
『PRICELESS』HP
現在放送中の木村拓哉主演ドラマ『PRICELESS~あるわけねえだろ、んなもん~』(フジテレビ系)。
11月19日放送分の第5話までの平均視聴率は17.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)。総じて高視聴率が取れず、ゴールデンでも1ケタを記録するドラマがゴロゴロ存在する近年からすれば、十分高視聴率、さすがキムタクといったところではある。しかし、米倉涼子主演の『ドクターX』(テレビ朝日系)の4話までの平均視聴率が17.7%と、今のところ『PRICELESS』を上回り、今クールトップとなっている。
キムタクのドラマといえば、常に高視聴率で、クール視聴率1位が当たり前のようなイメージがあるのだが、実は2010年の『月の恋人~Moon Lovers~』(フジテレビ系/平均16.8%)、昨年の『南極大陸』(TBS系/平均18.0%)と、クール2位に甘んじ、このままの推移でいくと、3作連続で主演ドラマの視聴率のクールトップを逃すという可能性も出てきた(『月の~』のクールのときは『臨場—続章』、『南極~』のときは『家政婦のミタ』が、それぞれクールトップ作品)。
2位で苦戦というのも気の毒だが、これまでにもキムタクドラマに視聴率で勝利した連続ドラマは、どのぐらいあるのだろうか。調べてみた。
まず、個人での本格的な主演ドラマとなった、1996年の『ロングバケーション』(フジテレビ系)。平均視聴率29.6%で、2位の『Age,35』(同)と3位『透明人間』(日本テレビ系)を大きく引き離している(この2本も、かなり高いのだが)。
翌年の『ギフト』(フジテレビ系)は平均18.2%。同時期に放送されていた、同じSMAPメンバーの草なぎ剛主演の『いいひと。』(同)が、平均20.4%を記録。キムタク、いきなり草なぎに負けていたのか。
しかし、その後は安定の木村さん、『ラブジェネレーション』(97年/フジテレビ系)30.8%、『眠れる森』(98年/同)25.2%、『ビューティフルライフ』(00年/TBS系)32.3%、『HERO』(01年/フジテレビ系)34.3%と、平均で30%を超えるという無敵ぶりを見せつけてくれる。その後ずっとキムタクドラマが常にトップという時代が続くのだが、次にトップを逃してしまったのは、08年の『CHANGE』(同)のときだった。平均22.1%なのだが、『ごくせん』(日本テレビ系)の第3シリーズが22.8%を記録して上回っていたのである(最高視聴率)。もちろん主演は仲間由紀恵だが、生徒役メインがHey! Say! JUMPの高木雄也ということだけ取ってみれば、Hey! Say! JUMP大金星という感じで少し面白い。
そんなわけで、『ロンバケ』以降のキムタク主演ドラマ15本中、首位になれなかったのは今のところ4本。そして首位ではなくとも3位になったことはなく、やっぱりスゴいという気がするが、首位を逃しているのが近年の作品に集中しているのが少し気になる。
『PRICELESS』も中盤に差しかかり、無一文状態になったキムタクが、これから奇跡を巻き起こす展開になりそう。視聴率をめぐるドラマも、巻き返しての首位奪還、見られるだろうか。
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夢か現実か? ウソか本当か? 『悪夢ちゃん』の“自由”な授業

日本テレビ 『悪夢ちゃん』
「テレビはつまらない」という妄信を一刀両断! テレビウォッチャー・てれびのスキマが、今見るべき本当に面白いテレビ番組をご紹介。
先生 「『自由』とはなんですか?」
生徒 「周りに流されず、自分の考えで行動することです」
先生 「では周りに流されず、自分の考えで学校を休みたいと思いそのように行動することは『自由』ですか?」
生徒 「それは『自由』ではありません。『自由』の意味をはき違えています。それは『自分勝手』です」
先生 「それは不登校です。不登校をすべて『自分勝手』と言ってもいいのですか? その人の悩みや取り巻く環境などを考えずに、それは『自分勝手』だ、『自由』の意味をはき違えているとそのように発言することは、あなたの『自由』ですか、それとも『自分勝手』ですか?」
生徒 「……そこまでは、分かりません」
先生 「そこまでは分からない。自分のことなのに分からない。それが『自由』なのか『自分勝手』なのかさえ分からない。分からなくてもいいんです。そう思うことが『自由』なのです。学校で教わる『自由』とは、むしろ分かることではなく自分の中に分からないと思うことを増やすことです。先生がなんと言おうと、そう簡単に分かった気にならないでください」
これは土曜ドラマ『悪夢ちゃん』(日本テレビ系)第4話冒頭で、5年生の担任を務める主人公・武戸井彩未(北川景子)とその生徒の間で行われた授業である。
日本テレビの「土曜ドラマ」枠(土曜21時)は独特な進化を遂げてきた。特に2000年代以降は、『怪物くん』『妖怪人間ベム』『Q10』『ゴーストママ捜査線』などティーンエイジャー向けでありながら、同時にテレビドラマの表現として冒険的・実験的な作品を数多く放送し、「土曜ドラマ的」と言うしかないファンタジー要素を巧みに利用した独特なジュブナイル作風を築き上げている。
今クールの『悪夢ちゃん』も、その系譜にあたる。
『悪夢ちゃん』は恩田陸の小説『夢違』(角川書店)を原案とする、予知夢を題材としたSF学園ファンタジーだ。「今日も完璧に良い先生をやり切った」と“良い先生像”を演じているが「羊飼いは楽だけど、顔が疲れるのよ」と腹黒い本性を持つ武戸井のクラスに、恐ろしい予知夢に苦しめられている「悪夢ちゃん」古藤結衣子(木村真那月)が転校してくるところから物語が始まる。彼女の見る悪夢に巻き込まれ、それが暗示する悲惨な未来を変えようと武戸井が奮闘していくのだ。
ある日、インターネット上に「わたしの先生はサイコパス」と題されたブログがアップされた。それは、紛れもなく武戸井に対するもので「わたしの先生は、一度もわたしたちに向かって本当に笑ったことがないんです」「好きも嫌いもない。心がないのだから」などと彼女の本性を暴くものだった。
そして、悪夢ちゃんは夢を見る。
それは、武戸井がそのブログを読み上げる生徒を、ガラスの破片でめった刺しにするというもの。そして彼女自身は赤いワニに頭を噛みちぎられ、首がもげてしまうのだった。今のテレビドラマで、このようなバイオレントで残酷な映像を流すことはなかなかできない。特に、大人が子どもを虐殺するなどタブーだ。しかし、それを「夢」というファンタジーで可能にしてしまったのだ。
武戸井は、早くも第3話で自らの本性を生徒たちにカミングアウトする。クリームを塗ると透明人間になり「透明校則」に違反した者に罰を下す、という漫画を描き、それを現実に実行していた生徒に向けて語りかける。
「先生はサイコパスです! 本当は異常かもしれない。そう思って生きてます。あのブログに書いてあることは全部本当です。先生は笑いたくもないし、泣きたくもない。みんなに嫌われないようにしてるけど、好かれたくもない。殺したいけど殺さない。さてどっちの先生が本当でどっちがウソでしょう?」
そして、自分の身体にクリームを塗る。
「先生は消えましたか? 自分を消すことなんてできない。本当の自分なんていない。人間はどこへ逃げようと、自分から逃げることはできないのよ! ウソと本当がクリームのよう溶け合って生きているのが人間だからです! 先生は異常かもしれませんが、それを抑えて生きていくことはできるでしょう」
重苦しい空気に耐えかねて、「透明人間」を自称した生徒をフォローするように、ほかの生徒が「はしゃぎすぎだよ、何が『透明人間はここにいる』だよ」と笑うと、本人も救われたように「そ、そうだよな」と、照れ笑いとも苦笑いともとれる複雑な笑いを浮かべる。それを見た武戸井は「空気を読んで笑うな!」と一喝。「先生もこれからはなるべく無理に笑わないようにします」と。
夢か現実か――。ウソか本当か――。
真正面から表現することがはばかられるような“真実”を、虚実皮膜の世界の中でフィクションの力を駆使して“教え”ていく。
そして、先述の第4話冒頭の「『自由』について」の授業をするのだ。この回のラストシーンは、国語の授業だった。宮沢賢治の『雪渡り』でキツネのきびだんごを食べた四郎とかん子に対して、武戸井は「文部科学省がなんと言おうと」と、キツネの紺三郎を信じたからではなくその場の空気を読んだからだ、と独自の解釈で批判する。
「学校は一人ひとりがほかの人間に囲まれて生きている場所です。その場の空気を読むことも、人間に備わった大事な能力です。世の中を生き抜く術としては大事なことです。しかし、いくら空気を読んだとしてもキツネのこしらえたきびだんごを食べるべきではなかったと先生は思います。おおなかを壊す確率はかなり高かった。それでもみなさんは食べますか? それでもそこまで考えて、私は食べるというのなら、それはあなたの『自由』です」
これを、単なるファンタジーと片付けることは自由だ。けれど、悪夢にその象徴する事象が隠れているように、このドラマから深遠なテーマを読み解くのもまた自由だ。
(文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>)
●【テレビ裏ガイド】INDEX
【第10回】“正しすぎる”大河ドラマ『平清盛』はヒールのまま終わるのか?
【第9回】このまま終わってしまうのか? ‟崖っぷち”『笑っていいとも!』の挑戦
【第8回】東野幸治流の芸人賛歌? 『アメトーーク!』「どうした!?品川」に見る人間模様
【第7回】『24時間テレビ』の偽善に埋もれさせるのはもったいない!? 渾身の問題作『車イスで僕は空を飛ぶ』
【第6回】親子で一緒に見てはいけない!? トラウマ必至の昼ドラ『ぼくの夏休み』
【第5回】人見知り芸人の処世術が爆発!? 『日曜×芸人』が生み出す「ポジティブ」の正体
【第4回】大人げない大人たちの『ウレロ☆未完成少女』という夏祭り
【第3回】有吉イジリの“陰の帝王”は夏目三久? 本当は怖い『怒り新党』
【第2回】「正義は少年ジャンプの中にしかない!?」“絆”を裁く『リーガル・ハイ』の正義
【第1回】怖さと面白さが同居した新たな笑い?『テベ・コンヒーロ』の悪意
「視聴者はテレビに叱られたい!?」オネエの飽和が生んだ“熟女ブーム”の先にあるもの

藤田紀子公式ブログより
最近バラエティに引っ張りだことなっている女優・淡路恵子。クールな姿勢でズバズバ言うところが人気だが、この夏にピースの綾部祐二との熱愛報道をされた藤田紀子もテレビでよく見かけるし、相変わらずデヴィ夫人やあき竹城も人気だ。綾部はじめ「熟女好き」を公言する芸人も多く、熟女たちが若い女性にダメ出しするようなつくりの番組もよく見かける。年齢を感じさせない美貌を持つという熟女に対して「美魔女」なんて言葉も生まれ、テレビ界に熟女ブームが本格的にきているよう。あるテレビ雑誌記者は言う。
「バラエティでは淡路さんがきてますし、新しいところでは映画の主演とヌード写真集で話題の草刈民代さん、熟女がますますきてる感じは確実にありますね」
どのようなところがウケているのだろうか。
「ひとつは淡路さんやデヴィ夫人、杉本彩さんみたいに、ズバズバ言う人や、藤田紀子さんのように波乱の人生を送っている人の経験談を交えた話。それが、たとえば鈴木奈々などおバカタレントや、AKB48なんかの若い女性タレントとの対比になって、見ている側に分かりやすさが伝わるところはあると思います。基本的には、誰かがズバッとお説教されている場面は、常にウケるというところがあって、そのお説教役が今は熟女の番になったんでしょうね」(同)
毒舌混じりにハッキリと意見を言うといえば、オネエタレントたちも頭に浮かぶのだが、
「ここ数年のオネエの役割が、熟女に移り変わってきたということですね。なんとなく交代でブームがきているんです」(同)
野村沙知代を筆頭とした熟女ブームが、90年代の終わりごろにあった。
「その前には、おすぎとピーコさんや美川憲一さん、美輪明宏さんなんかが、『オネエ』という言葉はまだテレビにはありませんでしたが、大人気でした。その後の熟女ブームも、かなり熱かったですよね。一方で熟女人気を当て込んだ『マダムんむん』なんていう帯番組までできたほどでした。もっとも早々に打ち切られて、逆に伝説になったりもしましたが……。このブームは、サッチーと浅香光代さんの騒動で、急激にしぼんだ感がありました。代わって、IKKOさんやKABA.ちゃんに假屋崎省吾さん、はるな愛さんといった人気者が続々登場し、ここ数年はずっとオネエ人気が続いていたのですが、マツコ・デラックスさんとミッツ・マングローブさんの登場で、インパクト的に頂点に達した感があります。飽和状態になっていたこともあって、熟女のほうに流れていったのではないでしょうか」(同)
テレビ的には、少しかぶる役割にあるという。
「ご意見番的な役割ですよね。芸能ニュースや旬の話題に対してハッキリ物を言う。見ている側はこういった役割の人、自分たちの気持ちの代弁者であったり、アドバイスをもらえるような気分にさせてくれたりする人は常に求められています。オネエでいうとIKKOさん、はるな愛さんが担っていたビューティ部門も、美魔女やカリスマモデルなんかの熟女がそのまま担えますしね。その時代時代の流れによって、オネエと熟女が交代するようなところはありますね」(同)
ということは、オネエ需要は、この先縮小していくのだろうか?
「今人気のオネエタレントの人たちは、完全にキャラが固まった人が残った状態だと思います。ですから、今露出が多いオネエの人たちは、すでに淘汰後、“残った”状態なのではないでしょうか」(同)
今後の、テレビでの熟女ブームについては、
「ハッキリ物を言ってほしい、叱ってほしい需要と共に、テレビをよく見ている女性の憧れの対象ともなっているので、より広がってくると思います。今後、淡路さんや、いじられキャラとしてウケているあき竹城さんに匹敵するような人気キャラが、今後いろいろ出てくるのではないでしょうか」(同)
サッチー騒動のときのように、今度のブームはテレビ番組の枠をはみ出して、ワイドショーや週刊誌が舞台にならないよう気をつけて!?
「『平清盛』はなかったことにしたい!?」目玉だったはずの松田聖子・森田剛など打ち上げに現れず……

そんなこと言わないでよ~!
10月26日、NHK大河ドラマの最低視聴率を更新した『平清盛』の打ち上げが、新宿のホテルで行われた。
「今までは会費5,000円だったのが、視聴率の不振をカバーするためかどうかわかりませんが、6,000円にアップされていました。料理や内容はまったく変わっていないので、NHKはちょっとでも赤字を補填しようとしているんじゃないですかね」(芸能事務所関係者)
そんな声も飛び交う中、会場にはスタッフ、キャスト含めて500人近くが集まったという。
「これまでの大河の打ち上げと比べて、やっぱり役者さんの数は少なかったですね。主要な女優陣で来ていたのは、和久井映見さんと武井咲さんくらいでした。武井さんは挨拶を終えるとすぐに帰っちゃいましたけどね。男性陣は、主演の松山ケンイチさんをはじめ、上川隆也さん、中井貴一さん、伊東四朗さんなどみなさん来ていましたよ」(ドラマスタッフ)
今回のドラマが大惨敗だったことはいまさら言うまでもないが、ドラマの“目玉”だったはずの松田聖子や15年振りの大河出演となった森田剛などが来場していないことに、あるNHK関係者は、
「そりゃ、来ないでしょう。今、主演ドラマを撮影している深田恭子さんはしょうがないにしても、松田さんや森田さん、檀れいさん、松雪泰子さんなんかは急な仕事はないはずです。それでも来なかったというのは、出演していたことを“なかったこと”にしたいんじゃないでしょうか。松山さんは終始、スタッフの話を真剣な表情で聞いていましたけどね。せめてもの罪滅ぼしなのかもしれません」
会場では終始、“視聴率”の“し”の字も出なかったという。“なかったこと”にしたいのは、出演者ではなくNHKに違いないのだが、松ケンの心境やいかに?
「『平清盛』はなかったことにしたい!?」目玉だったはずの松田聖子・森田剛など打ち上げに現れず……

そんなこと言わないでよ~!
10月26日、NHK大河ドラマの最低視聴率を更新した『平清盛』の打ち上げが、新宿のホテルで行われた。
「今までは会費5,000円だったのが、視聴率の不振をカバーするためかどうかわかりませんが、6,000円にアップされていました。料理や内容はまったく変わっていないので、NHKはちょっとでも赤字を補填しようとしているんじゃないですかね」(芸能事務所関係者)
そんな声も飛び交う中、会場にはスタッフ、キャスト含めて500人近くが集まったという。
「これまでの大河の打ち上げと比べて、やっぱり役者さんの数は少なかったですね。主要な女優陣で来ていたのは、和久井映見さんと武井咲さんくらいでした。武井さんは挨拶を終えるとすぐに帰っちゃいましたけどね。男性陣は、主演の松山ケンイチさんをはじめ、上川隆也さん、中井貴一さん、伊東四朗さんなどみなさん来ていましたよ」(ドラマスタッフ)
今回のドラマが大惨敗だったことはいまさら言うまでもないが、ドラマの“目玉”だったはずの松田聖子や15年振りの大河出演となった森田剛などが来場していないことに、あるNHK関係者は、
「そりゃ、来ないでしょう。今、主演ドラマを撮影している深田恭子さんはしょうがないにしても、松田さんや森田さん、檀れいさん、松雪泰子さんなんかは急な仕事はないはずです。それでも来なかったというのは、出演していたことを“なかったこと”にしたいんじゃないでしょうか。松山さんは終始、スタッフの話を真剣な表情で聞いていましたけどね。せめてもの罪滅ぼしなのかもしれません」
会場では終始、“視聴率”の“し”の字も出なかったという。“なかったこと”にしたいのは、出演者ではなくNHKに違いないのだが、松ケンの心境やいかに?
「絶対撮らせるな!」松ケン主演『平清盛』の打ち上げで、マスコミとNHKが一触即発!

俳優・松山ケンイチ主演のNHK大河ドラマ『平清盛』が26日、クランクアップした。同日夜には東京・六本木のホテルで打ち上げが行われたが、そこでおなじみともいえる週刊誌とNHKのバトルが繰り広げられたという。
松ケンの清盛といえば、内容よりも低視聴率ぶりが話題になった。1月8日の初回視聴率は17.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)で、最近15年間で最低のスタート。ロンドン五輪期間中の8月5日には1994年8月14日放送『花の乱』の10.1%を大幅に下回る、7.8%の1ケタに転落。その後、一旦は持ち直したものの、10月7日放送回から4週連続で再び1ケタを記録している。
同局で行われたクランクアップ会見で、松山は歴代最低視聴率を更新してしまったことについて「数字の問題は最初から気にしていない。最低記録を更新できたことは光栄」と強気に言い放ったが、やはりそれは虚勢だった。
打ち上げでは、松ケン本人もスタッフも視聴率には触れずじまい。それどころか、会場内にマスコミが“潜入”していないか、同局関係者が目を光らせていたという。
「スピーチに耳も貸さず、辺りをキョロキョロしている、いかにもマスコミといった男性を何人も見ましたね。大河スタッフも怪しい人間はチェックしていて、行動をずっと監視していました。マスコミ側もそのことに気付き、一次会は比較的おとなしかったのですが……」(芸能マネジャー)
トラブルが発生したのは、その後、渋谷に場所を移して行われた二次会だ。現場にはすでに先回りした週刊誌の“張り込み部隊”が待機。今か今かと松ケンの到着を待っていたそうだが、突然そこへ同局関係者が大挙押し寄せ、取材を妨害したという。
出版関係者いわく「いきなり車の中をのぞかれ、カメラの存在を確認するや、大声で『ここにマスコミがいるぞー!』と周囲に知らせたのです。これではマスコミも商売上がったり。『ふざけんなコラ!』『おまえらが悪いんだろ!』など、現場ではマスコミとスタッフの間で押し門答が繰り広げられ、一時騒然となりました」。
警察出動の事態には至らなかったものの、現場は荒れに荒れ、後味の悪いものになってしまったという。「終わりよければすべてよし!」ということには、ならなかったようだ。
「絶対撮らせるな!」松ケン主演『平清盛』の打ち上げで、マスコミとNHKが一触即発!

俳優・松山ケンイチ主演のNHK大河ドラマ『平清盛』が26日、クランクアップした。同日夜には東京・六本木のホテルで打ち上げが行われたが、そこでおなじみともいえる週刊誌とNHKのバトルが繰り広げられたという。
松ケンの清盛といえば、内容よりも低視聴率ぶりが話題になった。1月8日の初回視聴率は17.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)で、最近15年間で最低のスタート。ロンドン五輪期間中の8月5日には1994年8月14日放送『花の乱』の10.1%を大幅に下回る、7.8%の1ケタに転落。その後、一旦は持ち直したものの、10月7日放送回から4週連続で再び1ケタを記録している。
同局で行われたクランクアップ会見で、松山は歴代最低視聴率を更新してしまったことについて「数字の問題は最初から気にしていない。最低記録を更新できたことは光栄」と強気に言い放ったが、やはりそれは虚勢だった。
打ち上げでは、松ケン本人もスタッフも視聴率には触れずじまい。それどころか、会場内にマスコミが“潜入”していないか、同局関係者が目を光らせていたという。
「スピーチに耳も貸さず、辺りをキョロキョロしている、いかにもマスコミといった男性を何人も見ましたね。大河スタッフも怪しい人間はチェックしていて、行動をずっと監視していました。マスコミ側もそのことに気付き、一次会は比較的おとなしかったのですが……」(芸能マネジャー)
トラブルが発生したのは、その後、渋谷に場所を移して行われた二次会だ。現場にはすでに先回りした週刊誌の“張り込み部隊”が待機。今か今かと松ケンの到着を待っていたそうだが、突然そこへ同局関係者が大挙押し寄せ、取材を妨害したという。
出版関係者いわく「いきなり車の中をのぞかれ、カメラの存在を確認するや、大声で『ここにマスコミがいるぞー!』と周囲に知らせたのです。これではマスコミも商売上がったり。『ふざけんなコラ!』『おまえらが悪いんだろ!』など、現場ではマスコミとスタッフの間で押し門答が繰り広げられ、一時騒然となりました」。
警察出動の事態には至らなかったものの、現場は荒れに荒れ、後味の悪いものになってしまったという。「終わりよければすべてよし!」ということには、ならなかったようだ。
今後は地上波以外で勝負!? 視聴率低迷のフジテレビが新メディア構築を模索中

かつての視聴率「三冠王」の面影なし!?
9月に『はねトび』が、年内には『HEY!HEY!HEY!』と、一時期フジテレビの看板だった番組が次々幕を下ろしていく。ロンドンブーツの田村淳をメインMCに据えたお昼の情報番組『知りたがり!』も8月には視聴率1%台を記録するなど、低迷が続く。
『ほこ×たて』や『ピカルの定理』など、近年のヒット番組は複数あるものの、雑誌やインターネットなどでもフジの不調が話題になることが多くなっている。その際、よく引き合いに出されるのが、『お試しかっ!』や『お願い!ランキング』などが好調のテレビ朝日だが、テレ朝とフジの現状の違いについて、人気番組を担当する放送作家に聞いてみた。
「フジに限らず、各局がテレ朝にヤラれているという印象はありますね。テレ朝は、独自のモノを作ってきたというよりは、ある意味でベタに徹してきたのが、不況の時代にちょうどマッチしたと言えますね」
上記の人気番組は、ファミレスやファストフードなどの人気メニューを取り上げることで、視聴者の親近感を獲得した。
「プライドがあまりないというのか、ダメならすぐに切り替えていくという空気がテレ朝にはあって、それがうまくいっている状態ではないでしょうか」
確かに『Qさま!!』や『いきなり!黄金伝説。』などほかのテレ朝の人気番組も、放送開始当初のフォーマットは原形をとどめていないようなものが多い気もするが、その路線の変更は、迷走ではなく成功につながっている。このテレ朝の見切りの早さ、フットワークの軽さのようなものについて、前出の作家はこう言う。
「テレ朝は、抱えているタレントの数がほかの局より少ないんです。そのため、しがらみも少ない、というのが強みになっていますね。反対にフジはタレントとの結びつきが比較的強い局で、タレントに対して作り手側の思い入れも強くなってしまう。それで、あまり視聴率が取れなくなっても番組をずるずると続けてしまい、気がつけば大変なことになってしまっているといえますね」
そんなフジにも最近、変化が見られるようになってきた。
「名物ディレクターと呼ばれるような人が、制作から別の部署に異動になるということが頻繁に起こっているようですね。このままじゃいけないという空気はあるんじゃないでしょうか」
今後、どういう方向にフジは向かっていくのだろうか?
「スカパー!でもYouTubeでも、動画コンテンツを見るというだけなら、地上波のテレビに限らずいくらでも視聴者の選択肢はあるんです。ですから、テレビのコンテンツだけでやっていくというのは、今後どこの局も難しいと思います。そういう状況ですから、フジテレビオンデマンドをはじめ、ネットやモバイルも絡めたメディアづくりを模索している状態じゃないでしょうか。正直、Twitterでいいんじゃないかと誰もが思っていそうなところ、かたくなに『イマつぶ』(フジテレビが運営するつぶやきサービス)にこだわるのも、テレビを含めた新しいメディアの形を作っていきたいという、フジの強い思いの表れなんじゃないでしょうか」
視聴率的には厳しい状況が続くが、夏恒例のイベント「お台場合衆国」には今年も多くの人が来場するなど、フジのブランド力はまだまだ健在のようだが……。
「そこはやっぱり強いです。フジも全部がダメというのではなく、たとえば『逃走中』なんかは、ゲームソフトがかなり売れたり、子どもの食いつきがすごいんです。模索によって、こういった新しい流れがいろいろ出てくれば、状況も変わってくるのではないでしょうか」
地上波の視聴率だけが重視される時代ではなくなっていく中で、フジの思惑が当たる時が来るのかもしれない。
20%割れしたキムタクドラマの挽回なんて「あるわけねぇだろ」? 秋ドラマ初回レビュー(後編)

『PRICELESS~あるわけねぇだろ、
んなもん!~』フジテレビ
10月1日スタート『純と愛』(NHK)から、10月23日スタート『遅咲きのヒマワリ~ボクの人生、リニューアル~』(フジテレビ系)、『花のズボラ飯』(TBS系、MBSは10月25日)まで、25作品以上が出揃った民放キー局の秋の連ドラ。
前編に引き続き、「秋ドラマ初回レビュー~後編~」と題して、初回放送の様子をランキング形式で振り返ってみたい。
■米倉涼子の医療ドラマが大健闘!
まず、初回平均視聴率トップ10は以下の通り(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区)。
1位『相棒 season11』(テレビ朝日系)19.9%
2位『連続テレビ小説「純と愛」』(NHK総合)19.8%
3位『ドクターX~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)18.6%
4位『PRICELESS~あるわけねぇだろ、んなもん!~』(フジテレビ系)16.9%
5位『TOKYOエアポート~東京空港管制保安部~』(フジテレビ系)14.0%
6位『MONSTERS』(TBS系)13.8%
7位『悪夢ちゃん』(日本テレビ系)13.6%
8位『遅咲きのヒマワリ~ボクの人生、リニューアル~』(フジテレビ系)13.5%
9位『結婚しない』(フジテレビ系)13.0%
同率9位『ゴーイング マイ ホーム』(フジテレビ系)13.0%
15%超えれば万々歳といわれる昨今、該当するのは4作品。中でもいい意味で期待を裏切ったのが、多くのメディアがノーマークだった『ドクターX~外科医・大門未知子~』だ。
米倉涼子演じる大門未知子は、クールでかっこいいが、いい意味でバカバカしく、早くも「米倉涼子一のハマり役」との呼び声も高い。劇中、分かりづらい医療用語は極力抑えられ、「何も考えずに見られる医療ドラマ」として評価されている一方、過酷な労働条件から激減している外科医問題にもちゃんと触れており、医療ドラマらしさも残したバランスのいい作品となっている。
また、『家政婦のミタ』(日本テレビ系)の「家政婦紹介所」を彷彿とさせる「名医紹介所」や、『プロジェクトX~挑戦者たち~』(NHK)にかけたであろう田口トモロヲによるナレーションなど、パロディをにおわせる遊び心も、見る者に心地よい親近感を与えているようだ。
4位は、キムタク主演の月9『PRICELESS~あるわけねぇだろ、んなもん!~』。放送前から20%超えが期待されていただけに、少々寂しい結果となったが、これは裏で放送されていたプロ野球クライマックスシリーズ最終戦の中継(平均視聴率20.1%)が影響したとみられている。
初回は、木村拓哉演じる大手メーカーの課長が、突然、身に覚えのない情報漏洩の罪で会社を解雇。さらにトボトボと帰宅した途端、自宅マンションが爆発。一瞬にして職と財産を失いホームレスへ転落する、スピード感溢れる展開であった。
日頃から散財していたため「貯金が30円しかない」という帳尻合わせの設定を除けば、重なる災難に「キムタクかわいそう……」と同情しきりの初回。途中、お笑いコンビ・まえだまえだの前田旺志郎くんの豊満な全裸が出現する、刺激的なシーンはあったものの、初回の評判はなかなか。今後、数字の挽回があれば、キムタクが言いそうなことでお馴染みの「ちょっ、待てよ!」が、「あるわけねぇだろ、んなもん!」に塗り替えられる可能性も、なきにしもあらずだ。
■「キャラがスベッてる」香取&山Pダブル主演『MONSTERS』に悪評!?
5位は、深田恭子が航空管制官を演じる『TOKYOエアポート~東京空港管制保安部~』。昨年1月にCSで放送された川原亜矢子主演『TOKYOコントロール 東京航空交通管制部』(フジテレビONEほか)の続編として制作。初回は、身近ながらよく分からない管制官という職業の紹介に終始した印象であった。
早くも評判のいい同作だが、やはりというべきか、視聴者の感想にどうしても付きまとうのが、「佐々木希が大根過ぎる」「ドラマは大好きなのに、佐々木さんが出てくると入り込めません」といった佐々木希に対する演技批判。時任三郎、長谷川朝晴など名優揃いのキャストの中で、お人形のような佐々木は浮いてしまうのかもしれない。
ちなみに同作は、『家族のうた』で低視聴率のイメージが付いてしまった「花王 ドラマチック・サンデー」枠で放送。同枠のイメージアップが期待されていたが、2週目に裏で『MONSTERS』がスタートした途端、視聴率は9%台まで急降下。後出しの『MONSTERS』に軍配が上がってしまった。
その『MONSTERS』はというと、香取慎吾演じる“世にも奇妙な嫌われ者”刑事と、山下智久演じる“お坊ちゃん”刑事が繰り広げる痛快ミステリーとのことだが、演技・脚本ともに昨今のドラマでは類を見ないほどの悪評を集めている。ネットの感想を見ても、素直に「面白い」と言う人は少なく、特に「香取、山下のキャラがスベッてる」「謎解きが酷過ぎ。まったく名推理でもないし」というような意見が目立った。
香取演じる刑事は「いつもニコニコしており、誰に対しても極端なまでの紳士的な言葉遣いで、一見好印象に見えるが、安心して心を許すと、知らず知らずのうちにすべてを暴かれた挙句、プライドを激しく傷つける、いわゆる慇懃無礼な男」(公式サイトより)と、これだけ読んでも分かる通り、かなり複雑な性格。おそらく難役なのだろうが、正直なところ「ドラマ制作側が求める“モンスター刑事”を香取が演じきれているのか?」という点においては、疑問を感じずにはいられない。
いずれにせよ、このままではジャニーズ強力タッグが、深キョンに逆転される日も近い!?
■早くも低視聴率の『レジデント~5人の研修医~』が、『コード・ブルー』に似すぎている!?
今期、早くも大コケが危惧されているのが、仲里依紗主演『レジデント~5人の研修医~』(TBS系)。「5人の若き研修医たちの成長する姿を等身大で描く、青春群像ドラマ」とのことだが、21時台の放送にして初回平均視聴率8.4%にとどまった。
特に感想で多いのが、数年前に山下智久主演でヒットした『コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-』(フジテレビ系)と「酷似している」というもの。同作を見ていた人の中には、あまりの二番煎じ感にがっかりしてしまう人も多いようだ。
今期、『相棒season11』に続き、ファンが心待ちにしていたのが、グルメドラマ『孤独のグルメ season2』(テレビ東京)。「業界視聴率ナンバーワン」とも「深夜の胃袋テロ」ともいわれる同作は、松重豊演じる“井之頭五郎”が毎週、東京の街をぶらついたり、実在の店で腹を満たすシンプルなもの。そのシンプルさゆえに、登場人物のセリフや演技の一つひとつが、視聴者に突き刺さるのかもしれない。
『season1』との違いは、放送時間が30分間から、47分間に増えたことと、主人公が食事の前に甘味処へ寄るようになった点だろう。一部地域では、裏番組で大人気深夜アニメが放送されており、「『中二病でも恋がしたい!』(TOKYO MXほか)と、どっちを見ようかと毎週、悩み苦しんでいる」という訴えも少なくないようだ。
ほかにも、平均11.7%と深夜枠にしては好スタートを切った高橋克典主演『匿名探偵』(テレビ朝日系)や、「『地図は生きている』それが私の捜査のキホン。」がキャッチコピーの真矢みき主演『捜査地図の女』(同)など、多種多様なラインナップが揃う秋ドラマ。とりあえず、キムタクの月9が、2話以降でどこまで盛り返すのか注目したいところだ。
(文=林タモツ)
“正しすぎる”大河ドラマ『平清盛』はヒールのまま終わるのか?

NHK大河ドラマ『平清盛』公式サイトより
「テレビはつまらない」という妄信を一刀両断! テレビウォッチャー・てれびのスキマが、今見るべき本当に面白いテレビ番組をご紹介。
ついにクライマックスを迎えるNHK大河ドラマ『平清盛』。「大河ドラマ史上最低の視聴率」などと批判され苦しんでいるが、一方でその骨太なクオリティで一部のドラマファンからは熱烈な支持を集めている。
長編連続ドラマの魅力は「積み重ね」である。その積み重ねてきた人物造形や関係性が昇華した時や、逆に崩壊した瞬間のカタルシスが醍醐味だ。しかし、それが濃密であればあるほど、視聴者に集中力が要求される。だから、長編ドラマとは思えないような、誰も“成長”も“変化”もしないで同じことを繰り返す薄っぺらな作品が高視聴率を獲ってもてはやされたり、逆に濃密で骨太なドラマが最初の数回のつまずきで低視聴率に苦しむことがしばしばある。
確かに、開始当初の『平清盛』は汚くてうるさい作品だった。主人公の松山ケンイチ演じる清盛は、野生児のクソガキだった。みんながみんな、好き勝手なことばかりやっている、なかなかのめり込みづらい世界観。それでも、阿部サダヲ演じる信西をはじめとする朝廷側はとても魅力的で、特に三上博史演じる鳥羽法皇、井浦新の崇徳院、そして松田翔太扮する後白河院などの公家の、ハマり過ぎるほどハマった熱演は目が離せないものだった。それも長編群像劇の魅力である。人それぞれに誰に思い入れて見るか、優れた作品ほどそれが多様で自由なのだ。そして、それを後押しするようなキャスティングの妙が『平清盛』にはある。先に挙げた公家勢のそれは見事だったし、キーポイントとなる源義経役に、かつての大河ドラマ『義経』(2005)で義経の少年期を演じた神木隆之介が作品を越えて選ばれたのは白眉で、今後のクライマックスを見る心の盛り上がりはハンパない。
『平清盛』の場合、最初からある意味でハンディキャップがあった。多くの日本人にとって、清盛をはじめとする平家は永遠のヒール(悪役)である。義経をはじめとする歴史上のヒーローは源氏。僕らは教科書などで、源氏視点から見る歴史を刷り込まれている。平家は「平家にあらずんば人にあらず」とガハハと驕り高ぶって、栄華を極め、贅沢三昧の生活や傲慢な政治をした挙げ句、自業自得で崩壊した。そんなイメージである。
大河ドラマの特性として、最初からネタバレ状態というものがある。大きな出来事や結末はみんな知っている。しかし、逆にそれを利用して、違った角度から史実を描き、自分たちの知っている歴史観を覆される快感こそ、大河ドラマの醍醐味の一つだ。
いよいよ平家が栄華を極め、同時にその崩壊の予兆が忍び寄る第3部前半。一貫して慣習や伝統を打ち破ろうと奮闘し続け、50歳を過ぎた清盛。もはや、少年時代の野生児的な荒々しさは消え、泰然自若の一家の長としての貫禄と器の大きさで、京から移住した福原に君臨している。その京の留守を任されたのは、長男の重盛(窪田正孝)。彼は高い能力を持ちながら、まっすぐで繊細な青さで偉大な父の影に苦しんでいた。一方、汚れ仕事もいとわない知略と弁才で渡り歩き、清盛からの信頼の厚い義弟・時忠(森田剛)は院の司として重用されていた。財力と武力で実質的な権力の中心は、藤原摂関家から平家に移っていた。
例えば、「殿下乗合事件」(第37話)はそんなパワーバランスの時に起きる。京の橋で重盛の嫡男・資盛(大西健誠)と鉢合わせした藤原摂関家の基房(細川茂樹)は、朝廷への礼節を欠いた資盛の態度を見て、従者たちに資盛を襲わせた。そんなわが子への辱めを受けても礼節を重視する重盛は、苦悩しながらも周囲からの報復すべしの声に耳を貸さず資盛を叱るのみだった。
時忠はそんな重盛の采配を見て言う。
「正しすぎることは、間違っていることと同じだ」
やがて、基房をはじめ平家に対して異を唱える者たちを、禿(かむろ)と呼ばれる武装した童子たちが襲い始める。それは、時忠が放ったものだった。重盛が冷酷になれない自分に嘆き病床に伏し、清盛の妻・時子(深田恭子)が「このままでは平家が嫌われ者になる」と心配するのをよそに清盛は権力の拡大に邁進し、それに呼応するように暴走を止められない時忠は、禿によって恐怖政治を強化していくのだった。
元海賊王で清盛の側近兎丸(加藤浩次)は、時忠に「やりすぎじゃねえか?」と忠告する。それに対して時忠は、厳しい表情で自らに言い聞かせるようにつぶやくのだ。「平家にあらずんば人にあらず……」と。
長きにわたって積み重ね描かれた人間味あふれる人物描写、複雑な人間模様と時代背景。『平清盛』は、それらを丁寧に紡いだ“正しすぎる”大河ドラマだ。だからこそ、驕り高ぶった言葉だと思っていたセリフが、実は一方で苦渋に満ちた言葉だったのではないかと気付く快感を味わえるのだ。
プロレスの世界ではヒール(悪役)がベビーフェイス(善玉)に転向することを「ベビーターン」という。ベビーターンは大きなカタルシスを伴うものだ。時代のヒールに貶められた平清盛は、大河ドラマとしても低視聴率というヒールの扱いを受けてしまっている。ドラマの中で清盛はベビーターンを果たしているが、『平清盛』は大河ドラマとしてもベビーターンができるのだろうか。あるいは、やはり「正しすぎることは、間違っていることと同じ」なのだろうか。
(文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>)
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