参院選で落選すると容赦なく追い出し! 議員事務所と秘書の引っ越し事情

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Photo by Norio NAKAYAMA from Flickr

 国会議員秘書歴20年の神澤志万と申します。セクハラ、パワハラ当たり前! 映画もテレビドラマもかなわないリアルな国会とその周辺について、現役議員秘書が暴露します。

■落選した議員事務所は、容赦なく追い出される

 参議院選挙は、54.70%という投票率でした。過去4番目の低さだったとか。なんだか、舛添要一さんが都知事を辞職するまでの経緯が強烈すぎて、選挙中、街頭での反応はいまひとつ。特に都内の街頭活動では、都知事選挙と間違う人も多く、説明にひと苦労しました。まー、ワイドショーがずっと都知事選の候補者の話題ばかりだったようなので、しょうがないですよね。

 参議院議員会館は、この時期、とても嫌な雰囲気が漂っています。というのは、今回の選挙で落選してしまった議員事務所の引っ越し作業が行われているからです。落選後の議員事務室引き渡し作業は、かなり過酷で、落選して泣く暇も与えられません。

 なぜなら10日の投開票日の翌日の11日の月曜日には、選挙区で当選した候補者たちが正式に議員になってしまうからです。各都道府県の選挙管理委員会で行われる付与式で当選証書を受け取ると、正式に「参議院議員」になります。

 一方、落選した議員と引退する議員の任期は7月25日までなのですが、翌26日には新人議員たちに参議院議員会館の議員事務室が引き渡されるため、改装作業などもありますから、実際には15日までに事務室を引渡さなくてはなりません

 議員会館を管理しているサービスセンターという部署から、「議員事務室の引き渡し完了確認は、いつになりそうですか?」と、毎日電話がかかってきます。引き渡し予定日の3日前ともなれば、朝、昼、夜と電話があり、担当者の事務室訪問もあります。

 参議院から支給されている備品が確認され、棚や机には「備品」と書かれた紙がぺたぺたと貼られます。

 初めてその様子を見た時は、まるで「借金取りに家具を差し押さえられてしまった不憫な家庭」のように感じました。落選した議員事務所には、参議院の職員からの、そのくらい「容赦ない仕打ち」が待っているのです。

 秘書たちは、この時一番、職員たちを憎らしく思うんじゃないでしょうか。彼らは国家公務員ですから、秘書のように選挙の結果によって職業を失うこともなく、選挙の過酷さも知りません。秘書たちは、つい「どうして自分たちはこんなにも苦労しているのに、何も知らない職員に、まるで追い出されるかのような対応をされないといけないの……?」と思っちゃうんです。

■人付き合いが悪い秘書は、再就職に苦労する

 そういう事情で、選挙後の参議院議員会館の各フロアのゴミ置き場は、ゴミの山となっています。長く務めていた議員の事務所ほど資料も膨大で、作業も大変そうです。特に現役閣僚なのに落選した法務大臣の岩城光英事務所には3期18年分の資料があるのですから、想像を絶する作業をしていると思います。

 ドアはぴったりと閉められていて、秘書の方にあいさつするのもはばかられる重たい空気です。当選した議員事務所の秘書たちも、明るいのは事務室の中だけ。廊下に出た途端、重たい空気に触れるので、素直に喜んではいられない状況なんですよ。

 落選した議員の秘書たちは、新しいボスを探さなくてはなりません。なので、この時期は秘書たちの再就職活動が活発化します。神澤のところにも、就職を希望する方たちから続々と履歴書が届き始めています。参議院でいえば、こういう改選時期が就職活動のグッドタイミングなんですね。以前も書いてますが、秘書の採用は基本的にコネなので、新人議員事務所が秘書採用を斡旋する流れに遅れないように、活動開始されることが多いです。

 コネとともに重要なのが、日ごろの人間関係です。優秀でも真面目すぎで人付き合いが悪い秘書は、再就職に苦労します(笑)。これは議員も同じで、ひたすら真面目なだけでは、立候補の時に推薦がもらえなかったりしますよ。

 来週には、新人議員の事務室割り当ての抽選が行われます。初当選の方も多いので、がらりと雰囲気が変わるのでしょうね。神澤の知人秘書たちが、どの事務所に移動するのかも興味深いところです。秘書はほとんど議員を選べないので、これまたいろいろあったりしますが、それはまた別の機会に。

 そんなわけで参議院はしばらくバタバタなので、議員会館訪問は、7月26日以降がオススメです(笑)。

選挙とダイエットの深い関係 多忙な秘書は痩せたり太ったり、白髪が増えたり……

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Photo by mahmoud99725 from Flickr

 国会議員秘書歴20年の神澤志万と申します。セクハラ、パワハラ当たり前! 映画もテレビドラマもかなわないリアルな国会とその周辺について、現役議員秘書が暴露します。

■選挙中、太る秘書と痩せる秘書がいる

 参議院選挙も終わり、全国の選挙区に応援に行っていた秘書たちが永田町に戻ってきました。廊下で会う衆議院議員の秘書同士の会話は、「どこに飛ばされていたの? 私は、北海道だよ」とか「私は議員会館に残っていたけど、毎日4時起きで朝の街頭演説を手伝っていたんだよ」などと、選挙の苦労話でもちきりですが、なんせ参議院のお手伝いの立場。当落も直接は関係なく、責任感もないので気が楽です。

 それよりも、「あなたはどっち? プラス? マイナス?」とお互いに体重の増減を気にする会話が繰り広げられています。

 なぜかというと、選挙期間中に太る秘書と痩せる秘書に分かれるからです。朝から晩までバタバタなので、食事や睡眠も不規則になってしまい、食欲は落ちるかドカ食いするかになってしまうのです。この1カ月の間で、体重がプラスになって戻ってくる秘書、マイナスで戻ってくる秘書と、タイプが分かれるのです。

 天気のいい日も多かったので、日焼けした秘書もたくさんいます。さすがに帽子にサングラスにストール、という完全防備の姿でビラは配れませんからね。それから、白髪が目立つ人も増えます(笑)。ヘアサロンに行く時間も取れず、休みなく頑張っていた証拠ですね。しばらくは、ダイエットと美白の話題が続きそうな永田町の女性陣です。

■ベビーシッターに30万円かけて頑張るママさん秘書も

 とはいえ、選挙が終わったところで安心はできません。軍資金(選挙の費用)を管理していた秘書たちは、選挙後7日以内に選挙運動費用の収支を選挙管理委員会へ提出しないといけないので、またまた徹夜作業が続きます。一定の期間が経過すると選挙運動費用収支報告書は公開されるため、マスコミからの細かい突っ込みを受けないよう気をつけながら?(笑)作業を頑張っています。

 選挙運動費用収支報告書は、通常の政治団体の収支報告書と異なり、1円以上の領収書を添付しなければならないため、作業量が膨大です。選挙期間中は、毎日出納帳を更新する余裕はないことが多いので、選挙が終わってから1カ月分の会計をまとめてするのです。会計専門のスタッフを用意できる陣営はまれですし、秘書は「何でも屋さん」なので、どんな作業もさせられます。

 当事者だった参議院議員の秘書たちは、選挙期間だけは、小さい子どもがいようが、親の介護が必要だろうが、自分のボスの選挙区で必死に活動しなくてはなりません。実家に子どもを預けて頑張るママさん秘書や、保育園児の子どものベビーシッター費用に1カ月30万円かけてまで頑張るママさん秘書もいましたよ。その費用は……というと、もちろん永田町では「自腹」になります。そのあたりの事情は、また別の時に。

 やっと(いつもより1日多い)18日間のながーい参選挙が終わり、ほっと一息つきたいところですが、次は東京都知事選挙が待っています。しばらくは、選挙活動が秘書の仕事の中心ですね。7月31日の投開票が終わるころには、また永田町の女性陣たちの体重が増減することになります。

 果たして神澤はどちらになるのでしょうか……? これからも、みなさんに永田町の「謎」をお届けするため頑張ります。

候補者の街宣車は“戦車”? 戦争用語が飛び交う選挙現場の不思議

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総務省ウェブサイトより

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■宣伝カーは「戦車」、朝の街頭演説は「朝立ち」

 6月22日、第24回参院選が公示されました。投開票が行われる7月10日まで、18日間の長い闘いとなります。本来は参院選は17日間なのですが、6月23日が「沖縄慰霊の日」で、選挙になじまないということで前倒しになりました。たまにそういうこともあります。

 選挙活動といえば、街頭宣伝カーから候補者の名前を連呼している様子をイメージされる方が多いのではないのでしょうか? 衆議院議員の選挙は14日間ですので、今回はとても長く感じます。北海道などの広い選挙区では、選挙対策本部で中心になって選挙を回していると、17日間でも時間が足りないように感じますが、手伝っている立場では、正直「長いなあ」と、げんなりしてしまいます。

 しかし、当事者にとっては、議員として活動を続けられるかどうかの生死を懸けた戦いなので、皆さん必死です。

 事務所では、「おい、“戦車”は今どこだ? あと10分で到着しないと、“陣地”を取られるぞ! 弾(タマ)は足りているのか!」といった怒号が聞こえてきたりします。「え、どういうこと? 戦争でも起こっているの?」と思いませんか? 神澤も秘書になってすぐの頃は、飛び交う「選挙用語」に目が点になっていました。

 選挙活動の現場では、宣伝カーのことを「戦車(宣車)」と呼ぶのです。「陣地」は、駅前の広場などで街頭演説を行うための場所のことです。「弾」は、配布するビラ(チラシ)のことを指します。

 もう時効ですが、少し前までは、「とうとう実弾をばらまかないといけないタイミングだな」などと「現金」のことを「実弾」と表現していました。かつては選挙でお金をまくのもアリの時代があったのです。さすがに今はないと思いますが(笑)。

 ほかにも、朝早くに街頭演説をすることを「朝立ち」、夕方だと「夕立ち」と言います。朝の街頭演説の呼称を口にするのは、新人の頃は恥ずかしく感じたものですが、永田町にいると感覚が麻痺してしまいますね。今では、大声で「朝立ちの準備はできているの?」と言っている自分がいます。どんな罵声を浴びせられても、笑顔でビラを配り続けると、顔面神経痛のようになり、目の下がぴくぴくしてきます。

 街頭演説をしている光景を目にしたら、選挙スタッフから、ぜひビラを受け取ってあげてくださいね。疲れ気味の顔で配っているスタッフの表情が、「ありがとうございます」と一瞬で明るくなるのを見ることができるでしょう。ビラには、候補者の熱い思いが込められています。プロフィールや公約を読んで、「ふーーん」という程度は関心をもってもらえたらうれしいです。

■どんな選挙でも、1票1票が積み重なって民意となる

 投票できる年齢が18歳に引き下げられ、選挙をがんばっている陣営(選挙事務所)も、どういう選挙活動を行えば皆さんに伝わるのか、試行錯誤しています。ツイッターなどSNSを利用する陣営も多いですが、どうなのでしょう? 神澤は、アメリカの大統領選挙のように、選挙ボランティアスタッフとして関わりをもってもらったら身近に感じてもらえるのではと考えていますが、日本の選挙制度では……と、ため息が出てしまいます。

 なぜなら、選挙活動でビラ配りや、電話やインターネットでの応援依頼ができるのは、無償のボランティアに限られているのです。つまり、一日中汗だくでビラを配っても、電話をかけまくっても、ぜんぶタダ働き。陣営からは何のお礼もできないのです。せいぜい、お茶とお水くらい。お弁当もダメです。

 でも、事務所内で働く「労務者」として選挙管理委員会に登録した有償のスタッフにはお弁当も出るし、働きに応じてお給料も出ます。でも、この「労務者」は、ビラ配りや電話かけなど、有権者に投票をお願いする行為は禁止されているのです。意味がわかりませんね。

 これでは、選挙のお手伝いをしてくれる人を確保するのは、ほぼほぼ無理だという状況が、わかってもらえますか?

 読者の皆さんは、猪瀬直樹さんとか舛添要一さんの騒動に飽き飽きして、「たかが1票で、世の中が変わるわけはない」なんて思われるかもしれませんが、そんなことはありません。

 投票にはぜひ行っていただきたいと、永田町の秘書は心から願っています。どんな選挙でも、1票1票が積み重なって民意となります。決して無駄にはなりません。国政選挙であれば、私たちのボスである国会議員たちが、皆さんの思いを受け、少しでも生活が豊かになるようにと法律を新しく作ったり、環境の変化に合わせて改正したりしています。

 本当は、国会議員もその秘書たちのことも、もっともっと身近に感じてほしいのですが、難しいですね。まだまだ私たちの努力が足りないと反省しています。もう少し選挙運動が続くので、何かと騒がしいとは思いますが、せわしく動き回っているスタッフの中に神澤がいるかもしれませんよ。うるさく感じてしまうかもしれませんが、いろいろな候補者を数秒でもいいので観察して、投票する時の参考にしてくださいね。

舛添都知事の辞任どころじゃない国会議員たち 

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舛添要一オフィシャルブログより

 国会議員秘書歴20年の神澤志万と申します。セクハラ、パワハラ当たり前! 映画もテレビドラマもかなわないリアルな国会とその周辺について、現役議員秘書が暴露します。

■「どケチ野郎」で「歩く種馬」として有名

 舛添要一東京都知事の「ケチ」ぶりが毎日報道されておりますが、みなさんはどう思われます? ほとほとあきれますよね。でも、神澤はじめ国会議員の秘書たちは、2年前(平成26年2月9日執行)の東京都知事選挙で舛添さんが200万票以上獲得して当選したことにあきれたものです。なぜなら、舛添氏なんて当時から、「どケチ野郎」としてはもちろん、「歩く種馬」と陰口をたたかれるくらい性欲旺盛なゲス野郎として、永田町ではとっても有名だったから。

 あの時は、ほかに細川護熙元総理が小泉純一郎元総理の全面支援で出馬していたし、共産党推薦の宇都宮健児弁護士もいたのに、なんで東京都民は舛添さんを選んじゃったんだろうね……とため息が出ました。

 舛添さんの疑惑は続々と出ているので、いつまでマスコミの追及が続くのかわからない状態です。読者のみなさんは、「舛添なんてソッコー辞職しろ!」と思っていらっしゃるでしょうが、実は永田町では「舛添、辞職すべし」なんて言っている人は、1人もいません。

 その一番の理由は、来る参議院選挙の準備で手いっぱいで、都知事選挙のことを考える余裕なんてないことだと思います。それに、都知事を辞職するほどの「不正」だとも思っていないこともあります。

■選挙はすべて「党の都合」

 舛添さんの都知事としての超高額な出張費、公用車の私的利用などは、とんでもないことですが、法的には恐らく大丈夫な話です。また、政治団体からの不要な美術品の購入、下着などの個人的な物の購入もおかしいことですが、これも法的にはグレーゾーンで「即違法」ということにはならないと思います。というのも、これらを「知事としての業務に、まったく無関係」とまでは証明しきれないからです。

 だから、永田町の人間は、「4年後には東京オリンピックがあるんだし、今さらトップ交代は不要でしょ」というスタンスなのですが、舛添さんの記者会見の対応はお粗末すぎました。「お騒がせした」ことへの謝罪はありましたが、ムダ遣いについては「専門家の判断に任せる」と言い張り、まったく「反省の色」が見えないのです。

 本来なら、単なるムダ遣い程度での辞職はありえないのですが、このままだと世間の批判とメディアの追及をかわしきれず、辞めざるを得なくなるのではないかと、神澤は感じています。

 それでも参院選に全力投球したい自民党は都知事選を避けるため、舛添さんにはもう少し耐えさせるでしょう。都知事選は、辞職してから50日以内に選挙を行わないといけないので、すぐに辞められたら、7月の参院選の前後あるいは同じ日が投開票日になってしまうのです。都民のことより、自分たちの準備の都合を優先してしまうのが永田町の人間なのです。嘆かわしいですね。

■衆議院解散で、秘書も議員と同時に無職に

 衆参ダブル選挙は行われない雰囲気になってきましたが、衆議院が解散されると、その日で衆議院議員全員が議員の身分を失います。そして、私たち秘書も同時に無職になります。議員が再選し、再雇用されると後払いで給与が支給されますが、落選してしまうとタダ働きになってしまいます。それもあるので、秘書も必死に選挙活動して、また国会に戻ってこようと努力するわけです。

 「秘書」といっても、いろいろな種類があります。税金からお給料が出される公設秘書(身分は国家公務員特別職です)、議員が自腹で雇う私設秘書と私設事務員、インターン(大学院生などのバイト)などですが、自分たちの今後のためにも、ボスである国会議員のためにも、選挙の時には死にもの狂いで走り回り、支援を訴えるのは、どの立場の秘書でも同じです。

 そして、選挙期間中は睡眠時間も少なく、疲労で思考が働かなくなるせいか、「男女の関係」になってしまう議員と秘書も多いみたいです(笑)。詳しくは、参院選が終わった7月にでも書いてみたいと思います。

日本に女性首相が生まれないのはなぜか アジアのリーダーと社会構造から考える

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グレース・ポー上院議員公式サイトより

 いまフィリピンで、ある女性が「台風の目」となっている。グレース・ポー上院議員(47)、5月9日投票の大統領選挙に参戦している有力候補だ。

 夏の参議院選挙を前に、日本でも、初の女性首相候補として、自民党の稲田朋美政調会長や野田聖子議員、最近では民進党の山尾志桜里政調会長といった名が取り沙汰されているが、いずれも実現性の薄い話にすぎない。なぜ女性首相が誕生しないのか、その背景を、アジアと比較しながら考察してみる。

■フィリピン、韓国、台湾、ミャンマー、タイも女性リーダー

 グレース・ポー上院議員は、もともと教会の前に捨てられていた孤児だったが、フィリピンの国民的俳優フェルナンド・ポー・ジュニアに引き取られた。成長してから彼女はアメリカに留学するが、養父が大統領選挙に立候補したことをきっかけに政治の世界に入る。養父は敗れたが、彼女はその後、上院選に出馬し、トップ当選を果たす。そして今回の大統領選では、養父の無念を晴らすつもりだ。

 フィリピンは過去にも、コラソン・アキノ、グロリア・アロヨと女性の大統領を輩出している。またアジア諸国を見渡してみれば、韓国の朴槿恵大統領、台湾の蔡英文次期総統など、女性のリーダーが多い。制度上、大統領にはなれないが、ミャンマーのアウンサンスーチーも指導力を発揮しているし、タイは前首相のインラック・シナワトラが女性だ。

 政治の世界に表れているように、アジア諸国では、日本よりもはるかに、女性の社会進出が進んでいる。ILO(国際労働機関)の2015年1月の報告書によれば、女性管理職の割合はフィリピンが47.6%で世界第4位。シンガポールは31.4%で53位、タイは28.2%で64位、ベトナムは23%で76位と続く。日本は11.1%で96位、アジアでは最低ランクだ。

■家事を仕事と見なし、対価を支払う文化

 東南アジアでは、オフィスの主役はむしろ女性だ。オフィスビルのエレベーターでも、乗り合わせるのは女性ばかり。転職は一般的で、会社を替わるごとにキャリアとギャラをアップさせていく女性も多い。

 フロアではときどき、赤ん坊や子どもの声が聞こえてくることもある。職場を託児所代わりにする母親が多いのだ。仕事で会社を離れるときは、手の空いている社員が代わる代わる、子どもの面倒を見る。それで誰からも文句は出ない。おおらかな空気の中で子どもは育ち、母親は社会で活躍することができる。日本のような待機児童の問題は起こりようもない。

 また、メイドという職業が一般層にも浸透している点が大きいと語るのは、近畿大学国際学部教授の柴田直治氏だ。

「アジアで活躍する女性の家庭には、必ずメイドがいます。女性の社会進出を、別の女性たちが支えているのです。ここが日本とアジアの違いです」

 メイドの家庭でメイドを雇っていることも珍しくはない。家事を仕事と見なし、対価を支払うことで負担を軽減し、互いが社会で働く場をつくる。そんな文化がアジアにはある。

■女性が上に立つことに対する違和感が少ない

 男たちの「良い意味でのプライドのなさ」も、女性の社会進出や指導者の誕生を後押しする。

「寒い時期が長い国や、砂漠の国では、男が狩りや農漁業で体を張って家族を養わなければならなかったのに比べ、東南アジアでは二期作、二毛作は当たり前。魚影は濃く、男が必死に働かなくても、ココナッツが落ちてくるのを待てばよいといった世界でした。しかし、炊事、洗濯、調理といった女性の家事は、世界中どこでも長年そう変わりません。だから東南アジアでは、男と比べて女性がよく働くようになったのではないかと推測されます」(同)

 豊かな自然環境が、東南アジアの母系社会をつくっていった。男は自分たちの弱さや情けなさをどこかで受け入れ、尻に敷かれることにあまり抵抗がない。日本の男たちとは違い、女性が上に立つことに対する違和感が少ないのだ。

 ただし東南アジアの場合も、女性政治家の大半が世襲という問題を抱えている。アウンサンスーチーもインラックも、インドネシアのメガワティ・スカルノプトゥリも、インドのインディラ・ガンジーやパキスタンのベナジル・ブットも、家族が国の指導者や有力な政治家だった。グレース・ポーも同様だ。

「ジェンダーというよりも、階層(クラス)や世襲の問題、社会格差の問題でもあるのです」(同)

 だが、やはり世襲政治家がはびこる日本では、女性を担ぎ出す動きは少ない。せいぜい神輿扱いの大臣が関の山で、トップには立っていない。そして実務を期待されてのことではない。

 アジア各国の女性リーダーにも「神輿」に載せられているという側面はあるのだが、精力的に活動し、経済成長などの結果を残すところが日本とは違う。女性の側の政治参画意識もまた、東南アジアのほうが高いのかもしれない。社会構造の大きな変化がなければ、女性リーダーが日本を引っ張る時代になるのは難しそうだ。
(室橋裕和)

たむらけんじ、芸歴20周年LIVEでつかんだ「政治家転身」への手応え

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『TKF大祭り たむらけんじ芸歴20周年LIVE』
公式サイトより

 獅子舞踊りと「ちゃ~」というギャグで知られる、お笑い芸人・たむらけんじ。以前から、政治家転身のうわさがささやかれているたむら(既報)が、今年行われる参議院選挙への出馬に向けて、水面下ですでに動きだしているという情報をキャッチした。「浮動票に強い候補者を目指している」といわれる、たむらの政治家転身のもくろみとは――。

 近年は、芸人としてよりも、「炭火焼肉たむら」を複数店舗経営するなど、どちらかといえば実業家としての活躍が知られるたむら。ところがその実、最近では、経営悪化に苦しんでいるのだという。

「焼肉屋の売り上げは落ちているようです。一番の影響は、予想以上に食い逃げの被害に遭っていること。また、『使っている食材が、それほどいいモノではない』といううわさが広まってしまったことも大きい。世間では、芸人としての露出が減ったと思われているかもしれませんが、関西では、コメンテーターやロケ番組のリポーターなど、数多くのレギュラー番組を持っており、収入は相当あるようです」(バラエティ制作スタッフ)

田中美保、モデルから芸能界進出ルートに失敗するも「賢い選択」

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『HAPPY! 』(集英社)

 今月15日、田中美保と稲本潤一が13日に入籍したことが発表された。昨年1月、一般人からTwitter上で交際を暴露されてしまった2人だったが、順調に交際を続けていた。田中は、かつて小栗旬と浮名を流すなどメディアを騒がしていたが、結婚の話題が取り上げられることは、不本意だったようだ。

「結婚当日ではなく週末土曜日、しかも衆議院選投開票の前日に発表をした時点で、あまり騒がれたくなかったことが伺えます。ワイドショーのない週末はテレビで芸能ニュースが報じられることも少ないですし、ほかに大きなニュースがあれば世間の興味もそちらに移ってしまいます。かつては、週刊誌から相当マークされていた田中ですから、そっとしておいてほしかったのでしょう」(週刊誌記者)

政治家おっかけが趣味の春香クリスティーン、早くも維新の会に目をつけられた!?

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春香クリスティーンオフィシャルブログより

 最近、人を問わず国会議員を追いかけ回すハーフ美女として話題になっている、タレントの春香クリスティーン。「彼女は何者?」「何がしたいの?」という声が聞かれるなど、タレントとして今ひとつ立ち位置が定まってないように見える春香。だが、実は今週末の衆院選を契機に、今や「ブッキングしにくい1人」(テレビ関係者)に化けてしまったという。変わった趣味を持った春香に、一体何があったのか。

 春香は、スイス・チューリッヒ生まれで現在は上智大学文学部新聞学科に在学中の現役大学生。得意の語学を活かして、芸人のギャグを4か国語を用いてモノマネするという芸が受け、『なんでもワールドランキング ネプ&イモトの世界番付』(日本テレビ系)や、最近では学力の高さからクイズ番組にも多く出演している。

嵐の東京ドーム公演が「衆院選投票率を左右する」と永田町が大騒ぎ!?

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永田町にもA・RA・SHIを巻き起こすぜ~!!

 11月16日の京セラドーム大阪からスタートした嵐の五大ドームコンサートツアー『ARASHI LIVE TOUR Popcorn』の東京公演に関して、政界関係者から不安の声が上がっている。国内だけでなく海外でも圧倒的人気を誇る嵐だが、ツアースケジュールの関係から、衆議院選挙の投票率や結果に、多大な影響をもたらすのではといわれているのだ。

 ツアー開始と同日の16日に衆院が解散され、政府の臨時閣議で決定した衆院選日程は「12月4日公示、16日投開票」だった。一方で嵐ツアーの東京ドーム公演の日程も、同月13日、14日、15日、そして16日。まったく偶然の巡り合わせだが、これが投票率に大きく関わるのではないかとみられているという。