保育園経営者なのに評価は「鼻糞レベル」!? 高級住宅街の土地購入奮闘記

kadokawa59.jpg
これが購入した土地。これからはローン地獄。住宅ローンは子どもが生まれて、生活の見通しが立ってから組むのが正解です。ローン組んだ後に子どもができて、その上クビになったら笑えないですから

 昨年、お受験と仕事に追われつつ、実はもう1つ同時進行で行っていたことがありました。今まで目を背けていたことなのですが、気づけば母親も高齢です。父親は若い女と一昨年再婚したので、看る義務はありませんが、母親はひとり暮らし。私は結婚する前に31歳で世田谷区にマンションを購入したものの、奥歯にものが挟まったような気持ちで生活をしていました。母に同居をせがまれたわけではないですが、「そろそろ同居かな」と漠然と考えていたところ、娘が「おばあちゃんと住みたい!」「おうちの中に階段があるところに住みたい」と昨年6月頃に言いだして、同居のための土地探しが始まりました。

 一軒家を購入するなら、生まれ育った街で暮らしたいと思っていたので、狭いエリアで物件探しをしていたところ、同級生のお隣に土地を発見。しかも母親同士仲が良く、よく遊びに行っていた同級生なので、心配の近隣トラブルは起こらないと確信できます。建てたいハウスメーカーの建物が入る地形だし、高台のため晴れていれば富士山が見えるし……ですが、高台=崖地なので、擁壁だけで4,000万円の見積もり(マンション買えるよね)。高級住宅街なのでそれなりのお値段ですが、申し込みをすることにしました。

子どもの習い事で遭遇! 聞くに堪えない、富裕層ママの悪口や自慢話

kadokawa58.jpg
伊勢丹のスクールユニフォームコーナーは、有名私立合格者の幸せオーラでいっぱい

 先週、入学する小学校の第1回父母連絡会がありました。やはり日時は平日の13時半~16時という、子どもの預け先に困る時間帯に行われました。学校からのお便りには、「保護者向けの連絡会のため、やむを得ずお子様を連れてくる場合は保護者のそばにいるようお願いします」とのこと。受験と違い合否には関係がない問題ですが、大学院まである学校にこれからお世話になるのに、子どもを連れて行って、万が一子どもがバカ騒ぎでもしたら、しょっぱなから印象悪すぎです。

 うちは保育園なので、子どもがインフルエンザにならない限り預け先には困らないのですが、幼稚園児は祖父母にお迎えを頼むか、ママ友に頼むか、保育施設の一時利用しか方法はないですよね。もし自分が幼稚園児ママなら、ママ友に頼むのは気が引けます。子どもが有名校に合格したママなら寛容な気持ちになっているので、頼みやすいですが、希望校に合格しなかったママには頼み難いかも。

広尾はなぜ幼児だらけなのか? お受験の暗黙のルールが生み出すビジネス

kadokawa57.jpg
クリスマス会で、うちの保育園でアルバイトをしている月村麗華ちゃん率いるアイドルグループ「アリス十番」にライブをしてもらいました。女の子たちはアニメ『プリキュア』や『アイカツ!』の影響で、アイドルに憧れています

 あけましておめでとうございます。去年は保育園2周年、怒涛のお受験、日々の仕事……あっという間に過ぎていってしまいました。我が身のケアは無理やり時間を作って週1の加圧トレーニングと、忘れた頃にボトックス注射をするくらいで、健康管理もあまりできていません。食事もおいしいと感じて食べるというより、エサを食べているという感覚。ですが、「東京カレンダー」(東京カレンダー株式会社)などのグルメ雑誌を読むと、「おいしい店に行きたいな」という人間としての本能が残っているので、まだまだしぶとく生きられそうです(笑)。

 気がついたことなのですが、小学校受験はもちろんのこと、幼稚園お受験も「学校説明会の時子どもを誰に預けるか」という問題が浮上します。学校説明会は平日に行われることが多く、開始・終了時間も学校によってまちまち。専業主婦で子どもが幼稚園にいる間に行こうと思っても、お迎えの時間に間に合わない場合もあります。祖父母が近所に住んでいるならともかく、いない人も多いし、ママ友に頼むのも気が引けますよね。「どこの学校説明会に行くの?」と聞かれて、答えないわけにはいきませんから。学校説明会は両親とも参加したほうが学校側のウケもいいし、試験の際に面接で夫に質問されることも多いので、夫の練習の場としても学校説明会から両親で行ったほうが確実にいいです。そうなるとやっぱり、「子どもは誰がみるのか」が問題。

耳が聞こえなくなっても、がんと闘病中でも、我が子に小学校受験をさせたい理由

kadokawa56.jpg
お受験の発表には校内貼りだし、郵送、ネットがあり、親が一番ラクだったのはネットでした

 お受験戦争が落ち着いて、やっと日常を取り戻しました。保育園の保護者はこのコラムを読んでいるみたいで、「合格おめでとうございます。コラム読みました!」と声を掛けてくださることが多く、たいへんうれしいです(「合格おめでとう」よりコラムを読んでくれている事実がうれしいという意味)。読者の方には、私はお受験や保育園経営、タレント活動、ライター業……なんでもこなすへこたれない母親といった印象を持たれているかもしれませんが、受験はほんとにキツかったですよ。

 年中の夏に最初にお教室へ連れていったとき、我が子のできなさ加減にびっくりして卒倒。遅れを取り戻すために必死になりましたが、やり過ぎて子どもに負荷が掛かり、「受験やんない」と言われるのが怖く、さじ加減が大変でした。その頃、ストレスで耳管開放症という病気になり、耳が水の中にいるような潜水状態になってしまい、日常の会話も苦痛になっていました。耳が聞こえないせいで、自分の発音した声が変らしく、婿にも「今日は耳が聞こえないね」と言われる始末。それでも毎日仕事には行かないといけないし、具合が悪いことを悟られてはいけないと思い込んでいました。「耳が病気の人が経営する保育園なんて、安全でないと思われる。その原因がメンタルからくるものとなれば、なおさら……普通に話さなきゃ」と思い込むほど追い詰められていました。バカですよね。

母親同士の探り合いとは無縁でいられたけど……WMのお受験は日常生活が大切!

kadokawa55.jpg
受験が終わって2キロも太った娘。2週間保育園を休んでいたらトン子ちゃんになってしまいました。駒沢の森こども園は運動に力を入れてるからね!

 受験が終わって約1カ月。他のお母さんたちの情報が集まってきて、傾向がわかりおもしろくなってきました。母親が働きながらお受験対策をするのは、時間的、体力的に大変ですが可能でした。働いている角川家がお受験対策として日常生活の中で行っていたことを紹介したいと思います。

●平日の食事は全て手作り

 から揚げは肉を買ってきて、から揚げ粉をまぶし油で揚げました。いちいち面倒だったのですが、デパ地下での購入も一切やめました。案の定、面接で「お母さんの作る料理でなにが一番好き?」という質問が出て、「大根の味噌汁」と答え突破(笑)。「チキンナゲット」と答えた人は×でした。そのお母さんは面接対策としてシュウマイ作りを手伝わせていたのですが、受験に向かう電車の中で「終わったらマックのナゲットを食べようね」と話した直近の内容がお子さんにとって印象的だったのか、思わず「チキンナゲット」と答えたようです。ナゲットは、お店で買ってきたor冷凍食品と思われるからダメなのでしょうね。

お受験終了! 「働くママは不合格」「バーキンを持っていけば合格」はウソだった

kadokawa53.jpg
受験前日の保育園でハロウィンイベント。今年も親子でコスプレです。ドレスを特注したお子さんもいました(笑)

 1年半の準備期間を経て、やっとお受験が終了しました。複数校合格し、日本一お坊ちゃんお嬢さんの(成り上がりはいません)多い共学校に春から通うことになりました。今の感想は「疲れた」につきます。実は、受験直前の10月22日、公園でお友達が誤って石を落とし、その下で遊んでいた娘の指に石が当たり、右手人差し指を骨折してしまうという事故が起きたのでした。病院に連れて行った私は、待合室にいる時「もう受験は終わった」と絶望……。

 最初に行った病院は「骨折は固定」という考えだったので、夕方に超音波や電気を使って早く治す、スポーツ選手が多く通う病院をあらためて受診。翌日から毎日リハビリに通いました。受験する小学校は全校、絵画、はさみ、体操があるので、4日目からお教室に復帰し、左手やそのほかの指を使ってできるように特訓しました。娘自身「ぜったい受かる!」と言いながら、受験の前日までリハビリに行ってからお教室に通いました。

台風でも通常営業、保育園としての課題は子どもの安全と人員確保

kadokdawa52.jpg
日替わりでアクティビティがあるので、転園者が少ないのかも。アクティビティを通して、子どもたちは体も心も鍛えられます

 10月は台風が立て続けにやってきましたが、保育園は電車が止まろうと予約の時間には開園しなければなりません。うちの保育園でも調理スタッフが定刻に来られないという状況になりましたが、自転車通勤のスタッフが2名と徒歩通勤の私がいたので、なんとかなりました。ですが、ほかの保育園ではどのような対応をしていたかが気になります(横のつながりがないので)。

 一番現実的なのは「タクシーに乗って出勤をしてください」と指示をすることかもしれませんね。今後スタッフを採用する上で、地域雇用はとても大事だと実感しました。震災が起きたとしても同様に、自転車で帰宅できる距離なら雇用主として安心ですし、自分も子どもがいるのに、大渋滞のなかスタッフを一人ひとり車で送っていくのも大変です。もちろん保育園なので、水、食料のストックはありますが、園児全員を保護者に引き渡した後は、スタッフの帰宅の心配をしなければなりません。子どものいるスタッフもいますので、なるべく早く安全に帰宅させることが雇い主の務めとなります。当園ではアルバイトを採用する時、交通費の負担を減らすためなるべく近くに住む人を採用してきました(現役アイドルは別ですが)。しかし、正社員になるといい人材を選ぶことが重要となるので、近くに住んでいるからといって安易に採用するのは危険すぎます。バランスが難しいですね。

オシャレな靴にイスでの食事、母親が求めることは子どもの成長を妨げます!

kadokawa52.jpg
靴持ちの我が子ですが、小さいときから自分で脱着できる靴だけを買っていました。手伝わないで待つことが重要ですよ、お母さん!

 受験直前、ひさびさに熱を出しました(私です、娘は元気)。受験以外にも仕事のことなど考えることが多く、たぶんストレスです、きっとね。娘は来年4月から小学生になり、自分の子どものために作った保育園は必要なくなります。ありがたいことにこの保育園を必要としてくれる保護者やスタッフがいるので今後も運営を続けるのですが、これから先、自分のモチベーションを保つにはどうすればいいのか、わからなくなってしまいました。

 自分たちの接し方で、子どもたちの能力を引き出したり、生きる力を培っていかせることができるので、すごくおもしろいですよ。ですが、子どものためを思ってすることが、園児の母親からすると「迷惑」と思われているような気がしてならないのです。

気合で発奮させる! 角川家はアニマル式教育法でお受験を乗り越えます

kadokawa51.jpg
いつも保育園ではTシャツ短パンのため、受験服への慣れが必要です。11月からはお教室で親子ともに受験服の着用が求められています。「ガリガリくん、当たったよ!」

 まさにお受験直前! 感染症に超敏感になりながら、我が子ともども保育園生活を送っています。詳しいお話はお受験が終わってから、いろいろ書いてみたいと思っています(自粛中)。

 先日、保育園のすぐ近くのカフェで、胸が痛くなる場面に遭遇しました。3歳くらいの男の子が、母親と一緒に食事をしていました。男の子は少しふざけていて、体を動かした勢いで飲みものをザーッとこぼしてしまいました。よくある光景ですよね。ですが、母親の対応がすごかった! 「なにをやっているの!」と声をあげて、男の子の太ももをバチンと叩いたのです。男の子は泣きながら「ごめんなさい、ごめんなさい」と何度も言ったのですが、母親の機嫌が直らず(子どもっぽい母親ですね)、周囲の目が気になったのか店を出て行きました。

 おせっかいと知りつつも、行き過ぎた虐待に発展したら止めなければと思い、親子の後をつけました(虐待死は周囲が気づけば止められると思っています)。その後も母親は男の子をなじり、何度も「ごめんなさい、ごめんなさい、許して」という男の子の声が聞こえました。その声から、日常的に母親が度を越えて叱っていることが見てとれ、泣きそうになりました。子どもに、そんなこと言わせてはだめ。叱ったことを引きずってはだめです。よくこの男の子は耐えていますよ。逃げ道のない男の子を抱きしめたくなりました。

 そして、親子は高級分譲マンションに消えていきました。母親は育児で疲れているのでしょうか。母親には妻という顔もあり、夫との関係、実の両親、夫の両親、健康の心配、経済の心配……爆発しそうになっているのはよくわかります。でも、子どもには絶対手をあげてはいけないのです。未就学児に手をあげたら捕まるような法律にならないかなと、個人的には思いますが……。

■手をあげても成績が上がるわけではありません

 仲のいいお母さんで、子どもがお受験用のペーパーができないので、イライラして手をあげた人がいます。そのお母さん自身「手をあげず冷静に指導できる夫が教えた方ができるようになった」と言っていました。手をあげたから、なにかができるようになるわけではないんです。以前、幼児教室の中に子どもに手をあげる父親がいましたが、春の時点で思ったより成績が伸びず、志望校を変更したそうです。手をあげてなにかが解決できるとは思えませんし、萎縮して逆効果になるのでは? と思います。

 現代は「褒めて伸ばす」という教育方針が主流ですが、角川家はちょっと変わった教育法を行っています。私は大学と大学院で臨床心理を専攻していて、児童心理はあんまり強くないですが、心理学自体は得意です。例えば受験に関することで、できることをやらなかった場合。「お金もったいないから、塾をやめようか。これだと受けても合格しないからさ」「ごめんね、受験をさせようとして。○○ちゃんには無理だったよね。普通の小学校に行こうね」と、あえて優しい言い方をします。すると子どもの方から、「やれる、やれるってば! 受験させてください! 絶対受かるもん」と泣きながら懇願されました。それからは、できることは全力で取り組む子になりましたね(笑)。

 また、うちはアニマル浜口式なので、お教室に行く直前や模試の直前は「やれんのか!(うん)やれんのか!(うん)やれんのか!(うん)」といった、X JAPANを彷彿とさせる合いの手が入った儀式を行っています(婿担当)。最近は本人から「お父さん、気合入れて」と言ってきます。いいのか悪いのか、よくわかりませんが、最難関校の模試成績がC判定→A判定になり、勝気な娘には合っていたようです。「褒めて伸ばす」教育方針とは確実に違っている角川家ですが、普段はマンガ『おぼっちゃまくん』(小学館)のお父さんのような、愛し方ですよ(笑)。家庭によって教育方法は自由でいいですが、戸塚ヨットスクール式は反対です。本番どうなるかわかりませんが、とにかく元気で受験の日を迎えてくれればいいなと思っています!

角川慶子(かどかわ・けいこ)
1973年、東京都生まれ。「角川春樹事務所」会長・角川春樹氏の長女。自身も元アイドルという異色の肩書きに加えて、ビジュアル系バンド好きで、元バンギャルの"鬼畜ライター"としても活躍。2011年9月1日に「駒沢の森こども園」をオープンさせる。家庭では5歳の愛娘の子育てに奮闘中。

開園2周年、育児放棄に過保護……これまでに出会ったトンデモ親子たち

kadokawa50.jpg
小学生もいる保育園なので、子どものあだ名を管理するのは無理かと思いますよ、お母様

 シロウト保育園、オープンして2年がたちました。右も左もわからない状態から始めましたが、大きなトラブルはなく、無事毎日が過ぎていっています。会社としては着実に大きくなり、まだ先ですが再来年9月を目標に2号園をオープンさせる予定でもあります。

 「駒沢の森こども園」は最初からスタッフがいたので、箱と園児を集めれば成り立ちました。ですが、これからは採用も私の仕事となり、いろいろと考えることが多そうな予感。なまじいろんなものが視えてしまうので(霊視)、困りものなのです。一般的には、いいエネルギーの人だけを入れれば問題ないと思われがちですが、プライベートに問題のある人をあえて入れる方が、会社としてうまく行くこともあります。例えば、面接で旦那が家にお金を入れなくて困っているビジョンが見えたとします。そのような経済的問題を抱えている方が、がんばって働きますし、残業を喜んでやってくれますよね。これも程度問題で、負エネルギーは子どもに悪影響がありますし、負エネルギーのところへは人もお金も集まりません。本人はプラスエネルギーなのに、暗い部分があって、それが就業意欲につながればいいという感じです。