覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。
■大量の覚醒剤による急性中毒死
この記事がアップされる頃は、もう犯人がわかってますかね。そう、紀州のドン・ファン不審死事件です。お屋敷内には監視カメラが何台もあったそうですから、不審者はバッチリ映ってると思われます。
それにしても、大量の覚醒剤による急性中毒死なんて、なかなかないですよね。しかも、奥様が発見した時にはもう死後硬直が始まってたのに、「ドンドン」と床を踏み鳴らすような音がしたそうです。音を聞いた家政婦さんから「ご主人が呼んでますよ」と言われた奥様が2階に行くと、亡くならはってたんですね。しかも椅子に座った状態で下半身は露出。ほんまにサスペンス劇場みたいです。
普通に考えたら、奥様が怪しすぎですね。メディアもそういう方向で、一緒にいた家政婦さんとともに、すでに犯人扱いです。プライバシーも何もありませんね。
ぶっちゃけ私も奥様と家政婦さんの犯行説を取らざるを得ません。ただ、奥様がやるんなら、もう少し別のやり方じゃないとまずい気もします。疑われるに決まってますやん。まあ報道やと、奥様は実家とも疎遠で、ドン・ファン氏との結婚の報告もしてなかったようで、もともとちょっと変わってはる方ではあるようです。
■ビールとかコーヒーは、シャブの苦みを消せる
テレビでドン・ファン氏の訃報を知った時、最初は「これはカプセルかな?」と思いました。知り合いにもカプセルにシャブを仕込んでいる売人がけっこういてましたしね。普段使ってない人にムリに飲ませるなら、カプセルが一番です。でも、胃の中にはカプセルの形跡がなかったという話が出回ってますね。
ドン・ファン氏はいつも栄養ドリンクを飲んでいたそうで、それに入れられたのではないかちゅう話です。栄養ドリンクのほか、ビールとかコーヒーとか、苦みや甘みのあるものは、シャブの苦みを消せるんですよね。まあ問題は、誰が入れたか……ですが。いずれにしろ急性の中毒なら、絶命までに相当もがき苦しんだと思いますよ。私もオーバードーズ(OD=薬物の過剰摂取)の経験はありますが、ほんまに苦しくて、死ぬかと思いましたから。おかげさまで、まだ生きてますけど(笑)。
覚醒剤やヘロインなど違法の薬物でなくても、向精神薬や鎮痛剤などを過剰に摂取することで意識がもうろうとなったり、気絶したり、頭痛や吐き気、震えにおそわれることはあります。記憶障害もあるし、もちろんサイアク死ぬこともあります。死ぬほどではなくても、脳や手足に障害が残ることもあります。今思えば、自分も一歩間違えば死ぬ世界にいたというのは、我ながら呆れますね。
獄中(なか)で知り合ったコには、そういう経験のあるコも多く、たまにみんなでOD自慢をしていました。あるコは、キメセクしてたカレがODで意識を失った時に、「お風呂に入れて体を温めた」と言っていました。心臓が弱い人なら死んでたのと違いますかね。でも、彼女いわく体温が下がるのが一番アカンそうです。
「幸い意識は戻ったけど、今度は暑いとか寒いとか痛いとか言って暴れるんで、3日くらい睡眠薬を打って寝かせといた。今もカレはピンピンしてるけど、あの時はビビったわー」と笑っていました。若かったからでしょうか。皆さんはマネしちゃだめですよ。
ちなみに知り合いによると、ドン・ファン氏の地元である和歌山・田辺市でも覚醒剤の入手は可能だそうです。とはいえ狭い街ですから、もしめっちゃ目立つ美人妻が覚醒剤を買ってたらバレバレですよね。田辺で買うことはないと思います。奥様はほとんど東京にいたそうですし、もし入手するとしたら、ルートは東京の方がカタいでしょう。
地元の「元不良」たちの間でも、この話で持ち切りです。「ようこんなバレバレのこと(人殺し)ができるな」と、「奥様犯人説」がほとんどですが、むしろ「(ドン・ファンにとっては)本望やん」との意見も多いです。
「女が欲しくて稼ぎまくって、最後は美人妻に殺されるなんてオトコの夢。天国で喜んでると思う」
そうですかねえ。でも、まだ奥様が犯人と決まったわけでもないし。少し前に怪死していたというワンちゃんも気の毒ですが、天国でご主人と楽しく暮らせたらいいですね。
中野瑠美(なかの・るみ)
1972年大阪・堺市生まれ。特技は料理。趣味はジェットスキーとゴルフ。『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)や『新・情報7daysニュースキャスター』(TBS系)などへの出演でも注目を集める。経営するラウンジ「祭(まつり)」
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