
『家庭用放射線測定器エアカウンターS』
(竹書房)
竹書房が、家庭で放射線量を計測できるガイガーカウンター「エアカウンターS」を付録にした書籍『家庭用放射線測定器 エアカウンターS』を4月23日に発売する。
「エアカウンターS」は、タカラトミーアーツが企画・開発し、今年2月よりエステーが発売しているスティック型の計測器で、これまで20万個を販売しているヒット商品。今回、竹書房で本とパッケージ化し、6, 980円で販売されるという。
初版は1万部で、特典冊子として、放射能汚染から身を守る方法を説いたマニュアル本「武田邦彦が教える子どもの放射能汚染はこうして減らせる」が付いているという。
昨年の原発事故発生直後、放射線測定器の販売店やメーカーには問い合わせが殺到し、世界的に品不足となっていたが、最近では一般家庭向けの比較的手頃な測定器が各メーカーから発売され始めている。
有名ブランドとコラボしたバッグや美顔ローラー、はたまたフライパンなど、付録付き雑誌がブームとなって久しいが、放射線測定器までもが付録になる時代とは……。一体どういった経緯で企画されたのか、竹書房の担当者に話を聞いた。
「もともと震災直後から、放射線測定器付きの書籍を販売したいなとは思っていたんですが、当初はほとんどが海外製の高価なもので、製造コストと機能性を検討した結果、一旦は話が頓挫していたんです。そんな中、昨年秋ごろにエアカウンターSの製造元であるタカラトミーアーツさんと別件でお仕事をさせていただく機会があり、こういう商品が出るという話をうかがったんです。エアカウンターSはすべて国内生産ということもあり、性能に関してもまったく問題がない。検討した結果、ぜひムック本として出そうということで話が進みました」(竹書房・星野さん)

エアカウンターS
ムック本の“付録”ということで、一般的に市販されているものよりも性能的に劣るのではないかという心配もあるが、それはまったく問題ないという。
「薬局や家電量販店などで販売されているエアカウンターSとまったく一緒のものですし、環境や原発問題の専門知識を持つ中部大学の武田邦彦教授にいろいろとご相談して、アドバイスをいただいております。それに測定器に関しては、高性能だからいいというわけではなく、メリット・デメリットがあるんです。空間線量を測定するにはガンマ線を計測しなくてはならないんですが、ガンマ線以外も測定できる高性能の測定器を使うには、使用する本人にも深い知識が必要です。それに、何度か観測しないと正しい数値が計れないという点は、どの測定器も一緒です。結果、一般家庭で使うには、最低限の機能を備えた低価格のエアカウンターSがちょうどいいのではないかと思いますね」
今回、タカラトミーアーツはいろいろな販路でこの測定器を販売したいということで、竹書房とのコラボに快諾してくれたということだが、書店からの注文状況はどうなのだろうか。
「地域によってばらつきがありますね。やはり西日本よりも、関東より北のエリアのほうが反応がいいですね。とくにホットスポットエリアの書店さんでは多めに注文をもらっていますが、自重というか、慎重派な書店さんももちろんいます」
最近では、よほど高い数値が出ない限り、放射線量はあまり話題にならなくなっているが、生活エリアの一角が知らぬ間に“ホットスポット”になっている可能性は十分にある。小さな子どもがいればなおさら心配だが、なかなか声高に不安感を口に出せない空気はある。
「政府の発表は“後出しじゃんけん”が多い。いま屋外で測定器を持って放射線量を計る、という行為は物々しい感じがしますが、少しでも心配な場所があったら測定器で計る、という空気になったほうがいいんじゃないかと思いますね。後々『あそこのエリアは危険だった』と言われるよりは、自分で計って確かめたほうがいいのではないかと。10年後、15年後に、やっぱりあのときちゃんと計って対策しておいたほうがよかった、となっても取り返しがつかないですからね。比較的手が出しやすい価格帯になったので、ぜひ試してみてほしいですね」
原発事故から1年以上が経ち、当初に比べると原発や放射能関連のニュースは少なくなってきているが、今もまだ福島第一原発からは放射能が漏れ続けている。なんとも物騒ではあるが、一家に一台ガイガーカウンター、という時代が来ているのかもしれない。