「ジャニーズの暗部をすべて抱えて去った」前副社長・白波瀬傑氏に見る、絶対的な忠誠心

 9月7日、創業者・ジャニー喜多川氏(2019年に死去)の性加害問題をめぐり、ジャニーズ事務所が会見を行った。同問題の隠ぺい以外にも、同社が抱えるさまざまな問題が浮上する中、取材陣からは副社長を務めていた白波瀬傑氏の責任について、厳しい指摘が相次いだ。

 白波瀬氏は会見の2日前、藤島ジュリー景子氏の社長辞任、東山紀之の新社長就任と同時に、引責辞任していたことが判明。しかし、現役のジャニーズ関係者では最古参である白波瀬氏が、一連の問題について沈黙したまま、会見にも出席しなかったことには、報道陣並びにネット上から批判が噴出している。

 先月29日に再発防止特別チームが公表した調査報告内でも、白波瀬氏についての記述は多数見受けられた。ジュリー氏のように辞任を求められてこそいないものの、同氏は今年になって代表取締役に就任しており、実質的にジャニーズ事務所はジュリー氏と白波瀬氏のツートップ体制だったことも明らかに。

「白波瀬氏は70年代に渡辺プロダクションからジャニーズに移籍し、藤島メリー氏(前名誉会長、21年に死去)の直属で、豊川誕ら当時のジャニーズ所属タレントのマネジメントを行っていました。その後、宣伝部署のトップになると、専務取締役、取締役副社長、最終的に今年1月に副社長のまま代表取締役にまで登りつめ、それでもなお現場に立ち続けてきた生粋の叩き上げ。調査報告では、主に宣伝業務を担当していたとされていますが、スポーツ紙や週刊誌、情報番組など、芸能メディアの窓口業務を一手に担っていたことでも有名です」(週刊誌記者)

 かねてより芸能界では、芸能プロでマスコミ対応を行うポジションの人物を“番頭”と呼称する文化があり、会見中も記者が、白波瀬氏を「番頭」と呼ぶ場面があった。

「白波瀬氏は、ジャニー氏による性加害に関して『最近になって認識した』という調査結果が出ています。しかし、それ以上に会見で問題視されたのは、彼がメディアに対して圧力をかけ続け、ジャニーズに有利な状況を作りだしていたのではないかという疑惑。現在でもテレビ局をはじめ、ジャニーズに忖度するメディアが残っている現状について、井ノ原快彦は『白波瀬さんも、(ジャニーズ以外のタレントを番組に起用するのは)止めろと最初は言ったかもしれない。ただ、その後はずっとそれが続いているだけ。それを正さないといけない』と踏み込んだ発言をしていました」(同)

白波瀬傑氏は、メリー氏に絶対に逆らえない? 2人の主従関係

 ジャニーズがこれまでに特定のメディアとのみ懇意な関係を築き、意図的に情報を操作していたことは紛れもない事実。アメとムチの“アメ”をもらえていないメディアからすれば、白波瀬氏に対してここぞとばかりに批判的になるのは当然だろう。

「その結果、ジャニー、メリー両氏がこの世を去り、またジュリー氏が辞任した今、白波瀬氏は“諸悪の根源”として、会見中に記者から猛批判を受けました。ただ、メディアへの圧力を主導していたのはメリー氏なのは間違いなく、白波瀬氏はその罪を一身に引き受けた格好にも見える。会見場にさえ姿を見せなかった白波瀬氏は、ジャニー・メリー体制が生んだジャニーズの暗部を、すべて抱え込んで去っていったといえるでしょう」(テレビ局関係者)

 ジャニー、メリー両氏の生前から、白波瀬氏のジャニーズ事務所への忠誠は絶対的なものだったといわれる。特にメリー氏には「絶対に逆らえないというか、2人の間には確固たる主従関係があるように見えた」(同)という。

「ただ、彼が半世紀にもわたり、この仕事を続けてきたのは、“ジャニーズ愛”があってのことでしょう。メディアとの折衝だけにとどまらず、直近でも、タレントのグラビアの打ち合わせ、舞台・コンサートの宣伝や観劇、ジャニーズJr.のプロモーションに奔走していましたから。これらはやはり、紛うことなき“ジャニーズ愛”がなければ務まらない業務だと思います」(同)

 白波瀬氏は現在70代半ば。彼が去り、現社長の東山、取締役の面々も50代が中心となって、図らずもジャニーズ事務所は世代交代が果たされることになった。

 新世代の経営陣には、白波瀬氏をスケープゴート扱いにして終わりとせず、誰からも愛される新たなジャニーズ事務所をつくり上げていってほしい。

ジャニーズ会見5つの裏側――東山とジュリー氏に台本? 井ノ原がコメントを飛ばされたワケ

 創業者・ジャニー喜多川氏(2019年に死去)の性加害問題について、ジャニーズ事務所が9月7日、都内ホテルで記者会見を開催した。

 同会見には、藤島ジュリー景子氏、東山紀之、井ノ原快彦、西村あさひ法律事務所の木目田裕弁護士が登壇。ジュリー氏が社長の座を退き、東山が新社長に就任したことを発表した。なお、ジュリー氏は被害者の補償、救済のため代表取締役として残留、一方の東山は年内いっぱいでタレントを引退することも明かした。

 この会見は、テレビ各局が生中継を行い、各新聞社やネットメディアも登壇者の様子や発言などを盛んに報じているが、今回サイゾーウーマンは、当日の現場で何が起きていたのか、“会見の裏側”をお伝えする。

【ジャニーズ会見の裏側1】会場オープン、最初に登壇したのは……?

 記者席での撮影可否をめぐり、主催者側の通達が二転三転するなど、あまり仕切りがいいとは言えない状況で開始時間を迎えた同会見。まず、舞台上に姿を見せたのは、黒スーツに蝶ネクタイをした2人の男性だった。

 彼らが何をするかと思えば、登壇者それぞれの席に「井ノ原快彦」「藤島ジュリー景子」「東山紀之」、そして木目田氏の順で、名前の書かれたネームプレートを設置。ジャニーズ事務所は会見の登壇者について、事前に一切明かしていなかっただけに、ここで初めて誰が登場するかがわかった格好だ。

 ジュリー氏と東山の登壇は事前に予想されていたものの、井ノ原に関しては“サプライズ”。同社の副社長に就任したというわけでなく、あくまでジャニーズアイランド社長として登場しただけに、驚いた報道陣も少なくなかった。

 ちなみに会見場が開場した段階で、登壇者用のイスが4脚、テーブルにはフタ付きのコップが置かれており、うち1つにはストローが刺さっていたため、その時点で、報道陣の間では「女性が登壇する」……つまりジュリー氏が姿を現すことは決定的だという空気が流れていた。

【ジャニーズ会見の裏側2】井ノ原快彦、会見冒頭はしゃべらず――登壇は土壇場で決まったのか?

 毅然としつつも、時折、柔和な表情を見せたり、今回の性加害問題に対する自身の反省や今後の対応について、わかりやすい言葉で説明した井ノ原。ネット上では、「東山以上に説得力がある」「真摯な対応を見せてくれた」などと、称賛する声が相次いでいる。

 しかし会見の事前練習に励んでいたとみられるジュリー氏、東山と違い、井ノ原は土壇場で参加が決まったような印象を受けた。

 というのも、会見冒頭の謝罪や今後の対応の説明は、ほぼジュリー氏と東山が行い、その話しぶりはまるで何度も読み込んだ台本のセリフを口にするようだったが、一方で井ノ原が口を開いたのは、会見開始から20分以上経過してから。記者からの質問に「はい、井ノ原です」とあいさつをして話し始めた。

 その後、井ノ原が自ら進んで意見を発言したのも、それからしばらく時間がたってのことだった。登壇者の手元には台本のようなものが確認でき、そこには想定される質問の回答が記されていたように見えたが、そのほとんどがジュリー氏と東山用で、急きょ参加が決まった井ノ原用のものは少なく、記者から指名されないと回答できない……ということだったのかもしれない。

 想定問答が尽きたであろう中盤以降は、井ノ原が水を得た魚のようにコメントする場面が増えていった印象だった。

【ジャニーズ会見の裏側3】井ノ原快彦、コメントを司会者に飛ばされまくる

 質疑応答中、ジュリー氏や東山のコメントが終わったところで、司会者の女性が井ノ原の発言を遮るように「次の質問は……」と進行してしまうアクシデントが続出。記者が「井ノ原さんも……」と声をかけ、井ノ原が「僕も(しゃべって)いいですか?」と断りを入れるシーンが何度もあった。

 実際、生中継を見ているネットユーザーからも、その点には多数のツッコミが飛び交っていたようだ。

 これもおそらく、想定質問に対し、「ジュリーがこうコメントする」「続いて東山がこう締める」という流れが事前に決まっており、土壇場で参加することになった井ノ原の発言が、その進行に含まれていなかったために発生した事態ではないだろうか。

 会見において、こうした想定質問と回答の準備はつきものではあるが、想定外の質問に対し、登壇者がうまく対応できない場面も。

 ジャニーズという屋号を変えないという点について、記者(作家・本間龍氏)から「ヒトラー株式会社とか、スターリン株式会社なんて存在しない。それに匹敵するほどの罪を犯した自覚が足りないのでは」という厳しい指摘が出た際、東山が「おっしゃる通り」としたうえで、「ただ、僕らはファンの方に支えられている」とし、要領を得ない回答を見せたのも、その一例だろう。

 東山とジュリー氏は「所属タレントとオーナー」という関係にある。そのため記者からは、今後も経営上、東山はジュリー氏に忖度するのではないかという質問も飛び出したが、東山は明確に否定。かつて両者にささやかれた“交際説”をも一蹴するかのような勢いだった。

 そんな東山は会見中、ジュリー氏のことを「藤島」と呼んでいたものの、突然「ジュリー」呼びをする場面が何度かあった。報道陣が名誉会長を務めた藤島メリー氏(21年に死去)と混同してしまうかもしれない、という配慮からあえてそうしたのかと思ったが、その後もたびたび、ジュリー呼びを藤島に訂正する流れがあったため、普段はジュリーと呼んでいるのだろう。こうした呼び名から、2人が対等な関係性であることがうかがい知れた。

【ジャニーズ会見の裏側5】報道陣からもヒンシュク、“割り込み”“長尺”三人衆

 会見中、ネットユーザーの間で批判の的になっていたのが、質疑応答中に割り込んだり、司会者から指されないと文句を言い放った3人の記者たちだ。実際、会見場でも白い目で見られるシーンが多かった。

 1人目は、「そっちばかりでおかしいだろ!」と、自分の座っているブロックの記者に質問権が回ってこないことに文句をつけた「Arc times」の尾形聡彦氏。これに井ノ原が「では今の質問が終わったら次に……」と助け舟を出してしまったが最後、次々と“割り込み質問”が発生する事態になった。

 2人目は、長い質問を繰り返し、記者席からも「もういいだろ!」というヤジが飛んだ「東京新聞」の望月衣塑子氏。彼女は、5日付で退任していた前副社長・白波瀬傑氏が、なぜ記者会見に出てこないのかという点を何度も質問していたが、これにより、彼は一躍“時の人”となった。

 白波瀬氏は、アメとムチを使い分けてメディアを懐柔した人物とされているが、これまでアメを与えてきたのは、あくまで限られた媒体や記者だけ。一般紙はむしろ取材をスルーされることのほうが多かった。望月氏は常々その点に憤り、“復讐心”をたぎらせていたのかもしれない。

 そして3人目は、ジャーナリストの松谷創一郎氏。質疑応答中に割り込んだわけではないものの、独特な挙手の仕方で、報道陣を驚かせた。

 望月氏の隣の席で、ずっと挙手していた松谷氏は、途中で司会者が質問者を選んでいる間に“指パッチン”をしてアピールするように。そしていざ指名されると、テレビ朝日がジャニーズサイドに忖度を続けていると話し出したのだが、周囲の記者からは「ジャニーズよりもテレビ朝日に聞けよ」と指摘されていた。

 さらに、この質問に乗っかって、望月氏が「今日もテレビ朝日は中継していません!」と発言すると、東山に「放送しているようです」と即座に言い返される一幕も。これに松谷氏は、笑顔で望月氏に“肩パン”を入れ、ツッコんでいたのだった。

 なお、松谷氏は望月氏へのツッコミから程なくして会見場を後に。今回の会見を受けて行われていた「ジャニーズ性加害問題当事者の会」の会見に向かったとみられる。

 今回のジャニーズ側の会見では、同社が、初めてジャニー氏の性加害を公式に認めることに。今後はスポンサーがジャニーズとの取り引きを見合わせ、テレビ局も起用を見送るなど、状況は目に見えて変わることも予想される。東山による新たなジャニーズ事務所は、果たしてファンの期待に応えることができるだろうか。

ジャニーズ事務所の新社長、東山紀之の就任はアリorナシ?

 

 9月7日に開かれたジャニーズ事務所の会見で、9月5日付けで新社長に就任したと発表された東山紀之。少年隊の一員として現在も活躍をする中、思わぬ抜てきとなりましたが、タレント活動は年内で終了するとのこと。10月にはジャニーズ事務所の新体制が発表されることも明らかになり、東山新社長のもとでの動向に注目が集まっています。

 ネット上では東山の社長就任が賛否を呼んでいますが、ジャニーズファンの意見は……? 今回は、「ジャニーズ事務所の新社長、東山紀之の就任はあり?」について、みなさんの意見を聞かせてください。なお「ほかのタレントがいい」を選択の場合はそのタレント名もコメントで記入してください。

回答締め切り:9月10日24時

ジュリー氏、社長辞任へ――ジャニーズ事務所の後継者は誰になる? 「なにわ男子の大ファン」の長女は?

 創業者・ジャニー喜多川氏(2019年に死去)による性加害問題について、ジャニーズ事務所が設置した再発防止特別チームが8月29日に記者会見を行い、藤島ジュリー景子社長の辞任を提言した。19年、ジャニー氏の死去から2カ月後となる9月の役員人事で、社長就任が正式発表されたジュリー氏。わずか4年で辞任を要求されることとなったが、早くも芸能界隈では“後継者”についてさまざまな説が飛び交っているようだ。

 今回の会見では、ジャニー氏による未成年のジャニーズJr.に対する性加害が多数認定されたことや、同社名誉会長を務めた姉のメリー喜多川氏(21年に死去)がそれを放置し、隠蔽してきたこと、さらにジュリー氏含め、事務所も性加害を認識していたと思われることなど、踏み込んだ調査結果が複数発表された。

「当初、世間では『たとえ調査を行っても、ジャニーズの不利になる内容は出てこないのでは』という見方も強かっただけに、今回の結果には驚きの声が出ています。なお、特別チームは、ジュリー社長に関しても、辞任すべきと提言しました」(スポーツ紙記者)

 会見で特別チームは「経営トップたる代表取締役社長を交代する必要があり、ジュリー氏は、代表取締役社長を辞任すべきと考える」と明言。同問題の根本にあった“同族経営”の弊害も解消できることから、ジュリー氏の退任はやむを得ないこととなりそうだ。

「マスコミ界隈では、ジュリー氏が昨年時点で社長交代を希望していたという話もささやかれており、そんな中で今回の性加害問題が勃発したことから、一気に退任説が強まることに。一度は周囲の説得もあって、ジュリー氏はこれを翻したものの、もはやこの状況下では、彼女も『辞任以外、道はない』という結論に至ったのでしょう」(同)

藤島ジュリー景子社長の後を継ぐ者は誰か?

 気になる次期社長については、「外部招聘が予想されている」(同)そうだ。

「かねてから後継者と目されてきたのはジュリー氏の長女ですが、彼女はまだ10代。しかも特別チームが、この問題の背景に同族経営の弊害を指摘していることから、彼女が後任になる線はあり得ない。また血縁者以外の事務所上層部も、一連の問題に少なからず関わりがあることから、新社長に抜てきするというわけにはいかないでしょう」(同)

 「週刊文春」(文藝春秋)で、「なにわ男子のファン」と報じられたこともあるジュリー氏の長女は、すでにスタッフとして事務所運営に関わる業務もこなしているといわれる。「同族経営」はメリー氏が公言していたことでもあるだけに、「長女は幼少期から『次期社長』として育てられていても不思議ではない」(同)とのこと。

 今すぐ母の後を継ぐことはなくとも、ゆくゆくはその座に就く可能性はあるのだろうか。

「それがたとえ10年以上先の話であったとしても、やはり世間からの反発は大きいでしょうし、何よりもジュリー氏がストップを掛けるのではないでしょうか。ジュリー氏が社長に就任して以降の4年間、ジャニーズはタレントの不祥事や退所、影響力の低下が叫ばれるなど、苦難続きだった。その苦労を愛娘に負わせようとは思わないでしょうからね。世間が期待している通りに、喜多川家・藤島家はジャニーズから“消える”ことになるとみられます」(広告代理店関係者)

 ジャニーズ事務所は今回の調査結果を受けて、自社でもできるだけ早く記者会見すると述べている。そこでジュリー氏の退任、また後継者についても発表されるのだろうか。

平野紫耀ら退所の“内幕”記事がきっかけ――なぜ「文春」はジャニーズを徹底糾弾したのか?


 ジャニーズ事務所創業者・ジャニー喜多川氏(2019年に死去)をめぐる性虐待問題が表面化して以降、性被害者の告発や同問題による所属タレントの降板劇などを毎週掲載してきた「週刊文春」(文藝春秋)。しかし、7月27日発売の最新号では、ジャニーズに関するニュース記事が1つも掲載されておらず、これは「編集長の交代の影響によるもの」(スポーツ紙記者)と、マスコミ界隈で指摘されているという。

 3月に英国公共放送・BBCは、ドキュメント番組『Predator: The Secret Scandal of J-Pop』を放送し、ジャニー氏の性加害問題、そしてその問題を日本の主要メディアがほとんど取り上げずにたことを徹底追及。

 一方「文春」は、1999~2000年にかけ総力をあげてこの問題を特集。その後、ジャニーズ側が「文春」を相手に名誉棄損で訴訟を起こし、「文春」側は4つの争点で敗訴したものの、東京高裁がジャニー氏の性的虐待を“真実”と認定していた。

「『文春』はBBCのドキュメントにも協力していましたし、この問題を追及するのは我々の仕事だいう自負があるのでしょう。性被害を受けたという元ジャニーズたちの“告発”記事を連発し、事務所を徹底的に追い込む姿勢を見せてきました。ところが、今月27日発売号には、ジャニーズ関連のニュース記事が1本もなかった。マスコミ関係者の間では『編集長が交代し、さっそく方向転換したのか』とささやかれています」(同)

 近年、「文春」は加藤晃彦氏が編集長を務めていたが、今月から経理局へ異動。これまで特集班デスクだった竹田聖氏がその後任となった。

「雑誌は編集長によってガラリと“色”が変わるもの。どうやら前編集長の加藤氏は、ジャニーズ現社長・藤島ジュリー景子氏や、副社長の白波瀬傑氏を退任させることを最終目標に記事を連発していたそうなのですが、竹田氏はそこまでこの問題に力を入れる方針ではないのでしょう」(同)

ジャニーズに訴えられた「文春」、告発記事連発の理由とは?

 加藤氏がジャニーズの追い込みに執念を燃やしていたのは、同誌がジャニーズ批判の急先鋒であるという自負以外にも、また別の歴然とした理由が存在しているようだ。

「昨年11月4日、King&Prince(以下、キンプリ)から平野紫耀ら3人が脱退・退所すると発表されたことを受け、同10日発売の『文春』は、その内幕を詳報。自身らの進路に悩むキンプリメンバーと面談したジュリー氏が『私のこと嫌いなんでしょ。あんたたちなんか私の手に負えないから知らない』と言い放ったこと、ほかにも昨年10月末をもって事務所を離れた前副社長・滝沢秀明氏とジュリー氏の間に“溝”ができていたことなどが事細かに書かれていました」(同)

 この時、ジャニーズ側は「事実と全く異なる虚偽の内容を多々含む記事であり、法的措置を検討しております」と異例のコメントを発表。のちに「文春」を提訴した。

「当然、『文春』側は面白くありません。そこでジャニーズ側への“報復”として、性加害問題の告発記事を、被害当事者の声を交えて連発するようになった……とわれています。結果として“文春砲”を浴びまくったジャニーズは、今や壊滅的な状態に。マスコミ界隈では『もしあの時、ジャニーズが「文春」を訴えていなかったら、どうなっていたのか』『「文春」のジャニーズ批判もここまで徹底したものにはならなかったはずだし、事務所の存続を揺るがすほどの事態にはなっていなかったのでは』と盛んに指摘されています」(同)

 このたび編集長が代わり、ジャニーズ批判が一旦ストップしたとはいえ、もはや事務所は、安堵できる状況ではない。ジュリー氏は「文春」への提訴について、今どう思っているのだろうか。

ジュリー氏の社長退任を後押し? デヴィ夫人、性被害告発者への二次加害ツイートの波紋

 “デヴィ夫人”ことデヴィ・スカルノ氏が7月18日に自身のTwitterを更新し、ジャニーズ事務所創業者・ジャニー喜多川氏(2019年に死去)の性加害問題に言及。同ツイートはSNS上を中心に波紋を呼んでおり、マスコミ関係者からは「ジャニーズの現社長・藤島ジュリー景子氏は、この事態を受け、心が折れてしまったかも」(スポーツ紙記者)との声が聞こえてくる。

 ジャニー氏には生前から“所属タレントへの性加害疑惑”があったが、今年3月に英国公共放送・BBCの番組がドキュメント番組『Predator: The Secret Scandal of J-Pop』で同疑惑を取り上げ、さらに日本の多くのメディアがこれに沈黙を貫いてきた事実を徹底追及。

 この放送を機に、性被害を受けたという元ジャニーズJr.からの告発が増え、国内でもこの問題が注目を集めるようになった。こうした事態を受け、5月14日にはジュリー氏自らが、顔出しで謝罪動画を公表した。

「同21日にはジャニーズ所属のベテランタレント・東山紀之も、メインキャスターを務める『サンデーLIVE!!』(テレビ朝日系)内でこの件に言及。ジャニー氏から被害を受けた元Jr.の訴えを『勇気ある告白』と語り、被害者はもちろん、現役のジャニーズタレントのことも思いやりながら、『ジャニーズという名前を存続させるべきなのか』と、社名変更案をも口にしたのです」(芸能ライター)

 そして今月18日、ジャニーズ側は公式サイト上で、外部専門家による再発防止特別チームからの提言を受けた上での今後の対応に関して記者会見を行う予定であると発表した。

デヴィ夫人、被害者を二次加害――東山紀之に苦言も

「ネット上では、ジャニーズ批判が鳴りやまない状況ですが、それを少しでも鎮められるかどうかは、次の記者会見の内容次第でしょう。ただ、同日にデヴィ夫人がTwitterでこの問題に口を挟んできたことが、新たな“火種”となってしまっています」(前出・スポーツ紙記者)

 デヴィ夫人はジャニー氏の性加害問題について持論を展開。「ジャニー氏が亡くなってから、我も我もと被害を訴える人が出てきた」「本当に嫌な思いをしたのなら、その時なぜすぐに訴えない」などと、被害者を攻撃し、さらに「東山紀之氏は被害を訴えた元jr.たちの発言を『勇気ある告白』と表現し、『ジャニーズ』という名前の廃止についても言及した。その才能を見出し、育て、スターにしてくれたジャニー氏に対して、恩を仇で返すとはこのことではないか」と、東山にも痛烈に苦言を呈したのだ。

「デヴィ夫人は、世論のジャニーズ批判が高まる中、話題作りのために“逆張り”をしたわけではなく、本心をありのままにツイートしたものと見られますが、告発者に対する二次加害であることは間違いない。SNS上には、『あり得ない』『賛同できません』『恩があっても、被害をなかったことにするのはおかしい』といった批判が噴出し、大炎上となっています」(同)

デヴィ夫人の擁護ツイート、ジュリー氏にとっては「迷惑でしかない」?

 この状況は、ジャニーズ側にとってもマイナスだろう。このジャニー氏擁護ツイートにより、ジャニーズへのバッシングも過熱しているだけに、事務所関係者は頭を抱えているはずだという。

「特にジュリー氏にとっては、迷惑でしかないでしょうね。というのも、彼女はジャニー氏の性加害問題が表面化した当初から、社長退任を考えていたといい、それでも、まずは現状をなんとかすべく対応にあたってきたわけです。にもかかわらず、突然デヴィ夫人に首を突っ込まれ、騒動がさらに激化したとあって、心が折れていても不思議ではない。デヴィ夫人が招いたこの大炎上は、ジュリー氏の社長退任を後押しすることになるかもしれません」(同)

 デヴィ夫人は、東山に苦言を呈した後、Twitterを更新していないが、その沈黙を破る時、一体何をツイートするのだろうか。

サイゾーウーマン ジャニーズ情報専用Twitterアカウント「J担しぃちゃん」オープン

ジャニーズで勃発する内部分裂――ジュリー氏の“革新派”が、古参幹部の“保守派”から反発買うワケ

 ジャニーズ事務所の創業者・ジャニー喜多川社長(2019年死去)による性加害問題について、6月12日に外部専門家による記者会見が開かれた。「外部専門家による再発防止特別チーム」は、座長を務める前検事総長で弁護士の林眞琴氏ら3人で構成され、ジャニー氏による被害の事実認定について今後調査を行っていくという。

 しかし、会見では踏み込んだ内容はほぼなく、あくまで「第三者チームが発足されたこと」を発表した程度のもので、ネット上ではあらためてジャニーズに対する批判が噴出。特に目立つのは、現社長である藤島ジュリー景子氏に対する“会見要請”だが、この中途半端な会見が行われた背景には「ジャニーズ内部の“分裂”が大きく影響している」(テレビ局関係者)ようだ。

 現在、事務所内では、諸問題に関する対応について“革新派”と“保守派”で大きく意見が割れてしまっているという。

「革新派がジュリー社長で、先頃公開された被害者や報道機関に向けての謝罪ビデオメッセージの公開や、外部による調査委員会の設置など、これまでのジャニーズでは考えられなかった措置は、彼女発案のものといわれている。メディアなどで識者から提案される問題解決策にも耳を傾け、前向きに検討しているようです。一方、保守派はジャニーズの古参幹部が筆頭で、これまで通り“ファンファースト”を守りながらも、情報発信は最小限に、組織再編や外部介入などもってのほか、というスタンスなんだとか」(同)

 現状では後手後手で内容も不十分という意見も多いが、問題解決の過程を随時公表していくというジュリー氏のスタンスはまさに、世間の人々が求めているものといえる。しかし、芸能プロやレコード会社、広告代理店など、いわゆる“芸能界”から支持を得ているのは、保守派である幹部サイドだという。

「不祥事は内々で解決し、外部への情報発信は最小限に抑えつつ『ファンには夢を見続けてほしい』という旧態依然とした手法が、現状、業界内では圧倒的に支持を得ている。結果的に、これが『隠蔽』などと批判されてしまっているわけですが……。また、ジュリー氏がブレーンとなっているPR会社の代表など、特定の外部の意見を取り入れすぎていることも、内部で反感を買う一因となっています」(広告代理店関係者)

ジュリー氏はジャニーズ事務所社長を降りたがっていた?

 そもそもジュリー氏は、問題が表面化した時点で、自ら「社長を降りたい」と周囲に漏らしていたのだという。

「トップの辞任や社名変更など、一部で可能性が報じられた措置にしても、大半がジュリー社長とブレーンが考えた道筋のようです。しかし、ジャニーズのプロパーからは猛反発されており、なによりジュリー氏の提案は、『ファン』や『所属タレント』というよりも、『世間』や『マスコミ』に対してのエクスキューズになっている。いずれも本来のジャニーズ事務所のスタンスとはほぼ真逆なだけに、結果的に世間に公表される内容は、革新派と保守派の折衷案的な、その場対応の中途半端なものとなってしまっているんです」(同)

 この状況での不祥事対応は、解決にさらなる時間がかかる上に、余計な揉め事も雪だるま式に増えていく危険性をはらんでいる。現在のジャニーズにとっては、内部統制の整備が大きな課題なのかもしれない。

サイゾーウーマン ジャニーズ情報専用Twitterアカウント「J担しぃちゃん」オープン

ジュリー氏謝罪、ジャニーズ内部から「顔を出すべきじゃなかった」と反発も?

 ジャニー喜多川氏の性加害問題について、ジャニーズ事務所社長である藤島ジュリー景子氏が初めて、公での対応を行った。約1分間の謝罪動画に加えて、メディアからの質問をまとめたQ&Aの文書を公開するという異例の手段に、世間から大きな反響が寄せられている。しかしこれら情報が公開された直後には、各芸能プロ幹部から「まさかあのジュリー氏が顔出しで謝罪するとは」と驚きの声が多数上がったという。

 英国の公共放送・BBCが、ジャニー氏の性虐待問題をめぐるドキュメンタリー番組『Predator:The Secret Scandal of J-Pop』を放送した3月中旬時点、業界内では、ジャニーズ事務所はお決まりの“スルー対応”を貫くものと見られていたそうだ。

「加害者であるジャニー氏は亡くなっているし、何よりこの問題は数十年間、ジャニーズだけでなくメディアも含めて黙殺状態にあったからです。しかし、4月12日、告発者の1人である元ジャニーズJr.カウアン・オカモト(当時は「岡本カウアン」名義で活動)が日本外国特派員協会で記者会見を開いたことで風向きが変わり、ジャニーズ内部からも『近々、事務所としてこの問題の対応を行うことになりそうだ』という声が聞こえてくるようになりました」(テレビ局関係者)

 この時点でも、やはり会見の開催こそ否定的だったというジャニーズサイド。加えて、ジュリー氏の動画公開に関しても内部の反発が大きかったようだ。

「ジャニーズ上層部は表に顔が出ることを極端に避けており、名前を報道されるだけでも強い拒否反応を示します。『自分たちは裏方で、黒子に徹する』という教訓は創業時からのものだそうで、それは現体制でもこのスタンスを貫いている。正直、不祥事が起きた際にはこの言い分を隠れみのにしているフシは否めません。そんな中、事務所のトップが、顔出し動画を世に出したという事実だけで、とてつもない改革と感じました」(芸能プロ関係者)

 一方で、現在でもジャニーズ内部からは「顔を出すべきじゃなかった」という声も出ているのだとか。

「『そっとしておいてほしい』という被害者も確実に存在するし、ジャニー氏がすでに亡くなっているだけに『再発するわけではない』と、現在でも公式見解発表のやり方に対し、否定的な声も聞こえてきます。こうして社内が混乱する中で、ジュリー氏はあえて自分の意志を通して、“晒し者”になる道を選んだのだと見られます」(同)

 しかし、謝罪はすれども事態の真相究明には程遠いというのが実情だろう。

「ほとんどのテレビ局が『取り上げないと視聴者に批判されるから』という理由で、この問題を放送しているのが実情で、今回のジュリー氏の対応も『リスクヘッジのために行っただけ』と捉えられても仕方がありません。それでも、長年にわたる事務所の暗部と向き合ったのは間違いないだけに、この動画での謝罪だけで終わりにしてほしくないですね」(同)

 あまりにも遅すぎた“第一歩”を踏み出したジャニーズ事務所だが、逆風が吹き荒れる中で歩みを進めることはできるのだろうか。

サイゾーウーマン ジャニーズ情報専用Twitterアカウント「J担しぃちゃん」オープン

ジャニーズ事務所「社名を変える」という案も……ジャニー氏問題で内部大混乱

 本当は言いたいのに、言えないネタを持ってる芸能記者さん、集まれ! ジャニーズニュースの摩訶不思議なお話からウソか真かわからないお話まで、記者さんたちを酔わせていろいろ暴露させちゃった☆

A……スポーツ紙記者 アイドルから演歌歌手まで、芸能一筋20年超の芸能記者
B……週刊誌デスク 日中はラジオでタレントの発言をチェック、夜は繁華街に繰り出し情報収集を行う事情通
C……WEBサイト記者 通常ニュースから怪しいBBSまで日参、膨大な資料を作り続けるオタク記者

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▼中編はこちら

ジャニーズグループ冠番組の制作現場は阿鼻叫喚

A では、いつものように最後はジャニーズの話題ですが……今回はグループの躍進とか個人の活躍について話す感じではないですね。

B 業界ではみんな、ジャニー喜多川前社長の性加害問題についての話しかしてない。

C 今年3月、イギリスの放送局BBCがドキュメンタリー『J-POPの捕食者 秘められたスキャンダル』(The Secret Scandal of J-Pop)を放送。ジャニーさんによる、所属タレントへの性加害の実態を取り上げました。当初は一部、それこそジャニーズの天敵「週刊文春」(文藝春秋)とウェブメディアくらいしか取り上げていなかったものの、4月中旬、元ジャニーズJr.のカウアン・オカモトが性被害告発の記者会見を「日本外国特派員協会」で開き、それを「朝日新聞」や「東京新聞」が割としっかり取り上げたことで状況は一変。ネット上のジャニーズの話題はほぼこれ一色になっています。

B ジャニーズのメインのファン層は、みんなネットで情報を得ているわけじゃない? もはやテレビが大々的に取り上げないからって、この問題が風化するってことはなさそう。

A ジャニーズのパワーダウンというか、求心力の低下は見て取れるでしょう。この問題に触れていない僕たちスポーツ紙の人間が言うのもなんですが。

C スポーツ紙的には、やっぱり扱えない話題なんですよね?

A そりゃあもう、公式の発表以外は黙殺ですよ。仁義的に……というのもそうですが、将来のジャニーズとの関係性やビジネスの観点で考えても、触れるのは絶対に得策じゃないというのが、スポーツ紙の考えなんです。1発目のスクープというならまだしも、後追いでお世話になっている会社の批判記事を展開し、今後、所属タレントの記事掲載がNGになるっていうのは避けたい……という。

B ジャニーさんが生きていたら、Aさんの発言に反発していたと思うけど、亡くなっているから扱いが難しい。性加害は許されない問題として、報道の仕方によっては、所属タレントが批判の矢面に立たされかねないし。

A その点、忖度と建前の狭間にいるテレビ局の人たちのほうがよほど大変だなと思います。特にジャニーズグループ冠番組の制作現場は阿鼻叫喚だと。

C やっぱり気を使いますよね?

A 企画からゲスト、出演者の発言に至るまで気を使っていますよ。「これを放送することで、タレントたちが世間から奇異な目で見られないか」を、何度も何度も検討し続け、会議が遅々として進まないそう。しかし、その方向が、傍から見るとおかしな方向に行ってしまっていて……BGMについて「演奏しているアーティストがゲイをカミングアウトした人物だから変更しよう」とか、スタジオゲストも「バイセクシュアルのウワサが流れたタレントは見送るべきでは?」とか……。性的指向と性加害は別の話なんですが。

B その空気、絶対にジャニーズタレントたちにも伝わってるよね。当人たちもやりづらいだろうに……。

C これもネット上ではずっと言われてますが、「ジャニーさんの性加害問題は、過去に何度も取り沙汰されていたのに、なぜ今回はここまで大騒動になっているのか」という点についても聞きたいです。ジャニーズ事務所がカウアンの会見後に、公式コメントを出したからでしょうか。取引先企業に対しては、対応を説明する文書を送付したとも報じられています。

B やっぱりスポンサーからの突き上げが一番大きいんじゃないかな。以前までなら、ナショナルスポンサーもスルーしていた問題でも、昨今だとスポンサーに直接批判が寄せられることもあるから、キチンとした対応や説明が必要になってくる。結果、ジャニーズとしてもスルーできなくなったんじゃない?

A 被害者自身が性加害の事実を告発しているだけに、世論も当然、批判的になりますよね。もはやジャニーさん個人でなく、事務所全体の問題になってきている。

C 事務所サイドの見て見ぬ振りが通用しなくなってきたってことですね。当事者が亡くなった後というのが、なんとも皮肉なところですが。

B そう、亡くなった人の問題ということで、ジャニーズ内部でも大混乱しているよね。さすがにしないと思うけど、「『ジャニーズ』ではない事務所名に変えよう」って話にまでなっていた。

A ジャニーさんが作った事務所だけど、ジャニーさんは悪いことをしていたから、事務所名から取ってしまおう……ってことですか。

C その対応は、まさに一時しのぎって感じで、なんの解決にもならない気がしますね。

B でも、内部はそれくらい大騒ぎになってるんだよね。藤島ジュリー景子社長の退任って話もだんだん現実味を帯びてきたし、とにかく事務所サイドは、何かを大きく変えなければという流れになってる。

A この問題って、やっぱり「文春」がなかったら、ここまで騒がれていなかったと思いますか? BBCのドキュメンタリー放送後、関連記事を連発していますが……。

B 間違いなくそうでしょ。内部情報のリークを報じまくり、取引先の企業にまでガンガン取材している。「ジャニーズがやられたら嫌なこと」をとにかくやり続けている印象。

C なんかもう、「ジャニーズを潰してやる」っていう執念を感じさせますね。

B やっぱり訴えられたこと(※)で火がついちゃってるのかな。
※2022年11月、「キンプリ滝沢秀明を壊した ジュリー社長“冷血支配”」という記事について、ジャニーズは事実無根の情報を多く含んでいるとして、「週刊文春」を名誉棄損で提訴。

A やっぱり内部リークによって、事務所の精神的ダメージがどんどん大きくなってる印象です。退所するタレントの情報がガンガン流れているし、ジャニーさんの性加害問題に関しても、事務所が発表しようと準備していた内容が、そのまま「文春」に書かれてしまっていたし。当然、上層部は疑心暗鬼になっていて、ほかの事務所や関係各所からも「いま、ジャニーズ事務所は一枚岩じゃないんだな」と見られています。

B ジャニーさんとメリー(喜多川)さんが亡くなり、滝沢秀明も退社。完全に新体制になった矢先だからね。

C でも、「文春」とは違って、性被害の告発者たちは「ジャニーズを潰したい」という感じでもないですよね。ジャニーさんのしたことは悪いことだけど、お世話になったし、感謝している……みたいな。

B それがまた、この問題を取り上げる際の難しいところでさ。ジャニーズのことは当然、擁護できないけれど、告発者は事務所自体を潰したいわけではなさそうだから……。告発者の1人は「一段落したら、文春から本を出してもらうんだ」みたいなことも言っていたそうだし。

C マスコミ側も慎重に報じていかなくてはいけないですね。

ジャニーズはファンをバカにしている――経営コンサルタントが、性虐待問題めぐる“不祥事対応”を考察

 今年3月、英国の公共放送・BBCが、2019年に亡くなったジャニーズ事務所創業者・ジャニー喜多川氏の“性虐待”の実態を取り上げたドキュメンタリー『The Secret Scandal of J-Pop(邦題:J-POPの捕食者 秘められたスキャンダル)』をオンエア。同番組は、過去に民事裁判で“認定”されながらも、国内では長年うわさレベルに留まっていた未成年のジャニーズJr.に対するジャニー氏の性的搾取を追及・告発した。

 そんな英国からの糾弾に続くように、ジャニー氏の性虐待報道の急先鋒である「週刊文春」(文藝春秋)が毎週この問題を取り上げ、さらには2012~16年にジャニーズ事務所に所属していた元Jr.のアーティスト、カウアン・オカモト氏が、東京都内の日本外国特派員協会で記者会見を実施(4月12日)。中学卒業直前に初めて性被害を受け、それは在籍中に15~20回ほど繰り返されたと告白し、ジャニー氏の自宅に宿泊をしたことがある全員が同様の被害に遭っている可能性も示唆。さらにはその行為を受けるか否かが、タレント活動に影響を及ぼしていたことを明かしたのだった。

 こうした事態を受け、長年ジャニー氏の性虐待疑惑について沈黙を守ってきたジャニーズ事務所はようやく重い口を開き、「共同通信」の取材に応じる形で、以下の声明を発表した。

 弊社としましては、2019年の前代表の死去に伴う経営陣の変更を踏まえ、時代や新しい環境に即した、社会から信頼いただける透明性の高い組織体制および制度整備を重要課題と位置づけてまいりました。

 本年1月に発表させていただいておりますが、経営陣、従業員による聖域なきコンプライアンス順守の徹底、偏りのない中立的な専門家の協力を得てのガバナンス体制の強化等への取り組みを、引き続き全社一丸となって進めてまいる所存です。

 ネット上では「ついにジャニーズ事務所がこの問題に反応した」と話題を呼んだ一方、肝心の内容が「テンプレートのようなコメント」と大炎上。ファンからも「あり得ない」という声が飛び交う状況となった。

 ジャニーズ事務所は、社会的影響力のある企業として、どのような対応を取るべきだったのか――危機管理に詳しい企業コンサルタント・大関暁夫氏に話をお聞きした。

――BBCのドキュメント番組放送以降、ジャニー氏の性虐待問題が取り沙汰されています。ジャニーズ事務所が「共同通信」の取材を通して、初めて公に出したコメントは大きな反響を呼びましたが、この事態をどのようにご覧になっていますか。

大関暁夫氏(以下、大関) 「共同通信」に対するジャニーズ事務所のコメントには、実際に性虐待の事実があったか否かについては触れられておらず、完全に“逃げ回っている”という印象しか抱きませんでした。企業経営的な観点でいうと、上場している・いないに関係なく、ジャニーズは社会的存在感のある事務所ですから、当然、その責任は大きい。そこを自覚した上で、もっと真摯な対応をしなければいけないのではないかと感じました。

 加えて、このコメントが批判を浴びたのは、そこに「白黒はっきりさせてほしい」というファン心理があるからだと思います。事務所がこの問題から逃げ続ける限り、BBCや週刊誌は同様の報道をやめないでしょうし、これからもジャニーズのファンでいたいと思っている人は、自分が応援していることへの後ろめたさを引きずることになります。ファンには「あったことはあったことと認め、しっかり謝罪と対応をしてほしい」という思いがあるのではないでしょうか。

――企業の不祥事対応という観点から、具体的にジャニーズ事務所のコメントの問題点を教えてください。

大関 問題点“しかない”ですね。肝心の性虐待問題について一切触れていないですし、対応策についての具体性もなく、杓子定規なコメントに終始しています。ジャニーズを応援している人が心配し、注目している問題にもかかわらず、一発目にこのようなコメントを出すのは、ファンを舐めている、あるいはバカにしているとしかいえないでしょう。藤島ジュリー景子社長は、企業経営者である以上、たとえ過去の問題であったとしても、前経営者の社長としての行動が問題視されているわけで、その責任が生じます。そういう意味でも、性虐待問題に対し、まるで知らん顔しているようなコメントを出すのはおかしな話です。

 まずは、「応援してくださっているファンの皆さまには、ご心配をおかけして申し訳ありません」という謝罪、また、現在、具体的にどのような対応しているのか――例えば「社内で事実関係を調査しています」「第三者に調査を依頼すべく動いています」といった説明は絶対に必要でしょう。事実無根という場合であっても、「その証拠を整理した上で発表させていただきます」、すでに証拠があるのであれば、「ご指摘のような事実はないので、後日記者会見を行います」などとコメントすべきだったと思います。

――これだけ世間を騒然とさせているにもかかわらず、何の謝罪もないのは、確かに“不自然”と感じます。

大関 この問題をどう受け止め、どう対処するつもりなのかを明確にしないと、やはり誰も納得しませんし、ファンである消費者に対し、その姿勢はいかがなものか。世間が騒いでいるから、「当社はコンプライアンスを一生懸命やっています」と言って、お茶を濁しているだけと感じました。

―― ジャニーズ事務所内に、「このコメントを公に出すのはまずい」とストップをかける人がいなかったことも気になります。

大関 たとえトップが「会見したくない」「コメント出したくない」「どうにかごまかしたい」と言っても、右腕である広報担当が「社長、それはまずいです。ファンに対して事実を説明するべきですし、そうしなければ会社の信用が失墜することにつながるので、ここはしっかり事件に対するコメントを出しましょう」と説得し、コメント文案を作って表に出すのが、一般的な不祥事対応の流れといえます。

 広報担当の在り方は、ここ20年で変わってきており、かつては、会社を守る立場でメディア攻撃や悪いうわさの“火消し的”な役割が求められたのですが、今は“善意の第三者”であるべきとされています。企業の中にどっぷり浸かるのではなく、最終的に会社のためではあるものの、外部と社内の間にある“塀”の上に立ち、ニュートラルに物事を見る必要があるんです。

 ジャニー氏の性加害については、2002年に裁判で認定されましたが、当時は大手メディアがどこも報じず、ジャニーズは“逃げ切った”格好でした。しかし当時と今では世の中の考え方はずいぶん変わっています。広報担当はトップに対し、「あの時とは違う対応を取らなくてはいけない」「そうしないとファンも世間も納得しないと思います」と言うべきところだと思います。

――問題だらけだったジャニーズの“初手”ですが、その後「朝日新聞」が、取引先企業に対し、性虐待疑惑に関する対応を説明する文書を入手し、報道。そこでは、謝罪に始まり、性虐待疑惑に関する「問題がなかったなどと考えているわけではございません」という見解、社員や所属タレント向けの相談窓口を設け、「ヒアリング及び面談」を実施してきたこと、さらには元所属タレントに関して、外部専門家の相談窓口を設け、個別対応を行う準備を進めていることなどを詳細に記しています。なぜこれを取引先企業だけに向けて報告したのかが気になるのですが。

大関 事務所が説明している対応姿勢はともかく、真っ先にこれを伝えるべきは業者筋ではなくファンを含めた世間であるはず。そこの履き違えは、はからずもジャニーズ事務所の「ファン軽視、ビジネス重視」の考え方を露呈させたのではないでしょうか。これではジャニーズのアイドルを一生懸命応援し、この問題を心配しているファンの皆さんがかわいそうだと感じてしまいます。

 メディアはジャニーズ事務所からの報復を恐れずに、そのあたりを堂々と報じてしかるべきかと思いますし、それをせずに見過ごしていくなら、ジャニーズは姿勢をあらためる機会を逸することになるのではないでしょうか。

――ジャニーズ事務所は、すでに聞き取り調査を行っており、取引先企業には「現時点では問題となる点は確認されておりませんが、あくまで社内のヒアリングになりますので十分であるとは考えておりません」と説明しているそうです。

大関 聞き取り調査をして、「まったく何もありませんでした」ということはないと思います。少なくとも被害を訴えているカウアン・オカモト氏から直接話を聞くなりして、当時の事実関係を詳細に調べるべきであり、その実態は、再発を防止するためにも、会社としてしっかりつかんでおく必要があります。そして、その結果を明らかにすることも重要です。

――プライバシーなどの観点から、結果の公表は難しいのではないかという気もしてしまうのですが……。

大関 具体名を出す必要は一切ありませんが、これだけ騒ぎになっている以上、調べた事実関係を報告する必要があると考えます。例えば、「過去の所属タレントも含め、ヒアリングした●人の中で、ジャニー氏からの性的接触にあった人は●人いました」「うちこうした事実を性的被害として問題視している人は●人いました」など、報告方法はいろいろとありますから。

――取引先企業に送付したという文書には、被害者がいた場合の対応については触れられていませんでしたが、企業としてすべきことはなんでしょう。

大関 被害者をケアする責任は当然あります。一方、被害者から裁判を起こされた場合にも対応が生じますし、もしくは和解する形で慰謝料を支払うこともあり得るのではないでしょうか。それには、性虐待問題はジャニー氏個人の問題か、社長という立場を利用した会社としての問題かを明確にすることが必要になってくる。そこは法律の専門家に入ってもらい、被害者と個別の話し合いをして、落としどころを見つけていくことになると思います。

――再発防止策にはどのようなものが考えられるでしょうか。

大関 少なくとも、経営者を含め、管理職以上はハラスメント関連の教育をしっかり受けること。実権を握っている人たちが、自分の地位を利用してハラスメント行為をすることがないよう、過去の事例を参照しつつ、何がハラスメントにあたるのか、教育研修を受ける必要があります。今の時代の常識では、たとえ性的な行為がなくても、上下関係を利用し、「自分の言うことを聞いたら、この番組に使ってやる」と言うだけで“アウト”ですから、「ダメなものはダメ」としっかり学ぶことが大切です。組織として、トップも管理者もスタッフもタレントもハラスメントに対し、同じ価値観で物事を判断していける土壌を作らなければいけません。

――そういったハラスメントの教育を受けていることを、公にしていくことも大事だと思いました。

大関 調査をして、その結果を報告した上で、「今は研修を行い、健全な組織経営を心掛けています」というのは当然の対応でしょう。人気タレントを数多く輩出し、メディアに対して強い影響力を持つジャニーズ事務所は、流行を生み出すことで人を“動かす”力を持っています。その責任の大きさを感じながら、自分たちはどうあるべきか、今何をしなければいけないのかを理解した上で、それにふさわしい行動を取ってほしい。今までは“臭いものにフタ”という印象が強かったですが、今回の不祥事告発を機に膿を出し切り、悪しき組織風土を断ち切る覚悟で、真摯な対応を行い、企業体質とともに業界のイメージも率先して変えてほしいと願っています。

取材協力:大関暁夫(おおぜき・あけお)
All About「組織マネジメント」ガイド。東北大学卒。横浜銀行入行後、支店長として数多くの企業の組織活動のアドバイザリーを務めるとともに、本部勤務時代には経営企画部門、マーケティング部門を歴任し自社の組織運営にも腕をふるった。独立後は、企業コンサルタントの傍ら上場企業役員として企業運営に携わる。