反社会的勢力の忘年会で闇営業を行ったとして、宮迫博之や田村亮らお笑い芸人13人が、所属事務所から無期限謹慎処分を言い渡された。元反社でお笑い好きでもある“キング・オブ・アウトロー”こと瓜田純士(39歳)は、一連の騒動をどんな思いで見つめていたのか?
――今回の騒動を見て、まず何を感じましたか?
瓜田純士(以下、瓜田) 乞食かな、と思いました 。ある程度の立場にいる奴らが、目の前の10万、100万を拾いにいく姿が卑しくて、乞食みたいだな、と 。プライドを持ってちゃんと一芸で食べている芸人やタレントは、道端に10万円落ちていても絶対に拾わないと思うんですよ。ダウンタウンとか明石家さんまとかは。
だから今回謹慎になった奴らは、そのレベルに達していない、しみったれた連中ってことなんですよ。
――手厳しいですね。
瓜田 自分の話をさせてもらうと、俺みたいな元不良って、昔の不良仲間と街でばったり再会したときに、そいつらから羽振りの良さを見せつけられるケースが多いんですよ。見たこともないような高級車から降りてきたり、ギンギラギンの腕時計をハメていたり、六本木あたりで信じられないような派手な遊び方をしていたり。
で、そういう謎の金持ちに限って、「俺は飲食店をいくつもやっていて」とか、「ITで成功して」とか、「外国のビッグビジネスに携わっていて」みたいなことをサラッと言いながら、「ところで瓜田くんは元気なの?」「いつも応援しているよ」とすり寄ってきて、「俺の先輩が瓜田くんに会いたがっているから、今度一緒にメシでも食わない?」とか言って、やたらと席を設けたがるんですよ。
――そういう誘いに、瓜田さんは乗るのでしょうか?
瓜田 自慢じゃないけど俺、一度も行ったことがないんですよ。足代とかを渡されそうになったこともあるけど、受け取ったことがないんです。それを受け取ったら俺はもう、アウトだと思っているんで。
だって、場合によっちゃ、犯罪で稼いだお金で飯を食ったことになっちゃうじゃないですか。カタギになってからは、そのへんのブロックをものすごく徹底しているから、今回の芸人たちの心理が、まったく理解できないんですよ。
――うっかり忘年会に顔を出してしまった心理が?
瓜田 うっかりとかじゃないんですよ。あのね、厳しい言い方をすると、こいつらは道端に落ちているお金も平気で拾うような連中なんですよ。こないだ嫁と一緒に自販機の小銭をあさった俺が言うのもなんですけど(笑)。
――自販機の小銭? なんですか、その話は。
瓜田 夫婦で近所のスーパーに買い物に行ったら、100円だけお金が足りなくて。「わざわざ100円を取りに家に戻るのは面倒や」と嫁が言うもんだから、俺は「任せろ!」と言って、近くにあった自販機の釣り銭口をあさったんですよ(笑)。
――何をしているんですか……。
瓜田 100円のためにそんなことをしちゃうぐらいだから、「俺はまったくクリーンな男だ」とは言えませんし、言うつもりもありません。ただ、俺はヤクザの世界から足を洗うときに、組の人間からこう言われまして。「辞めるからには、今後は歌舞伎町の中に入ったり、そういうことをしている連中とつるんだり、こっち側の稼ぎ方をするんじゃねえぞ」と。もちろんわかっていますよ、と言ってカタギの世界に戻ったわけです。
そんな俺が、犯罪で収益を得ているかもしれない奴らと飯を食ったり、そいつらから小遣いをもらったりしていたら、「てめえ、話が違うじゃねえか!」となりかねないと思っていたんですよ。ずっと。
何があっても「俺は白だ」と言える状況こそが、強いと思っているんで。そのためだったら、どんなに苦しい思いをしてもいいと思える性格なんで。それを十何年間、徹しているから、「うっかり行っちゃった」みたいな事態や「バレなきゃいい」みたいな発想がそもそもないんですよ。誰も見ていなくても、自分との約束を守る性格なんで。
――なるほど。
瓜田 ところが、うちの嫁はそうじゃない。夫婦で散歩中、ばったり会った昔の知人が、いかつい高級車から降りてきて、「これで奥さんとデザートでも食べなよ」と言って万札を渡してこようとしたりすると、俺は断るんだけど、嫁は「おおきに!」と言って受け取っちゃう。俺が「そんな食べ物に口をつけたくない」と言っても、嫁はヒョイパク食べちゃうわけです。
不良時代の知り合いと飲食店で偶然会って、「おごってやるよ」と言われても、俺はそういうお金にありつきたくないから、「自分らの分は自分で払う」と言うのに、嫁は俺の見ていないところで、ちゃっかりタクシー代とかをもらっているんですよ(笑)。
――夫婦の間で、価値観の相違があるんですか?
瓜田 うちの嫁は、よく言えば偏見がない人なんです。「せっかく好意であげるって言うてくれてはんねんから、断ったら相手に失礼やんか」と言うんですよ。あとは、俺は相手の正体を見抜けるからブロックできるけど、素人の嫁は見抜けない、というのもあるでしょう。
ただ、今回名前が出ている奴らは芸人として売れるぐらいだから洞察力もあるわけだし、東京でもしっかり遊んできた連中だろうから、それなりの人たちを見てきていると思うんですよ。まともな経営者から、街の不良、うさんくさい遊び人まで一通り見てきているはずだから、わかっていたと思うんですよね。
だって、20代かそこらの柄の悪い連中が、そろいもそろって高い腕時計をハメていたりするんですよ? そいつらから「エステ会社の忘年会だ」と言われて、それを信じるわけがないと思うんですよ。やっぱ“匂い”が違うんで、悪い奴らって。一目瞭然ですから、そんなの。特に酒を飲んでいるときは、カラオケの合いの手の入れ方ひとつ取っても、柄悪い奴らは柄悪くいくんですよ。足を崩して、大声出してね。
だからはっきり言って、あの会場に行った芸人らの「反社会勢力だとは知らなかった」という言葉には無理がある。絶対わかっていただろう、と。
――会場に来てから「ヤバい連中だ」と気づいたけど、その時点ではもう帰るに帰れなかった、という可能性はないですかね?
瓜田 仮にそうだとしても、「すいません、帰ります」と言って、ギャラを受け取らずに途中で抜け出すことだって、できたわけじゃないですか。
俺だったら迷わず帰りますよ。え? ここで? ウソ? と周囲にいる人がヒヤヒヤするタイミングでも帰っちゃう。なんで帰ったんだ! と後で怒られても、「だってあいつら、怪しいじゃないですか」と言えばいい。断れない人って多いけど、断れないせいで痛い思いをするんだったら、嫌われても断ったほうがいいんで。絶対に。
――それにしても、宮迫さんあたりは表の仕事だけでも十分稼いでいるのに、なぜ闇営業なんかしたんでしょうね?
瓜田 会社から振り込まれる給料は、いくら高額だとしても嫁が管理していたりして、好きなようには使えない。そんな中、どこに報告する必要もないお金が数十万ポケットに入ってくる。それが単純に魅力的だっただけだと思いますよ。「気に入っている姉ちゃんにバッグの一個でも買ってやれる」ぐらいの感覚でしょう。バカだなって思いますよ。
あとね、一連の報道を見て、卑怯だなと思ったこともあるんですよ。
――それはなんでしょう?
瓜田 カラテカ入江ひとりを悪者にするのは卑怯じゃないか、と。入江みたいな奴って、芸能界に限らず、どこの世界にもいるんですよ。謎のコネクションを自慢しながら謎のコネクションの中を生きる奴。人をパーティーに誘っておきながら、「次のパーティーがあるから」とか言って、わずか10分程度で会場から消えるような奴(笑)。
「俺はパーティーとパーティーの間をすり抜けて生きている」ぐらいの感覚の、うさんくさくて調子が良くて、ルックスはさえないくせに誰よりもいい服を着ているようなバカって、昔から一定数いるんですよ。
そういうバカは本当に、悪気なく話を振ってくるんで。入江からしたらそのシーズンだけで、おそらく何十件ものパーティーや忘年会を回していたと思うんですよ。今回問題になっている忘年会はその中の1件にすぎず、おそらく「ここは羽振りがいいから芸人仲間を連れていこう」ぐらいの軽いノリでしかないから、ヘタしたら入江のほうがあんま覚えていないぐらいの出来事だと思うんですよ。
それをみんなで「入江が、入江が」と言うのはダサい。宮迫が最も古株なんだとしたら、「入江を指導できなかったことを含め、すべての責任は俺にある」ぐらいのことを言えないもんですかね? 「俺はどんな処分でも受ける。ほかの奴らは俺という先輩がいる手前、帰れなかっただけ。だから俺が全責任を取る」と言えば、まだ見方も変わったのに。
宮迫とか亮クラスが後輩のせいにして頬かむりするっていうのが、一番ダサいですよ。先日、何かの雑誌で宮迫が数千万円の腕時計コレクションを自慢していましたけど、自分はそんな贅沢して、不倫までしているわけじゃないですか。一方、忘年会のメンバーの中には、苦労してやっと去年ぐらいから売れ始めた芸人もいる。同じ事務所の先輩として、そういう後輩の罪をかぶる男気はないのかな、と残念に思いました。
――今回の一件を通じて、われわれが得られる教訓ってありますかね?
瓜田 幼稚園ぐらいのときに先生や近所の口うるさいオヤジの言っていたことって、結構正しくて。「よく知らない人についていったり、よく知らない人からもらった食べ物を口にしちゃいけませんよ」って、絶対言われるじゃないですか。そのまんまなんですよ。
幼稚園の教えを守っておけば、結構なんとかなる。「信号を守りましょう」「正直でいましょう」「ウソはダメです」とか。そういう子どもでも知っているようなルールを中年にもなって守れないのは、ただのバカと言うほかないですね。
(取材・文=岡林敬太)
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