、悪夢のようだとおっしゃいます。 ──現在、加害者に向けた再犯防止のカウンセリングも行っているそうですね。 阿部 「被害者教育」「贖罪教育」などとも呼ばれていますが、全国の刑務所で始まっている教育プログラムの一つとして、加害者の家族の心情を理解するためのクラスに携わっています。加害者の方たちに対して、みなさんが社会と隔てられた場所にいる間に、家族のみなさんはこんな思いでいるんですよ、というのを伝える講義をしています。加害者の家族の方は、本当につらい目に遭っています。「自分も刑務所の中に入りたい」と思わず考えてしまうほど、世の中のバッシングがひどく、生き地獄のような場合があるんです。守ってくれる人がいない状態。ただそういう事実を加害者に伝えるだけでは、一方的に責めているように捉える方もいるかもしれませんが、責めることが講義の目的ではありません。自分の起こした事件を、もうちょっと客観的に見てみようというのが目的です。  また、まだはじまったばかりのプログラムですが、「なぜ、このような事件が起きたか」を聞くグループ・カウンセリングを3~4人単位で行っています。「なぜ」は被害者側の方々はもちろん、加害者の家族も聞きたいことです。どうして止められなかったか、と自分を責めてしまう方も多いので。裁判ではその「なぜ」の伝え方が違ってきてしまうので、カウンセリングでは罪名などではなく、「あなたはどんな悪いことをしましたか」「あなたが傷つけた人は誰ですか」と問いかけます。こめかみが痛くなるぐらい、神経を使う瞬間が多くあります。事件によって、たくさんの人が傷つきます。こちらも問いかけるのはとても苦しくはありますが、起きたことは元には戻せないので、その中で「なぜこのような事件が起きたか」話してもらい、自分が起こしたことを意味付けしてもらっています。 ──最後に一言どうぞ。 阿部 言葉では説明できないことを感じられるのが映画だと思います。みなさんあまり考えたくないことだと思いますが、家族がどこかで何を犯してしまうかはわからないですし、家族が過ちを犯さないようにすることは完全には不可能ですよね。交通事故などもありますし、潜在的には誰もが加害者家族になる可能性を持っています。加害者も、その家族も、私たちとなんら変わらない、普通の人なんです。私は、愛する人たちのために一生懸命である人を応援したいと思っています。『愛について、ある土曜日の面会室』で描かれる刑務所の内側と外側の人々の交流、人間模様を見て、塀の中の人にも想いをはせてもらえればと思います。 ●阿部恭子 1977年宮城県生まれ。10代前半より、社会的少数者や弱者の権利擁護、生活を支援する活動に参加。08年8月、東北大学大学院在学中に自ら発起人となり同級生らと人権問題を調査研究するための団体「World Open Heart」を設立。これまで見過ごされてきた「犯罪加害者家族」という問題に気がつき、仙台市を拠点として当事者に必要な支援活動を開始。全国的な支援体制の構築に向けて東京、大阪でも活動を展開している。近年、再犯防止教育の一環として、受刑者らに被害者家族の現状を伝える活動にも力を入れている。 hkjfsdvglqaisfl.jpg ●『愛について、ある土曜日の面会室』  大女優カトリーヌ・ドヌーヴも称賛! フランスの新星レア・フェネール監督衝撃のデビュー作。フランス・マルセイユ。ロール、ステファン、ゾラは、同じ町に暮らしながらお互いを知らない。サッカーに夢中な少女ロール。ある日、初恋の人アレクサンドルが逮捕されてしまうが、未成年のロールは面会ができず想いを募らせてゆく……。仕事も人間関係もうまくいっていないステファン。偶然出会ったピエールに、自分と瓜二つの受刑者と「入れ替わる」という奇妙な依頼を持ちかけられ、多額の報酬に心が揺らぎだす……。息子が殺されたとの訃報を受けた、アルジェリアに暮らすゾラ。突然の死の真相を探るためフランスへと渡り、加害者の姉に接触し交流を深めてゆくが……。ある土曜日の朝、3人はそれぞれの悲しみや痛みを受け入れ、運命を切り開くために刑務所の面会室へと向かう。 監督:脚本:レア・フェネール 出演:ファリダ・ラウアッジ『ジョルダーニ家の人々』、レダ・カテブ『預言者』、ポーリン・エチエンヌ マルク・ロティエ『親指の標本』、デルフィーヌ・シュイヨー『ポーラX』、ディナーラ・ドルカーロワ『動くな、死ね、甦れ!』 2009年/フランス/35ミリ/1:1.85/ドルビーSRD/120分 原題:Qu’un seul tienne et les autres suivront 12月15日(土)よりシネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー

裏社会が関与か――慶大生ファンド詐欺事件の容疑者は、もう死んでいる?

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※イメージ画像 photo by  MJ/TR from flickr
 慶応大学の元学生が、投資ファンドを設立して投資家から20億円ともいわれる出資金を集めたまま海外に逃亡している“慶大生ファンド詐欺事件”で、被害者の一人が刑事告訴に踏み切った。  しかし元学生は、今年5月、秘書兼恋人の女性とシンガポールにいたという情報を最後に、その足取りはプッツリと途絶えており、事件解決には時間を要しそうだ。  そんな中、「彼はもうこの世にいないかもしれない」と語るのは、今年1月、失踪直前の彼に面会したというFXトレーダーのM氏だ。 「彼とは、あるトレーダー仲間からの紹介で会いました。『かなりの損失を出してしまい、このままでは配当が支払えない。2億円ほどを代わりに運用してほしい』というのが彼の用件で、ひどく焦った様子に見えました。この時、私は彼が裏社会のカネを預かってしまったんだな、とピンときました。この世界では、ちょっと有名になるとすぐに裏社会の人間から『うちのカネを回してくれ』と声がかかる。ヤバい筋のカネは預からないのが鉄則だが、若い彼は相手の口車に乗せられてしまったのでは」  トラブルに巻き込まれることを警戒したM氏は、彼の頼みをその場で断った。彼が海外に渡ったことを紹介者のトレーダー仲間から知らされたのは、それから約2週間後のことだったという。 「個人的な印象では、彼は少なくとも進んで人を騙すような人間には見えなかった。裏社会の人間に無理な利回りを約束させられた挙げ句、追い込みをかけられていたのかもしれない。ネット情報では数億円を持ち逃げしたといわれているが、そこまで彼の手元に残っていなかったはず。何より、シンガポールのような小さな国に逃げて、いまだに足取りがつかめないというと、最悪の事態も想像してしまう」    元学生が無事に姿を現し、被害者の元にできるだけ多くの出資金が戻ることを祈りたい。 (文=牧野源)

「パンツの中にも手を入れて……」報道各社が自主規制したNHK森本アナの卑劣な犯行手口

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 NHK『おはよう日本』を担当する同局アナウンサー・森本健成容疑者が15日、電車内で女性の胸を触るなどして強制わいせつ容疑で現行犯逮捕されていたこよがわかった。警視庁などによると、同容疑者は14日午後7時45分ごろ、東急田園都市線の渋谷駅から二子玉川駅に着くまでの約11分間、23歳の女子大生の胸を触っていたという。  当時、車内は大混雑しており、身動きも取れない状態で、女子大生は「大声を出せず、逃げることもできなかった」などと話している。  逮捕当初、森本容疑者は「酒に酔って記憶がない。そのようなことはしていない」と否認していたが、16日に容疑を認め、その後、処分保留で釈放された。同容疑者は「大変なことをした。これからどうなるのか」と話しているという。  局内では“人格者”で有名だった同容疑者の逮捕に、一時は「誤認逮捕」や「冤罪」を指摘する声も上がっていたが、取材を進めると、およそ「酒に酔っていた」では済まされない卑劣な犯行手口が浮かび上がってきた。  社会部記者は「痴漢行為ですが、迷惑防止条例ではなく強制わいせつ罪が適用されたのは、当局が相当悪質と判断したため。被害女性の真正面にいた同容疑者が満員電車をいいことに、女性に接近し、右手で胸を11分間揉みしだいたことは報じられていますが、実は下半身にも手を伸ばしているんです。それもパンツの中にまで。このことは各テレビ局もつかんでいますが、放送を自粛しました」と話す。  被害女性の怒りは今もなお凄まじく「最初否認していた森本容疑者が“オチた”のも、被害女性が警察に事件の詳細を事細かに話していたから」(同)という。森本容疑者には、局内では決して見せない“裏の顔”があったようだ。