『聲の形』はいじめっ子を美化する作品? 公開めぐり、中国政府と観客に温度差が生じたワケ

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『聲の形Blu-ray 通常版』(ポニーキャニオン)
 こんにちは、中国人漫画家の孫向文です。  9月8日、京都アニメーション製作のアニメ映画『聲の形』が中国で公開されました。  本作は大今良時氏の同名漫画が原作で、聴覚障害を持つヒロインの少女・西宮硝子と、彼女をいじめたことがきっかけで孤立してゆく主人公の少年・石田将也の触れ合いを描いたもの。日本では昨年9月に公開され、全国120館規模ながら興行収入23億円を記録する大ヒットとなりました。 ■作中には、現実問題が的確に描かれている  僕は『聲の形』には、日本社会が抱える現実的な問題が内包されていると思います。作品序盤で聴覚障害者の硝子がいじめられた際、担任教師とクラスメイト全員が、まるで傍観者のように彼女を嘲笑します。その後、硝子の母親が壊された補聴器の請求のために学校に抗議したことにより事態は一転し、硝子を率先していじめていた将也は、自身がいじめられるハメになります。障害者を露骨に差別するクラスメイトの植野直花は「硝子がろう学校や特別支援学級ではなく、一般学級に通学するがゆえにクラスメイト全員に迷惑がかかる」と説くのですが、確かにハンデを背負った人物が原因で多くの人に負担がかかるという例は珍しくありません。  その一方、障害者を助けることにより「意識の高い自分」を演じて周囲からの評価を上げようとする八方美人的な川井みき、真剣に硝子を助けたいという思いから手話を学んだ挙げ句、植野に第二のいじめの標的にされるという哀れな境遇の佐原みよこなど、さまざまなキャラの心理描写や心境の変化が作中で描かれています。  物語のクライマックス、クラスメイトたちは殴り合った末に、互いを理解しようとします。結局、誰の意見が正しいのか、明確な答えは描かれません。僕は『聲の形』を見た後、いろいろと複雑な心境になりました。  中国版の『聲の形』は、「教育上不適切な表現」という名目で、中共政府が、将也が硝子をいじめる場面、将也の母親が土下座する場面、クラスメイトが暴力を振るう場面など、数十カ所、計20分程度がカットされました。当然、ストーリーの重要な場面が端折られた状態となり、観客からは「ストーリーが唐突でよくわからない」などと苦情が殺到しました。  さらに、中共政府の機関紙「環球時報」は、「『聲の形』は、いじめっ子を美化する内容だ。作中のいじめ場面は、昔いじめられていた人に不安感を与え、エンディングでいじめを行った者が救済される点が不愉快な印象を与える。このような作品が作られたのは、日本の学校にいじめがはびこっているからだ」と酷評しました。これは、日本を批判するためのプロパガンダ的な報道です。  中国人の観客の大半は、日本人と求める要素が違います。中国では過去に悪いことを行った人を死んでもなお鞭で叩き続けるという、徹底的にやり込める痛快感を求めます。中国のことわざ「悪い犬が川に落ちても叩き続ける」(痛打落水狗)には、その国民性がよく反映されています。 ■日本をいじめ体質だと批判する、いじめ国家・中国  このような世論がまかり通っていますが、チベット民族・香港に対する迫害、富裕層の貧困層に対する搾取、公権力による一般人いじめ、共産党内部の内ゲバ、在中外国企業に対する嫌がらせ、自国周辺の小国に対する攻撃など、実際の中国社会には、いじめ気質がまん延しています。ある中国人アニメファンは環球時報の社説を受けて、「いじめられっ子に『いじめられることを反省しろ』というのが、典型的な中国の教師だ」という反論をネット上に寄せました。この意見には僕も思い当たる節があり、小学校の頃、僕は成績が悪いことが原因でクラスメイトからいじめられていたのですが、担任教師はその様子を見ていじめっ子をしかりつけるのではなく、「お前の成績が悪いから、いじめられるんだ。反省しろ」と僕に言いました。強い者がはびこる一方、弱い者は徹底的に虐げられるのが中国社会です。  僕は、映画公開前から漫画を全巻読破するほどの『聲の形』ファンです。日本での公開時、同時期に同じくアニメ映画の『君の名は。』が空前の大ヒットを記録しましたが、僕自身は『聲の形』のほうに共感します。『聲の形』は障害者やいじめがテーマという理由から、いったん雑誌掲載が見送られたという経緯を持ちます。このような風潮は、リベラル層が、日本の言論、マスコミ界の上層部に多く存在しているためだと思います。彼らの過剰な配慮により、名作が封印される可能性があったのです。 『聲の形』は、障害者、いじめ問題を世間に問いかける内容であり、差別を助長するものではありません。しかも、登場人物は全員架空であるため、個人を中傷する内容ではないのです。行きすぎた表現規制は、漫画家、小説家、映画監督など、多くのクリエイターの可能性を奪う行為だと思います。
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●そん・こうぶん 中華人民共和国浙江省杭州市出身の31歳。中国の表現規制に反発するために執筆活動を続けるプロ漫画家。著書に、『中国のヤバい正体』『中国のもっとヤバい正体』(大洋図書)、『中国人による反中共論』(青林堂)、『中国が絶対に日本に勝てない理由』(扶桑社)、『日本人に帰化したい!!』(青林堂)がある。 <https://twitter.com/sun_koubun>

『けもフレ』たつき監督降板騒動で甦る25年前の怒り……誰ひとり「コミックコンプ」の恨みは忘れちゃいない!!

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『宇宙英雄物語 1』(KADOKAWA)
 一大騒動となっている、アニメ『けものフレンズ』たつき監督降板騒動。ファンの怒りは日本だけでなく世界へと広がり、署名活動も始まった。降板が明らかになった直後から、ニコニコ動画のプレミアム会員解約をツイートする人も急増。カドカワ株式会社の株価が一時急落する事態ともなり、投資家の注目を集めている。  この騒動と共に30代後半以上のファンが思い出すのが、あの忌まわしい25年前の記憶である。  それは、1992年12月のこと。  当時、角川書店の最有力マンガ月刊誌であった「月刊コミックコンプ」の発売日を、読者は今か今かと待っていた。何しろ『サイレントメビウス』は、ロイが殺され香津美が失踪する急展開。いよいよ連載も佳境に入った『宇宙英雄物語』は、アニメ化も発表されて徐々に情報が解禁されていたからだ。  だが、発売日。ワクワクしながらページを開いた読者は凍りついた。楽しみにしていたはずの連載が、『銀河戦国群雄伝ライ』を除いては掲載されていない。その代わりに、なんだかよくわからないマンガばかりでページが埋められている。記事ページに掲載されている編集者の名前も、まったく知らないものになっている。  事態が飲み込めず、唖然とする読者の目に飛び込んできたのは、書店でその横に陳列されていた、見たことのない雑誌「月刊電撃コミックGAO!」。そちらのページをめくってみると「コンプ」に載っていたはずの連載が、タイトルを微妙にいじったりして、そのまま掲載されているではないか。  それは「コンプ」だけではなかった。「コンプティーク」も「マル勝スーパーファミコン」も、すべてが、初めて見る「電撃」の名を冠した雑誌と中身が入れ替わっているではないか!!  まだ、インターネットもない時代。何かが起こって、会社が分裂したのだろう程度しか想像することはできなかった。次第に事態が明らかになるのは、角川春樹社長(当時)が麻薬取締法違反などで逮捕され騒動になったこと。その報道の中で、ようやく読者は、春樹氏の弟・角川歴彦が角川書店から独立し、新会社メディアワークスを立ち上げて分裂した“お家騒動”の経緯を知るに至ったのである。  その後、歴彦は古巣へと復帰。メディアワークスとの両輪によって会社はさらに発展していくことになる。  けれども、それは読者、あるいはマンガ家にとっては、いまだに許すことのできないことである。今か今かと期待していた『宇宙英雄物語』のOVAは立ち消えとなった。『サイレントメビウス』も絶好調のところで中断(「電撃~」では現在“本作の第0巻”になっている『メビウスクライン』を連載開始)されたため、読者は一気に冷や水を浴びせられた。正直、移籍した連載陣の中には今単行本で読み直しても、明らかにテンションが下がっているものもある。  どうしようもなさの中で、惰性で両方の雑誌を買い続けていた筆者だが、「コンプ」は正直、同人誌レベル……。その中で唯一、光っていた広江礼威の『翡翠峡奇譚』も廃刊と共に打ち切り……。  そんな忘れもしない読者への裏切りが、たつき監督降板騒動と共に甦ってきたのだ。  そう、当時の読者は誰一人として、あの恨みを忘れちゃいないのだ。とりわけ、少ない小遣いで雑誌を楽しみにしていた中高生たちは。  だからこそ、今再びのファンへの裏切りは燃え上がる……。 (文=昼間たかし)

『けもフレ』たつき監督降板騒動で甦る25年前の怒り……誰ひとり「コミックコンプ」の恨みは忘れちゃいない!!

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『宇宙英雄物語 1』(KADOKAWA)
 一大騒動となっている、アニメ『けものフレンズ』たつき監督降板騒動。ファンの怒りは日本だけでなく世界へと広がり、署名活動も始まった。降板が明らかになった直後から、ニコニコ動画のプレミアム会員解約をツイートする人も急増。カドカワ株式会社の株価が一時急落する事態ともなり、投資家の注目を集めている。  この騒動と共に、30代後半以上のファンが思い出すのが、あの忌まわしい25年前の記憶である。  それは、1992年12月のこと。  当時、角川書店の最有力マンガ月刊誌であった「月刊コミックコンプ」の発売日を、読者は今か今かと待っていた。何しろ『サイレントメビウス』は、ロイが殺され香津美が失踪する急展開。いよいよ連載も佳境に入った『宇宙英雄物語』は、アニメ化も発表されて徐々に情報が解禁されていたからだ。  だが、発売日。ワクワクしながらページを開いた読者は凍り付き、しばらく事態を飲み込めなかった。楽しみにしていたはずの連載が『銀河戦国群雄伝ライ』を除いては、掲載されていない。その代わりに、なんだかよくわからないマンガばかりでページが埋められている。記事ページに掲載されている編集者の名前も、まったく知らないものになっている。  事態がのみ込めず、唖然とする読者の目に飛び込んできたのは、書店でその横に陳列されていた、見たことのない雑誌「月刊電撃コミックGAO!」。何かを感じて、そちらのページをめくってみると「コンプ」に載っていたハズの連載が、タイトルを微妙に弄ったりして、そのまま掲載されているではないか。  それは「コンプ」だけではなかった。「コンプティーク」も「マル勝スーパーファミコン」も、すべてが、初めて見る「電撃」の名を冠した雑誌と中身が入れ替わっているではないか!!  まだ、インターネットもない時代。何かが起こって、会社が分裂したのだろう程度しか想像することはできなかった。次第に事態が明らかになるのは、角川春樹社長(当時)が麻薬取締法違反などで逮捕され騒動になったこと。その報道の中で、ようやく読者は、春樹氏の弟・角川歴彦が角川書店から独立し、新会社メディアワークスを立ち上げて分裂した“お家騒動”の経緯を知るに至ったのである。  その後、歴彦は古巣へと復帰。メディアワークスとの両輪によって会社はさらに発展していくことになる。  けれども、それは読者、あるいはマンガ家にとっては、いまだに許すことのできないことである。今か今かと期待していた『宇宙英雄物語』のOVAは立ち消えとなった。『サイレントメビウス』も絶好調のところで中断(「電撃~」では現在“本作の第0巻”になっている『メビウスクライン』を連載開始)されたため、読者は一気に冷や水を浴びせられた。正直、移籍した連載陣の中には今単行本で読み直しても、明らかにテンションが下がっているものもある。  どうしようもなさの中で、惰性で両方の雑誌を買い続けていた筆者だが「コンプ」の方は正直同人誌レベル……その中で唯一光っていた広江礼威の『翡翠峡奇譚』も廃刊と共に打ち切り……。  そんな忘れもしない読者への裏切りが、たつき監督降板騒動と共に甦ってきたのだ。  そう、当時の読者は誰一人として、あの恨みを忘れちゃいないのだ。とりわけ少ない小遣いで雑誌を楽しみにしていた中高生たちは。  だからこそ、今再びのファンへの裏切りは、燃え上がる……。 (文=昼間たかし)

「今、流行っているという……」堀江由衣も出演の“乙女ゲーム風”岡山県広報アニメ『きび男子』制作意図とは?

「今、流行っているという……」堀江由衣も出演の乙女ゲーム風岡山県広報アニメ『きび男子』制作意図とは?の画像1
岡山県政PR動画公式サイトより
 岡山県始まったな!!  岡山県が8月25日から公開しているアニメPR動画『きび男子(だんご)』が、注目を集めている。  このアニメPR動画は、岡山県の晴之国学園に転校してきた女子高生・ももをヒロインに、イケメン男子たちがさまざまな県の広報を語りかけていくという「乙女ゲー」スタイル。冒頭、転校してきたヒロイン・ももが、初日に同級生の生徒会長・犬飼と出会うところから始まり、定番の展開で物語は進んでいく。  防災をテーマにした今回の動画では、生徒会役員の猿彦や神鳥も登場し、次々と身近な防災の知識を教えてくれる。そのキャラクターを演じる声優も、堀江由衣・梶裕貴・村瀬歩という豪華な仕様だ。  スタイルは完全に「乙女ゲー」なのに、話しているのは防災の広報。かつ、人気声優が出演というシュールなテイストに、再生回数は右肩上がりとなっている。  おまけに、背景に描かれる晴之国学園の門は、県下の名門・岡山県立岡山朝日高校と、聖地巡礼を狙ったかのような要素も含まれている。  いったい、どういう経緯でこんな動画が生まれたのか。  昨年度まで、岡山県ではデフォルメキャラを用いたアニメPR動画『みんなのおかやま犬』を展開していた。 「これは、誰でも見てくれるテイストで人気を集めました。しかし、若い世代との意見交換では、高校生・大学生には届いていないのではないかという意見も出ました。そこで今年は、これまで伸びていなかった層にターゲットを絞って動画を制作することにしたのです」(県公聴広報課)  ただし予算は限られている。その範囲でできることを制作会社とディスカッションした結果「今、流行っていると聞いている乙女ゲーム」の形で制作することが決定。ターゲットとする世代に影響力のある声優として3人を選んだのだという。  その最初のテーマに選ばれたのが「防災」。実のところ、岡山県は全国トップクラスで災害の少ない地域である。にもかかわらず「防災」をテーマに選んだのはなぜか。 「地震も、大きくて震度4程度で、(岡山では)災害はあまり起こりません。だからこそ、何かが起きたときの備え……3日分は備蓄を用意しておくことを知っていただくことが必要と考えたんです」(同)  そうして制作されたアニメだが、県担当者が「これは外せない」としたのが、実際の風景を用いることだった。 「やはり啓発したい世代に関係があるものを動画の中に取り入れる必要があると思ったのです。そうなると、学園モノですから、実際の学校ということになります。そこで、教育委員会と撮影可能な学校を相談して、岡山朝日高校を使わせてもらうことになりました」(同)  公開からすでに話題沸騰の動画。ただ、今年は9月に公開する第2話で終了なのだとか。 「アニメ以外に3つ制作予定があるのです。さすがに初年度から5本ともアニメにする勇気はなくて……」(同)  反響次第では、来年度にはさらにパワーアップした動画も登場しそう。まずは、9月公開予定の第2話が楽しみである。  なお、昨年まで展開していた『みんなのおかやま犬』には伊原木隆太県知事自らがキャラになって出演していたが、今回は「若い世代にはピンとこないので」出演はないとのことである。 (文=昼間たかし)

「拳法の達人」なんていない!? 中国人も憧れる『らんま1/2』の世界観

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『らんま1/2』(小学館)
 こんにちは、中国人漫画家の孫向文です。今回は日本の漫画作品を通して、日本人が想像する中国と現実の中国の違いを紹介します。 ■題名、キャラの名前が変更されていた、台湾版『らんま1/2』  1987年から96年まで「週刊少年サンデー」(小学館)に連載されていた『らんま1/2』(高橋留美子)は、拳法の達人で、水をかぶると少女になるという呪いがかかった少年・早乙女乱馬を主人公とした漫画です。少年漫画ながら作者が女性ということもあり、少女漫画テイストも含まれているため、僕が小学校のころは男女問わず大人気でした。『らんま』はギャグありバトルありと、さまざまな要素が詰まった作品で、中国で発売されていた台湾の海賊版には、「発狂する」という意味の「七笑」をもじった『七笑拳』という題名がつけられていました。おそらく「ギャグで大笑い」「ドタバタ」といったニュアンスでしょうが、同じく乱馬の名字は「乙女」と意味が近いからか「姫」に、ヒロインの天道あかねは「銭小茜」と中華風の名前に変えられていました。主要キャラほぼ全員の名前が変更されていたため、中国人ファンはがっかりしたものです。当時、僕は原作に忠実なキャラ名が使用された香港版のコミックスを所有していたため、クラスで好意を持っていた女子に貸して、『らんま』について2人で語り合った思い出があります。 『らんま』の世界で描かれた中国は現実の中国とは似ても似つかないもので、中国人の僕にとって両世界のギャップは興味深いものです。まず、主人公の乱馬はカンフー映画に出てくるような道着を着ていますが、このような格好をしている中国人はいません。また、「拳法の達人が存在する」「人民服を着ている」「美少女が多い」「おいしい料理がたくさんある」という作中設定も、現実の中国とは異なります。道端で不思議グッズを販売する行商人や、肉まんのような頭をした中国人キャラも非常にユニークでした。  おそらく『らんま』の中国は、華やかな文化が咲き誇った古代中国をイメージしたものでしょう。日本人は『らんま』を読んで中国に「幻想」を抱いたかもしれませんが、実際に訪れた際は「幻滅」すると思います。例えば『らんま』の作中では「中国4000年の歴史」という言葉が頻出しますが、現実の中国では「5000年」と水増しされ、「超能力者」と名乗る行商人たちは不思議グッズではなく、インチキ商品を売りつけます。 ■何気ないネーミングにセンスを感じる  また、『らんま』の用語センスは、とても秀逸です。作中の中国人が語尾につける「~アル」とは、中国人のおかしな日本語を揶揄する際に日本の漫画ではよく使われる言葉だと知人から聞きました。また「シャンプー」「ムース」といった作中キャラの名称は、中国語の発音に非常に似ていますが、実際は整髪料の名称をもじったものであることを訪日後に知りました。  数年前、とある在米中国人評論家が「外国人作家が描く中国のイメージは、実際の中国よりも海外のチャイナタウンに近い」という内容のコラムを書いていましたが、おそらく、作品を手がける時に観光地化されたチャイナタウンや古代中華文明を継承する台湾や香港をイメージしていること、中国が現実の国内情勢を伝えないため、作家たちは想像を膨らませて「理想の中国」を作り上げていることが要因でしょう。僕は中国が民主化して、『らんま』の中国のようなユニークな世界になることを願っています。  日本で作られる中華料理のように、『らんま1/2』は日本人がアレンジした「和製中華」といえる作品です。『きまぐれオレンジ☆ロード』の鮎川まどかと同じく、天道あかねは少年時代の僕にとって憧れのヒロインでした。『らんま』以外にも日本の漫画やアニメには数々の魅力を持ったキャラが登場し、それらが日本のイメージアップにつながります。現在、漫画家として活動する僕は、かつて自身が憧れたような魅力的な女性キャラを生み出すべく、日々精進を重ねています。
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●そん・こうぶん 中華人民共和国浙江省杭州市出身の31歳。中国の表現規制に反発するために執筆活動を続けるプロ漫画家。著書に、『中国のヤバい正体』『中国のもっとヤバい正体』(大洋図書)、『中国人による反中共論』(青林堂)、『中国が絶対に日本に勝てない理由』(扶桑社)がある。 <https://twitter.com/sun_koubun>

【PR まこプロ】めぐりあいアキバ! 2/28(日) ベルサール秋葉原でガンダムラストシューティングを目撃せよ!

フィーバー機動戦士ガンダム-LAST SHOOTING-
 ※この記事はまこプロによるPR記事です。  実寸大のリアルなガンダムをお台場で見たことがある人は多いと思うが、大破寸前のリアルなガンダムを見たことある人はそうそういないだろう。ガンオタではなくても、一度は目にしたことがありそうなガンダム最後の雄姿「ラストシューティング」を、パチンコ業界を牽引するSANKYOが2月28日のベルサール秋葉原にて開催される、「フィーバー機動戦士ガンダム-LAST SHOOTING-」試打会にて完全再現する。  実はこのガンダム像は、1月の「フィーバー機動戦士ガンダム-LAST SHOOTING-」の新機種発表会でお披露目されたものだ。被弾したボディの細部までを完全に再現した完成度のあまりの高さにSANKYO の「-LAST SHOOTING-」にかける熱い思いがこめられている。  この試打会では前述のガンダムが見られるのと他に、ガンダム芸人でおなじみの土田晃之氏のゲスト出演が予定されていて、パチンコファンのみならずガンダムファンも楽しめるイベントとなっている。ちなみにプロモーションムービーもあるのだが、こちらは完全新作画でギレンの名演である「立てよ!国民」のシーンを「打てよ!国民!」に変えて制作されている。言うまでもなくギレンの声は銀河万丈氏ご本人だ。 ●フィーバー機動戦士ガンダム-LAST SHOOTING-が示すニュータイプパチンコ
フィーバー機動戦士ガンダム-LAST SHOOTING-
 2015年11月からパチンコの大当たり確率が1/400に近いMAX機と呼ばれる台の開発が、「差玉が10万発(等価で40万円)を越えるデータが見受けられ、とても娯楽とは言えない」という警察庁の判断で出来なくなった。  では「フィーバー機動戦士ガンダム-LAST SHOOTING-」はどうか? 同機は2015年11月以降に検定を通過した新内規のパチンコ機であり、大当たり確率は現行開発できる1/320ギリギリを攻めた1/319.7 (確率変動中:1/56.9) となっている。一見、現行MAX機に対して弱体化している印象を受けるが、ST状態(100回転の確変状態)の継続率は83%を誇っている。ということはメビウスの輪から抜け出せないくらい連チャンする可能性を秘めていて、まさにパチンコ界のニュータイプといえる存在だ。  なお「フィーバー機動戦士ガンダム-LAST SHOOTING-」の最新情報は公式ツイッターで順次配信中だ。そこではなぜか「赤い彗星」のシャアにかけたカニのプレゼントなど、ユニークなキャンペーンも展開中である。  Good luck.Good life.をスローガンに掲げ、新内規に変わっても前向きに業界を牽引するSANKYOの「フィーバー機動戦士ガンダム-LAST SHOOTING-」の試打会を見逃すな! 打てよ国民! (まこプロ) 【フィーバー機動戦士ガンダム-LAST SHOOTING-
フィーバー機動戦士ガンダム-LAST SHOOTING-
日時:2016年2月28日12:00-16:00(予定) 場所:ベルサール秋葉原 ※入場無料公式HP公式Twitter公式PVギレン演説『ジャンジャンバリバリ』篇

キングオブコメディ高橋健一“不朽の野球アニメ”『キャプテン』を語り尽くす!

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キングオブコメディ高橋健一、44歳。
 1972年2月号から「月刊少年ジャンプ」(集英社)で連載されていた、ちばあきお作の不朽の名作『キャプテン』。  当時流行していた熱血スポ根漫画や、魔球&秘打が登場しまくる超人漫画とは一線を画した、現実的で等身大の中学生たちが野球に打ち込む姿を描いた『キャプテン』は大人気作品となり、イチローや新庄剛志、田中将大など、後にプロ野球選手となった人たちも愛読していたことで知られている。  その人気を受け、1980年にはスペシャルアニメがテレビ放送。1981年に劇場アニメが公開。83年からはテレビシリーズが放送。さらに2007年には実写映画化と、たびたび映像化されているのだが、今回、劇場アニメ版とテレビシリーズ全話を収録したコンプリートBlu-rayBOXが発売さる。  谷口が、丸井が、イガラシが、近藤が……HDリマスターでメッチャきれいになった画質で蘇ったのだ!  ……というわけで、コンプリートBlu-rayBOXの発売を記念して『キャプテン』大好き芸人であるキングオブコメディの高橋健一に熱い思いを語ってもらった。 ■「漫画・イラストクラブ」だけど感動していた ――若手芸人のわりに年をくっていることでお馴染みの高橋さんですが、さすがに『キャプテン』ってリアルタイムではないですよね? 高橋 漫画はリアルタイムではないですね。アニメの方はリアルタイムで見ていたんじゃないかとは思いますけど、ちゃんと通して見たのは何回目かの再放送……中学生の頃だと思います。『巨人の星』なんかは目が燃えてたり、大リーグボール養成ギブスがカッコよかったり、魔球が出てきたりと子どもにもわかりやすかったんで見ていましたけど、『キャプテン』って、そういうのとはまったく違う野球漫画じゃないですか。 ――まあ、比較的地味ですからね。 高橋 スポ根的な要素もあるものの、基本的には青春群像劇なんで、子どもの頃はわからなかったんですよね。でも思春期を超えたくらいから面白くなってきました。 ――野球は好きだったんですか? 高橋 いや、全然。当時はみんなリトルリーグや軟式野球をやってたんですけど、俺はあんまり上手くなかったんで、リトルリーグに入ってるようなヤツらがしごいてくるんですよ。自分が先輩にしごかれてるからって! 近藤に対する丸井のようにね。それがすげーイヤで『絶対にこんなスポーツやりたくねー!』って思ってました。でも『キャプテン』は普通に感動しましたね。野球もしてないくせに『わかるわかる』って(笑)。今でもそうですけど、オープニングの曲を聴くと涙が出てくるんですよ。 ――ちなみに中学生の頃、部活動は? 高橋 何にもやってないです。強いていえば漫画・イラストクラブですね……。そもそも野球部がなかったんですよ。都内の学校なんで校庭も狭かったし、地面もウレタン舗装だったので、野球部もサッカー部もなかったですから。だから、いわゆる放課後残ってやる部活はやってなくて、水曜日の5時間目にクラブ活動として「漫画・イラストクラブ」に入っていたくらい。ただ、ウチの学校に『それゆけ!レッドビッキーズ』(少年野球ドラマ)のミルクがいたんですよ。その弟さんが僕の2~3歳上くらいなんですが、なかなかの不良でした。そういう意味では、野球とも関わりがあったんですけど……。
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等身大の中学野球が描かれた。(C) ちばあきお・エイケン
――全然関係ないですよ! 部活動もやっていないから『キャプテン』のような努力をすることもなく? 高橋 そうですねぇ~。クラスの人気者でもヤンキーでもない、端っこの方のポジションでしたし……。ヤンキーから『ボタンよこせよ』とか言われてましたからね。 ――えっ、それは好きだから第2ボタンが欲しいっていうことではなく? 高橋 違います! 学生服のボタンをストーブで黒く焼くのがヤンキーの間で流行ってたんですよ、威厳がつくから。でもヤンキーたちも自分のボタンは焼きたくないから、クラスの下層にいるヤツらからボタンを奪ってたんですね。みんな泣き寝入りしてたんですけど、俺だけは「返せよ~返せよ~」って泣きながら1時間つきまとって返してもらって、「なんかあいつヤベエぞ!」っていう感じになってました。そういう面では谷口に通じてるのかもしれませんね。 ――決してあきらめないという点では! 高橋 そうです。「がんばる、がんばる」です。ボタン取り返すために「がんばらなくっちゃ!」って思いましたもん。でも真面目な話、谷口みたいな地味で日の当たらなかった人が全国大会で優勝しちゃう……みたいなところには憧れましたね。「こういうこともあり得るんだ!」って。最初はなんの才能もないし、真面目なだけで筋肉がすごいとかもない。親もただの建設業の方ですし。……自分の家もただの運送業でしたから、ちょっとシンクロしてしまいました。 ――とはいえ、谷口はものすごく努力してますよ。 高橋 僕はなんにもしてませんでしたけどね。 ■丸井はダメだけど印象に残っている ――『キャプテン』の特徴として、年ごとにキャプテンの座を引き継いでいって、主人公も変わっていくというのがありますが、高橋さんの好きなキャプテンは誰ですか? 高橋 その質問は来ると思ったんだよなー。でもそれは難しいですよ。牛肉と豚肉と鶏肉どれがいいか、みたいな話なんで。性格が全員違うからなぁ~……。憧れるのはイガラシですね、天才タイプですから。野球技術的な才能は一番あるじゃないですか。しかも、最初は憎まれっ子みたいな感じで入ってきたのに、ツボとなるところで谷口のことを悪く言っている先輩に刃向かったり、丸井のことを一番理解していたり。一番チームのことを思っているキャプテンですからね。逆に一番ダメなのは丸井。谷口は「がんばる」っていう才能が開花するし、近藤も剛力だし。最初から最後までダメなのが目立っているのが、丸井。 ――墨谷二中野球部への情熱だけって感じですからね。 高橋 もちろん練習して技術も身につけるんですけど、同じくらい欠点が目につくんですよね。後輩のイガラシから「ダメですよ丸井さん」「丸井さん何やってるんですか」とか言われたりして。……ただ、一番印象に残っているのも丸井なんですよ。卒業してからもずっと部活に顔を出して、監督みたいになってますから。ちばあきおさんも、丸井みたいなキャラが必要で卒業後も出し続けてたんじゃないかな。こういう、感情を思いっきり出すキャラっていないじゃないですか。
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丸井のキャラがパーケンにも影響を?(C) ちばあきお・エイケン
――一方、谷口は卒業後全然出てこないですもんね。アニメでは最終回にチョロッと出てきましたけど。 高橋 漫画はキャプテンの引き継ぎもあっさりしてますからね。「えっ、もう出てこないの?」って感じで。アニメだと次のキャプテンを誰にするか悩むところなんかも描かれてて、またいいんですよ。丸井が全然自分じゃないと思っていたら、谷口に神社へ連れて行かれて「野球部を頼むぞ、次期キャプテンとしてな」って。そこにイガラシもやってきて「お願いしますよ丸井さん」なんていって、3人のキャプテンが集結するシーンとかすごい好きですね。そこでも肝となっているのは丸井だし、ストーリーも丸井の目を通して見ちゃう部分ってありますよね。結局自分に一番近いのが丸井だし、我々はなんだかんだ丸井と共に成長したんだと思います。 ――ちなみに、他の野球漫画って読んだりするんですか? 高橋 まあ『巨人の星』は読んでましたし、後に『名門!第三野球部』や『県立海空高校野球部員山下たろーくん』とかも。 ――あ、やっぱり努力する系の野球漫画が好きなんですね。 高橋 『第三野球部』『山下たろーくん』あたりは、おそらく『キャプテン』ありきじゃないですか。ああいう等身大の野球漫画のパイオニアですからね。実際に、いろんな野球選手が『キャプテン』を読んでいたっていうのも納得できますよ。『巨人の星』だけ読んでたら、大リーグボールが投げられないって分かった時点で野球やめちゃいますもん。『必殺仕事人』を見て、三味線の糸を投げる練習をしていた俺としては。 ――『キャプテン』を読んでいれば、神社で練習さえすれば結果を出せると思えると。 高橋 『キャプテン』を読むと野球をやりたくなるっていうのはすごく分かりますね。……俺はやってなかったですけど。 ■これなんだなあ……社長がみんなをひっぱる力は…… ――アニメの話に戻しますけど、『キャプテン』って声優さんがすごく特徴的じゃないですか? 高橋 みんな超・棒読みですからね。イガラシが「なんにもわかってないんだなぁ、キャプテンが……(棒読み)」とか。声質も真っ直ぐで抑揚のない感じで、当時はヘタとか思わなかったけど、今見るとものすごい棒読み! 丸井の声優さんも今聞くと、……俺がいうのもなんですけど、滑舌が悪いんですよ。わざと純朴な感じで過剰に抑揚をつけたりしないようにしてるのかな? と思ったら、全員児童劇団の人が演じてたらしいですね。
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神社で練習する谷口。(C) ちばあきお・エイケン
――しかも、イガラシは小学生だったらしいですよ。近藤だけはイメージに合わなかったから大人の声優を連れてきたみたいですけど。 高橋 そう『ドラゴンボールZ』のフリーザ(中尾隆聖)なんですよ。『あしたのジョー2』のカーロス・リベラもやってて、「どこかで聞いたことがあるな~」と思ってたら「カーロス・リベラだ!」って! ――ジブリアニメでは声優以外の人が声を当てているケースが多いですけど、ある意味その先駆けともいえますよね。 高橋 『耳をすませば』のお父さん(立花隆)とかね。「わが図書館もついにバーコード化するんだよ(棒読み)」。あと『風立ちぬ』の庵野(秀明)さんとか(笑)。『キャプテン』の場合、子どもが演じているから、段々と上手くなってくるんですよ。イガラシなんかは特に、技術的にもつたなくて声も出てなかったのが、途中で声変わりしたのか、声ができてくるのがわかるんですよ。それがイガラシの成長ともシンクロしているんですよね。ただ、イガラシの声優さんはWikipediaを見てもその後の活動が一切わからなくて……。おそらく、これ以降目立った活動はしていないんでしょうね。普通に会社員とかになってて「これなんだなあ……社長がみんなをひっぱる力は……(棒読み)」とか言っててほしいな! ■人力舎のイガラシは相方・今野!? ――お笑いの世界も先輩後輩の上下関係が厳しい世界ですけど、先輩になって欲しいキャラクターって誰ですか? 高橋 そこはやっぱり谷口でしょうね。男って背中を見せられるのが一番グッとくるじゃないですか。つべこべいわずに自分でやる。厳しい練習で他の部員たちが「キャプテンがうらやましいぜ……ただノックさえしてりゃあいいんだからな」とか言って抗議しに行こうとすると、上手い具合に谷口が神社で特訓してるんですよね。それでイガラシが「これなんだなあ……キャプテンがみんなをひっぱる力は……(棒読み)」みたいな(笑)。アニメだから都合良く秘密の特訓を見られちゃうんですけど、そうやって背中で語るのが一番伝わるから、憧れの先輩としてはやっぱり谷口ですね。キャプテンとしては別格ですもん。丸井もイガラシも、自分がキャプテンになってからも谷口のことは意識していたと思います。 ――それに比べて谷口の前のキャプテンの影の薄さときたら……。 高橋 ホントですよ! でも、ちょっと練習を見ただけでヘタクソだった谷口をいきなりキャプテンに抜擢した選球眼は卓越してる! まさに「ナイスセン!」。あの名もなきキャプテンが谷口に任せなかったら、墨谷二中の快進撃もなかったわけですから。あのキャプテンが最高のキャプテンですよ。 ――それじゃあ、プロダクション人力舎における谷口といえば誰ですか? 高橋 こんないい人いるわけないじゃないじゃないですか! こんな人は芸人になんてならないですよ。 ――じゃあ丸井は? 高橋 ダメキャラなんだけど熱い部分もあり、実はがんばっているということで……ドランクドラゴンの鈴木さんとか。一番後輩に近いというか、昔からよく一緒に遊んでくれたんです。まあ、ただ単に釣り行く後輩がいなかったってだけかもですけども。
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イガラシ=キンコメ今野? そういえば『ニコニコキングオブコメディ』で、こんなシーンを見たことがあるような……。(C) ちばあきお・エイケン
――丸井も、高校に友達いるのかっていう問題がありますからね。 高橋 中学の部活に顔出してばっかりですから。そういう意味でも鈴木さんに似ていますね。なにかと後輩目線で話を聞いてくれたり。それに鈴木さん、鼻は黒くないですけど腹黒いですから。 ――天才肌のイガラシは? 高橋 イガラシは、なぜか後輩っていうイメージがあるんですよ。生意気なんだけど「こいつにはかなわないな」っていう。そう考えると……相方の今野とかじゃないですかね。年下だし、憎たらしいけど、ここ一番で「かなわないな」ってことをいわれちゃう。養成所に入ってきたときの雰囲気とかも似ていたかな。顔もちょっと似ている気もしますし。あの淡泊な顔というか。 ――一番問題児の近藤は? 高橋 うーん、鬼ヶ島のアイアム野田とか……。ものすごいバカキャラなんだけど、その面ではやっぱりかなわない。人なつっこくて、みんなから愛されてる感じも似ていますね。まあ、野田はものすごく打算的に愛されようとしている部分もありますけど。「俺はかわいがられているからこれでいいんだ」とか自分でいっちゃいますから。 ――近藤が「外野を守ってるの見られたら恥ずかしい」とかいっちゃうみたいな。 高橋 そうそう。それも悪気なくいってますからね。そういう自分のことしか考えていない感じも似ています。 ■『キャプテン』は腐女子にもオススメ!? ――『キャプテン』は連載開始が1972年という古い漫画ですけど、それが2007年に実写映画になったり、今年Blu-rayになったり、いまだに愛され続けている理由はなんだと思いますか? 高橋 まあやっぱり……等身大の野球漫画としての完成形だから古びないんでしょうね。昔の漫画やアニメって、やっぱり今見ると変な部分が多くて、つっこんだり、揚げ足取りなが見ちゃうじゃないですか。でも『キャプテン』は本当に素直に見られるんですよ。たぶん、今の野球部の人が見ても「野球部員はこうあるべき」みたいな部分は変わっていないと思います。それは野球の人も、サッカーの人も、僕のような芸人でも通じるものがあるんじゃないかな。僕がやたらとコントの練習をしたがるのは間違いじゃなかったんだ! ――練習は裏切らないと。 高橋 まあ僕はキングオブコントの決勝前に7時間も練習したせいで口が回らなくなって本番で盛大に噛みましたけど……。野球でも、練習し過ぎて肩壊しちゃうとかもあるんで、やたら練習すればいいってわけじゃないですけどね。 ――谷口も無茶しすぎて指をケガしてましたから……。 高橋 あとは、僕の独自の見解ですけど、丸井とイガラシの関係なんかは、今で言う“萌え”的な見方もできるんじゃないかと思います。 ――ああー、分かります。 高橋 反発しながらも、最終的に認め合ったり。憎まれ口を叩きながらも、イガラシのことを一番買っているのは丸井だったり……。今の女の子が読んでも興奮できるんじゃないかと。
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イガラシ×丸井でBLもアリ?(C) ちばあきお・エイケン
――BLになっていてもおかしくないと。 高橋 そういう雰囲気、俺でも感じますもん。近藤のことで丸井が怒って部室に帰っちゃうんですけど、イガラシが迎えに行って『そのうちキャプテンも近藤とウマがあうようになりますよ、きっと!』『ぼくだって最初はキャプテンにきらわれたじゃないですか』っていうんですよ。それに対して丸井は『お前なんか、いまでも好きじゃねえよ』って。要はそんなことを言い合えるまでの関係になっているってことですからね、キュンとしましたよ! しかも部室にふたりっきりなんですよ! 時代が時代だったらよからぬ方向に行ってますよ。 ――腐女子の人たちにも是非見てもらいたいと。 高橋 野球部とか関係なく、いろんな人の心に響くと思います。俺なんて帰宅部なのに泣いてましたからね。あれ、何に対する涙なのかまったくわからないですけど。考えてみれば野球部を真面目にやっていたら夕方のアニメなんて見られないですからね。帰宅部のバイブルですよ。まあ、今回Blu-rayになったので野球部員の方たちも練習が終わった後に見られますから、是非! (取材・文=北村ヂン) ●高橋健一(たかはし・けんいち) 2000年にプロダクション人力舎のお笑い養成所「スクールJCA」同期生の今野浩喜と「キングオブコメディ」結成。2005年「第3回お笑いホープ大賞」受賞、2010年「キングオブコント2010」優勝。 著書に『卑屈の国の格言録』(サイゾー/小明との共著)。 サイゾーテレビ『ニコニコキングオブコメディ』出演中。 ●キャプテン コンプリートBlu-rayBOX http://www.odessa-e.co.jp/cont/captain/index.html

TOKYO MXで再放送中『ガンバの冒険』徹底分析「なぜノロイは、あんなに怖いのか!?」

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『EMOTION the Best ガンバの冒険 DVD-BOX』(バンダイビジュアル)
 30~40代が語る「怖かったアニメキャラ」「トラウマになったアニメの敵役」などの話題では、『ドラゴンボール』のフリーザとともに、必ずといっていいほど登場する『ガンバの冒険』の白イタチ「ノロイ」。  『ガンバの冒険』は現在TOKYO MXで再放送されているが、原作は斎藤惇夫の小説で、もともと1975年に放送された作品だ。その後、何度か再放送されているため、再放送で見た世代も多いだろう。  それにしても、「暴力と恐怖で島を支配する白イタチにネズミたちが立ち向かう」というシンプルなストーリーのどこに、それほどまでの恐怖があったのだろうか?  いまだに「アニメ史上最凶最悪のラスボス」などと言う人も多いが、記憶の中のノロイはというと、とにかく「デカい」「ものすごく怖い」というイメージばかり。実は幼い頃の記憶によって、強調されてしまっているのではないかとも思う。  だが、再放送であらためて見てみたところ、驚いたのは「記憶以上に怖い」ということだ。大人が見ても、絶望的に怖い。なぜなのか?  マンガ編集者やアニメ好きのライターなどに「怖さ」のポイントを挙げてもらい、以下にまとめてみた。 ●圧倒的サイズ感  ガンバたちネズミとの大きさの対比は言うまでもないが、周りの普通のイタチたちともまったくサイズが違い、そびえ立つ姿はまるで山のよう。しかも、夕日や月夜をバックに立つことが多く、体と夕日や月明かりの境界線がぼやけていることで、余計に大きく見える。 ●最初から「ラスボス」として存在すること  話の引き延ばしで次々に強い敵が出てくる少年漫画などと違い、最初から「ラスボス」として登場。合間にさまざまな敵が登場するものの、桃太郎の鬼退治などと同じく、話がブレないところも怖さを引き立てている。 ●「島」という引き返せない立地  ガンバたちは苦労を重ねつつ山を越え、覚悟を決めて海を渡り、ノロイたちがいる島へ行く。海を渡ることによって「引き返せない切迫感」が生まれるのは、『ドラゴンクエスト』などのラスボスステージにも近い印象。 ●ずば抜けて頭がいいこと  催眠術やスパイを使ったり、兵糧攻めをやってのけたりする優れた頭脳の持ち主であるという怖さ。 ●美意識が強いこと  白い体は気品があって美しい。本来は正義を表現することが多い「白」が、残虐な悪役という怖さもある。さらに、美しい「白」を汚したというだけの理由で、自分の手下をも躊躇なく殺してしまう美意識の強さも恐怖そのもの。 ●殺しを楽しんでいること  ネズミを殺す目的は、捕食としてではなく、「楽しみ」だけという恐ろしさ。「まだまだ殺すな。いつでも殺せる。ゆっくり殺せ。楽しく殺そう。薄汚いネズミどもを」と言ってのける、殺しを遊びとしか思っていない残虐さは最大の恐怖。白く気品のあるルックスと殺しを楽しむ残虐性などは、やはり『ドラゴンボール』のフリーザとも似ている。 ●エンディングテーマが怖すぎる  「けれど ゆうひは おまえとなかまの どくろをうつす」という、底なしに絶望的な歌詞のバックに、巨大なノロイの姿が映し出される。これだけで十分最恐!  時を経て、何歳になってもますます怖い『ガンバの冒険』のノロイ。あらためて恐怖の世界に浸ってみるのもいいかも。

アニメ業界の新潮流? 「キルミーベイベー」に「ラブライブ!」とOVA付きCDが出現!

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『キルミーベイベー・スーパー』(ポニーキャニオン)
「どしたのワサワサッ?」 「うるさいドーン!!」  このフレーズだけでピンときたアナタ。間違いなく、洗脳されてますネ! そう『キルミーベイベー』に!  2012年の深夜に放送され、当初はそんなに話題にならなかったものの、中毒性のある内容と主題歌のパワーで放送終了後もジワジワとファンというか信者、もしくは患者を現在進行形で増やし続けるギャグアニメ『キルミーベイベー』が今秋復活する。  10月16日に、テレビで使用されたOP、EDテーマやキャラクターソングを収録したベストアルバム『キルミーベイベー・スーパー』(ポニーキャニオン)をリリースする本作だが、今回のアルバムには、ほぼテレビアニメ1話分に相当する約27分のOVAが付属。「まさかの第2期フラグか?」とファンの期待感を煽っている。  それにしても、「CDにOVAが一本丸ごと付いてくる」という展開は、今までにあまり見なかった動きである。従来はOVAに特典CDがついてくるという形が主流だったが、『キルミーベイベー・スーパー』では主従が逆転してしまっている。  そのほぼ1カ月後となる11月27日にリリースされる、アニメ『ラブライブ!』のヒロインたちによるアイドルユニット・μ’s(ミューズ)のニューシングル(タイトル未定/ランティス)でも、CDにOVAを収録したBlu-rayが付属するバージョンが発売される予定だ。  μ’sは、これまでもシングル表題曲のアニメPVを収録したDVDをCDに付属してきたが、今回はPVを収録したDVD付きのバージョンのほかに、PVと短編OVAを収録したBlu-ray付きのバージョン。および前出のBlu-rayに加えて、さまざまな特典を封入した「超豪華盤」の3バージョンの発売が予定されている。お値段もDVD付き通常盤は2000円、BD付き通常盤は4500円、超豪華盤は7500円(すべて税込)と幅広い。  このように、まだまだ数はごく少なくはあるのだが、CDの特典にOVAを付けるという動きが生まれつつあるのは非常に興味深い。 「今後、こういう形態のアイテムが増えるかどうかはまだわかりませんが、どちらのタイトルも楽曲人気が高いアニメだと思います。アニメ本編は知らないけど、アニメソングとして気に入った人がCDを購入し、そこで特典に付いてきたアニメを見ることでアニメ本編にハマるという可能性もあると思います」 と、アニメ雑誌関係者は分析する。また、アニメソング関係のライブイベントによく足を運ぶというアニメ系ライターは、 「最近、アニメ本編は見ないけどアニメソングだけは聴く、というアニソンリスナーが増えています。そういう消費者には、アニメソングだけでなく、アニメ本編に触れるいい機会になるのでは」 と語る。やはり、アニメソングはアニメあってこそ。楽曲と作品を一度に楽しめる今回のようなパッケージングには、アニメ本編とアニメソングの関係性について再考させられる面もあるというのは考えすぎだろうか? CD+特典アニメという組み合わせのパッケージングについて、今後も注目していきたいところだ。  ドーーーーーン!!!!! (文=龍崎珠樹)

続編ものも意外としょっぱい!? パッケージ商品の売り上げ本数で見る、続編ものアニメの明暗

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『うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVE2000% 4』(キングレコード)
 人気アニメの続編。それは勝利を約束された鉄板コンテンツです。さまざまなタイトルが乱立し、限られたパイの奪い合いといった様相を呈している昨今のアニメ業界。折からの不況も相まって、アニメファンの財布のヒモも固くなってきたことから、まったくゼロから新規企画を立ち上げることは、なかなかリスキーな行為だといえます。それに比べて、かつてヒットした作品の続編なら、ある程度の売り上げは予測可能。大ヒットとはいわずとも、少なくとも大コケすることはないはず!  そんなビジネスライクな思惑と打算、そしてファンからのラブコールで作られる続編ものアニメですが、単純にBlu-ray&DVDといったパッケージの売り上げの動向を見ると、必ずしもそうではないようです。そこで今回は、2013年に入って放送された続編、リメイクもののDVD&Blu-ray第1巻の売り上げを前作と比較し、果たして続編ものは本当に勝利を約束されたコンテンツなのかどうかを検証してみます! 【パターン1・大躍進型】  続編が前作以上に大ヒット。パッケージ商品も、前作を上回る売り上げを達成するという、メーカーとしては一番うれしいのがこのパターンです。実はこのタイプは万に一つの特殊パターンで、2013年放送作品に限れば、約2万5,000枚から約6万5,000枚とダブルスコア以上の大躍進を達成した『うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVE2000%』(うたプリ)。そして『ちはやふる2』の2作品のみ。  なお、『ちはやふる2』に関しては、前作が全9巻を別売りする通常のパッケージ販売の形態でしたが、『2』では上下巻のBOX仕様で販売となっています。その結果、約2,100枚から約3,400枚と一商品あたりの売り上げ本数は増加しています。また、『うたプリ』第1巻にはライブイベントの先行抽選コードが封入されていたということもあり、複数買いしたファンも少ないと思われます。それを踏まえても、驚異的な数であることは変わりがないわけですが。 【パターン2・横ばい型】  前作とほぼ変わらない、もしくは7~8割程度の売り上げ枚数を維持するパターンです。 とりあえず、多くの作品がこのラインを目指すのではないでしょうか。このパターンも意外と少なく、ここに分類できるのは、『僕は友達が少ない NEXT』『俺の妹がこんなに可愛いわけがない。』『とある科学の超電磁砲S』の3タイトル。  こうしてみると、いずれも根強い固定ファンを持つ漫画、ライトノベル原作ものばかりですね。実際には各作品とも売り上げ枚数自体に差はあるものの、前作ファンを満足させられるクオリティを維持できれば、パッケージ商品の売り上げも維持できる、といったところでしょうか。 【パターン3・激減型】  実は、このパターンが一番多かったりします。前作の40%程度の売り上げとなってしまった『百花繚乱 サムライブライド』。ストーリーを仕切り直して再スタートした『ローゼンメイデン』は、約1万1,000枚から約2,000枚へと急降下。人気漫画の続編をアニメ化した『げんしけん二代目』は、前作の約2,600枚から約800枚に減少。『gdgd妖精s』は、約3,900枚から約1,900枚に半減。  昨年、日本全国に「(」・ω・)うー!(/・ω・)/にゃー!」旋風を巻き起こした『這いよれ!ニャル子さんW』は、約9,200枚から約5,100枚と6割弱に減少。はやり廃りのサイクルの速さを痛感せざるを得ません。  最も驚きなのが、『よんでますよ、アザゼルさん。Z』です。前作同様、今回も小野坂昌也、浪川大輔、神谷浩史といった人気男性声優が出演するイベントへの参加券を全巻購入者特典として封入しましたが、Blu-ray&DVDの売り上げ枚数は約9,600枚から約4,300枚へと半分以下に激減。人気声優の力をもってしても、作品の売り上げを維持することは難しいということなのでしょうか。 【パターン4・複合型】  これはパターン2とパターン3のハイブリッドともいえる分類で、シリーズ当初から大きく売り上げ枚数を減少させながらも続編が制作される長期シリーズもの特有のパターンです。シリーズ第4期となる『みなみけ ただいま』は、第2期で大きく売り上げを落としつつも、その後もシリーズ続行。シリーズ第1期では約9,000枚を初動で売り上げた『ハヤテのごとく!』は、第2期に約6,000枚の売り上げを記録。パターン2の動きを見せながらも、第3期は約1,000枚に急落。現在放送中の第4期『ハヤテのごとく! Cuties』は約700枚とさらに売り上げを落としており、パターン3的な動きも見せています。 ***  こうして見ると、続編アニメは思ったよりもヒットが約束されているわけではないことがわかりますね。もちろんパッケージ商品の売り上げが、アニメの面白さに比例するわけではありません。いちアニメファンとしては、今後も新作、続編問わず、面白いアニメが見られることを願うばかりです! (文=龍崎珠樹)