スピード離婚、同棲相手の自殺――都はるみ、『男はつらいよ』のマドンナ役に交差した“女の人生”

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『松竹 寅さんシリーズ 男はつらいよ 旅と女と寅次郎』/松竹

 CS衛星劇場で放送されていた『男はつらいよ 旅と女と寅次郎』(1983)を見た。懐かしい以上に、私にとっては、特別な思いがあった。寅さんこと車寅次郎役は、ご存じ渥美清さん。マドンナは都はるみさん。1983年の初夏に、新潟県の佐渡島でロケが行われた映画だ。『男はつらいよ』のロケには、私も松竹の宣伝担当者として参加していたし、「週刊女性」(主婦と生活社)編集者になっても、編集部に企画を出して数多くのロケ取材に参加してきた。マドンナは毎回変わるが、スタッフが昔の仲間だったということもあって取材がしやすかったのだ。

 『男はつらいよ』シリーズの中でも、この作品は私にとって忘れられないものになっている。ストーリーは、はるみさん演じる売れっ子歌手「京はるみ」が、忙しすぎて恋人と破局。失恋の悲しみに耐えられなくなって公演先から失踪し、世間は大騒ぎになる。そんなとき、新潟の港で偶然に出会った寅さんと意気投合して、佐渡島に小旅行へ。寅さんは、途中で彼女が“演歌界の大スター・京はるみ”であることに気がつくが、知らん振りして楽しい旅を続ける。最終的には、所属事務所の社長らに発見されて、彼女は元の歌手生活に戻っていく。