抗体検査キットを「超不器用」が使ったら……「もう二度とやりたくない」と思った3つの壁

 いまだ収束の兆しを見せない新型コロナウイルス。ここ最近、ネット上には、「抗体検査キット」通販サイトが乱立し、人気を博しているようだ。抗体は一般的に、体内にウイルスが侵入した際、体を守るために作られる物質として知られ、感染後、ある程度の日数がたたないとできないものと認識されているが、現在「感染初期にも対応」という触れ込みのキットが数多く販売されており、サイゾーウーマンではその“本当のところ”を近藤しんたろうクリニック院長の近藤慎太郎氏に解説いただいた。

 今回は、実際に「抗体検査キット」をネット通販で購入し、一連の検査の流れをレビューする。筆者は「ちょうちょ結びがうまくできない」レベルの不器用さなのだが、自分で行う「抗体検査」もやっぱり悪戦苦闘。抗体検査を受けようかと考えている人の参考になれば幸いだ。

「COVID-19IgM/IgG 抗体検査キット」6,600円(税込)

 筆者が購入した「抗体検査キット」の正式名称は、「COVID-19IgM/IgG 抗体検査キット」。イムノクロマト法とあり、これは厚生労働省の公式サイトにある「新型コロナウイルス感染症に関する検査について」というページによると、「迅速簡易検出法」を意味するという。キットの内容物は5点で「COVID-19IgM/IgG 抗体試験紙」「スポイト」「アルコールコットン」「ランセット(採血針)」「検体希釈管」。購入価格は税込6,600円で、送料別だった。

 説明書によると、25μL(マイクロリットル)の全血か末梢血、または10μLの血漿か漿液を検体希釈液に加え、しっかりと混ぜ合わせ、抗体試験紙の検体パット部に5滴垂らして室温で10分ほど放置すれば、IgM抗体(比較的感染初期に作られる抗体)とIgG抗体(感染後数週間で作られる抗体)の有無がわかるそうだ。

 早速、説明書にしたがって、検査をスタート。まずは自ら採血を行う。左手薬指の腹の部分をマッサージし、皮下組織を自然に充血させるとあり、うっすらとピンク色になるまでグイグイと指を揉み込んでいく。続いて、付属のアルコールコットンを開封し、採血部分を拭いて、自然乾燥させる。これで採血の準備は完了である。

 しかし、ここで最初の壁にぶち当たる。ランセットは小さな長方形の箱型で、指の腹に先端部分をグッと押し込むことで針が出る仕組みになっているのだが、想像以上に緊張するのである。というのも筆者、実はキットが到着した際、説明書を読まないまま、このランセットをいじっていたところ、誤まって親指に刺してしまい、突然の痛みに悶絶! 慌てて説明書を読むと、「使用した針は再使用できません」「失敗した場合などは、必ず購入元にお問い合わせください」と注意書きがあり、結果的に再送してもらうという経緯があった。おそらく失敗する人が多いのだろう。

 またあの痛みが……もし失敗したら……と思うと、恐怖で勇気が出ず、もんもんと室内を歩き回ることに。普段注射を打っているヒジの内側ではなく、指の腹というのは、なんとなく痛みが大きいような気がしてならない。30分近く悩み、ようやく覚悟を決めて採血針を刺すと、無事に出血。しかし、想像以上の痛みと痺れがあり、さらに刺した周辺がうっ血してきて、心が折れてしまいそうになった。

 しかし、この次に、スポイトで血を吸い上げなくてはならない。説明書には、「最初の血滴を殺菌した綿球で拭う」とあるが、キットに綿球は入っていないことが発覚し、ちょっとしたパニックに。とりあえず最初に使用したアルコールコットンを綿球の代用としたが、ここで2つ目の壁にぶち当たる。最初の血滴を拭った結果、ほとんど血がなくなってしまったのである。

 「どうしよう! どうしよう!!」と慌てふためき、スポイトの先で刺した部分を刺激するも、出血はせず。いったんスポイトを手放し、刺した部分の周辺をグイグイ押すと、ようやく新たな出血があったが、その量はごくわずかで、スポイトで吸おうにもうまくいかず。手先が不器用だからか、何とか血液を吸っても、スポイトの上部をグッと押してしまい、全てリリースといったハプニングもあった。

 そんなことを繰り返しているうちに、どんどん投げやりな気持ちになり、説明書にあった「25μLの血液を採取する」という部分を無視して(そもそも25μLがどれくらいの量か詳しい説明はナシ)、血を検体希釈管に入れる。

 この検体希釈管の中には、希釈液がすでに入っており、それに微々たる血を混ぜると、それなりの量になったので一安心。

 試験紙の検体パット部に、5滴を垂らすのだが、ここで3つ目の壁が。検体パット部が小さすぎて、一発目の液を外してしまったのである。希釈液に混ぜたことでそれなりの量になったものの、貴重な1滴を無駄にしたことに自責の念が募る。全神経を集中させて残りを検体パット部に垂らし、そのまま10分放置した。

 そして結果は……IgM抗体もIgG抗体も「陰性」。同封の「検査結果目安」をチェックすると、「非感染者または抗体ができていない(偽陰性率も数%)」とのこと。つまり、現在筆者は新型コロナウイルスに感染しておらず、過去にも感染していないという結果が出たわけだ。

 しかし気になるのは、IgM抗体が陽性で、IgG抗体が陰性の場合「感染能力ありの可能性が否定できない(偽陽性率10%)」とあること。この偽陽性率10%というのはなかなかに高い数値のように思う。そもそも抗体検査は、「PCR検査」「抗原検査」に比べて精度は劣るそうなので、この結果だけに一喜一憂するのはよくないかなと感じた。

 「抗体検査キット」を使用してみた感想としては、もう二度とやりたくないというのが本音だ。筆者の場合、手先が不器用ということもあって、自ら採血するのはハードルがなかなかに高かった。また針を刺した部分にうっ血と少しの腫れがあるのも気になる。当然、個人差はあるが「不器用」「痛いのが嫌い」という人は、病院で医療従事者にお願いするのが最善ではないだろうか。

 なお、このキットは使用後、国の法律に則り、医療廃棄物として処理しなければならない。つまり、一般ゴミと一緒に捨てることができないのだ。回収まで行ってくれる会社もあるようだが、その手間を考えると、病院で受けたほうが楽と言えるかもしれない。

ネット通販「抗体検査キット」を医師がジャッジ! 「新型コロナ感染初期にも対応」怪しい謳い文句の真偽は?

 新型コロナウイルス感染者数がいまだ明確な減少傾向に至っておらず、8月19日には、日本感染症学会が「日本は第2波の真っ只中」との見解を示す中、ネット上では「抗体検査キット」の通販サイトが乱立するようになっている。複数のキットをセットにして販売しているところもあれば、1キット単位から販売しているところもあり、1キット1万円弱から、安価なものだと3,000円程度と値段もさまざまのようだ。

 そんな「抗体検査キット」の販売サイトを見ていると、「感染初期の検体に対しても判定が可能」の謳い文句が散見される。一般的に、抗体ができるまでには、感染後ある程度の日数が必要と言われており、先月、小劇場・新宿シアターモリエールでクラスターが発生した際には、主催社側が「7月4日に1名の方から(体調不良の)申告をいただきましたが、抗体検査の実施の結果、陰性であった」と主張すると、ネット上で「感染初期に抗体検査をしても意味がない」との声が飛び交っていた。

 これは「抗体検査キット」販売側が、“偽り”の宣伝文句を使っているということなのか? それとも、実際に感染初期でも判定可能なのか? この謎を探るべく、今年6月に『ほんとは怖い健康診断のC・D判定 医者がマンガで教える生活習慣病のウソ・ホント』(日経BP)を上梓した、「消化器」並びに「予防医療」を専門とし、新型コロナウイルスに関しても情報発信を行っている近藤しんたろうクリニック院長の近藤慎太郎氏に話を聞いた。

検査の精度は「PCR検査」>「抗原検査」>「抗体検査」

 現在新型コロナウイルス感染症の検査に関しては、「PCR検査」「抗原検査」「抗体検査」の3つが知られている。この3つは、それぞれどのようなものなのだろうか。

「これら3つの検査は、『PCR検査』『抗原検査』と『抗体検査』の2つのグループに分けられます。簡単に言うと、前者は、体内に新型コロナウイルス自体があるかどうかを調べる検査。後者は、新型コロナウイルスによる反応を調べる検査です。この『反応を調べる』とは、体内に入ってきたウイルスをやっつけるために作られる『抗体』というタンパク質があるかないかを見るという意味です」

 「抗原検査」と「抗体検査」は似た言葉だけに、混同しやすい面もあるが、検査の種類としてはまったく異なるものだという。

「検査の精度に関しては、『PCR検査』>『抗原検査』>『抗体検査』の順で高いと思っていただいて問題ありません」

 では、問題の「抗体検査」に関してだが、抗体は感染してから時間がたたなければ出現しないものと報道などで伝えられている一方、現在複数の「抗体検査キット」の販売サイトに「感染初期にも対応可能」と明記されている点を、近藤氏はどう捉えているのだろうか。

「抗体には、IgM抗体とIgG抗体の2種類があります。IgG抗体は、確かに感染して1〜2週間程度たってから出てくるものなのですが、一方でIgM抗体は、比較的、感染初期に出てくるもの。なので、『感染初期にも対応』というのは、IgM抗体のことを指しているわけです。IgM抗体とIgG抗体がごっちゃになっていると、確かに『抗体検査で初期の感染はわからない』と思うのではないでしょうか」

 現在通販サイトで売られているキットは、IgM抗体とIgG抗体を同時にチェックするものが一般的で、キットによって異なるものの、感染から3〜5日程度でIgM抗体を判定できるケースもあると近藤氏は言う。

「IgM抗体ができる前に抗体検査をしても意味はありません。抗体検査では陰性だったものの、PCR検査では陽性が出たというケースもありますが、それは感染して1〜2日のごく初期だったから、もしくはその抗体検査自体の精度が低かったからと考えられますね」

 そうなると、感染初期における「抗体検査」自体に有用性があるのか、という疑問も生じてくる。厚生労働省は、「現在、日本国内で医薬品・医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)上の体外診断用医薬品として承認を得た抗体検査はありません」との見解を示しているが……。

「感染リスクを下げるため、特に多くの人が一斉に検査を行う場合、精度自体はPCR検査や抗原検査に劣るものの、費用や利便性の面から考えると『抗体検査しかできない』という現実があるんです。PCR検査と抗原検査は、医療機関でしか受けられませんし、しかも自由診療なので、特にPCR検査は4〜5万円と高額ですから」

 新宿シアターモリエールで起こったクラスターも、「舞台関係者全員を病院まで連れていって、4〜5万円するPCR検査を受けさせることができただろうかと考えると、難しいと思います。まずは抗体検査で比較的初期の感染の可能性を調べるというのは、100点の結果は得られないものの、少しでもリスクを下げるという面では、有用性があるのではないでしょうか」。

 もし比較的初期の感染を調べるため、抗体検査キットを使う場合、どのような点に留意すべきなのだろうか。

「やはり、感染のごく初期の潜伏期間に受けても意味がないこと、また精度は100%ではないことを前提とすべきでしょう。抗体検査は、あくまで『一つの目安』として捉えるべきです。ちなみに、抗体検査でIgM抗体が陽性になって、保健所に連絡したとしても、症状の有無を聞かれ、なければ自宅待機でPCR検査に回されない可能性もあります」

 一方、現在、ネット通販で購入できるさまざまな「抗体検査キット」に関しては、「メーカーもたくさんあり、どれだけの抗体があれば陽性を示すかも異なる。信頼のおけるものはどれかというのは、正直『わからない』のが本音」と近藤氏。

「一般的なサプリと同じで、同成分を扱ったサプリでも、各メーカーがさまざまな宣伝をしていて、果たしてどこのメーカーが一番いいのかはわかりませんよね。各販売サイトの説明を吟味しても、書いたもん勝ちの面もありますし。そう考えると、たくさんある通販の『抗体検査キット』を自己判断で購入するよりかは、医療機関で受けたほうがいいとも思います。陽性が出た場合、その後どうすればいいかも、医師の指示を聞くことができるので」

 「抗体検査で陰性だったから感染してない」と100%安心するのは危険だが、コロナ禍が続く中、自身の症状も踏まえつつ、複合的な判断を行うための一つとして、抗体検査をしてみるのはアリなのかもしれない。

近藤慎太郎(こんどう・しんたろう)
近藤しんたろうクリニック院長・医師・医学博士。1972年、東京都生まれ。北海道大学医学部、東京大学医学部医学系大学院卒業。日赤医療センター、東京大学医学部附属病院、山王メディカルセンター内視鏡室長を経て、現職。著書に『ほんとは怖い健康診断のC・D判定 医者がマンガで教える生活習慣病のウソ・ホント』(日経BP)などがある。

市販ホワイトニング歯磨き剤12点を、歯科医がジャッジ! 「歯が白くなる」効果の高い商品は……

 「ホワイトニング」の流行により、芸能人だけでなく、一般人も「白い歯」を求めるようになった昨今。歯科医院やセルフホワイトニングサロンに行くよりも、安価かつ気軽にホワイトニングケアができる歯磨き剤などの市販品も増えているが、果たしてその効果は期待できるのだろうか? 

 「歯を白くすること」を目的に市販されているセルフケア商品12点の効果について、前回に引き続き、あやクリニック歯科・皮ふ科の吉田亜矢院長に話を聞いた。

(前回:“セルフホワイトニング”はホワイトニングにあらず! 歯科医が「まったく別物」とバッサリ!

――歯科医院で行う「ホワイトニング」は、歯そのものを“白くする”もの、サロンで行われる「セルフホワイトニング」は“本来の歯の色に戻す”ものだと伺いました。市販のセルフケア商品には、「ホワイトニング」と表記されているものも多く存在しますが、歯科医院で行われている「ホワイトニング」と同じ効果を期待していいのでしょうか?

吉田亜矢氏(以下、吉田) 「ホワイトニング」を謳っているからといって、歯科医院で行うホワイトニングと同等の効果は得られません。“歯を白くする”“汚れを落とす”というよりは、“汚れを浮かせやすくする”クレンジングの作用があるととらえたほうがいいと思います。

――セルフケア商品には、ペースト、ジェル、パウダー、デンタルリンス、消しゴム(スポンジ)など、さまざまなタイプがあります。どの形状が一番「歯の汚れを浮かせやすくする」効果があるのでしょうか? 

吉田 その製品に含まれる薬剤の濃度をできるだけ保ったまま、歯に付着させることが大切かと思います。例えば、マウスウォッシュ製品であれば、最初に60秒ほど口をゆすいでからブラッシングすることを推奨していますよね。それは、歯の表面に直接薬剤を付着させることで汚れを浮かせやすくしてくれるから。また、歯をコーティングして汚れを防ぐ効果のある製品もありますが、これもやはり薬剤の濃度を保ち、歯に付着させることが重要。「汚れを浮かせる」だけでなく「汚れがつかないようにする」目的でも、ペーストやジェル状のものではなく、液状の製品を使うことをオススメします。

おなじみの「ホワイトニング」製品、その実力は?

 では、一体どの製品を使えばより高い効果が得られるのだろうか。吉田院長に、ネットで話題の歯磨き粉10商品、歯磨き粉以外の2商品を対象に、「歯を本来の白さに近づける」「歯を白く保つ」効果の度合いをA〜Eの5段階で評価いただいた。その結果、今回の商品はいずれもA〜Cに該当し、まずまずの効果を得られるとのこと。ぜひ、セルフケアの参考にしていただきたい。

【商品名】スマイル コスメティックス「ホワイトニングペースト」85ml、1,430円(税込み)

【PRコピー】「歯の美白」と「口臭」をケアするポンプ型ペースト

[成分]
〈湿潤剤〉ソルビット液、グリセリン、PG、PEG‐8、〈清掃剤〉無水ケイ酸A、〈発泡剤〉ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン液、POE硬化ヒマシ油、ラウリル硫酸Na、〈洗浄剤〉ポリリン酸Na、炭酸水素Na、〈粘結剤〉PVP、キサンタンガム、〈粘度調整剤〉無水ケイ酸、ポリアクリル酸Na、〈香味剤〉香料(ホワイトミントタイプ)、サッカリンNa、〈清涼剤〉メントール、〈有効成分〉フッ化ナトリウム、〈pH調整剤〉水酸化Na、〈保存剤〉パラベン、〈着色剤〉雲母Ti、〈着色剤〉黄4

【評価】B
 イオンクレンジング成分として、ポリリン酸ナトリウムを使用しています。ポリリン酸によるホワイトニングはエステ等でも行われていますから、歯の汚れを浮かすクレンジング効果を期待できるでしょう。ただし、ご自身がもともと持っている歯の色を“さらに白くする”効果は期待できそうにありません。口臭の原因になりがちな舌苔を落とす目的で炭酸水素ナトリウムが配合されているので、お口全体のさっぱり感も得ることができそうです。

【商品名】デンティス「デンティス ホワイトニング チューブタイプ」100g、1,815円(税込み)

【PRコピー】白い歯でもっと恋するハミガキ

[成分]
〈湿潤剤〉ソルビトール、〈研磨剤〉シリカ、〈基剤〉水、〈香味剤〉キシリトール、〈湿潤剤〉グリセリン、〈保湿剤〉チャエキス、〈発泡剤〉ラウリル硫酸Na、〈結合剤〉PVP、〈研磨剤〉ヒドロキシアパタイト、〈pH調整剤〉三リン酸5Na、〈増粘剤〉セルロースガム、〈着色剤〉酸化チタン、〈防腐剤〉メチルパラベンNa、〈香味剤〉サッカリンNa・メントール、〈抗酸化剤〉アスコルビン酸、〈着色剤〉マイカ、〈香味剤〉セイヨウハッカ油、〈賦香剤〉ユーカリ葉油、チョウジ花油、〈保湿剤〉セージ葉エキス・カミツレ花/葉エキス・ウイキョウ果実エキス・カンゾウ根エキス・カシア樹皮エキス、〈着色剤〉青1・青205

【評価】B
 ヒドロキシアパタイトは、タンパク質を吸着する効果があります。ブラッシング時に汚れを吸着し、微小シリカによる研磨効果との相乗効果で歯の表面に付いた茶渋などの汚れを落とすクレンジング効果が期待できそうです。また、香味剤として配合されているキシリトールには、虫歯菌の働きを弱める効果もあります。

 なお、抗酸化剤として含まれているアスコルビン酸(ビタミンC)は、コラーゲン繊維を強くする効果があり、公式サイトには「ビタミンC(アスコルビン酸)配合し、歯茎をケアします」と記載されていますが、食品やサプリメント等でビタミンCを服用したほうがその効果を得られるでしょう。

【商品名】ライオン「クリニカアドバンテージNEXT STAGE +ホワイトニング ハミガキ」658円(税込み)

【PRコピー】歯ぐきが下がって無防備になる歯の根元まで1本でトータルケア。蓄積黄ばみも浮かせて除去。

[成分]
〈湿潤剤〉ソルビット液、PG、〈清掃剤〉無水ケイ酸A、〈コーティング剤〉DL-ピロリドンカルボン酸ナトリウム液、ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド、〈発泡剤〉ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン液、POE 硬化ヒマシ油、POEステアリルエーテル、ラウリル硫酸Na、〈粘度調整剤〉無水ケイ酸、キサンタンガム、〈香味剤〉香料(ベリーミントタイプ / ハーブミントタイプ)、サッカリンNa、〈粘結剤〉アルギン酸Na、〈清掃助剤〉ポリアクリル酸Na、〈薬用成分〉フッ化ナトリウム(フッ素として1450ppm)、デキストラナーゼ(DEX)、ラウロイルサルコシンNa(LSS)、〈清涼剤〉メントール、〈洗浄剤〉テトラデセンスルホン酸Na、〈光沢剤〉雲母Ti、〈安定剤〉DL-アラニン、グリセリン脂肪酸エステル、〈着色剤〉黄4、赤106

【評価】C
 「クリニカ」シリーズは、DEX:デキストラナーゼによる歯垢分解効果に定評があります。また、虫歯予防になるフッ素は1450ppmと、国内基準ギリギリの高濃度配合のため、より高い効果が得られるでしょう。また、TDS(テトラデセンスルホン酸Na)による、歯の着色汚れを落とすクレンジング効果にも期待できる商品です。歯磨き粉自体の粘度を調整するポリアクリル酸ナトリウムが配合され、歯の根元に歯磨き粉がとどまりやすいため、「歯の根元の黄ばみまで落とす」という効果があるのかもしれません。

【商品名】エクロール「ドクターオーラ ホワイトニングパウダー」26g、1,430円(税込み)

【PRコピー】卵殻アパタイト高配合 歯の黄ジミを吸着・除去!

[成分]
〈清掃剤〉ヒドロキシアパタイト、シリカ、ピロリン酸Ca〈溶剤〉水〈粘結剤〉結晶セルロース〈湿潤剤〉グリセリン、BG、グリコシルトレハロース、加水分解水添デンプン〈可溶剤〉ポリソルベート80〈発泡剤〉ラウロイルグルタミン酸Na〈甘味剤〉キシリトール、ステビア葉/茎エキス〈矯味剤〉グリチルリチン酸2K〈清涼剤〉メントール、ハッカ油、アニス油、ユーカリ油〈洗浄剤〉キラヤ樹皮エキス、ポリリン酸Na〈pH調整剤〉炭酸水素Na〈光沢剤〉パール

【評価】B
 ポリリン酸ナトリウムによって汚れを浮かしやすくし、ヒドロキシアパタイトで吸着、研磨することで汚れを落とす効果に着目した商品です。パウダータイプという珍しい形態の歯磨剤で、ペーストタイプの歯磨き粉よりも、研磨によるクレンジング効果が高そうです。

【商品名】サンスター「オーラツー プレミアム クレンジングペースト」17g、715円(税込み)

【PRコピー】週1回の歯の集中美白ケアで、すっきりディープクレンジング。

[成分]
〈基剤〉ソルビトール、〈清掃剤〉シリカ、〈基剤〉水、〈清掃助剤〉PEG-8、〈湿潤剤〉PG、〈清掃助剤〉アルミナ、〈溶解剤〉スルホコハク酸(C12-14)パレス-2Na(ステインコントロール成分)、〈吸着剤〉シクロデキストリン、〈着香剤〉香料(プレミアムミントタイプ)、〈甘味剤〉サッカリンNa、〈発泡剤〉ラウリル硫酸Na、〈粘結剤〉セルロースガム、〈安定剤〉酸化チタン、〈防腐剤〉メチルパラベン

【評価】B
 公式サイトに「オーラツーハミガキ史上最高濃度のステイン除去成分(清掃剤)配合」とあるように、オーラツー製品の中でシリカが最も多く含まれているので、研磨による着色除去効果が得られるでしょう。また、スルホコハク酸(C12-14)パレス-2Naには、ステインの付着を抑制する作用があるため、しっかりと着色汚れを落とした後、再び汚れが付着するのを防ぐ効果が見込めます。ただ、この商品は集中ケアを謳っている商品のため、週に1回のスペシャルケアとして使用するのがベストでしょう。

【商品名】サンギ「アパガード プレミオ」50g、913円(税込み)

【PRコピー】ナノ粒子「薬用ハイドロキシアパタイト」を1.4倍高配合。プレミアムケアでときめく白い歯に。

[成分]
〈基剤〉歯磨用リン酸水素カルシウム、無水ケイ酸、〈溶剤〉精製水、〈湿潤剤〉濃グリセリン、ケイ酸ナトリウム、〈甘味剤〉キシリトール、サッカリンナトリウム、〈薬用成分〉薬用ハイドロキシアパタイト、マクロゴール400(ポリエチレングリコール)、β-グリチルレチン酸、塩化セチルピリジニウム、〈発泡剤〉ラウリル硫酸ナトリウム、〈粘結剤〉カルボキシメチルセルロースナトリウム、〈香味剤〉香料、〈安定剤〉リン酸マグネシウム、〈光沢剤〉加水分解コンキオリン液、〈保存剤〉塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、〈香味〉ダブルミント(ペパーミント・スペアミント)

【評価】B +(ややA寄り)
 歯の白さへの注目を日本に啓蒙した、ロングセラー商品です。ハイドロキシアパタイトによる研磨効果を狙ったのではなく、高配合のナノ粒子・薬用ハイドロキシアパタイト<mHAP>が汚れに吸着し、エナメル質修復効果を高く謳った商品。エナメル質の改善により、本来の歯の色を蘇らせることに、多少効果があると思われます。マクロゴール400(ポリエチレングリコール)による、汚れを浮かす効果も期待できそうです。

【商品名】ジーシー「ルシェロ 歯みがきペースト ホワイト」100g、1,980円(税込み)

【PRコピー】4つの力で歯を白く! 弱アルカリ性のペーストがステインを浮かし、歯にやさしいLime粒子がステインを落とします。

[成分]
〈薬用成分〉ポリエチレングリコール(PEG)400、モノフルオロリン酸ナトリウム(フッ素)、〈清掃剤〉炭酸カルシウム(Lime粒子)、〈溶剤〉精製水、〈湿潤剤〉濃グリセリン、〈甘味剤〉キシリトール、〈粘結剤〉ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、〈香味剤〉香料(ピュアミントタイプ)、〈pH調整剤〉リン酸水素二ナトリウム、水酸化ナトリウム、〈増粘剤〉無水ケイ酸、〈保存剤〉パラベン

【評価】B
 弱アルカリ性ペーストにより、歯の磨き残しによるタンパク汚れを浮かしやすくします。また、清掃剤として高濃度に配合したLime粒子と、薬用成分のポリエチレングリコール(PEG)400によって、さらに着色汚れを落としやすくしているため、クレンジング効果は期待できそうです。ただ、公式サイトを見ると、「『モノフルオロリン酸ナトリウム(フッ素)』950ppmが歯質の再石灰化を促進し、むし歯の発生と進行を予防します」とありますが、950ppmは現在では決して高濃度とは言えません。

【商品名】ストーリア「TO BE WHITE」シリーズ
 「薬用デンタルペースト<プレミアム>」60g、1,540円(税込み)

【RRコピー】もっと美白+口臭予防

[成分]
〈湿潤剤〉ソルビット液、濃グリセリン〈溶剤〉精製水〈清掃剤〉ベントナイト、含水ケイ酸、無水ケイ酸(スクラブシリカ)〈薬用成分〉ポリエチレングリコール400、ゼオライト、塩化セチルピリジニウム、β-グリチルレチン酸〈発泡剤〉2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリル硫酸ナトリウム〈粘結剤〉キサンタンガム〈可溶剤〉ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油〈安定剤〉酸化チタン〈pH調整剤〉クエン酸ナトリウム、クエン酸〈香味剤〉香料(ハーブミントタイプ)〈清涼剤〉l-メントール、ユーカリ油、チョウジ油〈洗浄剤〉メタリン酸ナトリウム〈甘味剤〉サッカリンナトリウム〈矯味剤〉ローズマリーエキス、セージエキス、オトギリソウエキス、シャクヤクエキス、カモミラエキス(1)、マロニエエキス

【評価】C
 メタリン酸ナトリウムで浮かした汚れに、火山灰由来のベントナイトが吸着し、研磨する効果、また、天然鉱物であるゼオライトで歯石沈着予防を期待する商品です。さらに、メタリン酸ナトリウムのもう一つの効果である、コーティング作用もあります。“着色汚れを落とす”という点では、期待できるでしょう。

【商品名】Crest 3D white「BRILLIANCE Toothpaste」(アメリカ)116g、各種通販サイトで1,300円前後

【PRコピー】Leaves your smile dazzlingly white & brilliantly clean by unlocking trapped surface stains.(表面の汚れを浮かせ、あなたの笑顔を眩しく白くきれいなままに)

[成分](楽天の商品表示より)
 フッ化ナトリウム 0.243%、グリセリン、水和シリカ、ヘキサメタリン酸ナトリウム、水、PEG-6、香料、リン酸三ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、カラギーナン、コカミドプロピルベタイン、サッカリンナトリウム、PEG-20M / PEG-23M、キサンタンガム、スクラロース、二酸化チタン、マイカ

【評価】C
 「研磨剤不使用」とのことなので、研磨による着色を落とす効果ではなく、薬用成分による着色除去を期待した商品です。ただし、水和シリカも研磨剤として使われることがあるので、「研磨剤をまったく使っていない」とは言えないのでは……? ラウリル酸ナトリウムは界面活性剤なので、汚れを落としやすくする効果があります。

【商品名】MARVIS「ホワイト・ミント」(イタリア)25ml、1,265円(税込み)

【PRコピー】クールなミントの香りが持続し、長時間爽やかな息を持続させます。ブラッシングにより歯垢を除去し、生み出されるホワイトニング効果が素敵な笑顔をつくります。

[成分]
〈湿潤剤〉グリセリン、〈研磨剤〉含水シリカ、〈増量剤〉水、〈結合剤〉PEG-32、〈緩衝剤〉ピロリン酸4Na、〈香味剤〉香料、〈結合剤〉セルロースガム、〈香味剤〉キシリトール、〈不透明化剤〉酸化チタン、〈発泡剤〉ラウリル硫酸ナトリウム、〈香味剤〉サッカリンナトリウム、リモネン、オイゲノール、ベンジルアルコール

【評価】C
 含水シリカが研磨剤として着色汚れを落とすようです。また、ラウリル酸ナトリウムによる洗浄効果、つまりクレンジング効果も期待できそう。なお、この商品には製品の透明度を下げるための不透明化剤として酸化チタンが含まれています。海外で流行しているホワイトニングには、酸化チタンと紫外線を応用して歯を白くするものがありますから、そのトレンドを取り入れた商品と言えるかもしれません。

液状のマウスウォッシュが効果てきめん!?【リステリン、ミュゼ】

【商品名】ミュゼホワイトニング「ポリリンキューブ<速攻美白>(3個入り)」550円(税込み)

【PRコピー】ポリリン酸Naを含んだスポンジ歯磨きで外出先でもカンタン、速攻美白♪

[材質]メラミンフォーム
[成分]
水、ポリリン酸Na、PEG-150、グリセリン、PG、PEG-30水添ヒマシ油、水酸化Na、セルロースガム、ポリソルベート80、香料(ペパーミントタイプ)、セチルピリジニウムクロリド、シメン-5-オール

【評価】B
ポリリン酸Na、ポリソルベート80、PEG―30などにより浮いた汚れを、特別なメラミンフォームにてこすり取りながら、分割ポリリン酸により、汚れの再付着を予防できそうです。ただ、メラミンフォームによって、歯に顕微鏡レベルの微小な傷がついてしまうことが心配ですね。

【商品名】ジョンソン・エンド・ジョンソン「リステリン ホワイトニング」500ml、各種通販サイトで700円前後

【PRコピー】歯の着色を浮かせて、落として、コーティングするトリプルアクションで、美しい歯本来の白さにします。

[成分]
 水、〈溶剤〉エタノール、〈湿潤剤〉ソルビトール、〈洗浄剤〉三リン酸5Na、〈洗浄助剤〉ピロリン酸4K、〈可溶化剤〉ポロキサマー407、〈pH調整剤〉クエン酸、香料、〈防腐剤〉安息香酸Na、〈香味剤〉ユーカリプトール、〈清涼剤〉メントール、〈香味剤〉チモール、〈香味剤〉サッカリンNa、〈防腐剤〉シメン−5−オール、〈香味剤〉スクラロース

【評価】B+(ややA寄り)
 三リン酸5Na、ピロリン酸4K、ポロキサマー407により、歯の表面の着色汚れをしっかりと浮かすために、60秒間お口の中でブクブクうがいをしてから、歯ブラシによる研磨効果で汚れを落とす商品。商品の説明書きにある通り、ホワイトニング後の歯の白さをキープするために、手軽に使用できる商品ですね。

■吉田亜矢(よしだ・あや)
あやクリニック 歯科・皮ふ科院長。専門は口腔外科、審美歯科。「大きく口を開けて笑える」「美味しく食事ができる」「今よりもさらに幸せになれる」を目標に、患者の口内や皮ふの健康をサポートしている。『ジョブチューン アノ職業のヒミツぶっちゃけます!』(TBS系)など、メディア出演多数。YouTube「あやクリニックTV」運営。

“セルフホワイトニング”はホワイトニングにあらず! 歯科医が「まったく別物」とバッサリ!

 昨今、インスタグラムやYouTubeなどで「セルフホワイトニングサロン」を紹介しているインフルエンサーを見かけないだろうか? 「手軽に歯が白くなる」「痛みは一切ないので安心」などと宣伝するサロンが都内を中心に急増しているだけでなく、脱毛サロンやエステ、さらにはブランド品買い取り店でも「セルフホワイトニング」が行われている。

 安価で手軽な印象が強い「セルフホワイトニング」だが、歯を白くするという目的であれば、歯科医院でも「ホワイトニング」を行っているところは多い。この二つはどちらも「ホワイトニング」を冠しているが、果たして同じ効果が得られるのだろうか? あやクリニック歯科・皮ふ科の吉田亜矢院長に話を聞いた。

「着色汚れ」を落とすだけではホワイトニングと言わない

――「歯を白くする」ために歯科医院で行われている施術は、主にどのようなものがありますか?

吉田亜矢院長(以下、吉田) まず一つ、歯石を取って歯をツルツルに磨き上げる「クリーニング」があります。こちらは、着色汚れを落とすことができる施術です。歯科医院のホームページなどでは、「PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)」と紹介しているところもありますね。

 もう一つ、歯科医院では「ホワイトニング」も行います。簡単に説明すると、歯の表面にはエナメル質があって、その下に象牙質、さらにその下に神経が通っています。歯科医院で行う「ホワイトニング」は、専用の薬液によってエナメル質の表面を“曇りガラス状”にし、茶色い象牙質を表面に映らなくすることを指します。

 まったく同じケアをしてきた人でも、20代と80代では必ず歯の色が変わってきます。なぜかというと、歳をとるとエナメル質が結晶の成熟化により透明に近くなり、象牙質の色が外に見えてくるから。「着色汚れが蓄積して色が変わる」と思う人も多いですが、実はこういう理由なんです。ちなみに、東洋人の歯はもともと象牙質の色が濃いので、若いころから歯の色を気にされる方もいますね。

――歯科医院では、どのような方法で「ホワイトニング」を行っているのでしょうか?

吉田 種類が二つあって、歯科医院の中で行う「オフィスホワイトニング」と、自宅で行う「ホームホワイトニング」があります。この二つは、使用する薬液の過酸化水素と過酸化尿素の割合が違うのですが、「オフィスホワイトニング」は1回の通院で歯を白くするので、過酸化水素の濃度が高い薬液を使用しています。誤って薬液が歯ぐきにつかないよう、光を当てることによって固まるプラスチックでしっかりとガードした上で、施術を行っています。

 「ホームホワイトニング」は過酸化水素の濃度が低い薬液を使用しますが、その代わり、約2週間・毎日2時間ほどマウスピースを装着し、薬液を歯につけておく必要があります。言い換えれば、「そこまでしないと歯は白くならない」ということです。

――サロンで行われる「セルフホワイトニング」と歯科医院の「ホワイトニング」は、同じ効果が得られるのでしょうか?

吉田 サロンで行っていることは「ホワイトニング」ではなく、歯の表面の汚れを落とすだけの「クレンジング」でしょう。歯科医院で行う「ホワイトニング」とは、まったく別物ですね。というのも、“セルフ”でできるほど、ホワイトニングは安全ではないんですよ。

 歯科医院で行うホワイトニングでは、薬剤に過酸化水素が含まれると言いましたが、この原液は少し手につくだけでとてもヒリヒリします。薬液が歯だけにつけば問題ないですが、歯ぐきや唇についてしまうと、やけどをして腫れてしまう場合もあり、想像以上に危ない施術なんです。なので、歯科医によって丁寧に、気をつけて行う必要があります。

 セルフホワイトニングサロンでは、口を広げるオープナーを使うと思いますが、あれは歯ぐきや唇を保護するものではありません。逆に言えば、保護しなくても大丈夫な薬液を使っているということ。歯科医院で行うホワイトニングをイメージしてサロンへ行っても、同じ効果は得られないでしょう。

――「セルフホワイトニングサロン」について、“安価で手軽にホワイトニングができる場所”と認識しているユーザーは多そうですが……。

吉田 一般の方に、「ホワイトニングは歯医者でやろうがサロンでやろうが一緒」という認識があるのは実感しています。以前、「都内で10万円近く使ったのに、歯が白くならなかった」という方が来院して、どこで施術を受けたのか聞いたところ、「歯医者さんっぽいようなところ」と言っていました。よくよく話を聞いたら、セルフホワイトニングサロンのことだったのですが、それくらい「ホワイトニングはどこでもできる」との認識が広まっているようです。

 先ほども言った通り、歯科医の「ホワイトニング」はエナメル質の状態を変えるもので、芸能人のような“白い歯”になります。一方、サロンの「セルフホワイトニング」は表面をきれいにするだけの「クレンジング」なので、本来持っている歯の色に戻すことしかできません。この二つはまったく異なるわけですが、世間では同じように「ホワイトニング」と認識されているようなので、私を含め、歯科医たちは非常にモヤモヤしています(笑)。

■吉田亜矢(よしだ・あや)
歯科医師。あやクリニック 歯科・皮ふ科院長。専門は口腔外科、審美歯科。「大きく口を開けて笑える」「美味しく食事ができる」「今よりもさらに幸せになれる」を目標に、患者の口内や皮ふの健康をサポートしている。『ジョブチューン アノ職業のヒミツぶっちゃけます!』(TBS系)など、メディア出演多数。YouTube「Aya Clinic TV」運営。

「セルフハイフは危険」の風潮に疑問!? 医師が「美容医療、高額すぎる」問題を斬る

 今年2月、消費者問題・暮らしの問題に取り組む独立行政法人「国民生活センター」から、近年、神経損傷や火傷の相談が増えているとして、「セルフハイフ」への注意喚起が行われた。このハイフとは、美容クリニックで行われている、高密度焦点式超音波を用いた「たるみ・小顔治療」だが、近年ではエステサロン界にも広まっており、そんな中で、自ら施術を行うセルフハイフが登場した流れだ。

 セルフハイフの特徴は、何と言っても値段の安さ。クリニックでは一般的に、1回10〜20万円、機器の種類によっては30〜40万円することも珍しくないが、セルフだと1回3,000円程度というケースも。しかし安いからと言って、危険度の高い施術を受けるのは避けたいという心理が働くが、美容クリニックの医師たちは、これをどう見ているのだろうか? 前回は、セルフハイフでの神経損傷や火傷がいかにして起こるのかについて着目したが、今回、東京美容医療クリニック院長・高尚威先生に見解をお聞きしたところ、「私は『セルフハイフは絶対ダメ』という派ではないです」という意見が飛び出した。

セルフよりエステティシャンによる施術のほうが「危険」!?

 ハイフ自体には、確かに神経損傷や火傷のリスクはあるというものの、高先生は、大手セルフハイフサロンは「それなりにちゃんとした機器を使っているのではないか」と見解を述べる。

「エステ用のハイフは、基本的に、医療用のものより出力が低くなければいけません。というのも、ハイフは皮下組織に直接熱エネルギーを加え、“組織を変性”させることによって、たるみを改善するものなのですが、これは医療行為であり、エステで行うと医師法に触れてしまう。つまり、組織を変性させない程度……まぁ、脂肪層をちょっと温めて、一瞬キュッとさせるくらいでなくてはいけないのです。しかし実際には、海外の展示会などで、型落ちになった安価な医療用ハイフを購入し、エステティシャンが勝手に高出力で施術を行っているエステサロンがいっぱいあるんですよ。一方で、全国にフランチャイズ展開しているようなセルフハイフサロンは、事故が起こった際に責任を負うリスクを避けるため、こうした違法性が生じかねない機器は使用していないと思います」

 高先生は、セルフハイフサロンより、エステティシャンが医療用ハイフを使用するエステサロンのほうが「危険度は高いのではないか」という。

「大手セルフハイフサロンで使用されているのは、シャワー型ハイフというものです。もともと低出力に設定されているのに加え、もし火傷しそうになった場合、強い痛みを感じるので、その瞬間にハイフの先端を皮膚から離せば、大きな火傷にはならないと思います。また神経損傷に関しては、どれくらいのレベルかにもよりますが、事前に、皮下の浅いところに神経が通っている部位は『打たないように』と、説明を行えば、避けられるのではないでしょうか。何よりもスタッフ教育、マニュアル周知の徹底が重要だと感じますね」

 とは言っても、実際に、セルフハイフによる事故例が報告されているわけだが、高先生いわく、セルフに限らずハイフ全般において、「ハンドピースに個体差があること」が、その主たる要因になっているのではないかとのこと。

「ハンドピースは、中国で大量生産されているのですが、品質検査を行う際に、板で行うんです。実際の皮膚に使うには、さらに高い品質が求められますが、板という『固体』と『皮膚』の差によって、問題が起きていることは考えられますね。ハンドピースの先を新しいものに変えたら、急に出力が高くなってしまうといったことが起こるんですよ。そうすると、マニュアル通りにセルフハイフの施術を行っていても、事故が起こる可能性はある。まぁでもこれは、クリニックでも起こりうること。それは部品を供給する側の問題と言え、検品の精度を上げるなどの対応を必要となります」

 高先生によれば、セルフハイフは「イリュージョン」だという。低出力ゆえに、熱エネルギーによって組織を変性させるどころか、皮下脂肪を少し温めて、一瞬、熱収縮を起こす程度に過ぎないといい、「なので小顔になったように思えても、すぐに元に戻ってしまう。3,000円という値段も妥当だと思いますよ」とのこと。

「皮膚は、浅いところから真皮、皮下脂肪、筋層で構成されていて、ハイフは『筋層』にまで熱エネルギー加えると言われ、だからこそすごい、逆に怖いと思われている人もいるでしょうが、本当に『筋層』にまで届いているかなんて、確かめようがないですよね。ガリガリな人と太っている人とでは、皮下脂肪の厚みに差があるので、皮膚から筋層までの距離にも違いが生じるはずなのに、ハイフを受ける際に、皮下脂肪の厚みを考えてハンドピースを変え、照射深度を調整するなんてことはしません。もともと、リフトアップ手術を行う際、この『筋層』を引っ張り上げることから、メーカー側がブランディングとして『熱エネルギーが筋層まで届く』と言っているに過ぎない。単に、メーカー側の売り文句なんですよ」

 ハイフの知られざるカラクリを明かしてくれた高先生。その上で「セルフハイフ、全然いいと思う」と述べる理由について次のように語ってくれた。

「クリニックでハイフを受けようと思うと、安くても1回10万円、中には30〜40万円かかるところもあって、とにかく高額すぎる。でも若い人は特に、そんなにお金は持っていないでしょうし、『受けたいけど受けられない』という状況が生まれていると思うんです。でも、施術を受けたい人誰もが受けられるようになるほうが、みんなが幸せになる。だから僕は、値段の安いセルフハイフが広まることはいいことだと思うんです。もしセルフだと、神経損傷のリスクが……というなら、例えば、神経を傷つけかねない部位にハイフを当てそうになったら、アラームが鳴って停止するようなシステムを搭載するとか、機械を進化させたほうがいいのではないでしょうか」

 ハイフはクリニックでしか受けるべきではないといった“規制”の風潮が生まれると、ハイフ自体の進化を阻止してしまうのではないかとも高先生は言う。「国民生活センター」からのセルフハイフへの注意喚起は、誰もが気軽に、かつ安全に受けることができる施術が広まるにはどうしたらいいか、という問題を考えさせる契機と言えそうだ。

高尚威(こう・しょうい)
東京美容医療クリニック院長。奈良県立医科大学卒業。タカナシクリニックを始め、都内大手美容クリニックに勤務し、17年に東京美容医療クリニックを開院。「高品質な美容医療と続けやすい安心の価格でご提供する、 美のかかりつけ医」をモットーに診療にあたる。
東京美容医療クリニック

「セルフハイフは危険」の風潮に疑問!? 医師が「美容医療、高額すぎる」問題を斬る

 今年2月、消費者問題・暮らしの問題に取り組む独立行政法人「国民生活センター」から、近年、神経損傷や火傷の相談が増えているとして、「セルフハイフ」への注意喚起が行われた。このハイフとは、美容クリニックで行われている、高密度焦点式超音波を用いた「たるみ・小顔治療」だが、近年ではエステサロン界にも広まっており、そんな中で、自ら施術を行うセルフハイフが登場した流れだ。

 セルフハイフの特徴は、何と言っても値段の安さ。クリニックでは一般的に、1回10〜20万円、機器の種類によっては30〜40万円することも珍しくないが、セルフだと1回3,000円程度というケースも。しかし安いからと言って、危険度の高い施術を受けるのは避けたいという心理が働くが、美容クリニックの医師たちは、これをどう見ているのだろうか? 前回は、セルフハイフでの神経損傷や火傷がいかにして起こるのかについて着目したが、今回、東京美容医療クリニック院長・高尚威先生に見解をお聞きしたところ、「私は『セルフハイフは絶対ダメ』という派ではないです」という意見が飛び出した。

セルフよりエステティシャンによる施術のほうが「危険」!?

 ハイフ自体には、確かに神経損傷や火傷のリスクはあるというものの、高先生は、大手セルフハイフサロンは「それなりにちゃんとした機器を使っているのではないか」と見解を述べる。

「エステ用のハイフは、基本的に、医療用のものより出力が低くなければいけません。というのも、ハイフは皮下組織に直接熱エネルギーを加え、“組織を変性”させることによって、たるみを改善するものなのですが、これは医療行為であり、エステで行うと医師法に触れてしまう。つまり、組織を変性させない程度……まぁ、脂肪層をちょっと温めて、一瞬キュッとさせるくらいでなくてはいけないのです。しかし実際には、海外の展示会などで、型落ちになった安価な医療用ハイフを購入し、エステティシャンが勝手に高出力で施術を行っているエステサロンがいっぱいあるんですよ。一方で、全国にフランチャイズ展開しているようなセルフハイフサロンは、事故が起こった際に責任を負うリスクを避けるため、こうした違法性が生じかねない機器は使用していないと思います」

 高先生は、セルフハイフサロンより、エステティシャンが医療用ハイフを使用するエステサロンのほうが「危険度は高いのではないか」という。

「大手セルフハイフサロンで使用されているのは、シャワー型ハイフというものです。もともと低出力に設定されているのに加え、もし火傷しそうになった場合、強い痛みを感じるので、その瞬間にハイフの先端を皮膚から離せば、大きな火傷にはならないと思います。また神経損傷に関しては、どれくらいのレベルかにもよりますが、事前に、皮下の浅いところに神経が通っている部位は『打たないように』と、説明を行えば、避けられるのではないでしょうか。何よりもスタッフ教育、マニュアル周知の徹底が重要だと感じますね」

 とは言っても、実際に、セルフハイフによる事故例が報告されているわけだが、高先生いわく、セルフに限らずハイフ全般において、「ハンドピースに個体差があること」が、その主たる要因になっているのではないかとのこと。

「ハンドピースは、中国で大量生産されているのですが、品質検査を行う際に、板で行うんです。実際の皮膚に使うには、さらに高い品質が求められますが、板という『固体』と『皮膚』の差によって、問題が起きていることは考えられますね。ハンドピースの先を新しいものに変えたら、急に出力が高くなってしまうといったことが起こるんですよ。そうすると、マニュアル通りにセルフハイフの施術を行っていても、事故が起こる可能性はある。まぁでもこれは、クリニックでも起こりうること。それは部品を供給する側の問題と言え、検品の精度を上げるなどの対応を必要となります」

 高先生によれば、セルフハイフは「イリュージョン」だという。低出力ゆえに、熱エネルギーによって組織を変性させるどころか、皮下脂肪を少し温めて、一瞬、熱収縮を起こす程度に過ぎないといい、「なので小顔になったように思えても、すぐに元に戻ってしまう。3,000円という値段も妥当だと思いますよ」とのこと。

「皮膚は、浅いところから真皮、皮下脂肪、筋層で構成されていて、ハイフは『筋層』にまで熱エネルギー加えると言われ、だからこそすごい、逆に怖いと思われている人もいるでしょうが、本当に『筋層』にまで届いているかなんて、確かめようがないですよね。ガリガリな人と太っている人とでは、皮下脂肪の厚みに差があるので、皮膚から筋層までの距離にも違いが生じるはずなのに、ハイフを受ける際に、皮下脂肪の厚みを考えてハンドピースを変え、照射深度を調整するなんてことはしません。もともと、リフトアップ手術を行う際、この『筋層』を引っ張り上げることから、メーカー側がブランディングとして『熱エネルギーが筋層まで届く』と言っているに過ぎない。単に、メーカー側の売り文句なんですよ」

 ハイフの知られざるカラクリを明かしてくれた高先生。その上で「セルフハイフ、全然いいと思う」と述べる理由について次のように語ってくれた。

「クリニックでハイフを受けようと思うと、安くても1回10万円、中には30〜40万円かかるところもあって、とにかく高額すぎる。でも若い人は特に、そんなにお金は持っていないでしょうし、『受けたいけど受けられない』という状況が生まれていると思うんです。でも、施術を受けたい人誰もが受けられるようになるほうが、みんなが幸せになる。だから僕は、値段の安いセルフハイフが広まることはいいことだと思うんです。もしセルフだと、神経損傷のリスクが……というなら、例えば、神経を傷つけかねない部位にハイフを当てそうになったら、アラームが鳴って停止するようなシステムを搭載するとか、機械を進化させたほうがいいのではないでしょうか」

 ハイフはクリニックでしか受けるべきではないといった“規制”の風潮が生まれると、ハイフ自体の進化を阻止してしまうのではないかとも高先生は言う。「国民生活センター」からのセルフハイフへの注意喚起は、誰もが気軽に、かつ安全に受けることができる施術が広まるにはどうしたらいいか、という問題を考えさせる契機と言えそうだ。

高尚威(こう・しょうい)
東京美容医療クリニック院長。奈良県立医科大学卒業。タカナシクリニックを始め、都内大手美容クリニックに勤務し、17年に東京美容医療クリニックを開院。「高品質な美容医療と続けやすい安心の価格でご提供する、 美のかかりつけ医」をモットーに診療にあたる。
東京美容医療クリニック

「たるみ改善」「小顔効果」で人気のセルフハイフ、「神経損傷」「火傷」が報告されるワケを医師解説

「『セルフエステ』の契約は慎重に検討しましょう!」

 今年2月、消費者問題・暮らしの問題に取り組む独立行政法人「国民生活センター」が、近年セルフエステに関する相談が増加しているとして、注意喚起を行った。その具体的な事例として挙げられているのが、「HIFU(ハイフ)」である。

 ハイフとは、「切らないフェイスリフト」として、近年、美容クリニックやエステティックサロンで人気を博す施術。高密度の超音波によって、皮下組織に熱エネルギーを加えることで、たるみを改善したり、小顔を叶えるというものだという。そんなハイフが最近、クリニックやエステより安価で受けられる「セルフエステ」として広がりを見せており、全国にフランチャイズ展開するサロンも登場、若者の間でブームになっている。

 しかし、その裏で、利用者から「機器を自分で操作し顔にあてたところ、唇の神経を損傷した」「やけどのように赤く腫れた」といった相談が、国民生活センターに寄せられているというのだ。専門知識のない一般人が、神経損傷ややけどの危険性もあるというセルフハイフを行うのは、注意が必要と感じるが、美容クリニックの医師たちは、これをどう見ているのだろうか? 今回、広尾プライム皮膚科の沼尾真美先生に見解をお聞きした。

以前に比べて低年齢化? 「ハイフ」は20代にも人気

 広尾プライム皮膚科でも施術メニューにあるというハイフ。もともとハイフは、「保険診療による幹細胞癌等の治療に用いられていた機械」と沼尾先生。高密度の超音波で腫瘍細胞を熱変性壊死させる治療で使われているものだという。

「美容クリニックでは、SMAS層に熱エネルギーを加えることでコラーゲンの生成を促し、たるみを改善させるというのを主な目的としているケースが多いと思います。また熱収縮させることによるリフトアップ効果も期待できます」

 この熱収縮とは、牛肉などを火で焼いた時に、キュッと縮む現象を想像するとわかりやすいとのこと。

「ハイフ施術を受ける方は、数年前だと『たるみが気になるけれど、糸を入れるなどの手術には踏み込めない』といった40〜50代、またそれ以上の年代が中心でしたが、最近では『小顔になりたい』という20代も多く、以前と比べて低年齢化している印象です」

 沼尾先生いわく、たるみレベルが大きいほど、ハイフの効果はわかりづらい傾向があり、糸リフトなどの手術を行った上で、糸を入れられない箇所にのみハイフを施すケースもあるとのこと。一方、20〜30代のほうが即時効果を得やすい面はあるそうだ。

 そんな若者にも人気のハイフだが、クリニックでの施術は、金額的な面で、誰もが気軽に受けられるものではないだろう。というのも、特に「元祖ハイフ」と呼ばれ、FDA(アメリカ食品医薬品局)の認可を得ているハイフ機器「ウルセラ」による施術は、クリニックによっては1回30〜40万円することも珍しくない。現在では、「ウルセラ」より安価なハイフ機器が登場し、クリニックでの施術代も以前と比べて安くなりつつあるとは言え、それでも1回10〜20万円程度の価格設定が一般的のようだ。

 しかし、エステでのハイフは「1回1〜2万円」程度、セルフハイフに至っては「1回3,000円」を切るというサロンも存在しており、若い世代にとっては手を伸ばしやすい価格帯と言えるだろう。しかし国民生活センターには、その安全性を疑問視するような相談が寄せられているのだ。では具体的に、セルフハイフでの神経損傷や火傷はいかにして起こるのか。

「クリニックでのハイフ施術でも、神経損傷のリスクはあります。特に『ウルセラ』は高出力で、熱エネルギーがかなり深いところにまで届くので、かなりの痛みを伴うとともに、打ち方によっては神経を傷つけしてしまうことがあり、実際にそういった事例を見たこともあります。一方、セルフハイフでは、おそらくクリニックで使用するハイフより、低出力で皮膚の浅い部分にしか照射できない仕様になっているのでしょうが、出力の高低が安定しないこともあるのでは。浅いところに神経が通っている“ハイフを当ててはいけない部位”……例えば、口の下のあたりやおでこのサイドに、たまたま強い出力で照射してしまった場合、神経を損傷する危険性はあると思います」

 セルフハイフでは、事前に「照射してはいけない箇所」の説明がされているというが、機械の操作に慣れていないと、“ついうっかり”が起こる可能性は否めないだろう。クリニックの中には、患者さんの顔にマーキングをして、「打ってはいけない箇所」を明確にするなどの対策を取っているところもあるというが、「セルフハイフの場合、マーキングをせず、鏡を見ながらハイフを当てていくと聞くので、大丈夫かなとは思います」とのこと。なお、この照射深度は、ハイフのハンドピースのヘッドを押し付ける強さによっても変わってくるというだけに、セルフで行うには、経験がないとなかなか難しいものなのかもしれない。

「また、ハイフは動かしながら皮膚に照射していくのですが、重なって同じ箇所に打ってしまうと、火傷のリスクもあります。基本的にハイフの施術には、解剖学的な知識と技術が必要となるというわけです。繰り返しになりますが、セルフハイフはそういった知識や技術がなくても受けられるよう、低出力に設定されているのだろうと考えられるものの、だとすると『効果を実感できないのでは』とも思ってしまいますね。同じハイフと言えど、『ウルセラ』とセルフハイフの機械とでは、まったくの別物なのかなと感じます」

 「ウルセラ」は、コラーゲン生成期間を考えると、「半年に一度受ければ十分と言われている」というが、セルフハイフは、2週間ごとの施術が推奨されるケースが目立つ。沼尾先生は「それだけ頻繁に受け続け、例えば20年後に皮膚がどういう状態になるのかは、しっかり検証されていないのでは」といった疑問も抱いたそうだ。

 誰もが気軽に受けられるセルフハイフだが、実際にサロンに足を運ぶ前に、ハイフとは何かを調べてみるということが大切なのかもしれない。

沼尾真美(ぬまお・まみ)
2006年、香川大学医学部卒業後。医療センターにて皮膚科、形成外科、都内美容クリニック院長を経て、昨年から広尾プライム皮膚科勤務。主に得意としている治療は「注入」と「スレッドリフト」の治療。
広尾プライム皮膚科

ーー後編では、「セルフハイフ以上に、エステティシャンが施術を行うハイフのほうが危険度が高いのではないか」とする医師の見解をご紹介する。

「納豆が免疫力を上げる」に根拠ナシ! 管理栄養士がネット上の“ウワサ”に警鐘を鳴らす

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、テレビや雑誌、SNS等では「免疫力を高める食品」が多数紹介されている。全国のスーパーでは現在、納豆やヨーグルトが品薄になっているというが、これは「発酵食品は免疫力を高めるため、病気の予防になる」といったイメージが古くからあり、メディアでも取り上げられたことが関係しているよう。ネット上には「新型コロナに感染しないように、毎日納豆食べてます!」「『納豆食べると免疫力が上がる』ってテレビで言ってた。だからスーパーに売ってなかったのか……」といった声が散見される。

 納豆のほかにも、「食べると免疫力が上がり、新型コロナウイルスを含む病気の予防に効果的」だとウワサされる食品はいくつもある。しかし、本当にその食品を“食べるだけ”で期待する効果が表れるのだろうか? ネット上でウワサされる3品についての解説も含め、管理栄養士の成田崇信氏に話を聞いた。

そもそも「免疫力」自体が曖昧なもの

――「免疫を上げる食品」がメディアで多数紹介されていますが、その食品を食べるだけで「免疫力が上がる」ということはあるのでしょうか?

成田崇信氏(以下、成田) まず大前提として、「免疫力」という言葉自体が曖昧なものです。血液検査をしたときに「免疫力の数値」が測れるようなイメージがあるかもしれませんが、そんな単純なものではありません。実は専門用語にも「免疫力」という言葉はなく、「免疫」という単語が使われています。

 免疫については、病原体に感染した細胞を排除するNK細胞(ナチュラルキラー細胞)の活性を測り、免疫力を判定するという話がよく聞かれますが、NK細胞の活性率は高ければいいわけではありません。病原体が侵入し、排除する必要のあるときだけ活性が高まれば十分だからです。NK細胞は炎症性物質などを生み出し、病原体や腫瘍細胞を排除しますが、普段から体内でこのようなことが起こっていると、病気でもないのに体が疲弊してしまうでしょう。

 NK細胞のほかにも免疫に関係する体の仕組みはいくつもあり、それらが協力し合って体の免疫は保たれています。よって、「免疫に関係する指標を上げる食品」はありますが、それが「体の免疫機能を向上させる食品」かどうかはまた別の問題、ということになります。

――「体の免疫機能を向上させる食品」というのは、具体的にどのようなものでしょうか?

成田 ビタミンAやビタミンCが不足すると、健康な皮膚をつくれなくなるため、感染症にかかりやすくなると考えられます。皮膚はウイルスなどの病原微生物の侵入を防ぐ壁としての役割を担っているため、広い意味で免疫に関わる細胞といえます。また、タンパク質や亜鉛は免疫細胞の機能を維持するために必要な栄養素ですので、不足すると免疫機能が低下することがわかっています。とはいえ、これらの栄養素が摂取できる特別な食べ物で免疫機能アップを期待するよりも、バランスのとれた食事で栄養素が不足しないように配慮することのほうが、はるかに大事です。

――ネット上で「免疫力が上がる」といわれている3つの食品について、ご意見をお聞かせください。

1)納豆……「新型コロナウイルスに感染しないのは納豆を食べているから」といった情報が出回り、品薄になるスーパーが続出。納豆やみそ、チーズなどの発酵食品は、もともと「免疫力を上げる食材」といわれている。

成田 まず「納豆が新型コロナウイルスに対して有効である」という説について、信頼性の高い報告はありません。一方で、納豆に限らず、発酵食品と免疫の関係性は研究分野でも注目され、さまざまな研究が行われています。発酵食品の中では、ヨーグルトや乳酸菌飲料などのプロバイオティクス食品の研究が一番盛んに行われているため、「風邪の予防に効果がある」と既成事実のように宣伝されていますが、実は質の高い研究は少なく、トクホや機能性表示食品の基準をクリアしている程度です。薬のように効果を期待できるレベルには達していない、というのが現時点の評価といえます。

2)はちみつ……「はちみつとバターをパンに塗って食べると免疫力アップ」なる情報がテレビで紹介され、一部スーパーで品薄状態に。新型コロナウイルスが流行する前から、「風邪の予防にも効果がある」との宣伝で商品が売られていることもある。

成田 風邪の予防や免疫機能の向上効果は認められていませんが、はちみつには風邪のせき症状を抑える効果が、質の高い研究(システマティックレビュー)で実証されています。なお、乳児ボツリヌス症のリスクがあるので、1歳未満の子どもには与えないようにしてください。

3) バナナ……栄養豊富で低カロリーとして知られる。新型コロナウイルスの流行後は、「温めてから食べると免疫力アップになる」とテレビで紹介されたこともある。

成田 内臓への負担を考えると、冷たいバナナシェイクよりは、温めたバナナを食べたほうがよいと思います。ただ、免疫機能を向上させるかといわれれば眉唾でしょう。バナナに限らず、「体を冷やす食べ物」「温める食べ物」という分類もあまり根拠がない話ですので、意識しすぎて偏食にならないよう気をつけてほしいです。

――「免疫力アップ」に限らず、「〇〇を食べると健康になる」といった情報について、管理栄養士の視点から見てどう思われますか?

成田 「しっかりとした骨をつくるために、ビタミンDやカルシウムが豊富に摂れる食事をしましょう」といったアドバイスであればよいと思います。しかし、薬のような治療効果を食品に期待させるような宣伝は、問題だと思っています。テレビの健康番組で特定の食品が「体に良い」と紹介されると、店頭の商品が売り切れてしまう現象もありますが、その健康効果に期待して同じ食品ばかり口にしていると、栄養バランスが崩れ、別の病気にかかるリスクが高くなってしまうかもしれません。

――食べ物で「病気の予防」をする際、最も大切なことはなんでしょうか?

成田 バランスの良い食生活を心がける、三食きちんと食べるというアドバイスが基本になりますが、「バランスの良い食事を毎日三食食べる」というのは、多くの人にとって結構ハードルが高いことだと思います。ビタミンCなどの水溶性ビタミンは、すぐに体外へ流れてしまうイメージがありますが、ある程度は体の中に蓄えることができます。なので、「毎食しっかりと食べなければならない」ということではないのです。1週間のトータルで見た場合、それなりに栄養バランスがとれていれば問題ないと思います。

 なお、日本人の食生活では、乳製品、豆類、ナッツ類が不足する人が多いです。1週間を振り返ってみて不足が気になるようなら、次の1週間でこれらを食事に取り入れるとよいでしょう。また、食生活は就寝時間などの生活習慣とも大きく関係しますので、食事を整えるのが難しい場合には、ほかの習慣を見直す必要があるかもしれません。

■成田崇信(なりた・たかのぶ)
管理栄養士、健康科学修士。病院、短期大学などを経て、現在は社会福祉法人に勤務。ペンネーム・道良寧子(みちよしねこ)名義で、主にインターネット上で「食と健康」に関する啓もう活動を行っている。猫派。著書:新装版管理栄養士パパの親子の食育BOOK (内外出版社)、共著:謎解き超科学(彩図社)、監修:すごいぞやさいーズ(オレンジページ)

「納豆が免疫力を上げる」に根拠ナシ! 管理栄養士がネット上の“ウワサ”に警鐘を鳴らす

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、テレビや雑誌、SNS等では「免疫力を高める食品」が多数紹介されている。全国のスーパーでは現在、納豆やヨーグルトが品薄になっているというが、これは「発酵食品は免疫力を高めるため、病気の予防になる」といったイメージが古くからあり、メディアでも取り上げられたことが関係しているよう。ネット上には「新型コロナに感染しないように、毎日納豆食べてます!」「『納豆食べると免疫力が上がる』ってテレビで言ってた。だからスーパーに売ってなかったのか……」といった声が散見される。

 納豆のほかにも、「食べると免疫力が上がり、新型コロナウイルスを含む病気の予防に効果的」だとウワサされる食品はいくつもある。しかし、本当にその食品を“食べるだけ”で期待する効果が表れるのだろうか? ネット上でウワサされる3品についての解説も含め、管理栄養士の成田崇信氏に話を聞いた。

そもそも「免疫力」自体が曖昧なもの

――「免疫を上げる食品」がメディアで多数紹介されていますが、その食品を食べるだけで「免疫力が上がる」ということはあるのでしょうか?

成田崇信氏(以下、成田) まず大前提として、「免疫力」という言葉自体が曖昧なものです。血液検査をしたときに「免疫力の数値」が測れるようなイメージがあるかもしれませんが、そんな単純なものではありません。実は専門用語にも「免疫力」という言葉はなく、「免疫」という単語が使われています。

 免疫については、病原体に感染した細胞を排除するNK細胞(ナチュラルキラー細胞)の活性を測り、免疫力を判定するという話がよく聞かれますが、NK細胞の活性率は高ければいいわけではありません。病原体が侵入し、排除する必要のあるときだけ活性が高まれば十分だからです。NK細胞は炎症性物質などを生み出し、病原体や腫瘍細胞を排除しますが、普段から体内でこのようなことが起こっていると、病気でもないのに体が疲弊してしまうでしょう。

 NK細胞のほかにも免疫に関係する体の仕組みはいくつもあり、それらが協力し合って体の免疫は保たれています。よって、「免疫に関係する指標を上げる食品」はありますが、それが「体の免疫機能を向上させる食品」かどうかはまた別の問題、ということになります。

――「体の免疫機能を向上させる食品」というのは、具体的にどのようなものでしょうか?

成田 ビタミンAやビタミンCが不足すると、健康な皮膚をつくれなくなるため、感染症にかかりやすくなると考えられます。皮膚はウイルスなどの病原微生物の侵入を防ぐ壁としての役割を担っているため、広い意味で免疫に関わる細胞といえます。また、タンパク質や亜鉛は免疫細胞の機能を維持するために必要な栄養素ですので、不足すると免疫機能が低下することがわかっています。とはいえ、これらの栄養素が摂取できる特別な食べ物で免疫機能アップを期待するよりも、バランスのとれた食事で栄養素が不足しないように配慮することのほうが、はるかに大事です。

――ネット上で「免疫力が上がる」といわれている3つの食品について、ご意見をお聞かせください。

1)納豆……「新型コロナウイルスに感染しないのは納豆を食べているから」といった情報が出回り、品薄になるスーパーが続出。納豆やみそ、チーズなどの発酵食品は、もともと「免疫力を上げる食材」といわれている。

成田 まず「納豆が新型コロナウイルスに対して有効である」という説について、信頼性の高い報告はありません。一方で、納豆に限らず、発酵食品と免疫の関係性は研究分野でも注目され、さまざまな研究が行われています。発酵食品の中では、ヨーグルトや乳酸菌飲料などのプロバイオティクス食品の研究が一番盛んに行われているため、「風邪の予防に効果がある」と既成事実のように宣伝されていますが、実は質の高い研究は少なく、トクホや機能性表示食品の基準をクリアしている程度です。薬のように効果を期待できるレベルには達していない、というのが現時点の評価といえます。

2)はちみつ……「はちみつとバターをパンに塗って食べると免疫力アップ」なる情報がテレビで紹介され、一部スーパーで品薄状態に。新型コロナウイルスが流行する前から、「風邪の予防にも効果がある」との宣伝で商品が売られていることもある。

成田 風邪の予防や免疫機能の向上効果は認められていませんが、はちみつには風邪のせき症状を抑える効果が、質の高い研究(システマティックレビュー)で実証されています。なお、乳児ボツリヌス症のリスクがあるので、1歳未満の子どもには与えないようにしてください。

3) バナナ……栄養豊富で低カロリーとして知られる。新型コロナウイルスの流行後は、「温めてから食べると免疫力アップになる」とテレビで紹介されたこともある。

成田 内臓への負担を考えると、冷たいバナナシェイクよりは、温めたバナナを食べたほうがよいと思います。ただ、免疫機能を向上させるかといわれれば眉唾でしょう。バナナに限らず、「体を冷やす食べ物」「温める食べ物」という分類もあまり根拠がない話ですので、意識しすぎて偏食にならないよう気をつけてほしいです。

――「免疫力アップ」に限らず、「〇〇を食べると健康になる」といった情報について、管理栄養士の視点から見てどう思われますか?

成田 「しっかりとした骨をつくるために、ビタミンDやカルシウムが豊富に摂れる食事をしましょう」といったアドバイスであればよいと思います。しかし、薬のような治療効果を食品に期待させるような宣伝は、問題だと思っています。テレビの健康番組で特定の食品が「体に良い」と紹介されると、店頭の商品が売り切れてしまう現象もありますが、その健康効果に期待して同じ食品ばかり口にしていると、栄養バランスが崩れ、別の病気にかかるリスクが高くなってしまうかもしれません。

――食べ物で「病気の予防」をする際、最も大切なことはなんでしょうか?

成田 バランスの良い食生活を心がける、三食きちんと食べるというアドバイスが基本になりますが、「バランスの良い食事を毎日三食食べる」というのは、多くの人にとって結構ハードルが高いことだと思います。ビタミンCなどの水溶性ビタミンは、すぐに体外へ流れてしまうイメージがありますが、ある程度は体の中に蓄えることができます。なので、「毎食しっかりと食べなければならない」ということではないのです。1週間のトータルで見た場合、それなりに栄養バランスがとれていれば問題ないと思います。

 なお、日本人の食生活では、乳製品、豆類、ナッツ類が不足する人が多いです。1週間を振り返ってみて不足が気になるようなら、次の1週間でこれらを食事に取り入れるとよいでしょう。また、食生活は就寝時間などの生活習慣とも大きく関係しますので、食事を整えるのが難しい場合には、ほかの習慣を見直す必要があるかもしれません。

■成田崇信(なりた・たかのぶ)
管理栄養士、健康科学修士。病院、短期大学などを経て、現在は社会福祉法人に勤務。ペンネーム・道良寧子(みちよしねこ)名義で、主にインターネット上で「食と健康」に関する啓もう活動を行っている。猫派。著書:新装版管理栄養士パパの親子の食育BOOK (内外出版社)、共著:謎解き超科学(彩図社)、監修:すごいぞやさいーズ(オレンジページ)

手のひらから癒やしパワー? 激安クーポンサイトで見つけた「宗教っぽい」施術を体験したら……

お安い金額で、イイことしたい! 得したい!」という女の欲望を刺激する、「クーポン雑誌」「クーポンサイト」が巷に溢れまくっている現代――。しかしあまりの安さに、「こんなに安くて大丈夫?」「逆に損するなんてやーよ!」と、クーポンに半信半疑の人もいるはず。そんなあなたに向けて、女が特に気になる「美容・健康クーポン」を、世界で最も「安い!」に弱い大阪出身の女性ライターが、覆面調査員としてレポートしちゃいます!

 最近、クーポンサイト「E」にハマっている筆者。というのも、この「E」は、年10回以上のサービス利用で得られる特典「ゴールドパスポート」を保持することで、年間を通して多くのプランが最大半額で体験できるお得なサイトなのだ。予約もスムーズに取れ、多くの店舗で「PayPay(ペイペイ)」を使って決済できるのもメリットだと感じている。今回はそんな「E」と、お馴染みのクーポンサイト「G」で見つけた3軒のサロンに潜入する!

潜入その1:「クーポンエステあるある」を打破!?/千石・L

【メニュー】フェイシャルエステ80分
【クーポン価格】2,000円(60%オフ)

 今回「E」で見つけたのは、「ジジババの原宿」こと東京・巣鴨からほど近い千石の激安クーポン。前日に予約を取り、いざ出陣したところ、お店は超高級住宅街の中にあるプライベートサロンだった。「個人のお客様を大切にする」というスタンスのお店のようで、オーナーさんが直々に施術を行ってくれるという。

 このサロンの特徴は、知る人ぞ知る化粧品が使われているところだろう。シワやほうれい線にも効果が期待できるなどと、クオリティーの高さで知られている化粧品だけに、そのアイテムをフルに使ってエステを施してくれるとなれば、必然的にテンションも上がる。オーナーさんが、写真よりもずっと若いと感じたのも、「もしかしてあの化粧品効果?」と期待を高めてくれた。

 今回筆者がセレクトしたコースは毛穴の黒ずみ、開き、くすみなどをケアするコース。スチームをあてつつ、途中、超音波機器で振動を与え、クレンジングとマッサージ、そして最後にパックをしてくれ、とにかく「施術者が肌に触れてくれる時間が長いこと」に感動した。クーポンエステ店では「施術時間だけやたら長く、なのに施術者が肌に触れてくれる時間は短い」というのは「あるある」なのだが、そのガッカリ感は皆無であった。ちなみにこのオーナーさん、エステ業界で10年以上のキャリアがあり、昨年このサロンをオープンしたとのことで、腕のほうもなかなかのものだった。

 コース終了後、鏡を見ると、肌がワントーン明るくなり、口角もキュと上がって、小顔なったように見えた。しかし、そんなふうに見えたのは筆者だけなのか、翌日会った知り合いに「大丈夫? 疲れた顔しているよ」と言われ、大撃沈であった。

クーポン満足度:★★★☆☆
リピート思案度:★★★☆☆
※「あの化粧品でエステ」というのは

【メニュー】温熱療法30分
【クーポン価格】1,000円(80%オフ)

 「コワイもの見たさ」から、思わず「E」で購入してしまったのが「温熱療法」なる施術のクーポン。調べてみると、なんでもこのお店の代表は「レイキヒーラー」だという。レイキとは一体……と思って調べてみたところ、民間療法の一つで、手当て療法、エネルギー療法の一種となっていた。漢字では「霊気」と書き、手のひらから発する癒やしのエネルギーによって、不調和を整えるといったものだというが……正直、なんだそりゃ! ますますわからん! と思ってしまう。何らかの宗教なのではと怪しくさえ感じる。

 ドキドキしながら予約を取り、お店へと足を運ぶ。店舗のドアを開けると、普通の事務所という印象だ。サイトに掲載されていた写真では、やや怪しげな雰囲気を醸し出していた代表だが、実際に会うととても紳士的な感じがした。

 まずはカルテ記入。その後、施術台にうつ伏せになり、温熱療法を施してもらう。この温熱療法は、熱刺激によって気の流れをスムーズにするというものらしく、ここでは、温熱器を押し当てながらの施術ということだった。たとえるなら「人間アイロン」だが、レイキヒーラーでも手のひらだけではダメなのか、温熱器はまた別の話なのか……と疑問がよぎる。

 このお店に伺ったとき、ちょうど仕事の忙しさがピークであったため、筆者の背中はガチガチの状態。温熱器で温められると、確かに気持ちいいにはいいのだが、代表が「一度しっかり治療した方がいいです。ゆっくり来てください」を連発するため、スッと我に返ってしまう。というのも、公式サイトで確認した「基本施術」は、60分で1万5,000円(初診料込み)のセレブ価格だったから。このお店はどちらかというと、スピリチュアルな世界に生きている人向けなのだろうと思ってしまった筆者である。

 ちなみに、行きつけの鍼灸院の先生の話では、「なんとなく『治療しなきゃ』と思わせるのが、施術者の腕の見せどころなのよ!」とのこと。怪しげな勧誘もなく、それなりに技術はある施術者だと思ったので、今回は良しとしよう。

クーポン満足度:★★★☆☆
リピート思案度:★★★☆☆
※レイキに興味があるなら、オススメかも?

【メニュー】シロダーラ約85分/ヘッドマッサージ約5分
【クーポン価格】4,000円(55%オフ)

 久々に使用した「G」で見つけたのは、アーユルヴェーダ式シロダーラ施術のクーポン。この施術は45〜60分で、通常価格1万円前後なので、「このお値段なら」と思い切って購入した。

 シロダーラは、ヘッドスパトリートメントの一種で、額の第3の目「チャクラ」にハーブオイルを垂らし続ける、いわば「脳のマッサージ」だという。誰でも受けてOKというものではなく、体質に合わない人が受けると、逆に体調が悪化する場合もあると耳にする。どうなるものかと少し不安を抱きながら、今回筆者は、施術時間約90分、約85分がシロダーラ、約5分がヘッドマッサージというコースを選んだ。

 筆者が潜入したサロン「N」では、まず5分ほどヘッドマッサージを行い、その後、シロダーラに。なお、体質をチェックしてから、どのハーブオイルを使用するか決めるのだろうかと思ったが、そういったことはなかった。

 さて、お待ちかねのシロダーラだが、温度調節したオイルを額に垂らすため、首に枕を入れたはいいものの、だんだん首が痛くなり、さらに生暖かいオイルは頭の後ろに伝うのではなく、顔や耳にも流れてくる始末。感覚的には頭からドクドクと血が流れるようなものだった。長時間ベッドに横になっていたのでウトウトはしたものの、リラックスには程遠く、施術後、すっきりと爽やかな感じも特になかった。

 翌日、行きつけの鍼灸院でボディーチェックしてもらったところ「首がガチガチなんですけど」と言われ、やっぱりそうだよねと深く頷いてしまった。

クーポン満足度:★★☆☆☆
リピート思案度:★★☆☆☆
※正直、美容院でだったら受けたいかも

吉原杏(よしわら・あんず)
大阪生まれ、大阪育ち。好きなモノは小銭。好きな場所はリサイクルショップに100円均一。美容・健康オタクとしてプチ整形、数々のダイエット法に挑戦したことも。数々の携帯小説家、『株一年生~ゼロからわかる株の教科書~』(オープンアップス)などのアプリ作家として活動。