女社会だからこそ? 我が園での保育士の不思議な行動

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そろそろプール納めです。毎日入っているので、水に慣れていく子たちがほとんどですが、中には「子どもがプールを嫌がっているので登園時間を遅らせます」とか「嫌がっているので見学で」という甘い親もいます。1年生までには克服しなきゃいけないのに、ホントにそれでいいんですか? と問いたくなる瞬間です。

 保育園は良くも悪くも女性の社会。最近は男性の保育士も増えたましたが、保育園で働こうと考える男性は女性の中で生きていける器用な男たちで、保育士の本流はやっぱり女なのです。私は顧問やコンサルタントの経験はありますが、一般的な正社員として働いた経験がないので、保育園経営を始めてから暗黙の女子ルールに面食らいました。パーコン(パーティコンパニオン)やキャンギャルはやったことがあるけれど、男の視線を意識した業界な上に仕切るのは男性スタッフなので、女のイヤな部分は見ずに済みました。ちなみに女子校出身で女の裏も表も知っているため、女子嫌いです。娘には反動で共学しか受験させないという、筋金入りの女子苦手。今回は女の社会、保育園版をお伝えしたいと思います。

 保育士のカーストは、典型的な年功序列です。四大卒で幼稚園教諭免許を持っていようと、若い保育士は年齢が一番上の保育士にはかないません。保育士の資格さえあれば、四大でも短大でも専門でも出身校は関係ないのが実態です(※編註)。保育園のカーストを説明すると、

年齢が一番上の保育士

押しが強い保育士

自己主張しない保育士

女性有資格者バイト

男性保育士

無資格バイト

保育園や幼稚園の方針に疑問を感じたとき、保護者はどうするべき?

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お盆の時期多いのが「消費者金融のFAX」です。経営難の零細企業は、盆暮れを乗り切れないのかも

 プライベートでも仲よくしている園の保護者から、「保育士の有資格者で働きたい人がいるんだけど、パートで雇ってくれないかしら」と頼まれました。バイトは以前ご紹介したアイドルのアリス十番・月村麗華ちゃんがいるし、すぐには募集する予定がなかったので、断ったのです。その後、その方はある保育園に応募して働くことになったそうなのですが、「全然働かせてくれないの!」とのこと。話を詳しく聞くと、勤務の希望時間(何時間働きたいか)などを面接の時に話したのに、まったく考慮してくれないのだそうです。「なんで採用したのか謎」と困っていました。

 私が「××さんは有資格者だから、おそらくホームページにスタッフとして写真を載せたいだけなのかも。“たくさん先生がいる”と思わせたいという保育園もあるんですよ」と言うと、「そうなんですね!」と大きな声を出して納得されていました。つまり、職員の水増し。その可能性もあるんです。うちは常勤スタッフの写真しか載せていません。ほとんど出勤しない(させない)人の写真を載せる行為は、保護者もパートさんも裏切る行為だと考えます。私は保育園経営者として保育園のからくりが推測できるし、母親でもあるので、保護者の気持ちもわかります。引っかかっちゃう親が気の毒だわ。

インターのサマースクール、幼児を預かる施設としての立ち位置は微妙?

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サマースクールで製作したものです。紙皿、ペットボトルの蓋、ハンガーなど身近なものを利用していますが、クオリティー高いです

 保育園を作ったきっかけは娘のためだったのですが、娘が保育園を必要としないお年頃になりました。駒沢の森こども園には、1歳から小学2年生のお子さんが通っているので、決して“幼稚”ではないのですが、娘にとっては刺激のない毎日のようです。それだけ娘が成長したということで喜ばないといけないのですが、うーん微妙。娘のためを思って、必死で素晴らしい園(手前味噌ですが、自信アリ)を作ったのに、「とっとと早く帰って遊びたい」「17時になったらすぐ園を出たい」と言い出しています。夜、用事のため娘を保育園に預けていたら、母に「おばあちゃん、すぐ迎えにきて」と泣きながらキッズ携帯で電話をする始末。後に「ウソ泣きしちゃった」と言っていましたが、もう保育園では限界があるようです。

 園では小さい子の面倒をよくみているし、本人も面倒をみるのが好きだと言っていますが、幼児教室など外の生活をよく知っている娘としては、窮屈なのかもしれません。言い出したタイミングを考えると、幼児教室での模試で某難関校が十分に合格の見込みがあるA判定を取ってからなので、もしかしたらもう受かって、勝手に小学生になった気分なのかもしれません。

セレブ保育園に憧れて無理して通わせる親も……保育料未納トラブルの現実

<p> 保育園を作ってもうすぐ2年。これまで大きなトラブルはないものの、やっぱりあるのが保育料(※編註)の滞納です。支払いを忘れているだけの人なら、連絡したらすぐ入金してくれるのですが、中には本当に払えない人もいるから困っています。</p> <p> 駒沢の森こども園が有名になればなるほど、お金に無理をしてでも通わせたい親が出てきているのも事実なのです。「VERY」(光文社)に載ったり、「GQ JAPAN」(コンデナスト・ジャパン)で紹介されたりすると(発売中の8月号に掲載)、遠方からの入園希望者や経済的に無理をする入園希望者が多くなります。有名私立校じゃないのだから、あまりに家と離れているのは親子ともに負担が大きいと思うのですが……。華やかな人たちがほとんどですが、華やかな人に憧れている保護者もいるのがセレブ保育園の実態だと思いますね。<br /> </p>

「こびとを捕まえたい」「サンタは絶対いる」という子どもにどう答える?

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お台場にある「こびとづかん」のお店「こびと百貨店」に行って、写真を撮ってきました。みんな大好きな「こびとづかん」ですが、フィクションですから!

 保育園を経営していると、子どもの言葉にギョッとすることがあります。

 「こびとづかん」(編註:1)というキャラクターをご存じですか? 私は1度テレビで見たのですが、理科実験番組のような作りで、あたかも「こびと」が実在するようなナレーションと映像なので、信じる子どもがいてもおかしくありません。そう思っていた矢先、年中の園児が、「モモジリ(=こびとのキャラクター名)捕まえようよ!」と言って、いろんなものを駆使してしかけを作り始めました。しかけをして数十分してからまた見ると、しかけの位置が少しずれていたので(本当は1歳児が触って動かしただけ)、その間にモモジリが現れ、また隠れてしまったと思ったらしく、「ほら、さっきと場所が違っているよ。きっとモモジリが来たんだよ」とうれしそうに大声で報告し始めると、周りの子も「本当だ」と言ってざわざわ寄ってきたのでした。

保護者に「このコラムで保育園への偏見がなくなった」と言われました

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保育園に置いた「ヒキュウ」(右端と左端)です。風水では正財(仕事で入る財)と偏財(ギャンブルや副収入)のどちらにも効果があると言われています

 この連載が始まり、もうすぐ2年がたとうとしています。保育園経営とまったく無縁の女が、気づけば保育園経営のエキスパートになりつつあり、保育園のコンサルタント業でも食べていけそうな予感さえしてしまう今日このごろ。連載を読み返すと、私自身「幼かったな」と思うことが多々あり、それでもこの連載を読んで入園してくれた保護者に感謝しています。

 当園は、「この連載がきっかけで入園した人」と「入園を検討していてこの連載を発見した人」「娘と前の保育園からの友だち」「在園生からの口コミ」の人たちで構成されていて、いずれも私が「角川さん」だということを知っていて入園してきた人です。「娘と前の保育園からの友だち」組の保護者は、駒沢の森こども園を設立する前ぐらいになんとなく素性がバレ、オープン前の内覧会ではみんな知っているようでした。このメンバーとは、食事をしたりする仲なので、気づけば知っていたという感じです。

慶應幼稚舎対策も万全! セレブ保育園のお受験指導をチラ見せします

<p> 現在発売中の「VERY」(光文社)に、駒沢の森こども園が紹介されています。去年の秋くらいから「とにかく預かって!」というような入園者は減り、登園に1時間近くかけても「お受験指導」を目的に通われる方が増えてきました。共働きであっても受験させたい人たちです。中には「お姉ちゃんを幼稚園に通わせていたけど、受験にはこれといってプラスにならなかったので、幼保一体型を希望し、当園にたどり着いた」という方もいます。当園の受験対応は、小学校受験で1番難しいとされている慶應幼稚舎に基準を合わせています。具体的にどんなことをしているか、小学校受験をさせる見学者には、以下のようなご案内をしています。</p>

なぜ障がいのある子を受け入れるか、保育園経営者として考えていること

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絵画の時間。学習障がいのある親
戚は、絵画で才能を発揮したので、
新しいお友だちにも積極的に参加
してもらうことに(写真は本人で
はありません)

 現在、発達障がいのお子さんをお預かりしています。本人もほかの園児も互いにいい影響を与え合って成長できるのでは? と考え、お預かりを決めたのでした。ご両親はとてもお子さんに対し熱心で、病院のセラピーで「集団生活をさせることが本人に必要」と言われたことから、受け入れ可能な保育園を探していたのだそうです。私の娘が以前通っていた保育園にも一度は入れたそうですが、「『ほかの子とは一緒にできない』と言われ、1人部屋に隔離されていた」とのことでした。隔離という対応には大反対ですが、小さくはない年齢で体力もあることから、「お散歩で事故に遭ったらどうしよう」「意思の疎通ができない」などを理由に、受け入れを断る園側の気持ちも経営者としてはわかる気がします。うちの園でも、はじめ保育士たちは受け入れに迷いを見せたので、状況によって(日によって預かっている人数が違う)預かり時間をご両親と相談しながら決めるという条件で納得してもらいました。

待機児童がいても潰れる時代、スパルタでも個性的な保育園が生き残る!?

<p> 待機児童が多かろうと、人気のない認可外保育園はどんどん潰れているのが実情なのですが、他園も生き残りを掛けていろいろな取り組みをしていることに今さら気づいたのでした(笑)。駒沢の森こども園は、親目線で「こんな保育園があればいいな」というものを詰め込んで作ったので、他園との比較、リサーチはまったくしたことがなかったのです。もちろん、私も以前はイチ保護者として保育園を利用していたので、認可外保育園探しをしていたときは通えそうな距離の園のホームページを見たりはしていましたけどね。</p>

経営者が語る、保活必須の人気保育園といつでも入れる託児所との違いはコレだ!

<p> 入園のタイミングが自由な駒沢の森こども園も、やっぱり4月入園の子どもたちが多く、それなりに忙しい生活を送っています。ホームページや園の入口に満員を知らせる案内を貼っているにもかかわらず、問い合わせの電話がかかってくるのですが、この時期の電話は、はっきり言って驚くほど非常識な電話が多いのです。</p> <p> 「現在2歳2カ月の子どもですが、空きはありますでしょうか?」と丁寧な口調で電話してくるのですが、「現在、いっぱいで……」と言った途端、話の途中でもガチャ切りは当たり前。同じく丁寧な口調で電話してきたかと思いきや、「定員いっぱい」の言葉と同時に「あっそ」と言って電話を切る人。高級住宅街にある保育園とは思えない、おかしな状況に驚くばかりです。保活もしないで、認可外なら入れるだろうと思っているのでしょうか。</p>