このところの情勢により、海外派遣は前例のない混乱を見せており、海外赴任者の心身の健康を踏まえ、企業は運用方法について見直しを迫られてい…
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iPhone密輸組織が摘発! 香港から中国へ地下トンネルで……!?
今年3月に発生した香港の大規模デモによって、市民生活はもちろん、世界経済にも大きな影響が出始めている。中国と香港を結ぶ税関でも荷物検査が強化されるなど、当局の管理体制が厳しくなっているが、そんな中、税関の目をかいくぐるため、トンデモな手段で密輸を行っていた組織が摘発された。
中国メディア「網易新聞」(11月28日付)によると、広東省深セン市の警察当局は同27日、iPhoneなどを密輸していたとして5人の男を逮捕した。この組織は、最新型のiPhone 11など人気スマートフォンを香港で購入、地下に掘った全長250メートルのトンネルを利用して中国側に密輸していたという。
警察はアジトから2,000台以上のスマホを押収しており、密輸されたスマホの金額は1,000万元(約1億6,000万円)に上るとされている。組織は中国と香港のそれぞれの国境沿いにアジトを持ち、そこをつなぐ地下トンネルを造っていたようだ。地下トンネルの入り口がある部屋には目張りがされており、さらにトンネルが外部から見えないよう、大量の古タイヤを積み上げるなど、カムフラージュをしていたという。
香港と中国では税制が異なるため、消費税のからない香港でiPhoneを購入し、それを中国国内に持ち込むことで利ざやを得ている密輸組織は後を絶たない。昨年3月には、ドローンを使ってスマホを密輸していた大規模な組織が摘発、26名が逮捕される事件が起こっている。この組織は、ドローンにスマホをくくりつける手口で、5億4,000万元(約85億円)分のスマホを密輸していたという。
陸海空とさまざまな手段で密輸を行うさまは、アメリカへ密輸を行うメキシコの麻薬カルテルを彷彿とさせる。iPhoneは、麻薬の並みにもうかるということの証左なのだろう。
(文=廣瀬大介)
香港政府トップ一家の「英国籍剥奪」を要求する署名が35万を突破! 今後の情勢次第で英国議会も動く!?
24日に投票が行われた香港区議会議員選挙は、民主派が議席の80%近くを獲得する圧倒的勝利に終わった。ところが、香港政府トップの林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は、デモ参加者が掲げる「五大要求」の受け入れについて拒否を貫いている。中国共産党の意向を考えれば当然の態度だが、林鄭氏に対する民主派の批判は強まるばかり。その矛先は家族にまで及んでいる。
台湾メディア「ETtoday」(11月21日付)などによると、林鄭氏の夫と2人の子どもの英国籍を取り消すための署名活動が2カ月前から署名サイト「Change.org」を通じて行われているという。選挙後、一気に署名の数は増え、28日13時半現在で35万を超えている。林鄭氏一家は、英国と香港特別行政区の二重国籍だったが、林鄭氏は2007年、公職に就くに当たって英国籍を放棄した。しかし夫と2人の子どもは、英国籍を保有したまま、現在も英国に居住しているという。
発起人は英国人のDeeran Kumar氏。過去に香港の公立大学に留学した経験があるようで、今回の呼びかけの理由について、「香港政府は『緊急状況規則条例(緊急法)』を発動し、『覆面禁止法』を施行したが、警察には適応されず、自分たちの身元を隠すことができる。もはや香港では法による統治が行われておらず、政府と行政機関は法の前に平等ではない。これは危機的な状況である。言い換えれば、法による支配は死んだ」と悲痛な思いを告白。
その上で、香港での暴力を抑制するためには(元宗主国である)英国に道義的責任があり、それを果たすためにも「彼らの市民権を永遠に無効にすべきだと心から信じている。キャリー・ラムが自らの政権の説明責任を否定し、極めて厳しい法律を施行しているように」と主張している。
賛同者の多くは、林鄭氏に反感を持つ香港人とみられる。行政長官として、香港市民に中国共産党への服従を求めながら、自らの家族は英国籍を保有し続けているのだから、不満を持たれても当然だろう。林鄭氏自身はすでに英国籍を放棄したとはいえ、英国籍を持つ夫の配偶者として、英国に永住することも可能だと考えられる。そのため、林鄭氏が混乱の香港を捨て、英国に逃亡することを阻止しようという意図もあるのかもしれない。
英国政府が設置した請願サイトでは、署名が1万を超えると政府は何らかの対応をしなければならず、10万を超えると議会の議題に挙がる可能性があるという 。もし今回の呼びかけが英国内でも盛り上がれば、英国議会が動くことになるかもしれない。家族が英国籍を失いかねないといったところで中国政府が反発するはずもなく、林鄭氏はますます孤立を深めることになりそうだ。
ジャッキー・チェンは今や傍流…ブルース・リーから『イップ・マン』へ! カンフー映画の盛衰と進化の旅
――ブルース・リーやジャッキー・チェンの主演作を中心に、日本でも一大ブームを巻き起こし、後にハリウッド映画にも大きな影響を与えたカンフー映画。一方、近年の日本で話題になったのはジャッキーの主演作程度だ。こうしたカンフー映画は、その原産地の香港と、返還を受けた中国でどのように進化を遂げたのか?
本誌読者であれば、一度は心を奪われたはずのブルース・リーやジャッキー・チェンのカンフー映画。本稿では1970~80年代に世界的ブームとなった香港産カンフー映画が、後の香港・中国映画に与えた影響、そして近年のカンフー映画の状況を有識者の声を交えながら探っていく。まずは、ファンの間では広く知られたカンフー映画の歴史や基礎知識をざっくりとおさらいしておこう。
日本でカンフー映画が広く知られるようになったのは、73年の『燃えよドラゴン』(ブルース・リー主演)公開からだが、それ以前にもカンフー映画と呼べる作品は存在した。一般的に「カンフー映画の元祖」といわれるのは、実在の武術家のウォン・フェイホンをモデルにした49年の作品『黄飛鴻傳上集・鞭風滅燭』。そして50年代には、彼を主人公とした作品の量産が始まり、香港ではカンフーの見せ場をメインに据えた作品が多くなった。
その中で生まれたヒット作のひとつがジミー・ウォング監督・主演『吼えろ!ドラゴン 起て!ジャガー』(70年)だったが、アメリカで同作品を見たブルース・リーはアクションのレベルの低さに憤慨。彼が香港で映画製作を行うきっかけになったという有名な逸話がある。そして語り尽くされている話だが、截拳道(ジークンドー)の創始者であり本格的な武道家であるブルース・リーが見せたアクションは、それまでの映画史のアクションとはまったく別次元のものだった。アクション映画、アジア映画について主に執筆するライターの藤本洋輔氏は次のように話す。
「ブルース・リーは現役の武道家として、さまざまな格闘技の要素を映画に持ち込んだ功績も大きいです。カンフーと聞くと中国武術をイメージする人が多いと思いますが、そこには多くの格闘技の要素が取り入れられています。特にブルース・リーは、極めて実践的な技術体系を持った詠春拳(少林武術を元にしたとされる徒手武術)をベースに、実際に総合格闘技の要素も取り入れている。映画を見ればわかるように、ブルース・リーは当時からフィンガーグローブを使用しており、関節技を決める場面もありました」(藤本氏)
若い頃から路上でケンカに明け暮れていたブルース・リーは、武道家になってからもあらゆる格闘技を研究。蹴り技ではクラシックバレエの動きも参考にしたという逸話も残っている。既存の武道の形から自由なブルース・リーのアクションが世界に衝撃を与えた一方で、ジャッキー・チェンのアクションもまた違った新しさを持っていた。
「ジャッキー・チェンは映画のスタントの技術体系を作り上げた人であり、それまではシリアスなアクションがベースだったカンフー映画に、コメディテイストを取り入れた人でもありました。その背景には、ジャッキーが(サモ・ハン、ユン・ピョウらも学んだ)七小福という京劇のグループに所属していたことと、バスター・キートン等のサイレント時代の喜劇俳優の影響があるでしょう。またジャッキーも(アメリカの格闘家)ベニー・ユキーデと戦う『スパルタンX』(84年)で総合格闘技も取り入れている。中国武術が中心の動きだったカンフー映画は、その頃からさまざまな要素を取り入れて進化を続けてきました」(藤本氏)
映画評論家のくれい響氏もこう続ける。
「80年にジャッキー・チェンが監督・主演した『ヤング・マスター/師弟出馬』はカンフー映画の集大成的な作品で、それ以前のカンフー映画を過去のものにした作品と言えます。また香港の映画界では、82年に海外のアクションを取り入れた『悪漢探偵』が記録的なヒットを樹立し、カーアクションやガンアクションの映画への需要が増加。ジャッキーも『ポリス・ストーリー/香港国際警察』(85年)など現代の刑事モノに進出するようになりました」
そうした現代香港を舞台とした作品群の中で、特に話題を呼んだのがジョン・ウー監督の『男たちの挽歌』(86年)だ。香港黒社会に生きる男たちの友情と裏切りを、激しいアクションとともに描いた同作は、“香港ノワール”の代表的な作品で国外での人気も高い。同作について映画ライターの平田裕介氏はこう話す。
「カンフーではなくガンアクションの映画ですが、この作品にも香港映画ならではの過剰さやケレン味があります。実際に撃ったら当たりそうにない2丁拳銃も、そのカッコよさにしびれましたし、チョウ・ユンファが昔の仲間にリンチされる場面で、後ろにJALのネオンが映っているような香港のエキゾチックな景色もいいんです」
あらゆる要素が過剰で、ごちゃ混ぜ感が強いのは、カンフー映画を含めた香港映画の特徴だろう。映画批評家の佐藤忠男氏は『中国映画の100年』(二玄社)で、『ポリス・ストーリー』や『男たちの挽歌』などに触れながら「香港映画は呆れるほどに猛烈なアクションで娯楽性を追求する」と言及。香港にはまったく違う種類があることを強調し、カンフー映画は「概して言えば子ども向きの低俗もの」と述べつつも、その頃の香港映画の状況をこう分析していた。
「京劇のアクロバット演技の伝統に、商業だけが存在理由の香港の土地柄が結びつき、さらに1997年に本土返還になったらあとはどうなるかわからないから稼げるうちに稼げるだけ稼がねばならないという強い意志でそれが強化されて、世界の映画史上でも珍しい徹底した商業主義路線が成立した」(佐藤忠男・前掲書)
続く90年代のカンフー映画ではジェット・リー主演の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』シリーズ(91年~)がヒット。古装片(時代劇)のブームが起こるが、長くは続かなかった。
「ドニー・イェンが作品に主演するようになったのもその頃からですが、当時の香港はアクション映画が不遇の時代。彼も苦労を続けましたし、すでに香港でキャリアを築いた人たちは活躍の場を海外に移していきました」(くれい氏)
そして99年に大ヒットしたハリウッド映画『マトリックス』にはカンフーアクション指導としてユエン・ウーピン(『ドランクモンキー 酔拳』などを監督)が参加。彼は00年の中国・香港・台湾・米国合作映画で米国アカデミー賞4部門を受賞の『グリーン・デスティニー』(00年)やタランティーノ監督の『キル・ビル』(03年~)シリーズにも参加することになる。
「これらの映画はハリウッドと香港のハイブリッドな作品なんですよね。『マトリックス』では、キアヌ・リーブスが最先端のVFXと融合したカンフーアクションを見せていますし、『グリーン・デスティニー』の竹林の中を舞うようなアクションは、香港最初の巨匠といわれているキン・フーのワイヤーワークをCG処理でさらに進化させたもの。ちなみにその頃は、三銃士がワイヤーワークで飛び回る『ヤング・ブラッド』(01年)という映画までありました(笑)。当時はハリウッドもスタローン的な肉体を売りにした俳優のアクション映画が一段落した時期で、アクション映画に新しい要素を求めていました」(平田氏)
同時期にはジャッキー・チェンやジョン・ウーもハリウッドに進出。香港のカンフー映画の技術体系や、そこで育った人材は世界の映画市場に羽ばたいていく。
「一方で香港では、93年の『ジュラシック・パーク』の公開の頃からハリウッド映画が強くなり、自国の映画の製作本数が減少傾向に。ブルース・リーやジャッキー・チェンの映画を手がけてきた映画会社・ゴールデン・ハーベストのスタジオが98年に閉鎖したのは、そんな時代の変化を象徴する出来事でした」(くれい氏)
同時期の香港映画ではチャウ・シンチー監督の『少林サッカー』(01年)、『カンフー・ハッスル』(04年)なども話題に。なお『カンフー・ハッスル』は中国・香港の合作映画。97年の返還後の香港映画は、中国との合作が一般化していった。
「返還前の香港映画は中国では外国映画の扱いで、ジャッキー・チェンの作品も94年の『酔拳2』あたりからこっそり公開された程度。広くは上映されていませんでした。チャウ・シンチーの『少林サッカー』も、少林寺をバカにしすぎと取られたのか、中国では公開されていません」(くれい氏)
詳細は30日公開の記事にゆずるが、検閲国家の中国では、映画での公権力の批判はNG。際どいギャグなども通りにくい。そのため万人向けのアクション時代劇などが作られやすくなり、中国との合作が一般化した香港映画では、猥雑で活力あふれるローカル色が失っていった……との見方もある。
「サモ・ハン・キンポーに監督・主演作『おじいちゃんはデブゴン』(16年)についてインタビューをした際、『中国映画は制約が多くて苦痛だからもう監督はしたくない』と話していました」(平田氏)
一方でジャッキー・チェンやチャウ・シンチーの映画は中国でもヒットしている。
「笑いの表現はギリギリでも、良い意味で思想のないエンタテインメント作品を作るチャウ・シンチーなどは、検閲もさほど足かせにはならないと思います。一方で香港ノワールの代表的作家のジョニー・トーや、ホラー映画の作り手パン・ホーチョンのように、『こういう映画を作りたい』という明確な思想がある人は、中国での映画製作は難しい。実際に彼らは香港を軸足にして活動を続けています」(藤本氏)
そんな状況下で香港・中国で合作されるカンフー映画はどのように変わったのか。まず近年のカンフー映画の代表作として挙げられる作品で、中国でも大ヒットしたのがドニー・イェン主演の『イップ・マン』シリーズ(08年~)だ。
イップ・マンはブルース・リーに詠春拳を教えた人物で、日中戦争下で日本軍に財産を没収され、困窮する経験もしている。シリーズ第1作の『イップ・マン 序章』では日本兵を倒す場面がクライマックスだ。藤本氏は『イップ・マン』の人気について「彼が民衆の側に立ち、犯罪者や権力と戦うヒーローとして描かれていることがまず大きい」と話す。くれい氏も『イップ・マン』ヒットの背景を以下のように解説する。
「『イップ・マン』の2年前にはジェット・リーや中村獅童が出演した『SPIRIT』(06年)というカンフー映画もヒットしていますが、中国人の武道家が日本人の敵を倒す……という話は『イップ・マン』の1作目と一緒。『イップ・マン』はその構成をなぞって成功した作品とも言えますし、反日ドラマが中国で増加する流れに乗った作品とも言えます」(くれい氏)
また藤本氏は、ドニー・イェンのリアル志向のカンフーアクションの迫力も、やはり作品の成功に寄与していると分析する。
「ドニー・イェンがリアル志向のアクションに取り組むようになったきっかけには、日本でも話題になったタイの映画『マッハ!!!!!!!!』(03年)の存在がありました。同作はマジ当て(リアルヒッティング)や危険なスタントを前面に押し出した作品で、元をたどればジャッキーの強い影響下にある作品。それに触発されたドニー・イェンは、『SPL/狼よ静かに死ね』(05年)の撮影中から試みていたMMA(Mixed Martial Arts 混合格闘技)を本格的にアクションに導入。07年には関節技なども細かく見せる『導火線 FLASH POINT』という作品を作っています。こちらは、カンフー映画が現代化していくひとつのターニングポイントと言える作品でしょう」(藤本氏)
平田氏が「『ボーン・アイデンティティー』(02年)から始まる『ボーン』シリーズで、世界のアクション映画の潮流が一気にリアル志向に変わった」と話すように、今や世界のアクション映画は国境を越えた相互作用のなかで進化をするものになったわけだ。
「『ボーン』シリーズにも『マトリックス』や香港映画に参加していた人たちが数多く参加し、後に彼らは『ジョン・ウィック』(14年)など最先端のアクション映画を生み出しました。また『キングスマン』(14年)や『キック・アス』(10年)のアクションを手がけているのも、ジャッキーの弟子のブラッド・アランです」(藤本氏)
そのようにアクション映画が現代化・リアル志向に変化する中で、往年のジャッキーやブルース・リーが見せたような純粋なカンフー映画は減少。「ただ、今もカンフー的な要素が強く、香港映画のスピリットを感じる作品はあります」と平田氏は話す。
「孫文の暗殺をもくろむ敵をひたすらアクションでなぎ倒しまくっていく『孫文の義士団』(09年)は、カンフーイズムを猛烈に感じる作品でした。また『コール・オブ・ヒーローズ 武勇伝』(16年)のアクション監督はサモ・ハン。内戦下の中国が舞台の作品で、アクションはカンフーまみれです。あとカンフーへのリスペクトを感じたのはドニー・イェン主演の『カンフー・ジャングル』(14年)。過去に名を馳せたカンフーの達人たちが路頭に迷う姿も描き、現実のカンフー映画の衰退が反映されたレクイエムのような作品でもあります」
またカンフー的なアクションを新しい描き方で表現する作品も登場している。
「『ファイナル・マスター 師父』(15年)は香港ではなく中国本土出身のシュー・ハオフォンが監督した作品。派手さやケレン味はありませんが、その分リアルで怖いんです。香港映画とは違うもの、新しいものを撮ろうという監督の意図が伝わってくるおもしろい作品でした」(平田氏)
今の時代でも、撮り方次第でカンフー映画はおもしろくできるわけだ。
「シュー・ハオフォン監督はもともと武侠小説を書いていた人で、映画の中でも武術家の思想や生き様をメインに描いています。映像も絵画のような雰囲気で非常に独特ですね。“カンフーそのもの”へのリスペクトを捧げつつも、表現として少しひねったことを行っている点は『カンフー・ジャングル』と同じだと思います」(藤本氏)
一方で中国映画では、『戦狼 ウルフ・オブ・ウォー』(17年)や『オペレーション:レッド・シー』(18年)のようなミリタリーアクション超大作、『流転の地球』(19年)のようなSF超大作が自国で大ヒット中。「ハリウッド大作を意識したようなCGバリバリの作品や、解放軍全面協力の国策的な映画が主流になってきています」とくれい氏は話す。また香港でも、自国の映画よりハリウッド映画が強い状況は変わっておらず、カンフー映画の人気は想像以上に低いようだ。
「香港の20代の人と話すと、ハリウッド映画や日本のアニメなどには詳しくても、昔のカンフー映画はほとんど知らなかったりしますからね。ショウ・ブラザーズの映画がDVD化されたのも、ハリウッドでカンフー映画が話題になった00年頃からですし、古いものを見直す文化があまりない国なんです。ただ、タランティーノの新作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(8月30日公開)にもブルース・リーが登場しますし、そうしたきっかけで香港でもまたカンフー映画に注目が集まるかもしれません」(くれい氏)
藤本氏も「今後は配信の分野でカンフーの人気が高まる可能性はある」と話す。
「ドラマでもアクション要素の強い作品は増えていますし、ドニー・イェンが『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(16年)に出演したように、アメリカでもアジア人俳優の活躍の機会は増えています。アクションドラマ『バッドランド~最強の戦士~』(15年~)は、ジャッキーが見出した中国系アメリカ人俳優のダニエル・ウーが製作・主演していますし、『ザ・レイド』のイコ・ウワイスが主演でNetflixで配信予定の『Wu Assassins』もカンフーアクションが見られそうなドラマです」(藤本氏)
香港映画では中心から退き、中国でもメインの存在ではないカンフー映画だが、世界には一定数のファンがおり、“ジャンルムービー”的なポジションは確立しているわけだ。
「そもそも純粋なカンフー映画というのは、時代や舞台を限定しないと成立し得ない作品で、ジャンルとしてはかなり特殊なもの。現代の話にすると銃などの要素が入ってきて、違う種類のアクション映画になってしまうんです」(藤本氏)
優れた性能の武器が存在する世界では、アクションをリアルに進化させないと絵空事に見えてしまうカンフー映画だが、「カンフー映画のいちいち腹を何発も殴ったりするアクションは、ムダなんですけどやっぱり面白いんですよね(笑)」と平田氏。香港で育まれたサービス精神も過剰なアクションは、これからもポップな存在として映画やドラマの中で受け継がれていくはずだ。
香港で公開されない新作も……ジャッキー・チェンも今や香港で嫌われ者?
ブルース・リーと並ぶカンフー映画界の2大スターで、今も現役で活躍中のジャッキー・チェン。だが先の香港の「逃亡犯条例」改正反対の大規模デモについては、インタビューで「詳しい事情は知らない」と答えて大ひんしゅく。デモで香港が揺れる最中に、YOSHIKIがジャッキーとの会食写真をインスタグラムにアップして炎上する騒動もあった。そもそも彼は中国映画家協会副主席という肩書も持っており、過去には中国共産党を擁護する発言も行っている。
「彼はもともと中国(安徽省)にルーツを持つ人ですし、フィルムメーカーとしていち早く中国で映画を成功させた人でもある。映画界で後進を育てた功績なども大きい人ですが、意思を持って香港に残った映画人からは嫌われても仕方ない立場だと思います」(藤本氏)
香港での一般人からの人気も今はないという。
「はっきり言って、中国資本メインになった近年のジャッキーの映画はおもしろくなくなっていますし、現に香港で公開されない作品も出てきている。残念ながら、彼の存在は香港人の心にはまったく残っていない状況です」(くれい氏)
なんだかんだでジャッキーの新作を今も楽しみにしている日本人のほうが、今や香港人以上にジャッキーにとって優しい存在となっているのだ。(サイゾー8月号『中韓(禁)エンタメ大全』より)
香港デモで「人間の鎖」を作る女子中高生に、中年男性が局部露出で対抗!
「逃亡犯条例」の改正反対に端を発する香港のデモで9日、200校近い中学・高校の生徒や卒業生が「人間の鎖」を作り、警察による暴力に対して抗議の意思を示した。一方、それに異を唱える親中派による抗議活動も激化している。ただし、中には違った意味で“過激”な抗議活動に走る中国人もいるようだ。
「SETN三立新聞網」(9月13日付)によると、中国人と思われる中年男性が「人間の鎖」を作っている女子中高生の前で男性器を露出させるという事件が起きた。とあるFacebookユーザーの投稿によると、「中国を熱愛する男性が生徒たちによる人間の鎖を破壊するため、わざと女子の前で男性器を露出させ、散り散りにしようとした」。通行人に阻止されたものの逃走し、9時間後に警察に逮捕された。当初、警察は男を捕らえる気がまったくなかったが、事件の模様がネット上に投稿され、各メディアに取り上げられたことでようやく重い腰を上げたという。つまりは、これも「愛国無罪」ということだろうか?
ネット上での反響は大きく、「下品すぎる」「気持ち悪いウィニー(くまのプーさん、習近平国家主席を指す)信者」など、男への非難が殺到。中には「中華の伝統的優良文化のひとつ」と皮肉る者もいた。また、「香港警察は見れば見るほど目障りでひどくなっている」「香港警察はやるべきことをせず、やるべきでないことをする。ジャッキー・チェンの演技が、それを体現している。『警察故事(ポリス・ストーリー)』シリーズは、すべてウソっぱち。香港警察は中共(中国共産党)の悪行の共犯構造に組み込まれている」といった警察やジャッキー批判にまで発展している。
デモを撃退するつもりで男性が取った行動は、皮肉なことに火に油を注ぐ結果となってしまったようだ。また、香港デモに抵抗を示し、中国のネット上で英雄視されるに至った人物も少なくないが、今までのところ、この男性にはいかなる栄誉も与えられていない。
今回の事件では女子中高生への直接の危害はなかったが、今後も「愛国無罪」を盾にやりたい放題をするハレンチ中国人が、デモ現場で横行することになりかねない。
(文=中山介石)
「中国人留学生が香港キャンパスで孤軍奮闘」記事であらわになった、香港と中国の民度の違い
香港政府は逃亡犯条例の改正案を撤回することを正式に表明したものの、今も中心地の路上や広場には多くのデモ参加者が集まっている。また、世界各地では現地香港人の集会を、中国人が襲撃する傷害事件が続発しており、デモの余波は世界に広がっている(参照記事)。
中国メディアは、今回の香港大規模デモを“暴徒によるテロ行為”と強い口調で非難し、武力によるデモ隊鎮圧の正当性を強調している。そんな中、一人の若者が「英雄」として祭り上げられている。
「今日頭条新聞」(9月3日付)によると、新学期が始まった香港では、高校生や大学生が授業をボイコットし、校内で逃亡犯条例反対の集会を行っている。そんな中、香港中文大学で、大陸からの留学生が1人でボイコット反対の演説を敢行したという。
この学生は中国のパスポートを片手に、ボイコットを行っている数万人の学生に向かって「俺は中国人だ! こんなことをするお前たちには大学生の資格はない! 俺は香港警察を支持する! 大学生は勉強していればいいのだ!」などと大声で非難。さらに、校内に掲げられていたデモ隊の旗を引き裂くなど過激な行動を続け、近くにいた学生たちに制止された後、自ら現場を去ったのであった。
この事件について中国メディアは、「デモ隊の旗を破り、授業をボイコットする香港の学生たちに立ち向かったこの中国人学生の勇気は素晴らしく、中国からは称賛の声が寄せられている」とセンセーショナルに報道。中国のネットユーザーからは、「悪魔たちを前に1人で立ち向かったこの青年は素晴らしい」「これこそ本物の中国人だ! 熱血青年だ」と、中国人学生の行動を褒めたたえるコメントが多く寄せられている。
しかし、今回の出来事、世界各地で香港人が中国人の襲撃を受けていることを考慮すれば、この学生が数万人の香港人学生を前に反デモ演説を行っても無事だったことは、香港と中国の民度の違いを証明したといえよう。もし中国の大学で香港人学生が反中を叫べば、無事ではいられないだろう。メディアを使いデモ隊への圧力を強める中国だが、なかなかうまくはいかないようだ。
(文=青山大樹)
大阪では「時給1000円」で参加者募集! 中国人が世界各地で香港人にカウンターデモ
香港政府が推し進める逃亡犯条例をめぐって、市民による大規模デモが長期化し、社会に大きな混乱をもたらしている。こうした状況下、中国政府は香港のデモ隊に対して、鎮圧部隊の投入をほのめかすなど、緊張も高まっている。
そんな中、懸念されているのが、第三国で発生している中国人による香港人や台湾人への暴行や嫌がらせ行為だ。
8月24日には、大阪高島屋の前で現地在住の香港人らによるデモが行われたのだが、同じ場所にそれを凌駕する数の中国人が集結。罵声や中国国歌の合唱で、香港人らのシュプレヒコールをかき消すカウンターデモを行った。
中国事情に詳しいフリーライターの吉井透氏は話す。
「香港人らによる大阪高島屋前でのデモの計画は、数カ月前から公にされていた。それに呼応するように、大陸出身の在日中国人らは、中国版LINE「微信」などのアプリを使って、カウンターデモ参加を呼びかけていました。時給を提示して参加を促す書き込みも目にしました」
中国人らによる、香港デモを支持する華人を力でねじ伏せようとする試みは、日本以外でも行われている。香港メディア「立場新聞」(8月26日付)によると、8月、チリの首都・サンティアゴにあるレストランを現地中国人が襲撃する事件が発生した。この店の経営者は台湾人男性で、香港で発生した大規模デモを支持していたため、ターゲットとされてしまったのだという。襲撃に参加した中国人らは、主に微信や中国版Twitter「微博」で連絡を取って集結したとみられている。
事件後、襲撃の様子を収めた動画がSNSに投稿され、その卑劣な行為は世界中に拡散された。動画には、20人ほどの中国人グループが、中国国歌を合唱しながら店内の食材を踏みつけたり、店先に放尿したほか、店のシャッターにペンキをぶちまけたり、店内に中国国旗を勝手に貼り付けるなど数々の犯罪行為が確認できる。中には、「台湾や香港の独立を主張することは死への道だ」と、殺害予告とも思える脅迫文を店内に残していった者までいた。こうした事態を受け、台湾外交部はチリの警察当局や現地代表所(大使館に相当)などと連携し、台湾人の安全確保に努めるとしている。
一方、7月24日には、オーストラリアのクイーンズランド大学で、香港系留学生が香港のデモを支援するため校内で集会を開いていたところ、中国人留学生の一団が乱入し、警察が駆けつける騒ぎとなった。彼らは大声で中国国歌を歌うなどして集会を妨害したと、地元メディアでも報じられている。また、暴力行為も目撃されており、現地では中国人留学生に対する警戒感が高まっているという。
世界中で場外乱闘が繰り広げられる中、台湾の蔡英文政権は香港のデモに対し理解を示しており、亡命を希望するデモ参加者の受け入れも検討している。こうした事情もあり、中国人による襲撃のターゲットは台湾人にも及んでいる。
中国メディアは、香港のデモ隊が暴徒化していると厳しく糾弾しているが、ぜひ自国民の蛮行についても報じてほしいものだ。
Amazonが「反中Tシャツ」販売で炎上! 中国から謝罪要求も、断固拒否の理由とは?
「逃亡犯条例」をめぐり香港で発生している大規模デモは、発生から約2カ月たった現在も落ち着きを取り戻せていない。中国政府は、香港の隣に位置する深セン市に鎮圧部隊を配置するなど、デモ隊への圧力を強めている。その一方、国際社会からは中国に対し非難の声も高まっており、中国政府の出方に注目が集まっている。そんな中、世界的企業から香港市民を応援する動きも出てきているようだ。
中国メディア「新民網」(8月16日付)では、米最大手のECサイト・Amazonが、香港デモを応援するかのような態度を見せていると報じている。記事によると、《FREE HONGKONG DEMOCRACY NOW》《香港独立》《反送中(逃亡犯条例反対)》など、香港の民主運動を応援するメッセージや、逃亡犯条例に反対する内容のメッセージがプリントされたTシャツがAmazonで販売されているという。
米国版Amazonのサイトを確認すると、ほかにも《香港不是中国特別行政区(香港は中国ではない)》といったものや、《香港没有引渡(香港は逃亡犯を中国に引き渡さない)》といった香港市民への応援メッセージともいえる内容をプリントしたTシャツも確認できた。Tシャツの多くは、1枚当たり25ドル程度(約2,600円 )で販売されていた。
これに対し、中国メディアは「中国と香港の分断を図り、中国の主権を破壊する行為は容認できない」と、厳しい態度でAmazonを批判している。
中国共産党と異なる姿勢を示した海外企業が、中国政府や人民から非難される事件は、これまで幾度も発生している。最近では、世界的ファッションブランド・ヴェルサーチ やコーチなどが、香港や台湾が国家であるかのように表現したデザインTシャツを販売していたため、中国で不買を呼びかける声が高まっていた。両ブランドは共に、公式サイトに 謝罪文を掲載するなどの対応に追われている。
今回の件についてAmazonは、中国に対して謝罪などは行っていない。それもそのはず、Amazonは今年7月、中国市場での販売が伸び悩んでいることを理由に、中国国内向けのマーケットプレイス事業を廃止していたのだ。そのため、中国人による不買運動などAmazonには関係がなく 、謝罪も行わないという強気の姿勢を堅持しているのだ。このほかにも、TwitterやFacebookなども中国政府への圧力を強めるため、中国政府とつながり偽の情報を拡散するアカウントを削除するなどの対応を見せている。
自由な事業活動を行うためには、中国市場とは縁を切る必要があるということだろうか?
(文=青山大樹)
ジャッキー・チェンの黒歴史が発掘! 天安門事件当時に中国政府批判していた映像が見つかる
香港で長期化している「逃亡犯条例」への反対デモに対し、これまでSNSで一切発言をしてこなかった香港を代表する映画スター、ジャッキー・チェンが、ついに沈黙を破った。しかし、それはTwitterでもFacebookでもInstagramでもない。中国版Twitter「微博」だった。
デモの参加者に中国国旗である五星紅旗を海に投げ捨てられたことを受け、中国の国営放送・中国中央電視台(CCTV)はSNS上で「#五星紅旗有14億護旗手(五星紅旗には14億の旗手がいる)」キャンペーンを展開。8月4日、ニュース専門チャンネル「央視新聞(CCTV-新聞)」が五星紅旗の画像を添付して投稿すると、ジャッキーはすぐにリツイートし、「我是護旗手!(私は旗手を守る!)」とコメントしたのだ。13日にはCCTV-新聞のインタビューに応じ、即座にリツイートした理由について「一人の香港人、一人の中国人として、最も基本にあるのは愛国の心であり、私も一人の旗手であることを示すため」と改めて愛国者であることを強調。中国人民政治協商会議委員としての務めを果たしたということだろうか?
こうしたジャッキーの姿勢に対し、冷ややかな反応を示しているのは香港や台湾 のネット民だ。「今日新聞(NOW NEWS)」15日付)などによると、台湾の掲示板サイトに、ジャッキーの30年前の映像と写真が投稿された。それは天安門事件当時、香港と台湾の芸能人が集まって民主化を訴えるイベントを開催し、「歴史的傷口」という中国政府を批判する歌を合唱した時のものだという。つまり、ジャッキーはこの30年でまったく逆の立場に立っているのだ。30年前に民主化を訴える歌を歌っていたジャッキーが、皮肉なことに香港で大規模デモが行われた18日には、北京オリンピック体育館で、愛国の歌である「国家」を披露している。この30年前の出来事を中国人が知ったら、どう思うのだろうか?
このジャッキーの“転向”に対して、香港と台湾のネットでは「日和見主義の卑怯なコウモリ野郎め!」「英雄を演じる人間のクズ」など、非難が殺到している。今後、ジャッキーが香港や台湾で活動する姿を見ることはできなくなるかもしれない!?
(文=大橋史彦)
【香港デモ】鎮圧に投入されたセクシー女性警察官が男子学生を懐柔!?
犯罪容疑者の中国本土引き渡しを可能にする、いわゆる「逃亡犯条例」改正案に端を発する香港の抗議デモだが、日に日に激しさを増し、いまだ収束の兆しが見えない。中国政府はTwitterやFacebookを通じて反政府デモを妨害するなど、混乱はネット空間にも広がっている。そんな中、ネット上では香港の女性警察官が話題になっている。
170万人(主催者側発表)が参加したという18日の大規模デモでは、香港政府側も大量の警察官を投入して対応したが、ひとりの女性警察官がひときわ注目を集めた。
「SETN三立新聞網」(8月19日付)などによると、その女性警察官は一般的な制服を着用しておらず、なぜか白いTシャツにベストというラフな格好。しかも、Tシャツが少々小さめな上、なかなかの巨乳のようで、胸の膨らみがはっきりとわかるのだ。お色気で男子学生を懐柔しようとでもいうのだろうか。その画像は瞬く間に拡散された。
ネットではすぐに「人肉検索」が行われ、本人と思われる人物のFacebookとInstagramのアカウントが突き止められた。投稿内容を見ると、やはり白いTシャツを着てトレーニングしている姿があり、胸の膨らみがはっきりとわかる。それだけではない。ビキニなど水着姿の写真を惜しみなく公開。中には指をくわえたセクシーショットもあり、まるでグラビアアイドルのようなのだ。ネット上にさらされたことでフォロワー数は急増し、2万以下だったInstagramのフォロワー数は、すでに3万を超えている。
ネット民は「セクシーすぎる!」「ボクの身分証を調べてほしい」「オレを逮捕してくれ」などと大興奮。珍しく香港警察に対して好意的な意見が噴出している。これも中国共産党による情報操作の一環なのだろうか?
デモがさらに長引けば、さらに多くのセクシー警察官が投入されるかも!?
(文=中山介石)