インフルエンザ予防に「紅茶」は真っ赤なウソ!? 「予防接種が一番」と感染症の医師語る

 11月15日、国立感染症研究所が、「インフルエンザが全国的な流行期に入った」と発表。例年より数週間から1カ月ほど早く流行期が訪れたといい、早めのインフルエンザ対策が呼びかけられている。

 インフルエンザ対策として、最も一般的なのは「予防接種」だろうが、一方で、毎年この時期になると、テレビや雑誌などでは食べ物や飲み物によって「インフルエンザを撃破しよう」といった情報が飛び交うことも。最近では、紅茶や緑茶、ヨーグルト、はちみつなどが、インフルエンザ予防に効果的とされ、世間でちょっとしたブームになっているといった話も耳にする。

 しかし、ネット上では、こうしたメディアの情報は「ニセ医学」だと、医師から注意喚起されることが珍しくない。そこで今回、ちまたでうわさされるインフルエンザ予防に効果的な食品や飲み物に関して、“感染症のプロ”である、神戸大学病院感染症内科教授・岩田健太郎氏に話をうかがった。

「紅茶」「緑茶」はインフルエンザを予防しない!?

――ここ数年、紅茶がインフルエンザウイルスを“無効化”する説が話題になっています。なんでも、紅茶ポリフェノール「テアフラビン」にそのような効果があるそうで、10月27日付の「食品産業新聞社ニュースWEB」で「紅茶市場が復調 “抗インフルエンザ活性”報道で特需、“タピオカミルクティー”も追い風に」といった記事が掲載されたほどです。

岩田健太郎氏(以下、岩田) 実際に「予防のために紅茶を飲んでいる」という患者さんはいらっしゃいますが、紅茶に関しては「説」以上でも以下でもないといったところですね。本当にインフルエンザウイルスが無効化されるか、立証はされていないので、「そういった意見もある」程度の話と言えるでしょう。

――緑茶はかなり昔から、緑茶のポリフェノール成分の一種「カテキン」に、抗ウイルス作用があると言われていますが、こちらも怪しいのでしょうか。

岩田 緑茶に関しては、飲むというより「うがいをする」と、インフルエンザ予防に役立つのではないかという研究は確かにされています。しかし、それほど質の高い研究ではなく、現状、「緑茶は紅茶に比べて、ちょっとマシな研究データはあるものの、たいしたデータはない」「どれほど予防できるかはさっぱりわからない」というのが実際のところでしょう。少なくとも私は、自分の患者さんに、紅茶や緑茶でインフルエンザを予防しようとは言わないですね。

――実験データを用いながら「紅茶や緑茶が効果的」と説明する番組や雑誌なども数多く見かけますが……。

岩田 それは、実験室内で得られた「インフルエンザウイルスを抑制する」というデータを、あたかも「人間のインフルエンザという病気を予防する」と錯覚させるように伝えているということでは。詳しく説明すると、インフルエンザウイルスは「モノ」であり、インフルエンザは「病気」であって、ウイルスは病気の原因ではあるけれど、病気そのものではありません。また、「実験室内」と「人間の体」というのも、また別物なのです。多くの方がその2つを勘違いしているのではないでしょうか。

 紅茶や緑茶に、「人間のインフルエンザという病気を予防する」というデータは、全然ないかほとんどない。したがって、プロの医者であれば、そんなものは勧めないのです。実験室内でのウイルス抑制に関するデータを針小棒大に語る研究者もよくないし、それを「インフルエンザ対策にもってこい」などとテロップで流すメディアもよくありませんね。ちなみにインフルエンザ治療に関しても、「インフルエンザウイルスを抑える薬がある」のと、「それを飲むとインフルエンザが治る」というのは、全然意味が違います。

――ハチミツも「インフルエンザウイルスの増殖を抑制する働きがある」などと言われているのですが、これも同様に、インフルエンザという「病気」に利益があるかどうかはわからないですね。

岩田 そうですね。ただハチミツは、咳が出る際、咳を抑える効果があるというのは立証されています。理由はよくわかっていないのですが。

――ほかにも、ヨーグルトなどに含まれる乳酸菌を摂取すると、免疫力がアップし、インフルエンザ予防に役立つと言われています。

岩田 まず「免疫力が高まる」というキーワードを使っている人がいたら、ほぼ「インチキ」と思ってもらって構いません。というのも、免疫力はいわば「調整機能」なので、そもそも「高まる」ことはあまりなく、高まりすぎると、自分の体を攻撃し始め、リウマチなどの自己免疫疾患の原因にもなります。一方、免疫力が低くなることはあり、典型的な例で言うと、エイズは免疫力が低すぎる状態になる病気です。つまり免疫力は高すぎても低すぎてもよくないもので、「免疫力が高まる」ことを「よいこと」という前提で話している時点で、それはほぼインチキと言えるでしょう。「免疫力を上げよう」という書籍や雑誌、また自費診療のクリニックもありますが、これらはほぼインチキでぼったくり。しかしそんな中、唯一わかっている免疫力を上げるものが、ワクチン。これは、「ある病原体」に対する免疫力を上げることによって、その病気にかからなくすることが立証されているのです。

――ということは、乳酸菌は「免疫力を整える」効果はあるのでしょうか。

岩田 多少はあります。しかし、そもそも乳酸菌という名前の単一の菌は存在しません。乳酸をつくる菌の総称を「乳酸菌」と呼んでいるに過ぎず、どの乳酸菌なのかによって、それぞれ作用が違うものなのです。乳酸菌の一つである菌が、確かに健康に利益をもたらすという研究はあるのですが、一方で利益はないとの研究もある。どの菌がどの病気のどういうことに利益があったり不利益があるかは、一つひとつの論文を検証しなければならず、ざっくり「乳酸菌がインフルエンザ予防にいい」と言われても、いいか悪いかは判断できません。

――ちなみに、食品以外にも、インフルエンザ予防として推奨されているさまざまなものがあります。例えば、体を温かくすること。ただ、これも結局、「それによって免疫力が上がる」と言われているのですが……。

岩田 人間の体温は一定の範囲に調整されていて、極端に体温が上がったり下がったりしないようになっています。しかし、例えば冬の海に長時間浸かっていたりした場合、極端に体温が下がり、免疫力も下がって、病気にかかりやすい状態になることはわかっています。ただそういう方は、救急車で運ばれてくるような状況の人であり、日常生活を送っている人が、一定の範囲内で、体温を少し上げたところで、何かあるのか……というのは、その人の基礎体温にもよりますし、一概には言えないこと。「体を温めれば、インフルエンザを予防できる」というのは、真っ赤なウソと言えます。

――そのほかに、先生がよく見聞きする「インフルエンザ予防」で、「効果があまり望めない」と感じるものはありますか。

岩田 「手洗い」「うがい」「マスク」は、インフルエンザ予防にほとんど役に立たないでしょうね。感染症の予防で一番大事なのは、感染経路を遮断すること。病原体がやって来る場所をブロックするのです。例えば、性感染症は、感染経路がセックスなので、コンドームで予防しますよね。とてもシンプルな話なのです。

 インフルエンザは、持つ人の咳やくしゃみなどによって、ウイルスが口や鼻に入ってきて、感染する。手から感染することもありますが、めったにないので、手洗いは予防としてあまり意味がない。また、ウイルスは鼻の奥に定着し、のどだけにウイルスがいることはないので、うがいも有効とは言えません。それに、一度体内に入ってしまったら、すぐにのどの奥に進んでいくので、うがいをしたところで、焼け石に水なのです。

 そして、マスクについても、鼻の横やあごの下にすき間がたくさんあるので、ウイルスをブロックできていません。よく花粉やウイルスなどを99.9%ブロックする、などと喧伝するマスクが売られていますが、あれも全然ブロックしていない。実験室において、使用されている布そのものは99.9%花粉やウイルスを遮断したかもしれませんが、実際には、すき間から入ってきてしまいます。じゃあ、すき間を全て塞ごうとすると、今度は息ができなくなります。なので、基本的に、予防のためにマスクをすることには、何の意味もないのです。むしろマスクは、病気になった人が、自分の咳やくしゃみを広げないためにするためのものと言えるでしょう。

――やはり、インフルエンザ対策には、予防接種を打つというのが一番なのでしょうか。

岩田 そういうことです。インフルエンザ予防には、ワクチンが最も効果的だとわかっています。私には小学生の娘がいるのですが、学校から「手洗い、うがい、マスクでインフルエンザを予防しましょう」との呼びかけがあり、「なぜ、『インフルエンザワクチンを打ちましょう』と言わないのか?」と、疑問を抱いてしまいます。経済的にワクチンを打つことができないご家庭に配慮しているようなのですが、私は、助かる人がいるのであれば、助かるように推奨すべきだと考えます。全員横並びで助からない、という変な平等思考は間違っています。

――なぜ、食品や生活習慣からインフルエンザを予防しようという動きがなくならないのでしょうか。

岩田 そうしたネタは、“セクシー”だからです。アメリカでもそのような言い方がされています。「病院で予防接種を打つ」より「自然食品で病気の予防をする」方が、何だかファッショナブルでカッコいいし、もっと言うと、人に「意識が高い裕福な人が実践しているようなイメージ」を抱かせるのです。この世には、有名人しか知らない特殊な健康法があるなどと言われますが、そんなことはあり得ませんし、有名人発信の健康法がデマであることもよくあります。健康に効くことは全部公開されており、「みんなが知っていること」の方が、確実なのです。現実世界は、そんなセクシーにできていないということを、心に留めておいてほしいと思います。

岩田健太郎(いわた・けんたろう)
神戸大学医学部感染症内科教授。1997年島根医科大学(現・島根大学)卒業。沖縄県立中部病院研修医、コロンビア大学セントルークス・ルーズベルト病院内科研修医を経て、アルバートアインシュタイン大学ベス・イスラエル・メディカルセンター感染症フェローとなる。2003年に中国へ渡り北京インターナショナルSOSクリニックで勤務。04年に帰国、亀田総合病院(千葉県)で感染内科部長、同総合診療・感染症科部長歴任。08年より現職。

インフルエンザ予防に「紅茶」は真っ赤なウソ!? 「予防接種が一番」と感染症の医師語る

 11月15日、国立感染症研究所が、「インフルエンザが全国的な流行期に入った」と発表。例年より数週間から1カ月ほど早く流行期が訪れたといい、早めのインフルエンザ対策が呼びかけられている。

 インフルエンザ対策として、最も一般的なのは「予防接種」だろうが、一方で、毎年この時期になると、テレビや雑誌などでは食べ物や飲み物によって「インフルエンザを撃破しよう」といった情報が飛び交うことも。最近では、紅茶や緑茶、ヨーグルト、はちみつなどが、インフルエンザ予防に効果的とされ、世間でちょっとしたブームになっているといった話も耳にする。

 しかし、ネット上では、こうしたメディアの情報は「ニセ医学」だと、医師から注意喚起されることが珍しくない。そこで今回、ちまたでうわさされるインフルエンザ予防に効果的な食品や飲み物に関して、“感染症のプロ”である、神戸大学病院感染症内科教授・岩田健太郎氏に話をうかがった。

「紅茶」「緑茶」はインフルエンザを予防しない!?

――ここ数年、紅茶がインフルエンザウイルスを“無効化”する説が話題になっています。なんでも、紅茶ポリフェノール「テアフラビン」にそのような効果があるそうで、10月27日付の「食品産業新聞社ニュースWEB」で「紅茶市場が復調 “抗インフルエンザ活性”報道で特需、“タピオカミルクティー”も追い風に」といった記事が掲載されたほどです。

岩田健太郎氏(以下、岩田) 実際に「予防のために紅茶を飲んでいる」という患者さんはいらっしゃいますが、紅茶に関しては「説」以上でも以下でもないといったところですね。本当にインフルエンザウイルスが無効化されるか、立証はされていないので、「そういった意見もある」程度の話と言えるでしょう。

――緑茶はかなり昔から、緑茶のポリフェノール成分の一種「カテキン」に、抗ウイルス作用があると言われていますが、こちらも怪しいのでしょうか。

岩田 緑茶に関しては、飲むというより「うがいをする」と、インフルエンザ予防に役立つのではないかという研究は確かにされています。しかし、それほど質の高い研究ではなく、現状、「緑茶は紅茶に比べて、ちょっとマシな研究データはあるものの、たいしたデータはない」「どれほど予防できるかはさっぱりわからない」というのが実際のところでしょう。少なくとも私は、自分の患者さんに、紅茶や緑茶でインフルエンザを予防しようとは言わないですね。

――実験データを用いながら「紅茶や緑茶が効果的」と説明する番組や雑誌なども数多く見かけますが……。

岩田 それは、実験室内で得られた「インフルエンザウイルスを抑制する」というデータを、あたかも「人間のインフルエンザという病気を予防する」と錯覚させるように伝えているということでは。詳しく説明すると、インフルエンザウイルスは「モノ」であり、インフルエンザは「病気」であって、ウイルスは病気の原因ではあるけれど、病気そのものではありません。また、「実験室内」と「人間の体」というのも、また別物なのです。多くの方がその2つを勘違いしているのではないでしょうか。

 紅茶や緑茶に、「人間のインフルエンザという病気を予防する」というデータは、全然ないかほとんどない。したがって、プロの医者であれば、そんなものは勧めないのです。実験室内でのウイルス抑制に関するデータを針小棒大に語る研究者もよくないし、それを「インフルエンザ対策にもってこい」などとテロップで流すメディアもよくありませんね。ちなみにインフルエンザ治療に関しても、「インフルエンザウイルスを抑える薬がある」のと、「それを飲むとインフルエンザが治る」というのは、全然意味が違います。

――ハチミツも「インフルエンザウイルスの増殖を抑制する働きがある」などと言われているのですが、これも同様に、インフルエンザという「病気」に利益があるかどうかはわからないですね。

岩田 そうですね。ただハチミツは、咳が出る際、咳を抑える効果があるというのは立証されています。理由はよくわかっていないのですが。

――ほかにも、ヨーグルトなどに含まれる乳酸菌を摂取すると、免疫力がアップし、インフルエンザ予防に役立つと言われています。

岩田 まず「免疫力が高まる」というキーワードを使っている人がいたら、ほぼ「インチキ」と思ってもらって構いません。というのも、免疫力はいわば「調整機能」なので、そもそも「高まる」ことはあまりなく、高まりすぎると、自分の体を攻撃し始め、リウマチなどの自己免疫疾患の原因にもなります。一方、免疫力が低くなることはあり、典型的な例で言うと、エイズは免疫力が低すぎる状態になる病気です。つまり免疫力は高すぎても低すぎてもよくないもので、「免疫力が高まる」ことを「よいこと」という前提で話している時点で、それはほぼインチキと言えるでしょう。「免疫力を上げよう」という書籍や雑誌、また自費診療のクリニックもありますが、これらはほぼインチキでぼったくり。しかしそんな中、唯一わかっている免疫力を上げるものが、ワクチン。これは、「ある病原体」に対する免疫力を上げることによって、その病気にかからなくすることが立証されているのです。

――ということは、乳酸菌は「免疫力を整える」効果はあるのでしょうか。

岩田 多少はあります。しかし、そもそも乳酸菌という名前の単一の菌は存在しません。乳酸をつくる菌の総称を「乳酸菌」と呼んでいるに過ぎず、どの乳酸菌なのかによって、それぞれ作用が違うものなのです。乳酸菌の一つである菌が、確かに健康に利益をもたらすという研究はあるのですが、一方で利益はないとの研究もある。どの菌がどの病気のどういうことに利益があったり不利益があるかは、一つひとつの論文を検証しなければならず、ざっくり「乳酸菌がインフルエンザ予防にいい」と言われても、いいか悪いかは判断できません。

――ちなみに、食品以外にも、インフルエンザ予防として推奨されているさまざまなものがあります。例えば、体を温かくすること。ただ、これも結局、「それによって免疫力が上がる」と言われているのですが……。

岩田 人間の体温は一定の範囲に調整されていて、極端に体温が上がったり下がったりしないようになっています。しかし、例えば冬の海に長時間浸かっていたりした場合、極端に体温が下がり、免疫力も下がって、病気にかかりやすい状態になることはわかっています。ただそういう方は、救急車で運ばれてくるような状況の人であり、日常生活を送っている人が、一定の範囲内で、体温を少し上げたところで、何かあるのか……というのは、その人の基礎体温にもよりますし、一概には言えないこと。「体を温めれば、インフルエンザを予防できる」というのは、真っ赤なウソと言えます。

――そのほかに、先生がよく見聞きする「インフルエンザ予防」で、「効果があまり望めない」と感じるものはありますか。

岩田 「手洗い」「うがい」「マスク」は、インフルエンザ予防にほとんど役に立たないでしょうね。感染症の予防で一番大事なのは、感染経路を遮断すること。病原体がやって来る場所をブロックするのです。例えば、性感染症は、感染経路がセックスなので、コンドームで予防しますよね。とてもシンプルな話なのです。

 インフルエンザは、持つ人の咳やくしゃみなどによって、ウイルスが口や鼻に入ってきて、感染する。手から感染することもありますが、めったにないので、手洗いは予防としてあまり意味がない。また、ウイルスは鼻の奥に定着し、のどだけにウイルスがいることはないので、うがいも有効とは言えません。それに、一度体内に入ってしまったら、すぐにのどの奥に進んでいくので、うがいをしたところで、焼け石に水なのです。

 そして、マスクについても、鼻の横やあごの下にすき間がたくさんあるので、ウイルスをブロックできていません。よく花粉やウイルスなどを99.9%ブロックする、などと喧伝するマスクが売られていますが、あれも全然ブロックしていない。実験室において、使用されている布そのものは99.9%花粉やウイルスを遮断したかもしれませんが、実際には、すき間から入ってきてしまいます。じゃあ、すき間を全て塞ごうとすると、今度は息ができなくなります。なので、基本的に、予防のためにマスクをすることには、何の意味もないのです。むしろマスクは、病気になった人が、自分の咳やくしゃみを広げないためにするためのものと言えるでしょう。

――やはり、インフルエンザ対策には、予防接種を打つというのが一番なのでしょうか。

岩田 そういうことです。インフルエンザ予防には、ワクチンが最も効果的だとわかっています。私には小学生の娘がいるのですが、学校から「手洗い、うがい、マスクでインフルエンザを予防しましょう」との呼びかけがあり、「なぜ、『インフルエンザワクチンを打ちましょう』と言わないのか?」と、疑問を抱いてしまいます。経済的にワクチンを打つことができないご家庭に配慮しているようなのですが、私は、助かる人がいるのであれば、助かるように推奨すべきだと考えます。全員横並びで助からない、という変な平等思考は間違っています。

――なぜ、食品や生活習慣からインフルエンザを予防しようという動きがなくならないのでしょうか。

岩田 そうしたネタは、“セクシー”だからです。アメリカでもそのような言い方がされています。「病院で予防接種を打つ」より「自然食品で病気の予防をする」方が、何だかファッショナブルでカッコいいし、もっと言うと、人に「意識が高い裕福な人が実践しているようなイメージ」を抱かせるのです。この世には、有名人しか知らない特殊な健康法があるなどと言われますが、そんなことはあり得ませんし、有名人発信の健康法がデマであることもよくあります。健康に効くことは全部公開されており、「みんなが知っていること」の方が、確実なのです。現実世界は、そんなセクシーにできていないということを、心に留めておいてほしいと思います。

岩田健太郎(いわた・けんたろう)
神戸大学医学部感染症内科教授。1997年島根医科大学(現・島根大学)卒業。沖縄県立中部病院研修医、コロンビア大学セントルークス・ルーズベルト病院内科研修医を経て、アルバートアインシュタイン大学ベス・イスラエル・メディカルセンター感染症フェローとなる。2003年に中国へ渡り北京インターナショナルSOSクリニックで勤務。04年に帰国、亀田総合病院(千葉県)で感染内科部長、同総合診療・感染症科部長歴任。08年より現職。

サウナブームに専門医が警鐘! 「整う」より正しい入浴法の基礎とは!?  

 リラックス効果やデトックス効果が期待できるといわれるサウナ。昨今、そんなサウナを舞台にした漫画やテレビドラマが登場し、情報番組などでも特集を組まれるなど、空前の“サウナブーム”になっている。サウナ愛好者を「サウナー」と呼び、そうしたサウナ―が使う「整う」といった言葉がネット上で散見されることも。しかし一方で、サウナの利用が原因となった死亡事故なども報告されており、その危険性も見逃せない。そこで今回、『最高の入浴法~お風呂研究20年、3万人を調査した医師が考案』(大和書房)『たった1℃が体を変える ほんとうに健康になる入浴法』(KADOKAWA)など、お風呂・温泉と健康にまつわる著書を執筆している温泉療法専門医・早坂信哉氏に、サウナによる健康効果と危険性についてうかがった。

サウナには「デトックス効果」も「ダイエット効果」もない

――サウナに入浴することによって、大量の汗が流れ出ます。それが「デトックス効果」につながるといわれていますが、それは本当なのでしょうか。

早坂信哉氏(以下、早坂) 体の中に溜まった「悪いもの」、つまり老廃物や有害物質を排出するという意味での「デトックス効果」は期待できません。研究でも報告されていますが、サウナ入浴で出た汗には、ほとんど老廃物や有害物質は含まれておらず、これらのほとんどが、糞便や尿によって排泄されることが明らかになっています。ただ、温熱効果で血流の巡りは確かに良くなるので、肝臓や腎臓に血液が送られることにより、排せつ器官の運動が活発になり、老廃物などが体の外に出やすくなるということはあります。血流の改善が本来のサウナのデトックス作用と言えるので、発汗は排せつではなく、体温が十分に上がったというサインとお考えください。

――サウナ入浴後、体重が減っていることがありますが、ダイエット効果があると期待していいのでしょうか。

早坂 サウナによって出た大量の汗は、上がった分の体温を下げる“体温調節”のための汗です。体重が減っているのは、体内の水分が出ているだけなので、ダイエット効果は期待できません。だいたい、80度ぐらいのサウナに10分ほど入浴すると、500ミリリットルぐらいの汗をかくと言われているので、それぐらい体重が減ることもありますが、ただの脱水。なので、水分補給をすれば、すぐに戻ってしまいます。熱を与えられることによって、多少なりとも代謝は上がるものの、運動のように脂肪燃焼をしているわけではないのです。また、500ミリリットルほど体内の水分が出てしまうと言いましたが、それにより熱中症にかかってしまう可能性もあるので、水分補給をしてほしいですね。

――どれぐらいの水分補給が必要なのか、目安を教えてください。

早坂 入浴前にコップ1~2杯を飲んでください。また、500ミリリットルぐらい汗をかくので、入浴後にも1~2杯の水分を摂ってほしいですね。水でも十分ですが、ミネラルが入ったむぎ茶、スポーツ飲料やイオン飲料の方が吸収もいいですし、より適しているかもしれません。入浴後に水分補給を怠ると、血液の流れが悪くなり熱中症になる可能性もありますし、血液の粘り気が出て血の塊(血栓)ができやすくなります。血管が詰まると、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こしかねません。

――また、飲酒後にサウナで大量に汗をかくことで、アルコールが早く抜けるといったことを聞いたことがあるのですが。

早坂 アルコールが抜けるといった効果もありませんね。飲酒をすると血圧が下がったり、眠くなりますが、そのような体調でサウナに入浴すると、気を失ってしまう場合や寝てしまうケースがあり、熱中症になることもあります。飲酒後のサウナ入浴は危険なのでやめましょう。また、アルコールを代謝するためには、たくさんの水分を必要としますが、サウナに入浴することで、その分の水分まで失われてしまい、結果的にアルコールの代謝が逆に遅れてしまう可能性が高くなります。二日酔いの時にサウナでスッキリしたいという方もいるようですが、同様の理由からオススメできません。
――そのほかに、危険な入浴方法などはあるのでしょうか。

早坂 水風呂の入り方には注意してほしいです。熱いサウナから10度前後の冷水にいきなり浸かると、急激な温度差によって体調不良を起こす「ヒートショック」を自ら発生させるような状況になります。血圧が大きく変動することで、脳卒中や不整脈、狭心症を発症し、最悪の場合死亡することも。意識を失い、水風呂の中で溺死するといった事故もあるので、十分注意してください。

――サウナの醍醐味は「水風呂」というような声もあるのですが、どうしても水風呂に入浴したい場合、注意すべきポイントなどがあったら教えてください。

早坂 冷たすぎる水風呂は避け、“25~30度”ぐらいの「ちょっと冷たいな」と思うぐらいのぬるま湯の風呂に、“ドボン”と浸かるのではなく、手足に少しずつ水をかけ、静かに少しずつ体を慣れさせながら入浴してほしいです。水風呂より刺激が少なく安全なシャワーや外気浴などの方が、体のことを考えるとオススメですね。

――最近はスーパー銭湯など、食事もできる複合型温泉施設などもあります。食事の前後にサウナに入浴するのはどうなんですか。

早坂 できれば食事の前後30分~1時間程度は避けた方がいいです。というのも、皮膚の表面が温められると、全身の血液が皮膚の近くに集まり、消化器官の血液が少なくなります。その結果、消化不良を招く可能性も。また、熱や急な体の痛みが出始めている時、腰痛など慢性的な痛みがひどくなり始めている時なんかもやめた方がいいです。サウナは刺激が強いですし、疲れすぎている時に入浴することによって、逆に体調を崩すことも考えられます。

――サウナに入浴する際、女性が特に注意するべきポイントなどお聞かせください。

早坂 体調については男女ともに、熱中症やヒートショックなどのリスクに差はありません。ただ、美容という点では、注意が必要でしょう。ドライサウナや遠赤外線サウナなどは、湿度が低くとても乾燥しているので、毛髪の乾燥を防ぐために濡れタオルやサウナハットを着用した方がいいかもしれません。霧状のミストが出るミストサウナは乾燥を防げますし、通常のサウナよりも体への負担も少ないので、乾燥が気になる方はこちらの方がいいのではないでしょうか。

サウナで「整う」よりも無理をしない

――“サウナー”と呼ばれるサウナ愛好家の方たちは、サウナと水風呂の入浴を1セットとして、何セットも繰り返すことによって「整う」といった感覚を楽しんでいますよね。

早坂 「あと〇分……」などの我慢大会のような入浴方法は危険ですし、やめてほしいです。汗が流れ出たということは、体温が1.5度ぐらい上昇し、血流が良くなってきた証拠なので、自分にノルマを課していたとしても、ひとまず出るようにしましょう。あくまでも目安ですが、80度のサウナであればどんなに長くても10分まで、100度なら5~6分まで、初心者の方は60度ぐらいの低温のサウナにせいぜい15分ぐらいまでに抑え、自分の体調と相談し、とにかく無理をしないでください。汗をかけばかくほど毒素が出るというわけではないですし、正しい入浴方法で血行促進やリフレッシュに役立ててほしいです。

早坂信哉(はやさか・しんや)
東京都市大学人間科学部教授、一般財団法人日本健康開発財団温泉医科学研究所所長、温泉療法専門医、博士(医学)。著書に『最高の入浴法~お風呂研究20年、3万人を調査した医師が考案』(大和書房)、『入浴検定公式テキスト』(日本入浴協会)がある。

グルタチオン配合の「白玉点滴」「美白サプリ」はニセ医学? 医師に聞く「証拠はほぼない」恐るべき実態

 近頃、美白効果が得られるとされる成分「グルタチオン」配合のサプリメントや点滴が、美容意識の高い女性の間でブームになっているのをご存じだろうか。人気有名人がオススメしていることもあってか、経口用サプリ「リプライセル リポソーム GSH グルタチオン」が飛ぶように売れ、また美容クリニックではグルタチオン配合の「白玉点滴」が人気を博しているという。ネット上には、実際に「肌が白くなった」「シミ対策に最適」といった声が飛び交っているが、一方で、その効果や安全性に疑問を抱く人も少なくない様子。そこで今回、『「ニセ医学」に騙されないために』(内外出版社)の著者であり、世にはびこる「医学のデマ情報」に鋭い目を向けている内科医・名取宏氏に取材を行い、グルタチオンの効果や安全性について、話をお聞きした。

1万円もザラの「白玉点滴」――グルタチオン1アンプルは数十円!?

――まず、グルタチオンとはどのようなものでしょうか。

名取宏氏(以下、名取) グルタチオンは「グルタミン酸」「システイン」「グリシン」という3つのアミノ酸によって形成される低分子量のペプチドです。体内にも存在し、抗酸化作用を有するものなので、“理論上”、体に良い可能性は十分あると言えるでしょう。

 また、グルタチオンは、そもそも美容目的で用いられるものではなく、「日本薬局方」(医薬品の規格基準書)に収載されている公的な医薬品で、薬物中毒、慢性肝疾患における肝機能の改善、急性湿疹などに効能または効果があるとされています。

――薬物中毒に慢性肝疾患……「美白」とはまったく異なる病気に用いられる医薬品なのですね。

名取 ただグルタチオンは、一言で言うと「昔の薬」で、現在ではあまり使われない医薬品と言えます。慢性肝疾患は私の専門分野ですが、グルタチオンを実地臨床で使ったことはありませんし、使っているほかの肝臓内科医も知りませんね。また、肝疾患以外のほかの疾患にも、ほとんど使われていないのではないかと思います。グルタチオンの添付文書に掲載されている文献の多くが、和文の、しかも1970年前後のきわめて古いもので、現在の基準ではとうてい保険適用されるレベルの医薬品ではありません。EBM(エビデンスに基づいた医療)という考え方が浸透するずっと以前に保険適用されてしまった医薬品と言えるでしょう。

――「昔の薬」が、いま美容界でブームになっているのも、なかなか不思議な話ですね。グルタチオン配合の「白玉点滴」のように、自費診療のクリニックが、公的な医薬品を保険適用外使用するというのは、珍しくないのでしょうか。

名取 そうですね。国内で承認された医薬品は、薬局を通して容易にかつ安価で購入することができるのですが、それを「こうした効果・効能もありますよ」というふうに付加価値をつけて宣伝し、高額な自費診療で提供することは珍しくないでしょう。注射用グルタチオンも、薬価は実は1アンプル数十円程度なのですが、美容クリニックの「白玉点滴」は、何アンプル使用しているか不明ではあるものの、1万円以上することもザラだと言います。

 また、がんに効果があるとされる「高濃度ビタミンC点滴療法」も同様です。ビタミンCのアンプル自体は医薬品で安く手に入るのですが、それを自費診療として高い値段をつけて提供している。「高濃度ビタミンC点滴療法」自体、あまり根拠のないものなんですけどね。

――経口サプリの「リプライセル リポソーム GSH グルタチオン」が、現在、売れているようなのですが、実際に美白効果は望めるのでしょうか。

名取 私も調べてみて驚いたのですが、経口のグルタチオンについては美白効果があったとする臨床研究が少ないながらあります。ただし、研究の質はあまり高くなく、本当に効果があるかどうかは確定的ではありません。また、どれぐらいの量をどれぐらいの期間摂取すればいいのかも一定の見解はありません。うがった見方をすると、サプリを売りたいメーカー側が、小規模な臨床研究を行い、たまたま良い結果が出たものだけを発表した可能性も否定できません。そもそも「美白」というのは、主観的に判断されがちという点も踏まえ、経口のグルタチオンは、美白に「効かないとは言えないが、効くとも言えない」程度のものなのではないでしょうか。

――安全性の面ではいかがでしょうか。

名取 経口のグルタチオン摂取は、かなり安全だと思われます。ただ、医薬品のグルタチオン錠ではなく、グルタチオンを含むサプリメントの類いだと、安全性が保証されているとは限りません。

――ちなみに「リプライセル リポソーム GSH グルタチオン」は、「栄養素破壊から保護するために不可欠なリン脂質によって作られたリポソームを使用している」点をアピールしています。つまり「グルタチオンが体内に長く残る」ことで、ほかの経口サプリと差別化を図っているようです。

名取 「リプライセル リポソーム GSH グルタチオン」は、医薬品ではなくサプリなので、ちゃんとした論文がない、もしくはあっても提示されていないと思うのですが、本当にリン脂質によって栄養素破壊から保護されるというデータはあるのか、もし保護されたとして美白効果が上がるというデータはあるのか、疑問を抱かざるを得ません。そもそも美白効果自体があるかどうか、わからないですしね。

 もう一つ、グルタチオンが「体内に長く残る」というのは、直感的に「怖い」と思いました。それだけ副作用のリスクが上がるからです。一般的なグルタチオン錠には、これまで大きな副作用はなかったものの、リン脂質という“余計なもの”をくっつけたせいで、副作用が出る可能性もあります。副作用のリスクについては、果たしてちゃんと調べているのでしょうか。もし調べているのであれば、それを提示すべきだと思います。

―― 一方で、「白玉点滴」に関してはいかがでしょうか。

名取 注射によるグルタチオンの美白効果についての証拠はほとんどありません。逆に、効果の乏しさと危険性について、複数の専門家から注意喚起がなされています。臨床医の間でトップレベルに評価されているイギリスの医学雑誌「BMJ」で、ある皮膚科医が「非倫理的(Unethical)」と強く批判していたことも。色素異常症などの病理研究に携わる中、効果のほどがわからない美白目的でのグルタチオン注射の治療を行うのは「危ない」と感じ、警鐘を鳴らしたかったのではないかとも考えられます。また、米国FDA(アメリカ食品医薬品局)も、消費者に対して「潜在的に重大な安全上のリスク(a potentially significant safety risk)」をもたらすとしています。このようにFDAが承認していない製剤が使われているため、米国では「危険性が高い」と考えられているようですね。

――海外で「危険」とされているのに、日本でブームとなっているとは、驚きを隠せません。

名取 ただ、日本では医薬品として承認されている製剤であれば、危険性は低いでしょう。一方で、製剤そのもののリスクとは別に、注射針を刺すこと自体に一定のリスクはありますし、薬液を点滴に混ぜたり、点滴ボトルに通気針を刺したりする一連の行為で、注射液が汚染されるリスクもあります。効果が同じであれば注射・点滴ではなく経口投与するのが医学上の常識です。

――美容クリニックでは、「経口より点滴の方が効果的」と説明されるケースも多いようですが。

名取 美容点滴に限らずですが、確かに「点滴の方が効きそうな気がする」という患者さんはたまにいらっしゃいます。日本では過去に、開業医がサービスの一環として、患者さんに点滴をよく打っていたことがあったそうなのですが、現在では「よろしくない」と認識されているのです。そんな中、美容クリニックでは堂々と行われていると聞くと、「文化が違う」と驚く部分はありますね。

 しかし、美容目的のグルタチオン投与では、効果が同じどころか、むしろ注射製剤の方がエビデンスに乏しい。そうなると、経口製剤ではなく、わざわざ点滴投与する意味がわかりません。「『点滴の方が効果的』と考える患者さんが多そうだから」「点滴の方が高い値段をつけられるから」といった、美容クリニック側のよこしまな動機が働いているとしか思えません。

――美容サプリや美容点滴などを試す際、どのような点に気をつけるべきだと思いますか。

名取 正直に言いまして、私にはわかりません。病気に対する治療であれば、保険適用になっているものを選べば、ほぼ間違いないのですが、美容に関しては、保険適用のようなわかりやすい基準がありません。強いて言えば、「あまりにも高価なものは避ける」「信じすぎない。期待しすぎない」「有名人がオススメしていることは、何ら根拠にならない」などを、肝に銘じることだと思います。

 今回、特に「白玉点滴」を調べてみて思ったのは、美容医療の分野には、信頼できない情報がはびこっているということ。まさに「魑魅魍魎」という感じですね。大きなお金が動く割に、一般的な医学分野のように専門家のチェックが入りにくいから、このような状況が生まれているのではないでしょうか。もちろん、美容クリニックが全て悪だというわけではなく、よろしくないことをやっているクリニックが、「白玉点滴」などの根拠に乏しい美容医療に手を出すイメージです。そういったクリニックは、美容以外にも、自費診療で「高濃度ビタミンC点滴療法」や「血液クレンジング」を提供しているように思います。

――今回の「グルタチオン」に限らず、「ニセ医学」が横行し、しかも流行してしまう背景についてどう思われますか。

名取 残念なことですが、標準的な医療が必ずしも満足のいく結果を出せていないことがその一因でしょう。標準的な医療が、がんでもアトピー性皮膚炎でも副作用なく、全部治せることができれば、「ニセ医学」がはやる余地はありません。ただ、医学は日々進歩しています。100%治すことはできなくても、少しでも治る確率の高い治療を提供することはできます。

 誇大な宣伝や嘘も、「ニセ医学」がはやる理由の一つです。標準的な医療を提供する医師は、治療の限界や副作用について、正確な情報を提供しなければなりません。治らないときは「治りません」と説明します。その際、医師は患者さんを不安にさせないよう、伝え方などに工夫を凝らすものですが、中には、患者さんに不信感を抱かせてしまうケースもあるように思います。そんなとき、しばしば治療の効果を誇大に宣伝したり、副作用がないと嘘をついたりする「ニセ医学」を求めてしまう患者さんが一定数出てくるのではないでしょうか。

――なかなか一般人が、エビデンスに基づく正しい情報を得るのは難しい面もあるように感じます。

名取 実際に、クリニックで横行する未承認の“インチキ”幹細胞療法に対し、日本再生医療学会が声明を出して、法律がつくられた例もあります。このように、医学会などの専門家集団が、もっと注意喚起をしていくべきなのかもしれませんね。

名取宏(なとり・ひろむ)
内科医。医学部を卒業後、大学病院勤務、大学院などを経て、現在は市中病院に勤務。Twitterやブログで情報を発信している。著書に『「ニセ医学」に騙されないために』(内外出版社)がある。
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グルタチオン配合の「白玉点滴」「美白サプリ」はニセ医学? 医師に聞く「証拠はほぼない」恐るべき実態

 近頃、美白効果が得られるとされる成分「グルタチオン」配合のサプリメントや点滴が、美容意識の高い女性の間でブームになっているのをご存じだろうか。人気有名人がオススメしていることもあってか、経口用サプリ「リプライセル リポソーム GSH グルタチオン」が飛ぶように売れ、また美容クリニックではグルタチオン配合の「白玉点滴」が人気を博しているという。ネット上には、実際に「肌が白くなった」「シミ対策に最適」といった声が飛び交っているが、一方で、その効果や安全性に疑問を抱く人も少なくない様子。そこで今回、『「ニセ医学」に騙されないために』(内外出版社)の著者であり、世にはびこる「医学のデマ情報」に鋭い目を向けている内科医・名取宏氏に取材を行い、グルタチオンの効果や安全性について、話をお聞きした。

1万円もザラの「白玉点滴」――グルタチオン1アンプルは数十円!?

――まず、グルタチオンとはどのようなものでしょうか。

名取宏氏(以下、名取) グルタチオンは「グルタミン酸」「システイン」「グリシン」という3つのアミノ酸によって形成される低分子量のペプチドです。体内にも存在し、抗酸化作用を有するものなので、“理論上”、体に良い可能性は十分あると言えるでしょう。

 また、グルタチオンは、そもそも美容目的で用いられるものではなく、「日本薬局方」(医薬品の規格基準書)に収載されている公的な医薬品で、薬物中毒、慢性肝疾患における肝機能の改善、急性湿疹などに効能または効果があるとされています。

――薬物中毒に慢性肝疾患……「美白」とはまったく異なる病気に用いられる医薬品なのですね。

名取 ただグルタチオンは、一言で言うと「昔の薬」で、現在ではあまり使われない医薬品と言えます。慢性肝疾患は私の専門分野ですが、グルタチオンを実地臨床で使ったことはありませんし、使っているほかの肝臓内科医も知りませんね。また、肝疾患以外のほかの疾患にも、ほとんど使われていないのではないかと思います。グルタチオンの添付文書に掲載されている文献の多くが、和文の、しかも1970年前後のきわめて古いもので、現在の基準ではとうてい保険適用されるレベルの医薬品ではありません。EBM(エビデンスに基づいた医療)という考え方が浸透するずっと以前に保険適用されてしまった医薬品と言えるでしょう。

――「昔の薬」が、いま美容界でブームになっているのも、なかなか不思議な話ですね。グルタチオン配合の「白玉点滴」のように、自費診療のクリニックが、公的な医薬品を保険適用外使用するというのは、珍しくないのでしょうか。

名取 そうですね。国内で承認された医薬品は、薬局を通して容易にかつ安価で購入することができるのですが、それを「こうした効果・効能もありますよ」というふうに付加価値をつけて宣伝し、高額な自費診療で提供することは珍しくないでしょう。注射用グルタチオンも、薬価は実は1アンプル数十円程度なのですが、美容クリニックの「白玉点滴」は、何アンプル使用しているか不明ではあるものの、1万円以上することもザラだと言います。

 また、がんに効果があるとされる「高濃度ビタミンC点滴療法」も同様です。ビタミンCのアンプル自体は医薬品で安く手に入るのですが、それを自費診療として高い値段をつけて提供している。「高濃度ビタミンC点滴療法」自体、あまり根拠のないものなんですけどね。

――経口サプリの「リプライセル リポソーム GSH グルタチオン」が、現在、売れているようなのですが、実際に美白効果は望めるのでしょうか。

名取 私も調べてみて驚いたのですが、経口のグルタチオンについては美白効果があったとする臨床研究が少ないながらあります。ただし、研究の質はあまり高くなく、本当に効果があるかどうかは確定的ではありません。また、どれぐらいの量をどれぐらいの期間摂取すればいいのかも一定の見解はありません。うがった見方をすると、サプリを売りたいメーカー側が、小規模な臨床研究を行い、たまたま良い結果が出たものだけを発表した可能性も否定できません。そもそも「美白」というのは、主観的に判断されがちという点も踏まえ、経口のグルタチオンは、美白に「効かないとは言えないが、効くとも言えない」程度のものなのではないでしょうか。

――安全性の面ではいかがでしょうか。

名取 経口のグルタチオン摂取は、かなり安全だと思われます。ただ、医薬品のグルタチオン錠ではなく、グルタチオンを含むサプリメントの類いだと、安全性が保証されているとは限りません。

――ちなみに「リプライセル リポソーム GSH グルタチオン」は、「栄養素破壊から保護するために不可欠なリン脂質によって作られたリポソームを使用している」点をアピールしています。つまり「グルタチオンが体内に長く残る」ことで、ほかの経口サプリと差別化を図っているようです。

名取 「リプライセル リポソーム GSH グルタチオン」は、医薬品ではなくサプリなので、ちゃんとした論文がない、もしくはあっても提示されていないと思うのですが、本当にリン脂質によって栄養素破壊から保護されるというデータはあるのか、もし保護されたとして美白効果が上がるというデータはあるのか、疑問を抱かざるを得ません。そもそも美白効果自体があるかどうか、わからないですしね。

 もう一つ、グルタチオンが「体内に長く残る」というのは、直感的に「怖い」と思いました。それだけ副作用のリスクが上がるからです。一般的なグルタチオン錠には、これまで大きな副作用はなかったものの、リン脂質という“余計なもの”をくっつけたせいで、副作用が出る可能性もあります。副作用のリスクについては、果たしてちゃんと調べているのでしょうか。もし調べているのであれば、それを提示すべきだと思います。

―― 一方で、「白玉点滴」に関してはいかがでしょうか。

名取 注射によるグルタチオンの美白効果についての証拠はほとんどありません。逆に、効果の乏しさと危険性について、複数の専門家から注意喚起がなされています。臨床医の間でトップレベルに評価されているイギリスの医学雑誌「BMJ」で、ある皮膚科医が「非倫理的(Unethical)」と強く批判していたことも。色素異常症などの病理研究に携わる中、効果のほどがわからない美白目的でのグルタチオン注射の治療を行うのは「危ない」と感じ、警鐘を鳴らしたかったのではないかとも考えられます。また、米国FDA(アメリカ食品医薬品局)も、消費者に対して「潜在的に重大な安全上のリスク(a potentially significant safety risk)」をもたらすとしています。このようにFDAが承認していない製剤が使われているため、米国では「危険性が高い」と考えられているようですね。

――海外で「危険」とされているのに、日本でブームとなっているとは、驚きを隠せません。

名取 ただ、日本では医薬品として承認されている製剤であれば、危険性は低いでしょう。一方で、製剤そのもののリスクとは別に、注射針を刺すこと自体に一定のリスクはありますし、薬液を点滴に混ぜたり、点滴ボトルに通気針を刺したりする一連の行為で、注射液が汚染されるリスクもあります。効果が同じであれば注射・点滴ではなく経口投与するのが医学上の常識です。

――美容クリニックでは、「経口より点滴の方が効果的」と説明されるケースも多いようですが。

名取 美容点滴に限らずですが、確かに「点滴の方が効きそうな気がする」という患者さんはたまにいらっしゃいます。日本では過去に、開業医がサービスの一環として、患者さんに点滴をよく打っていたことがあったそうなのですが、現在では「よろしくない」と認識されているのです。そんな中、美容クリニックでは堂々と行われていると聞くと、「文化が違う」と驚く部分はありますね。

 しかし、美容目的のグルタチオン投与では、効果が同じどころか、むしろ注射製剤の方がエビデンスに乏しい。そうなると、経口製剤ではなく、わざわざ点滴投与する意味がわかりません。「『点滴の方が効果的』と考える患者さんが多そうだから」「点滴の方が高い値段をつけられるから」といった、美容クリニック側のよこしまな動機が働いているとしか思えません。

――美容サプリや美容点滴などを試す際、どのような点に気をつけるべきだと思いますか。

名取 正直に言いまして、私にはわかりません。病気に対する治療であれば、保険適用になっているものを選べば、ほぼ間違いないのですが、美容に関しては、保険適用のようなわかりやすい基準がありません。強いて言えば、「あまりにも高価なものは避ける」「信じすぎない。期待しすぎない」「有名人がオススメしていることは、何ら根拠にならない」などを、肝に銘じることだと思います。

 今回、特に「白玉点滴」を調べてみて思ったのは、美容医療の分野には、信頼できない情報がはびこっているということ。まさに「魑魅魍魎」という感じですね。大きなお金が動く割に、一般的な医学分野のように専門家のチェックが入りにくいから、このような状況が生まれているのではないでしょうか。もちろん、美容クリニックが全て悪だというわけではなく、よろしくないことをやっているクリニックが、「白玉点滴」などの根拠に乏しい美容医療に手を出すイメージです。そういったクリニックは、美容以外にも、自費診療で「高濃度ビタミンC点滴療法」や「血液クレンジング」を提供しているように思います。

――今回の「グルタチオン」に限らず、「ニセ医学」が横行し、しかも流行してしまう背景についてどう思われますか。

名取 残念なことですが、標準的な医療が必ずしも満足のいく結果を出せていないことがその一因でしょう。標準的な医療が、がんでもアトピー性皮膚炎でも副作用なく、全部治せることができれば、「ニセ医学」がはやる余地はありません。ただ、医学は日々進歩しています。100%治すことはできなくても、少しでも治る確率の高い治療を提供することはできます。

 誇大な宣伝や嘘も、「ニセ医学」がはやる理由の一つです。標準的な医療を提供する医師は、治療の限界や副作用について、正確な情報を提供しなければなりません。治らないときは「治りません」と説明します。その際、医師は患者さんを不安にさせないよう、伝え方などに工夫を凝らすものですが、中には、患者さんに不信感を抱かせてしまうケースもあるように思います。そんなとき、しばしば治療の効果を誇大に宣伝したり、副作用がないと嘘をついたりする「ニセ医学」を求めてしまう患者さんが一定数出てくるのではないでしょうか。

――なかなか一般人が、エビデンスに基づく正しい情報を得るのは難しい面もあるように感じます。

名取 実際に、クリニックで横行する未承認の“インチキ”幹細胞療法に対し、日本再生医療学会が声明を出して、法律がつくられた例もあります。このように、医学会などの専門家集団が、もっと注意喚起をしていくべきなのかもしれませんね。

名取宏(なとり・ひろむ)
内科医。医学部を卒業後、大学病院勤務、大学院などを経て、現在は市中病院に勤務。Twitterやブログで情報を発信している。著書に『「ニセ医学」に騙されないために』(内外出版社)がある。
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【角栓動画アリ】鼻の黒ずみ毛穴ケア――角栓プッシャー・毛穴パック・ピーリング・レーザーでどうなった!?【衝撃画像】

――黒詰まり、テカリ、パックリ……女を悩ませ続ける「鼻の毛穴」。6年にわたり、数々の美容法で汚毛穴撃退に挑んでは惜敗を繰り返してきた櫻田こずえがレポートする、毛穴との半年間の死闘をプレイバック! #情報のご利用は自己責任でお願い致します。

毛穴の黒ずみ対策のために試した数々

鼻の毛穴をネットに晒し続けて6年目、毛穴ブロガー・櫻田こずえが、つまり続ける鼻の毛穴と格闘する連載をスタートさせていただきます。

<ブログ開始当初2009年1月の毛穴画像>

 

 どうしてこんな毛穴になってしまったのでしょうか……もう、かわいそう。もちろん、間違ったお手入れ、悪い生活習慣なども影響を与えますが、毛穴の大きさはほぼ遺伝、体質らしいのです。

 そんな汚毛穴運命を覆すべく、これまで試した毛穴対策の数々をご覧ください。

角栓抜く系
・毛穴すっきりパック(略:KSP)
・毛抜きで角栓抜き
・角栓吸引機(自宅・エステ)
・角栓プッシャー
・蒸しタオル&冷やしタオル
・酵素洗顔

スキンケア系
・角質培養
・あまり洗わない&化粧しない&保湿しない系
・化粧水パック

 

鼻の黒ずみ毛穴が解決しなかった理由

 突然ですが「毛穴が油田・スネ毛剛毛・生理不順」が三拍子で揃う方、いらっしゃいませんか? 何を隠そう櫻田のことですが、ホルモンバランスが悪い女の三大悲劇。あぁ、同士よっ!

 今日は、そんな汚毛穴の根本原因と今までの治療を考察しつつ、今後の戦略を立てます。

■なぜ鼻の毛穴は消えないのか

 それは、根本原因を理解してないまま、対症療法を繰り返し、それが根本的解決につながることを夢みて、毛穴治療ジプシーになっていたからです。60万円以上ドブに捨ててますから。

 たとえるなら「ワキ毛をすごいカミソリで剃り続けたら、生えてこなくなるはず」と、カミソリジプシーになる的な。毛根を焼き尽くさない限り、刈り上げても剃り上げてもまた生えてくるのに。

 で、鼻の毛穴が広がる根本原因は「皮脂」です。コレを抑えなきゃいけない。

根本原因:皮脂によるターンオーバーの乱れ
対症療法:汚い肌を削る(ピーリング等)

 削っても削っても、皮脂が過剰ならターンオーバーが乱れ、毛穴は再びパッカーン。毛穴にカーボンオイルを塗ってレーザーを当て毛穴の内部を焼く治療も、

 鼻全体にレーザーをドット状に当てて肌の再生を促す治療も、

 所詮は対症療法だと、身をもって、いや毛穴をもって理解しました。痛いし、高いし、鼻がトナカイ並に赤くなるハードな治療。犠牲にしたものが大きい程期待してしまうのは、人間のサガでしょうか。

鼻の毛穴のカーボンピーリング体験

 皆さまは、憎い毛穴の住人「角栓」と、どうお付き合いされてますか? 毛穴友達に聞いたところ、爪で押し出す、パックで剥がす、吸引、ピーリング等さまざまですが、結局は離れられない恋人のようにまた戻って来るんだよね、というのは共通の認識です。

 角栓とキレイさっぱり別れ、できれば戻って来られないようにしたい……と、久々に美容皮膚科に行って参りました。

■ 毛穴のカーボンピーリングとは

 肌の表面全体を焼き払うのではなく、ピンポイントで毛穴だけ焼きます。焼けるとタンパク質の収縮が起こり、さらに肌の再生が始まり、コラーゲンがどうのこうのして、ギュッと毛穴が引き締まり、角栓もできにくくなるかも? という触れ込みです。

1)まず毛穴を空っぽにします
通称コメドプッシャー(極小スプーンの底に穴が開いているもの)で、毛穴をギュッと押しては、ニュルッと角栓を取る。

 櫻田も自分でやってみたい~♪ ←肌が痛むからダメ。絶対。なお、頑固な角栓がいる場合、それなりの強度でプッシュされるため、涙・鼻水共に出る程の激痛です。

2)毛穴にカーボンオイルを塗ります
角栓が除去され、ぽっかり開いた毛穴に、カーボンオイル(黒い炭をオイルに溶かしたもの)塗り込み、

軽く拭き取り「毛穴の中だけ」にカーボンを残します。

毛穴がさらさらに……パントテン酸の摂取が好感触?

 昨年は汚毛穴に悩むお若い方から「こんな毛穴を晒して恋なんかできません」という相談を何度かいただきました。櫻田もマスクをしないと外出できない時期があったので、お気持ちは痛い程良くわかります。すれ違う人全員が、自分の鼻の毛穴を見て笑っていると真剣に思っていました。

 そんな日本一の汚毛穴を誇り、悩んでいた櫻田でも、恋をして、結婚することができたから大丈夫! と、新春毛穴エールを送らせていただきたいと思います。

 女は毛穴じゃなくて中身よっ!←微妙

■毛穴が消えてしまうかもしれない予感を画像から感じてください
 そうそう、そんな毛穴が、16年早々に消えてしまう予感を毛穴中に感じているんです。どんなハードな毛穴治療にも耐えて来たヤツ等が、日に日に弱って行く……。どうしたんだよ! それでもお前は櫻田の毛穴なのかよっ!

2015年12月15日の鼻の毛穴画像(デジカメ・マクロ撮影) ※クリックで超拡大されます

201512152_ss.jpg201512151_ss.jpg201512153_ss.jpg

2015年12月29日の鼻の毛穴画像(デジカメ・マクロ撮影) ※クリックで超拡大されます

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毛穴山脈、消失か?

毛穴が浅くなってるぅーーーっ!←この程度の変化でも興奮する程、毛穴治療って難しいのよ。

角栓はエステの最新テクで除去できるのか?

 美容皮膚科より気軽に行ける(=安い)エステサロンで、角栓を抜きまくっていただきましたので、早速レポートして参ります。

■美人エステティシャンの営業からスタート

 「サロンでの施術は“特別なケア”。ホームケアこそ大切!」と、のっけからスキンケア商品の営業パワー全開のエステティシャン。さらに、申し込み済みの一番安いコースに、オプションを付けましょうと軽くジャブをかましてきます。美人エステティシャンの営業圧力に、毛穴からあわや角栓が飛び出しそうになりますが、そこはグッとこらえます。

 こらえた後は、マイクロスコープ写真を撮影。

お姉さん:拡大して見るとこんなに毛穴が詰まっているんですよ
櫻田:え~やだ~すごい汚~い。見たくないです~。←お約束

 毛穴のプロと思われてもいろいろと困りますので、今回は素人を演じました。私は女優。ちなみに、写真の解像度のレベルは、1万円しない自宅のUSBマイクロスコープと大差ないように感じましたが、古い角栓と新しい角栓を見分けられるのは面白かったです。

毛穴すっきりパックをしてはいけない理由

 毛穴すっきりパックしたい衝動に駆られている、毛穴の恋人・櫻田こずえです。毛穴が気になる方なら、一度は試されたことがあるはずの、アレですよ、ベリッとはがす、アレ。

ksp1.jpg

 しかし、毛穴業界において、コレは禁断の果実。一度ハマったら抜けられないストリッピング地獄で、あなたの肌をビニール肌に……なんて昔から言われてますが、ま、やり過ぎなきゃいいんじゃないんでしょうか。

 さて、説教臭い説明も、毛穴先生としては一応しておかなくてはなりません。毛穴すっきりパックをすると、角栓だけではなく、皮膚もベリベリと剥がして肌を痛めます。汚毛穴に無駄な刺激は厳禁! 角化異常を招き、毛穴の開きを悪化させるだけです。

 そして、角栓は汚毛穴の「原因」ではなく「結果」です。一瞬キレイになりますが、何度取り除いてもまた角栓が溜まるだけです。
#原因は主に「皮脂の過剰分泌」とその刺激等による「角化の異常」

 何の解決にもならないばかりか余計に汚くしてしまうのに、一瞬の美しさと快楽のために手を出してしまう……正に禁断の果実! そう、ベリッとやるのって、楽しいんですよねぇ。

角栓ナイのに毛穴の…黒ずみが!

 以前の道場破りで「エステの限界」を感じたので、やはり美容皮膚科! と思ったものの、経済的な余裕がない今日この頃。櫻田の銀行口座が激しいマイナス金利になっており、どんどん残額が減って行くのです←使いすぎなだけ。

 と、シンプルに毛穴の吸引をしてくれるだけのエステを見つけて、衝動的に行って参りました。

 以前のエステコースにも吸引は入っていましたので、あまり期待していませんでした。しかし、そもそも決定打なんて、毛穴には存在しないんです。

【この日のエステメニュー】
・マッサージ
・泡洗顔
・スチーム
・角栓取れやすくなるらしい何か
・吸引
・アフターケア
・マッサージ
#めちゃ気持ちよかったです@3,000円! 安っ!

 で、これが結果です。

鼻の毛穴にフラクショナルレーザー

 さまざまな毛穴治療に手を染めて来たけれど、結局汚毛穴と別れられずにいる、毛穴の恋人・櫻田こずえです。万能の神と崇めていた美容レーザーも、この腐れ縁を断ち切ってはくれませんでした。

 ということで今回は、レーザー治療にケチを付けよう、いや、そのリアルを写真でお伝えしようという試みです。見たくないような、でも見たいような、グロめの毛穴写真がお好きな方も、新婚さんもいらっしゃい!

■フラクショナルレーザーは、鼻に剣山ブッ刺す感じかな♪

 フラクショナルレーザーとは、レーザーで皮膚に極細の穴をブツブツ開け、細胞の生まれ変わりやコラーゲンの増殖を促す治療です。1回で約10~15%の肌が再生するといわています。汚毛穴細胞が美毛穴細胞に生まれ変わるかも?

 ちなみに、ダーマローラー(針が並んだローラーを鼻の上でコロコロ♪)も基本的に原理は一緒で、レーザーで開けるのか、物理的に針で穴を開けるのかの違いだと思います。

 

 では、マイクロスコープ写真でその経過を見てみましょう。

■フラクショナルレーザー照射前夜

fractional_before.jpg

■翌日、ギャー!

毛穴落ちの実態――皮脂とパウダーで埋まった

 「毛穴落ち」という単語と無縁の人生を送って来られた幸せな方に、その意味をご説明しましょう。

◎毛穴落ち……毛穴を隠そうと塗ったファンデーションや下地、コンシーラー等が毛穴に落ち込み、余計に毛穴が目立っているさま。

 さあ、本物の毛穴落ちを見るがよい!

keanaochi.jpg

目視確認できるレベルです。

201603.jpg

 マイクロスコープでも、その毛穴落ちを確認してみましょう。わわわーーーー……。

keanaochi2.jpg
 

角栓プッシャーは禁忌アイテム!

 これはヤバイ、諸刃のミラクルツールを手にしてしまいました。

pusher_loop.jpg

 前回の毛穴座談会の時に「これ」を持っていったところ、編集長から「櫻田さん、そっ、それは止めましょう」とストップが。幾度となく「変化のある画像を出せって言われてるから……」と、危ない橋を渡ってはコケる櫻田(の毛穴)を、お優しい編集長は心配してくださっていたのです。

 でもやっちゃうもんねー編集長のせいだからねー←大人げのかけらもない

 毛穴の角栓を押し出す器具で「プッシャー」と櫻田は呼んでいます。海外では毛穴すっきりパックより一般的のようで、本来はニキビのコメドを圧出する器具として出回っているものです。 ループの中央に毛穴を持ってきて、ぎゅーーっと押して、角栓を押し出し、絡めとります。

 にゅるっと感動! 止まらない!

使用後

pusher_loop2.jpg

 で、これで毛穴がキレイになるのかっつーのが問題な訳です。

#情報のご利用は自己責任でお願い致します。

「鼻の毛穴黒ずみつまりに本当に効く対策とは」
#閲覧は背後にお知り合いがいないことを確認してから

櫻田こずえ(さくらだ・こずえ)
鼻の毛穴の美化に魂を燃やすアラフォー。体当たりでさまざまな美容法を試し、トライ&エラーを繰り返しても立ち上がる姿が、世の汚鼻女と美容好きから厚い支持を得ている。

【角栓動画アリ】鼻の黒ずみ毛穴ケア――角栓プッシャー・毛穴パック・ピーリング・レーザーでどうなった!?【衝撃画像】

――黒詰まり、テカリ、パックリ……女を悩ませ続ける「鼻の毛穴」。6年にわたり、数々の美容法で汚毛穴撃退に挑んでは惜敗を繰り返してきた櫻田こずえがレポートする、毛穴との半年間の死闘をプレイバック! #情報のご利用は自己責任でお願い致します。

毛穴の黒ずみ対策のために試した数々

鼻の毛穴をネットに晒し続けて6年目、毛穴ブロガー・櫻田こずえが、つまり続ける鼻の毛穴と格闘する連載をスタートさせていただきます。

<ブログ開始当初2009年1月の毛穴画像>

 

 どうしてこんな毛穴になってしまったのでしょうか……もう、かわいそう。もちろん、間違ったお手入れ、悪い生活習慣なども影響を与えますが、毛穴の大きさはほぼ遺伝、体質らしいのです。

 そんな汚毛穴運命を覆すべく、これまで試した毛穴対策の数々をご覧ください。

角栓抜く系
・毛穴すっきりパック(略:KSP)
・毛抜きで角栓抜き
・角栓吸引機(自宅・エステ)
・角栓プッシャー
・蒸しタオル&冷やしタオル
・酵素洗顔

スキンケア系
・角質培養
・あまり洗わない&化粧しない&保湿しない系
・化粧水パック

 

鼻の黒ずみ毛穴が解決しなかった理由

 突然ですが「毛穴が油田・スネ毛剛毛・生理不順」が三拍子で揃う方、いらっしゃいませんか? 何を隠そう櫻田のことですが、ホルモンバランスが悪い女の三大悲劇。あぁ、同士よっ!

 今日は、そんな汚毛穴の根本原因と今までの治療を考察しつつ、今後の戦略を立てます。

■なぜ鼻の毛穴は消えないのか

 それは、根本原因を理解してないまま、対症療法を繰り返し、それが根本的解決につながることを夢みて、毛穴治療ジプシーになっていたからです。60万円以上ドブに捨ててますから。

 たとえるなら「ワキ毛をすごいカミソリで剃り続けたら、生えてこなくなるはず」と、カミソリジプシーになる的な。毛根を焼き尽くさない限り、刈り上げても剃り上げてもまた生えてくるのに。

 で、鼻の毛穴が広がる根本原因は「皮脂」です。コレを抑えなきゃいけない。

根本原因:皮脂によるターンオーバーの乱れ
対症療法:汚い肌を削る(ピーリング等)

 削っても削っても、皮脂が過剰ならターンオーバーが乱れ、毛穴は再びパッカーン。毛穴にカーボンオイルを塗ってレーザーを当て毛穴の内部を焼く治療も、

 鼻全体にレーザーをドット状に当てて肌の再生を促す治療も、

 所詮は対症療法だと、身をもって、いや毛穴をもって理解しました。痛いし、高いし、鼻がトナカイ並に赤くなるハードな治療。犠牲にしたものが大きい程期待してしまうのは、人間のサガでしょうか。

鼻の毛穴のカーボンピーリング体験

 皆さまは、憎い毛穴の住人「角栓」と、どうお付き合いされてますか? 毛穴友達に聞いたところ、爪で押し出す、パックで剥がす、吸引、ピーリング等さまざまですが、結局は離れられない恋人のようにまた戻って来るんだよね、というのは共通の認識です。

 角栓とキレイさっぱり別れ、できれば戻って来られないようにしたい……と、久々に美容皮膚科に行って参りました。

■ 毛穴のカーボンピーリングとは

 肌の表面全体を焼き払うのではなく、ピンポイントで毛穴だけ焼きます。焼けるとタンパク質の収縮が起こり、さらに肌の再生が始まり、コラーゲンがどうのこうのして、ギュッと毛穴が引き締まり、角栓もできにくくなるかも? という触れ込みです。

1)まず毛穴を空っぽにします
通称コメドプッシャー(極小スプーンの底に穴が開いているもの)で、毛穴をギュッと押しては、ニュルッと角栓を取る。

 櫻田も自分でやってみたい~♪ ←肌が痛むからダメ。絶対。なお、頑固な角栓がいる場合、それなりの強度でプッシュされるため、涙・鼻水共に出る程の激痛です。

2)毛穴にカーボンオイルを塗ります
角栓が除去され、ぽっかり開いた毛穴に、カーボンオイル(黒い炭をオイルに溶かしたもの)塗り込み、

軽く拭き取り「毛穴の中だけ」にカーボンを残します。

毛穴がさらさらに……パントテン酸の摂取が好感触?

 昨年は汚毛穴に悩むお若い方から「こんな毛穴を晒して恋なんかできません」という相談を何度かいただきました。櫻田もマスクをしないと外出できない時期があったので、お気持ちは痛い程良くわかります。すれ違う人全員が、自分の鼻の毛穴を見て笑っていると真剣に思っていました。

 そんな日本一の汚毛穴を誇り、悩んでいた櫻田でも、恋をして、結婚することができたから大丈夫! と、新春毛穴エールを送らせていただきたいと思います。

 女は毛穴じゃなくて中身よっ!←微妙

■毛穴が消えてしまうかもしれない予感を画像から感じてください
 そうそう、そんな毛穴が、16年早々に消えてしまう予感を毛穴中に感じているんです。どんなハードな毛穴治療にも耐えて来たヤツ等が、日に日に弱って行く……。どうしたんだよ! それでもお前は櫻田の毛穴なのかよっ!

2015年12月15日の鼻の毛穴画像(デジカメ・マクロ撮影) ※クリックで超拡大されます

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2015年12月29日の鼻の毛穴画像(デジカメ・マクロ撮影) ※クリックで超拡大されます

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毛穴山脈、消失か?

毛穴が浅くなってるぅーーーっ!←この程度の変化でも興奮する程、毛穴治療って難しいのよ。

角栓はエステの最新テクで除去できるのか?

 美容皮膚科より気軽に行ける(=安い)エステサロンで、角栓を抜きまくっていただきましたので、早速レポートして参ります。

■美人エステティシャンの営業からスタート

 「サロンでの施術は“特別なケア”。ホームケアこそ大切!」と、のっけからスキンケア商品の営業パワー全開のエステティシャン。さらに、申し込み済みの一番安いコースに、オプションを付けましょうと軽くジャブをかましてきます。美人エステティシャンの営業圧力に、毛穴からあわや角栓が飛び出しそうになりますが、そこはグッとこらえます。

 こらえた後は、マイクロスコープ写真を撮影。

お姉さん:拡大して見るとこんなに毛穴が詰まっているんですよ
櫻田:え~やだ~すごい汚~い。見たくないです~。←お約束

 毛穴のプロと思われてもいろいろと困りますので、今回は素人を演じました。私は女優。ちなみに、写真の解像度のレベルは、1万円しない自宅のUSBマイクロスコープと大差ないように感じましたが、古い角栓と新しい角栓を見分けられるのは面白かったです。

毛穴すっきりパックをしてはいけない理由

 毛穴すっきりパックしたい衝動に駆られている、毛穴の恋人・櫻田こずえです。毛穴が気になる方なら、一度は試されたことがあるはずの、アレですよ、ベリッとはがす、アレ。

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 しかし、毛穴業界において、コレは禁断の果実。一度ハマったら抜けられないストリッピング地獄で、あなたの肌をビニール肌に……なんて昔から言われてますが、ま、やり過ぎなきゃいいんじゃないんでしょうか。

 さて、説教臭い説明も、毛穴先生としては一応しておかなくてはなりません。毛穴すっきりパックをすると、角栓だけではなく、皮膚もベリベリと剥がして肌を痛めます。汚毛穴に無駄な刺激は厳禁! 角化異常を招き、毛穴の開きを悪化させるだけです。

 そして、角栓は汚毛穴の「原因」ではなく「結果」です。一瞬キレイになりますが、何度取り除いてもまた角栓が溜まるだけです。
#原因は主に「皮脂の過剰分泌」とその刺激等による「角化の異常」

 何の解決にもならないばかりか余計に汚くしてしまうのに、一瞬の美しさと快楽のために手を出してしまう……正に禁断の果実! そう、ベリッとやるのって、楽しいんですよねぇ。

角栓ナイのに毛穴の…黒ずみが!

 以前の道場破りで「エステの限界」を感じたので、やはり美容皮膚科! と思ったものの、経済的な余裕がない今日この頃。櫻田の銀行口座が激しいマイナス金利になっており、どんどん残額が減って行くのです←使いすぎなだけ。

 と、シンプルに毛穴の吸引をしてくれるだけのエステを見つけて、衝動的に行って参りました。

 以前のエステコースにも吸引は入っていましたので、あまり期待していませんでした。しかし、そもそも決定打なんて、毛穴には存在しないんです。

【この日のエステメニュー】
・マッサージ
・泡洗顔
・スチーム
・角栓取れやすくなるらしい何か
・吸引
・アフターケア
・マッサージ
#めちゃ気持ちよかったです@3,000円! 安っ!

 で、これが結果です。

鼻の毛穴にフラクショナルレーザー

 さまざまな毛穴治療に手を染めて来たけれど、結局汚毛穴と別れられずにいる、毛穴の恋人・櫻田こずえです。万能の神と崇めていた美容レーザーも、この腐れ縁を断ち切ってはくれませんでした。

 ということで今回は、レーザー治療にケチを付けよう、いや、そのリアルを写真でお伝えしようという試みです。見たくないような、でも見たいような、グロめの毛穴写真がお好きな方も、新婚さんもいらっしゃい!

■フラクショナルレーザーは、鼻に剣山ブッ刺す感じかな♪

 フラクショナルレーザーとは、レーザーで皮膚に極細の穴をブツブツ開け、細胞の生まれ変わりやコラーゲンの増殖を促す治療です。1回で約10~15%の肌が再生するといわています。汚毛穴細胞が美毛穴細胞に生まれ変わるかも?

 ちなみに、ダーマローラー(針が並んだローラーを鼻の上でコロコロ♪)も基本的に原理は一緒で、レーザーで開けるのか、物理的に針で穴を開けるのかの違いだと思います。

 

 では、マイクロスコープ写真でその経過を見てみましょう。

■フラクショナルレーザー照射前夜

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■翌日、ギャー!

毛穴落ちの実態――皮脂とパウダーで埋まった

 「毛穴落ち」という単語と無縁の人生を送って来られた幸せな方に、その意味をご説明しましょう。

◎毛穴落ち……毛穴を隠そうと塗ったファンデーションや下地、コンシーラー等が毛穴に落ち込み、余計に毛穴が目立っているさま。

 さあ、本物の毛穴落ちを見るがよい!

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目視確認できるレベルです。

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 マイクロスコープでも、その毛穴落ちを確認してみましょう。わわわーーーー……。

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角栓プッシャーは禁忌アイテム!

 これはヤバイ、諸刃のミラクルツールを手にしてしまいました。

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 前回の毛穴座談会の時に「これ」を持っていったところ、編集長から「櫻田さん、そっ、それは止めましょう」とストップが。幾度となく「変化のある画像を出せって言われてるから……」と、危ない橋を渡ってはコケる櫻田(の毛穴)を、お優しい編集長は心配してくださっていたのです。

 でもやっちゃうもんねー編集長のせいだからねー←大人げのかけらもない

 毛穴の角栓を押し出す器具で「プッシャー」と櫻田は呼んでいます。海外では毛穴すっきりパックより一般的のようで、本来はニキビのコメドを圧出する器具として出回っているものです。 ループの中央に毛穴を持ってきて、ぎゅーーっと押して、角栓を押し出し、絡めとります。

 にゅるっと感動! 止まらない!

使用後

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 で、これで毛穴がキレイになるのかっつーのが問題な訳です。

#情報のご利用は自己責任でお願い致します。

「鼻の毛穴黒ずみつまりに本当に効く対策とは」
#閲覧は背後にお知り合いがいないことを確認してから

櫻田こずえ(さくらだ・こずえ)
鼻の毛穴の美化に魂を燃やすアラフォー。体当たりでさまざまな美容法を試し、トライ&エラーを繰り返しても立ち上がる姿が、世の汚鼻女と美容好きから厚い支持を得ている。

人気コルギ店の激安クーポンは「新人の練習台」疑惑――看板に偽りアリの施術内容にブチギレ

お安い金額で、イイことしたい! 得したい!」という女の欲望を刺激する、「クーポン雑誌」「クーポンサイト」が巷に溢れまくっている現代――。しかしあまりの安さに、「こんなに安くて大丈夫?」「逆に損するなんてやーよ!」と、クーポンに半信半疑の人もいるはず。そんなあなたに向けて、女が特に気になる「美容・健康クーポン」を、世界で最も「安い!」に弱い大阪出身の女性ライターが、覆面調査員としてレポートしちゃいます!

 若い頃は、まるで洗濯板のようなボディだったはずなのに、今は腹肉つかみ放題の体たらくと、鏡を見ながら嘆く日々を送っている筆者。ふっと一息をつく電車の中で、お得な美容クーポンを漁ってみると、思わず「安い、安すぎる」と唸るコルギサロンを発見した。

潜入その1:「顔コルギ」の正体は「頭コルギ」/表参道・F

【メニュー】顔コルギ+ボディコルギ(所要120分)
【クーポン価格】3,000円(通常価格3万8,000円)

 「120分3,000円」のお得感につられて、迷わずポチッとしたのが、表参道・Fのコルギクーポン。同サロンのホームページを見てみると、「神エステ」と称されているらしく、なんと一晩で300件以上の予約が入ったこともあるとのこと。代表者の女性の写真も掲載されているのだが、思わず「先生!」と呼びたくなるような凛とし佇まいの方で、「ここなら結果が出せるかも……」と期待感で胸が高鳴った。

 コルギとは、漢字で「骨気」と書き、文字通り骨と骨の隙間の老廃物を流すため、骨や筋肉を刺激して、血流を良くするという韓国で生まれた民間療法。ただ、このサロンで行われているのは、韓国伝統法にアーユルヴェーダの手法をプラスしたものだといい、手技ではほぐせない深層筋に足でアプローチして、骨格を整えていく施術法とのこと。加えて心惹かれたのが、「運動も、食事制限も、何をやっても結果が出ないとお悩みの方にオススメ」との謳い文句。「まさに私のことではないか」と、早速予約することにした。

 このサロンは、とにかく予約が取りづらく、ようやくリザーブできても、その後「時間の変更をしてほしい」と連絡が来るなど(恐らくクーポン客ではない、通常のお客さまから依頼があったのだろう)、モヤッとすることの連続だったものの、そこには目をつぶって、いざサロンへ。すると、そこで待っていたのは、ホームページの女性ではなく、えらく若い女の子! 部屋に通され、内容の説明をしてくれたのだが、「あの……施術内容ですが、ボディは足を使ってほぐします。あと顔コルギではなく、正確には頭コルギです」と言うではないか。

 後から確認したところ、確かにサイトには、注記として「お顔には触れない施術になります」とあったが、それならば「顔コルギ」なんていうややこしい名前を付けるべきではない。これでは、看板に偽りアリではないだろうか。

 初っ端からあ然としたものの、せっかく来たのに帰るのも億劫になり、施術を受けることにした筆者。出されたお茶を飲みながら、カルテを記入するも、なんと3枚もあった。3日分の食事やら、カラダの不調やら、いろいろと書き込まねばならず、人によっては10分ぐらいかかるのではないかと思うほど、とにかく面倒な内容なのだ。それを元に、施術者がマッサージオイルを選ぶこともなく、はたまた食事のアドバイスをしてくれるでもなく、思わず心の中で「だったら書かせる必要ないでしょ」と文句を垂れた筆者であった。

 「カルテの記入が終わったら、ベルを押してください」と言われたので、その通りにして待っていると、10分後、ようやく担当の施術者が登場。紙ブラ、紙ショーツになって施術前の写真撮影を行い、ベッドではなく、両サイドにバーが置かれたマットの上に仰向けになる。施術者はこのバーにつかまり、立った状態で、足を用いてお客の体をほぐしていくのだ。マッサージオイルは「ラベンダーオイル」を使用するとのこと。ちなみに、ネットで検索すればわかるが、マッサージ用のラベンダーオイルは、1リットル1,500円程度から購入可能なリーズナブルなものである。通常料金3万8,000円にもかかわらず、お粗末だなというのが正直な感想だ。

 いよいよ施術スタート。施術者が足で筆者の体を踏んでいくわけだが、手のように器用な動きではあるものの、この程度なら、手の方が圧のかけ方を調整できるような気がした。ただただ、手ではなく足でオイルマッサージをしているというだけで、深層部への刺激は感じられなかった。また、リンパを流すのが目的であるなら、足裏、脇、鼠径部などをしっかりマッサージしてから行うべきだが、それもない。

 モヤモヤした気持ちのまま、背面にも施術してもらい、ようやく頭コルギかと思いきや、なんとその実態は「岩盤ドームに30分間入りながら、その合間に10分間だけ、頭コルギが付く」というもの。しかも、頭コルギは名ばかりで、単なるヘッドマッサージでしかなかった印象だ。

 終了後また写真撮影してもらうと、骨盤にややゆがみが出ているではないか? と目を疑った。「今回と同じメニューを4,000円でお試しできます。4回で2万9,000円程度の回数券もあります」と言われたが、「じゃあ買います」とは到底言えず、そのままサロンを後にすることに。もしやこのサロン、クーポン客を新人施術者の練習台にしているのではないだろうかと思ってしまった。

クーポン満足度:★☆☆☆☆
クーポンリピ度:★☆☆☆☆
※サイトに「実質の施術時間」を明記すべき!

【メニュー】セルフフェイシャル美白美肌アクネ泡パックLED照射フェイシャルエステ(30分)
【クーポン価格】2,000円(通常価格2,700円)

 筆者はこれまで、クーポンを購入する際、「メニュー名」「場所」「イメージ写真」「価格」「口コミ」をザザッと確認するだけで購入を決めていたのだが、池袋・Rのクーポンほど、そのことを後悔したものはない。サイトには「セルフエステ」と書かれていたものの、口コミで「強くしっかりトリートメントしてもらえた」などのコメントがあったため、一部だけがセルフなのだと理解。来店後、全てセルフであることが発覚したのである。なんでも、同サロンの別のクーポン利用者の口コミまで、まとめて掲載してあったようで、紛らわしいことこの上なしだった。

 気を取り直してセルフエステをしてみようと思うも、その内容は、「トルマリン入りの泡を顔に乗せるだけ」というもの。トルマリンは、鉱物グループを総称した名前だといい、電磁波カットや血行促進などに効果があるとされ、靴下やネックレスにも使われているというが、その体験は、なんともお粗末。お店に行くと「セルフです」と、泡パックを用意され、「好きなだけ顔にどうぞ」と言われて自分で泡を顔に乗せる。そしてLEDライト全顔照射して終了……。「エステ」という言葉を使わないでほしい内容であった。せめてスチームぐらい用意するとかできるのではないだろうか。

 しかし、一番問題なのは、同じサロンとは言え、別クーポンの口コミを、「どのメニューを受けたか」の記載もなしに掲載しているサイトである。こんなことにお金を出すなら、おいしいランチでも食べる方が100倍マシだと思うのは筆者だけなのだろうか。

クーポン満足度 ★☆☆☆☆
クーポンリピ度 ★☆☆☆☆
※クーポンサイトは隅から隅までしっかり読みましょう

吉原杏(よしわら・あんず)
大阪生まれ、大阪育ち。好きなモノは小銭。好きな場所はリサイクルショップに100円均一。美容・健康オタクとしてプチ整形、数々のダイエット法に挑戦したことも。数々の携帯小説家、『株一年生~ゼロからわかる株の教科書~』(オープンアップス)などのアプリ作家として活動。

人気コルギ店の激安クーポンは「新人の練習台」疑惑――看板に偽りアリの施術内容にブチギレ

お安い金額で、イイことしたい! 得したい!」という女の欲望を刺激する、「クーポン雑誌」「クーポンサイト」が巷に溢れまくっている現代――。しかしあまりの安さに、「こんなに安くて大丈夫?」「逆に損するなんてやーよ!」と、クーポンに半信半疑の人もいるはず。そんなあなたに向けて、女が特に気になる「美容・健康クーポン」を、世界で最も「安い!」に弱い大阪出身の女性ライターが、覆面調査員としてレポートしちゃいます!

 若い頃は、まるで洗濯板のようなボディだったはずなのに、今は腹肉つかみ放題の体たらくと、鏡を見ながら嘆く日々を送っている筆者。ふっと一息をつく電車の中で、お得な美容クーポンを漁ってみると、思わず「安い、安すぎる」と唸るコルギサロンを発見した。

潜入その1:「顔コルギ」の正体は「頭コルギ」/表参道・F

【メニュー】顔コルギ+ボディコルギ(所要120分)
【クーポン価格】3,000円(通常価格3万8,000円)

 「120分3,000円」のお得感につられて、迷わずポチッとしたのが、表参道・Fのコルギクーポン。同サロンのホームページを見てみると、「神エステ」と称されているらしく、なんと一晩で300件以上の予約が入ったこともあるとのこと。代表者の女性の写真も掲載されているのだが、思わず「先生!」と呼びたくなるような凛とし佇まいの方で、「ここなら結果が出せるかも……」と期待感で胸が高鳴った。

 コルギとは、漢字で「骨気」と書き、文字通り骨と骨の隙間の老廃物を流すため、骨や筋肉を刺激して、血流を良くするという韓国で生まれた民間療法。ただ、このサロンで行われているのは、韓国伝統法にアーユルヴェーダの手法をプラスしたものだといい、手技ではほぐせない深層筋に足でアプローチして、骨格を整えていく施術法とのこと。加えて心惹かれたのが、「運動も、食事制限も、何をやっても結果が出ないとお悩みの方にオススメ」との謳い文句。「まさに私のことではないか」と、早速予約することにした。

 このサロンは、とにかく予約が取りづらく、ようやくリザーブできても、その後「時間の変更をしてほしい」と連絡が来るなど(恐らくクーポン客ではない、通常のお客さまから依頼があったのだろう)、モヤッとすることの連続だったものの、そこには目をつぶって、いざサロンへ。すると、そこで待っていたのは、ホームページの女性ではなく、えらく若い女の子! 部屋に通され、内容の説明をしてくれたのだが、「あの……施術内容ですが、ボディは足を使ってほぐします。あと顔コルギではなく、正確には頭コルギです」と言うではないか。

 後から確認したところ、確かにサイトには、注記として「お顔には触れない施術になります」とあったが、それならば「顔コルギ」なんていうややこしい名前を付けるべきではない。これでは、看板に偽りアリではないだろうか。

 初っ端からあ然としたものの、せっかく来たのに帰るのも億劫になり、施術を受けることにした筆者。出されたお茶を飲みながら、カルテを記入するも、なんと3枚もあった。3日分の食事やら、カラダの不調やら、いろいろと書き込まねばならず、人によっては10分ぐらいかかるのではないかと思うほど、とにかく面倒な内容なのだ。それを元に、施術者がマッサージオイルを選ぶこともなく、はたまた食事のアドバイスをしてくれるでもなく、思わず心の中で「だったら書かせる必要ないでしょ」と文句を垂れた筆者であった。

 「カルテの記入が終わったら、ベルを押してください」と言われたので、その通りにして待っていると、10分後、ようやく担当の施術者が登場。紙ブラ、紙ショーツになって施術前の写真撮影を行い、ベッドではなく、両サイドにバーが置かれたマットの上に仰向けになる。施術者はこのバーにつかまり、立った状態で、足を用いてお客の体をほぐしていくのだ。マッサージオイルは「ラベンダーオイル」を使用するとのこと。ちなみに、ネットで検索すればわかるが、マッサージ用のラベンダーオイルは、1リットル1,500円程度から購入可能なリーズナブルなものである。通常料金3万8,000円にもかかわらず、お粗末だなというのが正直な感想だ。

 いよいよ施術スタート。施術者が足で筆者の体を踏んでいくわけだが、手のように器用な動きではあるものの、この程度なら、手の方が圧のかけ方を調整できるような気がした。ただただ、手ではなく足でオイルマッサージをしているというだけで、深層部への刺激は感じられなかった。また、リンパを流すのが目的であるなら、足裏、脇、鼠径部などをしっかりマッサージしてから行うべきだが、それもない。

 モヤモヤした気持ちのまま、背面にも施術してもらい、ようやく頭コルギかと思いきや、なんとその実態は「岩盤ドームに30分間入りながら、その合間に10分間だけ、頭コルギが付く」というもの。しかも、頭コルギは名ばかりで、単なるヘッドマッサージでしかなかった印象だ。

 終了後また写真撮影してもらうと、骨盤にややゆがみが出ているではないか? と目を疑った。「今回と同じメニューを4,000円でお試しできます。4回で2万9,000円程度の回数券もあります」と言われたが、「じゃあ買います」とは到底言えず、そのままサロンを後にすることに。もしやこのサロン、クーポン客を新人施術者の練習台にしているのではないだろうかと思ってしまった。

クーポン満足度:★☆☆☆☆
クーポンリピ度:★☆☆☆☆
※サイトに「実質の施術時間」を明記すべき!

【メニュー】セルフフェイシャル美白美肌アクネ泡パックLED照射フェイシャルエステ(30分)
【クーポン価格】2,000円(通常価格2,700円)

 筆者はこれまで、クーポンを購入する際、「メニュー名」「場所」「イメージ写真」「価格」「口コミ」をザザッと確認するだけで購入を決めていたのだが、池袋・Rのクーポンほど、そのことを後悔したものはない。サイトには「セルフエステ」と書かれていたものの、口コミで「強くしっかりトリートメントしてもらえた」などのコメントがあったため、一部だけがセルフなのだと理解。来店後、全てセルフであることが発覚したのである。なんでも、同サロンの別のクーポン利用者の口コミまで、まとめて掲載してあったようで、紛らわしいことこの上なしだった。

 気を取り直してセルフエステをしてみようと思うも、その内容は、「トルマリン入りの泡を顔に乗せるだけ」というもの。トルマリンは、鉱物グループを総称した名前だといい、電磁波カットや血行促進などに効果があるとされ、靴下やネックレスにも使われているというが、その体験は、なんともお粗末。お店に行くと「セルフです」と、泡パックを用意され、「好きなだけ顔にどうぞ」と言われて自分で泡を顔に乗せる。そしてLEDライト全顔照射して終了……。「エステ」という言葉を使わないでほしい内容であった。せめてスチームぐらい用意するとかできるのではないだろうか。

 しかし、一番問題なのは、同じサロンとは言え、別クーポンの口コミを、「どのメニューを受けたか」の記載もなしに掲載しているサイトである。こんなことにお金を出すなら、おいしいランチでも食べる方が100倍マシだと思うのは筆者だけなのだろうか。

クーポン満足度 ★☆☆☆☆
クーポンリピ度 ★☆☆☆☆
※クーポンサイトは隅から隅までしっかり読みましょう

吉原杏(よしわら・あんず)
大阪生まれ、大阪育ち。好きなモノは小銭。好きな場所はリサイクルショップに100円均一。美容・健康オタクとしてプチ整形、数々のダイエット法に挑戦したことも。数々の携帯小説家、『株一年生~ゼロからわかる株の教科書~』(オープンアップス)などのアプリ作家として活動。

「超激安」ダイエットクーポンの正体は……「昭和すぎる」痩身マシンにおったまげ!

お安い金額で、イイことしたい! 得したい!」という女の欲望を刺激する、「クーポン雑誌」「クーポンサイト」が巷に溢れまくっている現代――。しかしあまりの安さに、「こんなに安くて大丈夫?」「逆に損するなんてやーよ!」と、クーポンに半信半疑の人もいるはず。そんなあなたに向けて、女が特に気になる「美容・健康クーポン」を、世界で最も「安い!」に弱い大阪出身の女性ライターが、覆面調査員としてレポートしちゃいます!

 風呂に入るたび、腹の肉をむんずとつかんで「まるで鏡餅のようだわ……」と思い、ため息をつく日々。クーポンサイト「グ●●●ン」で見つけたクーポンを使い、ヨガを始めたものの、結果にコミットできないことに焦り、月4回9,000円、さらに通い放題1万6,000円プランまで追加してしまった。これなら、クーポンを使わず、普通に入会した方が、各種割引でリーズナブルだったかもと思ってしまう。そんな愚かな筆者が今回見つけたのは、インスタの広告クーポンである。

潜入その1:昭和の香り漂うマシンに驚愕/池袋・P

【メニュー】体験入会 12回
【クーポン価格】3,000円(通常価格:月謝約7万円)

 「痩身教室」とも呼ばれるサロン「P」は、昭和の時代を生きた人であれば、一度は耳にしたことがある名前なのではないだろうか。そんな「P」が、12回3,000円という超激安プランのクーポンを展開中であることを発見。お得なものに目がない関西人である筆者は、早速覆面調査を開始すべく、「P」に潜入することにした。

 同プランは、スタート前に無料体験を受けることが必須となっていた。全国にある店舗の中から選んだのは、比較的自宅から近い池袋教室。ドキドキしながら、教室を訪れ、その扉を開けると、おったまげた! なんと、インストラクターたちはポロシャツを着用しているにもかかわらず、受講生たちは、いまどきヨガ教室でも目にしないレオタードスタイルではないか。「えっ……何時代?」と呆気にとられてしまったのは言うまでもない。さらに、ダイエットのキホンが書かれた“模造紙”が壁に貼ってあるのも、教室に漂う昭和感を高めている気がした。

 おっぱいをポロリした状態で採寸したあと、レンタルのレオタードを着用し、体験スタート。まずは、エステサロンなどでもときどき目にする、「特急マシン」と呼ばれる機械を試してみる。なんでも、第二の心臓と言われる脚を空気圧で刺激することで、新陳代謝を活発化させ、基礎代謝量を高め、痩せやすいカラダを作るのだとか。さらに、強力な温風圧で深部の脂肪を振動させるというマシンも体験した。これらのマシンを、12回3,000円という値段で使うことができるのは、確かにお得だろう。が、その他のオリジナルマシンが、まさかの「木製」である点がどうしても気になってしまうのだ。具体的には「痩せたい部位にあてて刺激する木製の回転ローラー」なのだが、なんとも「昭和」な逸品であり、このマシンで果たして痩せるのかと疑いが拭えない。

 とはいえ、12回3,000円の安さに負けて、体験入会することにした筆者。入会後1回目は、まず体重測定、軽い柔軟、脚踏み運動を行い、その後、栄養指導(「早食いNG、20回噛みましょう」などの指示も)を受け、各種マシーンで肉をほぐし、さらに宿題の「体操プラン」を聞くという内容だった。2回目からは、ここに自転車こぎも追加され、食事ノートの記入なども指示された。

 これは、本気で「痩せたい」スイッチを入れないと、ついていけない……そう思って、せっせと教室に通っていたのだが、7回目に教室を訪れた際、体重測定をしてあぜん! なんと体重が増え、ウエストなどの値は変わりなしという有様だったのだ。知り合いにも「まったく変わらない! 効果ないじゃん」と指摘され、ガッカリしてしまった。

 そんな中、教室側から正式入会のお誘いがあったが、月会費約7万円! 正直、どっと疲れる数字である。もちろん、教室に通うことで痩せた人も少なからずいるようだが、それは「日々5,000歩以上歩く」「正しい食事を意識する」といったインストラクターとのお約束を、ちゃんと守れた人なのではないだろうか。真面目ではない筆者には、合わない痩身教室なのかもしれない。

クーポン満足度 ★☆☆☆☆
クーポンリピ度 ★☆☆☆☆
※努力したくない人間には疲労だけしか残りませんでした

【メニュー】ドライドライヘッドスパ40分
【クーポン価格】2,400円(47%オフ)

 ダイエット疲れなのか便秘がひどくなり、ストレスはマックスに……! ということで、「とにかくなんでもいいからマッサージを」とクーポンサイトを漁っていたのだが、即時予約の取れるサロンはなかなかない。そんな中見つけたのが、ドライヘッドスパが売りの池袋「M」。このお店はクーポンは、上限3枚まで購入可能なのだが、最初に一括購入しなければいけないルールがあった。「今しか3枚購入できない」と言われると、かなり心が揺らぐ。しかし、どんなサロンであっても、クーポンの追加購入は一度体験してから考えたいもの……。筆者は特に、マッサージ系のクーポンを利用した際、合わない施術者に当たって体がボロボロになり、鍼灸院に走った経験も少なくないだけに、リスクは背負いたくないのである。

 こうして3枚購入を取りやめて、池袋のはずれにあるビルの一室を訪れると、そこは異国情緒が漂う空間で、オシャレな雰囲気ではあった。まずはカルテ記入から。そして個室でフットバスを行う。通常、マッサージ店のフットバスは、「アロマオイル入り」くらいのサービスはあるのだが、このサロンではタライに湯が張ってあるだけ!  正直、家でもどこでもできるもので、それがなんと10分間もある。クーポンには「40分」と書いてあったはずだが、その実、10分間はタライにただ足を突っ込むだけの時間だったのだ。

  「これじゃあ、実質、施術時間は30分か」と呆れていると、さらに驚くことが。なんと「勧誘」という名のカウンセリグが10分間もあった。要は正味たった20分しか施術時間がなかったのである。なお、このクーポンの価格は2,400円。10分1,000円以上とは、正直、クーポンとしてはぼったくり価格と思ってしまったが、よくよくクーポンサイトを読み返してみると、その旨がしっかり記載されていたのだった。詐欺ではなく、ただただ高いだけというオチだが、納得がいかない。

 なお、お客さまの評価に、「美容院のヘッドスパとは別次元」などと書かれていたのに惹かれ、クーポンを購入したものの、筆者的にはまったくそうは思わなかった。あの書き込みはまさかのサクラか……と疑ってしまうレベルである。まるでドブにお金を捨てたような気分で、これなら、美容院でシャンプーをお願いする方が100倍キモチイイ思いができたと、後悔ひとしおの筆者であった。

クーポン満足度 ★×マイナス10
クーポンリピ度 ★×マイナス100
※クーポンの時間配分はしっかり読むべし! コメントに騙されるな!

吉原杏(よしわら・あんず)
大阪生まれ、大阪育ち。好きなモノは小銭。好きな場所はリサイクルショップに100円均一。美容・健康オタクとしてプチ整形、数々のダイエット法に挑戦したことも。数々の携帯小説家、『株一年生~ゼロからわかる株の教科書~』(オープンアップス)などのアプリ作家として活動。