本格防音環境を実現する「ドラえもん戦法」とは? 防音グッズ専門店が解説!【後編】

【「おたぽる」より】

「幹線道路が近い」「居酒屋やコンビニが目の前にある」「隣人や上階、階下の人間がうるさい」など、騒音での睡眠不足に悩んでいる人は少なくない。筆者も耳栓の欠かせない生活を送っているが、できれば耳栓なしでぐっすり眠りたい。当連載では今回防音専門店ピアリビング室水房子代表取締役と、梶原栄二東京支店長に話を伺っている。最終回となる今回は、本格的な防音対策について話を伺う。

*これまでのインタビューはこちらから!【前編】 【中編】

 

防音カーテンでは効果を感じられない人に向けた「防音パネル」とは?

――前回は防音カーテンについてお話いただきましたが、カーテンの場合窓との間にできてしまう「隙間問題」がなかなか悩ましいことがわかりました。

室水房子氏(以下、室水) 当社は「窓からの防音」においては、カーテンとパネルを提供していますが、効果を求める場合はやはり、より厚く、重くて、かつ隙間をふさぎやすいパネルの方ですね。

 当社ではさまざまなサイズの通常パネルのほか、窓のサイズに合わせたオーダーメイドのパネルもご用意しています(写真1)。

――オーダーメイドのパネルと、通常パネルなら、窓につける場合どちらがいいのでしょうか?

梶原栄二氏(以下、梶原) オーダーメイドは受注生産になり、パネルの周囲にゴムをつけ、さらに取っ手がついきますので、通常のパネルよりお値段は1.5倍ほど高くなってしまいます。

 ですので、窓を完全につぶしてしまって、パネルを一度はめこんだらもう動かさない場合でしたら何もオーダーメイドにせず、通常のパネルにした方が安価で済みます。

 ただ、窓を普段も使うなら、毎日複数のパネルを「出し入れ」することになりますよね。そうしていくうちに、パネルとパネルの間に「隙間」ができ、そこから音が漏れてしまう可能性があります。

 さらに、その家にいつまで住むかという問題もありますね。窓枠に沿って作るオーダーメイドはずっとその家に住み続けるならいいのですが、引っ越すと使えなくなってしまいます。

 

低コストで防音対策できる必殺技「ドラえもん戦法」とは?

梶原 高い防音効果を求め、防音パネル(写真1)でカスタマイズした押入れの下段で寝ていらっしゃるお客様もいらっしゃいますね。押し入れの壁と天井を防音パネルでふさぐんです。押し入れなら高さがないので、使うパネルの量も少なく済みます。

 さらに押し入れはもともと「塞がれる」空間なので、防音効果も高くなります。防音対策は「隙間を作らない」ことが大切ですから。

――ドラえもん戦法ですね。ただ、押し入れの引き戸側にも防音効果が欲しい場合、どうすればいいでしょうか。引き戸にパネルを設置すると、ドアの開け閉めが難しくなってしまいますよね。

梶原 その場合、押し入れの手前に突っ張り式のカーテンレールを設置し、防音カーテンを引くといいですね。

――なるほど。防音パネルを組み合わせ棺桶のような形状にして、寝るときに入る、という製品があったら理想的なのですが。

梶原 そういったお声はよくいただいているのですが、狭い空間に密閉する形になるので心配なところもあって。

――窒息してしまうと。「隙間は防音の敵」ですから隙間を開けるわけにもいかないですし、難しいですね。

梶原 また、冬はいいのでしょうけれど、夏は暑いでしょうね。

梶原 安価で導入しやすい防音対策の一つとして、今「快適防音ボックス」を開発中です(写真2)。机の上に薄手の防音パネルで作った箱状のブースを置くというものです。

 こちらは写真の通り、勉強や仕事中、より静かな環境で集中できるように作ったのですが、これを、寝るときに頭周辺を覆うようにすれば、睡眠時の騒音が気になる人や、また、いびきの音を弱めることができるということで、形状をさらに工夫し睡眠用の提供も検討しています。

――(快適防音ボックスに頭を入れる)こちらは形状的に隙間が空いているので「徹底防音」ではないですが、吸音効果で、入るとたしかに明らかに「しーん」としますね。 真後ろでお話している声も、遠くから聞こえてくる感じになります。

梶原 徹底的な防音を求められる方は、パネルを使い窓を埋める方法がお勧めです。ですがこちらのボックスなら、手ごろな値段で利用できます(価格は現時点では未定だが、2万円程度を予定)。

――3回にわたってお話を伺ってきましたが、防音にはさまざまな選択肢があることがわかりました。押し入れを活用するなど、意外な方法も含めやりようはあるのだなと。最後に、防音のコツについて改めて教えていただけないでしょうか。

梶原 何かひとつの単体の防音グッズで全ての音を防ぐとなると難しいんですよね。窓も防音カーテン1枚では防げなくても、2枚になると防音効果が上がります。「層」で対策することが大切です。これはカーペットでも同様です。

 ですので、すでに購入された防音グッズで、今効果をあまり感じられないものも、組み合わせて使うことで効果を発揮することもあります。

―――あとはお話いただいたとおり「とにかく隙間をなくすこと」なんでしょうね。

梶原 はい。そして、そもそも音の感じ方には個人差があります。人の声が気になる人もいれば車の音が気になる人もいます。

――効果においても「とにかく徹底的に静かにならないとイヤ」な人もいれば、「ある程度改善されればOK」人もいるでしょうし、感じ方は人の数だけありますよね。

梶原 そうなんです。ですので、防音対策に「万人がこれでなければいけない」というものはないんです。よって、防音は「いっぺんに全部」やるのではなく、ちょっとずつ継ぎ足していった方がいいかと思います。満足できるところでやめれば、それほど大掛かりな予算をかけずにすみますから。

* *

 この取材はピアリビングが期間限定のブースを出していた東急ハンズ渋谷店で行われ、ブースには、四方と天井を防音パネルで作った箱型の体感コーナーもあった。中は明らかに「しーん」とした別世界で気持ちがとても落ち着き、ここで生活したいと思うほど安らいだ。にぎやかな店内の音をすべてシャットアウトするわけではなく、声などは聞こえるのだが、かなり遠くから聞こえてくるのだ。

 しかし、一度この体感コーナーの引き戸のドアがほんの少しだけずれてしまったときは、最初は気づかなかったくらいのほんのわずかなずれにもかかわらず「しーん」とした感じはかなりうすれてしまった。しみじみと防音対策は、水をも漏らさぬ隙間との闘いなのだと理解した。

(文/石徹白未亜 [https://itoshiromia.com/])

◆石徹白未亜の過去記事はこちらから◆

卵パック、段ボールに防音効果があるという噂は本当? 防音グッズ専門店が解説【前編】の画像2★好評発売中!!
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9割以上が間違っている「防音カーテンの正しい使い方」とは? 防音グッズ専門店が解説!【中編】

【「おたぽる」より】

「幹線道路が近い」「居酒屋やコンビニが目の前にある」「隣人や上階、階下の人間がうるさい」など、騒音での睡眠不足に悩んでいる人は少なくない。筆者も耳栓の欠かせない生活を送っているが、できれば耳栓なしでぐっすり眠りたい。当連載では今回防音専門店ピアリビング室水房子代表取締役と、梶原栄二東京支店長に話を伺っている。今回は手軽に導入できる「防音カーテン」の正しい利用方法について聞いた。

*インタビュー前編はこちらから!

 

9割の人が間違っている防音カーテンの使い方

――窓からの騒音を何とかしたい場合に手軽に導入できるものとして「防音カーテン」がありますよね。

室水房子氏(以下、室水) はい。ただ防音カーテンは正しく使わないとなかなか効果を感じにくいんです。例えば、防音カーテンは窓にぴったりくっつけて使えば効果的なのかと考えられる方が多いのですが、大切なのはむしろ「空気層を作ること」であり、窓からちょっと離した方がいいんです。

 例えば出窓の場合、窓にピッタリのところにカーテンを引くより、窓から離したところにカーテンを引いたほうが防音効果が増します。

――今までずっと誤解していましたし、私に限らず多くの人が勘違いしているところだと思います。でも、そもそも手前にカーテンをつけたくても、もともとカーテンレールが窓のそばに設置されている家が多いですよね。

梶原栄二氏(以下、梶原) その場合、突っ張り式の後付けのカーテンレールなどを使って手前にカーテンレールをつけると効果的です。突っ張り式のレールを使えば、障子の部屋などカーテンレールがない部屋でも防音カーテンを使えるようになります。

 

防音カーテンを買っても、前のカーテンを捨てない方がいい理由

室水 さらに、防音は「層」が大切です。先ほど出窓のケースを挙げましたが「もともとあったカーテンレール」と「新しくより手前に作ったカーテンレール」に、2枚カーテンを引くとより防音効果がアップします。

 ですので、防音カーテンを購入しても、ももともとお使いのカーテンを捨てず、もとあったカーテンに、さらに防音カーテンを足すとより防音効果が上がります。カーテンの枚数があるほど吸音していきますから。

 そして、住環境的に難しい方も多いかとは思いますが、2枚カーテンを引く場合でも「カーテン間をできるだけ離して、間に空気層を作る」とより効果的です。

梶原 よく「隣の家からの音が気になる。隣と面する壁に防音カーテンを張り付けたら効果があるのでしょうか?」という質問をいただきますが、直接壁にカーテンを張り付けてもあまり意味がないんです。その間に空気層を作らないといけないんです。

 なお、ライブハウスなど大きな音を出す施設を作るときは40センチ以上の空気層を作っています。外壁、40センチの空気層、壁、空気層、壁、といったように層をいくつも作ることが防音効果を高めるんです。

――「空気層」の存在が、防音においてとても大切なんですね。

室水 「空気層を作る」が防音カーテンのポイントの一点目ですが、二点目は「カーテンを引くときは、音が漏れる隙間を絶対作らない」ことです。

 ただ、たいていのカーテンレールは上に隙間がありますよね。あの隙間から音が漏れてしまうんです。ですのでカーテンは天井から下げるのが理想ですね。

――「防音カーテンを引いたのに全然改善しない」という人は「カーテンレールの上から漏れてる」というケースが多いのでしょうね。でもカーテンレールの上の部分って、そもそも隙間が空いていますよね。

室水 はい。ですので当社ではカーテンレールの上を箱状に「ふさぐ」部分もセットにしたカーテン販売しています(図1)。また「ふさぐ」部分だけも販売しています。

 また、カーテンのドレープ(ひだ)の「隙間」からも音は漏れるので、ここも気を付けてください。防音カーテンは「しっかりふさぐ」ことが基本です。ですので、窓が床までない「腰窓」であっても、高い防音効果を求めるなら床まで長さのあるカーテンを引くことをお勧めします。

――それほどまでの「徹底隙間対策」なんですね。そうなると素人が素人考えのままで防音カーテンを買ったら、隙間だらけで効果を感じられないケースは多いでしょうね。

室水 そうなんです。また、防音カーテンを選ぶときのポイントは「層と重さ」です。より層があり、より重いほど、防音効果は高まります。

* *

 家に防音カーテンがあるが、効き目を感じられない人は「もとあったカーテンも追加する」「隙間をとにかく塞ぐ」など工夫をすることで防音効果がアップする可能性もあるのだ。

 原稿後編では引き続き室水氏、梶原氏に、本格防音対策について話を伺う。比較的低コストで安眠環境を実現する必殺技「ドラえもん戦法」について伺う。

(文/石徹白未亜 [https://itoshiromia.com/])

◆石徹白未亜の過去記事はこちらから◆

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卵パック、段ボールに防音効果があるという噂は本当? 防音グッズ専門店が解説【前編】

【「おたぽる」より】

「幹線道路が近い」「居酒屋やコンビニが目の前にある」「隣人や上階、階下の人間がうるさい」など、騒音での睡眠不足に悩んでいる人は少なくない。筆者も耳栓の欠かせない生活を送っているが、できれば耳栓なしでぐっすり眠りたい。当連載では過去にヤマハが展開する「防音室」に取材をしてきたが(参照記事:ヤマハの楽器用『防音室』は「寝室」として使えるのか? 公式に聞いてみた!)、そもそも「防音知識の基礎」がわからないため、防音専門店ピアリビング室水房子代表取締役と、梶原栄二東京支店長に話を伺った。

 

卵のパックに防音効果はあるというネットの噂は本当?

――防音専門店から見て、一般の人たちの防音知識で間違っているな、と思うものはありますか?

室水房子氏(以下、室水) 今はネットでさまざまな防音情報が錯綜していますよね。卵のパックに防音効果があるという情報がネットで流行っていたときもありましたが、卵のパックでは難しいです。

梶原栄二氏(以下、梶原) 段ボールに防音効果があるともよく見ますね。段ボールの場合は、何重にも重ねると確かに防音効果は出てくるのですが、段ボール一箱分くらいではあまり防音効果はありません。

 

防音の基本は遮音と吸音。しかし遮音と吸音って何?

――御社のホームページを見ると、防音は「遮音+吸音」とありました。字面通り「遮音:音を遮る」「吸音:音を吸い込む」だと思うのですが、違いがよくわからなくて。

梶原 遮音は単純で、それこそコンクリートのような「堅い、重い、厚い」素材ならより一層遮音効果が出ると考えていただければ大丈夫です。

室水 一方、吸音ですが、音は振動でありエネルギーです。例えば、堅い壁にボールを強く投げると、結構な強さで跳ね返りますよね。 でも、布団のようなものに投げたら、ボールは硬い壁にぶつけた時よりは跳ね返りません。これは布団の中の繊維が、エネルギーを吸収するためです。

 音も同じです。硬い壁に向け音を出すとそのまま跳ね返りますが、布団のように柔らかいものだと音のエネルギーが吸い込まれて弱くなります。これが「吸音」です。

――跳ね返りが弱くなるほど、吸音効果が高いということですね。

室水 はい。遮音の場合はそれこそコンクリートのような「堅い、重い、厚い」方がより遮音効果は高まります。一方、吸音になると中に音が入り拡散させ、弱めるようなものの方が吸音効果は高まります。

――「遮音」と「吸音」で求められる素材の質感は、ずいぶん異なるんですね。

室水 はい。そして「防音」は「遮音」と「吸音」の両方を兼ね備えてなければいけません。

 

人間も音を吸い込む――がらんとした体育館で音が響く理由――

室水 「遮音」効果は高いものの「吸音」を何もしていない部屋の例として、打ちっぱなしのコンクリートの、何も家具のない室内をイメージしてみてください。この場合、遮音効果は高いのですが吸音できないため、音は反響を繰り返し、うるさく響き続けます。

――テニスの「スカッシュ」のように、音エネルギーが吸い込まれることなく跳ねかえっていくと。

社長 はい。ただこのコンクリート打ちっぱなしの部屋に人が入ったり、カーペットやソファーなど家具が入っていくと、音の反響はどんどん弱まっていきます。

――人間やソファーも「吸音」するんですか?

社長 はい。人もソファーも、コンクリートの壁よりは柔らかいですから。

 体育館をイメージしてみてください。人がほとんどいない体育館で大声を出すと響きますが、人が入れば入るほど声は響きにくくなります。人そのものも、また人が着ている服も吸音するためです。

梶原 昔の和建築は、床は畳、塗り壁、天井は板が用いられていました。これらの素材は吸音性が高く、「しーん」と静かなんです。わび、さびの落ち着く空間なんですね。

――和室が落ち着くのは雰囲気からと思っていましたが、音を吸い込むという意味でも落ち着く要素があったんですね。

梶原 はい。一方で、今の家は床はフローリング、壁はビニールクロスと、「気密性」を重視した作りが主です。そのため吸音性は下がり、音が響きやすくなりました。外から家に入ってくる騒音が家の中で反響し、なかなか音が逃げてくれないんです。

 今の家の構造は、音を気にする人にとっては、イライラしやすい家と言えます。

 

救急車のサイレンは防音しやすくて、トラック走行音は防音しづらい理由

――防音の各種サイトを拝見しますと、「デシベル」と「ヘルツ」が出てきますがこれらの違いは何でしょうか?

梶原 デシベルは「音の大きさ/小ささ」、ヘルツは「音の高さ/低さ」です。

 デシベルは、完全なゼロはあり得ず、しーんとした図書館でも30デシベルくらいあります。TVをつけると50デシベル、音楽が流れている環境で80くらい、ピアノを演奏して110くらいですね。

 一方ヘルツは、車のエンジン音は低く100ヘルツくらい、モスキート音と呼ばれる蚊の羽音のようなあの高音は2万ヘルツくらいです。女性や子供の高い声は1000~2000、低い男性の声で500くらいです。なお、防音対策をしやすいのは「より高い音」です。低い音ほど、防音は難しくなります。

――ピアリビングさんのお客さんは、どうやった音で悩まれていることが多いですか?

梶原 都内の方ですとやはり車の音ですね。環七、環八などの大型幹線道路沿いに住まれていて、車の音に悩まされている方は多いです。走行音が響くトラックは道が空いている夜中や朝方の運行も多いですから。あと救急病院の近くに住んでいる方で、夜中の救急車のサイレンがうるさくて困られている、というケースもあります。

――本当に「気になる音」って、人それぞれですよね。私は車の走行音はほとんど気になりませんが、人の声はわずかでも気になって目が覚めてしまいます。

梶原 「人の声」が苦手な方は多いですね。当社のショールームでも防音カーテンなどを引いた奥でさまざまな音や声を流し、防音効果を体験していただいています。

 カーテンの向こうで音楽を流すと「カーテンがあると気にならないほど小さくなった」と言われる方が多いんです。一方で、人の話し声は一度その人にとって「嫌な声、うるさい声」と聞こえてしまうと、カーテンである程度の防音効果が出ていても「気になる」という感覚が残る方が少なくありません。

 * *

 原稿中編では手ごろな値段でも購入できる防音対策アイテム「防音カーテン」について引き続き室水氏、梶原氏に話を伺う。取材から「防音カーテンを買ってみたけれど効かない」という人には、効かない理由があることが分かっている。次回も静かに寝たい方は必見だ。

(文/石徹白未亜 [https://itoshiromia.com/])

◆石徹白未亜の過去記事はこちらから◆

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『節ネット、はじめました。 「黒ネット」「白ネット」をやっつけて、時間とお金を取り戻す』(CCCメディアハウス)?

 

ヤマハの楽器用『防音室』は「寝室」として使えるのか? 公式に聞いてみた! 【連載:静かに寝たいあなたに】

「幹線道路が近い」「居酒屋やコンビニが家の目の前にある」「隣人や上階、階下の人間がうるさい」など、騒音での睡眠不足に悩んでいる人は少なくない。筆者も耳栓の欠かせない生活を送っているが、できれば耳栓なしでぐっすり眠りたい。そこで目を付けたのが楽器メーカー、ヤマハが展開する「防音室」だ。そもそも器楽演奏のための防音室なのだが、静かにぐっすり眠りたい人も使えるものなのだろうか――? 公式に聞いてみた。

 

器楽演奏用の防音室は「安眠用」に使えるのか?

――御社の提供する防音室の特徴ついて教えてください。

ヤマハ 当社の提供する防音室は、大きく分けてレッスン室やシアタールームまで、部屋の形や用途に応じて設計できる「自由設計」タイプと、0.8畳から4.3畳までの「定型タイプ」があります。0.8畳の場合、声楽やクラリネットなどの管楽器、2.0畳ならアップライト型のピアノの練習に、3.0畳以上ならグランドピアノも収容できます。設置も数時間程度で行えます。

 当社防音室のこだわりは、音場(おんじょう。音波が届き、音が広がる空間のこと)設計です。一般的な防音室は音を閉じ込めるという性質上、音が外に出ていかず部屋の中で反射を繰り返しますが、音場が整えられていない空間の場合、反射を繰り返した音同士が干渉しあい、不快な響きとなってしまいます。

 当社の防音室は音響調整部材を使用し、音の響きを最適にコントロールすることで、人の声や楽器の音が自然な美しい状態で聴こえる空間を提供しています。

――声や音の心地よい響きは、楽器の演奏以外にも昨今の「歌ってみた」「ゲーム実況」などにも必要とされる要素でしょうね。「安眠時の防音効果」についてはいかがでしょうか。

ヤマハ 結論から申しますと、当社の防音室は主に楽器演奏、歌唱、シアタールームなど室内で音を発する利用シーンを想定しています。

――外からの音をシャットアウトするというよりは、内からの音を外に出さないという目的で作られた防音室なのですね。

ヤマハ ただ、一定程度の遮音性能も有しているため、防音室を睡眠スペースとして利用されている方もいらっしゃいます。ですが製品としての主目的ではなく、1つの活用事例という認識ですね。ユーザーの利用割合としては、約9割が楽器演奏、約1割がそれ以外、というイメージです。最近ではシェアオフィスにおけるワーキングスペースとしての需要も増えています。

――もし睡眠用で使う場合、少なくとも1.5畳はほしいところですが、御社ホームページを見ると1.5畳は73万円からとありますね(製品名AMDB15H、組み立て費、輸送費等別途)。眠るために導入するにはかなり勇気のいる金額です。

ヤマハ ヤマハグループのヤマハミュージックジャパンでは『音レント』という楽器と防音室のレンタルサービスも行っています。新品、もしくはより低価格の中古の防音室をレンタルで提供しており、まずはご自宅で実際にお試しいただき、お気に召していただいた場合はレンタル中にそのままその防音室を購入することもできます。

――そのまま購入できるのはいいですね。自宅に導入する前に、まずは実際の防音室に入ってみたい場合はどうしたらいいでしょうか?

ヤマハ 全国のヤマハや楽器店で、防音室の体験会、相談会も随時行っています。当社ホームページで日程など公開しておりますので、どうぞご相談いただければと思います。

 * * *

「73万から」のお値段で失敗は決して許されないため、レンタルができるというのは心強い。当連載では今後も、静かにぐっすり眠れるための各種アイテムの探求を進めていく。「これぞ」というものがあればぜひご連絡いただければと思う。

(文/石徹白未亜 [https://itoshiromia.com/])

◆石徹白未亜の過去記事はこちらから◆

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ヤマハの楽器用『防音室』は「寝室」として使えるのか? 公式に聞いてみた! 【連載:静かに寝たいあなたに】

「幹線道路が近い」「居酒屋やコンビニが家の目の前にある」「隣人や上階、階下の人間がうるさい」など、騒音での睡眠不足に悩んでいる人は少なくない。筆者も耳栓の欠かせない生活を送っているが、できれば耳栓なしでぐっすり眠りたい。そこで目を付けたのが楽器メーカー、ヤマハが展開する「防音室」だ。そもそも器楽演奏のための防音室なのだが、静かにぐっすり眠りたい人も使えるものなのだろうか――? 公式に聞いてみた。

 

器楽演奏用の防音室は「安眠用」に使えるのか?

――御社の提供する防音室の特徴ついて教えてください。

ヤマハ 当社の提供する防音室は、大きく分けてレッスン室やシアタールームまで、部屋の形や用途に応じて設計できる「自由設計」タイプと、0.8畳から4.3畳までの「定型タイプ」があります。0.8畳の場合、声楽やクラリネットなどの管楽器、2.0畳ならアップライト型のピアノの練習に、3.0畳以上ならグランドピアノも収容できます。設置も数時間程度で行えます。

 当社防音室のこだわりは、音場(おんじょう。音波が届き、音が広がる空間のこと)設計です。一般的な防音室は音を閉じ込めるという性質上、音が外に出ていかず部屋の中で反射を繰り返しますが、音場が整えられていない空間の場合、反射を繰り返した音同士が干渉しあい、不快な響きとなってしまいます。

 当社の防音室は音響調整部材を使用し、音の響きを最適にコントロールすることで、人の声や楽器の音が自然な美しい状態で聴こえる空間を提供しています。

――声や音の心地よい響きは、楽器の演奏以外にも昨今の「歌ってみた」「ゲーム実況」などにも必要とされる要素でしょうね。「安眠時の防音効果」についてはいかがでしょうか。

ヤマハ 結論から申しますと、当社の防音室は主に楽器演奏、歌唱、シアタールームなど室内で音を発する利用シーンを想定しています。

――外からの音をシャットアウトするというよりは、内からの音を外に出さないという目的で作られた防音室なのですね。

ヤマハ ただ、一定程度の遮音性能も有しているため、防音室を睡眠スペースとして利用されている方もいらっしゃいます。ですが製品としての主目的ではなく、1つの活用事例という認識ですね。ユーザーの利用割合としては、約9割が楽器演奏、約1割がそれ以外、というイメージです。最近ではシェアオフィスにおけるワーキングスペースとしての需要も増えています。

――もし睡眠用で使う場合、少なくとも1.5畳はほしいところですが、御社ホームページを見ると1.5畳は73万円からとありますね(製品名AMDB15H、組み立て費、輸送費等別途)。眠るために導入するにはかなり勇気のいる金額です。

ヤマハ ヤマハグループのヤマハミュージックジャパンでは『音レント』という楽器と防音室のレンタルサービスも行っています。新品、もしくはより低価格の中古の防音室をレンタルで提供しており、まずはご自宅で実際にお試しいただき、お気に召していただいた場合はレンタル中にそのままその防音室を購入することもできます。

――そのまま購入できるのはいいですね。自宅に導入する前に、まずは実際の防音室に入ってみたい場合はどうしたらいいでしょうか?

ヤマハ 全国のヤマハや楽器店で、防音室の体験会、相談会も随時行っています。当社ホームページで日程など公開しておりますので、どうぞご相談いただければと思います。

 * * *

「73万から」のお値段で失敗は決して許されないため、レンタルができるというのは心強い。当連載では今後も、静かにぐっすり眠れるための各種アイテムの探求を進めていく。「これぞ」というものがあればぜひご連絡いただければと思う。

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