米GAPだけじゃない! 外国企業にとって「中国地図」は鬼門!?

 米カジュアル衣料品大手ギャップ(GAP)が、中国で炎上騒ぎを起こしている。香港メディア「東網」(5月17日付)などによると、問題となっているのは中国人留学生がカナダのアウトレットで見つけたGAPのTシャツ。そこに描かれていた中国地図から、台湾やアクサイチンなどチベットの一部、南沙諸島といった、同国が領有権を主張している地域が抜け落ちていたのだ。その留学生が14日、中国版Twitter「微博(ウェイボー)」に投稿したことから騒動に発展した。

 あまりの反響の大きさに、GAPの中国法人「盖璞集団」はその日のうちに微博の公式アカウントを通じて声明を発表。「中国の主権と領土保全を尊重する」として謝罪するとともに、現在内部調査を行っており、早急に誤りを改めると表明した。また、当該商品を中国市場から撤去するとした。

 しかし、中国人はこれに納得できないようだ。「回収するのは中国だけで、ほかの国はそのまま?」「なぜ全世界で回収しない」「そもそも、中国地図をデザインする必要があったの?」などと不満が噴出した。

 一方、台湾人の反応はというと「中共(中国共産党)は中華民国が存在している事実を承認せず、自らを欺いている。恥を知れ! 滅亡しろ!」「中共詐欺集団は党の利益しか考えていない」などと、こちらはこちらで中国に対する厳しい声が多く見られた。

 GAPの謝罪を受け、国務院台湾事務弁公室の安峰山報道官は16日、「中国で活動する外資企業は中国の主権と領土保全を尊重し、中国の法律を遵守し、中国人民の民族感情を尊重すべきだ」と発言。重ねて釘を刺した形だ。

 中国でビジネスを展開する外国企業にとって、地図は鬼門である。1月には、良品計画が運営する無印良品が発行したカタログに掲載された地図に、釣魚島(尖閣諸島の中国側名称)がないとイチャモンをつけられ、廃棄処分を命じられたばかりである。いっそのこと、中国では地図など使わないほうが賢明かもしれない。

(文=中山介石)

中国人観光客の”おそろいTシャツ”にベトナム人税関職員が激怒! その理由とは……

 最近、世界的ブランドが中国政府の抗議によって謝罪に追い込まれるケースが増えている。アメリカのファッションブランド・GAPは5月、同社が販売するTシャツにプリントされた中国地図の中に、同国が領有権を主張する台湾や南シナ海が描かれていなかったと中国側から圧力を受け、公式に謝罪するという騒動があった。現在、このTシャツは販売を停止している。ほかにも、メルセデス・ベンツや米ホテルチェーン・マリオットなどもチベット問題で中国政府の見解と異なる扱いをしたとして抗議され、ともに謝罪・撤回に追い込まれている。

 一方で、彼らは海外で挑戦的な行動を繰り返している。「網易新聞」(5月15日付)によると、西安市からベトナム観光にやって来た中国人観光客14人が、カムラン国際空港で入国手続きを行っている際に、トラブルが発生したという。税関職員が、彼らがおそろいで着ていたTシャツに「九段線」が描かれていることに気がついたのである。

 九段線とは、中国政府が南シナ海の領有権を主張する海域の地図上に、一方的に描いた破線のことで、同国は以前から南シナ海のほぼ全域を自国の領海であると主張している。当然ながら、周辺国のフィリピン、ベトナム、マレーシアなどはこれに反論してきたわけだが、中国は主張をまったく変えないばかりか、自国のパスポートに九段線入りの地図を載せるなど、やりたい放題だ。

 前出・ベトナムの空港警察は14人の中国人観光客に対し、Tシャツを着替えるよう命じ、事情聴取を行った。観光客たちは、「みんなで一緒に中国で買った。Tシャツを着ているだけで捕まるなんて理解できない」と話しているが、今後は地元警察が詳しい捜査を行うという。

 ベトナムでは今月6日にも、ニャチャン市内のレストランを利用した中国人観光客18人が、店側と支払いをめぐりトラブルになる事件が発生。店員に暴行を働いたとし、地元警察が彼らを逮捕している。東南アジア諸国では、中国政府や中国人観光客のこうした傍若無人な振る舞いによって、急激に反中感情が高まり、各地でデモが起こるなどしている。

 中国は日本の尖閣諸島に関しても、以前から領有権を主張しており、われわれ日本人にとっても、こうしたトラブルは決して対岸の火事ではないのである。

(文=青山大樹)