40代の心に潜む永遠の“少女性”に気付かせる『君の天井は僕の床』

『君の天井は僕の床』(集英社)

――幼いころに夢中になって読んでいた少女まんが。一時期離れてしまったがゆえに、今さら読むべき作品すら分からないまんが難民たちに、女子まんが研究家・小田真琴が"正しき女子まんが道"を指南します!

<今回紹介する女子まんが>
鴨居まさね
『君の天井は僕の床』1~3巻(以下続刊)
集英社クイーンズコミックス 各440円

 そもそもからして老眼鏡のお話からこの物語は始まります。デートで浅草寺に行っては常香爐の煙を浴びて「頭・目・肩・腕……いっそこの中で全身スモークされたいな」とつぶやき、夫に陰毛の白髪を発見された友人の話題で恐怖に打ち震え、結婚相手にするなら国民年金(フリーランス)がいいか厚生年金(会社員)がいいかで悩み、結婚を前にして自分たちが入る墓を想う……そんなOVER40の男女が、このマンガの主人公です。40代前半のエディトリアルデザイナー・鳥田まりさんと、1歳年下で近所のビルのオーナー・本間さん。ポール・サイモンの往年の名曲「One Man's Ceiling Is Another Man's Floor」からタイトルをとった鴨居まさね先生の最新シリーズ『君の天井は僕の床』は、大人ゆえにもどかしい、それゆえに傍から見るとすこぶる楽しい恋物語であります。