ベビーシッター事業「森のナーサリー」が順調に拡大しています。必然的に雇う人も増え、面接では気づかなかったことが見えてきます。有資格者だろうと、高学歴だろうと、「?」と思うことが多々あるので、今日はそんな話をしてみたいと思います。
■プライドばかり高いベビーシッター
去年の秋に登録された中年女性。家庭保育の認定資格「チャイルドマインダー」を持つ方で、他社でのシッター歴もあります。
シッターから見ておいしい仕事の1つは、夜間勤務です。6時間で1万5,000円ぐらいにはなるため、喜んで入る方がほとんどです。それが土日であれば20%UPになるし、正規雇用ではない中年女性がこれだけ稼げる仕事は、なかなかないと思います。
毎週定期の仕事もおいしいもの。ところが、港区の素晴らしいマンションでの毎週定期のお仕事を振ったシッターから(通常はシッターからめちゃめちゃ感謝される案件)、2回お伺いした後、トンデモメールが来ました。ちなみにこのお宅、ほかの曜日は違うシッターがお伺いしていて、とてもうまくいっています。私も3回ほどお母様にお会いしましたが(お父様とも会いました)、とても感じのよいご夫婦で、東京の“ザ成功者”なのに、嫌みのない雰囲気で私の中では好感度が高いお宅です。
なのに、「シッターにお伺いしているよりは、家政婦さんをしている感じがします。できればほかの人に交代をお願いします」とシッターからメールがきました。
家政婦いいじゃない! お母様によると、お母様が授乳している間、簡単な家事を頼むレベルだったみたいですが、本人は気に食わなかったのでしょうね。有資格者ということで変なプライドを持ってしまうと、雇用者としては扱いにくい。チャイルドマインダーの本場、イギリスではベビーシッターという職業が定着していますが、日本ではもともと家政婦の延長。スタートがハウスキーピング会社で、ベビーシッター業務を始めた会社も多いんです。授乳中の簡単な家事くらい、“お母様の育児のお手伝いをしているんだ”という広い視野で捉えてほしいです。
■高級マンション以外を嫌がるシッター
現在ほとんどが港区周辺の高級マンションでの仕事なのですが、中には違うエリアで普通のお宅もあります。庶民的なお家でも(さすがに「○○荘」みたいなところはないです)、ちゃんとお支払いをしていただければ問題はなく、会社にとっては誰でも大事なお客様です。私自身も平等に対応しているのですが、保育士資格のあるシッターが遠まわしに嫌がってきました。一度お伺いした時にもう二度と行くまいと思ったのか、驚愕のへんてこメールがきました! ちなみにこのお宅、当社で30回くらいお伺いしている優良お客様です。
「申し上げにくいのですが、御宅の感じから、なにかあった場合、『
保育士なら、会社が保険を掛けていることぐらい知っているだろうし、家族を理由にするところが腹立たしくて、即クビにしました。美人で有資格者でしたが、偏見でものを見る人に、大事な子どもの命を託したくありません。「有名人やお金持ちのシッターしている私」が好きなのでしょうか。ベビーシッターは自分が優越感に浸る手段ではなく、お子様のためにあるんですよ!
現在、新園「衾の森こども園」と「駒沢の森こども園」の求人を行っているのですが、「タレント保育士がいる園」としてメディアで取り上げられたこともあり、芸能界を夢見る保育士が応募してきたり(“夢見る”がポイント)、困ったちゃんが来たり、毎日面白いです。ほかのスタッフが「芸能界を夢見るメンタルが羨ましい」と感想を言っていたのが印象的でした。何歳になっても夢を持つのは自由ですが、いま現在夢に向かって何かしているなら別だけど、絶世の美女でもないのに、
角川慶子(かどかわ・けいこ)
1973年、東京都生まれ。「角川春樹事務所」会長・角川春樹氏の長女。自身も元アイドルという異色の肩書きに加えて、ビジュアル系バンド好きで、元バンギャルの”鬼畜ライター”としても活躍。2011年9月に「駒沢の森こども園」、2016年4月からは派遣ベビーシッター「森のナーサリー」をオープンさせる。家庭では9歳の愛娘の子育てに奮闘中。