「撮り鉄」過激なマナー違反をどうする? 鉄道会社のキビしい実態

 近年、しばしば問題視されているのが、鉄道写真を趣味とする「撮り鉄」のマナー問題。目に余る迷惑行動が全国各地で報じられ、鉄道会社が対策に頭を悩ませる中、少しずつ新たな取り組みが始まっている。

 JR東日本は昨年11月、鉄道ファン向けの「撮り鉄コミュニティ」というサービスを開設。撮影した鉄道写真の投稿や閲覧を無料で楽しめるほか、月額1100円の有料会員は、特別撮影会への参加などの…

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小田急、子どもの乗車賃を一律「50円」に! 追随しそうな鉄道会社はどこ?

 鉄道会社がコロナで軒並み減収に追い込まれる中、が思い切った取り組みを発表した。来年の春より、IC利用時の小児運賃を一律50円に改定。通学定期やフリーパスなどについても、小児運賃の改定を予定しているという。

「首都圏では近年、いくつものバス会社が夏休みに子ども料金を50円にするキャンペーンを行っていますが、鉄道会社が継続的に、しかも全線一律で同一料金にする取り組みは全国初でしょ…

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【国交省発表】激動2020年の鉄道輸送の実情ー新型コロナの影響だけじゃない、台風に過疎が日本の鉄道に影響

 前回、2020年の新型コロナウイルスの感染拡大による影響について、旅行関連、飲食関連と並んで、特に大きな影響を受けた交通関係の航空分野の状況を取り上げた。そこで今回は、航空分野と同様に大きな影響を受けた鉄道分野についてまとめた。

 国土交通省の「鉄道輸送統計月報」によると、2020年度(2020年4月~2021年3月)の鉄道旅客数は176億8174万人と前年度比29.8%とい…

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絶対にやってはいけない!? 「定期券でキセル」過去には1000万円以上請求された例も

 大阪府警は12月9日、約4年間にわたってキセル通勤していた男性会社員を書類送検。男は容疑を認めているという。不正乗車はもちろん犯罪で、見つかればペナルティを受けるのは当然だが、これが通勤で恒常的にやっていたとなると、受ける罰は極めて大きくなる。

 男性会社員のやり口は非常に単純なものだ。男は入場時には入場券を購入し、出口では前の乗客にピッタリくっつくことで、自動改札を突破。正規の運賃が710円のところを入場券分の120円で済ませ、往復で1日あたり1,180円浮かせていた。週刊誌の社会部記者がいう。

「通常であれば、キセルは3倍払いなので、710円の3倍の2,130円を支払わされますが、男は『4年前からほぼ毎日やっていた』と述べており、過去に遡って請求されることになります。男は勤務先から交通費も受け取っていたようで、会社は当然クビでしょうし、こちらも返還を求められるでしょう。しかもこのケースは、仮に自己破産などをしても免責されない可能性があります」(週刊誌記者)

 不正を行っていたのだから同情の余地はゼロ。まさに自業自得だが、定期を使ってキセルをすると、いよいよ地獄が待っている。鉄道に詳しいフリーライターがいう。

「かつて群馬県から都内まで通っていた会社員は、『自宅⇔隣駅』『会社⇔その近くの駅』という2枚の定期を使い分けるという手口で4年間通勤していました。自動改札ではなかった時代だからこそできるやり方です。男はこの手法で年間40万円近く浮かせていましたが、定期の場合、その定期を使っていたすべての期間で不正をしていたものとみなされ、定期の購入期間×正規料金×3で、男はおよそ1,500万円の支払いを命じられました。こちらは定期購入データから発覚したものと見られています。

 一方、“人力”で見つけられたのは千葉県の男性会社員のケースです。こちらも自動改札が普及する前の話です。男は初乗り運賃の切符で乗って、降りる時は定期で出るというやり方でキセルしていましたが、毎朝、早朝に初乗り料金の切符を買う男を駅員が不審に思い、尾行したところキセルが発覚しました。この男はキセル期間が長く、やはり1,000万円以上を請求されています。こういった大掛かりなキセルになると、鉄道会社側も慎重にことを進めるので、結果的にはしばらく“泳がされる”ことになり、その分、請求額も上がります」(フリーライター)

 たかだか1日数十円か数百円で、これほど大きなリスクを背負うほどバカバカしいことはない。くれぐれ気の迷いなど起こさぬよう、ご注意を。

絶対にやってはいけない!? 「定期券でキセル」過去には1000万円以上請求された例も

 大阪府警は12月9日、約4年間にわたってキセル通勤していた男性会社員を書類送検。男は容疑を認めているという。不正乗車はもちろん犯罪で、見つかればペナルティを受けるのは当然だが、これが通勤で恒常的にやっていたとなると、受ける罰は極めて大きくなる。

 男性会社員のやり口は非常に単純なものだ。男は入場時には入場券を購入し、出口では前の乗客にピッタリくっつくことで、自動改札を突破。正規の運賃が710円のところを入場券分の120円で済ませ、往復で1日あたり1,180円浮かせていた。週刊誌の社会部記者がいう。

「通常であれば、キセルは3倍払いなので、710円の3倍の2,130円を支払わされますが、男は『4年前からほぼ毎日やっていた』と述べており、過去に遡って請求されることになります。男は勤務先から交通費も受け取っていたようで、会社は当然クビでしょうし、こちらも返還を求められるでしょう。しかもこのケースは、仮に自己破産などをしても免責されない可能性があります」(週刊誌記者)

 不正を行っていたのだから同情の余地はゼロ。まさに自業自得だが、定期を使ってキセルをすると、いよいよ地獄が待っている。鉄道に詳しいフリーライターがいう。

「かつて群馬県から都内まで通っていた会社員は、『自宅⇔隣駅』『会社⇔その近くの駅』という2枚の定期を使い分けるという手口で4年間通勤していました。自動改札ではなかった時代だからこそできるやり方です。男はこの手法で年間40万円近く浮かせていましたが、定期の場合、その定期を使っていたすべての期間で不正をしていたものとみなされ、定期の購入期間×正規料金×3で、男はおよそ1,500万円の支払いを命じられました。こちらは定期購入データから発覚したものと見られています。

 一方、“人力”で見つけられたのは千葉県の男性会社員のケースです。こちらも自動改札が普及する前の話です。男は初乗り運賃の切符で乗って、降りる時は定期で出るというやり方でキセルしていましたが、毎朝、早朝に初乗り料金の切符を買う男を駅員が不審に思い、尾行したところキセルが発覚しました。この男はキセル期間が長く、やはり1,000万円以上を請求されています。こういった大掛かりなキセルになると、鉄道会社側も慎重にことを進めるので、結果的にはしばらく“泳がされる”ことになり、その分、請求額も上がります」(フリーライター)

 たかだか1日数十円か数百円で、これほど大きなリスクを背負うほどバカバカしいことはない。くれぐれ気の迷いなど起こさぬよう、ご注意を。

相次ぐ視覚障害者のホーム転落事故、どうしたら防げる? 

 視覚障害者のホーム転落事故が相次いでいる。今月1日には京成押上線京成立石駅のホームで66歳の女性が、その翌日には山手線新宿駅のホームで47歳の元ブラインドサッカー日本代表選手が線路に転落、電車に接触して亡くなった。後者は事故か自殺か判然としていないが、いずれにしても、事前に周囲の声がけなどのサポートがあれば防げた悲劇だった可能性があるという。ホームで白杖(はくじょう)を持った視覚障害者を見かけた場合、周囲にいる健常者はどのように介助すればよいのか? 全盲の身でありながら視覚障害者支援を行っている「MDSiサポート」代表の井上直也さん(36歳)に話を聞いた。

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 東京・青梅市在住の井上さんは後天性の視覚障害者だが、視力を失ったあとも、iPhoneのボイスオーバー(画面に表示された文字を読み上げてくれる機能)をフル活用して積極的に外出している。電車やバスを使い、iOS(iPhoneやiPad向けのOS)の出張講師として全国の視覚障害者の元を訪ねるほか、プライベートで新宿へ遊びに行く機会も多いという。

――井上さんは視覚障害者の中では行動派として知られ、ひとりで電車やバスを乗り継いで遠方まで出かける機会も多いそうですね。そんな“外出慣れ”した井上さんでも、周囲のサポートを必要とする場面はありますか?

井上さん 「常に大なり小なり、何かしらで困っている」というのが本音です。特にホームの上は危険度が高いエリアですので、僕をはじめとする視覚障害者の多くは「誰かに声をかけてほしい」と思っています。線路はどちら側にあるのか、ホームの端はどこなのかという大きな問題に直面しているほか、時計が見えないため「今何時だっけ?」と思っているときもあるし、駅のアナウンスを聞き逃して「次はどこ行きなんだろう?」と迷っているときもある。ですから僕の場合、電車に乗る前は「駅員さんや、通りすがりの優しい人が声をかけてくれたらいいな」と思いながら、ホームを歩いていることが多いです。

――ホームで視覚障害者を見かけたら、どのように声をかけたらよいのでしょう?

井上さん 今回、新宿駅で犠牲になった方は「自ら線路に下りる姿が目撃された」と報じられていますが、その前の段階ではおそらく、黄色い点字ブロックの上に立って電車を待っていたはず。そういうときに気軽に声をかけてくれるだけでいいんです。「一緒に乗りましょうか?」とか「次の電車に乗るんですか?」とか。

 その方がもし困っていれば、「一緒に乗ってもらえますか?」とか「次の電車は何時何分発のどこ行きですか?」などと答えるでしょうし、手助けが不要であるなら「大丈夫です。ありがとうございます」と答えるでしょう。仮に自殺を考えていたとしても、周囲から温かい声をかけていただくことで、踏みとどまるケースもあるかもしれない。

「相手が視覚障害者」と考えると、物事が難しくなってしまいがちです。ホーム上で両手に大きな荷物を持っているおばあちゃんがいたら、「ひとつ持ちましょうか?」「どこまで行くんですか?」「何かお手伝いできることはありますか?」などと話しかけるじゃないですか。それと同じ感覚で声をかけてもらえたらうれしいですね。

――声をかける際の注意点はありますか?

井上さん 耳元で突然「大丈夫ですか?」と声をかけられると、目が見えない人はビックリしてしまいますので、最初はある程度の距離感を保って、うっすら聞こえる程度の声量で声をかけてもらえると助かります。困っている視覚障害者は「ひょっとしたら自分に話しかけてくれたのかな?」と思って立ち止まったり、耳を傾けたりするでしょう。

――相手の体に手を添える行為はどうなのでしょう?

井上さん 基本的には、相手の承諾を得てから手を添えていただきたいです。もちろん、命に関わるような危険な場面では問答無用でグイッと引っ張ってもらって結構ですが、そうじゃないときに無言でいきなり手を添えられると、目が見えない人はビックリしてしまうからです。

 特に気をつけていただきたいのは、電車に乗り込む直前ですね。誰も声をかけてくれなかった場合、視覚障害者は気合を入れて自力で前へ進もうとします。「よし行くぞ!」と集中力を高めて、白杖を使って電車のドアの位置などを確認しようとする。その瞬間、無言でいきなり背中に手を添えられたりすると、背後から押されたような感覚になって恐怖を覚えます。ですから、体に触れる際には、事前に「肩に手を添えますよ」「腕を触りますよ」などとお声がけいただけると助かります。

――視覚障害者の方が、電車のドアの位置や、ホームと電車の隙間などを白杖でチェックしている最中に、周囲の人が白杖をつかんで、それを正しい位置へ導こうとする場面をたまに見かけます。親切心でやっていることと思われますが、あの行為はどうなのでしょう?

井上さん 白杖は僕らにとってのセンサーなので、それを第三者につかまれてしまうと、感覚が麻痺してしまいます。お気持ちはありがたいですが、白杖には触れないでいただきたいです。

――駅通路などで道案内をする場合の注意点を教えてください。

井上さん 腕や手をつかまれてグイグイ引っ張られると、これまた恐怖を感じます。ですから、健常者が「つかむ」のではなく、視覚障害者に「つかませる」ほうがよいのかも。健常者のほうから「私につかまってください」と言って、肩、肘、リュックのベルトなどを視覚障害者につかませる。その上で、「歩くの速くないですか?」「もう少しゆっくり歩きましょうか?」などと話しかけながら、ゆるやかに先導してあげるのがスマートかつ安全でしょう。

――ホームと電車の間に大きな隙間がある場合や、階段に差し掛かった場合は、どのように伝えたらよいでしょう?

井上さん 僕の場合、「この先、隙間が大きく空いていますよ」「もうすぐ階段がありますよ」と伝えてくれれば大丈夫です。距離感や段差の高さは、白杖で確認できますので。

 ただし、それがすべての視覚障害者に当てはまるとは限りません。中には身体的な制約があり、階段を容易には上がれない方もいますので、「階段で大丈夫ですか?」「エスカレーターやエレベーターまで案内しましょうか?」などと優しく話しかけながら、その方が望む方法で案内していただけるとありがたいです。

――お互いにコミュニケーションを取ることが大事ということですね。

井上さん はい。でも、健常者同士だと視覚で補完できるコミュニケーションも、片方が見えていないというだけで、途端に難しくなるんですよ。たとえば、「あと何歩」「あと何センチ」という指示。通常、健常者がやや前方にいて、視覚障害者がその斜め後ろにいることが多いですよね。その状況で「あと一歩」と言われても、健常者から見た「一歩」なのか、それとも視覚障害者から見た「一歩」なのかが不明瞭で、こちらは判断に迷います。

 ですから、「あなたから見て、あと一歩です」などと、きめ細やかなコミュニケーションを心がけていただけると大変助かります。

――勉強になりました。井上さんのお話を聞くまでは、「視覚障害者の方に気軽に声をかけるのは失礼だったり、ありがた迷惑だったりするのかな」と思っていました。

井上さん 全然そんなことはありません。基本的には大助かりです。視覚障害者もさまざまで、全盲の方もいれば、弱視の方もいます。中にはせっかく親切心でお声がけしていただいたのに、「大丈夫だから放っておいて」と、つっけんどんな対応をする視覚障害者もいるかもしれませんが、大目に見ていただけたらと思います。

 人間誰しもタイミングが悪いときって、あるじゃないですか。僕だってタイミングによっては、「この道は慣れているから大丈夫です」と言ってお断りすることがあります。暑い寒いでイライラしているときもあるし、遅刻したりおなかが空いたりしてイライラしているときもある。これは健常者の方も同じだと思いますが、不機嫌なときに他人から話しかけられると、ついつい対応が悪くなるじゃないですか。

 だからもし無下に断られたとしても、「じゃあ、今後は声がけするのをやーめた!」とは思わないでいただきたいです。そうやって支援者をひとりでも失ってしまうと、今回のような事故のリスクが高まるからです。

――では、今後は視覚障害者の方を見かけたら、気軽に声をかけるようにします。

井上さん ぜひともそうしていただけたらと思います。できれば電車に乗り込む直前ではなく、もうちょっと余裕のありそうなタイミングにお声がけいただけると助かります。先日、新宿駅の山手線15番線ホームで亡くなった方は、事故と仮定した場合、隣にある山手線14番線ホームの「電車が入ります。お下がりください」というアナウンスや電車のドアが開く音を、自分のホームの情報と勘違いして前に出てしまい、線路に転落してしまった可能性もあると僕は思うんです。

――私も実際に新宿駅の15番ホームに目を閉じて立ってみたのですが、聴覚的な情報の遠近感が、とてもつかみづらかったです。

井上さん ですよね。集中していてもわかりづらいのだから、注意力散漫なときはなおさらです。視覚障害者はホームの端のほうにある黄色い点字ブロックの上で電車を待つのですが、点字ブロックの上に立つと、いったんホッとして、気が抜けてしてしまうこともあります。結果、アナウンスなどの音声情報を正確に聞き取れず、誤解したまま前へ進んでしまうことも十分にあり得ると思います。

 そこから急に前へ進んでいった人を、周囲の誰かがとっさに止めるのは難しい。でも、それよりも前の段階――たとえばホームに向かう階段を上っている最中や、ホームの中央にいるタイミングで誰かが声をかけていれば、もしかしたら防げた悲劇だったのかもしれないと思うと残念です。

――転落防止用のホームドアが、早く全駅に設置されるとよいですね。

井上さん それが理想ですが、巨額な費用が必要ですから、実現するにはまだまだ時間がかかりそうです。そうなる前に望むことといえば、「困っている人がいたら、とにもかくにも声をかける」というコミュニケーション習慣の定着ですね。そういう“優しいお節介”が世の中に広がっていけば、それがホームドア以上のセーフティーネットになるかもしれません。

(取材・文=岡林敬太)

祝・三陸鉄道リアス線開業! 経営難続くローカル鉄道の真実とは?『絶滅危惧鉄道2019 』

 第三セクターという言葉をご存じだろうか? 国や地方公共団体(第一セクター)と、民間企業(第二セクター)が共同出資して設立した法人を指す語で、鉄道以外にも上下水道などの公共性の強い事業や、地域振興・観光開発などを目的として、全国にあまたの第三セクター会社が存在している。自治体が直接運営するよりも、民間的な発想での経営が可能で、同時に自治体が出資者となることにより、公共性も担保できるというシステムだ。国鉄再建法が成立し、国鉄がJRへと民営化された80年代以降、多くの第三セクター鉄道が全国各地に誕生した。

 第三セクターの定義に基づくと、ゆりかもめやりんかい線、つくばエクスプレスなども第三セクター鉄道に含まれるが、一般に第三セクター鉄道という場合、主として旧国鉄の赤字路線を引き継いで運営している路線を指す。『絶滅危惧鉄道2019』(イカロス出版)は、存続の危ぶまれる各地の三セク鉄道に迫ったムック本だ。2019年4月1日をもって廃止となった夕張線(石勝線夕張支線)をはじめ、ムーミン列車など観光路線施策が成功したいすみ鉄道、中国山地を貫く特急を運行し、黒字を上げ続けている三セク鉄道の優良児智頭急行など、全国津々浦々、さまざまな事情を抱えた三セク鉄道を網羅し、一挙に紹介している。法改正や社会背景にも触れられ、三セク鉄道を通して世の中の動向を知ることができる良書だ。

 中でも、震災から8年の時を経て新たに開業した三陸鉄道リアス線は特集ページで大きく取り上げられている。東日本大震災以来、長らく不通となっていたJR東日本山田線の宮古駅~釜石駅間が19年3月23日に復旧され、三陸鉄道の南リアス線・北リアス線と統合し、JRから三陸鉄道に移管して運行が再開された。三陸海岸を縦貫する盛駅~久慈駅間の総距離は163kmと、三セク鉄道では日本一の長さを誇る。終点の久慈駅はNHK連続テレビ小説『あまちゃん』の舞台として有名で、今も多くの観光客が訪れるという。

 震災の残した爪痕は深く、特に岩手県沿岸部は甚大な被害を受けた。上閉伊郡(かみへいぐん)の大槌駅は駅舎ごと津波に流され、同2月に新駅舎が竣工するまで完全な復旧がかわなかった。ターミナルの盛駅とJR大船渡線を接続する鉄路は、現在も途切れたままとなっている。そんな中、被災地の希望の光となったのが“震災復興列車”だ。三陸鉄道北リアス線は、震災からわずか5日後の2011年3月16日、久慈~陸中野田間の運転を再開。3月いっぱいは運賃を取らない無料運行を行った。

 三陸鉄道旅客営業部副部長の冨手淳さんは「あの復興列車がなかったら、三陸鉄道はずっと不通のままだったかもしれない。そうなると、そのまま廃止という話も出たことも考えられる。まさに復興に続く第一歩だったですね」(本書P29)と当時を振り返る。災害時の英断が、地域と路線の危機を救ったのだ。

 観光客誘致合戦を繰り広げる都市近郊の路線。接続改良により利便性が増し、黒字化に成功した路線。経営破綻し、廃止を待つばかりのローカル線。三陸鉄道のほかにも、絶滅が危惧される三セク鉄道はたくさんある。時代の流れとはいえ、草むす隘路を抜け、海辺の崖っぷちを走るローカル鉄道がなくなるのはあまりに寂しい。民営化により、競争の波にさらされた三セク鉄道の奮闘ぶりを応援したい。

(文=平野遼)

絶滅寸前の夜行列車がJR西日本で、まさかの復活! 「銀河」だけど東京~大阪じゃないよ

 2008年に運行を終了した夜行列車・銀河がまさかの復活……と思ったら、ちょっと違った。JR西日本が新たに運行を計画している長距離列車の名前が「WEST EXPRESS 銀河(ウエストエクスプレスぎんが)」に決定したのである。

 つい10年ほど前まで、夜行列車の数は減っていたとはいえ現在よりもずっと多かった。淘汰されたとはいえ個室寝台を基本とした列車は人気を博していたし、ムーンライトえちごのように座席で我慢するスタイルの夜行列車もあった。だが、ここ10年の間にその数は激減した。理由は、利用者が減ったことである。

 交通網が発達するにつれ「夜行列車は便利だ」と考える人は減っていた。いや、実際のところ夜行列車は便利だと思う。寝ている間に移動ができて、到着したらすぐに活動を開始できるのだから。

 だが、21世紀に入りその優位性はどんどん失われていった。とりわけLCCのインパクトは大きかった。かつては高価なイメージのあった飛行機が、新幹線よりも安く、かつ早く現地へと到達できるのである。例えば、東京~大阪間の移動でも、東京駅から新幹線に乗るよりも飛行機のほうが早かったりする。発着が成田~関西空港というアクセス面のマイナス点があるものの、1万円を切る値段で移動できるのだから、もはや早さも安さも飛行機にかなうものはない。こうした新たな交通手段が登場した現代にあって、夜行列車が激減するのは仕方のないことだ。

 だが、それでもやはり夜行列車はよい。確かに新幹線も飛行機も早い。でも、早朝に家を出て駅や空港に向かうのはしんどい。ゆったりと前乗りするのと同等の安心感がある夜行列車の魅力は捨てがたいものだ。

 そんな中で登場した「WEST EXPRESS 銀河」は、あくまで観光目的のリゾート列車。移動距離もJR西日本管内に限られる予定なので、極めて短い。だが、それでも夜行列車を体験する人が増えれば、その利便性が知れ渡り復活の兆しになるのではないか。そんな淡い期待をしている人も多いだろう。
(文=昼間たかし)

JR東海の運行情報が新公式サイトでわかりやすく! ついでにトイレ問題も解決して

JR東海の運行情報が新公式サイトでわかりやすく! ついでにトイレ問題も解決しての画像1

 これで長い静岡通過時間も、多少は気分が楽になるのか。3月16日のダイヤ改正と共にJR東海の公式サイトが大幅にリニューアルされた。

 このリニューアルの目玉は運行情報の画面をわかりやすくしたこと。JR東海内の新幹線や在来線の運行情報がわかりやすく表示されるようになり、列車の現在地や遅延状況も表示されるようになったのである。さらに路線ごとのTwitterアカウントもつくられ、フォローしておけば、遅延の時も一目瞭然となる。

 これまでも鉄道会社各社ではサイトやアプリなどで運行情報を表示できるサービスを実施。JR東日本のアプリでは、列車の現在地のほか混雑具合までもがリアルタイムで確認できるようになっている。東急線アプリでは、これらに加えて一部駅の改札の混雑具合までもが表示されるようになっている。各社とも、こうしたシステムを提供することで列車が遅延した時などの混雑緩和を目指しているのだ。

 すでに各社ともに導入しているシステムだが、JR東海がサイト上で列車位置を表示することの意義は、とてつもなく大きい。それは、静岡県という東西に長い県の存在だ。

「在来線でも新幹線でも、静岡県を走る時間はとにかく長い。一眠りして起きても、まだ静岡県。18きっぷの時期に在来線で移動しようとすれば、何度も乗り換えて、まだ静岡県という状況が続きます。リアルタイムで移動状況が確認できれば多少は気分も楽になるんじゃないでしょうか」(鉄道ファン)

 果たして効果のほどは不明だが、鉄道会社が乗客によりよく利用してもらおうと改善しているのは事実だろう。この乗客を思う姿勢で東海道線の一部列車にトイレがない問題も解決してほしいところだが。
(文=大居候)

また始まる、青春18きっぷの季節──どんどん減っていく利用可能区間への不安

 3月から、岩手県を走る三陸鉄道が、日本最長の第三セクターとして装いも新たに「リアス線」の名称で開業する。県内の盛駅から久慈駅までの163kmを約4時間30分で結ぶ。太平洋の荒波を見ながらの、長い“汽車旅”を味わうことができる路線だ。

 この路線は、これまで南北に分かれていた三陸鉄道が、JR山田線の宮古駅~釜石駅間の移管を受けて誕生したものだ。この区間は2011年の東日本大震災で被災。以降、復旧が行われていたが、経営的な問題もあり、第三セクターに移管して復活することとなった。

 いまだ震災の爪痕の残る地域としては、うれしいニュース。だが、赤字路線だからと切り捨てたJRに対しては不信感も募る。またまた、青春18きっぷで旅行できる区間が減るからである。

 ここ数年、新幹線の開業などに伴い、青春18きっぷの利用できる区間は、どんどん削られている。本州から北海道へと向かうことのできる在来線は消滅し、別途運賃が必要になった。そもそも、東北本線が盛岡以北はほぼ消滅したので、青森方面へ向かおうとすれば秋田方面へ大回りするしかなくなった。

 北陸はもっとひどい状況で、北陸新幹線の開通によって北陸本線も信越本線も、多くの区間が第三セクターへ移管されたことで移動はかなり制限されることになる。

 今後も、北陸新幹線の関西方面への延伸が予定されていることなどを考えると、青春18きっぷで旅行できる区間はどんどんと減っていく見込みだ。

 もちろん、限られた期間しか利用できない青春18きっぷで旅行する者が、地域の事情を考えずに第三セクターへの移管や路線そのものの消滅に対して、異論を唱えることは難しい。だとしても、路線の減少によって、どんどん旅の機会が失われているのも事実。

 ただ呆然と車窓を眺める、あてどのない旅も、もうできなくなってしまうのか……。
(文=大居候)