山下智久が寄生虫専門のドSな医学者を演じるドラマ『インハンド』(TBS系)の第7話が24日に放送され、平均視聴率9.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から0.8ポイントダウンとなってしまいました。
(前回までのレビューはこちらから)
前回、牧野巴(菜々緒)に娘がいることを知った紐倉哲(山下)と高家春馬(濱田岳)は、入院中の牧野の娘・美香(吉澤梨里花)のお見舞いへ行くことに。そこで美香が、生まれつき免疫に欠陥があるPID(原発性免疫不全症候群)を患い、骨髄移植のドナー提供者が見つかっていないことを知った紐倉は、牧野からの懇願を受けてPID治療の研究を開始します。
交通事故で他界した美香の父・賢一(永岡卓也)もまた、PID遺伝子をもっていたものの発症しなかったため、治療法のヒントが隠されているのではないかと、賢一のカラダのあらゆるデータや血液、糞尿、冷凍保存した精子などのサンプルを保管していることを知った紐倉は、賢一の父・将之が運営するPID研究所へと足を運びます。
そこで紐倉は、牧野が賢一の精子を用いて、美香にドナー提供するための子ども、いわゆる“救世主兄妹”を人工授精しようとしていることを知ります。しかし、たとえ妊娠・出産できたとしても、ドナーとして適合する確率は10分の1程度。倫理的に好ましくないため紐倉は賛成しないのですが、牧野の娘を想う気持ちを知るだけに強く反対はできず、その代わり早急に治療法を見つけることを決意します。
しかし、天才を自称する紐倉でもPIDの治療法を見つけ出すのは困難。かつての上司で現在は最先端の科学技術を駆使したビジネスで大成功する『フューチャージーン』という会社でCEOを務める福山和成(時任三郎)に意見を求めたり、賢一が採った大量のデータや論文にすべて目を通すものの解決策は得られず、「僕は天才じゃなかったみたいだ」と珍しく弱音を吐きます。
それでも研究を続けた結果、賢一が残した糞尿から腸内細菌を採取して美香に移植し腸内環境を正常化させる、紐倉いわく「とてもセクシーな治療法」を発見。手術は無事に成功し、一件落着となりました。
親子の絆が描かれた今回、娘のことを想って牧野が号泣するシーンなどがありましたが、決して感動の押し売り感はなく、1時間があっという間に過ぎました。毎回思いますけど、このドラマはキャストの演技&脚本の緩急のバランスが絶妙だと思います。
その中でも特に、高家役の濱田岳の演技は抜群。シリアスもコメディもすべてのシーンが、濱田の演技によって自在に切り替わる印象です。山下も菜々緒も格別に演技が上手いわけではないだけに、濱田がこのドラマの支柱といえるでしょう。
その高家の存在によって、紐倉の偏屈さや、牧野の他人に頼らない強情さはカドが取れてきているようです。今回、紐倉が牧野のことをビジネス仲間ではなく、友達と認める発言をした時の牧野の驚いた表情や、高家が嬉しそうに微笑んだシーンが印象的でした。賢一も紐倉と同じく研究が大好きな変態だったようなので、今後は紐倉と牧野が友達以上の関係へと発展していく可能性もありそうです。
ただ、その一方で今回のラスト、福山が優秀な科学者を次々と引き抜いていることが判明したことが気がかりでもあります。この福山に関しては第5話の最後、アメリカ陸軍が極秘裏に研究開発した新種のエボラウィルスを密かに保管する怪しげなシーンが流れました。
そして、その福山の不穏な動きを察知した上司の網野肇(光石研)から、牧野は福山と紐倉の動向を探るよう命じられたわけです。せっかく友情を深め、それ以上の関係に進展するのではないかという兆しが見えたところで、紐倉に対してスパイ的な行為をしなければいけなくなるんですね。仕事と友情、その間で揺れる牧野の心の葛藤が次回から見られるような予感がします。
また、紐倉にしても何やら福山に想うところがある様子。エボラウィルスの研究を勝手に行ったためアメリカ陸軍に殺された、元助手・入谷廻(松下優也)の研究ノートを福山がずっと保管していたことに対しても、恐らく不審感を抱いていることでしょう。
前回は、入谷や福山との過去の話にはまったく触れませんでしたが、今回からまたエピソードが繋がったことで楽しみが増えました。福山にはどす黒い裏の顔がありそうなので、紐倉との今後の関係性がどうなっていくのか気になるところです。
気になる次回は“鬼の血”伝説の謎を追うとのことで、今回とはまるで違った展開になる予感。紐倉の大学の同期で、強烈なライバル心を抱く遠藤匡晃(要潤)という、これまた濃そうなキャラが登場するのも見逃せません。
(文=大羽鴨乃)