豊田真由子衆議院議員が「このハゲーっ」の暴言で衝撃的な“デビュー”を果たしたのが、6月22日発売の「週刊新潮」(新潮社)でした。その後、公の場から姿を消した永田町の通称「とよたま」さんは、公設秘書のことで、最近また話題になっていますね。
■自民党関係者も憂慮
8月31日、衆議院第一議員会館大会議室で「スポーツ議員連盟・2020年東京オリンピック大会推進議員連盟・ラグビーワールドカップ2019日本大会成功議員連盟 合同総会」が開催され、国会議員など約200名が参加しました。議事のひとつは、「ドーピング防止活動推進に関する法案」の次期国会法案提出についてでした。
とよたまさんはドーピング防止法案の立法作業チームのメンバーで、本来ならば座っているはずなのです。かつては、スポーツ議員連盟アンチ・ドーピングWGの馳浩事務局長にも食って掛かるくらいの勢いがあったのに、いまはその姿すら会場にありません。自身の疑惑についてもまだ説明していませんし、「早く、自分の責任を果たしてほしい」と自民党の秘書さんたちも嘆いていました。
■「給与搾取」疑惑が浮上
もともと、公設秘書(政策秘書、公設第一秘書、公設第二秘書)がコロコロと変わることで有名な豊田事務所でしたが、今回の第一秘書、政策秘書の夫妻に関して、秘書仲間では「ある疑惑」を口にしている人たちが多いです。
それは、政策秘書の「給与搾取」です。第一秘書である「妻」が、青森県の町議で秘書経験もある「夫」松森俊逸氏を、豊田議員に無断で登録したのではないか、ということです。
公設秘書を採用する時には、全部で14種類の書類を提出しなければなりません。その中には、議員の署名と押印が必要なものがあり、その他の書類にも押印する箇所が多数ありますが、実務では、議員の了承を得て秘書が代理で署名したり押印をすることが多いです。届け出の書類は、とても細かくて、議員が対応するのは時間的に厳しいことが多いからです。
採用後には、所属している会派の事務局に「氏名等の公表に係る議員秘書の現況」(秘書現況届)という書類を提出しないといけません。でも、8月31日現在、豊田事務所は、第一秘書、政策秘書の現況届を出していません。確認できるのは、5月8日提出の第二秘書の分だけです。第一秘書は5月、政策秘書も6月に登録されているので、現況届が提出されていないことは明確な規則違反です。
この違反に罰則はないのですが、松森町議が政策秘書として登録された時期はまだ、とよたまさんには自民党籍がありました。新たな秘書の採用には、所属していた細田派に相談するのが当たり前ですが、同派の関係者によると、相談はなかったそうです。それでなおさら、豊田議員の了承を得ず勝手に登録していたのでは? という疑惑を大きくしています。
仮に一部報道の通り、6月30日付で政策秘書の登録手続きがされていた場合でも、6月分の給与の支払いはあります。そして、9月1日に解職届が衆議院議員課へ提出されたという秘書仲間からの目撃情報がありますので、9月分の給与も支払われます。松森町議の場合、過去の秘書歴や年齢(49歳以上)を考慮すると60万円程度が政策秘書としての月給と考えられます。そうすると、6~9月の4カ月分の給与、約240万円が衆議院から支給されている計算になります。
6月といえば、秘書たちも「豊田議員と連絡が取れない」と報道陣に答えていた時期です。8月末に週刊誌の記者が豊田事務所に確認したところ、いまだに本人と連絡が取れないという回答だったそうです。連絡が取れない豊田議員から、どうやって秘書採用の了承をもらえたのでしょうか? 暴力を振るわれたとされる前任の政策秘書が解職されたのが5月31日ですから、6月分の政策秘書給与がもったいないと夫妻で話し合って、勝手に登録した可能性が非常に高いと思われます。
実は、兼職届が公開されるのは、提出から2カ月後なんです。ですから、2カ月以内に兼職届を取り下げれば公開されません。もしかしたら、公開される前に登録を抹消してしまおうと思っていたのに、どこかから情報が洩れちゃったというのが実情ではないかと、神澤は思っています。真相は、豊田議員、当事者の秘書たちしかわかりませんけどね。
■2カ月無断欠勤と同じ状態
「まさか、本人(豊田議員)が知らなかったとは思わないから、名義貸しで寄付させて、当面、私設秘書の給料とか事務所経費を賄おうとしたんじゃないの?」
知り合いの自民党の秘書が嘆いていました。つまり名目だけの「秘書」として松森町議を雇い、報酬の一部を豊田事務所に「寄付」させて、事務所の経費に充てたのではないかということです。でも、松森町議は、神奈川県議との金銭トラブルも報じられていましたし、公金から給与ももらって、自分たちの懐へ入れてしまおうとしたのではないかと、神澤は疑っています。
この疑惑にも、とよたまさんはきちんと会見すべきだと思うのですが、どこにいらっしゃるのでしょう。古巣の自民党にも迷惑をかけ続けていますし、それよりも何よりも、国会議員として「歳費」という税金からの公金をいただいているのですから、国民のためにしっかりと仕事していただきたい。今の状態は、民間企業で言えば、2カ月以上も無断欠勤をしているのに、給料をもらい続けていることになるのですよ。「許せない!」と多くの人が思っています。まずは、きちんと会見をし、説明責任を果たすべきです。
(神澤志万)
