『クイズ!脳ベルSHOW』(BSフジ)のスピンオフ番組『クイズ!脳ベルSHOW特別編 脳ベルプロレスリング』(BSフジ)が、2月18日に放送された。
往年のレジェンドレスラーが一堂に会する、『脳ベルSHOW』恒例の年に一度の特別編である。この特番は、プロレスファンにちゃんと周知されているのだろうか? 是非とも…
『クイズ!脳ベルSHOW』(BSフジ)のスピンオフ番組『クイズ!脳ベルSHOW特別編 脳ベルプロレスリング』(BSフジ)が、2月18日に放送された。
往年のレジェンドレスラーが一堂に会する、『脳ベルSHOW』恒例の年に一度の特別編である。この特番は、プロレスファンにちゃんと周知されているのだろうか? 是非とも…
引退したアスリートが語る現役時代のエピソードが面白い。清原和博や山本昌を招いて過去の思い出をトークするYouTube「デーブ大久保チャンネル」はマニア必見だし、前園真聖が現役時代を振り返ったテレビ朝日『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(2015年4月20日放送)は爆笑ものの内容だった。
そして、プロレス界には長州力がいる。なぜかプロレスの話題をあまりしたがらない癖が彼に…
詳しくは以前、私が書いた記事を参照していただきたいのだが、旅番組『相席食堂』(ABCテレビ)に出た際の長州力は抜群だった。町の食堂で女性客に相席を申し出るも「帰っていいですか?」と拒否反応を示されたり、漁師からもらったホタテがあまりにおいしくて「飛ぶぞ」と物騒な発言をしたり、出会った人の飼い犬が寄ってくるや「におう」と、とんでもないことを言いだしたり。奇跡と名場面の連続。
昨今、テレビ界に氾濫する“おさんぽ番組”と長州の相性は、想定外にすこぶる良い。
6月1、15、22日と3週にわたって放送された『次課・長州の力旅』(BSフジ)は、その名の通り、長州とお笑いコンビの次長課長が街ブラするロケ番組である。といっても、ただブラつくだけじゃない。「狛犬」「電線」「マンホール」など、ニッチな専門家と各ジャンルの聖地を散策するアカデミックな内容となっている。イメージとしては、『ブラタモリ』(NHK総合)に近いだろうか。
『相席食堂』ではスタミナ切れを起こし、途中で勝手にロケを切り上げてしまった長州。そんな彼が、興味のないジャンルにまつわる街ブラに耐えられるのだろうか?
第1週目、一行が訪れたのは、浅草寺の隣にある「浅草神社」である。ここで狛犬研究家を名乗る“先生”と落ち合った3人は、先生の指示で狛犬の写真撮影に挑戦した。まず、カメラを持ったのは長州。彼が撮った写真を先生が確認するや、返ってきた評価は「普通ですよね」だった。対して、次課長の井上聡が撮った写真には「これ、いいんじゃないですか」と高評価が……。
これをきっかけに、長州がピリピリしてきた。そして、それをあからさまに態度に出す。ある場所にいる狛犬を指し、先生が「あの狛犬は逆立ちをしている」と説明すると「逆立ちしているようには見えない」と異を唱えたのだ。
長州「逆立ちに見えないもん。なんか、あざらしがほえてるような」
先生「あざらしには見えないけどなあ」
長州「先生、それはね、先生はこれを見てわかってるから。僕たち凡人はこれを見て『おっ、あざらしがほえてる』って思う。これ、逆立ちしてるようにはマジで見えない!」
自らのことを「凡人」と卑下する長州だが、決してそんなことはない。油断してると、不意にさえたことを言いだすのが彼なのだ。一行が「三囲(みめぐり)神社」を訪れると、そこになぜかライオン像がそびえ立っていた。
先生「これ、どこかで見たことありません?」
長州「三越?」
先生「そう!」
長州「三越から奉納されたのかと思って」
大正解! このライオン像は三越の池袋店にあったものだそう。同店が閉店したあと、この神社に奉納されたのだ。
「言ってみるべきだなあ。びっくりしたろ? 言った俺もびっくりした」(長州)
長州からインテリジェンスがこぼれ落ちた瞬間である。
長州は基本的に忖度なし。「電線」を愛好する先生が電線の魅力を一生懸命解説しても「いや、入ってこない」と態度がそっけなかったり、「室外機」を愛好する先生とぶらり旅をしながら「オレ、マジで(散策から)外れたいわ」と遠慮なくこぼしたり。
そんな彼がひときわ前のめりになったのは、テーマが「角打ち」になった時だ。ちなみに「角打ち」とは、居酒屋ではなく酒屋の一角で酒を飲む(打つ)文化のこと。酒好きの長州のテンションが上がるのは当然だろう。
まず、「角打ち」を愛好する先生が、この文化の魅力を説明する。いわく「角打ちの魅力は酒の濃度を調整できる」とのこと。お店にある酒と割り材を購入し、自分で割ることができるからだ。
やはり、長州はプロレスラー。いきなりコップへ焼酎をすべて注ぎ、ちょぼちょぼとお印程度の炭酸水を入れ、ほぼストレートの状態でゴクゴクいった。カメラが回ってるというのに……。
酒を飲むならば、つまみも欲しくなる。角打ちは先払いが基本だが、長州はその辺にあるおつまみの袋を勝手に開け、むしゃむしゃと頬張り始めてしまった。お金、まだ払ってない!
河本「それ、やってること山賊と一緒だから!」
長州「ごめんなさい」
ついにはモツ煮込みを注文し、本格的に酒を満喫し始めた長州。
「ここで(ロケは)終わりじゃないの?」(長州)
確かにこの酒屋で街ブラは終わりなのだが、まだまだロケの途中である。
ペースの速い長州は、いよいよいい感じになってきた。そして、プロレス界の酒豪伝説を披露した。
河本「アンドレ(・ザ・ジャイアント)よりも力さんのほうが飲んでましたか?」
長州「河本君、言ってやろうか? アンドレの飲み方は……くぅ~、半端じゃないよ。パンナムの缶ビールが全部なくなるんだよ!?」
井上「パンナムってなんですか?」
長州「エアラインの」
井上「飛行機の!? 飛行機のビール、全部なくなるんですか?(笑) 1回のフライトで!?」
長州「メルシャンワインって昔あったじゃん? 1ケースを控室に置いとくんだよ。あれ、“ポン”って開けて(たばこを吸うように人さし指と中指で挟んで)こうやって飲むんだよ。すごいよ。彼が食う太巻きは消火器くらいあるよ!」
3週限定で放送されたこの番組、ネット上ではなかなか好評のよう。「『タモリ倶楽部』や『ブラタモリ』みたいに、マニアックな世界の知識欲が満たされる」「『水曜どうでしょう』みたいな愉快なキャラクターたちのゆるい会話」「くつろぎながら見るのに最適。30分番組でもいいので毎週見たい」といった声が散見されるのだ。
加えて、街ブラ中にプライベートの長州小力と遭遇するというミラクルも一行は起こしている。
長州「なんでここにいんだ? お前は誰だよ! お前は誰なんだよ!?」
小力「いや、びっくりした……。今、普通に長州さん見えたから」
長州「そのしゃべり方はやめろって言ってるだろ。(うなだれながら)もう、張り詰めたものがすべて……」
小力「ちょっと俺、すげえうれしいんですけど……」
河本「(小力を)呼んだんですか?」
長州「呼ぶわけないだろう。やってない、やってない。(スタッフに向かって)絶対、やってんだろう?」
ものすごい引きである。この吸引力を発揮し、レギュラー化の流れも引き寄せていただきたいと願うばかりだ。
(文=寺西ジャジューカ)
詳しくは以前、私が書いた記事を参照していただきたいのだが、旅番組『相席食堂』(ABCテレビ)に出た際の長州力は抜群だった。町の食堂で女性客に相席を申し出るも「帰っていいですか?」と拒否反応を示されたり、漁師からもらったホタテがあまりにおいしくて「飛ぶぞ」と物騒な発言をしたり、出会った人の飼い犬が寄ってくるや「におう」と、とんでもないことを言いだしたり。奇跡と名場面の連続。
昨今、テレビ界に氾濫する“おさんぽ番組”と長州の相性は、想定外にすこぶる良い。
6月1、15、22日と3週にわたって放送された『次課・長州の力旅』(BSフジ)は、その名の通り、長州とお笑いコンビの次長課長が街ブラするロケ番組である。といっても、ただブラつくだけじゃない。「狛犬」「電線」「マンホール」など、ニッチな専門家と各ジャンルの聖地を散策するアカデミックな内容となっている。イメージとしては、『ブラタモリ』(NHK総合)に近いだろうか。
『相席食堂』ではスタミナ切れを起こし、途中で勝手にロケを切り上げてしまった長州。そんな彼が、興味のないジャンルにまつわる街ブラに耐えられるのだろうか?
第1週目、一行が訪れたのは、浅草寺の隣にある「浅草神社」である。ここで狛犬研究家を名乗る“先生”と落ち合った3人は、先生の指示で狛犬の写真撮影に挑戦した。まず、カメラを持ったのは長州。彼が撮った写真を先生が確認するや、返ってきた評価は「普通ですよね」だった。対して、次課長の井上聡が撮った写真には「これ、いいんじゃないですか」と高評価が……。
これをきっかけに、長州がピリピリしてきた。そして、それをあからさまに態度に出す。ある場所にいる狛犬を指し、先生が「あの狛犬は逆立ちをしている」と説明すると「逆立ちしているようには見えない」と異を唱えたのだ。
長州「逆立ちに見えないもん。なんか、あざらしがほえてるような」
先生「あざらしには見えないけどなあ」
長州「先生、それはね、先生はこれを見てわかってるから。僕たち凡人はこれを見て『おっ、あざらしがほえてる』って思う。これ、逆立ちしてるようにはマジで見えない!」
自らのことを「凡人」と卑下する長州だが、決してそんなことはない。油断してると、不意にさえたことを言いだすのが彼なのだ。一行が「三囲(みめぐり)神社」を訪れると、そこになぜかライオン像がそびえ立っていた。
先生「これ、どこかで見たことありません?」
長州「三越?」
先生「そう!」
長州「三越から奉納されたのかと思って」
大正解! このライオン像は三越の池袋店にあったものだそう。同店が閉店したあと、この神社に奉納されたのだ。
「言ってみるべきだなあ。びっくりしたろ? 言った俺もびっくりした」(長州)
長州からインテリジェンスがこぼれ落ちた瞬間である。
長州は基本的に忖度なし。「電線」を愛好する先生が電線の魅力を一生懸命解説しても「いや、入ってこない」と態度がそっけなかったり、「室外機」を愛好する先生とぶらり旅をしながら「オレ、マジで(散策から)外れたいわ」と遠慮なくこぼしたり。
そんな彼がひときわ前のめりになったのは、テーマが「角打ち」になった時だ。ちなみに「角打ち」とは、居酒屋ではなく酒屋の一角で酒を飲む(打つ)文化のこと。酒好きの長州のテンションが上がるのは当然だろう。
まず、「角打ち」を愛好する先生が、この文化の魅力を説明する。いわく「角打ちの魅力は酒の濃度を調整できる」とのこと。お店にある酒と割り材を購入し、自分で割ることができるからだ。
やはり、長州はプロレスラー。いきなりコップへ焼酎をすべて注ぎ、ちょぼちょぼとお印程度の炭酸水を入れ、ほぼストレートの状態でゴクゴクいった。カメラが回ってるというのに……。
酒を飲むならば、つまみも欲しくなる。角打ちは先払いが基本だが、長州はその辺にあるおつまみの袋を勝手に開け、むしゃむしゃと頬張り始めてしまった。お金、まだ払ってない!
河本「それ、やってること山賊と一緒だから!」
長州「ごめんなさい」
ついにはモツ煮込みを注文し、本格的に酒を満喫し始めた長州。
「ここで(ロケは)終わりじゃないの?」(長州)
確かにこの酒屋で街ブラは終わりなのだが、まだまだロケの途中である。
ペースの速い長州は、いよいよいい感じになってきた。そして、プロレス界の酒豪伝説を披露した。
河本「アンドレ(・ザ・ジャイアント)よりも力さんのほうが飲んでましたか?」
長州「河本君、言ってやろうか? アンドレの飲み方は……くぅ~、半端じゃないよ。パンナムの缶ビールが全部なくなるんだよ!?」
井上「パンナムってなんですか?」
長州「エアラインの」
井上「飛行機の!? 飛行機のビール、全部なくなるんですか?(笑) 1回のフライトで!?」
長州「メルシャンワインって昔あったじゃん? 1ケースを控室に置いとくんだよ。あれ、“ポン”って開けて(たばこを吸うように人さし指と中指で挟んで)こうやって飲むんだよ。すごいよ。彼が食う太巻きは消火器くらいあるよ!」
3週限定で放送されたこの番組、ネット上ではなかなか好評のよう。「『タモリ倶楽部』や『ブラタモリ』みたいに、マニアックな世界の知識欲が満たされる」「『水曜どうでしょう』みたいな愉快なキャラクターたちのゆるい会話」「くつろぎながら見るのに最適。30分番組でもいいので毎週見たい」といった声が散見されるのだ。
加えて、街ブラ中にプライベートの長州小力と遭遇するというミラクルも一行は起こしている。
長州「なんでここにいんだ? お前は誰だよ! お前は誰なんだよ!?」
小力「いや、びっくりした……。今、普通に長州さん見えたから」
長州「そのしゃべり方はやめろって言ってるだろ。(うなだれながら)もう、張り詰めたものがすべて……」
小力「ちょっと俺、すげえうれしいんですけど……」
河本「(小力を)呼んだんですか?」
長州「呼ぶわけないだろう。やってない、やってない。(スタッフに向かって)絶対、やってんだろう?」
ものすごい引きである。この吸引力を発揮し、レギュラー化の流れも引き寄せていただきたいと願うばかりだ。
(文=寺西ジャジューカ)
最近は、テレビでの露出も多い長州力。バラエティ番組でのみ長州と接する層には意外かもしれないが、プロレスファンの間で彼は“名言メーカー”だと広く認知されている。強くてキャラが面白いだけでなく、その独特の言語感覚がどれだけファンの心を震わせてきたか。
田舎の食堂に有名人が現れ、地元の人にいきなり相席をお願いする、行き当たりばったりの旅番組『相席食堂』(ABCテレビ)。この番組の5月20日と27日、2週にわたって長州が出演した。
もう、キャスティングの時点で奇跡を期待する。まともなロケができなさそうな人が、垣根なしで一般人と接触するシチュエーション。素材をぶっ込んで立ち上るケミストリーをそのまま楽しもうという魂胆のはずだ。
かつては、新日本プロレスの現場監督としてマット界全体ににらみを利かせていた長州も、今ではめっきり円くなった。北海道・猿払(さるふつ)村 に降り立った長州は、勇ましく右手を上げながら自己紹介する。
「こんちはー、皆さん! 今日は日本で最北端の町ではなく村、猿払村にやってきました。すごいですよ、ここは!」
想像してみてほしい。長州がいきなり右手を上げながら「こんちはー!」と現れる光景を。「パワーホール」が聴こえてきそうだ。スタジオでVTRを見る千鳥の2人は、これだけで笑いが止まらなくなってしまった。
繰り返すが、長州は円くなった。90年代の天下人・長州は、町行く人へ気軽に声を掛ける。番組のコンセプトにのっとり「横に座って食べてもいいですか?」と、飲食店で地元の人とコミュニケーションを図るのだ。しかし、いかんせんあの図体。突然の襲来を怖がる人がいても無理はないだろう。
事実、この時に声を掛けられた女性2人組は、あからさまな拒否反応を示している。まるで会話を盛り上げようとしないし、長州に背中を向けながら食事をしているし。全然、相席に見えない。そして、長州の存在感に我慢できなくなった2人組は、「帰ってもいいですか?」と発言。まぎれもないギブアップ宣言だ。サソリ固めばりの相席だったか。
筆者は、子どもを対象に長州が開講したレスリング教室を取材したことがある。その時の長州は、目尻が下がりっぱなしであった。実は、子どもも好きなのだ。
子どもたちを発見した長州が、声を掛けた。
「ボク、ちょっと来てごらん!」
念のため言うと、長州が声を掛けたのは女の子である。見間違えて「ボク!」と呼んでしまっているが、無邪気な子どもたちは気にせずに寄ってくる。……が、長州の姿を確認し、きびすを返して逃げ出した。
「なんで逃げんだよ」
これには、スタジオにいる千鳥・大悟が、長州のことを“悲しきモンスター”と例えているくらいだ。いくらなんでも、ひどすぎるんじゃないだろうか。
番組のコンセプトを拡大解釈した長州は、おままごと中の子どもたちにも「相席していい?」と尋ねる。だが、それはもはや相席ではない。すると、この子たちの親御さんがやって来た。お父さんの職業は漁師だそう。長州はホタテの貝柱をごちそうになった。
「あぁ、うまい。(スタッフに向かって)食ってみな? 飛ぶぞ」
言い方がヤバい。「トリップするほどうまい」という意味なのだろうけど、ボキャブラリーがキナ臭すぎるのだ。この言語感覚から、長州の名言メーカーっぷりがうかがえるはずだ。
時にボキャブラリーがアナーキーな長州だが、態度はすっかり円くなっている。「キレてないですよ」の名言を出すまでもなく、今ではめったにキレることもない。相席できる食事処を探す長州は、道行く3人組に声を掛けた。
長州「すいません。ちょっと聞きたいことがあるんですけど、食事ができるとことってあります? 食堂とか、この近くに」
3人組「……」(無言で立ち去る)
長州「ちょっ……(笑)」
大人3人からあからさまに無視され、苦笑いで立ちすくむ長州。マット界で豪腕を振るったかつての天下人も、猿払村ではこんな対応をされるのか。
悲しみのステージは続く。地元のカフェに長州が入ると、そこでは父母娘の3人家族が食事していた。相席した長州は女の子に話しかける。しかし、この子は長州を完全無視! きっと、迫力におびえているのだろう。
テーブルに着いた長州は、いきなりビールを注文する。ゴクゴク飲んだ。続けざまに、顔を背ける女の子に長州は声を掛けた。
「ねえ、(こっちを)見て。……ヴァッ!」
女の子を振り向かせて何をするのかと思いきや、ゲップを放つ長州。彼にとってはほんのいたずら心だろうが、少女にとってプロレスラーのゲップはものすごいインパクトだったはず。インパクトにこだわる長州らしいといえば、らしいが。
長州のゲップを出しやすくしたビールだったが、ゲップ以外の影響も及ぼしている。ちなみに、カフェで出会ったファミリーは酪農一家だった。牛を見たくなった長州は、ご家族が所有する牧場へ行くことにした。……が、ビールのせいで眠くなる長州。牧場へ向かう車中で堂々と寝た。よく飲み、よく眠る長州。
しばらくして、牧場に到着。向こうからは、ファミリーの飼う大きなセントバーナードがやって来た。長州の周りを駆け、はしゃぐワンちゃん。たまらず、長州が口を開いた。
「におうなあ」
初対面の家族が飼っている犬と遭遇し、いきなり臭さを指摘する長州。さすがの言語感覚である。
とにもかくにも、長州は厩舎にお邪魔することにした。このご家族のお父さんは、偶然にもプロレスファンである。お父さんは、長州にプロレスの質問をし続ける。そして、その後ろには、異常な勢いでフンを出し続ける牛が……。長州もファンのためにリキラリアットの話をしようとするのだが、あまりにもな量のフンを見て、ついに絶句する。
このフンが、後に凶器と化すのだ。厩舎の中を行き来する長州が、不意に声を上げた。
「うわっ、いやぁ」
どうやら牛がしっぽでお尻を払い、その勢いで跳ねたフンが長州の顔に付 いた模様。一気にテンションがダダ落ちする長州。
「俺、着替えがない。本当にやばい。俺、無理だぞ、これ。どうするんだよ」
狼狽しながら厩舎を退出した長州。顔からは笑顔が消え、フンがついてないか、靴の裏を調べ始めた。
そして、カタくなる。番組スタッフは、長州に乳搾りをリクエストする。バラエティ番組が牧場へ来たならば、絶対に欲しい絵だろう。
「ということは、あの牛と牛の間に入んなきゃいけないってこと? 必要? これは中に入ってまでやらなきゃいけないアレ?」
結局、長州は乳搾りを最後までやらなかった。厩舎の牛を前にしながら乳搾りしないバラエティ番組を見たのは初めてである。
いまやバラエティの常連となった長州だが、テレビ関係者は長州が“取り扱い注意”だと認識しなければならない。丸 くなりはしても、“天下の長州力”だ。
その辺り、ロケVTRを締めようと長州が展開したエンディングトークに、よく表れていた。
「あぁ、ようやっと終わりました。いやぁ~、疲れました。正直言って」
充実し、満足した感想を述べるのではなく、いの一番にしんどさをアピールした長州。この時の表情は満面の笑みで、ロケから解放されるうれしさに満ちている。
とはいえ、長州は弁の立つ男。最後はきっちり締めるはずだ。
「今まで知らないことがたくさんあったんですけど、今日はこの農家に来て、最後は農家の牛乳ですか? 牛が、牛から採る……あっ、すいません。うまくしゃべれない、今。いいですか? あの……編集してください」
いびつな形でロケを終了させた長州。うまくしゃべれていたと思うのだが、思い通りにアゴが動かない体調を本人は自覚してしまったらしい 。
この回の長州のロケっぷりはSNSでかなり話題となっており、「笑いすぎて死ぬかと思った」「吐くほど面白い」などと、好事家たちを存分に笑わせている。
“取り扱い注意”ではあるものの、結果はきっちり出す。長州力がバラエティ番組から解放されることは、当分の間なさそうだ。
(文=寺西ジャジューカ)
『逆境?それ、チャンスだよ』(PHP研究所)
NHKが受信料に関する特設サイト「受信料長州力」の開設を中止すると発表した。「受信料の支払いを強制している」といった批判がNHKに殺到し、取りやめとなったという。同サイトは、プロレスラーの長州力が案内役となり、若い人に受信料制度の理解を深めてもらう内容で、新生活が始まるシーズンに合わせてサイト開設を目指していたとみられる。
「平成生まれの若者に、長州力の人気と知名度がどれだけあるかは疑問です。むしろ長州小力の方が知られているでしょう。受信料の“徴収”と“長州”力をかけて、NHKとしてはユーモアのつもりだったんでしょうが、まったく笑えませんね」(業界関係者)
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