自民党・秋元司衆院議員、カジノ利権と“中国マネー”を特捜部が追及「年内にも事件がヤマ」

 捜査の手は着々と迫っている。

 12月19日午前、東京地検特捜部は自民党の秋元司衆院議員の地元事務所(東京都江東区)や国会議員会館の事務所に家宅捜索に入った。容疑はカジノを含む統合型リゾート(IR)への参入をめざしていた中国企業関係者が現金を不正に国内に持ち込んだとされる事件にからむ、外国為替及び外国貿易法(外為法)違反によるもの。

 特捜部はこれまでにも秋元氏の元秘書の自宅を関係先として捜索をしたうえ、秋元氏自身からも任意で事情聴取をしていた。秋元氏は「不正にかかわったことは一切ない」と説明したとみられるが、特捜部は実態の解明のためには強制捜査が必要だと判断したようだ。

 ただ、外為法違反容疑は、あくまで事件の「入り口」にすぎない。事件の本線は、秋元氏がIR誘致事業に絡んで中国企業から「利益供与」を受けていたかどうかだ。政治部記者が解説する。

「秋元氏は2017年8月から今年9月まで内閣府副大臣を務め、昨年10月まではIR担当でした。くだんの中国系企業は17年7月に日本法人を設立して、8月にはCEOが沖縄県でシンポジウムを開いたり、18年1月には同社幹部が北海道留寿都町を穂問して地元リゾート企業幹部と面会するなど、積極的に活動していた。沖縄県のシンポジウムには、秋元氏も出席し、講演もしています。

 そして、中国系企業と深い接点があったとされるのが、秋元氏の元政策秘書のA氏。このA氏は小林興起元議員の秘書時代から秋元氏と昵懇で、秋元氏の金庫番だったと言われています。IR誘致に絡んでA氏が暗躍したことは間違いなさそうですが、特捜部は、資金の移動などを秋元氏がどこまで知っていたか、または指示などがあったのかを捜査しているはずです。

 秋元氏の後援会関係者からは『誘致を秋元氏が主導していたことは間違いない。カネのことを秘書任せにしていたとは考えられない』との声も上がっています」

 最初に元秘書の自宅などが捜索を受けたのは12月7~8日。それから10日あまりで、秋元氏自身の任意聴取、事務所への強制捜査に踏み込んでおり、捜査は急ピッチで進んでいる。特捜部を指揮する森本宏特捜部長は、あのカルロス・ゴーン被告を逮捕、起訴した実績を持つ「剛腕」として知られる。秋元氏を立件できれば、09年の「陸山会事件」で石川知裕元衆院議員を逮捕、起訴して以来の手柄となる。早ければ、年内にも事件がヤマを迎えるのではないか、との見方もある。

 菅義偉官房長官は19日午前の記者会見で秋元氏の家宅捜索について問われると「捜査機関の活動内容に関わる事柄なので、答えは差し控えたい」と述べるに留めた。だが、永田町関係者によると、政府からは秋元氏を見限るような言動もみられるという。

「菅氏側近の2閣僚のスピード辞任と首相補佐官の不倫騒動で、政権内における菅氏の権力基盤は相当に揺らいでいる。桜を見る会の追及も予想以上に長引いています。そんな中、内閣府副大臣で、しかもIR担当だった秋元氏が特捜部から捜査をされるという状態をずっと続けていては、来年の通常国会を乗り切れないという危機感が生まれている。政権内部からは『ここまできたら、離党勧告は避けられない。万が一(逮捕された)の場合でも、1月の通常国会前なら(ダメージが)最小限で済む』との声も漏れるほどです」

 特捜部からは追い詰められ、政権からは追い出されかねない秋元氏。いずれにしても、いばらの道が待っているのは間違いなさそうだ。

自民党・秋元司衆院議員、カジノ利権と“中国マネー”を特捜部が追及「年内にも事件がヤマ」

 捜査の手は着々と迫っている。

 12月19日午前、東京地検特捜部は自民党の秋元司衆院議員の地元事務所(東京都江東区)や国会議員会館の事務所に家宅捜索に入った。容疑はカジノを含む統合型リゾート(IR)への参入をめざしていた中国企業関係者が現金を不正に国内に持ち込んだとされる事件にからむ、外国為替及び外国貿易法(外為法)違反によるもの。

 特捜部はこれまでにも秋元氏の元秘書の自宅を関係先として捜索をしたうえ、秋元氏自身からも任意で事情聴取をしていた。秋元氏は「不正にかかわったことは一切ない」と説明したとみられるが、特捜部は実態の解明のためには強制捜査が必要だと判断したようだ。

 ただ、外為法違反容疑は、あくまで事件の「入り口」にすぎない。事件の本線は、秋元氏がIR誘致事業に絡んで中国企業から「利益供与」を受けていたかどうかだ。政治部記者が解説する。

「秋元氏は2017年8月から今年9月まで内閣府副大臣を務め、昨年10月まではIR担当でした。くだんの中国系企業は17年7月に日本法人を設立して、8月にはCEOが沖縄県でシンポジウムを開いたり、18年1月には同社幹部が北海道留寿都町を穂問して地元リゾート企業幹部と面会するなど、積極的に活動していた。沖縄県のシンポジウムには、秋元氏も出席し、講演もしています。

 そして、中国系企業と深い接点があったとされるのが、秋元氏の元政策秘書のA氏。このA氏は小林興起元議員の秘書時代から秋元氏と昵懇で、秋元氏の金庫番だったと言われています。IR誘致に絡んでA氏が暗躍したことは間違いなさそうですが、特捜部は、資金の移動などを秋元氏がどこまで知っていたか、または指示などがあったのかを捜査しているはずです。

 秋元氏の後援会関係者からは『誘致を秋元氏が主導していたことは間違いない。カネのことを秘書任せにしていたとは考えられない』との声も上がっています」

 最初に元秘書の自宅などが捜索を受けたのは12月7~8日。それから10日あまりで、秋元氏自身の任意聴取、事務所への強制捜査に踏み込んでおり、捜査は急ピッチで進んでいる。特捜部を指揮する森本宏特捜部長は、あのカルロス・ゴーン被告を逮捕、起訴した実績を持つ「剛腕」として知られる。秋元氏を立件できれば、09年の「陸山会事件」で石川知裕元衆院議員を逮捕、起訴して以来の手柄となる。早ければ、年内にも事件がヤマを迎えるのではないか、との見方もある。

 菅義偉官房長官は19日午前の記者会見で秋元氏の家宅捜索について問われると「捜査機関の活動内容に関わる事柄なので、答えは差し控えたい」と述べるに留めた。だが、永田町関係者によると、政府からは秋元氏を見限るような言動もみられるという。

「菅氏側近の2閣僚のスピード辞任と首相補佐官の不倫騒動で、政権内における菅氏の権力基盤は相当に揺らいでいる。桜を見る会の追及も予想以上に長引いています。そんな中、内閣府副大臣で、しかもIR担当だった秋元氏が特捜部から捜査をされるという状態をずっと続けていては、来年の通常国会を乗り切れないという危機感が生まれている。政権内部からは『ここまできたら、離党勧告は避けられない。万が一(逮捕された)の場合でも、1月の通常国会前なら(ダメージが)最小限で済む』との声も漏れるほどです」

 特捜部からは追い詰められ、政権からは追い出されかねない秋元氏。いずれにしても、いばらの道が待っているのは間違いなさそうだ。

菊池桃子とエリート官僚夫、夫婦揃って政界進出で都知事選も視野「新原氏は自民党好みな人物」

 経済産業省の経済産業政策局長である新原浩朗氏(60)と結婚した女優の菊池桃子(51)。ここで再び話題となっているのが、菊池桃子の国政進出説だ。

 2015年に政府の「一億総活躍国民会議」に民間から選出された菊池。新原氏とはここで出会ったわけだが、同時に自民党が菊池を参院選候補として擁立するのではないかと噂されていた。結局、菊池が出馬することはなく、政界から距離を置いたと思われていたが、ここにきてまさかの新原氏との結婚。菊池が政界に再び近づいたということで、自民党による擁立の噂が再浮上しているのだ。

「芸能人候補は目玉にもなる一方で、バッシングの対象となりやすい。自民党としても菊池桃子擁立は選択肢のひとつではあるが、慎重にならざるを得ないのも事実です。菊池桃子本人がものすごく意欲があるのなら話は別ですが、拒否する菊池を必死に説得してまで擁立するほどではないのかもしれません」(週刊誌記者)

 一方で、自民党が狙っているのは菊池ではなく、新原氏の方ではないかとの見方もある。

「新原氏は2014年に内閣府大臣官房審議官を、2016年に内閣府政策統括官を務めるなど、安倍政権の要となる官僚として、その政策をゴリゴリに進めてきた人物。官邸官僚などと呼ばれることもあり、とにかく安倍政権においては最重要人物の一人です。

 そんな新原氏を表舞台に出したいと願う自民党関係者も少なくないといわれていますね。官僚としての手腕は申し分ないうえに、菊池桃子という有名女優と結婚したとなればかなりイメージもいい。裏方から表に躍り出るには、この結婚はいいきっかけになったと思います」(同)

 新原氏は、国政選挙ではなく首長選挙で戦うのではないかとの声も聞こえてくる。

「来年7月に東京都知事選が控えていますが、現職の小池百合子氏の出馬は確実的。自民党としては小池知事と戦えるくらいの強力な候補を擁立したいところ。そこで新原氏に白羽の矢が立つのではないかとの噂も」(政治ジャーナリスト)

 2016年の都知事選では、自民党は公認候補を擁立することはできず、元建設官僚の増田寛也氏を推薦するも落選している。

「自民党は官僚を首長選挙に擁立する傾向が強く、前回は嵐の櫻井翔の父親である元総務事務次官である桜井俊氏を擁立する動きもあった。実績もあって知名度も高い元官僚ということでは、新原氏はまさに“自民党好み”な人物。そういう意味では、新原氏は“打倒小池百合子”の神輿として担がれる可能性はゼロではないはずです」(同)

 東京オリンピック前に投開票が行われる来年の都知事選。菊池桃子が、都知事の妻としてオリンピックを迎えることはあるのだろうか。

”ハマのドン”でも止められず? 横浜カジノ誘致の背後に見える「菅官房長官の利権構造」

 

 横浜が揺れているーー。

 8月22日、神奈川県横浜市の林文子市長がカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致方針を正式発表した。

 横浜市では、敷地面積47ヘクタール(東京ドーム10個分)の山下ふ頭(同市中区)を候補地とし、その経済効果は年間6,300億円~1兆円、訪問者数は年2,000万~4,000万人、市への増収効果は年820~1,200億円と試算している。市では、9月の補正予算案に関連費用2億6,000万円を計上、今後、横浜市庁内に専門部署を立ち上げて推進体制を強化する方針だ。

カジノ誘致発表直後から賛否の声

 横浜では、林市長のカジノ誘致発表直後から賛否の声が渦巻いた。

 横浜商工会議所の上野孝会頭は、「人口減少、少子高齢化が進展する中、持続可能な横浜経済を構築するためには、国内外から多くの観光客を集めるIRの誘致が有効な方策と考えている」とのコメントを発表した。また、横浜青年会議所の川本守彦副会頭は、「IRは地域経済の活性化に大きく寄与する」との見解を示しており、地元の経済界ではおおむねカジノ誘致を歓迎する姿勢を示している。

 半面SNS上などでは、「林市長は、カジノ誘致は白紙と言っていたが、突然のカジノ誘致表明は市民に対する裏切り」「治安が悪化する」「ギャンブル依存症の増加につながる」「子育てに影響がある」など横浜市民を中心に怒りや不満が相次いでいる。

 林市長の記者会後には、市役所前にプラカードを持った住民らが集まり、市長に直接説明するように求める事態も起きた。確かに、横浜市が昨年実施したパブリックコメントでは、住民の94%がカジノ誘致に反対している。その上、記者会見で林市長がカジノ誘致の賛否について「住民投票の実施は検討していない」と明言し、市民の民意を無視したことも“火に油を注ぐ”ことになったようだ。

 余談だが、会見で市民感情を無視してカジノ誘致を発表した点を追求された苛立ちの現れなのか、会見終了直後に林市長がすりガラスの衝立ての向こう側で発表用資料を放り出す姿をTBSの『報道特集』が映し出したことも話題となっている。

 さて、ここで注目されるのは、何と言っても反対派の急先鋒となった“ハマのドン”との異名を持つ藤木幸夫・横浜港運協会会長だろう。同協会は林市長がカジノ誘致を発表した翌23日に記者会見を行い、席上、「山下ふ頭をばくち場にはしない」と宣言、徹底抗戦の構えを見せた。

 市がカジノ誘致の候補地とする山下ふ頭には、横浜港運協会に加盟する企業のうち38社が持つ約50棟の倉庫や事務所があった。しかし、2015年に横浜市がふ頭の再開発計画を発表、同市は倉庫や事務所を持つ港湾事業者に対して、2022年3月までに山下ふ頭から本牧ふ頭などへの移転するよう交渉を行っている。すでに一部では解体工事が行われているものの、未だに移転に反対している港湾事業者も多く、藤木会長は今回のカジノ誘致の発表を受け改めて、市の立ち退き交渉には応じない姿勢を示した。

 横浜港運協会がここまで強硬な反対姿勢を取るのには伏線がある。

 そもそも日本にカジノを作るという構想が持ち上がったのは、石原慎太郎元東京都知事時代だ。この時、カジノの最有力候補地は「お台場」だった。しかし、さまざまな利権構造やスキャンダルが発覚したことで、石原慎太郎→猪瀬直樹と続いた「お台場カジノ構想」は舛添要一元都知事のスキャンダルによる失脚とともに、小池百合子都知事の下で完全に頓挫する。何しろ、小池知事にとっては「お台場カジノ」よりも知名度が高く、世界的行事である東京オリンピックの開催が“転がり込んできた”からだ。

 そこで浮上してきたのが、横浜市だった。林市長は2014年にカジノを含む統合型リゾート施設のプロジェクトを発足させ、検討を開始した。しかし、「カジノ誘致反対」の市民感情に考慮し、2017年7月の市長選で「カジノ誘致については白紙撤回」を宣言して再選した。

 実は、藤木会長も当初は「カジノ推進派」だった。しかし、カジノが周辺市民に与える影響を懸念し、「市民が納得していないIR・カジノを山下ふ頭で行うことなど到底受け入れられない」と反対に回る。

 藤木会長に近い関係者によると、「藤木会長は部下や自らもが、各国のカジノに出向き、カジノの実態を調べた。その結果、カジノ誘致に反対の立場となった。藤木会長は、山下ふ頭を外資のカジノ業者に明け渡したら、カジノの収益の7割を外資が持っていくことになる。山下ふ頭は“植民地”になる」と考えた。

 そこで藤木会長が取った戦略が“カジノに依存しない山下ふ頭の再開発”だった。藤木会長は2019年4月、横浜港運協会加盟の244社全社が参加する「一般社団法人横浜港ハーバーリゾート協会」を設立し、自らが会長に収まった。

 横浜港運協会と横浜港ハーバーリゾート協会は同年6月27日、カジノ誘致に反対する要望書「山下ふ頭再開発に関する見解と要望」を林市長あてに提出した。そして、同年7月1日には、横浜港ハーバーリゾート協会が山下ふ頭の再開発案を公表した。同案では、展示面積25ヘクタールの国際展示場や国際会議場、高級ホテル、コンサートホールやディズニークルーズなどの大型クルーズ船の拠点を計画している。投資額は7800億円で、年間の純利益は450億円以上を見込む。

 この6月27日のカジノ誘致に反対する要望書提出の際に、横浜市は「(6月)28日以降にコメントする」と説明しており、市から回答がないまま、林市長がカジノ誘致を発表したことが、藤木会長を“烈火のごとく怒らせた”要因の一つでもある。

 そもそも、林市長に対して「顔に泥を塗られた」とまで言い放つ藤木幸夫氏とは、如何なる人物なのか。

 昭和5年8月生まれで横浜市出身。港湾荷役や倉庫事業などを行う「藤木企業」の会長のほか、横浜港運協会会長、横浜港ハーバーリゾート協会会長、横浜エフエム放送社長、横浜スタジアム会長などを務めている。その権力の根源は、藤木会長の父親・藤木幸太郎氏にある。

 藤木企業の前身である「藤木組」は1923年に幸太郎氏が設立した。幸太郎氏は、横浜港の港湾荷役を取りまとめる“顔役”で、現在の広域指定暴力団「稲川会」埋地一家の初代総長を務めた人物でもある。分裂前に日本最大の広域指定暴力団だった「山口組」も神戸港の港湾荷役組織から発祥しており、その山口組の“中興の祖”と言われる三代目の田岡一雄組長と幸太郎氏は昵懇の仲だった。

 藤木幸太郎氏は“ミナトのおやじ”と呼ばれ、横浜港を取り仕切る実力者だった。その息子である幸夫氏は自著『ミナトのせがれ』(神奈川新聞社)の中で、父・幸太郎氏の暴力団や政治家、芸能人など幅広い交友関係を記している。

 横浜が地元の幸太郎氏と、横浜市議会議員から衆議院議員となり、通産大臣、建設大臣などを歴任した小此木彦三郎氏は旧知の間柄。その小此木氏の秘書をしていたのが、菅義偉官房長官である。その後、菅氏は秘書から横浜市議となり、国政に転じて、現在の官房長官にまで登り詰めるわけだが、最初の市議選の時に菅氏を強力にバックアップしたのが、幸夫氏だった。また、幸夫氏は菅官房長官だけではなく、二階俊博・自民党幹事長とも昵懇で中央政界にも太いパイプを持っていると言われている。

 だが、カジノの利権構造は複雑だ。これだけの権力を持っている藤木会長でも、横浜市のカジノ誘致を止めることはできなかった。その背景には、利権を巡る政治構造があるからだろう。

 米国のドナルド・トランプ大統領の最大の支持者は、カジノ運営業者の「ラスベガス・サンズ」だ。同社のシェルドン・アデルソン会長はトランプ大統領の大統領選では2,000万ドル、大統領就任式では500万ドルを寄付したと伝わっている。総額25億円以上の寄付を受ければ、トランプ大統領はラスベガス・サンズに対して忖度しないわけにはいかない。

 2017年2月に安倍晋三首相が訪米した際には、トランプ大統領が安倍首相とアデルソン氏らカジノ業者を引き合わせている。トランプ大統領が安倍首相に対して、日本の首都圏でのカジノ開設を迫った構図を想像するのは難しいことではない。そして、安倍首相の忠臣である菅官房長官が首相の意を汲み、自らの選挙地盤であり“子飼い”の林市長に対して、カジノ誘致を迫ったとしてもおかしくない。

 それだけではない。菅官房長官も、神奈川県の路線を持つ京浜急行とは深い関係にある。京急の小谷昌元会長は1998年以降、菅官房長官が代表を務める「自民党神奈川県第二選挙区支部」や菅官房長官の関連団体などに対して、合計900万円の寄付を行っている。その京急は、2018年8月15日に統合型リゾート施設構想を発表している。京急にとって横浜に統合型リゾート施設ができるメリットは大きい。京急関係者によると、「候補地の最有力は山下ふ頭」だ。

 あたかも、林市長がカジノ誘致を発表することを知っていたかのように、発表当日の8月22日、ラスベガス・サンズは大阪でのカジノ開設を断念し、「東京と横浜での開発の機会に注力する」とのコメントを発表した。また、メルコリゾーツ&エンターテインメント・リミテッドも「横浜が市内に統合型リゾートを誘致する意思を表明したというニュースを聞いて、大変期待が膨らんでおります」とのコメントを発表している。

 一方、大阪でのカジノ誘致をリードしていると見られるMGMは、「大阪でのIR実現に全力を尽くす」とコメントしている。“利権を分け合った構図”にしか見えないのは筆者だけだろうか。

 山下ふ頭は東京都心に近く、羽田空港へのアクセスも良い広大な再開発候補地だ。関係者は山下ふ頭を「最後の聖地」と呼ぶ。その“聖地”は今、民意の及ばないところで再開発されようとしている。

”ハマのドン”でも止められず? 横浜カジノ誘致の背後に見える「菅官房長官の利権構造」

 

 横浜が揺れているーー。

 8月22日、神奈川県横浜市の林文子市長がカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致方針を正式発表した。

 横浜市では、敷地面積47ヘクタール(東京ドーム10個分)の山下ふ頭(同市中区)を候補地とし、その経済効果は年間6,300億円~1兆円、訪問者数は年2,000万~4,000万人、市への増収効果は年820~1,200億円と試算している。市では、9月の補正予算案に関連費用2億6,000万円を計上、今後、横浜市庁内に専門部署を立ち上げて推進体制を強化する方針だ。

カジノ誘致発表直後から賛否の声

 横浜では、林市長のカジノ誘致発表直後から賛否の声が渦巻いた。

 横浜商工会議所の上野孝会頭は、「人口減少、少子高齢化が進展する中、持続可能な横浜経済を構築するためには、国内外から多くの観光客を集めるIRの誘致が有効な方策と考えている」とのコメントを発表した。また、横浜青年会議所の川本守彦副会頭は、「IRは地域経済の活性化に大きく寄与する」との見解を示しており、地元の経済界ではおおむねカジノ誘致を歓迎する姿勢を示している。

 半面SNS上などでは、「林市長は、カジノ誘致は白紙と言っていたが、突然のカジノ誘致表明は市民に対する裏切り」「治安が悪化する」「ギャンブル依存症の増加につながる」「子育てに影響がある」など横浜市民を中心に怒りや不満が相次いでいる。

 林市長の記者会後には、市役所前にプラカードを持った住民らが集まり、市長に直接説明するように求める事態も起きた。確かに、横浜市が昨年実施したパブリックコメントでは、住民の94%がカジノ誘致に反対している。その上、記者会見で林市長がカジノ誘致の賛否について「住民投票の実施は検討していない」と明言し、市民の民意を無視したことも“火に油を注ぐ”ことになったようだ。

 余談だが、会見で市民感情を無視してカジノ誘致を発表した点を追求された苛立ちの現れなのか、会見終了直後に林市長がすりガラスの衝立ての向こう側で発表用資料を放り出す姿をTBSの『報道特集』が映し出したことも話題となっている。

 さて、ここで注目されるのは、何と言っても反対派の急先鋒となった“ハマのドン”との異名を持つ藤木幸夫・横浜港運協会会長だろう。同協会は林市長がカジノ誘致を発表した翌23日に記者会見を行い、席上、「山下ふ頭をばくち場にはしない」と宣言、徹底抗戦の構えを見せた。

 市がカジノ誘致の候補地とする山下ふ頭には、横浜港運協会に加盟する企業のうち38社が持つ約50棟の倉庫や事務所があった。しかし、2015年に横浜市がふ頭の再開発計画を発表、同市は倉庫や事務所を持つ港湾事業者に対して、2022年3月までに山下ふ頭から本牧ふ頭などへの移転するよう交渉を行っている。すでに一部では解体工事が行われているものの、未だに移転に反対している港湾事業者も多く、藤木会長は今回のカジノ誘致の発表を受け改めて、市の立ち退き交渉には応じない姿勢を示した。

 横浜港運協会がここまで強硬な反対姿勢を取るのには伏線がある。

 そもそも日本にカジノを作るという構想が持ち上がったのは、石原慎太郎元東京都知事時代だ。この時、カジノの最有力候補地は「お台場」だった。しかし、さまざまな利権構造やスキャンダルが発覚したことで、石原慎太郎→猪瀬直樹と続いた「お台場カジノ構想」は舛添要一元都知事のスキャンダルによる失脚とともに、小池百合子都知事の下で完全に頓挫する。何しろ、小池知事にとっては「お台場カジノ」よりも知名度が高く、世界的行事である東京オリンピックの開催が“転がり込んできた”からだ。

 そこで浮上してきたのが、横浜市だった。林市長は2014年にカジノを含む統合型リゾート施設のプロジェクトを発足させ、検討を開始した。しかし、「カジノ誘致反対」の市民感情に考慮し、2017年7月の市長選で「カジノ誘致については白紙撤回」を宣言して再選した。

 実は、藤木会長も当初は「カジノ推進派」だった。しかし、カジノが周辺市民に与える影響を懸念し、「市民が納得していないIR・カジノを山下ふ頭で行うことなど到底受け入れられない」と反対に回る。

 藤木会長に近い関係者によると、「藤木会長は部下や自らもが、各国のカジノに出向き、カジノの実態を調べた。その結果、カジノ誘致に反対の立場となった。藤木会長は、山下ふ頭を外資のカジノ業者に明け渡したら、カジノの収益の7割を外資が持っていくことになる。山下ふ頭は“植民地”になる」と考えた。

 そこで藤木会長が取った戦略が“カジノに依存しない山下ふ頭の再開発”だった。藤木会長は2019年4月、横浜港運協会加盟の244社全社が参加する「一般社団法人横浜港ハーバーリゾート協会」を設立し、自らが会長に収まった。

 横浜港運協会と横浜港ハーバーリゾート協会は同年6月27日、カジノ誘致に反対する要望書「山下ふ頭再開発に関する見解と要望」を林市長あてに提出した。そして、同年7月1日には、横浜港ハーバーリゾート協会が山下ふ頭の再開発案を公表した。同案では、展示面積25ヘクタールの国際展示場や国際会議場、高級ホテル、コンサートホールやディズニークルーズなどの大型クルーズ船の拠点を計画している。投資額は7800億円で、年間の純利益は450億円以上を見込む。

 この6月27日のカジノ誘致に反対する要望書提出の際に、横浜市は「(6月)28日以降にコメントする」と説明しており、市から回答がないまま、林市長がカジノ誘致を発表したことが、藤木会長を“烈火のごとく怒らせた”要因の一つでもある。

 そもそも、林市長に対して「顔に泥を塗られた」とまで言い放つ藤木幸夫氏とは、如何なる人物なのか。

 昭和5年8月生まれで横浜市出身。港湾荷役や倉庫事業などを行う「藤木企業」の会長のほか、横浜港運協会会長、横浜港ハーバーリゾート協会会長、横浜エフエム放送社長、横浜スタジアム会長などを務めている。その権力の根源は、藤木会長の父親・藤木幸太郎氏にある。

 藤木企業の前身である「藤木組」は1923年に幸太郎氏が設立した。幸太郎氏は、横浜港の港湾荷役を取りまとめる“顔役”で、現在の広域指定暴力団「稲川会」埋地一家の初代総長を務めた人物でもある。分裂前に日本最大の広域指定暴力団だった「山口組」も神戸港の港湾荷役組織から発祥しており、その山口組の“中興の祖”と言われる三代目の田岡一雄組長と幸太郎氏は昵懇の仲だった。

 藤木幸太郎氏は“ミナトのおやじ”と呼ばれ、横浜港を取り仕切る実力者だった。その息子である幸夫氏は自著『ミナトのせがれ』(神奈川新聞社)の中で、父・幸太郎氏の暴力団や政治家、芸能人など幅広い交友関係を記している。

 横浜が地元の幸太郎氏と、横浜市議会議員から衆議院議員となり、通産大臣、建設大臣などを歴任した小此木彦三郎氏は旧知の間柄。その小此木氏の秘書をしていたのが、菅義偉官房長官である。その後、菅氏は秘書から横浜市議となり、国政に転じて、現在の官房長官にまで登り詰めるわけだが、最初の市議選の時に菅氏を強力にバックアップしたのが、幸夫氏だった。また、幸夫氏は菅官房長官だけではなく、二階俊博・自民党幹事長とも昵懇で中央政界にも太いパイプを持っていると言われている。

 だが、カジノの利権構造は複雑だ。これだけの権力を持っている藤木会長でも、横浜市のカジノ誘致を止めることはできなかった。その背景には、利権を巡る政治構造があるからだろう。

 米国のドナルド・トランプ大統領の最大の支持者は、カジノ運営業者の「ラスベガス・サンズ」だ。同社のシェルドン・アデルソン会長はトランプ大統領の大統領選では2,000万ドル、大統領就任式では500万ドルを寄付したと伝わっている。総額25億円以上の寄付を受ければ、トランプ大統領はラスベガス・サンズに対して忖度しないわけにはいかない。

 2017年2月に安倍晋三首相が訪米した際には、トランプ大統領が安倍首相とアデルソン氏らカジノ業者を引き合わせている。トランプ大統領が安倍首相に対して、日本の首都圏でのカジノ開設を迫った構図を想像するのは難しいことではない。そして、安倍首相の忠臣である菅官房長官が首相の意を汲み、自らの選挙地盤であり“子飼い”の林市長に対して、カジノ誘致を迫ったとしてもおかしくない。

 それだけではない。菅官房長官も、神奈川県の路線を持つ京浜急行とは深い関係にある。京急の小谷昌元会長は1998年以降、菅官房長官が代表を務める「自民党神奈川県第二選挙区支部」や菅官房長官の関連団体などに対して、合計900万円の寄付を行っている。その京急は、2018年8月15日に統合型リゾート施設構想を発表している。京急にとって横浜に統合型リゾート施設ができるメリットは大きい。京急関係者によると、「候補地の最有力は山下ふ頭」だ。

 あたかも、林市長がカジノ誘致を発表することを知っていたかのように、発表当日の8月22日、ラスベガス・サンズは大阪でのカジノ開設を断念し、「東京と横浜での開発の機会に注力する」とのコメントを発表した。また、メルコリゾーツ&エンターテインメント・リミテッドも「横浜が市内に統合型リゾートを誘致する意思を表明したというニュースを聞いて、大変期待が膨らんでおります」とのコメントを発表している。

 一方、大阪でのカジノ誘致をリードしていると見られるMGMは、「大阪でのIR実現に全力を尽くす」とコメントしている。“利権を分け合った構図”にしか見えないのは筆者だけだろうか。

 山下ふ頭は東京都心に近く、羽田空港へのアクセスも良い広大な再開発候補地だ。関係者は山下ふ頭を「最後の聖地」と呼ぶ。その“聖地”は今、民意の及ばないところで再開発されようとしている。

上野前厚労政務官の”口利き疑惑”、音声データまでありながら「メディア総スルー」の末期症状

 甘利明TPP担当相、宮崎謙介衆院議員、舛添要一東京都知事と、次々と政治家を餌食にしてきた“文春砲”が久々のスマッシュヒットを飛ばしたのが、「厚労政務官 上野宏史衆院議員 口利き&暴言音声を公開する」(週刊文春8月21日発売号)だ。

 上野氏が、外国人の在留資格を巡って法務省に口利きをしていたという疑惑で、政策秘書との打ち合わせで「お金もらう案件でやっている」などと語る生々しい録音データも公開した。あっせん利得処罰法違反の疑いがあり、事実なら安倍政権の「看板政策」を食い物にした大スキャンダルだ。ところが……。

「後を追いかけたメディアは時事通信と上野氏の地元・群馬県の上毛新聞のみ。音声という格好のワイドショーネタがあるにも関わらず、テレビ各局は完全無視し『あおり運転』の映像ばかり。かつて週刊新潮による豊田真由子・元衆院議員の『ハゲーーーー!』の音声をこれでもかと流したのとはエライ違いです。上野氏ら当事者が取材に応じなかったことが理由ですが、要は、週刊誌にあっせん利得という政治スキャンダルの”ド真ん中”で抜かれたのが面白くなかったのでしょう。報道が盛り上がらないことから記者達は『9月11日の内閣改造まで乗り切るだろう』と高をくくっていました」(永田町関係者)

 潮目が変わったのは、しばらくしてテレビ朝日が文春と同じ録音データを入手し「独自ネタ」として放送してからだ。

「ようやく他局は『なぜウチは入手できてないんだ!』と焦り、政治部総出で入手経路を探り始めます。文春報道から1週間後の8月28日、上野氏が突如、政務官を辞任すると血眼になって探すハメに。政治家を使って文春から入手を試みたツワモノもいました」(テレビ局政治部記者)

 上野氏は「法令に反する口利きをした事実はない」などと文春報道を否定するコメントを出しただけで、記者会見を開くこともなく雲隠れを続けた。派手に報じたのは当日くらいで、やがて収束。ワイドショーは今度は、隣国の”タマネギ男”のスキャンダルを垂れ流し始める始末だった。

 確かに視聴率のとれない“小物議員”には違いないが、この体たらくに臍をかんだメディアがあった。他でもない、安倍首相”親衛隊”と見られていた産経新聞である。

「9月2日付けの社説で、上野氏の説明責任を追及するだけでなく『安倍晋三首相の任命責任は大きい』とまで踏み込んだのです。大阪社会部出身の飯塚浩彦社長、井口文彦編集局長のラインが政治部に喝を入れたとも取れます」(前出・関係者)

 時を同じくして発覚したのが、元プロ野球選手の自民党・石井浩郎参院議員が、JPアセット証券からデリバティブ取引を巡り、最大6,200万円もの証拠金不足を穴埋めされていた問題だ。証券取引等監視委員会が金融庁に勧告したことで明るみになったが、これも、石井氏が雲隠れしているのを理由に、メディアの扱いは小さい。

「金融商品取引法違反のみならず、なぜ同社から利益供与を受けたのか、政治資金の寄付にあたらないのか、資産報告はどうなっているのか、と突っ込みどころ満載で、いくらでも深堀り記事をつくれるはず。日ごろ付き合いのある政治部記者も石井氏を引っ張り出す努力をせず『社会部マター』と無視を決め込んでいます」(同前)

 こうした疑惑に目をつぶり、やれ小泉進次郎が、三原じゅん子が、と内閣改造の「予想記事」に勤しんだ政治記者たち。そんな毒にもクスリにもならない記事を書いて仕事をした気になっていては、日本の政治ジャーナリズムは末期症状と言うしかないだろう。

安倍政権の内閣改造で注目される二階俊博&小泉進次郎の処遇と「3つの裏テーマ」とは?

 9月2日、安倍晋三首相は政府与党連絡会議で「来週、内閣改造を行いたい」と明言した。「安定と挑戦の強力な布陣を整えたい」と首相が意気込む内閣改造と党役員人事の行方に、永田町は浮足立っている。

 人事の焦点は、滝川クリステルと電撃的な「デキ婚」を発表した小泉進次郎衆院議員と、自民党の「ナンバー2」として3年余り首相を支えてきた二階俊博幹事長の処遇だ。最近の報道では「進次郎の初入閣」「二階は続投」との論調が目立つが、その理由を大手紙政治部デスクはこう解説する。

「安倍首相の頭にある内閣改造の裏テーマは、『政権の安定』『韓国シフト』『消費増税対策』の3つだと言われます。まず、どう批判されようと政権の骨格は崩さない。菅義偉官房長官と麻生太郎副総理兼財務相の留任は既定路線で、その延長に、二階幹事長の続投がある。自派閥を選挙で優先しすぎたり、新中派で独自外交する二階氏が一部で煙たがられることは事実だが、政権内の裏を知る二階氏を野に放ったら何を言われるかわからない。そのリスクを取るくらいなら、まだ政権中枢で『吠えて』いてもらった方が得策だとの判断で続投が濃厚です」

 次に、目下外交上の最重要課題の1つである韓国問題へ対応できる人選が進んでいるという。元徴用工問題に端を発し、韓国向け輸出の優遇措置の停止、軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄にまで発展した韓国との関係は「戦後最悪」とも言われる。保守層の支持基盤を持つ安倍政権にとって、韓国への対応を誤ると致命的なダメージになりかねない。そのため、安倍首相も人事で神経をとがらせているようだ。

「河野太郎外相は、外務省の官僚に忖度しない毅然とした姿勢が安倍首相に評価されています。安倍首相側近の茂木敏充経済再生担当相もポストを狙っており『次は俺が外相だ』と吹聴しているようですが、河野氏が留任とみられています。同じく、世耕弘成経済産業相も輸出政策に関する説明会での答弁などが韓国におもねらなくていいと首相は好意的で留任するでしょう。一方、韓国海軍による自衛隊哨戒機へのレーダー照射問題時の弱腰対応などで批判されている岩屋毅防衛相は更迭される見込み。後任には安定力がある小野寺五典元防衛相の返り咲きや、首相側近で徴用工問題などでも強気の発言を続ける萩生田光一幹事長代行の大抜擢がささやかれている」(前出・デスク)

 最後が、10月に予定されている消費増税に対応するシフトだ。どんな政権でも増税を断行すれば間違いなく支持率は下落する。消費が冷え込んで経済環境が悪化すれば、政権存続の危機にもなりかねない。そこで、国民からの批判をかわすための矢面に立たされそうなのが小泉進次郎氏だという。2018年10月に安倍首相が創設した「全世代型社会保障改革担当大臣」に任命される可能性が取りざたされている。

「自民党の厚生労働部会長でもある進次郎氏は『新時代の社会保障改革ビジョン』を提言するなど、税と社会保障には一家言あります。進次郎氏が前面にたって『いかに増税が国民の老後の社会保障に必要なのか』を熱弁してもらえば、国民からの批判の声も弱まるのではと自民党は考えている。ただ、口さがない自民党議員からは『結婚して客寄せパンダではいられなくなったから、今度は弾除けパンダだな』と揶揄する声も聞こえてきます」

 権謀術数の渦巻く内閣改造・党役員人事の発表は、9月11日を軸に調整が進んでいる。

安倍政権の内閣改造で注目される二階俊博&小泉進次郎の処遇と「3つの裏テーマ」とは?

 9月2日、安倍晋三首相は政府与党連絡会議で「来週、内閣改造を行いたい」と明言した。「安定と挑戦の強力な布陣を整えたい」と首相が意気込む内閣改造と党役員人事の行方に、永田町は浮足立っている。

 人事の焦点は、滝川クリステルと電撃的な「デキ婚」を発表した小泉進次郎衆院議員と、自民党の「ナンバー2」として3年余り首相を支えてきた二階俊博幹事長の処遇だ。最近の報道では「進次郎の初入閣」「二階は続投」との論調が目立つが、その理由を大手紙政治部デスクはこう解説する。

「安倍首相の頭にある内閣改造の裏テーマは、『政権の安定』『韓国シフト』『消費増税対策』の3つだと言われます。まず、どう批判されようと政権の骨格は崩さない。菅義偉官房長官と麻生太郎副総理兼財務相の留任は既定路線で、その延長に、二階幹事長の続投がある。自派閥を選挙で優先しすぎたり、新中派で独自外交する二階氏が一部で煙たがられることは事実だが、政権内の裏を知る二階氏を野に放ったら何を言われるかわからない。そのリスクを取るくらいなら、まだ政権中枢で『吠えて』いてもらった方が得策だとの判断で続投が濃厚です」

 次に、目下外交上の最重要課題の1つである韓国問題へ対応できる人選が進んでいるという。元徴用工問題に端を発し、韓国向け輸出の優遇措置の停止、軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄にまで発展した韓国との関係は「戦後最悪」とも言われる。保守層の支持基盤を持つ安倍政権にとって、韓国への対応を誤ると致命的なダメージになりかねない。そのため、安倍首相も人事で神経をとがらせているようだ。

「河野太郎外相は、外務省の官僚に忖度しない毅然とした姿勢が安倍首相に評価されています。安倍首相側近の茂木敏充経済再生担当相もポストを狙っており『次は俺が外相だ』と吹聴しているようですが、河野氏が留任とみられています。同じく、世耕弘成経済産業相も輸出政策に関する説明会での答弁などが韓国におもねらなくていいと首相は好意的で留任するでしょう。一方、韓国海軍による自衛隊哨戒機へのレーダー照射問題時の弱腰対応などで批判されている岩屋毅防衛相は更迭される見込み。後任には安定力がある小野寺五典元防衛相の返り咲きや、首相側近で徴用工問題などでも強気の発言を続ける萩生田光一幹事長代行の大抜擢がささやかれている」(前出・デスク)

 最後が、10月に予定されている消費増税に対応するシフトだ。どんな政権でも増税を断行すれば間違いなく支持率は下落する。消費が冷え込んで経済環境が悪化すれば、政権存続の危機にもなりかねない。そこで、国民からの批判をかわすための矢面に立たされそうなのが小泉進次郎氏だという。2018年10月に安倍首相が創設した「全世代型社会保障改革担当大臣」に任命される可能性が取りざたされている。

「自民党の厚生労働部会長でもある進次郎氏は『新時代の社会保障改革ビジョン』を提言するなど、税と社会保障には一家言あります。進次郎氏が前面にたって『いかに増税が国民の老後の社会保障に必要なのか』を熱弁してもらえば、国民からの批判の声も弱まるのではと自民党は考えている。ただ、口さがない自民党議員からは『結婚して客寄せパンダではいられなくなったから、今度は弾除けパンダだな』と揶揄する声も聞こえてきます」

 権謀術数の渦巻く内閣改造・党役員人事の発表は、9月11日を軸に調整が進んでいる。

山本太郎・れいわ新選組へのアレルギーが「失言・差別発言」を招く? 自民党に警戒論広がる

 山本太郎氏が立ち上げた「れいわ新選組」が永田町を揺さぶっている。

 参院選比例区では228万票(得票率4.6%)を獲得し、「特定枠」として擁立した候補者2人が当選。山本氏こそ落選したものの、得票率2%以上という政党要件を満たしたことから、約6700万円の政党助成金が支給される予定だ。

 いち政治団体だった「れいわ」が、テレビや新聞の選挙報道で取り上げることはほとんどなかった。唯一、東京新聞だけが投開票前日の20日朝刊で「『れいわ現象』本物か?」という特集記事を掲載したくらい。マスメディアが「スルー」していた一方で、ネットで山本氏の街頭演説で人だかりができる様子が中継されたり、SNSで「インフルエンサー」が支持を表明したりした。そして、選挙期間中に約3憶7,000万円もの寄付金を集めた。

 当選した舩後康彦氏は筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者で、もう1人の木村英子氏も脳性まひで重度障害者がある。さっそく、参院議院運営委員会は25日午前の理事会から、国会内のバリアフリー化に向け協議に入った。山本氏が記者会見で語った「生産性ではなく存在しているだけで人間は価値があるという社会を実現するために政治がある」という言葉が、早くも現実になりつつある。

 これには、「れいわ」を「単なるパフォーマンス団体」と軽視していた自民党執行部も見方を変えつつあるようだ。大手新聞社の政治部デスクが語る。

「1992年に突如として結成され、それから、わずか2カ月後の参院選比例区で4人を当選させた『日本新党』のムーブメントと似ている、と語る自民党議員もいます。その後、日本新党は政治改革を掲げた日本新党は細川連立政権樹立まで突き進むわけですから、突如として登場した新党ブームには、与党も警戒しています。とはいえ、政治改革を掲げて政策理念をきちんと主張できた日本新党と違って、『れいわ』が掲げる消費税廃止や原発即時禁止は政策としては非現実的だと受け止める国民も多い。当事者性がある障害者福祉の拡充以外に、『れいわ』にアドバンテージはないというのが自民党の見方でしょう」

 勢いは認めざるを得ないが、政策で勝負できる政党ではなく、日本新党のように他の野党を巻き込む求心力もない。まだまだ政権を脅威にさらす存在ではない、というのが永田町の空気のようだ。だが、逆に内部からの「自滅」には注意をすべきだという意見が、自民党内部から聞こえてくる。

「自民党の幹部やベテラン議員を中心に、山本太郎氏に対するアレルギーがとても強い。元俳優でパフォーマンスは上手いが、普段の地道な政治活動でどんな実績があるのかと。重度障害者の2人を使って自分のいいように操ろうとする『狡猾な奴だ』と嫌悪感を露わにして言う議員もいます。もちろん、国会のバリアフリー化などは与野党問わず進めていく方針ですが、本音では、ただでさえ激務の国会議員活動を、当選した2人がどこまで担えるのか懐疑的にみている自民党議員がいることは事実。そこに山本憎しの感情がまざることで、何かのタイミングで”本音による失言”が出てしまわないかを危惧している。このご時世に障害者差別と取られる発言などしようものなら一発でアウト。そこから雪崩のように自民党批判が巻き起これば、それこそ山本太郎氏の思うつぼだと警戒している」(前出・デスク)

 かつて配布された自民党の「失言対策マニュアル」が、“れいわ用”にアップデートされる日も近いかもしれない。

今井絵理子議員のインスタが炎上狙いすぎ!「政治の世界で何を残せるか」って!?

 炎上狙いにしてもほどがある。SPEEDメンバーで自民党の今井絵理子議員が5日、インスタグラムを更新。今井氏は「久々にFNS歌謡祭を観て、コブクロさんが唄う『蕾』に泣けた」と、同日放送の『2018 FNS歌謡祭』(フジテレビ系)を観賞したことを報告した。

 同氏は「蕾」になぞらえて、自分の半生を回想。「政治の世界で小さい蕾のような私に、何を残し、何を与えられるのだろうか。笑顔の花が咲く日が来るのだろうか。おしつぶされそうになりながら、おれそうになりながら、ふまれてもふまれても、私はこの世界でたくさんの笑顔の花を咲かせたい」とつづった。

 今井氏といえば、元神戸市議の橋本健被告との略奪不倫疑惑で、批判の的となっている。橋本氏とはスキャンダル発覚後も逢瀬を重ね、最近では半同棲状態にあるという。そんなことから、今井氏の「政治の世界で何を残し、何を与えられるのだろうか」のつぶやきには、「何もねーよ」「ふざけんな!」などブーイングが殺到。不倫疑惑が発覚した際に「一線は越えていない」と発言して話題になったことから「その言葉しか残していないだろ」というツッコミも相次いだ。

「高卒で芸能界に入り、一気にスターとなった彼女は、政界入りした当初は打たれ弱くて、ネット上でのちょっとした中傷にも落ち込んでいた。ところが、略奪不倫報道で、悪い意味で図太くなってしまった。今となっては、つける薬はないですね」(政界関係者)

 もはや“税金泥棒”でしかない――。