『聖娼の島』/廣済堂文庫
■今回の官能小説
『聖娼の島』(うかみ綾乃、廣済堂文庫)
学生の頃、また社会人になっても、ふと気付くと、コミュニティ内に“ヤリマン”のうわさが立っている……そんな経験はないだろうか? 例えば、同じ学校の生徒とはもちろん、他校の生徒ともヤリまくっているうわさがある学区内のヤリマン女生徒や、「他部署の派遣社員が実は」「同業者内で名前をよく聞くあの子」など、あらゆるコミュニティで、ヤリマンの存在はまるで都市伝説のように広まる。
そんなうわさが立つたびに、ヤリマンといわれる女性は、学校なり地域なり会社なりの自分が生きる“村社会”の中で、セックスを利用して自己顕示をしたいのではと思わずにはいられないが、けれどもその中に、一握りの真のヤリマンが存在する。何をもって“真の”ヤリマンとするか。それは、セックスに何の対価も求めないでいられるか否かではないだろうか。そんなことを思わせたのが、今回ご紹介する『聖娼の島』(廣済堂文庫)である。
