『同期のサクラ』でまたロボット・ヒロインに……“朝ドラ女優”高畑充希はこれでいいのか?

 NHKの朝ドラに出演することは、若手女優にとって大きな登竜門だ。

 今クールのドラマを見ても、主演では『少年寅次郎』(NHK)の井上真央、『G線上のあなたと私』(TBS系)の波瑠、『同期のサクラ』(日本テレビ系)の高畑充希。

 脇役では『時効警察はじめました』(テレビ朝日系)の吉岡里帆や『俺の話は長い』(日本テレビ系)の清原果耶など、朝ドラ出演で注目を浴びた女優が目立った活躍を見せている。

 つまり朝ドラで全国的な知名度を獲得してから次のステップを踏むことが出世コースとなっているが、同時に朝ドラで成功した後、どんな役を演じるのかという進路の選択に苦労しているように見える。

 そんな中、朝ドラ出演によって演じる役が大きく変わったのが高畑だ。

 高畑は現在、水曜夜10時の『同期のサクラ』で主演を務めている。本作は、故郷の離島と本土の間に橋をかけたいという目標を持って大手建設会社に就職した北野サクラ(高畑)と同期の仲間たちの、2009年から現在(19年)までの10年間を描いた物語だ。

 脚本は遊川和彦。高畑とは『過保護のカホコ』(日本テレビ系)に続いての再タッグ。『過保護のカホコ』も『同期のサクラ』も、高畑が演じるのは空気を読まずに自分の思っていることを言って周囲を翻弄する、機械のようなしゃべり方をする極端に記号化されたロボットのような女性だ。これは遊川が最も得意とするヒロイン造形で、かつて大ヒットした『女王の教室』(同) も『家政婦のミタ』(同)も同じパターンで作られていた。

 しかしまさか、遊川作品のヒロインを高畑が演じ、ここまでハマるとは思わなかった。なぜなら、今まで高畑が演じてきた役はサクラのようなロボット・ヒロインとは真逆の、一見ふつうに見えるが、心の奥底にめんどくさい感情を隠し持った繊細な女性だったからだ。

 高畑は現在27歳。05年、中学生の時にホリプロが主催したミュージカル『山口百恵トリビュートミュージカル プレイバックpart2 ~屋上の天使』のオーディションで主演の座を獲得し、女優デビューを果たした。

 

 その後、07~12年までミュージカル『ピーターパン』の8代目ピーターパンを務め、『奇跡の人』など、さまざまな舞台で活動。

 テレビドラマで大きく注目されたのは、木皿泉が脚本を手掛けたSFテイストの学園ドラマ『Q10』(日本テレビ系)だろう。本作で高畑は、自分に自信がない真面目な優等生を演じた。

『Q10』を筆頭に、自分に自信のない女性の繊細な内面、男には若干めんどくさく見える鬱屈した内面を抱えた女性を演じさせると、高畑は突出した魅力を見せた。

 中でも坂元裕二脚本の『問題のあるレストラン』(フジテレビ系)や『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(同)では、一見社会に適応している社会人だが、その奥底に不安やいらだちを抱えた不安定な女性を見事に演じていた。

 当時の高畑は二番手、三番手の役が多く、社会に過剰適応した優等生的な内面を抱えた女性を演じさせたら右に出る者がいない名脇役というポジションだった。

 そんな高畑の立ち位置は、朝ドラの『とと姉ちゃん』で連続ドラマ初主演を務めたことで大きく変化する。彼女が演じたのは亡き父に代わって、2人の妹と母親を支えようとする“とと姉ちゃん”こと小橋常子。物語は王道の朝ドラで、出版社の編集長へと成長していく常子の姿を半年間かけて演じ、高く評価された。

 その後、高畑は主演の仕事が増えるのだが、主演を演じるようになると、求められる役割はめんどくさい内面を抱えた鬱屈した女性から、わかりやすい記号的なキャラクターへと変化し、『過保護のカホコ』や『忘却のサチコ』(テレビ東京系)など、感情を表に出さない(もしくは極端に記号的な振る舞いをする)ロボット・ヒロイン路線が続いている。

 一方で、ドラマ『メゾン・ド・ポリス』(TBS系)の女刑事や地方在住のギャルを演じた映画『アズミ・ハルコは行方不明』など、人間的な役も演じてはいるのだが、やはり印象に残るのは『同期のサクラ』のようなロボット・ヒロイン路線で、後者が高畑のパブリック・イメージになりつつある現況を見ていると、果たしてこの方向性でいいのだろうかと思ってしまう。

 もちろんロボット・ヒロインといっても、高畑が演じているだけあって、もう少し複雑だ。サクラも、感情を表に出さない機械のように見えながら、時々、人間らしい感情がにじみ出る瞬間があり、そこで物語の感動が生まれる作りになっている。

 そんな、微妙な感情のゆらぎを見ていると、高畑自体は今も変わっておらず、求められる役割をクリアしながら、なんとか自分の持ち味を出そうと模索している渦中なのかもしれない。そんな高畑のけなげな姿には、やっぱり真面目な優等生だなぁと感心する。しかし一方で、昔からのファンとしては、もっとめんどくさい高畑が見たいと思ってしまうのだ。

●なりま・れいいち
1976年生まれ。ライター、ドラマ評論家。ドラマ評を中心に雑誌、ウェブ等で幅広く執筆。単著に『TVドラマは、ジャニーズものだけ見ろ!』(宝島社新書)、『キャラクタードラマの誕生:テレビドラマを更新する6人の脚本家』(河出書房新社)がある。

◆「女優の花道」過去記事はこちらから◆

高畑充希の高視聴率ジンクスに暗雲! 主演ドラマ『同期のサクラ』低調スタートの要因とは?

 テレビ業界では波瑠と共に、“新・高視聴率女優”として重宝されている若手女優・高畑充希に暗雲が立ち込めた。

 高畑の主演ドラマ『同期のサクラ』(日本テレビ系)が9日にスタートしたが、初回視聴率は8.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と低調な発進となってしまったのだ。同局の看板ドラマである水曜ドラマ枠で、初回が1ケタ台にとどまったのは、昨年1月期『anone』(広瀬すず主演)の9.2%以来の非常事態だ。

「『同期のサクラ』の前半部分が、テレビ朝日の鉄板ドラマで16.7%をマークした『相棒season18』初回スペシャルとバッティングしてしまった影響もあるとは思いますが、10月期の注目ドラマの一つであったのに、初回が8%台というのはなんとも低すぎる数字です」(テレビ誌ライター)

 ここ最近の日テレ・水曜ドラマ枠では、“爆死濃厚”と言われた『白衣の戦士!』(4月期、中条あやみ&水川あさみ主演)でさえ、10.3%と2ケタ発進していた。それだけに『同期のサクラ』の低調スタートはかなり深刻だ。しかも、第2話がオンエアされる16日も、裏の『相棒』が2回連続で90分での拡大放送する予定で、厳しい状況が続きそうだ。

 高畑は大ヒットした、NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』(2016年前期)でヒロインを務めブレーク。その後、プライム帯で主演した連ドラは、『過保護のカホコ』(17年7月期、日テレ系)が平均11.5%、『メゾン・ド・ポリス』(1月期、TBS系)が10.3%と、いずれも2ケタを突破し、業界では「高畑主演のドラマなら数字が獲れる」と言われるようになっていた。

 朝ドラ後、プライム帯では3作目となる『同期のサクラ』は、好評を博した『カホコ』と同じ枠。しかも、同作と同じ脚本家(遊川和彦氏)、制作陣で手掛けるとあって、「ヒットは確実」とも言われていただけに、低調スタートは大誤算だ。

『同期のサクラ』は、北の小さな離島から上京した主人公・サクラ(高畑)が大手ゼネコンに就職。入社式で「私の夢は故郷と本土を結ぶ橋を架けること」と社長に宣言。夢に向かって、脇目も振らず突き進むサクラに、最初は冷めていた同期たちも次第に巻き込まれていく物語。

「主人公のサクラは何があっても自身の考えを曲げない、超マイペースで堅物な性格で、いわゆる“変人”。この役を演じ切るには、かなりの演技力が必要で、“演技派”と言われる高畑でも苦労しているようです。『カホコ』の主人公も変人でしたが、今回はそれ以上。そういったタイプの人物に視聴者を共感させるのは、なかなか難しい。『カホコ』では、相手役が当時、人気がうなぎ登りだった竹内涼真だったから視聴率も獲れたのですが、今作は俳優1番手が新田真剣佑ですから、いささか厳しい。その辺りの事情が初回の数字に出てしまったのかもしれません」(前出・ライター)

 しかし、奇抜な脚本が多い遊川氏の作品は、最後まで見続けなければ展開が読めない部分があるだけに、この先、視聴者がどう反応していくか気になるところ。高畑としては、第2話以降でなんとか巻き返したいところであるが、果たして……。

波瑠vs.高畑充希のどちらが真の高視聴率女優に? 10月期ドラマで真っ向勝負へ

 10月期の連ドラのラインナップがじょじょに明らかになってきたが、中でも最も注目を集めそうなのが、波瑠vs.高畑充希の朝ドラヒロイン対決だ。

 波瑠はTBS系火曜ドラマ枠の『G線上のあなたと私』で、高畑は日本テレビ系水曜ドラマ枠の『同期のサクラ』で、共に主演を務める。

『G線上のあなたと私』は、大人のバイオリン教室を舞台に偶然知り合った3人の男女が友情と恋を育んでいく作品。『同期のサクラ』は、北の小さな離島から上京した主人公・サクラが大手ゼネコンに就職。入社式で「私の夢は故郷と本土を結ぶ橋を架けること」と社長に宣言。夢に向かって、脇目も振らず突き進むサクラに、最初は冷めていた同期たちも次第に巻き込まれていく物語だ。

 波瑠は2015年後期のNHK連続テレビ小説『あさが来た』でヒロインに抜擢され、同作は全話平均23.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・以下同)を獲得する大ヒットを飛ばした。

 朝ドラ終了直後の16年4月期には、日テレ系『世界一難しい恋』(嵐・大野智主演)でヒロイン役を演じ、平均12.9%の高視聴率をアシストした。同7月期にはフジテレビ系『ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』で、早くもプライム帯の連ドラで初主演を果たしたが、8.1%と振るわず。17年1月期のNHK総合『お母さん、娘をやめていいですか?』でも主演したが、数字をもっていないNHKドラマとあって、これまた1ケタ台に終わった。

 しかし、波瑠はそれで終わらなかった。17年4月期に主演した『あなたのことはそれほど』(TBS系)では不倫妻役を演じ、平均視聴率11.3%とヒット。18年4月期に主演した『未解決の女 警視庁文書捜査官』(テレビ朝日系)は全話平均で13.0%の高視聴率をマーク。若手ながら、主演ドラマが2作連続ヒットしたことで、“新・高視聴率女優”と称されるようになった。

 だが、さすがに露出が過ぎると飽きられるのが、テレビ業界の常識。同7月期には『サバイバル・ウェディング』(日テレ系)で、立て続けに主演したが、これは8.9%と伸びなかった。

 波瑠は同1月期にも、『もみ消して冬〜わが家の問題なかったことに〜』(同、Hey! Say! JUMP・山田涼介主演)でもヒロインに起用されていたため、3クール連続の連ドラ出演となり、さすがに視聴者から飽きられても致し方なかった。次クールの『G線上のあなたと私』は、『サバウェ』以来、1年3カ月ぶりの連ドラとなるだけに、満を持しての連ドラ主演となる。

 一方、高畑は16年前期の朝ドラ『とと姉ちゃん』でヒロインに起用され、同作も全話平均22.8%と高視聴率をマーク。ただ、高畑の所属事務所は波瑠とは正反対で、ドラマ出演をしばらく封印した。

 17年7月期の『過保護のカホコ』(日テレ系)が朝ドラ後初の連ドラ出演にして、プライム帯での初主演作となったが、同作は11.5%とヒットした。その後、昨年10月期の深夜ドラマ『忘却のサチコ』(テレビ東京系)での主演をへて、1月期に『メゾン・ド・ポリス』(TBS系)で主演。これまた10.3%とヒットして、プライム帯での連ドラ主演作は2作連続で2ケタ台を記録。次クールの『同期のサクラ』では3作連続の10%突破を狙う。

 かくして“新・高視聴率女優”と呼ばれる波瑠と高畑が、10月期に放送曜日は違うとはいえ、共にプライム帯で連ドラ主演することになり、どちらの作品が視聴率で上回るか注目されるところ。

 TBSの火曜ドラマも、日テレの水曜ドラマも、ここ最近はイマイチ低調なだけに、波瑠の『G線上のあなたと私』も、高畑の『同期のサクラ』も競い合って、両ドラマとも2ケタに乗せてほしいものだ。

主演は高畑充希、濱田岳、西島秀俊らと大物続き……注目ドラマ枠となったテレ東深夜の「ドラマ24」

 テレビ東京系で金曜深夜0時12分からオンエアされている「ドラマ24」枠が、とにかく元気だ。

 今期は、西島秀俊と内野聖陽がダブル主演する『きのう何食べた?』が放送されているが、5日の初回では3.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)をマークし、同局の深夜ドラマとしては、高い視聴率を記録した。

 同作は、よしながふみ氏の同名漫画が原作で、同居する同性愛カップルの食生活を主に描いたもので、弁護士・筧史朗(西島)と美容師・矢吹賢二(内野)が主人公。この二人が主演するドラマなら、ゴールデン・プライム帯で放送することも十分可能なだけに、なんともぜいたくなキャスティングだ。

 もともと、同枠は松重豊主演のグルメドラマ『孤独なグルメ』、吉田鋼太郎主演『東京センチメンタル』、遠藤憲一らの名脇役が集結した『バイプレイヤーズ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~』、古田新太&小池栄子ダブル主演の『下北沢ダイハード』など、同局の深夜ならではの独創的な作品を制作してきた。

 しかし、昨年10月期から、やや方向性を変えてきた。同期は高畑充希主演のグルメドラマ『忘却のサチコ』、1月期は濱田岳主演でデリヘルを舞台にした『フルーツ宅配便』をオンエア。そして、今期は西島と内野のダブル主演作と続き、実力派の俳優、女優を次々に起用して、注目度を増している。

「確かに、リアルタイムでの視聴率となると、前期の『フルーツ宅配便』はおおむね2%台、『忘却のサチコ』は1%台も多かったのですが、それでも話題を振りまきました。リアルタイムで見られなかった人は、録画再生だったり、有料の動画配信サイトなどで見ているようです。民放公式ポータルサイト『TVer』でも、『ドラマ24』は好調です。こちらは無料ですが、番組を見るためにはCMを飛ばすことができないため、放送局側にメリットもあります。番組のDVDも販売されていて、リアルタイムでの視聴率だけでは測れないプラスを生み出しているようです。キャスト側からすると、深夜ということもあって、視聴率に関してうるさくいわれないため、数字を気にせず演技に集中できるわけです。この先、意外な大物が出演する可能性も十分秘めています」(テレビ誌関係者)

 同枠の7月期には、昨年10月期の『大恋愛~僕を忘れる君と』(TBS系)で大きく評価を上げたムロツヨシ主演の『Iターン』がオンエアされる。同作は広告代理店の中年営業マンが左遷同然の異動により単身赴任した先で、突然ヤクザの舎弟となり、地獄の二重生活を送るという、同枠ならではの独創的な作品。これまた注目を集めそうだ。

 今後も同枠は、リアルタイム視聴率では推し量れない影響力をもつことになりそうだ。(文=田中七男)

主演は高畑充希、濱田岳、西島秀俊らと大物続き……注目ドラマ枠となったテレ東深夜の「ドラマ24」

 テレビ東京系で金曜深夜0時12分からオンエアされている「ドラマ24」枠が、とにかく元気だ。

 今期は、西島秀俊と内野聖陽がダブル主演する『きのう何食べた?』が放送されているが、5日の初回では3.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)をマークし、同局の深夜ドラマとしては、高い視聴率を記録した。

 同作は、よしながふみ氏の同名漫画が原作で、同居する同性愛カップルの食生活を主に描いたもので、弁護士・筧史朗(西島)と美容師・矢吹賢二(内野)が主人公。この二人が主演するドラマなら、ゴールデン・プライム帯で放送することも十分可能なだけに、なんともぜいたくなキャスティングだ。

 もともと、同枠は松重豊主演のグルメドラマ『孤独なグルメ』、吉田鋼太郎主演『東京センチメンタル』、遠藤憲一らの名脇役が集結した『バイプレイヤーズ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~』、古田新太&小池栄子ダブル主演の『下北沢ダイハード』など、同局の深夜ならではの独創的な作品を制作してきた。

 しかし、昨年10月期から、やや方向性を変えてきた。同期は高畑充希主演のグルメドラマ『忘却のサチコ』、1月期は濱田岳主演でデリヘルを舞台にした『フルーツ宅配便』をオンエア。そして、今期は西島と内野のダブル主演作と続き、実力派の俳優、女優を次々に起用して、注目度を増している。

「確かに、リアルタイムでの視聴率となると、前期の『フルーツ宅配便』はおおむね2%台、『忘却のサチコ』は1%台も多かったのですが、それでも話題を振りまきました。リアルタイムで見られなかった人は、録画再生だったり、有料の動画配信サイトなどで見ているようです。民放公式ポータルサイト『TVer』でも、『ドラマ24』は好調です。こちらは無料ですが、番組を見るためにはCMを飛ばすことができないため、放送局側にメリットもあります。番組のDVDも販売されていて、リアルタイムでの視聴率だけでは測れないプラスを生み出しているようです。キャスト側からすると、深夜ということもあって、視聴率に関してうるさくいわれないため、数字を気にせず演技に集中できるわけです。この先、意外な大物が出演する可能性も十分秘めています」(テレビ誌関係者)

 同枠の7月期には、昨年10月期の『大恋愛~僕を忘れる君と』(TBS系)で大きく評価を上げたムロツヨシ主演の『Iターン』がオンエアされる。同作は広告代理店の中年営業マンが左遷同然の異動により単身赴任した先で、突然ヤクザの舎弟となり、地獄の二重生活を送るという、同枠ならではの独創的な作品。これまた注目を集めそうだ。

 今後も同枠は、リアルタイム視聴率では推し量れない影響力をもつことになりそうだ。(文=田中七男)

視聴率2ケタ回復で有終の美! 高畑充希『メゾン・ド・ポリス』役得だったのは、野口五郎と竜星涼か

 15日についに最終回を迎えた高畑充希主演『メゾン・ド・ポリス』(TBS系)。視聴率は10.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と、前回から0.8ポイントアップ! 初回で12.7%の高視聴率を記録したものの、その後は徐々に下がり続け、第7話では8.3%まで転落してしまいましたが、最後の最後で2桁台に返り咲き、全話平均視聴率は10.3%と、有終の美を飾りました。

 前回、元警察OBで高遠建設渉外部部長兼常務取締役の野間仁(佐野史郎)の策略により、バラバラになってしまったおじさんたち。絶体絶命のこのピンチをどう乗り越えるのか、まずはあらすじから振り返っていきましょう。

(前回までのレビューはこちらから)

いよいよラスボス戦!

 上層部から自宅謹慎を命じられ、誰もいないメゾンにやってきたひより(高畑)は責任を感じて落ち込みますが、野間とのチェスから帰ってきた伊達さん(近藤正臣)は、「年をとると諦めが悪くなる」「みんな 久しぶりに燃えている」とひよりを慰めつつ、闘争心を燃やします。

 すると、娘・小梅ちゃん(水谷果穂)の無事を確認した高平さん(小日向文世)が両手に買い物袋を抱えてメゾンに帰ってきます。「こういうのはしっかり腹ごしらえをしないと勝負にならないの!」と、野間と戦う気マンマン。

 それは他のおじさんたちも同じでした。夏目さんは警察から逃げながら、野間と繋がっている青戸組の大黒(中野英雄)が部下の若林(笠松将)を殺した証拠となる血が付着した靴を押収したり、野間が出入りしていたバーの店長を力ずくで押さえ込んで情報を収集。

 若林殺しの罪を着せられ、警察に捕まった迫田さんは、かつての部下である新木(戸田昌宏)に警察内部の裏切り者探しを頼み、爆発に巻き込まれ怪我を負った藤堂さんは病院を抜け出し、夏目さんがコッソリ届けてくれた大黒の靴底を調べます。

 ひよりも、夏目さんが集めた情報と、野間によって殺されてしまった市野沢和子(宮地雅子)が最後に残した言葉をヒントに、死んだ父の遺品の中から、野間と大黒の癒着の証拠となる不正会計の裏帳簿を発見。ジャーナリストの館林真琴(東風万智子)に頼んで、世間に公表しようと試みます。

 しかし、真琴を裏で脅していた野間は、メゾンに集まったおじさんたちやひよりを捕らえ、証拠隠滅のために真琴から預かった裏帳簿ごとこの世から消し去ろうとします。揚げ句、「ちっぽけな正義で私の邪魔をしたんだ」と、不正会計の口封じのためにひよりの父を殺したことをペラペラと自白。

 すると、メゾンに仕掛けられていた盗聴器で全てを聞いていたメゾンの三河屋兼人事一課の草介(竜星涼)が、ひよりの合図に合わせてSITともに現れ、野間や大黒を確保。SITの隙をつき、野間が銃を構えたところを、「一度ぶっ放してみたかったんですよ」と、意外にも銃撃が得意だった高平さんが野間の腕を撃ち抜き、何事もなく、事件も無事幕引きに。

 後日、強引な独自捜査を進めていた夏目さんには、傷害罪や器物損壊罪で逮捕状が下り、

「最強の刑事になるんだろ。頑張れよ」

 と両手を突き出す夏目さんに、ひよりが涙ぐみながら手錠をかけます。

 その後、捜査一課に異動を命じられたひよりが事件現場に向かうと、保釈中の夏目さんを含めた、見覚えのあるおじさんたち5人の姿が。チームメゾン・ド・ポリスの捜査は、まだまだ続きそうな予感です――。

 全ての黒幕は野間であることはすでにわかっているし、この手のドラマの性質上、だいたいは主人公側が勝つことが大前提にありますから、最終回は絶体絶命のピンチからどうやって野間を追い詰めるかが鍵となりました。

 間宮警視正が警察内部の裏切り者だったことはなんとなく予想がついたし、草介が後々味方につくことは、9話でのひよりの「信じてます」発言からわかりきっていた展開だと言えるでしょう。

 でもだからこそ、助けに駆けつけたときは、“待ってたよ〜!”という気持ちになれたし、「ちわ~っス! 極上SIT一個小隊お持ちしました〜」と、いつもの口調でやってきたことも、警察としてではなく、三河屋としてメゾンのおじさんたちを助けに来たことがわかって、戦隊モノでいう、追加戦士が現れたときのようなワクワク感がありました。おじさんたちが草介の正体に気がついていなかったことは意外でしたが……。

 意外といえば、最後に夏目さんがひよりに逮捕されたこと。視聴者たちも「えぇ‼ この展開は想像してなかったぞ……」などと驚きの声を上げていました。

 ただ、あのシーンがあったおかげで、ハッピーエンドだけの、ただの予定調和にならず、ドラマ全体を通しても、緩急のメリハリが効いたドラマになったんだと思います。

 そういえば、作中、エプロン姿で家事をする西島さんが「PanasonicのCMに見える」との声が上がっていたことを受けてなのか、今回、ひよりが堂々とPanasonic製品のアイロンを使うシーンが。同社のお偉いさんに、このドラマのファンがいたんですかね。シャレが効いた楽しいシーンでした。

 

続編の可能性は……?

 今回のツッコミどころとしては、

・メゾンで爆発が起きた時、草介が仕掛けていた盗聴器はなぜ壊れずに無事だったのか

・真琴の娘・桃香役の子役がシーンごとに替わっていたのはなぜか(スケジュールの問題なのか、季節柄インフルエンザにでも罹ってしまったのかもしれませんが)

 この2点が気になりましたが、全体的に視聴者の評価は高め。「オチに捻りがあって良かった 」「最近のドラマの中では久々にスッキリしたラストだったなぁ」「みんなかっこよくてスッキリ終わる最終回とか最高」「またメゾンドポリスのみなさんに会いたい」などなど、好意的な声が寄せられています。

 加藤実秋さんの原作小説はシリーズ化されていますから、今後コンテンツに困ったら続編製作の可能性もあるかも!? その際は、ぜひともキャストはそのままでお願いしたいところです。

 

役得だったのは、野口五郎と竜星涼

 ありきたりな脚本&設定に粗さはあったものの、このドラマが視聴者に支持されたのは、誰一人として役に合わない、無理している感のない見事な配役と、役者陣の演技力あったからこそだと思います。

 主人公でヒロインの高畑充希ちゃんは、初回のレビューで、「『過保護のカホコ』(日本テレビ系)の箱入り娘や『忘却のサチコ』(テレビ東京系)の鉄の女編集者に比べると印象が薄い」と書きましたが、ラストで涙ぐみながら夏目さんを逮捕するシーンや、捜査一課に配属されたシーンでは、初回のオドオドした雰囲気とは比べ物にならないくらい、自信に満ちた凛々しい顔つきになっていましたし、おじさんたちにもまれて一人前の刑事へと成長する過程を、全10話の中でよく表現されていたなぁと思います。最初は不気味に見えた彼女の黒目がちの瞳も、すっかり気にならなくなりました。あの大御所の中で堂々とヒロインを演じきれる女優さんは、なかなかいないんじゃないでしょうか。

 しかし、そんな高畑充希ちゃん以上に絶賛の声が上がっていたのが、最終回でいいところをかっさらっていった草介役の竜星涼と、今回、久々の民放連ドラ出演となった藤堂さん役の野口五郎。

 8話のレビュー(記事はこちらから)で書いた通り、二面性ある役を好演した竜星くんについては、草介の登場シーンで、「あの登場の仕方はズルい」「三河屋とヒトイチの時のギャップ…SITを従えてきたのかっこよすぎて全てをもってかれた……」「こんなスタイルのいいSIT極上にも程があるのでは?」「メゾンドポリス観てから、竜星涼くん好きになった」と女性視聴者から黄色い声が。

 女好きのチャラ男・藤堂さんを演じた野口五郎には、「西島秀俊より野口五郎の方に魅せられてしまった 」「コメディもシリアスもいけるのね!ってびっくり」「藤堂さんでスピンオフ作って欲しい(笑)」「もっとドラマ出た方が良いわ」「あんなに芝居が上手いの知らなかった」と、今後を期待する声が多数上がっています。

 野口さん、昨年12月に食道がんの手術を受けられたそうで、病気のことで迷惑をかけないか不安を抱えながらの撮影だったそうですが、そんなことを一切感じさせない明るくお茶目なキャラクターを魅力たっぷりに演じていらっしゃいました。若い世代には、俳優としてのイメージはあまりなかったかもしれませんが、今作でマルチプレヤーぶりを如何なく発揮し、名俳優たちの中でも存在感を放っていたように思います。

 2人にとって、この作品は間違いなく、代表作の一つになったんじゃないでしょうか?

 最後に、一つ欲を言うなれば、メゾンに草介や藤堂さんの元妻である杉岡さん(西田尚美)とかを呼んで、お決まりのカラオケ大会でどんちゃん騒ぎするシーンも見たかったような……。まぁ、そちらは続編とともに期待したいと思います。

(文=どらまっ子TAROちゃん)

高畑充希『メゾン・ド・ポリス』急に無能になったおじさんたち “出オチ”回避なるか!?

 8日放送の第9話の視聴率は、9.4%と、前回から0.3ポイントアップ!(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。裏番組の日本テレビでは昨年社会的ヒットとなった映画『カメラを止めるな!』が放送されていただけに、数字の低下が心配されていましたが、8話に続き健闘をみせました。

 ホームコメディ要素が薄くなり、終盤でようやく刑事ドラマっぽい雰囲気になってきた本作。最終話に向けて今回もまた衝撃展開となった物語のあらすじから振り返っていきたいと思います。

(前回までのレビューはこちらから)

ラスボス・佐野史郎登場!

 前回ラストで、父の死の真相と、その裏に隠された警察と高遠建設の癒着について本格的に捜査をすることになったひより(高畑充希)ら「チームメゾン・ド・ポリス」の面々(レビューはこちらから)。

 夏目さん(西島秀俊)と迫田さん(角野卓造)が高遠建設に清掃員として潜入し、伊達さん(近藤正臣)が昔の人脈を使って調べを進めた結果、元警視庁公安部課長で、現在は高遠建設の渉外部部長で常務取締役の野間仁(佐野史郎)という男が事件の黒幕として浮上します。

 警察上層部と強いパイプを持ち便宜を図ってもらっている野間は、次期社長候補ともいわれるほど社内での発言力も大きく、建設作業の孫請け企業として、暴力団・青戸組のフロント企業である青幸興業を頻繁に選定していました。

 ひよりたちの協力者であるフリーライター・館林真琴(東風万智子)は、野間とその青幸興業社長・大黒毅(中野英雄)の密会現場を写真に収めることに成功。

 野間は大黒と癒着し、その不正会計の処理に加担させられていた経理部の市野沢譲(税所伊久磨)や池原慎吾(関幸治)は、口封じとして殺され、警察にも事故死や自殺として処理されてしまったのではないか。

 そう考えたひよりたちは、市野沢の妻・和子(宮地雅子)に会いに行き、彼女が市野沢から不正会計に手を染めていたことを打ち明けられていたことや、それを口外しないよう野間から脅されていたことを聞き出します。

 しかし、和子との会話を録音したボイスレコーダーは鍵をかけて署のデスクにしまっていたのに何者かによって消されてしまい、肝心の和子もひよりの元を尋ねる途中で車にはねられ命を落としてしまいました。さらに、おじさんたちも野間の“罠”にかかり、ピンチに……。

 野間はバロンと散歩中だった伊達さんを強引にチェスに誘い、「黒と白すべての駒を手に入れたら、もう敵がいなくなってしまうんです」「あなたは仲間をすべて失い、負ける」とメゾン・ド・ポリスチームを追い詰めます。

 その頃ひよりも、和子の自宅からひよりの強引な捜査を苦に自殺したと書かれた遺書が見つかったと、捜査一課の間宮管理官(今井朋彦)から追及されてしまい、チームはバラバラ状態。次週、絶体絶命のこの状況を、チームひよこはどう切り抜けるでしょうか……。

“元警察官”の経験を生かし、常に先を読んだ行動で協力し合いながら、事件を解決してきたメゾンのおじさんたち。その実力は現役警察官も敵わないほどでした。しかし、今回ばかりは違いました。

 いつもなら頭の切れるおじさんたちですが、夏目さんと迫田さんは「高遠建設の裏帳簿を持っている」という人物から呼び出され港の倉庫に向かい、青戸組の下っ端の男の死体を発見。まんまと罠にハマって彼を殺した犯人に仕立てられるし(夏目さんをかばって自ら警察に身を差し出した迫田さんはかっこよかったけど)、藤堂さん(野口五郎)は青戸組の人間が部屋にしかけた何らかの薬品に気がつかず、爆発物で負傷したり……。

 娘の小梅ちゃん(水谷果穂)をエサにされてしまった高平さん(小日向文世)は仕方ないと思いますが、全体的にポンコツ感が滲み出ていました。

 視聴者からも、「メゾンの人たちが普通すぎて拍子抜け 」「あまりのフルボッコっぷりに笑ってしまった」「なんか残念」といった声が。野間がいかに切れ者であるかを示すためだとは思いますが、これで「まんまとやられたのは、野間を出し抜くための作戦でした〜」とならないと、盛大な“出オチ”ドラマとなってしまいそう。最終回ではかっこいい姿が見たいものですが、果たして。

 

なぜ、ひよりは和子さんを守れなかったのか

 隙があったのはおじさんたちだけではなく、ひよりも同じです。メゾンに仕掛けられた盗聴器で草介(竜星涼)ら“警察の警察”である人事一課にチームの動きがバレているにもかかわらず捜査状況をベラベラ喋るし、警察に内通者がいることをわかっていながら、大事なICレコーダーを署のデスクにしまってデータを消されてしまったり、危機管理能力の低さは相変わらず。

 また、捜査中自分も青戸組の連中に襲われていただけに、野間に脅されていた和子さんにも危険が及ぶことは察知できそうですが、特に護衛をつけなかったのは、警察としていかがなものでしょう。そもそも、警察組織が腐りすぎているし、ネット上では「荒唐無稽すぎるストーリーであきれた」なんて声もあるようですが……。

 加藤実秋による原作シリーズとは少々ストーリーが異なるようなので、映像化するにあたって設定やストーリーにもろもろの無理が生じてしまった結果なのでしょう。何度も言っていますが、そのあたりは“おじさんワチャワチャエンターテインメント”として、割り切って見るのがいいのかもしれませんね。

 

佐野史郎の“悪人”ぶり

 それにしても、野間役の佐野史郎さん、悪役がとってもお似合いでした。部下にひよりやおじさんたちを暴行させたり、和子さんを事故に遭わせたかと思えば、こき使った部下を簡単に殺して(殺させて)しまう極悪非道っぷりが、なんだかしっくりきてしまうほど。さすが、名俳優です。

 ちなみに、そんな佐野さん、作中でひよりが刑事を志すきっかけとなったのが、佐野さんもメインキャストとして出演していたドラマ『沙粧妙子 最後の事件』(フジテレビ系)ということで、当時使用していたメガネを引っ張り出してきて撮影に臨んだんだとか。相当気合が入っているようです。

 一体どんな結末を迎えるのか、本作に鬱エンドは誰も期待していないと思うので、スッキリ事件を解決して、メゾンでのおじさんたちの平和なワチャワチャシーンを見せてほしいところですが……。

 いよいよ今夜最終回。チームひよこの大どんでん返しに期待しましょう。

(文=どまらっ子TAROちゃん)

高畑充希『メゾン・ド・ポリス』まさかの展開も、「セリフで片付けすぎ!」 竜星涼の“変貌”には称賛の声も……

 3月1日放送の『メゾン・ド・ポリス』(TBS系)第8話の平均視聴率は9.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、前回より0.8ポイントアップ! 裏で『第42回日本アカデミー賞授賞式』(日本テレビ系)が放送されていたわりに、健闘をみせました。

 衝撃の展開が功を奏したのか……今週もまずはあらすじから振り返っていきます!

(前回までのレビューはこちらから)

藤堂さんを誘拐した犯人は……

 ある日、藤堂さん(野口五郎)が誘拐される事件が発生。犯人は、スマホ越しに外部との連絡手段を断つよう命じ、テレビ電話でメゾンのおじさんたちを監視しながら、30分以内に1億円の価値がある“情報”を提示するよう要求してきます。亡くなった父と同じ高遠建設の社員で、3年前に建設現場で転落死した池原の妻・美砂(萩野友里)を連れてメゾンにやってきたひより(高畑充希)は、オレオレ詐欺被害の相談をしにメゾンへやってきた少女・館林桃香(住田萌乃)が持っていたジュニアケータイで桃香の母・真琴(東風万智子)に警察に連絡するよう頼みますが、その真琴までもが犯人に捕まってしまい、もはや打つ手なし。

 タイムリミットまで5分を切る中、高遠建設の事件についての資料を求める犯人の望み通り、伊達さん(近藤正臣)は机の引き出しから事件についてまとめた資料を引っ張り出してきますが、そこに真新しい情報はありません。

「ここへ直接来てお調べになったらどうですか? 館林真琴さん」

 と、毅然とした態度の伊達さん。実は、電話の向こうの犯人は真琴で、高遠建設の事件を追っているフリージャーナリストの彼女は、美砂とともに、ひよりが計画した狂言誘拐に協力していたのです。ほかのおじさんたちも、ひよりが犯人であることに気づいていました。

 美砂に会いに行き、彼女から真琴を紹介されたひよりは、高遠建設が警察OBの天下り先になっていたこと、伊達さんが警視庁の副総監から退官後、高遠建設の社外取締役として天下りをしていたことを知り、伊達さんから真相を聞きだすために狂言誘拐を実行。藤堂さんには、エイプリルフールに向けてのサプライズ写真を撮ると言って、協力してもらいました。

 ひよりは伊達さんを怪しみますが、伊達さんが高遠建設に天下りをしたのは、事件の真相を調べるため。しかし、結局何の情報も掴めなかった伊達さんは、真相を見つけてくれるかもしれないと当時事件を追っていた夏目さん(西島秀俊)、そしてひよりのこともメゾンに呼んだそうです。

 何を信じていいのか疑心暗鬼に陥ったひよりは草介(竜星涼)に連れ出され、彼が警察官の不祥事を摘発する人事一課、通称「ヒトイチ」の人間で、高遠建設と警察の癒着を探るためメゾンに潜入しおじさんたちを監視していたことを知ります。さらには、監察官・鴨下警視正から、メゾンのおじさんたちには関わるなと釘を刺されてしまいます。

 それでも、なんやかんやおじさんたちを信じたいひよりは、草介に宣戦布告。翌日、もうメゾンに来ないんじゃないかとすっかり落ち込んでしまっているおじさんたちの元を訪れ、「このチームで高遠建設の事件を追うことにしました」と宣言します。

ひより「異論は!?」

おじさんたち「なし!!」

ひより「よし!」

 と、チーム「メゾン・ド・ポリス」が一つになったところで、今週はここまで。

 クライマックスに向けて、ドドっと物語が進行した第8話。これまでと比べて情報量が多かったので、いつものノリで観ていると、置いていかれてしまうような感覚が若干ありました。

 というのも、あまり切迫感のない茶番的な狂言誘拐のシーンに時間を割きすぎていて、物語の核となる、ひよりが事件の真相を知り、誘拐を計画するまでに至った経緯や伊達さんの告白シーンなど、大事な部分がすべてセリフで処理されていたからです。

 ネット上でも、「セリフで片付けすぎじゃない……?」「狂言誘拐の件は全く不要だったような……何を見せられたんだろ」「誘拐コントに呆れて寝ちゃったよ」という声がチラホラ……。

 まぁ、きちんと描かなくても、高畑充希ちゃんや近藤正臣さんの演技で十分伝わるものは伝わるんですが、セリフでの説明が長すぎた感は否めませんでした。

 

戦隊出身・竜星涼の華麗な“変身っぷり”

 前回、ひよりの部屋とメゾンに盗聴器をしかけ、会話を盗み聞きしていたことが明かされた買い物コーディネーターの草介は、一体何者なのかとネット上で話題になっていましたが、今話でその正体が明かされ、「え? うそじゃん草介かっこいいかよ」「いつものキャラは演技なの……好き……どっちも好き」と、視聴者たちは大興奮。

 中には、「癒やしの草介の笑顔がもう見られないのか」「本当は2年も見てきたおじさんたちのこと信じてる草介くんはいませんか!!」といった、三河屋としての草介を恋しがる人もいるようです。

 草介を演じる竜星くんは、これまでに、映画『22年目の告白-私が殺人犯です-』(2017年)や、NHK連続テレビ小説『ひよっこ』、TBS系ドラマ『小さな巨人』でも警察官を演じており、昨年放送の『アンナチュラル』(同)では、謎の葬儀屋役を演じ、その演技が話題となりました。

 今回も、お調子者のヘラヘラした態度から一変、クールでキリっとした表情のエリート警察官を見事に演じていました。竜星くん、今回のようにちょっと裏があって二面性のある役を演じたら最高にハマる俳優さんだと思います。今後、草介はメゾン・ド・ポリスチームと敵対していく立場となるでしょうから、竜星くんの黒~い演技に期待したいですね。

 そういえば、ひよりが部屋に仕掛けられていたコンセント形の盗聴器を引っこ抜いて、盗聴しているであろう草介に向かって、「あの人たちと一緒に、必ず事件の真相をつきとめますから」と告げたシーンについて、「あのタイプってコンセントから電源取るんじゃないの?」「そのタイプは抜いたらきこえねぇだろ」と、盗聴器に詳しい視聴者からツッコミの声もありました。

 筆者は特に詳しくないのでよくわかりませんでしたが、ひよりの言葉に「宣戦布告かよ」と不敵な笑みを浮かべる草介がかっこよかったので、気にしないことにします。はい。

 

次週、事件の黒幕がついに現る!

 雨降って地固まる的なストーリーとなった今回。前回に引き続き、おじさんたちのワチャワチャシーンは少なめでしたが、棚の中に大事な資料が隠されているんじゃないかと疑うひよりとは裏腹に、高平さん(小日向文世)以外の娘を持たないおじさんたちがお金を出し合って買った雛人形を必死に隠していたのはグッときたし、そんなおじさんたちを疑って、迷って、その結果信じることを選択したひよりの心情を表情豊かに演じた高畑充希ちゃんのお芝居も、さすがでした。

 ここまで引っ張りまくった伏線がドドンと明かされ、8話にしてやっと本筋に突入した『メゾポリ』。今夜放送の第9話にはついに黒幕が登場するとか……。波乱のニオイがプンプンです。

(文=どらまっ子TAROちゃん)

絶賛“中だるみ”中の『メゾン・ド・ポリス』、低視聴率記録更新は「引っ張りすぎ」が原因?

 2月22日放送の『メゾン・ド・ポリス』(TBS系)第7話の視聴率は、8.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と前回から1.6ポイントの大幅ダウン。またまた、低視聴率の記録を更新してしまいました。

 一体何が原因だったのか、あらすじを振り返りながら探っていきたいと思います。

(前回までのレビューはこちらから)

■新たなおじさんキャラが登場

 資産家の大富豪・本郷(井上順)が、内縁の妻・汐里(西丸優子)と訪問看護師・美香(太田美恵)とともに箱根へ旅行中空き巣に入られ、金庫破りに遭うという窃盗事件が発生。

 旅先で体調を崩し入院している本郷から連絡をもらった幼馴染みの伊達さん(近藤正臣)は、夏目さん(西島秀俊)、藤堂さん(野口五郎)、迫田さん(角野卓造)の3人を現場に派遣し、ひより(高畑充希)とともに捜査をさせることに。

 その結果、金庫に開けられた穴に鱗粉が付着していたことから、昭和に名を馳せた伝説の金庫破り「アゲハ」の手口と同じであることが判明します。そのアゲハは、盗品をさばいていた相方である「グレース」という女性が逮捕されて以来、姿を消したとか。

 一方、かつて数々の美女と浮名を流し、“世田谷のジゴロ”とも呼ばれていた本郷には、過去に美香とも肉体関係があり、空き巣の通報者でもある家政婦・カレン(大西礼芳)とも関係を持っている疑惑があることもわかります。

 しかし、ひよりたちが金庫破りの犯人だと怪しむカレンが何者かに襲われ負傷。本郷からカレンを警護するようお願いをされたひよりたちは、カレンが管理していた本郷の薬には「ヒ素」が入っていたため、自分を殺そうとした彼女を監視させることが本郷の真の目的だと勘ぐるのですが、調べを進めるうちに、汐里と美香の名が捜査線に浮上。

 2人は警察に出頭し、本郷の遺産目当てに共謀して本郷にヒ素入りの薬を飲ませようとしたこと、遺言状を確認すべく旅先の別荘を抜けだして本郷邸の金庫を破壊しカモフラージュのために現金を盗んだこと、そしてカレンを襲ったことを自供し、事件は解決へ向かいます。

 しかし、それには隠された真実がありました。実は、アゲハの正体は本郷。伝説の金庫破りとしての腕が鈍らないよう、日常的に自分の金庫を自分で開けていたのです。汐里と美香がこじ開けた金庫にドリルの穴が開いていたのはそのため。

 そして、警察に捕まりそのまま獄中死を遂げたグレースはカレンの母親であり、本郷とカレンは親子でした。金庫にあった遺言状を見られてそのことを汐里と美香に知られてしまった本郷は、自首して刑を終えたら2人に金を渡す代わりに、カレンには真実を隠すよう約束させたのです。

 伝説の金庫破りを逮捕できる絶好のチャンスですが、ひよりは「窃盗罪の公訴時効は7年です。警察にはもう何もできません」と目をつむり、何も知らないカレンは、本郷と抱き合うのでした。めでたしめでたし(?)。

■中だるみ感が否めない内容でした

 警察として、そしてチームメゾン・ド・ポリスのリーダーとしてのひよりの成長が見られた今回。

 すべてお見通しだった伊達さんの計らいで、「時代が変わっても(金庫と)まだ会話ができる」と、本郷がアゲハとしての腕を見せて金庫を開けるシーンはちょっとクサかったけど、とってもかっこよかったし、中から出てきたのが、昔2人が取り合ったアゲハ蝶の標本と、今は亡きグレースの若い頃の写真という展開も、グッとくるものがありました。

「ダテちゃん!」「ゴーちゃん!」と、抱き合って久々の再会を喜ぶおじさん2人の姿もとってもかわいかったです。

 ただ、コメディ要素満載だった前回に比べるとやや退屈だったし、事件の内容も地味。メゾンのおじさんたちのワチャワチャシーンも少なめだったので、物足りなさを感じる視聴者も多かったのではないでしょうか。

 これまでの視聴率の推移をみてみると、12.7%→12.4%→10.7%→10.2%→9.6%→9.9%→8.3%と、6話でやや持ち直すも、数字は右肩下がり。“慣れ”が生じてくるドラマ中盤に視聴率が伸びないことは、この作品に限った話ではないのですが、序盤が好調だっただけに、寂しい印象です。

 

■伏線祭りで情報量てんこ盛り&ラストに向け、怒涛の展開に?

 そんな中だるみを打破するためには、“真新しさ”が必要不可欠になってくると思うのですが、今回明らかになったのは、

・夏目さんが過去に事情聴取した高遠建設の社員・池原が、ひよりの父と同じように建設現場から転落死し、それが理由で夏目さんは警察をやめた

・メゾンに盗聴器を仕掛け、その夏目さんとひよりの会話を、御用聞きの草介(竜星涼)が盗聴していたこと

 上記2つだけ。今後ストーリーの核となっていくであろう、

・なぜひよりの父は死んだのか

・伊達さんやメゾンのおじさんたちはひよりの父の事件と何の関係があるのか

 についてはまだ謎のまま。伏線が散らばったままで、回収があまりされていないので、正直、引っ張りすぎな印象も。焦らされるほど「すごい展開が待っているんじゃないか」と待っている視聴者の期待を、いい意味で裏切るような“何か”があるといいんですけど……。残り3話できれいにまとまるか、やや不安が残ります。

 

■ひよりと夏目さんの関係の変化

 とはいえ、メゾンのおじさんたちのことを、最初は面倒に思っていたひよりが、

「(メゾンの)みなさんのことも、夏目さんのことも信頼してますから」

 なんて恥ずかしいことをシラフの状態で言えちゃうくらい距離が縮まっているようだし、捜査の休憩中に夏目さんと同じ缶コーヒーを一緒に飲んだりと、周囲との関係性には変化がみられます。

 中の人的に言えば、最初は高畑充希が新米刑事役を“演じている”ようにしか見えなかったのですが、このところは「高畑充希」ではなく「ひより」という人物が存在しているように見えるし、改めて、彼女のお芝居の巧さみたいなものを感じています。

 さて、今夜放送の第8話では、野口五郎さん演じる藤堂さんが誘拐されるとか。ここから一気にシリアス展開に突入するということでしょうか――? どんどん磨きがかかる高畑さんの演技にも注目しながら、ドラマを楽しみたいと思います!

(文=どらまっ子TAROちゃん)

高畑充希主演『メゾン・ド・ポリス』小日向文世が魅せる、まるで『コナン』な“茶番劇”

 早くも折り返しに突入した高畑充希主演『メゾン・ド・ポリス』(TBS系)。15日放送の第6話の視聴率は9.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、前回より0.3ポイントアップしました。

 放送日前日がバレンタインデーということもあって、ひよりがメゾンのおじさんたちに義理チョコをあげるという微笑ましいシーンもあった今話。前回とはうってかわって楽しい雰囲気となった物語のあらすじから振り返っていきたいと思います!

(前回までのレビューはこちらから)

■“伝説の敏腕刑事・高平”爆誕

 突然メゾンを訪ねてきた高平さん(小日向文世)の娘・小梅(水谷果穂)。なんでも、彼氏が祖母を襲った犯人として疑われているため、無実を証明してほしいとか。事件の概要は、小梅ちゃんの彼氏である駿(水石亜飛夢)の1人暮らしの祖母・春江さん(吉田幸矢)が何者かに花瓶で頭部を殴られたというもの。駿は、そのときに盗まれたとみられる現金が入ったタンスから指紋が検出されたため、疑いをかけられていました。犯行時刻には小梅ちゃんとデートしていたので彼にはアリバイがあるのですが、警察からは彼女からの証言では信憑性に欠けると言われてしまったそうです。

 自分は元捜査一課のエースで、メゾンの住人である部下たちとチームを組んで難事件を解決していると小梅ちゃんに嘘をついていた高平さんは、元々所轄の警務畑にいたため現場経験はありません。そこで、メゾンのおじさんたちとひより(高畑)に頭を下げて捜査を依頼。伊達さん(近藤正臣)の提案で駿のほか、容疑者候補になっている春江の家族をメゾンに集め、「容疑者だらけの晩餐会」を開きます。

 晩餐会当日、いつものエプロンを脱いで、スーツの上にトレンチコートを羽織ってハットを被り、伝説の刑事“スッポンのタカアツ”になりきる高平さんは、耳につけたイヤモニから聞こえてくる別室で待機中の夏目さん(西島秀俊)と伊達さんの声を頼りに、みんなの前で推理を進めます。

 しかし、駿が犯人ではないところまでわかったところで、『サザエさん』で言うところの三河屋のサブちゃん的存在である草介(竜星涼)がメゾンに乱入。その拍子にイヤモニが壊れてしまうハプニングがありつつも、「この先は 新人に任せてくれるということですよね」と、ひよりが高平さんに替わって犯人探しを引き継ぎ、最初は乗り気じゃなかった迫田さん(角野卓造)と藤堂さん(野口五郎)の協力もあって、真犯人は、次男・寿三郎の嫁である藤子(長内映里香)だったことが判明。

 でも、一命を取りとめた春江さんは「空き巣に襲われた」と藤子さんをかばい、刑罰を望まなかったため、捜査は終了。高平刑事の活躍というより、チームメゾンドポリスのチームワークによって、事件は解決(?)したのでした。

 その後、駿が春江さんに度々お小遣いをせびっていたこと、タンスに指紋がついていたのは、金を盗もうとしたからだと知った小梅ちゃんは、駿と別れることを決意。本当は小梅ちゃんが高平さんの嘘に気づいていたことなんて思いもしない高平さんは、そんな小梅ちゃんから本命チョコをもらって大喜びする——という、なんとも平和なお話でした。

■それでいいのか……?

「今まで面倒見てきたんだから、花挿しのひとつくらいもらったっていいじゃない」と、1,000万円の花瓶をレプリカとすり替えていたところを春江さんに見つかり、衝動的に花瓶で殴ってしまった藤子さん。

 義理の兄姉たちに春江さんの世話を押し付けられ、春江さんには嫌味を言われていた彼女は、「ようやくこんな人たちと離れられる。お義母さんの世話もしなくていいし、スッキリした」と、潔くひよりに両手を差し出すくらい、精神的に参っているようでした。

 だからこそ、いくら被害者である春江さんが許したからとはいえ、そんな大岡裁きでいいのかなぁと疑問が残ります。

 入院中の春江さんそっちのけで遺産の配分で揉めていた義兄姉たちは、春江さんが許したとなれば、いきなり手のひら返し。兄姉たちと一緒になって藤子さんを責めていた夫の寿三郎も、同情の目を向けはじめるというクズっぷり。そんな家族が簡単にやり直せるとは思えないし、警察に捕まって罪を償った後、新しい人生をスタートさせたほうが、藤子さんにとっては幸せなんじゃないかなと、どうしても思ってしまします。ネット上でも「あの家族、きっとまた何かあればもめるな」「藤子さん、絶対離婚したほうが幸せになれるよ」などと心配の声が上がっていました。

 ドラマが始まって以来、初めて死人が出なかったものの、結末にはモヤモヤが残る事件でした。

 

■小日向文世の“母性”と“父性”

 とはいえ、今回はメゾンを舞台にしたワンシチュエーションコメディのような作りで、コミカルな描写が多く、事件の概要を説明するシーンで『名探偵コナン』でおなじみの全身黒タイツ男が出てきたり、“眠りの小五郎”的な通信機を使った推理など小ネタが効いていて、“茶番感”が見ていてとっても楽しいお話でした。

 そして何より、小日向文世さん演じる高平さん。小梅ちゃんに彼氏がいると知って「そんな人がいるなんてパパ聞いてないよ!」「あんな息子イヤ~」と慌てる姿はとってもチャーミングだったし、その彼氏・駿が「俺は何もしていない!」と、犯行を否定したとき、

「君が倒れているおばあちゃんを見つけていたら、もっと早く病院に連れて行けたかもしれないんだよ」
「何もしなかった君はね、もっと反省しなきゃダメだよ!」

 と、めずらしく大きな声で怒る姿からは、家族のことを大事にしていることが伝わってきました。また、「あの子、昔っから私の前で絶対泣かないの」と、駿と別れることを決意した小梅ちゃんに好物のクッキーを持っていくようひよりにお願いしたあたりも、父としての顔が垣間見え、「高平」というキャラクターの魅力が存分に引き出されていたように思います。メゾンの母、伝説の刑事、そして高平家の父として、3つの顔をコロコロ切り替えて演じわける小日向さんのお芝居もさすがでした。

 そんな高平さんを、

夏目さん「お疲れさまでした、高平さん!」
伊達さん「名裁きでした!」
藤堂さん「さすが、すっぽんのタカアツ!」
迫田さん「伝説の名刑事、復活!」

 とおだててあげたり、小梅ちゃんがひよりに「昔っから最高のパパ」と言っているのを聞いて、ニヤニヤしながらみんなで高平さんを冷やかしたり、そういうおじさんたちのワチャワチャしている姿も、とってもかわいくて癒やされました! 初めの頃から比べると、このあたりのシーン、アドリブも入っているじゃないかと思うくらいみなさん自然な表情をされています。“おじ専”のみなさんにとってはたまらないシーンだったんじゃないでしょうか。

 

■次回以降が怖い

 さて、そんな明るく楽しい雰囲気のお話だったため、この高平回は今後待ち構えている暗~い鬱展開の前座にすぎないのではないかと、疑ってしまいます。

 ラストでひよりの家を訪ねてきた捜査一課の間宮管理官(今井朋彦)は、

「シェアハウスには、敵が潜んでいるかもしれない」
「夏目は罪のない人間を殺している」

 と気になることを言っていました。そしてそんな2人の会話を盗聴している謎の人物。ネット上では、ひよりの家に行ったことがある草介を怪しむ声が多数上がっていますが、果たして……。

(文=どらまっ子TAROちゃん)